JP2004138963A - アフォーカルズームレンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】ズーム比が10倍以下であるが、従来のアフォーカルズームレンズと同等の最高倍率における入射光束の径を有するようにし、しかも少ないレンズ枚数でコンパクトであって、良好な光学性能を有するようにする。
【解決手段】正の第1群と負の第2群と正の第3群と負の第4群とにて構成し、第1群が物体側に凸の負メニスカスレンズと凸レンズを貼り合わせた接合レンズを含み、第1群と第4群が固定、第2群と第3群が移動するレンズ系で、条件(1)、(2)、(3)を満足するようにした。
(1) 2.8>φexl/φenl>2.4
(2) 3>φenh/φexh>2.4
(3) 3.9>f1/φenh>3.3
【選択図】 図1
【解決手段】正の第1群と負の第2群と正の第3群と負の第4群とにて構成し、第1群が物体側に凸の負メニスカスレンズと凸レンズを貼り合わせた接合レンズを含み、第1群と第4群が固定、第2群と第3群が移動するレンズ系で、条件(1)、(2)、(3)を満足するようにした。
(1) 2.8>φexl/φenl>2.4
(2) 3>φenh/φexh>2.4
(3) 3.9>f1/φenh>3.3
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡にて用いるアフォーカルズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡に用いられる従来のアフォーカルズームレンズとして、次に示す特許文献1、特許文献2に記載されているものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平1−95099号公報
【特許文献2】特開2001−154092号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1、2に記載するアフォーカルズームレンズのように、従来のアフォーカルズームレンズは、ズーム比が10倍を超えるようなものもあるが、最高倍率が高いことにより、それに見合う解像力を得るためには、最高倍率における入射光束径を大にしてNAが適切な値になるようにする必要があり、また、収差を良好に補正するためには、各群のレンズ枚数が大になる。そのため、レンズ系が大型になり、またコスト高にもなる。
【0005】
本発明は、ズーム比が10倍以下であるが、前記従来例と同等の最高倍率における入射光束の径を有し、しかもレンズ枚数が少なく、コンパクトであって、良好な光学性能を有するアフォーカルズームレンズを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアフォーカルズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を持つ第1群と、負の屈折力を持つ第2群と、正の屈折力を持つ第3群と、負の屈折力を持つ第4群とにて構成され、第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと凸レンズとを貼り合わせた接合レンズを含み、低倍端から高倍端に変倍する際に第1群と第4群とは固定であり、第2群と第3群とがそれら群の間隔を変化させながら移動し、下記条件(1)、(2)、(3)を満足することを特徴とする。
(1) 2.8>φexl/φenl>2.4
(2) 3>φenh/φexh>2.4
(3) 3.9>f1/φenh>3.3
ただし、φexlは低倍端での像側軸上光束径、φenlは低倍端での物体側軸上光束径、φenhは高倍端での物体側軸上光束径、φexhは高倍端での像側軸上光束径、f1は第1群の焦点距離である。
【0007】
本発明のアフォーカルズームレンズは、前記のように、物体側から順に、正、負、正、負の屈折力のレンズ群よりなる4群構成のレンズ系である。そして、低倍域から高倍域への変倍に際して、第2群が物体から遠ざかり、第3群が逆に物体に近づくように移動するレンズ系である。また変倍中の群の移動方向は一定であり、したがって、第1群と第2群、第3群と第4群の間隔は、単調に増加する。また、第2群は、第1群により形成された像をリレーする。更に第3群は、第2群よりリレーされた像が実像になるようにリレーする。また、第4群は、この実像が無限遠像になるようにする。
【0008】
本発明のアフォーカルズームレンズは、第2群と第3群とが夫々移動しながら像をリレーするために、これら第2群、第3群の各群が倍率変換の働きを行なうと共に、アフォーカル系として連続性、つまり同焦点を保つことができる。その時、第2群と第3群の夫々のリレー倍率が同時に1倍になるようにして、変倍をとぎれることなしにスムーズに行なうことができる。
【0009】
また、本発明のアフォーカルズームレンズは、従来、口径の大きなアフォーカルズームレンズが収差を良好に補正するために第1群を3枚以上のレンズにて構成していたものを、一つの接合レンズのみにて構成した。
【0010】
このように、第1群を少ないレンズ枚数で簡単な構成にするために、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと凸レンズにて構成した。つまり、物体側面が凸面であり、接合面も物体側に凸の面として、ズーム低倍時の軸外収差を補正するようにした。
【0011】
前記の条件(1)は、ズーム低倍端における射出光束径と入射光束径の比率を定めたものである。
【0012】
この条件(1)において、下限値の2.4を下回るとズーム低倍端において、アフォーカルズームレンズが、顕微鏡用として十分な低倍率になし得ない。また上限値の2.8よりも大になると、高倍端での収差補正が困難になる。
【0013】
また、条件(2)は、ズーム高倍端における入射光束径と射出光束系の比率を定めた条件である。
【0014】
この条件(2)の下限値の2.4を下回ると、ズーム高倍端において十分な入射光束径を得ることができない。また、条件(2)の上限値の3よりも大になると、低倍端での収差補正が困難になる。
【0015】
更に、条件(3)は、第1群の焦点距離と高倍端での入射光束径との比率を規定する条件である。
【0016】
この条件(3)において、下限値の3.3を下回るとズーム高倍端において、十分な入射光束径を得ることができない。また、条件(3)において、上限値の3.9より大になると、第1群が接合レンズのみでは収差補正が困難になる。
【0017】
以上述べた本発明のアフォーカルズームレンズにおいて、下記条件(4)を満足すれば、更にコンパクトで十分良好な光学性能のレンズ系を得る上で望ましい。
(4) 2.8<|f1/f2|<3.5
ただし、f2は第2群の焦点距離である。
【0018】
この条件(4)は、第1群と第2群の焦点距離の比率を定めたもので、条件(4)の上限値の3.5を超えると、第1群を接合レンズのみにて構成した場合、高倍端で十分な収差補正ができなくなる。また、この条件(4)の下限値の2.8を下回ると、変倍時の第2群の移動量が大になり、ズームの全長が長くなるためレンズ系をコンパクトになし得ない。
【0019】
本発明のアフォーカルズームレンズにおいて、次の条件(5)を満足することが望ましい。
(5) 1.5>(β2/α2)÷(β3/α3)>1.4
ただし、α2は低倍端での第2群の像リレー倍率、α3は低倍端での第3群の像リレー倍率、β2は高倍端での第2群の像リレー倍率、β3は高倍端での第3群の像リレー倍率である。
【0020】
この条件(5)は、ズームレンズにおいて、実際に変倍を担う第2群と第3群の、夫々の高倍端から低倍端に至るリレー倍率の変化の比率を規定したものである。
【0021】
この条件(5)において、下限値の1.4を下回ると、第1群から第4群までの全長が長くなる。また、条件(5)の上限値の1.5を超えると第2群の屈折力が強くなり、十分な変倍比を確保した上で収差を良好に補正することが困難になる。
【0022】
また、本発明のアフォーカルズームレンズは、前述のように少ないレンズ枚数にて構成が可能である。したがって、少ないレンズ枚数であって、レンズ系を構成するレンズの硝材として360nmの光を透過するものを用いれば、落射同軸蛍光観察可能な顕微鏡に使用することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明のアフォーカルズームレンズの概要を図13に示す。つまり本発明のアフォーカルズームレンズは、正の第1群G1と、負の第2群G2と、正の第3群G3と、負の第4群G4とよりなる。そして低倍端から高倍端に変倍する際、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また第2群G2、第3群G3は、変倍中移動方向が一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔および第3群G3と第4群G4の間隔は、単調に増加する。
【0024】
また、図14は、本発明のアフォーカルズームレンズを用いた顕微鏡の例で、ガリレオ型の双眼実体顕微鏡である。標本1を対物レンズ2によりアフォーカル像に変換し、本発明のアフォーカルズームレンズ3によりリレーされた像を結像レンズにより実像5を形成し、接眼レンズにて観察する。
【0025】
次に、本発明のアフォーカルズームレンズの実施例を示す。
【0026】
本発明の実施例1、2、3は、夫々図1、図2、図3に示す通りの構成で、次のデータを有する。
【0027】
【0029】
【0030】
上記データ中、rは曲率半径、dはレンズの肉厚および面間隔ndはレンズのd線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数である。尚、データ中における長さの単位はmmである。
【0031】
本発明の実施例1は、図1に示す通りの構成であって、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1と、負の屈折力の第2群G2と、正の屈折力の第3群G3と、負の屈折力の第4群G4とよりなる4群構成である。そして、低倍端から高倍端への変倍の際に、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また、変倍中の各群の移動方向は一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔は単調に増加する。
【0032】
また、第1群G1は物体側が凸面である負のメニスカスレンズと凸レンズとを接合した接合レンズよりなる。第2群G2は凹レンズと、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズよりなる。第3群G3は負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズである。第4群G4は正レンズと負レンズを接合した接合レンズである。
【0033】
この実施例1のアフォーカルズームレンズは、第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとの接合レンズよりなる。
【0034】
この実施例1のレンズ系は、データに示すように、条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を満足する。
【0035】
また、この実施例1の収差状況は、図4、図5、図6に示す通りである。これら図のうち、図4は低倍の時、図5は中倍の時、図6は高倍の時の収差図である。
これら収差図より明かのように、いずれも良好に補正されている。
【0036】
尚、上記収差図は、図15に示す構成で、下記データを有する結像レンズを射出側に配置した時のものである。
【0037】
実施例2は、図2に示す通りの構成で、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1と、負の屈折力の第2群G2と、正の屈折力の第3群G3と、負の屈折力の第4群G4とよりなる。この実施例も低倍端から高倍端に変倍する際、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また第2群G2、第3群G3は、変倍中移動方向が一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔および第3群G3と第4群G4の間隔は、単調に増加する。
【0038】
また、第1群G1は物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。第2群G2は負レンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。第3群G3は負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。更に、第4群G4は負レンズと正のメニスカスレンズとを接合した接合レンズよりなる。
【0039】
以上のように、この実施例2も第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。
【0040】
また、データ中に示すように条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を満足する。
【0041】
この実施例2のアフォーカルズームレンズの収差状況は、図7(低倍)、図8(中倍)、図9(高倍)に示す通りで、この実施例2も収差が良好に補正されている。
【0042】
これら収差図も、前記の結像レンズを配置した時の各収差を示す。
【0043】
本発明の実施例3は、図3に示す通りの構成である。つまり、物体側より順に、正の屈折力を有する第1群G1と、負の屈折力を有する第2群G2と、正の屈折力を有する第3群G3と、負の屈折力を有する第4群G4とよりなる。
【0044】
また、第1群G1は、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。第2群G2は負レンズおよび正レンズと負レンズとを接合した接合レンズよりなる。また、第3群G3は、負のメニスカスレンズと正レンズの接合レンズよりなる。更に第4群は負レンズと正レンズとの接合レンズとよりなる。実施例3のアフォーカルズームレンズも低倍端から高倍端に変倍する際、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また第2群G2、第3群G3は、変倍中移動方向が一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔および第3群G3と第4群G4の間隔は、単調に増加する。
【0045】
この実施例3も、第1群G1が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとの接合レンズよりなる。そして条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を満足する。
【0046】
この実施例3の収差状況は、図10(低倍)、図11(中倍)、図12(高倍)に示す通りであり、収差良好に補正されている。
【0047】
これら、図10、11、12も、前記の結像レンズを配置した時のものである。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ズーム比を10倍以下にしたまま、それらと同等のズーム最高倍率における入射光束径を有し、レンズ枚数が少なく、良好な光学性能をもつアフォーカルズームレンズを実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例1の低倍時の収差曲線図
【図5】本発明の実施例1の中倍時の収差曲線図
【図6】本発明の実施例1の高倍時の収差曲線図
【図7】本発明の実施例2の低倍時の収差曲線図
【図8】本発明の実施例2の中倍時の収差曲線図
【図9】本発明の実施例2の高倍時の収差曲線図
【図10】本発明の実施例3の低倍時の収差曲線図
【図11】本発明の実施例3の中倍時の収差曲線図
【図12】本発明の実施例3の高倍時の収差曲線図
【図13】本発明のアフォーカルズームレンズの概要を示す図
【図14】本発明のアフォーカルズームレンズを用いた顕微鏡の構成を示す図
【図15】本発明のアフォーカルズームレンズに用いる結像レンズの一例を示す図
【符号の説明】
G1 第1群
G2 第2群
G3 第3群
G4 第4群
1 物体
2 対物レンズ
3 アフォーカルズーム
4 結像レンズ
5 像
6 接眼レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、顕微鏡にて用いるアフォーカルズームレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
顕微鏡に用いられる従来のアフォーカルズームレンズとして、次に示す特許文献1、特許文献2に記載されているものが知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平1−95099号公報
【特許文献2】特開2001−154092号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1、2に記載するアフォーカルズームレンズのように、従来のアフォーカルズームレンズは、ズーム比が10倍を超えるようなものもあるが、最高倍率が高いことにより、それに見合う解像力を得るためには、最高倍率における入射光束径を大にしてNAが適切な値になるようにする必要があり、また、収差を良好に補正するためには、各群のレンズ枚数が大になる。そのため、レンズ系が大型になり、またコスト高にもなる。
【0005】
本発明は、ズーム比が10倍以下であるが、前記従来例と同等の最高倍率における入射光束の径を有し、しかもレンズ枚数が少なく、コンパクトであって、良好な光学性能を有するアフォーカルズームレンズを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のアフォーカルズームレンズは、物体側より順に、正の屈折力を持つ第1群と、負の屈折力を持つ第2群と、正の屈折力を持つ第3群と、負の屈折力を持つ第4群とにて構成され、第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと凸レンズとを貼り合わせた接合レンズを含み、低倍端から高倍端に変倍する際に第1群と第4群とは固定であり、第2群と第3群とがそれら群の間隔を変化させながら移動し、下記条件(1)、(2)、(3)を満足することを特徴とする。
(1) 2.8>φexl/φenl>2.4
(2) 3>φenh/φexh>2.4
(3) 3.9>f1/φenh>3.3
ただし、φexlは低倍端での像側軸上光束径、φenlは低倍端での物体側軸上光束径、φenhは高倍端での物体側軸上光束径、φexhは高倍端での像側軸上光束径、f1は第1群の焦点距離である。
【0007】
本発明のアフォーカルズームレンズは、前記のように、物体側から順に、正、負、正、負の屈折力のレンズ群よりなる4群構成のレンズ系である。そして、低倍域から高倍域への変倍に際して、第2群が物体から遠ざかり、第3群が逆に物体に近づくように移動するレンズ系である。また変倍中の群の移動方向は一定であり、したがって、第1群と第2群、第3群と第4群の間隔は、単調に増加する。また、第2群は、第1群により形成された像をリレーする。更に第3群は、第2群よりリレーされた像が実像になるようにリレーする。また、第4群は、この実像が無限遠像になるようにする。
【0008】
本発明のアフォーカルズームレンズは、第2群と第3群とが夫々移動しながら像をリレーするために、これら第2群、第3群の各群が倍率変換の働きを行なうと共に、アフォーカル系として連続性、つまり同焦点を保つことができる。その時、第2群と第3群の夫々のリレー倍率が同時に1倍になるようにして、変倍をとぎれることなしにスムーズに行なうことができる。
【0009】
また、本発明のアフォーカルズームレンズは、従来、口径の大きなアフォーカルズームレンズが収差を良好に補正するために第1群を3枚以上のレンズにて構成していたものを、一つの接合レンズのみにて構成した。
【0010】
このように、第1群を少ないレンズ枚数で簡単な構成にするために、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと凸レンズにて構成した。つまり、物体側面が凸面であり、接合面も物体側に凸の面として、ズーム低倍時の軸外収差を補正するようにした。
【0011】
前記の条件(1)は、ズーム低倍端における射出光束径と入射光束径の比率を定めたものである。
【0012】
この条件(1)において、下限値の2.4を下回るとズーム低倍端において、アフォーカルズームレンズが、顕微鏡用として十分な低倍率になし得ない。また上限値の2.8よりも大になると、高倍端での収差補正が困難になる。
【0013】
また、条件(2)は、ズーム高倍端における入射光束径と射出光束系の比率を定めた条件である。
【0014】
この条件(2)の下限値の2.4を下回ると、ズーム高倍端において十分な入射光束径を得ることができない。また、条件(2)の上限値の3よりも大になると、低倍端での収差補正が困難になる。
【0015】
更に、条件(3)は、第1群の焦点距離と高倍端での入射光束径との比率を規定する条件である。
【0016】
この条件(3)において、下限値の3.3を下回るとズーム高倍端において、十分な入射光束径を得ることができない。また、条件(3)において、上限値の3.9より大になると、第1群が接合レンズのみでは収差補正が困難になる。
【0017】
以上述べた本発明のアフォーカルズームレンズにおいて、下記条件(4)を満足すれば、更にコンパクトで十分良好な光学性能のレンズ系を得る上で望ましい。
(4) 2.8<|f1/f2|<3.5
ただし、f2は第2群の焦点距離である。
【0018】
この条件(4)は、第1群と第2群の焦点距離の比率を定めたもので、条件(4)の上限値の3.5を超えると、第1群を接合レンズのみにて構成した場合、高倍端で十分な収差補正ができなくなる。また、この条件(4)の下限値の2.8を下回ると、変倍時の第2群の移動量が大になり、ズームの全長が長くなるためレンズ系をコンパクトになし得ない。
【0019】
本発明のアフォーカルズームレンズにおいて、次の条件(5)を満足することが望ましい。
(5) 1.5>(β2/α2)÷(β3/α3)>1.4
ただし、α2は低倍端での第2群の像リレー倍率、α3は低倍端での第3群の像リレー倍率、β2は高倍端での第2群の像リレー倍率、β3は高倍端での第3群の像リレー倍率である。
【0020】
この条件(5)は、ズームレンズにおいて、実際に変倍を担う第2群と第3群の、夫々の高倍端から低倍端に至るリレー倍率の変化の比率を規定したものである。
【0021】
この条件(5)において、下限値の1.4を下回ると、第1群から第4群までの全長が長くなる。また、条件(5)の上限値の1.5を超えると第2群の屈折力が強くなり、十分な変倍比を確保した上で収差を良好に補正することが困難になる。
【0022】
また、本発明のアフォーカルズームレンズは、前述のように少ないレンズ枚数にて構成が可能である。したがって、少ないレンズ枚数であって、レンズ系を構成するレンズの硝材として360nmの光を透過するものを用いれば、落射同軸蛍光観察可能な顕微鏡に使用することが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明のアフォーカルズームレンズの概要を図13に示す。つまり本発明のアフォーカルズームレンズは、正の第1群G1と、負の第2群G2と、正の第3群G3と、負の第4群G4とよりなる。そして低倍端から高倍端に変倍する際、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また第2群G2、第3群G3は、変倍中移動方向が一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔および第3群G3と第4群G4の間隔は、単調に増加する。
【0024】
また、図14は、本発明のアフォーカルズームレンズを用いた顕微鏡の例で、ガリレオ型の双眼実体顕微鏡である。標本1を対物レンズ2によりアフォーカル像に変換し、本発明のアフォーカルズームレンズ3によりリレーされた像を結像レンズにより実像5を形成し、接眼レンズにて観察する。
【0025】
次に、本発明のアフォーカルズームレンズの実施例を示す。
【0026】
本発明の実施例1、2、3は、夫々図1、図2、図3に示す通りの構成で、次のデータを有する。
【0027】
【0029】
【0030】
上記データ中、rは曲率半径、dはレンズの肉厚および面間隔ndはレンズのd線に対する屈折率、νdはd線に対するアッベ数である。尚、データ中における長さの単位はmmである。
【0031】
本発明の実施例1は、図1に示す通りの構成であって、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1と、負の屈折力の第2群G2と、正の屈折力の第3群G3と、負の屈折力の第4群G4とよりなる4群構成である。そして、低倍端から高倍端への変倍の際に、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また、変倍中の各群の移動方向は一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔は単調に増加する。
【0032】
また、第1群G1は物体側が凸面である負のメニスカスレンズと凸レンズとを接合した接合レンズよりなる。第2群G2は凹レンズと、正レンズと負レンズとを接合した接合レンズよりなる。第3群G3は負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズである。第4群G4は正レンズと負レンズを接合した接合レンズである。
【0033】
この実施例1のアフォーカルズームレンズは、第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとの接合レンズよりなる。
【0034】
この実施例1のレンズ系は、データに示すように、条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を満足する。
【0035】
また、この実施例1の収差状況は、図4、図5、図6に示す通りである。これら図のうち、図4は低倍の時、図5は中倍の時、図6は高倍の時の収差図である。
これら収差図より明かのように、いずれも良好に補正されている。
【0036】
尚、上記収差図は、図15に示す構成で、下記データを有する結像レンズを射出側に配置した時のものである。
【0037】
実施例2は、図2に示す通りの構成で、物体側より順に、正の屈折力の第1群G1と、負の屈折力の第2群G2と、正の屈折力の第3群G3と、負の屈折力の第4群G4とよりなる。この実施例も低倍端から高倍端に変倍する際、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また第2群G2、第3群G3は、変倍中移動方向が一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔および第3群G3と第4群G4の間隔は、単調に増加する。
【0038】
また、第1群G1は物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。第2群G2は負レンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。第3群G3は負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。更に、第4群G4は負レンズと正のメニスカスレンズとを接合した接合レンズよりなる。
【0039】
以上のように、この実施例2も第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。
【0040】
また、データ中に示すように条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を満足する。
【0041】
この実施例2のアフォーカルズームレンズの収差状況は、図7(低倍)、図8(中倍)、図9(高倍)に示す通りで、この実施例2も収差が良好に補正されている。
【0042】
これら収差図も、前記の結像レンズを配置した時の各収差を示す。
【0043】
本発明の実施例3は、図3に示す通りの構成である。つまり、物体側より順に、正の屈折力を有する第1群G1と、負の屈折力を有する第2群G2と、正の屈折力を有する第3群G3と、負の屈折力を有する第4群G4とよりなる。
【0044】
また、第1群G1は、物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとを接合した接合レンズよりなる。第2群G2は負レンズおよび正レンズと負レンズとを接合した接合レンズよりなる。また、第3群G3は、負のメニスカスレンズと正レンズの接合レンズよりなる。更に第4群は負レンズと正レンズとの接合レンズとよりなる。実施例3のアフォーカルズームレンズも低倍端から高倍端に変倍する際、第2群G2が物体から遠ざかるように、また第3群G3が物体に近づくように移動する。また第2群G2、第3群G3は、変倍中移動方向が一定であり、第1群G1と第2群G2の間隔および第3群G3と第4群G4の間隔は、単調に増加する。
【0045】
この実施例3も、第1群G1が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと正レンズとの接合レンズよりなる。そして条件(1)、(2)、(3)、(4)、(5)を満足する。
【0046】
この実施例3の収差状況は、図10(低倍)、図11(中倍)、図12(高倍)に示す通りであり、収差良好に補正されている。
【0047】
これら、図10、11、12も、前記の結像レンズを配置した時のものである。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、ズーム比を10倍以下にしたまま、それらと同等のズーム最高倍率における入射光束径を有し、レンズ枚数が少なく、良好な光学性能をもつアフォーカルズームレンズを実現し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の断面図
【図2】本発明の実施例2の断面図
【図3】本発明の実施例3の断面図
【図4】本発明の実施例1の低倍時の収差曲線図
【図5】本発明の実施例1の中倍時の収差曲線図
【図6】本発明の実施例1の高倍時の収差曲線図
【図7】本発明の実施例2の低倍時の収差曲線図
【図8】本発明の実施例2の中倍時の収差曲線図
【図9】本発明の実施例2の高倍時の収差曲線図
【図10】本発明の実施例3の低倍時の収差曲線図
【図11】本発明の実施例3の中倍時の収差曲線図
【図12】本発明の実施例3の高倍時の収差曲線図
【図13】本発明のアフォーカルズームレンズの概要を示す図
【図14】本発明のアフォーカルズームレンズを用いた顕微鏡の構成を示す図
【図15】本発明のアフォーカルズームレンズに用いる結像レンズの一例を示す図
【符号の説明】
G1 第1群
G2 第2群
G3 第3群
G4 第4群
1 物体
2 対物レンズ
3 アフォーカルズーム
4 結像レンズ
5 像
6 接眼レンズ
Claims (3)
- 物体側より順に、正の屈折力を持つ第1群と、負の屈折力を持つ第2群と、正の屈折力を持つ第3群と、負の屈折力を持つ第4群とにて構成され、前記第1群が物体側に凸面を向けた負のメニスカスレンズと凸レンズとを接合した接合レンズを含み、低倍端から高倍端に変倍する際に、第1群と第4群が固定で、第2群と第3群が両群の間隔が小さくなるように移動し、下記条件(1)、(2)、(3)を満足するアフォーカルズームレンズ。
(1) 2.8>φexl/φenl>2.4
(2) 3>φenh/φexh>2.4
(3) 3.9>f1/φenh>3.3
ただし、φexlは低倍端での像側軸上光束径、φenlは低倍端での物体側軸上光束径、φenhは高倍端での物体側軸上光束径、φexhは高倍端での像側軸上光束径、f1は第1群の焦点距離である。 - 更に下記条件(4)を満足する請求項1のアフォーカルズームレンズ。
(4) 2.8<|f1/f2|<3.5
ただし、f2は第2群の焦点距離である。 - 下記条件(5)を満足する請求項2のアフォーカルズームレンズ。
(5) 1.5>(β2/α2)÷(β3/α3)>1.4
ただし、α2は低倍端での第2群の像リレー倍率、α3は低倍端での第3群の像リレー倍率、β2は高倍端での第2群の像リレー倍率、β3は高倍端での第3群の像リレー倍率である。
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- 2002-10-21 JP JP2002305729A patent/JP2004138963A/ja not_active Withdrawn
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