JP2004139670A - 情報記憶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】筺体の外部からの振動や衝撃に対する耐振動性及び耐衝撃性を大きく向上することができる情報記憶装置を提供する。
【解決手段】機器本体に対して着脱自在とされ、ハードディスク駆動機構部2を内部に収容する第1の筐体と、この第1の筐体を内部に収容する第2の筐体3と、コネクタ部とを備え、第1の筐体が複数の第1の緩衝材14,16により第2の筐体3から離間して支持されると共に、定常状態において第1の筐体又は第2の筺体3のうちいずれか一方にのみ接する第2の緩衝材15が第1の筐体と第2の筐体3との間に配され、第1の緩衝材14,16は非線形の特性を有する緩衝材16を含み、この緩衝材16が静的な状態においては外部から受ける振動に対して共振を持たない程度の大きい弾性係数を有し、衝撃を受けた際には弾性係数が小さくなる特性を有する情報記憶装置1を構成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆる外付け型の情報記憶装置に係わる。
【0002】
【従来の技術】
ハードディスクドライブ装置(HDD)は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置において、データやプログラムの書き込みや、記録されているデータの等の読み込みが行われる記録再生装置として重要な役割を果たしている。
【0003】
このHDDは、情報処理装置の本体ばかりでなく、情報処理装置本体に対して着脱自在とされる、いわゆるデタッチャブルの拡張機器である小型の情報記憶装置としての用途も検討されている。
そして、このような情報記録装置は、必要に応じて情報処理装置本体から取り外され、それ自体携帯されたり、情報処理装置本体とは別個に保管されたりする。さらには、携帯用機器に装着されて使用される。
【0004】
HDDは、例えば情報処理装置に取り付けられた際に、この情報処理装置を経由して加わる振動や衝撃の影響で、読み込みや書き込みの時間が長くなったり、また上述したような携帯等の際に、情報記録装置を誤って落下させ、この落下時の衝撃によりHDDが壊れてしまったりする等の問題を生じることがある。
【0005】
上述した外付けの情報記録装置においては、通常HDDが筐体内に収容されて提供がなされており、この筐体内に上述した衝撃、振動から保護する目的でスポンジ等の緩衝材を入れているもの(例えば特許文献1参照)もあるが、充分な効果が得られていない。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−66111号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、外側の筐体(外筺体)とHDDが収容された内側の筐体(内筺体)との間に、衝撃吸収用の緩衝材と振動吸収用の緩衝材とを設けることにより、衝撃吸収と防振を行うことが考えられる。
【0008】
この場合、振動吸収用の緩衝材では、その共振周波数を低周波領域にして、外部から加わる振動の周波数の領域よりも低く(小さく)することにより、外部から加わった振動に対して共振を起こさないようにすることができる。
【0009】
例えば室内での使用や歩行時に携帯することを目的とした場合には、上述のように2種類の緩衝材を設けて情報処理装置を構成することにより、振動と落下などの衝撃に共に対応することが可能になる。
【0010】
これに対して、一般車両内での使用を目的とした場合には、車両が発生する振動は10Hz程度の低周波から200Hzまでと幅広い周波数を含んでおり、このような環境で共振を起こさずに防振の効果を出すためには、10Hz以下と低い共振周波数を有する緩衝材(防振材)が必要となってしまう。
しかし、このような防振材を構成するためには、非常に柔らかい材質が必要となるため現実的ではない。
【0011】
上述した問題の解決のために、本発明においては、筺体の外部からの振動や衝撃に対する耐振動性及び耐衝撃性を大きく向上することができる情報記憶装置を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報記憶装置は、機器本体に対して着脱自在とされ、ハードディスク駆動機構部と、このハードディスク駆動機構部を内部に収容する第1の筐体と、この第1の筐体を内部に収容する第2の筐体と、コネクタ部とを備え、第1の筐体が第1の緩衝材により第2の筐体から離間して支持されると共に、定常状態において第1の筐体又は第2の筺体のうちいずれか一方にのみ接する第2の緩衝材が第1の筐体と第2の筐体との間に配され、第1の緩衝材が複数設けられ、この複数の第1の緩衝材は非線形の特性を有する緩衝材を含み、この非線形の特性を有する緩衝材は、静的な状態においては外部から受ける振動に対して共振を持たない程度の大きい弾性係数を有し、衝撃を受けた際には弾性係数が小さくなる特性を有するものである。
【0013】
上述の本発明の情報記憶装置の構成によれば、複数の第1の緩衝材が非線形の特性を有する緩衝材を含み、この非線形の特性を有する緩衝材が、静的な状態においては外部から受ける振動に対して共振を持たない程度の大きい弾性係数をすることにより、静的な状態においては大きい弾性係数により、外部から受ける振動に対して共振せず振動を防止することができる。一方、非線形の特性を有する緩衝材が、衝撃を受けた際には弾性係数が小さくなる特性を有することにより、衝撃を受けた際に大きく変形する。このとき、非線形の特性を有する緩衝材の変形により、第1の筐体又は第2の筺体のうちいずれか一方(の筐体)にのみ接する第2の緩衝材に対して、離れた他方の筐体が接触するので、この第2の緩衝材により衝撃を吸収することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、機器本体に対して着脱自在とされる情報記憶装置であって、ハードディスク駆動機構部と、このハードディスク駆動機構部を内部に収容する第1の筐体と、この第1の筐体を内部に収容する第2の筐体と、コネクタ部とを備え、第1の筐体が第1の緩衝材により第2の筐体から離間して支持されると共に、定常状態において第1の筐体又は第2の筺体のうちいずれか一方にのみ接する第2の緩衝材が第1の筐体と第2の筐体との間に配され、第1の緩衝材が複数設けられ、この複数の第1の緩衝材は非線形の特性を有する緩衝材を含み、この非線形の特性を有する緩衝材は、静的な状態においては外部から受ける振動に対して共振を持たない程度の大きい弾性係数を有し、衝撃を受けた際には弾性係数が小さくなる特性を有する情報記憶装置である。
【0015】
また本発明は、上記情報記憶装置において、非線形の特性を有する緩衝材が板バネから成り、衝撃を受けた際にたわむことにより、弾性係数が変化する構成とする。
【0016】
また本発明は、上記情報記憶装置において、板バネは幅が狭く形成されたくびれ部を有し、このくびれ部において屈曲することにより、衝撃を受けた際にたわむ構成とする。
【0017】
また本発明は、上記情報記憶装置において、上記板バネが、第1の筐体或いは第2の筐体のいずれか一方の筐体に固定された固定端と、他方の筐体に接触するが固定されていない自由端とを有する構成とする。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態として、情報記憶装置1の概略構成図(分解斜視図)を示す。この情報記憶装置1は、ハードディスク駆動機構部2と、このハードディスク駆動機構部2を収容する筺体3と、コネクタ4とを有してなる。
この情報記憶装置1は、容量拡張用の拡張機器として、又は大量の画像、映像等のデータやプログラムを記録する記録媒体として、パーソナルコンピュータやビデオカメラ等(以下、情報記憶装置1が接続される電子機器を単に機器本体と称して説明する。)に対して、ケーブル等を介さずに、コネクタ4により直接情報記憶装置1自体が着脱自在に接続されるものである。
【0019】
ハードディスク駆動機構部2は、図2A及び図2Bに示すシャーシ5とトップカバー6とから成る空間内に、図2Cに示すように回転スピンドル7に装着された磁気ディスク8と、この磁気ディスク8に対して情報の記録・再生を行う磁気ヘッド9と、この磁気ヘッド9がヘッドアーム10を介して支持されたヘッド位置決め用のアクチュエータ11とが配設されている。また、ハードディスク駆動機構部2には、シャーシ5の裏面側に、上述した各部品の駆動制御や磁気ディスク7への記録・再生を制御する電子回路が搭載された配線基板12が取り付けられている。そして、この配線基板12には、磁気ヘッド9に対する記録・再生信号の入出力用とスピンドルモータ(図示せず)及びアクチュエータ11等に対する駆動電源接続用のコネクタピン13が、シャーシ5の一側面に位置するように取り付けられている。
【0020】
筺体3は、上ハーフ3aと下ハーフ3bとから成り、これら上ハーフ3aと下ハーフ3bとは、例えばプラスチック等の合成樹脂によって形成されている。下ハーフ3bは、その一側壁、本実施の形態では短辺側の側壁が切り欠かれ、この切り欠き部分にコネクタ4が取り付けられる。このコネクタ4には、電源ラインや信号ラインが形成されたフレキシブルケーブル(図示せず)を介して、ハードディスク駆動機構部2のコネクタピン13が接続される。
本実施の形態の情報記憶装置1においては、このコネクタ4が直接機器本体の接続端子に接続されて機器本体からの電源供給や信号授受のインタフェイスとなり、筺体3内のハードディスク駆動機構部2に対する駆動電源の供給及び信号の授受が行われる。
【0021】
また、本実施の形態の情報記憶装置1においては、図1及び図3に示すように、ハードディスク駆動機構部2の側面と筺体3の側面との間に、外部からの振動や衝撃から筺体3の内部のハードディスク駆動機構部2を保護するために、振動吸収用の第1の緩衝材14と、衝撃吸収用の第2の緩衝材15とが配設されている。
このように、本実施の形態の情報記憶装置1においては、第1の緩衝材(振動用緩衝材)14と第2の緩衝材(衝撃用緩衝材)15という2種の緩衝材が筺体3の側面とハードディスク駆動機構部2の側面との間にそれぞれ配設されているが、これは以下のような理由による。
【0022】
即ち、振動吸収においては、より防振の効果を得て情報記憶装置1の耐振動性を向上させるために、振動用緩衝材14の固有振動数をより低い周波数帯域まで下げていく必要がある。振動用緩衝材14の固有振動数は、防振の効果を与えたい対象物であるハードディスク駆動機構部2自体の重量を重くするか、又は振動用緩衝材14の大きさを小さくすることによってハードディスク駆動機構部2の見かけの重さ、即ち振動用緩衝材14の大きさに対するハードディスク駆動機構部2の重さの割合を大きくするかのいずれかの方法によって、より低い周波数帯域に下げることができる。実際には、ハードディスク駆動機構部2の重量を重くするということは、製品重量の増加につながり好ましくなく実用的でないため、振動用緩衝材14の大きさを小さくすることによって、振動用緩衝材14の固有振動数をより低い周波数帯域まで下げることとなる。
【0023】
一方、衝撃吸収においては、あまりに小さい緩衝材を衝撃用緩衝材15として使用すると、筺体3外部から衝撃を受けたときに衝撃用緩衝材15が潰れきってしまい、衝撃用緩衝材15のバネ定数が剛体のバネ定数とほぼ同じになってしまう。このため、あまりに小さい衝撃用緩衝材15では、極論すると筺体3に接触するのと同様の衝撃がハードディスク駆動機構部2に伝わることとなる。これでは緩衝材としての意味がなくなってしまうため、衝撃用緩衝材15では、高い衝撃吸収効果を得て、情報記憶装置1の耐衝撃性を向上させるために、より大きな緩衝材を使用することが必要になる。
【0024】
また、振動吸収のために使用する緩衝材と、衝撃吸収のために使用する緩衝材とでは、防振や衝撃吸収の効果を得るのに最適なバネ定数(弾性係数)も異なる。振動用緩衝材14においては、最適なバネ定数を以下のようにして判断した。まず、図5に示すように、加振テーブルT上に振動用緩衝材14を配置し、その上に防振の効果を得たい対象物Xを載せて、加振テーブルTに振動を加えつつ対象物Xの振動を測定する。この測定結果を図6に示す。
【0025】
図6に示す特性図においては、振動を無次元化して表示しており、縦軸が対象物Xの加速度(出力加速度振幅:Gout)と加振テーブルTの入力加速度(入力加速度振幅:Gin)の比であり、横軸が加振振動数(入力振動数:ω)/振動用緩衝材14の1次固有振動数(固有振動数:ωc)の比である。図6からわかるように、加振振動数が固有振動数に近づくにつれて、即ち横軸における値が1に近づくにつれてGout/Ginの比が高くなり、横軸における値が1に、即ち加振振動数と固有振動数が同じになる点でピークを迎える。そして、加振振動数が固有振動数より高くなるにつれて、Gout/Ginの比が低下していく。この現象は、一般的な防振材全てに当てはまるものであり、防振材においては、Gout/Ginの比が1以下となる場合に、防振の効果を得ることができる。このことから、振動用緩衝材14の固有振動数ωcをできるだけ小さくし、加振振動数ωと固有振動数ωcとが同じになる振動数を小さく設定することによって、より広い範囲の振動数域で防振の効果を得ることができることがわかる。
【0026】
上述した固有振動数ωcは、図7に示すような重り(対象物X)の質量をm、振動用緩衝材14のバネ定数をkとした物理モデルを考えた場合、これらの関係は下記の数1に示す式(1)にて表される。
【0027】
【数1】
Figure 2004139670
【0028】
式(1)より、固有振動数ωcは、バネ定数kが小さい方が、小さな値となることがわかり、よって、振動用緩衝材14においては、バネ定数kが小さい方がそれだけ広い振動数域で防振効果を得ることができることになる。
【0029】
一方、衝撃吸収においては、ある対象物が落下衝撃を受けた際にそれが壊れるかどうかの基準となるバウンダリーカーブを使用して最適なバネ定数を判断した。図8に示すバウンダリーカーブでは、横軸が対象物の受ける速度変化(Velocity Change )であり、縦軸が対象物の受ける加速度(Acceleration)であり、図中領域Aで示す範囲は、対象物が壊れる落下衝撃の速度変化及び加速度の範囲である。図8からわかるように、ある対象物が落下衝撃を受けた際に壊れないようにするためには、落下衝撃による速度変化及び加速度を図中領域Bの範囲に、具体的には速度変化を小さくするか、加速度を小さくすることが必要である。
【0030】
一般に、緩衝材は、そのクッション性を利用して対象物の受ける衝撃加速度を低くすることで、対象物が壊れないようにするものである。このため、大きな衝撃吸収効果を得るためには、上述した振動用緩衝材14における物理モデル(図7)を再度使用して得られる衝撃用緩衝材15のバネ定数kがどのような値をとるときが最も小さな加速度となるかが問題となる。そこで、複数のバネ定数k(k1〜k4)を横軸に、横軸のバネ定数を有する緩衝材に落下させた際に対象物が受ける最大加速度を縦軸とする特性図を図9に示す。衝撃用緩衝材15のバネ定数kが最も小さい場合(k1)には、受けた衝撃に対して柔らかすぎて衝撃用緩衝材15が潰れきってしまい、最大加速度が大きくなる。また、逆に、衝撃用緩衝材15のバネ定数が最も大きい場合(k4)には、緩衝材が硬すぎてクッション性がなく、やはり最大加速度が大きくなってしまう。図9からわかるように、最も小さいバネ定数k1と最も大きいバネ定数k4との間に、最も加速度を小さくする最適なk、図9においてはバネ定数k3が存在し、このバネ定数k3の緩衝材が最も高い衝撃吸収効果を得ることができることになる。
【0031】
このようなことから、防振用の緩衝材と衝撃吸収用の緩衝材とでは、最も高い効果を得ることができる緩衝材の大きさやバネ定数がそれぞれ異なり、一の緩衝材で防振用と衝撃吸収用とを両立することは困難である。このため、情報記憶装置1においては、異なる大きさとバネ定数を有し、振動吸収に適した振動用緩衝材14と、衝撃吸収に適した衝撃用緩衝材15という2種の緩衝材がそれぞれ筺体3内に配されている。
このように、情報記憶装置1においては、防振用の緩衝材と衝撃吸収用の緩衝材とを別個に設けることにより、振動吸収、衝撃吸収のそれぞれにおいて、最適な大きさやバネ定数を有する緩衝材を選択して使用することができ、防振、衝撃吸収のそれぞれにおいて高い効果を得て、耐振動性、耐衝撃性を向上させることができる。
【0032】
上述した振動用緩衝材14は、図3に示すように、略円錐台形状を呈し、ハードディスク駆動機構部2の側面と筺体3の側面との間に、小径部側の端面が筺体3に、大径部側の端面がハードディスク駆動機構部2にそれぞれ接するように配置されている。この振動用緩衝材14は、ハードディスク駆動機構部2の4つの側面に配され、これら側面の両端部近傍にそれぞれ配設されている。
【0033】
しかしながら、上述した略円錐台形状の振動用緩衝材14だけで振動用緩衝材を構成すると、バネ定数(弾性係数)がほぼ一定となることから、前述したように、一般車両内で使用した場合に車両から発生する幅広い周波数領域(10〜200Hz)の振動に対して防振を行うことが難しくなる。
【0034】
ここで、実際に試算を行ってみる。
例えば図6に示す範囲のうち、防振の効果が現れるのは、入力加速度に対して出力加速度が小さくなる部分、即ち縦軸の値がGout/Gin<1の部分であり、横軸においてω/ωc>1.4の部分(ω:加振振動数(入力振動数)、ωc:共振振動数(固有振動数))である。
質量mの物体をバネ定数kで支えている場合の共振振動数ωcは、数1で計算される。
【0035】
共振振動数ωcと共振周波数fとの間に、ωc=2πfという関係があることから、式(1)と合わせて、バネ定数kについて次式(2)が成り立つ。
k=mωc2 =m・(2πf)2  (2)
次に、ハードディスク駆動機構部2の質量を0.1kgと仮定して、車両から発生する振動(10〜200Hz)に対して振動しないようにする、即ち加振周波数が10Hzでも振動しないようにするためのバネ定数kを求める。図6の結果から、ω/ωc=10[Hz]/f>1.4であるから、共振周波数fの範囲は
f<7.14
となる。この範囲を式(2)に当てはめると、
k<201[N/m]
となる。このとき、バネ(振動用緩衝材14)のたわみ量xは、ハードディスク駆動機構部2の質量wから求めることができ、
Figure 2004139670
となる。
従って、ハードディスク駆動機構部2の自重で4.9mmもたわむような非常に柔らかい振動用緩衝材14が必要となることがわかるが、もともと振動用緩衝材14が設けられる隙間が数mm程度しかないため、4.9mmもたわむことはほとんど不可能であり、そのような緩衝材を使用することができない。
【0036】
そこで、本実施の形態の情報記憶装置1においては、振動用緩衝材のばね定数(弾性係数)を小さくして積極的に防振を行うのではなく、入力に対して出力が1となる状態、即ちω/ωc<1となる状態で、共振を起こさないようにハードディスク駆動機構部2を支持すると共に、衝撃を受けたときに衝撃用緩衝材15を作用させて衝撃吸収を行うことが可能なように、振動用緩衝材を構成するものである。
【0037】
図6の結果から、ω/ωc<1となる状態で共振を起こさないのは、ω/ωc<0.2程度であるので、これを満たすような加振振動数ωに対して充分大きい共振振動数ωcを有する緩衝材、即ち充分大きいバネ定数(弾性係数)kを有する緩衝材を、振動用緩衝材として使用する。
【0038】
具体的には、ハードディスク駆動機構部2のトップカバー6側の上面と筐体3の天面板との間、並びにハードディスク駆動機構部2の配線基板12側の下面と筺体3の底面板との間に、板バネから成る第2の振動用緩衝材16が配置されて、情報記憶装置1が構成されている。
第2の振動用緩衝材16は、図1及び図3に示すように、ハードディスク駆動機構部2の上面及び下面において、各面の四隅近傍に配設されている。
【0039】
この第2の振動用緩衝材16の拡大図を図4Aに示す。また図4AのA−A´における断面図を図4Bに示す。
この第2の振動用緩衝材16は、図4A及び図4Bに示すように、板面が平坦面ではなく、曲率を有する曲面16Cとなっている板バネにより構成されている。
これは、板バネ16が衝撃等によりたわんでいくときのたわみと反力の関係を非線形にすることを目的としている。
【0040】
また、板バネ16の板面の途中には、幅が狭くなったくびれ部16Bが設けられている。このくびれ部16Bが設けられていることにより、衝撃が加わった際に、細く最も弱くなっているくびれ部16Bにおいて板バネ16が屈曲する。即ち、くびれ部16Bにより、衝撃が加わった際に板バネ16が屈曲する位置を規制することができる。このくびれ部16Bで板バネ16が大きく屈曲することにより、屈曲したときの高さをできるだけ低く抑えることができるので、衝撃用緩衝材15がハードディスク駆動機構部2に接触して衝撃を吸収することができる。
【0041】
さらに、板バネ16の一端(図中右端)は、螺子等で留めるための穴17を有しハードディスク駆動機構部2に対して固定される固定端16Aとなっており、板バネ16の他端(図中左端)は穴がなく固定されない自由端となっている。
このように他端は自由端となっているため、静的な状態では筐体3と接触してハードディスク駆動機構部2を支持することが可能である。一方、衝撃が加わった際には、くびれ部16Bでうまく屈曲させることができ、また筐体3との接触点が動くことにより衝撃を緩和することが可能になる。
もし板バネの両端が固定されていると、衝撃が加わった時に板バネの板面に大きな力が掛かり、くびれ部16Bでうまく屈曲しないで衝撃がハードディスク駆動機構部2に伝わってしまうおそれがある。
【0042】
ここで、この板バネ16の特性として、たわみ(押し込み変位)−反力(押し込み力)の関係を図4Cに示す。
図4Cに示すように、たわみと反力の関係は線形ではなく、押し込み変位がu1以下で見かけのバネ定数(図4Cの線の傾き)がk1である第1の状態と、押し込み変位u1以上で見かけのバネ定数がk2(<k1)と急激にバネ定数が下がった第2の状態と、特性の異なる2つの状態に分かれている。
【0043】
板バネ16がこのような特性(非線形の特性)を持つことにより、情報記憶装置1が静置されている静的な状態では、ハードディスク駆動機構部2の重力だけが加わるため、荷重は小さく、第1の状態にあって強いバネ定数k1で支えられている状態となる。このときの共振振動数ωcは、式(2)から算出され、例えば一般車両で発生する加振振動数ωの領域(10〜200Hz)よりも高い周波数領域になるため、共振を起こさず、入力振動をそのまま伝達する。
一方、落下衝撃等の際には、数百Gを超える加速度が加わるため、板ばね16に掛かる加重Fは瞬間的に大きくなり(F=m・a、m:質量、a:加速度)、例えば数百G以上となる。このとき、板ばね16が小さいバネ定数k2の第2の状態に移り、たわみが大きくなることで、ハードディスク駆動機構部2が衝撃用緩衝材15と接触し、この衝撃用緩衝材15により衝撃吸収が行われる。
【0044】
そして、本実施の形態の情報記憶装置1においては、ハードディスク駆動機構部2が、複数の振動用緩衝材14,16によって筺体3から離間して宙吊り状態に支持されている。
【0045】
衝撃用緩衝材15は、振動用緩衝材14,16で筺体3から離間して支持されているハードディスク駆動機構部2と筺体3との間の空間に、定常状態、即ち情報記憶装置1に対して振動も衝撃も加わっていない状態において、ハードディスク駆動機構部2又は筺体3のうちのいずれか一方にのみ接するように配設されている。
本実施の形態においては、衝撃用緩衝材15を筺体3にのみ接し、ハードディスク駆動機構部2から所定の間隔を隔てて配設している。尚、衝撃用緩衝材15は、これとは逆にハードディスク駆動機構部2にのみ接し、筺体3から所定の間隔を隔てて配設されるものであってもよい。
【0046】
衝撃用緩衝材15は、平板状を呈しており、ハードディスク駆動機構部2の側面に対しては、略中央部に対向する位置に少なくとも1枚配設されていると共に、ハードディスク駆動機構部2の側面に設けられた振動用緩衝材14よりも大きな体積を有するものであり、後述するように情報記憶装置1が衝撃を受けた際におけるハードディスク駆動機構部2との接触面積も、振動用緩衝材14のハードディスク駆動機構部2に対する接触面積に比して大きな面積とされている。
【0047】
また、衝撃用緩衝材15は、ハードディスク駆動機構部2の上面及び下面に対しては、これらの各辺近傍に対向する位置にそれぞれ配設されると共に、第2の振動用緩衝材16のある部分を避けて設けられている。このため、筺体3の上ハーフ3a及び下ハーフ3bの短辺側では衝撃用緩衝材15が長く形成されているのに対して、上ハーフ3a及び下ハーフ3bの長辺側では衝撃用緩衝材15が短く形成されている。
【0048】
尚、振動用緩衝材14と衝撃用緩衝材15のハードディスク駆動機構部2に対する接触面積は、本実施の形態ではこれら振動用緩衝材14及び衝撃用緩衝材15に同一材料を使用しているため、上述したように、即ち衝撃用緩衝材15の接触面積が振動用緩衝材14の接触面積に比して大きくなっている。
しかしながら、後述するように振動用緩衝材14と衝撃用緩衝材15とに異なる材料を使用する場合には、接触面積の大きさが上述したような関係を有するとは限らず、使用される材料との関係において適した接触面積とされる。
【0049】
振動用緩衝材14と衝撃用緩衝材15とを上述したような配置とした本実施の形態の情報記憶装置1の水平方向における衝撃吸収の作用について、図10を用いて説明する。図10Aは、情報記憶装置1におけるハードディスク駆動機構部2、筺体3、振動用緩衝材14及び衝撃用緩衝材15の、静的な状態、例えば情報記憶装置1が設置され、微弱な振動のみが伝わっている状態でのそれぞれの位置関係を模式的に示す図である。このような静的な状態においては、振動用緩衝材14のみがハードディスク駆動機構部2に接して緩衝材として作用しているため、高い防振の効果を得ることができる。
【0050】
これに対し、情報記憶装置1が落下して衝撃を受けた、いわゆる動的な場合には、図10Bに示すように、振動用緩衝材14が衝撃用緩衝材15とハードディスク駆動機構部2との間隔t以上潰れ、ハードディスク駆動機構部2が衝撃用緩衝材15と接触する。その結果、今度は衝撃用緩衝材15が緩衝材として作用して、ハードディスク駆動機構部2に加わる加速度を充分に低下させ、高い衝撃吸収効果を得ることができる。
そして、落下後に充分に時間が経過すると、再び筺体3内は静的な状態、即ち衝撃用緩衝材15がハードディスク駆動機構部2から離間した状態に戻され、振動用緩衝材14のみによる振動の吸収が行われるようになる。
【0051】
同様に、第2の振動用緩衝材16と衝撃用緩衝材15とを上述したような配置とした本実施の形態の情報記憶装置1の上下方向における衝撃吸収の作用について、図11を用いて説明する。図11Aは、情報記憶装置1におけるハードディスク駆動機構部2、筺体3、第2の振動用緩衝材16及び衝撃用緩衝材15の、静的な状態、例えば情報記憶装置1が設置され、微弱な振動のみが伝わっている状態でのそれぞれの位置関係を模式的に示す図である。このような静的な状態においては、第2の振動用緩衝材16のみがハードディスク駆動機構部2に接して(固定されて)緩衝材として作用し、かつ第2の振動用緩衝材16が高い弾性係数を有しているため、高い防振の効果を得ることができる。
【0052】
これに対し、情報記憶装置1が落下して衝撃を受けた、いわゆる動的な場合には、図11Bに示すように、第2の振動用緩衝材16がくびれ部16Bで屈曲することにより、衝撃用緩衝材15とハードディスク駆動機構部2との間隔t以上たわんで、ハードディスク駆動機構部2が衝撃用緩衝材15と接触する。その結果、今度は衝撃用緩衝材15が緩衝材として作用し、ハードディスク駆動機構部2に加わる加速度を充分に低下させ、高い衝撃吸収効果を得ることができる。
そして、落下後に充分に時間が経過すると、再び筺体3内は静的な状態、即ち屈曲していた第2の振動用緩衝材16が復元して衝撃用緩衝材15がハードディスク駆動機構部2から離間した状態に戻され、第2の振動用緩衝材16による振動の吸収が行われるようになる。
【0053】
本実施の形態の情報記憶装置1においては、このような仕組みが上述したように縦方向、横方向及び厚み方向の全方向にそれぞれ設けられ、ハードディスク駆動機構部2が筺体3から離間して宙吊り状態で支持されているため、3次元全方向に対して防振、耐緩衝の効果を高いレベルで得て、耐振動性、耐衝撃性を向上させることができる。
【0054】
側面に設けられた振動用緩衝材14には、弾性を有する部材、例えばゴムやゲル状物質等の粘弾性体やバネ等を使用することができる。ゴムは、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)、ブタジエンゴム(BR)、ニトリルゴム(NBR)、シリコンゴム、フッ素ゴム等の種々のゴムを使用することができ、例えば内外ゴム社製のハネナイト(商品名)、イノアックコーポレーション製のポロン(商品名)等が挙げられる。一方、ゲル状物質は、シリコーンゲルのようにシリコーンを主成分としたゲル状素材を使用することができ、例えばジェルテック社製のαゲル、βゲル、θゲル(いずれも商品名)等が挙げられる。バネは、コイルバネや板バネ等の金属バネを使用することができる。
【0055】
また、衝撃用緩衝材15には、適度な柔らかさがあり、加速度を低下させることができればよく、基本的には振動用緩衝材14と同様の部材、即ち弾性を有する部材、例えばゴムやゲル状物質等の粘弾性体やバネ等を使用することができる。衝撃用緩衝材15においても、やはり温度依存性が少なく、特性が一定な材料が適するため、ゴムよりもゲル状物質を使用することが好ましく、特に広範囲な温度変化にも緩衝効果が変化しにくいシリコーンゲルを使用することが好ましい。本実施の形態においては、衝撃用緩衝材15にシリコーンゲルを使用した。
【0056】
尚、振動用緩衝材14と衝撃用緩衝材15とに異なる材料を使用する場合には、ハードディスク駆動機構部2との接触面積が、使用される材料との関係において適した大きさになるように振動用緩衝材14と衝撃用緩衝材15とが形成される。
【0057】
さらに、上面及び下面に設けられた第2の振動用緩衝材16には、一般的な板バネと同様の材料を用いて、前述した非線形の特性が得られるように、成型や加工を施した板バネを使用することができる。
【0058】
ここで本実施の形態の情報記憶装置1の構成に対して、前述したと同様の試算を行ってみる。
図6の結果より防振の効果が現れるのはω/ωc<0.2であり、車両から発生する振動(10〜200Hz)に対して振動しないようにする、即ち加振周波数が200Hzでも振動しないようにするためには、ω/ωc=200[Hz]/f<0.2であるから、共振周波数fの範囲がf>1000Hzであればよい。
本実施の形態では、第2の振動用緩衝材16が同じ上下方向に合計8つ設けられているため、1つの緩衝材16のバネ定数を例えば5.0×105 [N/m]とすると、全体のバネ定数はその8倍でk=4.0×106 [N/m]となる。このような緩衝材16を用いれば、式(2)から共振周波数f=1007>1000Hzとなって条件を満たす。
【0059】
尚、図6の結果は図5のモデルに基づくものであるので、情報記憶装置1の内筐体(ハードディスク駆動機構部2)の形状や第2の振動用緩衝材16の配置によって、防振の効果が現れるω/ωcの範囲が図6の結果から変わることがある。その場合も車両から発生する振動(加振周波数10〜200Hz)に対して振動しない共振周波数fを有するように第2の振動用緩衝材16を選定すればよい。
【0060】
上述の本実施の形態の情報記憶装置1の構成によれば、非線形の特性を有する板バネ16と衝撃用緩衝材15とを設けたことにより、静的な状態で第2の振動用緩衝材16即ち非線形の特性を有する板バネ16によりハードディスク駆動機構部2を支え、そのバネ定数(弾性係数)を衝撃用緩衝材15よりも剛に即ち充分大きくすることで共振周波数を高くし、車両等実際の使用環境での振動を起こさなくすることができる。
さらに、衝撃を受けたときには、非線形の特性を有する板バネ16がたわむと共にそのバネ定数(弾性係数)が低下するため、衝撃用緩衝材15がハードディスク駆動機構部2と接触してその衝撃を緩衝させる働きをする。
これにより、耐衝撃性と耐振動性の両方の向上を図ることができる。
【0061】
静的状態で非線形の特性を有する板バネ16のバネ定数が充分大きく共振周波数が高いことにより、特に車両から発生する幅広い周波数領域の振動に対しても共振を起こさないようにすることが可能になる。
【0062】
そして、本実施の形態によれば、振動用緩衝材14,16と、衝撃用緩衝材15とを設けたことにより、それぞれに振動吸収、衝撃吸収という別個の役割を与えることができ、この役割に最適な大きさ、材料、並びに配置位置を選択して使用することができる。
これにより、衝撃吸収のための衝撃用緩衝材15を設計する際に、緩衝材15の共振周波数を気にすることなく、衝撃吸収の目的に対して適切なバネ定数をもった緩衝材を使用することができる。
【0063】
尚、上述の実施の形態では、第2の振動用緩衝材(板バネ)16から離して衝撃用緩衝材15が設けられていたが、本発明ではこのような配置関係に限定されるものではない。
衝撃用緩衝材15の位置については、第2の振動用緩衝材(板バネ)16のたわみに影響を及ぼさず、かつ筺体3からハードディスク駆動機構部2に衝撃用緩衝材15を通して振動を伝達しないようにする限りは、その他の配置としても問題ない。
特に、第2の振動用緩衝材(板バネ)16の本来の目的が、静的な状態でハードディスク駆動機構部2を支持することであるから、この支持している状態で、衝撃用緩衝材15が板バネ16の曲げを拘束したり、衝撃用緩衝材15が筺体3及びハードディスク駆動機構部2の両方と接触したりすることがなければよい。
【0064】
第2の振動用緩衝材(板バネ)16及び衝撃用緩衝材15の配置を変えた他の形態を、図12A〜図12Cにそれぞれ示す。
いずれの形態も、ハードディスク駆動機構部2と筐体3との間に第2の振動用緩衝材(板バネ)16及び衝撃用緩衝材15が設けられ、第2の振動用緩衝材(板バネ)16がハードディスク駆動機構部2及び筐体3の一方に固定され、他方に自由端で接触するように構成されている点は共通している。
【0065】
図12Aは、第2の振動用緩衝材(板バネ)16の近くに衝撃用緩衝材15を設けた形態である。この場合、衝撃により板バネ16が屈曲すると、衝撃用緩衝材15と筐体3(又はハードディスク駆動機構部2)との間に板バネ16の自由端側が挟まれるが、それでも衝撃用緩衝材15により衝撃が吸収されるため問題はない。
図12Bは、第2の振動用緩衝材(板バネ)16の固定端16Aに衝撃用緩衝材15を取り付けた形態である。
図12Cは、第2の振動用緩衝材(板バネ)16の固定端16Aと対向する位置に衝撃用緩衝材15を取り付けた形態である。
【0066】
先の実施の形態は、特に一方向(上下方向)の共振周波数について注意を払った構成であったが、共振周波数について必要な方向に関して、それぞれ非線形の特性を有する板バネ16と衝撃用緩衝材15とを組み合わせることにより、その方向について共振周波数に注意を払った設計とすることができる。
【0067】
続いて、本発明の情報記憶装置の他の実施の形態を示す。
図13に、本発明の他の実施の形態として、情報記憶装置において、ハードディスク駆動機構部2を外側の筐体3から取り出した状態を示す。
本実施の形態では、全方向に、即ちXYZの3軸方向に、振動用緩衝材として図4A及び図4Bに示した非線形の特性を有する板バネ16を用いた場合であり、ハードディスク駆動機構部2の四隅付近の上面、下面、並びに両側面に振動用緩衝材として非線形の特性を有する板バネ16が設けられている。
【0068】
この場合、衝撃用緩衝材15については、図示しないが、前述したように静的な状態で振動を伝達しないように、ハードディスク駆動機構部2或いは筺体3の一方からは離すように設置すればよい。
【0069】
上述の本実施の形態の構成によれば、XYZの3軸方向に、非線形の特性を有する板バネ16を設けたことにより、これら3軸方向に対して共振周波数を高くして、例えば車両から発生する幅広い周波数領域の振動に対しても、耐振動性を向上することができる。
【0070】
上述の各実施の形態では、振動用緩衝材の板バネ16の板面を曲率を有する曲面16Cとしていたが、板バネの板面の形状を他の構成としても良い。
板バネの板面の形状の他の形態を図14A及び図14Bにそれぞれ示す。
図14Aは、板バネの板面を断面略V字形状とした形態である。
図14Bは、板バネの板面を断面平板状として両端部を折り曲げた形態である。
【0071】
いずれの形態にしても、衝撃を受けた際に、板バネがたわんで、静的な状態と比較して見かけのバネ定数が下がるような、非線形の特性を有するように板バネの板面を構成すればよい。
【0072】
また、本発明では、静的な状態において所望の高い弾性係数が得られ、衝撃を受けた際には弾性係数が低下する非線形の特性を有する材料であれば、板バネ以外のものを用いて振動用緩衝材を構成してもよい。
【0073】
さらに、図4Cではある値で屈折する特性曲線となっているが、本発明では、想定される使用時の振動及び衝撃時の振動に対する弾性係数がそれぞれほぼ同等であれば、弾性係数が応力の増加により徐々に低下する材料、即ち曲線的に(例えば上に凸な放物線状に)変化する特性曲線となる材料を使用することも可能である。
【0074】
また、上述の各実施の形態では、ハードディスク駆動機構部2をシャーシ5・トップカバー6による筺体に収納された構成としたが、このハードディスク駆動機構部2が収納されたシャーシ・トップカバー等の筐体をさらに密閉構造を有する筺体内に収容した構成としてもよい。
【0075】
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他様々な構成が取り得る。
【0076】
【発明の効果】
上述の本発明によれば、振動吸収、衝撃吸収のそれぞれについて高い効果を得ることができ、耐衝撃性と耐振動性の両方の向上を図ることができる。
また、本発明によれば、車両から発生する振動のような、幅広い周波数領域の振動に対しても振動吸収を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の情報記憶装置の概略構成図(分解斜視図)である。
【図2】ハードディスク駆動機構部の構成を示す図である。
A トップカバー側から見た斜視図である。
B 配線基板側から見た斜視図である。
C 内部の概略構成を示す図である。
【図3】図1の情報記憶装置において筺体の上ハーフ部を外した状態の斜視図である。
【図4】A 図1の情報記憶装置の第2の振動用緩衝材の拡大図である。
B 図4AのA−A´における断面図である。
C 図4Aの第2の振動用緩衝材(板バネ)のたわみ−反力の関係を示す図である。
【図5】最適なバネ定数測定のために防振対象物の振動を測定する装置を示す図である。
【図6】図5の測定装置による測定結果を示す特性図である。
【図7】固有振動数を表すための物理モデルを示す図である。
【図8】落下衝撃を受けた対象物が壊れるかどうかの基準となるバウンダリーカーブを示す特性図である。
【図9】バネ定数と緩衝材に落下させた際に対象物が受ける最大加速度との関係を示す特性図である。
【図10】A、B 衝撃吸収時における筐体内の緩衝材の状態を説明するための模式図である。
【図11】A、B 衝撃吸収時における筐体内の緩衝材の状態を説明するための模式図である。
【図12】A〜C 第2の振動用緩衝材(板バネ)と衝撃用緩衝材の配置を変えた他の形態をそれぞれ示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態の情報記憶装置におけるハードディスク駆動機構部を筐体から取り出した状態を示す図である。
【図14】A、B 板バネの板面の他の形態をそれぞれ示す断面図である。
【符号の説明】
1 情報記憶装置、2 ハードディスク駆動機構部、3 筐体、4 コネクタ、5 シャーシ、6 トップカバー、7 回転スピンドル、8 磁気ディスク、9磁気ヘッド、10 ヘッドアーム、11 アクチュエータ、12 配線基板、13 コネクタピン、14 振動用緩衝材、15 衝撃用緩衝材、16 第2の振動用緩衝材(板バネ)

Claims (4)

  1. 機器本体に対して着脱自在とされる情報記憶装置であって、
    ハードディスク駆動機構部と、
    上記ハードディスク駆動機構部を内部に収容する第1の筐体と、
    上記第1の筐体を内部に収容する第2の筐体と、
    コネクタ部とを備え、
    上記第1の筐体が第1の緩衝材により上記第2の筐体から離間して支持されると共に、定常状態において上記第1の筐体又は上記第2の筺体のうちいずれか一方にのみ接する第2の緩衝材が上記第1の筐体と上記第2の筐体との間に配され、
    上記第1の緩衝材が複数設けられ、この複数の第1の緩衝材は、非線形の特性を有する緩衝材を含み、
    上記非線形の特性を有する緩衝材は、静的な状態においては外部から受ける振動に対して共振を持たない程度の大きい弾性係数を有し、衝撃を受けた際には弾性係数が小さくなる特性を有する
    ことを特徴とする情報記憶装置。
  2. 上記非線形の特性を有する緩衝材は、板バネから成り、衝撃を受けた際にたわむことにより、上記弾性係数が変化することを特徴とする請求項1に記載の情報記憶装置。
  3. 上記板バネは、幅が狭く形成されたくびれ部を有し、該くびれ部において屈曲することにより、衝撃を受けた際にたわむことを特徴とする請求項2に記載の情報記憶装置。
  4. 上記板バネは、上記第1の筐体或いは上記第2の筐体のいずれかに一方の筐体に固定された固定端と、他方の筐体に接触するが固定されていない自由端とを有することを特徴とする請求項2に記載の情報記憶装置。
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