JP2004142296A - インクジェットヘッドおよびインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびインクジェット式記録装置 Download PDF

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Hidetoshi Matsumoto
松本 秀俊
Kazunari Chikanawa
近縄 一成
Hiroaki Nakajima
中島 弘章
Makio Nohayashi
野林 真紀夫
Yasuhide Sonoda
園田 康英
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】インクジェットヘッドにおいて、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制する。
【解決手段】インクが吐出される複数のノズル15が形成されたノズルプレート16と、ノズル15に連通して形成されてインクを貯留する圧力室23、および当該圧力室23内のインクに圧力を付与してノズル15からインクを吐出させるアクチュエータ25が設けられたヘッド本体11と、ノズルプレート16とヘッド本体11との間に設けられ、圧力室23に相当する位置におけるノズルプレート16とヘッド本体11とを20〜80%の接着面積で接着する接着剤12aを備えた接着層12とを有するインクジェットヘッドとする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットヘッドおよびインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、インクジェットヘッドとして、複数のノズルが形成されたノズルプレートをヘッド本体に接合したものが知られている。この種のインクジェットヘッドでは、ヘッド本体には、インクを貯留する複数の圧力室と、各圧力室につながるインク流路と、圧力室内のインクに圧力を付与してノズルからインクを吐出させるアクチュエータとが設けられている。
【0003】
ノズルプレートは、各ノズルが各インク流路とつながるように、ヘッド本体に接合されている。そして、アクチュエータが圧力室内のインクに圧力を加えることにより、圧力室内のインクの一部がインク流路を流れ、ノズルからインク滴となって吐出される。
【0004】
ところで、ノズルプレートとヘッド本体との接合に際しては、接着剤(接着手段)が用いられることが多い。しかし、ノズルプレートおよびヘッド本体は寸法が極めて小さいため、接着に際して種々の課題が存在する。
【0005】
すなわち、接着剤の量が多いと、接着剤がインク流路にはみ出し、インクの吐出不良を招くおそれがある。また、接着剤の内部に気泡が混入すると、空気が閉じこめられた部分については十分な接着力が得られなくなるため、接着不良を生じるおそれがある。
【0006】
そこで、上記の弊害を防止するため、種々の技術が提案されている。接着剤のインク流路へのはみ出しを防止するために、ヘッド本体に接着剤の逃げ溝を設けることが提案されている。(例えば、特許文献1を参照)。また複数の流路プレートを積層することによってヘッド本体を形成し、それら流路プレートに対し、積層方向に空気を逃がすための貫通穴を設けることが提案されている。(例えば、特許文献2を参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−330067号公報(図1)
【特許文献2】
特開2001−63052号公報(図2)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特開平5−330067号公報および特開2001−63052号公報に開示されたインクジェットヘッドでは、ヘッド本体に逃げ溝または貫通穴を設ける必要があったため、ヘッド本体の構造が複雑になり、歩留まりの低下および製造コストの上昇を招いていた。
【0009】
また、接着剤として熱硬化性の接着剤等を用いる場合には、乾燥硬化の過程でガスや水分等の副生成物が生成されることがある。しかし、上記インクジェットヘッドでは、接着剤をヘッド本体またはノズルプレートに対してべた塗りしており、副生成物に対する配慮はなされていない。
【0010】
ここで、副生成物によりノズル相互間が連通されるとインクのリークが発生する。これを防止するためには、ノズルプレートとヘッド本体との接着において、接着剤を点在するように塗布して両者間に空間を形成し、前述した副生成物をこの空間に逃がすことが考えられる。
【0011】
しかしながら、ノズルプレートとヘッド本体とが全面接着していないことから、単に空間を形成しただけでは、接着剤が存在する部分は圧力室剛性が高くなり、接着剤が存在しない部分では剛性が低下する。
【0012】
すると、圧力室と接着剤が所定距離以上に接近しているとアクチュエータの変位が圧力室内のインクに十分に作用せずに異常振動が発生し、所望のインク吐出性能が得られなくなる。
【0013】
そこで、本発明は、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することのできるインクジェットヘッドおよびそれを備えたインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、本発明のインクジェットヘッドは、インクが吐出される複数のノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルに連通して形成されてインクを貯留する圧力室、および当該圧力室内のインクに圧力を付与してノズルからインクを吐出させるアクチュエータが設けられたヘッド本体と、ノズルプレートとヘッド本体との間に設けられ、圧力室に相当する位置におけるノズルプレートとヘッド本体とを20〜80%の接着面積で接着する接着手段を備えた接着層とを有するものである。
【0015】
これによれば、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になる。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、インクが吐出される複数のノズルが形成されたノズルプレートと、ノズルに連通して形成されてインクを貯留する圧力室、および当該圧力室内のインクに圧力を付与してノズルからインクを吐出させるアクチュエータが設けられたヘッド本体と、ノズルプレートとヘッド本体との間に設けられ、圧力室に相当する位置におけるノズルプレートとヘッド本体とを20〜80%の接着面積で接着する接着手段を備えた接着層とを有するインクジェットヘッドであり、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になるという作用を有する。
【0017】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の発明において、接着手段は、相互に独立した複数のドット状接着剤を有するインクジェットヘッドであり、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になるという作用を有する。
【0018】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、ドット状接着剤は、円形状または多角形状に形成されているインクジェットヘッドであり、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になるという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1、2または3記載の発明において、接着手段における圧力室の列方向のピッチは圧力室の列方向のピッチと等しくなっているインクジェットヘッドであり、ノズルプレートとヘッド本体とが位置ずれした場合には全ての圧力室に相当する位置が一様に同じ寸法でずれることになるので、圧力室相互間の剛性変動条件を同一にすることができるという作用を有する。
【0020】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、接着層の圧力室に相当する位置相互間における接着面積は等しくなっているインクジェットヘッドであり、圧力室相互間の剛性を同一にすることができるという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、接着手段の幅は統一されているインクジェットヘッドであり、圧力室の剛性のバラツキを抑制することが可能になるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、接着手段は、圧力室に相当する位置がそれ以外の位置に対して密になっているインクジェットヘッドであり、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、接着手段は、ノズルプレートまたはヘッド本体に対してスクリーン印刷法によって塗布されているインクジェットヘッドであり、接着手段を所定のパターンに高精度に配置させることができるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の発明において、接着層における接着手段の設けられていない空間は外気と連通しているインクジェットヘッドであり、接着の際に生じた気泡や副生成物等のガス成分を、円滑かつ迅速に排出することが可能になるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか一項に記載のインクジェットヘッドを備えたインクジェット式記録装置であり、良好な液体吐出性能により高画質の印字を行うことが可能になるという作用を有する。
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。なお、これらの図面において同一の部材には同一の符号を付しており、また、重複した説明は省略されている。
【0027】
図1は本発明のインクジェットヘッドを備えた記録装置の全体概略構成を示す斜視図、図2は図1の記録装置に装着された本発明の一実施の形態であるインクジェットヘッドを示す断面図、図3は本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域の一例を示す平面図、図4は本発明のインクジェットヘッドにおける接着率と異常振幅およびリーク発生率との関係を示すグラフ、図5は本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域の他の一例を示す平面図、図6は本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域のさらに他の一例を示す平面図、図7は本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域のさらに他の一例を示す平面図、図8は本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域のさらに他の一例を示す平面図である。
【0028】
図1に示すインクジェット式記録装置(記録装置)40は、アクチュエータを構成する強誘電体素子の圧電効果を利用して記録を行うインクジェットヘッド(インク吐出ヘッド)41を備え、インクタンク(図示せず)から供給されてインクジェットヘッド41から吐出したインク滴を紙等の記録媒体42に着弾させて、記録媒体42に記録を行うものである。インクジェットヘッド41は、主走査方向Xに配置したキャリッジ軸43に設けられたキャリッジ44に搭載されていて、キャリッジ44がキャリッジ軸43に沿って往復動するのに応じて、主走査方向Xに往復動する。さらに、インクジェット式記録装置40は、記録媒体42をインクジェットヘッド41の幅方向(すなわち、主走査方向X)と略垂直方向の副走査方向Yに移動させる複数個のローラ(移動手段)45を備える。
【0029】
図2に示すように、インクジェットヘッド41は、複数のノズル15が形成されたノズルプレート16と、このノズルプレート16が接合されたヘッド本体11とを有している。
【0030】
ここで、ヘッド本体11は、流路板19と、圧力室23を区画形成する区画部材24およびアクチュエータ25を積層してなる圧力室部材13とを備えている。
【0031】
そして、流路板19には、圧力室23とノズル15とを連通するインク流路17と、圧力室23内にインクを導入する共通インク室18と、共通インク室18と圧力室23とを連通するインク供給路20とが設けられている。流路板19は、複数枚の薄板を積層することによって形成されている。ここでは、流路板19は5枚の薄板によって形成されている。薄板としては、例えばステンレス等を好適に用いることができる。
【0032】
圧力室部材13の区画部材24は、感光性ガラスによって形成されている。ただし、区画部材24の種類は感光性ガラスに限定されるものではない。区画部材24には、流路板19のインク供給路20とインク流路17とにまたがるように圧力室23が形成されている。圧力室23は、主走査方向Xに延びるように長溝状に形成され、副走査方向Yに互いに所定間隔をあけて配設されている。
【0033】
アクチュエータ25は、区画部材24の圧力室23を覆うように区画部材24の上側面(ノズルプレート16が設けられる側と反対の側の面)に設けられている。アクチュエータ25は圧電素子の圧電効果を利用するいわゆるピエゾ式のアクチュエータであって、特に、たわみ振動型のアクチュエータである。このアクチュエータ25は、アクチュエータ25のたわみ変形によって圧力室23の容積を拡大および縮小させ、その拡大および縮小に伴う圧力室23内の圧力変化によって、ノズル15からインク滴を吐出し且つ共通インク室18から圧力室23にインクを充填する。
【0034】
図示は省略するが、アクチュエータ25は、圧力室23を覆う振動板と、振動板を振動させる薄膜の圧電素子と、個別電極とが順に積層されて構成されている。振動板は、厚さ2μmのクロム板からなっていて、個別電極と共に圧電素子に電圧を印加するための共通電極としての機能をも有している。圧電素子は、圧力室23に対応して設けられており、厚さ0.5μm〜5μmのPZT(ジルコル酸チタン酸鉛)等を好適に用いることができる。本実施の形態では、圧電素子の厚みは3μmに設定されている。個別電極は厚さ0.1μmの白金板からなっており、アクチュエータ25の全体の厚さは約5μmとなっている。
【0035】
ヘッド本体11の全体の厚みは、たとえば480μmに設定されている。ノズルプレート16は、厚さ20μmのポリイミド板によって形成されている。
【0036】
そして、アクチュエータ25が圧力室23内のインクに圧力を加えることにより、圧力室23内のインクの一部がインク流路17を流れ、ノズル15からインク滴となって吐出される。
【0037】
図示するように、流路板19とノズルプレート16との間には接着層12が介在している。つまり、ノズルプレート16とヘッド本体11とは、接着層12を構成する接着剤(接着手段)12aにより相互に接合されている。なお、接着剤12aの種類は特に限定されるものではなく、例えばエポキシ系、シリコーン系またはアクリル系の接着剤を好適に用いることができる。ただし、エポキシ系接着剤は耐インク性、剛性、チクソ性等に優れているので、信頼性および接着強度を向上する観点から、エポキシ系接着剤が特に好ましい。
【0038】
接着層12は、その厚みが薄すぎるとノズルプレート16の表面粗さや反りを吸収できずに大気と連通する一方、厚すぎるとヘッド全体の剛性が不足して印字品質の低下を招くおそれがある。そこで、本実施の形態では、1μm〜20μmの厚さの接着剤12aを塗布し、それを加圧硬化することにより1μm〜10μm(好ましくは5μm程度)の接着層12を形成することとした。
【0039】
ここで、図3に示すように、接着剤12aは、ノズル15の全周を包囲してノズル15の配列方向に沿って連続的に形成され、また圧力室23に相当する位置のノズル15と反対側においてノズル15の配列方向に沿って連続的に形成され、さらにこれらの間においてノズル15の配列方向に沿って相互に独立した複数のドット状に形成されている。なお、ノズル15の周りでは、ノズル15の開口縁との間に隙間を設けつつノズル15の周りを取り囲むように、接着剤12aが塗布されている。このように、接着剤12aとノズル15との間に隙間を設けた理由は、接着剤12aの一部がノズル15内にはみ出さないようにするためである。
【0040】
接着層12は、このように接着剤12aの存在する領域と、接着剤12aの存在しない領域(空間)とで構成されている。なお、図示する場合には、ドット状の接着剤12aは細長い六角形に形成されているが、円形状または多角形状に形成されていればよく、図3に示す形状に限定されない。
【0041】
そして、このような塗布位置において、圧力室23に相当する位置では、接着剤12aはノズルプレート16とヘッド本体11とをたとえば30%の接着面積で接着している。
【0042】
ここで、本発明者は、圧力室23に相当する位置におけるノズルプレート16とヘッド本体11との接着率と異常振幅およびリーク発生率との関係について検討をした。検討結果を図4のグラフに示す。なお、ここでは、圧力室23に相当する位置において、ノズル15側、ノズル15と反対側およびこれらの間の3点でノズルプレート16とヘッド本体11とを接着した。
【0043】
図4に示すように、接着率が20%以下になると、圧力室23の剛性の低下に起因すると考えられるアクチュエータ25の変位時における異常振幅が増加している。また、80%以上になると、熱硬化性の接着剤12aにおける乾燥硬化の過程で生成されたガスや水分等の副生成物によりノズル15相互間が連通されたことに起因すると考えられるインクリークの発生率が増加している。
【0044】
したがって、圧力室23に相当する位置では、接着剤12aによるノズルプレート16とヘッド本体11との接着面積を20〜80%とすることにより、圧力室と接着剤が所定距離以上に接近した場合において、ノズル15相互間のリークを防止しつつ圧力室23の剛性低下による異常振動の発生を抑制できることが分かる。
【0045】
そして、前述のように本実施の形態のインクジェットヘッドでは、接着率を30%としているので、ノズル15相互間のリークを防止しつつ圧力室23の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になる。
【0046】
したがって、このようなインクジェットヘッドを備えインクジェット式記録装置では、良好な液体吐出性能により高画質の印字を行うことが可能になる。
【0047】
図3においては、ドット状の接着剤12aはそれぞれの圧力室23に相当する位置で1つのみ設けられているが、圧力室23に相当する位置における接着剤12aによるノズルプレート16とヘッド本体11との接着面積が20〜80%であれば、このようなこれに限定されない。つまり、図5に示すように、2つ(あるいは3つ以上)設けられていてもよく、図6に示すように、1つ設けられた箇所と2つ設けられた箇所を交互に配してもよい。さらに、図7に示すように、ドット状の接着剤12aが設けられていなくてもよい。そして、圧力室23の剛性に関わる箇所は圧力室23に相当する位置に設けられた接着剤12aであることから、図8に示すように、圧力室23に相当する位置の接着剤12aを、それ以外の位置の接着剤12aに対して密に設けてもよい。
【0048】
ここで、接着剤12aにおける圧力室23の列方向のピッチは圧力室23の列方向のピッチと等しくなっていることが望ましい。両者のピッチを等しくすることにより、ノズルプレート16とヘッド本体11とが位置ずれした場合、全ての圧力室23に相当する位置が一様に同じ寸法でずれることになるので、圧力室23相互間の剛性変動条件が同じになるからである。
【0049】
また、接着層12の圧力室23に相当する位置相互間における接着面積は等しくなっているのがよい。これは、接着面積が等しいと、圧力室23相互間の剛性は同じになるからである。
【0050】
さらに、圧力室23の剛性のバラツキを抑制するためには、接着剤12aの幅が統一されているのがよい。
【0051】
そして、接着層12における接着剤12aの設けられていない空間は外気と連通しているのがよい。これは、当該空間が外気と連通することにより、接着の際に生じた気泡や副生成物等のガス成分を、円滑かつ迅速に排出することができるからである。
【0052】
なお、接着剤12aは、ノズルプレート16またはヘッド本体11に対してスクリーン印刷法によって塗布するのが望ましい。
【0053】
スクリーン印刷では、ノズルプレート16の接着面に接着剤12aを上述したパターンに塗布する。ここでは、接着剤12aとして樹脂接着剤を用い、ノズルプレート16に対して塗布する方法について説明する。但し、ヘッド本体11に対して塗布してもよい。
【0054】
接着剤12aの塗布に際しては、まず、接着剤12aの配置パターンに対応した形状に形成されたメッシュ(図示せず)を、ノズルプレート16の接着面に対向させる。次に、メッシュの上に接着剤12aを載せ、スキージ(図示せず)によって、メッシュの上から接着剤12aをノズルプレート16に押しつける。この際、スキージは、ドット状接着剤12aの長手方向に向かって押しつけることが好ましい。つまり、スキージの走査方向とドット状接着剤12aの長手方向とが同一方向となるように、スキージの走査方向を調整することが好ましい。
【0055】
このようにスキージを押しつけることにより、メッシュの小孔の内部に接着剤12aが押し込まれ、ノズルプレート16上に接着剤12aが所定のパターンに配置される。
【0056】
以上のようにノズルプレート16上に接着剤12aを塗布した後、ノズルプレート16とヘッド本体11との位置合わせを行い、ノズルプレート16とヘッド本体11とを互いに押し当てて接着させる。
【0057】
この際、樹脂接着剤の表面に凹凸があること等により、接着剤に気泡が混じる場合がある。また、特に接着剤として2液を混合する種類の接着剤を用いる場合など、乾燥硬化する過程で水分が生じたり溶剤の一部が揮発する等、それら水分や溶剤等が副生成物として生成される場合がある。しかし、本実施の形態では、ノズルプレート16上の接着層12には接着剤12aの存在しない領域(空間)があるので、接着剤12aから生じた気泡や副生成物等のガス成分は当該空間に放出される。特に、その空間が外気と連通していれば、これらは接着層12の内部に密封されることなく、外部に排出される。
【0058】
そして、ノズルプレート16とヘッド本体11と接着した後、所定時間かけて熱硬化させる。
【0059】
このようなスクリーン印刷法によれば、接着剤12aを所定のパターンに高精度に配置させることができる。
【0060】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、圧力室と接着手段が所定距離以上に接近した場合において、ノズル相互間のリークを防止しつつ圧力室の剛性低下による異常振動の発生を抑制することが可能になるという有効な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェットヘッドを備えた記録装置の全体概略構成を示す斜視図
【図2】図1の記録装置に装着された本発明の一実施の形態であるインクジェットヘッドを示す断面図
【図3】本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域の一例を示す平面図
【図4】本発明のインクジェットヘッドにおける接着率と異常振幅およびリーク発生率との関係を示すグラフ
【図5】本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域の他の一例を示す平面図
【図6】本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域のさらに他の一例を示す平面図
【図7】本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域のさらに他の一例を示す平面図
【図8】本発明のインクジェットヘッドにおける接着層を構成する接着剤の塗布領域のさらに他の一例を示す平面図
【符号の説明】
11 ヘッド本体
12 接着層
12a 接着剤(接着手段)
15 ノズル
16 ノズルプレート
23 圧力室
25 アクチュエータ
40 インクジェット式記録装置
41 インクジェットヘッド

Claims (10)

  1. インクが吐出される複数のノズルが形成されたノズルプレートと、
    前記ノズルに連通して形成されてインクを貯留する圧力室、および当該圧力室内のインクに圧力を付与して前記ノズルからインクを吐出させるアクチュエータが設けられたヘッド本体と、
    前記ノズルプレートと前記ヘッド本体との間に設けられ、前記圧力室に相当する位置における前記ノズルプレートと前記ヘッド本体とを20〜80%の接着面積で接着する接着手段を備えた接着層とを有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記接着手段は、相互に独立した複数のドット状接着剤を有することを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記ドット状接着剤は、円形状または多角形状に形成されていることを特徴とする請求項2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記接着手段における前記圧力室の列方向のピッチは前記圧力室の列方向のピッチと等しくなっていることを特徴とする請求項1、2または3記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記接着層の前記圧力室に相当する位置相互間における接着面積は等しくなっていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記接着手段の幅は統一されていることを特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記接着手段は、前記圧力室に相当する位置がそれ以外の位置に対して密になっていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記接着手段は、前記ノズルプレートまたは前記ヘッド本体に対してスクリーン印刷法によって塗布されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記接着層における前記接着手段の設けられていない空間は外気と連通していることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項に記載のインクジェットヘッド。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載のインクジェットヘッドを備えたことを特徴とするインクジェット式記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7648221B2 (en) 2006-10-30 2010-01-19 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Droplet ejecting apparatus and thickness estimating method
US8011763B2 (en) 2007-01-30 2011-09-06 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Droplet ejecting apparatus
JP2017065000A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 京セラ株式会社 流路部材、およびそれを用いた液体吐出ヘッド、ならびに記録装置

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