JP2004139879A - 表示パネル及び表示パネルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板上に形成された保護絶縁膜が損傷することを抑えることができ、基板上に形成された電極の表面が絶縁性となることを抑えることのできる表示パネル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】透明基板12の表面12a上にアノード13,13,…をマトリクス状に形成し、各アノード13を囲繞するように仕切り壁20を表面12a上に形成する。次いで、この透明基板12をフルオロアルキル基を有したシラザン化合物溶液に浸漬して、引き出すことで、シラザン化合物の膜を表層に形成する。透明基板12を放置することで、シラザン化合物を加水分解重合させて、珪素と酸素との主鎖にフルオロアルキル基が結合した化合物層14’を形成する。その後、光触媒膜43を透過した活性光線を囲繞領域19に照射することで、フルオロアルキル基を水酸基に置換する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学素子、特に複数の有機EL(Electro Luminescence:エレクトロルミネセンス)素子が基板上に配列されてなる表示パネル及び表示パネルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機EL素子はアノード、有機化合物からなるEL層、カソードの順に積層された積層構造を為しており、アノードとカソードの間に正バイアス電圧が印加されるとEL層において発光する。このような有機EL素子を画素として基板上にマトリクス状に配列して、各有機EL素子を所定の階調輝度で発光することによって画像表示を行う有機EL表示パネルが実現化されている。
【0003】
アクティブマトリクス駆動の有機EL表示パネルでは、アノード又はカソードのうちの一方の電極を全ての画素に共通する共通電極とすることができるが、少なくとも他方の電極及びEL層を画素ごとにパターニングする必要がある。アノードやカソードを画素ごとにパターニングする手法は従来の半導体装置製造技術を適用できる。つまり、PVD法又はCVD法等による成膜工程、フォトリソグラフィー法等によるマスク工程、エッチング法等による薄膜の形状加工工程を適宜行うことで、アノードやカソードを画素ごとにパターニングすることができる。
【0004】
EL層の成膜方法については、材料等の条件に応じてドライ蒸着法と湿式コーティング法に大別できる。ドライ蒸着法を用いる場合には、メタルマスクを用いることで蒸着して成膜されるEL層を画素ごとにパターニングすることができる。一方、湿式コーティング法を用いる場合には、例えばインクジェット技術を応用することで画素ごとにパターニングすることができる。つまり、EL層になる材料を有機溶媒で溶解した有機溶液の液滴を画素ごとに吐出することで、画素ごとにEL層をパターニングすることができる。
【0005】
ところで、高解像度の画像表示を行う有機EL表示パネルを提供するためには、EL層を微細パターンで形成しなければならない。インクジェット方式では、有機溶液の液滴の粒径が非常に小さいためEL層を微細パターンで形成することは可能であるが、液滴が着弾してから固化するまでの間に滲んでしまうため隣り合う画素のEL層の液滴と混ざってしまう恐れがある。そこで、基板上に予め画素毎に区切った網目状の仕切り壁を微細パターニングしてから、仕切り壁によって囲繞された領域に液滴を吐出することで、隣り合う画素同士の液滴が混ざることを防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
特許文献1に記載された有機EL表示パネルの製造方法では、画素ごとに薄膜トランジスタが一方の面に形成された基板であって、これら薄膜トランジスタが窒化シリコン及び酸化シリコンといった保護絶縁膜によって被膜されている基板を用いる。このような基板上に複数のアノードをマトリクス状に形成し、それぞれのアノードを囲繞するように仕切り壁を基板上に成膜する。そして、複数のアノード及び仕切り壁の形成された面に向けてフッ化物(CF)プラズマを照射することで、仕切り壁の表面を撥液性にする。その後、それぞれのアノードにインクジェット方式で有機溶液を塗布することで、それぞれのアノード上にEL層を形成する。仕切り壁の表面を撥液性にすることで、隣り合う画素同士の液滴が混ざることが効率よく防止される。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−353594号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機EL表示パネルをアクティブマトリクス駆動するためにも画素ごとに薄膜トランジスタを必要とし、薄膜トランジスタを保護するためにも保護絶縁膜を必要とするが、フッ化物プラズマを照射すると保護絶縁膜がエッチングされてしまうことがあり、更に薄膜トランジスタを劣化してしまうこともある。これは、フッ化物プラズマが保護絶縁膜中のシリコンと反応するためと考えられている。
【0009】
また、複数のアノード及び仕切り壁の形成された面に向けてフッ化物プラズマを照射すると、フッ化物のラジカル種がアノードの表面でも重合し、フッ素と炭素の化合物がアノード表面に形成されて、アノードも撥液性となってしまう。アノードが撥液性となってしまうと、有機溶液の液滴がアノード上で滲まず、EL層の厚さが均一にならなかったり、EL層とアノードとの間に剥離が生じてしまったりする。また、アノードの表面にフッ素と炭素の化合物層が形成され、その化合物層が絶縁性を有するから、アノードとカソードの間に正バイアス電圧を印加してもとEL層では発光しない。
【0010】
そこで、本発明の目的は、基板上に形成された保護絶縁膜が損傷することを抑えることができ、基板上に形成された電極の表面が絶縁性となることを抑えることのできる表示パネル及び表示パネルの製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、請求項1に記載の表示パネル(例えば、有機EL表示パネル10)は、図2に示すように、基板(例えば、透明基板12)上に形成された複数の電極(例えば、アノード13,13,…)が各々露出した電極露出領域(例えば、囲繞領域19)から前記複数の電極が露出していない非電極露出領域にわたって連続するとともに前記複数の電極を被覆するパターン膜(例えば、パターン膜14)が形成されており、前記パターン膜は前記電極露出領域において親液性膜(例えば、親液性膜14a)であり、前記パターン膜は前記非電極露出領域において撥液性膜(例えば、撥液性膜14b)であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明では、電極露出領域から非電極露出領域にわたって連続したパターン膜のうち、電極露出領域を液体に対してなじむ親液性膜とし、非電極露出領域を液体をはじく撥液性膜としたので、この上に、例えばEL層を構成するための有機化合物材料が含有した液体を電極露出領域から非電極露出領域にわたって散布し又は塗布すると、親液性膜が成膜された電極露出領域のみに局在するので、迅速且つ精度よくEL層を画素パターン化でき生産性に優れる。またEL層自体をフォトリソグラフ工程でエッチングすることがないので有機化合物材料の利用効率が高い。
また請求項4に示すように、親液性膜は撥液性膜より薄くすることで電極とEL層との間の電荷注入性、輸送性に支障が無くすことができ、撥液性膜は親液性膜より厚くなるので膜の単位面積当たりの、撥液性を示す官能基の数を多くすることが可能になり、十分な撥液性を示すことができる。
【0012】
そして、請求項9に記載の表示パネル(例えば、有機EL表示パネル10)の製造方法は、図3、4に示すように、複数の光学素子(例えば、有機EL素子11,11,…)が基板(例えば、透明基板12)上に配列されてなる表示パネルを製造する表示パネルの製造方法において、基板上に形成された複数の第一電極(例えば、アノード13,13,…)が各々露出した電極露出領域(例えば、囲繞領域19)及び前記複数の第一電極が露出していない非電極露出領域全体を被覆するように、撥液性官能基を有する化合物からなる化合物層(例えば、化合物層14’)を成膜する成膜工程と、前記電極露出領域と重なる位置に配置された光触媒(例えば、光触媒膜43)に活性光線を照射する光触媒活性工程と、を含むことを特徴とする。
また、活性光線とは、光触媒を励起する光線であり、可視光線、紫外線、電子線、赤外線等のいずれを含んでもよい。
また、光触媒とは、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ビスマス、酸化鉄のように活性光源が入射されることで生じる所定の化学反応を促進する触媒のことである。
【0013】
請求項9に記載の発明では、電極露出領域では、光触媒に活性光線が入射されることで化合物層から撥液性官能基が分解・離脱することが可能となる。従って、例えば、有機化合物含有液を基板に塗布すると、電極露出領域では電極上で滲んで均一な厚さに広がり、非電極露出領域では有機化合物含有液をはじき有機化合物含有液の表面張力により電極露出領域まで有機化合物含有液を移動させる。したがって、有機化合物含有液は電極露出領域のみに局在するので迅速且つ精度よく有機化合物含有液をパターン化でき生産性に優れる。
【0014】
また、活性光線により励起された光触媒が活性種を発生することで、化合物層から撥液性官能基を脱離させ、より親液性を示す官能基に置換することが有機化合物含有液を成膜しやすいので好ましく、親液性を示す官能基は撥液性官能基よりも小さい方が、第一電極の電気的作用を伝達させやすいのでより好ましい。
【0015】
また、フッ化物プラズマを照射することなく非電極露出領域を撥液性とするため、非電極露出領域に酸化シリコン又は窒化シリコンといった保護絶縁膜が形成されていたものとしても、保護絶縁膜が損傷することがない。
【0016】
このような製造方法では、第一電極がITOのような金属酸化物の場合、撥液性官能基を有する化合物としてフッ素を含む官能基を有するシラザン化合物を適用することで化合物と第一電極の接合性を良好にすることが可能となる。
【0017】
また、予め純水で洗浄することで、化合物を容易に加水分解させることができる。
【0018】
成膜工程の前に、それぞれの第一電極を囲繞する仕切り壁を形成する工程を含むことで仕切り壁によって囲繞された領域に塗布された有機化合物含有液が仕切り壁を乗り越えることがない。
【0019】
表示パネルの他の製造方法は、例えば図5に示すように、
複数の電極(例えば、アノード13,13,…)が互いに間隔をあけて一方の面(例えば、表面12a)上に形成された基板(例えば、透明基板12)について、それぞれの前記電極を囲繞するように、有機化合物からなる仕切り壁(例えば、仕切り壁20)を前記一方の面上に形成する工程と、
前記仕切り壁及び前記複数の電極ごと前記基板をフッ素ガス雰囲気に曝露する工程と、
前記複数の電極の表層をアッシングする工程と、
を含むことを特徴とする。
【0020】
上記発明では、フッ素ガス雰囲気に基板を曝露することによって仕切り壁の表面にはフッ化物が形成されるから、仕切り壁の表面が撥液性となる。フッ化物プラズマを照射することなく電極を囲繞した仕切り壁を撥液性とするため、仕切り壁の下層に酸化シリコン又は窒化シリコンといった保護絶縁膜が形成されていたものとしても、保護絶縁膜が損傷することがない。
【0021】
また、電極の表面にもフッ化物が形成されるが、電極の表層をアッシングすることによって電極の表面に形成されたフッ化物が除去される。フッ化物が除去されるため、電極と有機物層との間に絶縁膜等が存しない。
また、フッ化物が除去されることで、電極が親液性となるのでこのような製法をEL層の形成に適用すると、塗布されたEL層となるための有機化合物含有液は電極では滲み、仕切り壁でははじく。そのため、隣り合う電極で有機化合物含有液が混ざることもなくなる。
また、電極上で有機化合物含有液が滲むから、EL層の厚さが均一になり、EL層と電極との間に剥離を生じることもなくなる。
【0022】
表示パネルのさらに他の製造方法は、例えば図6〜7に示すように、基板(例えば、透明基板12)の一方の面(例えば、表面12a)上に互いに間隔をあけて形成された複数の電極(例えば、アノード13,13,…)の表層をアッシングする工程と、
それぞれの前記電極にマスクをして、フッ素を含む官能基を有する化合物を前記複数の電極の間の前記一方の面上に蒸着する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0023】
上記発明では、電極の表層をアッシングすることによって電極の表層に形成された不純物が除去され、電極が親液性となる。そして、電極にマスクをしてフッ素を含む官能基を有する化合物を蒸着しているため、電極の表面にはフッ素を含む官能基を有する化合物が形成されない。そのため、電極上に絶縁膜等が存しない。
一方、電極の間にはフッ素を含む官能基を有する化合物の層が形成されるから、電極の間は撥液性となる。従って、このような製法をEL層の形成に適用すると、塗布された有機化合物含有液は電極では滲み、電極の間でははじく。そのため、隣り合う電極で有機化合物含有液が混ざることもなくなる。更に、フッ化物プラズマを照射することなく電極の間を撥液性とするため、電極の間に酸化シリコン又は窒化シリコンといった保護絶縁膜が形成されていたものとしても、保護絶縁膜が損傷することがない。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明の具体的な態様について説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。また、以下の説明において、『平面視して』とは、『透明基板12(後述)に対して垂直な方向に見て』という意味である。
【0025】
〔第一の実施の形態〕
図1は、本発明が適用された有機EL表示パネル10の平面図であり、図2は、図1に示された切断線S1−S2で破断して示した断面図である。
【0026】
有機EL表示パネル10は、画素が平面視してマトリクス状に配列されており、アクティブマトリクス駆動方式によりマトリクス表示を行うものである。即ち、有機EL表示パネル10では、一つの画素につき、一つのEL素子11と、EL素子11を駆動するための一つの画素回路と、から構成されており、画素回路は周辺ドライバ(図示略)から信号線51及び走査線52を介して信号を入力し、入力した信号に従ってEL素子11に流れる電流をオン・オフしたり、EL素子11の発光期間中に電流値を保持することでEL素子11の発光輝度を一定に保ったりする。画素回路は、一つにつき、少なくとも一つ以上のトランジスタから構成され、適宜コンデンサも付加されることもあるが、図1においては一例として画素回路が二つのトランジスタ21,21から構成されたものとする。
【0027】
有機EL表示パネル10は平板状の透明基板12を有しており、透明基板12の表面12a上には、縦方向に延在した複数の信号線51,51,…が形成されている。信号線51,51,…は、平面視して、ほぼ等間隔となって互いに平行に配列されている。信号線51,51,…は、導電性を有しており、透明基板12の表面12a一面に成膜されたゲート絶縁膜23によって被膜されている。このゲート絶縁膜23上には、横方向に延在した複数の走査線52,52,…が形成されており、平面視して走査線52,52,…は信号線51,51,…に対して直交している。走査線52,52,…も、平面視して、ほぼ等間隔となって互いに平行に配列されている。
【0028】
透明基板12の表面12aには、複数のトランジスタ21,21,…が形成されている。各トランジスタ21は、ゲート電極22、ゲート絶縁膜23、半導体膜24、不純物半導体膜25,26、ドレイン電極27、ソース電極28から構成されており、これらが積層されてなるMOS型電界効果薄膜トランジスタである。ゲート絶縁膜23は、透明基板12一面に成膜されており、全てのトランジスタ21,21,…について共通の層となっている。
【0029】
トランジスタ21,21、…は保護絶縁膜18によって被覆されている。保護絶縁膜18は、平面視して、網目状に形成されている。平面視して、保護絶縁膜18が網目状に形成されることで、保護絶縁膜18によって囲繞された複数の囲繞領域19,19,…が透明基板12上にマトリクス状に配列されたように形成される。保護絶縁膜18は、酸化シリコン(SiO)及び窒化シリコン(SiN)といった無機珪素化物で形成されている。保護絶縁膜18に重なるようにして、仕切り壁20が保護絶縁膜18上に形成されており、仕切り壁20も保護絶縁膜18と同様に平面視して網目状に形成されている。仕切り壁20の幅は保護絶縁膜18の幅より狭く、平面視した場合仕切り壁20の両壁面から保護絶縁膜18が延出している。また、仕切り壁20の幅は、透明基板12に近づくにつれて大きくなっている。仕切り壁20は、絶縁性を有しており、ポリイミド樹脂等の感光性樹脂といった有機化合物で形成されている。
【0030】
次に、光学素子であるEL素子11について説明する。EL素子11は、透明基板12側から第一電極であるアノード13、パターン膜14、EL層15、第二電極であるカソード16の順に積層した積層構造となっている。アノード13は、可視光に対して透過性を有するとともに導電性を有する。アノード13は、比較的仕事関数の高いものである。アノード13は、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛若しくは酸化スズ又はこれらのうちの少なくとも一つを含む混合物(例えば、錫ドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム)で形成されている。
【0031】
平面視して、アノード13は信号線51,51,…と走査線52,52,…に囲まれた各領域に配設されており、複数のアノード13、13,…が互いに間隔をあけて且つマトリクス状になってゲート絶縁膜23上に配列されている。
【0032】
また、平面視して、アノード13はそれぞれ囲繞領域19に対応して臨んでおり、囲繞領域19の面積はアノード13の面積より小さく、囲繞領域19はアノード13内に配されており、アノード13の外周部は保護絶縁膜18及び仕切り壁20の一部に重なって被覆されている。この例では、アノード13がトランジスタ21のソース電極28に接続されているが、画素回路の回路構成によっては他のトランジスタやコンデンサにアノード13が接続されていても良い。
【0033】
これらアノード13,13,…上にはパターン膜14が成膜されている。パターン膜14は、透明基板12一面に形成されており、アノード13,13,…とともに仕切り壁20も被覆している。パターン膜14は、アノード13,13,…に重なっている領域において有機化合物含有液に対してなじみ、これらの液との接触角が40°以下の表面の性質(以下、「親液性」を示すという。)を備えた親液性膜14aと、保護絶縁膜18及び仕切り壁10に重なっている領域において有機化合物含有液をはじき、これらの液との接触角が40°を越える表面の性質(以下、「撥液性」を示すという。)を備えた撥液性膜14bと、にパターン化されている。このとき、有機化合物含有液は有機材のような親油性を示すものであっても水のような親水性を示すものであってもよい。つまり、パターン膜14においては、撥液性となる領域が平面視して網目状に形成されており、親液性となる領域が撥液性となる領域に囲繞されるようにマトリクス状に形成されている。パターン膜14の親液性膜14aは非常に薄く、その厚さは0.0nmより厚く且つ1nm以下である。有機化合物含有液とは、EL層15を構成した有機化合物又はその前駆体を含有した液であり、EL層15を構成した有機化合物又はその前駆体が溶質として溶媒に溶けた溶液であっても良いし、EL層15を構成した有機化合物又はその前駆体が液体に分散した分散液であっても良い。
【0034】
平面視して、これらEL層15,15,…は、マトリクス状に配列されており、それぞれの囲繞領域19内に配設されているとともにそれぞれのアノード13と重なるようにパターン膜14上に成膜されている。つまり、パターン膜14の親液性となる領域上においてEL層15が成膜されている。
【0035】
各EL層15は、有機化合物である発光材料で形成された層であって、アノード13から注入された正孔とカソード16から注入された電子を再結合させることで励起子を生成して、赤、青、緑の何れかに発光する層である。また、各EL層15には、電子輸送性の物質が適宜混合されていても良いし、正孔輸送性の物質が適宜混合されても良いし、電子輸送性の物質及び正孔輸送性の物質が適宜混合されていても良い。
【0036】
各EL層15は、アノード13から順に正孔輸送層、狭義の発光層、電子輸送層となる三層構造であったり、アノード13から順に正孔輸送層、狭義の発光層となる二層構造であったり、狭義の発光層からなる一層構造であったり、これらの層構造において適切な層間に電子或いは正孔の注入層が介在した積層構造であったりする。EL層15は、有機化合物含有液を塗布すること(つまり、湿式塗布法)によって成膜される。
【0037】
カソード16は、全てのEL層15,15,…を被覆するように透明基板12一面に連続して形成されている。カソード16は、少なくとも仕事関数の低い材料を含み、具体的にはマグネシウム、カルシウム、リチウム若しくはバリウムや希土類からなる単体又はこれらの単体を少なくとも一種を含む合金で形成されている。更に、カソード16が積層構造となっていても良く、例えば、上述のような低仕事関数材料で形成された膜上にアルミニウム、クロム等高仕事関数で且つ低抵抗率の材料で被膜した積層構造でも良い。また、カソード16は可視光に対して遮光性を有するのが望ましく、さらに、EL層15から発する可視光に対して高い反射性を有するのが望ましい。つまり、カソード16が可視光を反射する鏡面として作用することで、光の利用効率を向上することができる。
【0038】
以上のように、パターン膜14及びカソード16は、全てのEL素子11,11,…について連続して共通した層となっており、アノード13及びEL層15がEL素子11ごと(つまり、画素ごと)に独立して形成されている。
【0039】
次に、図3及び図4を用いて有機EL表示パネル10の製造方法について説明する。
まず、スパッタ、PVD法及びCVD法等といった成膜工程、フォトリソグラフィー法等といったマスク工程、エッチング法等といった薄膜の形状加工工程を適宜行うことによって、信号線51,51,…及び走査線52,52,…をパターニング形成するとともに、画素ごとにアノード13及びトランジスタ21,21を透明基板12の表面12a上にパターニング形成する(図3(a))。ここで、アノード13及びトランジスタ21をパターニング形成する際には、トランジスタ21のソース電極28とアノード13が接続されるように、レジストでマスクする。
【0040】
アノード13,13,…及びトランジスタ21,21,…の形成後、PVD法及びCVD法等といった成膜工程、フォトリソグラフィー法等といったマスク工程、エッチング法といった薄膜の形状加工工程を行うことによって、それぞれのアノード13を囲繞するように網目状の保護絶縁膜18を形成する。次いで、ポリイミドのような感光性樹脂からなる感光性樹脂膜を透明基板12の一面に成膜し、この感光性樹脂膜を部分的に露光した後に現像液を感光性樹脂膜に塗布することによって、感光性樹脂膜を網目状に形状加工する。これにより感光性樹脂からなる仕網目状の仕切り壁20が形成され、保護絶縁膜18及び仕切り壁20に囲繞された囲繞領域19,19,…が形成され、各囲繞領域19においてアノード13が露出している(図3(b))。従って、各囲繞領域19が電極露出領域となり、各囲繞領域19を仕切る仕切り壁20が非電極露出領域となる。なお、感光性樹脂膜を露光する際において、感光性樹脂膜がネガ型の場合には、保護絶縁膜18に重なった部分に光を照射し、逆に感光性樹脂膜がポジ型の場合には、保護絶縁膜18に囲繞された領域の部分に光を照射する。
【0041】
次いで、透明基板12の表面12a側を即ちアノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面を洗浄する。洗浄としては、大気圧未満の減圧下における酸素プラズマ洗浄であっても良いし、紫外線/オゾン洗浄であっても良い。その後、透明基板12の表面12a側を純水で洗浄する。次いで、透明基板12に例えば窒素ガスといった不活性ガスを吹き付けて、透明基板12を乾燥させる。
【0042】
次いで、フッ素を含む官能基を有したシラン化合物、特にシラン化合物の中でも、フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物からなる膜を透明基板12の表面12a側一面にコーティングする。具体的には、フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物を含有した溶液(以下、シラザン系溶液という。)に透明基板12を浸漬し、その後透明基板12を引き上げることによって、透明基板12の表面12a側一面にシラザン系溶液を塗布する(ディップコート法)。
【0043】
ここで、「フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物」とは、Si−N−Si結合を有し、N又は/及びSiにフッ素を含む官能基が結合したものであり、例えば次の一般式(1)で表すオリゴマー又はポリマーが挙げられる。
RfSi(NH)3/2 …(1)
一般式(1)においてRfは、フッ素を含む官能基である。
「フッ素を含む官能基」としては、フルオロアルキル基があり、例えば、次の一般式(2)〜(19)で表す官能基が挙げられる。
−(CH(CFCF …(2)
−(CH(CFCF(CF …(3)
−(CH(CFC(CF …(4)
−(CFCF …(5)
−(CFCF(CF …(6)
−(CFC(CF …(7)
−(CF(C(CFCF …(8)
−(CF(C(CFCF(CF …(9)
−(CF(C(CFC(CF …(10)
−(CF(C(CF(CFCF …(11)
−(CF(C(CF(CFCF(CF …(12)
−(CF(C(CF(CFC(CF …(13)
−(C(CFCF …(14)
−(C(CFCF(CF …(15)
−(C(CFC(CF …(16)
−(C(CF(CFCF …(17)
−(C(CF(CFCF(CF …(18)
−(C(CF(CFC(CF …(19)
一般式(2)〜(19)においてa,b,cはいずれも整数である。
【0044】
シラザン系溶液の溶媒としては、フッ素系溶剤が挙げられる。
【0045】
ここでは、シラザン化合物として、次の一般式(20)及び化学構造式(21)で表せるシラザンオリゴマー(KP−801M:信越化学工業株式会社製)を用いる。そして、上述のディップコート工程においては、このシラザンオリゴマーを溶質としてm−キシレンヘキサフロライド溶媒に溶かしたシラザン系溶液(濃度3wt%)に透明基板12を約一分間浸漬する。
17Si(NH)3/2 …(20)
【化1】
Figure 2004139879
【0046】
次いで、透明基板12に例えば窒素ガスといった不活性ガスを吹き付けて、シラザン系溶液の溶媒を蒸発させることで、シラザン化合物がアノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面に堆積した状態となる。
【0047】
次いで、透明基板12を10〜30分間放置すると、雰囲気中の水分によってシラザン化合物が加水分解・重合するとともに保護絶縁膜18及び仕切り壁20と化学的に結合する。これにより、図3(c)に示すように、フッ素を含む官能基が結合した重合体からなる化合物層14’が、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20全体を覆うように、透明基板12の一方の面12a一面に成膜される。化合物層14’に含まれる重合体は、次の一般式(22)で表される。
【化2】
Figure 2004139879
【0048】
一般式(22)において、Rfは上述したようにフッ素を含む官能基であって撥液性を示す官能基であり、Xはシラザン化合物と結合したアノード13、保護絶縁膜18若しくは仕切り壁20の原子又は原子団、或いははアノード13、保護絶縁膜18若しくは仕切り壁20の表面と結合したシラザン化合物の一部の原子又は原子団、又は化学構造式(21)におけるNH基を置換した基を構成する原子又は原子団のいずれかであり、nは100以上の整数である。シラザン化合物が一般式(20)で表されるシラザンオリゴマーの場合には、RfはC17となり、XがOとなる。シラザン化合物は活性が高く、アノード13、保護絶縁膜18及び仕切り壁20にも吸着しやすいから、化合物層14’がアノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面に化学吸着した状態で成膜される。従って、化合物層14’においては、シラザン化合物の単分子ユニットにおける主鎖であるRf−Si−X−基又はRf−Si−基が、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面に対して略垂直方向に配列するとともに隣接する単分子ユニットのSiが、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面に沿った方向に対して加水分解により酸素をエーテル結合の状態で重合されている。つまり、シラザン化合物は、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面の面方向に重合されるとともに、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面に形成された、単分子ユニットにおける主鎖であるRf−Si−X−基又はRf−Si−基の上方に、更に単分子ユニットにおける主鎖Rf−Si−X−基又はRf−Si−基が積み重なるということが殆どなくなる。このため、化合物層14’の厚さは、実質的に単分子ユニットにおける主鎖(ここでは重合体としての側鎖に相当。)であるRf−Si−X−基又はRf−Si−基の長さに等しくなる。またこの化合物層14’は、フッ素を含む官能基Rfを、単分子ユニットにおける主鎖の先端、すなわち化合物層14’の表面に配置するように重合されているから、有機化合物含有液に対して撥液性を示す。
【0049】
次いで、透明基板12を放置した後に、透明基板12の表面12a側をm−キシレンヘキサフロイド液ですすぐことで、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁19の表面に積もった未反応のシラザン化合物を洗い流す。
【0050】
次いで、図3(d)に示すように、透明基板12にフォトマスク基板40を対向させて更にフォトマスク基板40に活性光線を透過させて化合物層14’に活性光線を部分的に照射することで、化合物層14’がパターン膜14となる。活性光線としては、可視光線、紫外線、赤外線等があるが、後述する光触媒膜43を励起するものである。
【0051】
ここで、フォトマスク基板40について説明する。フォトマスク基板40は活性光線を透過する透明基板41を有し、この透明基板41の一方の面41aには、囲繞領域19,19に相当するパターンに開口部を有するマスク42が網目状に形成され、約0.2μm厚の光触媒膜43がマスク42全体を被覆するように一方の面41a上に成膜されている。つまりマスク42は、保護絶縁膜18及び仕切り壁20に対応するパターンに形成されている。
【0052】
マスク42は活性光線を反射したり、吸収したりし、活性光線を透過しない。光触媒膜43は、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)及び酸化鉄(Fe)の中から選ばれる一種又は二種以上の物質で形成されている。ここでは、酸化チタンを光触媒膜43として用いる。酸化チタンは、アナターゼ型とルチル型があり本発明では何れも使用することができるが、アナターゼ型の酸化チタンは励起波長が380nm以下であるからより好ましい。
【0053】
以上のようなフォトマスク基板40を用いて、透明基板41の裏面41bに活性光線を入射させる。マスク42では活性光線が遮蔽されるが、マスク42の間が囲繞領域19に重なっており、活性光線が囲繞領域19に重なった光触媒膜43を透過する。活性光線が光触媒膜43を透過する際に活性酸素種(・OH)が生成され、この活性酸素種が化合物層14’と化学反応を引き起こす。ここで、化合物層14’において、囲繞領域19,19,…には光触媒膜43を透過した活性酸素種が入射し、保護絶縁膜18及び仕切り壁20に重なった領域ではマスク42によって遮蔽されることで活性酸素種が届かない。場合によっては囲繞領域19,19,…よりやや外側にも活性酸素種が拡散されるように露光条件を設定してもよい。
【0054】
以上のフォトマスク基板40において、マスク42の平面視した形状は仕切り壁20の平面視した形状とほぼ同じであり、この場合にはフォトマスク基板40を透明基板12に近接させることで、マスク42の影が仕切り壁20に重なるように投影される。
【0055】
化合物層14’は、マスク42と重ならない領域において、光触媒の作用により生成された活性酸素種(・OH)により撥液性を示すRf基が、親水性を示す水酸基に置換され、一般式(23)に示すよう親液性膜14aになる。
【化3】
Figure 2004139879
つまり、マスク42と重ならない領域に相当する親液性膜14aは、フッ素を含む官能基(上記Rf)が分解・離脱し、水酸基に置換されるために、有機化合物含有液に対して親液性を示し、後述するEL層15を構成する材料が含まれる液体をはじくことなくこの液体を親液性膜14aの表面に均一に成膜することが可能になる。このように光触媒の作用は、光触媒膜43に活性光線が入射することによって、活性酸素種が発生し、活性酸素種がフォトマスク基板40と化合物層14’との間の気相を拡散し、化合物層14’に到達した活性酸素が化合物層14’の化学構造を変化させる。
【0056】
更に、親液性膜14aにおいては、珪素と酸素からなる重合体における主鎖がアノード13,13,…の表面に沿った状態で形成され、且つ、撥液性を示すフッ素を含む官能基が水酸基に置換されるため、膜厚も単分子ユニットにおける主鎖(ここでは重合体としての側鎖に相当。)であるHO−Si−X−基又はHO−Si−基の長さに等しく、1nm以下と非常に薄くすることができる。そのため、活性酸素種が生成された領域であるアノード13,13,…上では、パターン膜14の膜厚が非常に薄くなり、親液性膜14a自体が正孔等の電荷の注入、輸送に支障をきたすことはほとんどない。
そして、パターン膜14において、マスク42と重ならない領域に相当する撥液性膜14bは、親液性膜14aと連続して成膜されているとともに親液性膜14aよりもほぼフッ素を含む官能基Rfの分だけ厚くなり、且つ後述するEL層15を構成する材料が含まれる液体に対して撥液性を示す。
【0057】
以上のように化合物層14’を部分的に露光することによってパターン膜14を形成した後、それぞれの囲繞領域19内にEL層15を成膜する。EL層15,15,…の成膜は、液滴吐出技術(インクジェット技術)を応用して行う。つまり、図4(e)に示すように、EL層15の構成材料を含有した有機化合物含有液を吐出することのできるノズル70を透明基板12に対向させて、駆動装置によって透明基板12に対して相対的にノズル70を水平面に沿って移動させつつ、ノズル70が囲繞領域19上に位置した時にノズル70から有機化合物含有液を液滴として一回又は複数回吐出する。これにより、有機化合物含有液の液滴が囲繞領域19内においてパターン膜14上に着弾する。なお、有機化合物含有液を赤、緑、青の色ごとに準備し、隣接する画素毎に異なる発光色のEL層15,15,…として塗り分けることができる。
【0058】
着弾した液滴が囲繞領域19内で広がって膜になり、そしてその膜が固化することによって、EL層15が形成される。パターン膜14は囲繞領域19内において親液性膜14aとなっているため、着弾した液滴が濡れやすいとともに滲みやすく、有機化合物含有液が囲繞領域19内全体にいきわたる。特に囲繞領域19よりやや外側にも活性光線が入射して親液性となっていると、有機化合物含有液が確実に囲繞領域19内全体にいきわたる。そのため、EL層15が均等な厚さで成膜されるとともに、EL層15とパターン膜14との間に剥離が生じることなく、またアノード13とカソード16間でのショートを引き起こすこともない。
さらに、囲繞領域19内に着弾した液滴が囲繞領域19の周囲の仕切り壁20の方に跳ね返っても、仕切り壁20上の撥液性膜14bが有機化合物含有液をはじくのでアノード13上に滑り落ち、有機化合物含有液を効率よく利用することが可能となる。また、仕切り壁20の頭頂部より高くなるような大量の有機化合物含有液が囲繞領域19内に吐出された場合でも、有機化合物含有液が仕切り壁20上に滲むことがないため、隣り合う二つの画素の有機化合物含有液同士が仕切り壁20上で混ざりあって互いの囲繞領域19内に有機化合物含有液を流出、流入することがない。したがって、常に均等な厚さで成膜でき、隣り合う二つの画素が互いに異なる発光色の有機化合物含有液の場合に色純度の高い発色ができる。
【0059】
なお、EL層15が積層構造である場合には、それぞれの層について有機化合物含有液を準備し、囲繞領域19内にそれぞれの有機化合物含有液を順にノズルで吐出することでそれぞれの層を積層していく。例えば、EL層15が正孔注入層、狭義の発光層からなる二層構造の場合には、正孔注入層の有機化合物含有液(正孔注入層を構成する有機化合物が水系溶媒に分散した分散液)を各囲繞領域19内に吐出することで正孔注入層を成膜し、次いで、狭義の発光層の有機化合物含有液(狭義の発光層を構成する有機化合物が例えばトルエン、キシレン、テトラリンといった有機溶媒に溶解した溶液)を各囲繞領域19内に吐出することでEL層15を成膜する。この場合でも、パターン膜14は、各囲繞領域19内において正孔注入層の有機化合物含有液に対してなじみ、保護絶縁膜18及び仕切り壁20に重なった領域において正孔注入層の有機化合物含有液をはじく。
【0060】
次いで、蒸着やスパッタ等のPVD法及びCVD法といった成膜方法によって、EL層15,15,…を被覆するようにしてカソード16を一面に成膜する。EL層15は囲繞領域19内全体にいきわたって形成されているから、カソード16が直接アノード13に接触することもない。カソード16の成膜後、封止樹脂、封止ガラスといった封止材でこれらEL素子11,11,…を封止する。
【0061】
以上のように製造された有機EL表示パネル10では、画素回路が信号線51及び走査線52を介して入力した信号に従ってEL素子11に電流を流す。EL素子11では、アノード13からEL層15へ正孔が注入され且つカソード16からEL層15へ電子が注入されることで、電流が流れる。そして、EL層15において正孔及び電子が輸送されて、EL層15にて正孔及び電子が再結合することによってEL層15で発光する。アノード13,13,…及び透明基板12が透明であるため、EL層15で発した光は透明基板12の裏面12bから出射し、裏面12bが表示面となる。
【0062】
以上のように、本実施の形態では、シラザン化合物を加水分解・重合させることで化合物層14’を成膜し、珪素と酸素で構成された重合体としての主鎖がアノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20の表面に沿った状態で全面に形成され、各囲繞領域19内において親液性膜14aの実質的な厚さが、化合物層14’の単分子ユニットにおける主鎖からフッ素を含む官能基Rfを除く厚さとなり非常に薄い。従って、アノード13とEL層15との間にパターン膜14が介在してもパターン膜14の絶縁性を無視することができ、アノード13からEL層15へ正孔が注入されることが阻害されない。
【0063】
また、化合物層14’を成膜する前に酸素プラズマ洗浄又は紫外線/オゾン洗浄を行い、その後更に純水で洗浄するから、撥液性を有する非常に薄い化合物層14’を簡単に成膜することができる。特に、純水で洗浄したため、仕切り壁20上に撥液性の化合物層14’を確実に成膜することができる。これは、純水で洗浄しなかった場合には仕切り壁20上に撥液性の化合物層14’を充分に成膜することができないこともあるので、純水洗浄によって仕切り壁20の表層に付着させた水分子でシラザン化合物の加水分解重合反応を起こさせている。
【0064】
また、本実施形態では、化合物層14’内に光触媒を含有させないで、フォトマスク基板40を通じて化合物層14’に活性酸素種を照射することで、化合物層14’を部分的に反応させている。光触媒の部分だけ親液性膜14aになるから、アノード13からEL層15へ正孔が注入されることは阻害されないとともに、パターン膜14がEL層15に化学的に影響を与えることもない。
【0065】
また、EL層15は囲繞領域19全体にいきわたって均一に成膜されているため、アノードとカソードの間でショートが生じない。また、EL層15とパターン膜14との間に剥離が生じにくいから、発光したEL層15にダークスポットが発生しにくい。
【0066】
また、フッ化物プラズマを照射することなく、撥液性を有する化合物層14’を仕切り壁20上に成膜したため、露出している保護絶縁膜18はエッチングされず、保護絶縁膜18が損傷しない。このため、保護絶縁膜18がエッチングされた隙間に充分EL層15が成膜できずにアノードとカソードの間でショートしてしまうといった問題を防止できる。
【0067】
なお、上述の説明では液滴吐出法によって複数のEL層15,15,…をパターニングしていた。しかしながら、パターン膜14では親液性の領域がマトリクス状にパターニングされているため、有機化合物含有液をパターン膜14に塗布して透明基板12を回転させること(スピンコート法)によって複数のEL層15,15,…をマトリクス状にパターニングすることもできる。また、ディップコート法でも複数のEL層15,15,…をマトリクス状にパターニングすることができる。
また、上述の説明ではディップコート法によって化合物層14’を成膜したが、スピンコート法、刷毛塗り法又は蒸着法によって化合物層14’を成膜しても良い。
また、仕切り壁20を形成しなくても良い。この場合、アノード13,13,…及び保護絶縁膜18全体を被覆するように化合物層14’を成膜し、保護絶縁膜18によって囲繞された囲繞領域19,19,…に対してフォトマスク基板40を介して活性酸素種を供給する。
また、フッ素を含む官能基を有するシラン化合物として、シラザン化合物を挙げたが、シランカップリング剤(加水分解重合可能なフルオロアルキル基含有珪素化合物)といった他のシラン化合物やその他の撥液性を示す官能基でもよく、置換される官能基は水酸基以外の親液性の官能基であっても良い。
【0068】
〔第二の実施の形態〕
第一実施形態の有機EL表示パネル10とは別の有機EL表示パネルについて説明する。図5は、第二実施形態における有機EL表示パネル110を示した断面図である。
【0069】
図5に示された有機EL表示パネル110と図2に示された有機EL表示パネル10の異なることは、有機EL表示パネル10にはパターン膜14が形成されていたのに対して、有機EL表示パネル110にはパターン膜が形成されていない。つまり、有機EL表示パネル110では、EL層15がパターン膜を介せずに直接アノード13上に成膜されている。有機EL表示パネル110の他の構成要素は第一実施形態の有機EL表示パネル10の構成要素と同様であり、有機EL表示パネル110については、第一実施形態における有機EL表示パネル10と同様の構成要素に同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0070】
有機EL表示パネル110の製造方法について説明する。
第一実施形態の場合と同様に、透明基板12上に信号線51,51,…及び走査線52,52,…をパターニング形成するとともに、画素ごとにアノード13及びトランジスタ21,21を透明基板12の表面12a上にパターニング形成し(図3(a))、その後、保護絶縁膜18及び仕切り壁20を形成する(図3(b))。
【0071】
次に、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20ごと透明基板12をフッ素ガス雰囲気に曝露する。具体的には、チャンバーを用い、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20等が形成された透明基板12をチャンバーに入れるとともに、チャンバー内の雰囲気について窒素ガスを含む大気圧のフッ素ガス雰囲気とし、透明基板12をチャンバー内において数分放置する。フッ素ガス雰囲気下においては、仕切り壁20の表層でフッ素のラジカル種(活性種)が反応し、仕切り壁20の表層にフッ化物(主にフッ素と炭素の化合物)が形成される。従って、仕切り壁20の表層が撥液性を示す。純水に対する接触角の変化を表1に示す。ポリイミドからなる仕切り壁20は、フッ化処理の前では接触角が71°であったのに対し、フッ化処理後では接触角が96°になった。なお、ITOからなるアノード13も、フッ化処理によって接触角が58°から94°になった。
【表1】
Figure 2004139879
【0072】
フッ化処理だけではアノード13,13,…も撥液性となっているため、フッ化処理後に、大気圧未満の減圧下において酸素プラズマをアノード13,13,…及び仕切り壁20に約二分間照射する。これにより、アノード13,13,…及び仕切り壁20の表層に形成されたフッ化物がアッシングされて、アノード13,13,…及び仕切り壁20の撥液性が低下する。しかしながら、仕切り壁20の撥液性の低下は、アノード13の撥液性の低下ほど顕著ではない。表1から明らかなように、酸素プラズマ処理後では、アノード13の接触角は21.2°になってアノード13は親液性であるのに対して、仕切り壁20の接触角は62.6°になって仕切り壁20は依然として高い撥液性である。なお、フッ化物のアッシングは、減圧酸素プラズマ照射によって行ったが、大気圧酸素プラズマ照射によって行っても良いし、紫外線/オゾン洗浄によって行っても良いし、その他の表面酸化法によって行っても良い。
【0073】
次いで、第一実施形態の場合と同様に、それぞれの囲繞領域19内にEL層15を成膜する。EL層15は、液滴吐出法によって成膜しても良いし、スピンコート法によって成膜しても良いし、ディップコート法によって成膜しても良い。次いで、第一実施形態の場合と同様に、EL層15,15,…全てを被覆するようにしてカソード16を一面に成膜し、封止樹脂、封止ガラスといった封止材でこれらEL素子11,11,…を封止する。
【0074】
以上のように、本実施形態では、フッ化物プラズマを照射することなく、仕切り壁20の表層を撥液性とするため、保護絶縁膜18がエッチングされず、保護絶縁膜18が損傷することがない。
また、アノード13,13,…の表層をアッシングしているため、アノード13,13,…の表面に不純物等が付着していない。そのため、アノード13,13,…が絶縁性となっていない上EL層15がアノード13に直接接し、アノード13からEL層15へ正孔が注入されることは阻害されない。
また、アノード13,13,…の表面に不純物等が付着していないから、アノード13,13,…は親液性となる。従って、EL層15が均等な厚さで成膜されるとともに、EL層15とパターン膜14との間に剥離した部分が無い。 また、仕切り壁20の頭頂部より高くなるような大量の有機化合物含有液が囲繞領域19内に吐出された場合でも、仕切り壁20の表面が撥液性となっているため、有機化合物含有液が仕切り壁20上に滲むことがない。そのため、隣り合う二つの画素の有機化合物含有液同士が仕切り壁20上で混ざることがない。
【0075】
〔第三の実施の形態〕
第一実施形態の有機EL表示パネル10とは別のEL表示パネルについて説明する。図6は、第三実施形態における有機EL表示パネル210を示した断面図である。
【0076】
図6に示された有機EL表示パネル210と図2に示された有機EL表示パネル10の異なることは、有機EL表示パネル10にはパターン膜14が形成されていたのに対して、有機EL表示パネル210にはパターン膜が形成されていない。つまり、有機EL表示パネル210では、EL層15がパターン膜を介せずに直接アノード13上に成膜されている。また、有機EL表示パネル210では、撥液性の撥液層214が仕切り壁20上に形成されている。そして、カソード16は、仕切り壁20と重なる領域においては撥液層214を介して仕切り壁20上に形成されている。有機EL表示パネル210の他の構成要素は第一実施形態の有機EL表示パネル10の構成要素と同様であり、有機EL表示パネル210については、第一実施形態における有機EL表示パネル10と同様の構成要素に同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0077】
有機EL表示パネル210の製造方法について説明する。
第一実施形態の場合と同様に、透明基板12上に信号線51,51,…及び走査線52,52,…をパターニング形成するとともに、画素ごとにアノード13及びトランジスタ21,21を透明基板12の表面12a上にパターニング形成し(図3(a))、その後、保護絶縁膜18及び仕切り壁20を形成する(図3(b))。
【0078】
次に、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20等が形成された透明基板12の表面12a側に、減圧下において酸素プラズマを照射する。これにより、アノード13,13,…及び仕切り壁20の表層に付着した不純物がアッシングされて、アノード13,13,…及び仕切り壁20の親液性が向上する。なお、不純物のアッシングは、減圧酸素プラズマ照射によって行ったが、大気圧酸素プラズマ照射によって行っても良いし、紫外線/オゾン洗浄によって行っても良いし、その他の表面酸化法によって行っても良い。次いで、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20等が形成された透明基板12を純水で洗浄し、乾燥させる。
【0079】
次に、アノード13,13,…、保護絶縁膜18及び仕切り壁20等が形成された透明基板12を蒸着装置内にセッティングし、図7に示すように、蒸着装置内の坩堝220に蒸着原料221を収容する。蒸着原料221は、例えばフッ素を含む官能基を有するシラン化合物が良く、特に低分子量のシラン化合物が良い。フッ素を含む官能基としてはフルオロアルキル基がある。
【0080】
更に、図7に示すように、それぞれの囲繞領域19に対向するようにマスク223をアノード13に被覆する。そして、電子ビーム、ヒータ等で蒸着原料221を加熱・蒸発させることで、仕切り壁20の表面にシラン化合物が蒸着し、シラン化合物からなる撥液層214が成膜される。
【0081】
次いで、第一実施形態の場合と同様に、それぞれの囲繞領域19内にEL層15を成膜する。EL層15は、液滴吐出法によって成膜しても良いし、スピンコート法によって成膜しても良いし、ディップコート法によって成膜しても良い。次いで、第一実施形態の場合と同様に、EL層15,15,…を被覆するようにしてカソード16を一面に成膜し、封止樹脂、封止ガラスといった封止材でこれらEL素子11,11,…を封止する。
【0082】
以上のように、本実施の形態では、フッ化物プラズマを照射することなく、フッ素を含む官能基を有したシラン化合物の撥液層214を仕切り壁20の表面に形成しているため、保護絶縁膜18がエッチングされず、保護絶縁膜18が損傷することがない。
また、アノード13,13,…の表層をアッシングしているため、アノード13,13,…の表面に不純物等が付着していない。更に蒸着の際にアノード13,13,…をマスクしているため、フッ素を含む官能基を有したシラン化合物がアノード13,13,…の表面に付着しない。そのため、アノード13,13,…が絶縁性となっていないうえ、EL層15がアノード13に直接接し、アノード13からEL層15へ正孔が注入されることは阻害されない。
また、アノード13,13,…の表面にシラン化合物や不純物が付着していないから、アノード13,13,…は親液性となる。従って、EL層15が均等な厚さで成膜されるとともに、EL層15とパターン膜14との間に剥離した部分が無い。
また、仕切り壁20の頭頂部より高くなるような大量の有機化合物含有液が囲繞領域19内に吐出された場合でも、仕切り壁20の表面が撥液性となっているため、有機化合物含有液が仕切り壁20上に滲むことがない。そのため、隣り合う二つの画素の有機化合物含有液同士が仕切り壁20上で混ざることがない。
【0083】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記各実施形態の表示パネルをページプリンタといった画像形成装置の線走査機構に用いることができる。
また、上記各実施形態では、カソード16が全ての有機EL素子11,11,…について共通しているが、カソードとアノードの配置を代えて有機EL素子11各画素ごとにカソードを形成しても良い。
また、板状の透明基板12の代わりにシート状の透明なフィルム基板であっても良い。
【0084】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、電極露出領域から非電極露出領域にわたって連続したパターン膜のうち、電極露出領域を液体に対してなじむ親液性膜とし、非電極露出領域を液体をはじく撥液性膜としたので、この上に、例えばEL層を構成するための有機化合物材料が含有した液体を電極露出領域から非電極露出領域にわたって散布し又は塗布すると、親液性膜が成膜された電極露出領域のみに局在するので、迅速且つ精度よくEL層を画素パターン化でき生産性に優れる。またEL層自体をフォトリソグラフ工程でエッチングすることがないので有機化合物材料の利用効率が高い。
【0085】
請求項9に記載の発明によれば、電極露出領域では、光触媒に活性光線が入射されることで化合物層から撥液性官能基が分解・離脱することが可能となる。従って、例えば、有機化合物含有液を基板に塗布すると、電極露出領域では電極上で滲んで均一な厚さに広がり、非電極露出領域では有機化合物含有液をはじき有機化合物含有液の表面張力により電極露出領域まで有機化合物含有液を移動させる。したがって、有機化合物含有液は電極露出領域のみに局在するので迅速且つ精度よく有機化合物含有液をパターン化でき生産性に優れる。また、撥液性官能基が分解・離脱し、水酸基等といった分子量の官能基に置換される。そのため、電極露出領域では化合物層の膜厚が薄く、電極露出領域では化合物層の絶縁性が非常に小さい。また、フッ化物プラズマを照射することなく非電極露出領域を撥液性とするため、非電極露出領域に酸化シリコン又は窒化シリコンといった保護絶縁膜が形成されていたものとしても、保護絶縁膜が損傷することがない。
請求項17に記載の発明によれば、フッ素ガス雰囲気に基板を曝露することによって仕切り壁の表面にはフッ化物が形成されるから、仕切り壁の表面が撥液性となる。フッ化物プラズマを照射することなく電極を囲繞した仕切り壁を撥液性とするため、仕切り壁の下層に酸化シリコン又は窒化シリコンといった保護絶縁膜が形成されていたものとしても、保護絶縁膜が損傷することがない。
請求項18に記載の発明によれば、電極の表層をアッシングすることによって電極の表層に形成された不純物が除去され、電極が親液性となる。そして、電極にマスクをしてフッ素を含む官能基を有する化合物を蒸着しているため、電極の表面にはフッ素を含む官能基を有する化合物が形成されない。そのため、電極と有機物層との間に絶縁膜等が存しない。
一方、電極の間にはフッ素を含む官能基を有する化合物の層が形成されるから、電極の間は撥液性となる。従って、塗布された有機化合物含有液は電極では滲み、電極の間でははじく。そのため、隣り合う電極で有機化合物含有液が混ざることもなくなる。更に、フッ化物プラズマを照射することなく電極の間を撥液性とするため、電極の間に酸化シリコン又は窒化シリコンといった保護絶縁膜が形成されていたものとしても、保護絶縁膜が損傷することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した有機EL表示パネルを示した平面図である。
【図2】図1に示された有機EL表示パネルの断面図である。
【図3】図1に示された有機EL表示パネルの製造工程を示した図面である。
【図4】図1に示された有機EL表示パネルの製造工程を示した図面である。
【図5】図1に示された有機EL表示パネルとは別の有機EL表示パネルを示した断面図である。
【図6】図1、図5に示された有機EL表示パネルとは別の有機EL表示パネルを示した断面図である。
【図7】図6に示された有機EL表示パネルの製造工程を示した図面である。
【符号の説明】
10、110、210   有機EL表示パネル(表示パネル)
11   EL素子(発光素子)
12   透明基板(基板)
12a   表面
13   アノード(第一電極、電極)
14’   化合物層
14   パターン膜
14a  親液性膜
14b  撥液性膜
15   EL層
16   カソード(第二電極)
19   囲繞領域(電極露出領域)
20   仕切り壁
43   光触媒膜
214   撥液層
223   マスク

Claims (18)

  1. 基板上に形成された複数の電極が各々露出した電極露出領域から前記複数の電極が露出していない非電極露出領域にわたって連続するとともに前記複数の電極を被覆するパターン膜が形成されており、前記パターン膜は前記電極露出領域において親液性膜であり、前記パターン膜は前記非電極露出領域において撥液性膜であることを特徴とする表示パネル。
  2. 前記撥液性膜はフッ素を含む官能基を有し、前記親液性膜はフッ素を含まないことを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
  3. 前記撥液性膜はフッ素を含む官能基を有し、前記親液性膜は、前記撥液性膜の前記フッ素を含む官能基が、フッ素を含まない官能基に置換された構造であることを特徴とする請求項1に記載の表示パネル。
  4. 前記親液性膜は前記撥液性膜より薄いことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の表示パネル。
  5. 前記親液性膜は0.0nmより厚く且つ1.0nm以下の厚さであることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の表示パネル。
  6. 前記電極露出領域の前記電極上には、EL層が形成されていることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の表示パネル。
  7. 前記複数の電極は各々トランジスタと接続されていることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の表示パネル。
  8. 前記非電極露出領域には、仕切り壁が形成されていることを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の表示パネル。
  9. 複数の光学素子が基板上に配列されてなる表示パネルを製造する表示パネルの製造方法において、
    基板上に形成された複数の第一電極が各々露出した電極露出領域及び前記複数の第一電極が露出していない非電極露出領域全体を被覆するように、撥液性官能基を有する化合物からなる化合物層を成膜する成膜工程と、
    前記電極露出領域と重なる位置に配置された光触媒に活性光線を照射する光触媒活性工程と、
    を含むことを特徴とする表示パネルの製造方法。
  10. 前記成膜工程において、前記化合物層では、珪素と酸素とからなる主鎖に、フッ素を含む官能基が結合した化合物が形成されることを特徴とする請求項9に記載の表示パネルの製造方法。
  11. 前記成膜工程において、前記化合物層では、フッ素を含む官能基を有したシラザン化合物を加水分解して重合させた重合体が形成されることを特徴とする請求項9又は10に記載の表示パネルの製造方法。
  12. 前記成膜工程の前に前記基板上を純水で洗浄する工程を含み、
    前記成膜工程は、撥液性官能基を有した化合物を含有した液体を前記基板上に塗布する工程と、
    前記塗布された液体を乾燥させて、撥液性官能基を有した化合物を加水分解重合させる工程と、を含むことを特徴とする請求項9から11の何れか一項に記載の表示パネルの製造方法。
  13. 前記光触媒活性工程は、前記化合物層から前記撥液性官能基を脱離させ、より親液性を示す官能基に置換する置換反応工程を、含むことを特徴とする請求項9から12の何れか一項に記載の表示パネルの製造方法。
  14. 前記親液性を示す官能基は、前記撥液性官能基よりも小さいことを特徴とする請求項13記載の表示パネルの製造方法。
  15. 前記成膜工程の前に、前記非電極露出領域に仕切り壁を形成する工程を含み、前記成膜工程では前記仕切り壁を被覆するようにして前記化合物層を成膜することを特徴とする請求項9から14の何れか一項に記載の表示パネルの製造方法。
  16. 前記光触媒活性工程後に、前記電極露出領域の前記化合物層上にEL層を形成する工程と、
    前記EL層上に第二電極を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項9から13の何れか一項に記載の表示パネルの製造方法。
  17. 複数の光学素子が基板上に配列されてなる表示パネルを製造する表示パネルの製造方法において、
    複数の電極が互いに間隔をあけて一方の面上に形成された基板について、それぞれの前記電極を囲繞するように、有機化合物からなる仕切り壁を前記一方の面上に形成する工程と、
    前記仕切り壁及び前記複数の電極ごと前記基板をフッ素ガス雰囲気に曝露する工程と、
    前記複数の電極の表層をアッシングする工程と、
    を含むことを特徴とする表示パネルの製造方法。
  18. 複数の光学素子が基板上に配列されてなる表示パネルを製造する表示パネルの製造方法において、
    基板の一方の面上に互いに間隔をあけて形成された複数の電極の表層をアッシングする工程と、
    それぞれの前記電極にマスクをして、フッ素を含む官能基を有する化合物を前記複数の電極の間の前記一方の面上に蒸着する工程と、
    を含むことを特徴とする表示パネルの製造方法。
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