JP2004142179A - 離型用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

離型用二軸配向ポリエステルフィルム Download PDF

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Kiminori Nishiyama
西山 公典
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Abstract

【課題】優れた加工適正を備えながら、表面の平滑性に優れ、シリコーン層を設けて離型用フィルムとしたときにその使用に際してポリエステルフィルム表面の突起が被離型物のシートに転写しない、優れた表面特性を有する離型用二軸配向ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】少なくとも片面において、高さが1μm以上の突起が1mあたり1個未満でありかつ、表面の中心線平均粗さRaが1nm以上20nm未満であり、かつフィルム表裏間の摩擦係数が0.5以下である、離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、離型用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、フィルム表面に離形層としてシリコーン層を設け、積層セラミックコンデンサーを成型するときのキャリアーシート、すなわち、グリーンシートとして使用するに最適な離型用二軸配向ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、離型用フィルムとして、シリコーンコートしたポリエステルフィルムが、コスト、強度、弾性率、耐薬品性などの優れた性質を持つことから、例えば樹脂シートの成形用、粘着剤離型用、医療用、電気・電子部品製造用の用途に使用されている。
【0003】
離型用フィルムから成形される成形体は、成形体の表面が平坦であることが重要であり、表面の平坦化が重要な課題である。離型用フィルムから成形される成形体の品質は、その離型用フィルムの表面の精度や品質にかかっていると言っても過言ではない。
【0004】
離型用フイルムそのものは、通常、ポリエステルフイルムに離型性のある樹脂の層、例えばシリコーン樹脂の層、を設けて形成される。ポリエステルフイルム中には、加工適性、例えば滑り性、巻き特性、を良くするために粒子が配合されているのが通常である。一般に、粒子を添加すれば、フィルムのハンドリング性が改善される反面、フィルムの表面が粗くなる。これを避けて、平坦な表面性を作るために粒子の配合をやめると、得られるフイルムは滑り性やエアー抜け性が極端に悪く、加工中にシワが入ったり、ロール状に巻けないものとなる。さらに、ポリエステルフィルムがシリコーンの塗布層を伴うと、シリコーン層がポリエステルフィルムの表面の突起を覆い隠すため、さらに加工適性が低下する。
【0005】
従来、離型用フィルムから成形される成形体または成形シートでは、その表面特性への要求が厳しいものではなく、ある程度の粗面状態であっても品質上問題となることがなかった。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−79575号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平10−016163号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、離型用フィルムを用いて製造する成形シートの表面特性の要求は非常に厳しくなってきた。
【0009】
例えば、塩化ビニル樹脂やウレタン樹脂のシートでは、これらの樹脂の溶液を離型フイルム上に流延し、シートを成形する。これらのシートでは、成形面に特に高い光沢性が要求される。
【0010】
また、粘着テープ用の離型用フイルムでは、離型用フイルム表面の凹凸が粘着テープの粘着剤層の表面に形状転写するため、例えばガラス面に粘着テープを貼るときに形状転写した凹部に空気が入り、きれいな外観を得ることができなくなる。そのため、表面の平坦性が要求される。
【0011】
さらに、電子部品の工程材料に用いられる離型用フイルムでは、特に表面平坦性への要求が高い。例えば、セラミックスコンデンサーの小型化かつ高容量化といった高性能化のため、セラミックコンデンサーを製造する際に用いる工程材料のグリーンシートの薄膜化が進められている。セラミックコンデンサーの薄層シートを作成する場合、離型用フイルムの上に、セラミック粉体とバインダー剤を液状媒体に分散させたセラミックススラリを塗布し、3μm以下あるいは2μ以下の非常に薄いグリーンシートを作成する。グリーンシートが薄層化すればするほど、グリーンシートの基材となる離型用フイルムの表面凹凸が、グリーシートの不良率増加や品質特性を大きく左右することになる。しかし、ポリエステルフィルムの表面が平滑すぎると、シリコーンの塗布工程での走行性や巻取り性が悪くなる。
【0012】
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を解消することにある。すなわち、本発明は、優れた加工適正を備えながら、表面の平滑性に優れ、シリコーン層を設けて離型用フィルムとしたときにその使用に際してポリエステルフィルム表面の突起が被離型物のシートに転写しない、優れた表面特性を有する離型用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、少なくとも片面において、高さが1μm以上の突起が1mあたり1個未満でありかつ、表面の中心線平均粗さRaが1nm以上20nm未満であり、かつフィルム表裏間の摩擦係数が0.5以下である、離型用二軸配向ポリエステルフィルムである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0015】
[ポリエステル]
本発明において、ポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸を主たる酸成分とし、脂肪族グリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルである。かかるポリエステルは実質的に線状であり、そしてフイルム形成性、特に溶融成形によるフイルム成形性を有する。
【0016】
芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸,ナフタレンジカルボン酸,イソフタル酸,ジフェノキシエタンジカルボン酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェニルエーテルジカルボン酸,ジフェルスルホンジカルボン酸,ジフェニルケトンジカルボン酸,アンスラセンジカルボン酸を挙げることができる。
【0017】
脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール,トリメチレングリコール,テトラメチレングリコール,ペンタメチレングリコール,ヘキサメチレングリコール,デカメチレングリコールの如き炭素数2〜10のポリメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールの如き脂環族ジオールを挙げることができる。
【0018】
本発明において、ポリエステルとしては、アルキレンテレフタレートまたはアルキレンナフタレートを主たる構成成分とするものが好ましく用いられる。
【0019】
かかるポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートが好ましい。ポリエチレンテレフタレートには、全ジカルボン酸成分の例えば80モル%以上がテレフタル酸であり、全グリコール成分の例えば80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が包含される。ポリエチレン−2,6−ナフタレートには、全ジカルボン酸成分の例えば80モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸であり、全グリコール成分の例えば80モル%以上がエチレングリコールである共重合体が包含される。
【0020】
このような共重合体である場合、20モル%以下はテレフタル酸または2,6−ナフタレンジカルボン酸以外のジカルボン酸成分であることができ、ジカルボン酸成分は、例えば上記芳香族シガルボン酸であることができる。また、例えばアジピン酸,セバチン酸の如き脂環族ジカルボン酸;シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸の如き脂環族ジカルボン酸等であることができる。
【0021】
また、全グリコール成分の20モル%以下はエチレングリコール以外のグリコール成分であることができ、グリコール成分は、例えば上記グリコールであることができ、例えば、ハイドロキノン,レゾルシン,2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの如き芳香族ジオール;1,4−ジヒドロキシジメチルベンゼンの如き芳香環を有する脂肪族ジオール;ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,ポリトテトラメチレングリコールの如きポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレングリコール)であることができる。
【0022】
また、本発明におけるポリエステルには、例えば、ヒドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸,ω−ヒドロキシカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分およびオキシカルボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合或は結合するものが包含される。
【0023】
さらにポリエステルには、実質的に線状である範囲の量、例えば全酸成分に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸またはポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸,ペンタエリスリトールを共重合したものも包含される。
【0024】
上記ポリエステルは、それ自体公知であり、それ自体公知の方法で製造することができる。上記ポリエステルとしては、ο−クロロフェノール中の溶液として35℃で測定して求めた固有粘度が0.4〜0.9のものが好ましい。
【0025】
本発明において、ポリエステルフィルムは不活性粒子を含有しても良い。含有する場合不活性粒子は、平均粒径が、好ましくは1μm未満、さらに好ましくは0.01μm以上1μm未満の不活性粒子である。
【0026】
この不活性粒子は有機粒子、無機粒子のいずれであってもよく、有機粒子と無機粒子の混合粒子でもよい。不活性粒子は、2成分以上で形成されてもよい。各成分の不活性粒子の長径と短径の比(長径/短径)が1.0〜1.2であることが好ましい。これらの不活性粒子を配合することにより、フイルム表面に非常に微細な凹凸を形成することができる。かかる不活性粒子の具体例としては、炭酸カルシウム,カオリン,酸化ケイ素,硫酸バリウム,酸化チタン,酸化アルミナ等の無機粒子;架橋ポリスチレン樹脂粒子,架橋シリコーン樹脂粒子,架橋アクリル樹脂粒子,架橋ポリスチレン樹脂粒子等の有機樹脂粒子を挙げることができ、無機素材と有機素材がシェルコア構造の形態をとる粒子でも良い。
【0027】
[フィルム]
本発明のフィルムは、少なくともその片面において、表面の中心線平均粗さRaが1nm以上20nm未満であることが必要である。Raが20nm以上であると薄層成型シートでは表面の平滑性が損なわれ、Raが1nmを未満の場合、フィルムの加工適正が悪くなる。
【0028】
本発明のフィルムは、少なくともその片面において、高さが1μm以上の突起が1mあたり1個未満であることが必要である。この要件を満たさないと、シリコーン塗布時にシリコーン塗布抜けの原因となり、グリーンシート成形時に成形不良の原因となる。
【0029】
本発明のフィルムは、少なくともその片面において、高さが0.5μm以上の突起が1mあたり1個以下であることが好ましく、高さが0.25μm以上の突起が1mあたり1個以下であることが好ましい。
【0030】
本発明のフイルムは、フィルム表裏間の摩擦係数が0.5以下であることが必要である。摩擦係数が0. 5を越えるとシリコーン塗布の搬送工程や後の加工工程でハンドリング性が悪くなり、搬送系でシワが発生したり、ロール状に巻いた製品にシワや突状の形状が転写する。摩擦係数は0.07以上であることが好ましい。
【0031】
本発明のフイルムは単層フィルムであってもよく、積層フィルムであってもよい。積層フィルムである場合、少なくとも2つの層からなることができ、共押出にて製造されたものが好ましい。この場合、層を構成するポリエステルは同じものでも違ったものでもよいが、同じものが好ましい。
【0032】
本発明のフイルムが積層フィルムである場合、フィルムを構成するポリエステルの種類をA、B、Cと表わせば、例えばA/B、A/B/A、A/B/Cの積層構造をとることができる。本発明において二軸延伸ポリエステルフィルムが、積層フィルムである場合、3層以下のポリエステルフィルムであることが好ましい。
【0033】
本発明のフイルムの総厚みは、単層フィルムの場合も、積層フィルムの場合も、好ましくは10〜100μm、さらに好ましくは15〜50μmである。
【0034】
本発明のフイルムは、従来から知られている、あるいは当業界に蓄積されている方法に準じて製造することができる。ただし、フィルム中の粗大粒子カットのため、平滑な表面を形成するためには、特に溶融濾過に注意しなければならない。所定の粒子を添加したポリエステルを押出機で溶融押出し、溶融状態のポリエステルに含まれる不純物を濾過して除去する必要がある。本発明のフィルムを得るために、絶対濾過精度1〜20μmのフィルターを用いることが好ましい。濾過寿命や、粗大突起の発生を抑止するためには、絶対濾過精度3〜10μmのフィルターを用いることが更に好ましい。
【0035】
本発明のフイルムを得るためには、例えば、融点(Tm:℃)ないし(Tm+70)℃の温度でポリエステルを溶融・濾過・押出し(場合により共押出し)して固有粘度0.4〜0.8dl/gの未延伸フイルム(場合により積層未延伸フィルム)を得る。次いで未延伸フイルムを一軸方向(縦方向または横方向)に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(ただし、Tg:ポリエステルのガラス転移温度)で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸し、次いで上記延伸方向と直角方向にTg〜(Tg+70)℃の温度で2.5倍以上、好ましくは3倍以上の倍率で延伸する。さらに必要に応じて縦方向及び/又は横方向に再度延伸してもよい。このようにして全延伸倍率は、面積延伸倍率として9倍以上が好ましく、12〜35倍がさらに好ましく、15〜25倍が特に好ましい。さらにまた、二軸配向フイルムは、(Tg+70)℃〜(Tm−10)℃の温度(ただし、Tm:ポリエステルの融点)で熱固定することができ、例えば、180〜250℃が好ましい。熱固定時間は1〜60秒が好ましい。
【0036】
[離型層]
本発明のフイルムには、その表面に離型層を設けることができる。離型層には、例えば、長鎖アルキル基を側鎖の持つ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂を用いることができる。
【0037】
離型層を設ける場合、離型層には付加反応系のシリコーン樹脂が好ましい。このシリコーン樹脂としては、ビニル基を導入したポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシランを主成分とする物が好ましく、これは白金触媒を用いて反応させることにより3次元架橋構造を作ることができる。ポリジメチルシロキサンとハイドロジェンシランの割合は、ハイドロジェンシラン中の〜SiH基1.0モルに対しポリジメチルシロキサン中のビニル基が1.0〜2.0モルとなる割合であることが好ましい。
【0038】
ポリジメチルシロキサン中に、下記のD単位、T単位及び/又はQ単位の構造を有するシリコーンレジンを配合しても良い。こらは離型層中のメチル基の濃度を調整し表面張力を増加させるためのものである。
【0039】
なお、このシリコーンレジンの配合割合は、固形分濃度で、好ましくは0〜60重量%、さらに好ましくは0.1〜30重量%である。レジン配合量が、60重量%超えると剥離力が重く、成形体が剥離できなくなる。
【0040】
【化1】
Figure 2004142179
【0041】
本発明のフィルムは、上記の離型層を設けることにより、シリコーン離型層の剥離力がアクリル粘着テープに対して300g/インチ幅以下である離型用二軸配向ポリエステルフィルムとすることができる。
【0042】
本発明において、離型層は、例えば離型層の成分を含む塗液をフイルムに塗布し、加熱乾燥させることにより塗設することができる。塗液の塗布方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。適用できる塗布方法として、例えばロールコーター法、ブレードコーター法を挙げることができる。塗液は有機溶剤を用いた塗液であっても水性塗液であってもよく、ポリジメチルシロキサンやハイドロジェンシラン系化合物を溶解した溶液であることが好ましく、例えばトルエン等の有機溶剤を用いた塗液であることが好ましい。塗布層形成のための加熱乾燥は、70〜170℃で、20〜60秒行なうことが好ましい。
【0043】
離形層の厚みは、好ましくは30nm〜300nm、さらに好ましくは50nm〜200nmである。離形層厚みが30nm未満であると剥離特性が安定化せず、剥離が重くなることがあり、300nmを越えるとブロッキングを起こしやすくなるため好ましくない。
【0044】
離形層中には微細な不活性粒子を含有してもよい。微細な不活性粒子は、平坦な離形層面に多く微細凹凸を付与するが、非常に微細なためその形状は成型シートへ転写しても不具合を生じるレベルではなく、離形層の背面への転写(ブロッキング)や工程適正が改善さる。このような要件を満たすためには、不活性粒子の平均粒径は3〜80nmのものが好ましい。平均粒径が3〜50nmのものはさらに好ましい。
【0045】
この不活性粒子は有機粒子、無機粒子のいずれも用いることができ、有機粒子と無機粒子の混合粒子でもよい。かかる不活性粒子の具体例としては、炭酸カルシウム,カオリン,酸化ケイ素,硫酸バリウム,酸化チタン,酸化アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム等の無機粒子;架橋ポリスチレン樹脂粒子,架橋シリコーン樹脂粒子,架橋アクリル樹脂粒子,架橋ポリスチレン樹脂粒子等の有機樹脂粒子を挙げることができ、無機素材と有機素材がシェルコア構造の形態をとる粒子でも良い。特に微細粒子の場合は無機粒子が好ましく、不活性粒子の長径と短径の比(長径/短径)が1.0〜1.2であることが好ましい。これらの不活性粒子を配合することにより、離形層表面に非常に微細な凹凸を形成することができる。
【0046】
不活性粒子の添加量は、離型層の重量に対して、好ましくは0.05〜25重量%、さらに好ましくは0.1〜5%である。添加量が0.05重量%未満であると滑り性や離形層のブロッキングが起こり、離形層の剥離特性が安定しなくなり、25重量%を超えると透明性が落ち、凝集が起こりやすく粗大凝集物が発生するようになり好ましくない。
【0047】
離型層には、本発明の目的を妨げない範囲で公知の各種添加剤を配合することができる。この添加剤としては、例えば紫外線吸収剤、顔料、消泡剤、滑剤(タルク、クレー、アルミナ等)、帯電防止剤を挙げることができる。また、離形層とは別に、このような添加剤と樹脂の組み合わせによりポリエステルフィルム表面に塗設しても良い。
【0048】
[アンカー層]
本発明のフイルムと上記離型層との密着性を高めるために、フイルムと離型層との間にコロナ処理やアンカー層を設けてもよい。このアンカー層には、例えばシランカップリング剤を用いることができる。シランカップリング剤としては、一般式Y−Si−Xで示されるものを挙げることができる。ここで、Yは例えばアミノ基、エポキシ基、ビニル基、メタクリル基、メルカプト基で代表される官能基、Xはアルコキシ基で代表される加水分解性の官能基である。
【0049】
アンカー層を設ける場合、アンカー層の厚みは、好ましくは0.005〜0.2μm、さらに好ましくは0.01〜0.1μmである。アンカー層の厚みが上記の範囲であるとポリエステルフイルムと離型層の密着性が良好となる。
【0050】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に説明する。
【0051】
なお、フイルムの各特性値は下記の方法で測定した。
(1)粗大突起
突起の高さは、ポリエステルフィルムの上下に偏光フィルムを設け、クロスニコル法にてポリエステルフィルムを目視観察する。輝点となる異物をサンプリングし、WYKO CORPORATION NT−2000の非接触式表面粗さ計を用いて高さを測定する。測定条件は次のとおりである。
【0052】
高さが1μm以上の突起を粗大突起として、1mあたりの粗大突起の数を数える。
【0053】
測定エリア:462μm×607μm
測定倍率: 10倍
(2)中心線平均粗さ(表面粗さ)
JISB0601に準拠し、小坂研究所製触針式三次元表面粗さ計にて、表面粗さを測定する。測定条件は次のとおりである。
【0054】
触針先端径: 2μ
荷重:    10mg
カットオフ値:0.25
(3)摩擦係数
ASTM D1894に準拠し、ポリエステルフィルムの表裏を重ね合わせたときの摩擦係数を測定する。
(4)剥離強度(剥離力)
ポリエステルフィルムの離形層面に、ポリエステル粘着テープ(ニットー31B)を貼合わせ、5kgの圧着ローラーで圧着し20時間放置後、離形層と粘着テープとの剥離力を引張り試験機にて測定する。
(5)加工適性
加工適正は、加工工程におけるフィルムのハンドリング性として、搬送ロール上でのシワやフィルム巻き取り時のシワ,ズレを目視観察し、定性的判定を行なう。
【0055】
○:非常に良好
△:フィルム巻取り時にシワが入る
×:搬送時のシワ、巻取り時のシワ、ズレが起こる
[実施例1]
まず、ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを用い、滑剤の不活性粒子として平均粒子径0.3μmの酸化ケイ素を0.15wt%配合して、常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレフタレートAを得た。このポリエチレンテレフタレートAのペレットを、170℃で3時間乾燥後、押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、濾過精度が3μのフィルターで濾過し、押出ダイを用いて、表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み540μmの未延伸フイルムを得た。
【0056】
このようにして得られた未延伸積層フイルムを75℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で15mm上方より900℃の表面温度のIRヒーター1本にて加熱して3.6倍に延伸し、急冷し、続いてステンターに供給し、105℃にて横方向に3.9倍に延伸した。得られた二軸配向フイルムを205℃の温度で5秒間熱固定し、厚み38μmの熱固定二軸配向積層ポリエステルフイルムを得た。なお、一軸延伸後に、シリコーンのアンカー処理として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン水溶液をキスコート法にて塗布した。
【0057】
得られた熱固定二軸配向積層ポリエステルフイルムのうえに、シリコーン離型剤として付加反応硬化型シリコーン(信越シリコーン(株)製KS−774)を、メチルエチルケトン,イソブチルケトンおよびトルエンの混合溶剤中に溶解、触媒として白金触媒を添加し、常法のロールコーティング法により、乾燥膜厚みが50nmとなるよう塗布して離型層を設けた離型用フイルムを得た。加熱乾燥は、150℃にて20秒行なった。この離型用フイルムの特性を表1に示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004142179
【0059】
[実施例2]
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールを用い、滑剤の不活性粒子として平均粒子径0.09μmの酸化ケイ素を0.25wt%配合して、常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレフタレートBを得た。さらにジメチルテレフタレートとエチレングリコールを用い、滑剤の不活性粒子として平均粒子径0.6μmの酸化ケイ素を0.06wt%と平均粒径0.3μmの酸化ケイ素を0.4wt%配合して、常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレフタレートCを得た。ポリエチレンテレフタレートBおよびポリエチレンテレフタレートCのペレットを、それぞれ170℃で3時間乾燥後の2台の押出機ホッパーに供給し、溶融温度280〜300℃で溶融し、濾過精度が3μのフィルターで濾過し、2層押出ダイを用いて、表面仕上げ0.3s程度、表面温度20℃の回転冷却ドラム上に押出し、厚み540μmの未延伸フイルムを得た。BとCの厚みの比率はB/C=1/9である。
【0060】
このようにして得られた未延伸積層フイルムを用いて、実施例1と同様の方法で二軸延伸積層フィルムおよび離型用フィルムを作成した。この離型用フイルムの特性を表1に示す。
【0061】
[実施例3]
実施例2においてポリエチレンテレフタレートCの替わりに、滑剤の不活性粒子として平均粒子径1.2μmの酸化ケイ素を0.01wt%と平均粒径0.6μmの炭酸カルシウムを0.2wt%配合して、常法により重合し、固有粘度(オルソクロロフェノール、35℃)0.62のポリエチレンテレフタレートDを用いる以外は、実施例2と同様の方法にて未延伸積層フィルム、二軸延伸積層フィルムおよび離型用フィルムを作成した。この離型用フイルムの特性を表1に示す。
【0062】
[比較例1]
実施例1において滑剤を使用しない以外は実施例1と同様の方法にて未延伸積層フィルム、二軸延伸積層フィルムおよび離型用フィルムを作成した。この離型用フイルムの特性を表1に示す。
【0063】
[比較例2]
実施例1において滑剤の不活性粒子として平均粒径1μmのカオリナイトを0.1wt%とする以外は実施例1と同様の方法にて未延伸積層フィルム、二軸延伸積層フィルムおよび離型用フィルムを作成した。この離型用フイルムの特性を表1に示す。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた加工適正を備えながら、表面の平滑性に優れ、シリコーン層を設けて離型用フィルムとしたときにその使用に際してポリエステルフィルム表面の突起が被離型物のシートに転写しない、優れた表面特性を有する離型用二軸配向ポリエステルフィルムを提供することができる。本発明のフィルムは、セラミックシートの製造に特に好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも片面において、高さが1μm以上の突起が1mあたり1個未満でありかつ、表面の中心線平均粗さRaが1nm以上20nm未満であり、かつフィルム表裏間の摩擦係数が0.5以下である、離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  2. ポリエステルフィルムが単層フィルムまたは3層以下の構成からなる積層フィルムである、請求項1記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルム。
  3. 請求項1記載の離型用二軸配向ポリエステルフィルムの少なくとも片面にシリコーン離型層を有する離型用フィルムであって、シリコーン離型層の剥離力がアクリル粘着テープに対して300g/インチ幅以下である、離型用フィルム。
  4. ポリエステルフィルムとシリコーン離形層の間にアンカー層を有する、請求項3記載の離型用フィルム。
  5. セラミックシートの製造に用いる、請求項3または4に記載の離型用フィルム。
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