JP2004135263A - アレイアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アレイアンテナ装置の回路規模と消費電力を小さく抑えると同時に、電力増幅器の非線形歪を補償し高精度なビーム制御を行う。
【解決手段】アレイアンテナにおいて、振幅の重み付けが大きいアンテナの系列の電力増幅器118に振幅位相歪付加部112を設け、振幅の重み付けが小さいアンテナの系列の電力増幅器109に振幅歪付加部105を設けることにより、アンテナ系列毎に必要な量の歪み補償がなされるので、隣接する他のアンテナ系列に悪影響を与えることなく、ビーム制御精度の劣化が抑えられるとともに、装置の小型化が図れ、アレイアンテナ装置全体の電力効率を向上することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線通信システムの通信機に利用され、送信系で発生する非線形歪を補償する非線形歪補償装置を備えたアレイアンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムの送信機に含まれるアンテナ装置として、複数のアンテナを配置することにより、その指向性を制御するアレイアンテナ装置が知られている。
【0003】
このアレイアンテナ装置の使用により、鋭い指向性のビームを任意の方向に形成することが可能であり、同一周波数の繰り返し距離を縮めて周波数利用効率を上げたり、ヌル点を制御し、不要な方向に電波を照射しないようにしたりするといった制御が可能となっている。
【0004】
このアレイアンテナ装置には一般に複数のアンテナを有し、それぞれのアンテナに対して信号を供給する電力増幅器が接続されている。そして、作成されたRF信号をそれぞれの電力増幅器で増幅してアンテナより放射している。しかし、電力増幅器で増幅する際に発生する非線形歪がアレイアンテナ装置のビーム制御精度を劣化させる要因となっている。このため、その対策としてアンテナ一つ一つに接続された全てまたは一部の電力増幅器に対し、歪補償回路を設置するアレイアンテナ装置が提案されている。
【0005】
このアレイアンテナ装置では一部または全てのアンテナの系列に歪補償回路を設け、電力増幅器で発生する非線形歪を補償するような歪をIQ信号に付加することで、ビーム制御精度が良く、かつ、小型で消費電力の小さいアレイアンテナ装置を構成している。
【0006】
図13に一部のアンテナ系列の電力増幅器に対してのみ歪補償装置を有するアレイアンテナ装置を示す。
【0007】
図13において、信号生成部90は送信IQ信号902を出力とする。
【0008】
ビーム方向制御部913はビーム方向制御信号914を出力とする。
【0009】
振幅位相制御部903は、送信IQ信号902と、ビーム方向制御信号914を入力とし、振幅と位相が制御された送信IQ信号904を出力とする。
【0010】
周波数変換部905は振幅と位相が制御された送信IQ信号904を入力とし、RF信号906を出力とする。
【0011】
電力増幅部907はRF信号906を入力とし、増幅されたRF信号908を出力とする。
【0012】
アンテナ909は増幅されたRF信号908を入力とし、アンテナより電波を放射する。
【0013】
歪付加部910は振幅と位相が制御されたIQ信号904を入力とし、歪が付加されたIQ信号911を出力とする。
【0014】
周波数変換部912は歪が付加されたIQ信号911を入力とし、RF信号906を出力とする。
【0015】
さらに、図14に、従来のアレイアンテナ装置における、振幅位相制御部903の構成の一例を示す。
【0016】
信号発生部で生成されたI信号1001とQ信号1002とは振幅の重み付けと位相の回転を行うための重み付け関数XとYとがそれぞれ掛け合わされる。そして、振幅の重み付けと位相の回転の行われたI信号1005と、振幅の重み付けと位相の回転の行われたQ信号1006とに変換される。また、このときに用いられる重み付け関数XとYは、ビーム方向制御信号1003により決定される補正値テーブル1004の値から、読み出される。この補正値テーブル1004は、使用する電力増幅器単体の歪みを事前に測定し、事前に算出した補正値を保存したり、電力増幅器の出力信号をフィードバックして、適切な補正値を算出したりすることにより求められることが知られている。なお、この補正値データ1004中のφは位相角を示す(以後の図面において同じ)。
【0017】
また、図15に、従来のアレイアンテナ装置における、振幅位相歪付加部910の構成の一例を示す。
【0018】
振幅位相制御部903で振幅の重み付けと位相の回転が行われたI信号1201とQ信号1202とは振幅方向と位相方向の歪みを付加するために重み付け係数XとYとがそれぞれ掛け合わされる。そして、振幅歪みと位相歪みが付加されたI信号1204と振幅歪みと位相歪みが付加されたQ信号1205に変換される。また、このときに用いられる振幅方向と位相方向の歪みを付加するために用いる係数XとYは、入力されるI信号1201とQ信号1202との瞬時電力に応じて読み出される補正値テーブル1203の値が用いられる。この補正値テーブル1203は、使用する電力増幅器単体の歪みを事前に測定し、事前に算出した補正値を保存したり、電力増幅器の出力信号をフィードバックして、適切な補正値を算出したりすることにより求められることが知られている。なお、この補正値データ1203中のI+Qは瞬時電力を示す(以後の図面において同じ)。
【0019】
また、従来よりこのアレイアンテナ装置としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがあった。図16は、特許文献1に記載された従来のアレイアンテナ装置の構成を示すものである。
【0020】
図16において、送信ベースバンド信号1501は周波数特性等化部1502に入力され、各アンテナ系列で発生する周波数歪の補償が行われる。周波数特性等化部1502はトランスバーサルフィルタにより構成することが可能である。
周波数特性等化部1502の出力は振幅位相制御部1503においてビーム形成に必要な振幅および位相の制御を受け、振幅位相制御部1503の出力は歪補償特性付加部1504に入力される。歪補償特性付加部1504においては入力信号の振幅値に応じて、電力増幅器1506で発生する非線形歪の逆特性が入力信号に付加される。歪補償特性付加部1504の出力は周波数変換部1505においてRF帯の信号に変換され、周波数変換部1505の出力は電力増幅器1506において必要なレベルにまで増幅される。そして電力増幅器1506からは歪が補償された線形な信号が出力され、アンテナ1507より送信された信号は空間的に合成されて所望の指向性を持ったビームが形成される。また、補償動作制御部1508では送信電力制御信号1509の情報に基づいて、各歪補償特性付加部1504に対して制御を行うことにより所望の送信電力を得る。
【0021】
【特許文献1】
特開2002−190712号公報(第3−4頁、第1図)
【0022】
【発明が解決しようとする問題】
しかしながら、一部のアンテナ系列の電力増幅器に歪補償回路を備えるアレイアンテナ装置においては、歪付加部を設けない系列のアンテナの電力増幅器で発生する歪の影響でビーム制御精度が劣化してしまうといった課題を有していた。
また、歪補償回路を多数もつ場合、デジタル回路の構成が増え、大きな消費電力が必要となるという課題を有していた。
【0023】
特に、QPSK変調の信号などに比べ、ピーク対平均電力比(PMPR)の大きなOFDM変調やCDMA変調の信号などを送信する際は、大きな電力レベルの信号を送信するときと、小さな電力レベルの信号を送信するときとで、複数ある電力増幅器間で発生する非線形歪の差がより大きくなり、ビーム制御精度が劣化していた。
【0024】
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされ、その目的とするところは、非線形歪の補償され送信系での回路構成が小型化され、消費電力効率も向上したアレイアンテナ装置を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記従来の課題を解決する本発明に係るアレイアンテナ装置は、一部の電力増幅器には位相歪と振幅歪の両方を付加する歪付加部を適用し、他の電力増幅器には振幅歪のみ、あるいは位相歪のみを付加する歪付加部を適用する。
【0026】
この構成により、アンテナ系列毎に必要な量の歪み補償がされるので、隣接する他のアンテナ系列に悪影響を与えることなく、ビーム制御精度の劣化が抑えられる。また、振幅と位相の両方の歪み補償が必要なアンテナ系列にのみ回路構成の大きな両方の歪み補償を行う歪み付加部を備えることになるので、装置の小型化が図れ、アレイアンテナ装置全体の電力効率を向上することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係るアレイアンテナ装置は、複数のアンテナ素子と、複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された電力増幅器と、このアンテナ素子および電力増幅器を備える複数のアンテナ系列の少なくともいずれかに位置し、電力増幅器で発生する振幅と位相の非線形歪を補償する振幅位相歪付加部と、振幅位相歪付加部を持つアンテナ系列以外のアンテナ系列の少なくともいずれかに位置し、電力増幅器で発生する、振幅の非線形歪を補償する振幅歪付加部および位相の非線形歪を補償する位相歪付加部のいずれか一方と、指定された方向にビーム制御するために、アンテナ系列毎に送信信号に対して、振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部とを有している。これによって、電力効率の向上および装置の小型化が図れ、ビーム制御精度の劣化を抑制した、精度の高いビームを形成できる。特に、電力増幅器に入力される信号の瞬時電力に応じた位相歪みの変動に比べて、振幅歪みの変動が大きい場合に効果が大きい。
【0028】
また、本発明に係るアレイアンテナ装置は、振幅の重み付け量が所定値と等しくあるいは、大きく設定されたアンテナ系列に、振幅位相歪付加部が接続され、振幅の重み付け量が所定値より小さく設定されたアンテナ系列に、振幅歪付加部および位相歪付加部のいずれか一方が接続されている。これによって、非線形歪みの影響が大きくなる、電力レベルの大きなアンテナ系列は振幅、位相の両方が補償され、影響が小さい電力レベルがあまり大きくない系列には一方のみ補償するので、消費電力や回路規模の点で効率的な歪み補償を行うことができる。これは、アンテナ系列ごとに発生する歪みの大きさにばらつきがある場合に効果が大きい。
【0029】
また、本発明に係るアレイアンテナ装置は、電力増幅器で発生する歪みが所定値と等しいあるいは、大きいアンテナ系列に振幅位相歪付加部が接続され、電力増幅器で発生する歪みが所定値より小さいアンテナ系列に、振幅歪付加部および位相歪付加部のいずれか一方が接続されている。これによって、非線形歪みの大きなアンテナ系列は振幅、位相の両方が補償され、非線形歪みの小さい系列には一方のみ補償するので、消費電力や回路規模の点で効率的な歪み補償を行うことができる。これは、アンテナ系列ごとに接続された電力増幅器の最大出力電力に違いがあるときや、発生する歪みの大きさにばらつきがある場合に特に効果が大きい。
【0030】
本発明に係るアレイアンテナ装置は、複数のアンテナ素子と、複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された電力増幅器と、指定された方向にビーム制御するために、アンテナ素子および電力増幅器を備える複数のアンテナ系列毎に送信信号に対して、振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部と、複数のアンテナ系列に入力される信号の瞬時電力レベルを算出する瞬時電力レベル算出部とを有し、瞬時電力レベル算出部からの指示に基づいて、振幅位相制御部が振幅の重み付け量と位相の回転量とを補正する。これによって、瞬時電力レベルに応じた補正が全て、各アンテナ系列の振幅位相制御部で行われるので、電力効率の向上および装置の小型化が図れ、ビーム制御精度の劣化を抑制した、精度の高いビームを形成できる。特に、アンテナ系列が多い場合により効果が大きい。
【0031】
また、本発明に係る補正は、瞬時電力レベル算出部が瞬時電力レベルと、振幅位相制御部にビーム方向を指示するビーム方向制御信号とにより指定する、前記電力増幅器による非線形歪み補償を含めた補正テーブルに基づいて行っている。
これによって、瞬時電力レベルに応じた非線形歪み補償を、ビーム制御と同時に行うので、回路規模と消費電力の点で効率の向上が図られる。
【0032】
本発明に係るアレイアンテナ装置は、複数のアンテナ素子と、この複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された複数の電力増幅器と、アンテナ素子および電力増幅器を備える複数のアンテナ系列に位置し、電力増幅器で発生する非線形歪を補償する歪付加部と、指定の方向にビーム制御するために、アンテナ系列毎に振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部とを有し、歪み付加部がリコンフィグァラブルデバイス(書き換え可能回路)を用いて構成され、振幅の重み付け量と位相の回転量とから、リコンフィグァラブルデバイスの回路構成を書き換える。これによって、振幅の重み付け量と位相の回転量との設定の度に、アンテナ系列毎の歪み付加部を最適なものに切り換えられるのでビーム制御精度の劣化を抑制して、ビーム制御精度の高いビームを形成できる。特に、アンテナ系列ごとの振幅の重み付け量が時間的に変動する場合などに効果が大きい。
【0033】
また、本発明に係るアレイアンテナ装置は、リコンフィグァラブルデバイスの回路構成の書き換えが、電力増幅器で発生する振幅と位相の非線形歪を補償する振幅位相歪み付加回路の存在するアンテナ系列と、電力増幅器で発生する振幅の非線形歪を補償する振幅歪み付加回路および位相の非線形歪を補償する位相歪付加部のいずれか一方の存在するアンテナ系列との切り替えである。これによって、振幅の重み付け量と位相の回転量との設定の度に、アンテナ系列毎の歪み付加部を振幅位相歪み付加回路などに切り換えられるので、電力効率の向上および装置の小型化が図れ、ビーム制御精度の劣化を抑制して、精度の高いビームを形成できる。
【0034】
また、本発明に係るアレイアンテナ装置は、複数のアンテナ素子が円形アレイアンテナで構成されるものである。これによって、円形アレイアンテナの送信ビームの方向を変えるときに、アンテナ系列ごとの振幅の重み付け量を変更する場合、特に効果が大きい。
【0035】
本発明に係る無線通信機は、本発明に係るアレイアンテナ装置を有している。
これによって、回路規模と消費電力の点で効率のよい、ビーム制御性能に優れた無線通信機を実現することができる。
【0036】
本発明に係るMIMO通信装置は、複数のアンテナ素子と、この複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された複数の電力増幅器と、電力増幅器で発生する振幅と位相の非線形歪を補償する振幅位相歪付加部、振幅の非線形歪を補償する振幅歪付加部、および位相の非線形歪を補償する位相歪付加部のいずれか一つを構成し、アンテナ素子および前記電力増幅器を備える各アンテナ系列にそれぞれ配置するリコンフィグァラブルデバイス(書き換え可能回路)と、指定された方向にビーム制御するために、アンテナ系列毎に送信信号に対して、振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部と、複数のアンテナ素子から送信された信号の伝搬環境が通知される伝搬環境信号を受信する受信アンテナとを有し、この受信アンテナからの受信信号に応じて振幅の重み付け量と位相の回転量とを決定し、振幅の重み付け量と位相の回転量とに応じて、振幅位相歪付加部と、振幅歪付加部および位相歪付加部のいずれか一方とを配置している。これによって、電力効率の向上および装置の小型化が図れ、MIMO通信装置としての通信品質の劣化を抑制して、通信品質の良いMIMO通信装置を実現できる。
【0037】
以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図11を用いて説明する。なお、以降の図面において同一の構成物は同一の符号で示す。
【0038】
(実施の形態1)
図1は本実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成を示している。
【0039】
信号生成部101は送信IQ信号102を生成するものである。ビーム方向制御部115は、直線アレイアンテナ111の合計の放射パターンが所定の形に形成されるよう、それぞれのアンテナ系列に適した振幅の重み付けと、位相の回転量を計算し、振幅位相制御部103へビーム方向制御信号116を出力するものである。振幅位相制御部103は、送信IQ信号102を、ビーム方向制御信号116で指定された方向にビーム制御するために、振幅と位相とを制御し、送信IQ信号104を出力するものである。具体的には、直線アレイアンテナの中央のアンテナ系列にある振幅位相制御部103は、振幅が他の系列よりも最も大きくなるように制御し、位相は0度となるように制御する。中央から端になるに従って、振幅位相制御部103は順次振幅を小さくなるように制御するが、位相は中央よりも順次進んだものとなるように制御する。なお、この振幅、及び位相に加える制御の度合いを重み付けという。
【0040】
振幅歪付加部105は、系列上にある電力増幅部109の有する非線形歪みと、逆特性の振幅歪み特性を有し、入力信号に応じた振幅歪を付加して出力するものである。周波数変換部107、114は入力信号をRF信号108に変換するものである。電力増幅部109は入力信号を、増幅し出力するものである。直線アレイアンテナ111は増幅されたRF信号110を入力とし、アンテナより電波を放射するものである。振幅位相歪付加部112は系列上にある電力増幅部109の有する非線形歪みと、逆特性の振幅歪み特性と位相歪み特性を有し、入力信号に応じた振幅位相歪を付加して出力するものである。
【0041】
ここで、電力増幅部109の有する非線形歪みについて説明する。図2(a)乃至(e)は本実施の形態における、送信系電力増幅器で発生する非線形歪の一例について示している。
【0042】
図2(a)において、送信ベースバンド信号201は周波数変換部107にて、RF周波数帯に周波数変換され、電力増幅器109で所望の電力レベルまで増幅され、アンテナ204より放射される。
【0043】
ここで、電力増幅器109は、消費電力の問題から非線形領域で使用されることが多く、非線形領域の入力電力レベルで信号が入力され増幅が行われた場合、出力信号に歪を生じる。
【0044】
図2(b)、(c)はこの現象を示す図であり、たとえば、電力増幅器109に図2(b)に示すスペクトル205を持つ信号をある入力電力レベルで入力した際、電力増幅器109の出力に図2(c)に示すスペクトル206をもつ信号が現れる。
【0045】
このとき、出力信号のスペクトル206は、入力信号のスペクトル205に比べ、周波数的に帯域が広がっており、C/Nが劣化している。
【0046】
この劣化の要因は、電力増幅器109の非線形歪が一つの原因であり、歪が発生する主な原因は、電力増幅器の2つの特性であることが知られている。
【0047】
その一つは、電力増幅器のAMAM特性であり、その特性の一例を図2(d)に示す。AMAM特性207は電力増幅器に加えた入力信号の電力レベルに応じて、電力増幅器の利得が変動するという特性をもっている。このAMAM歪は振幅歪とも呼ばれ、ベースバンド帯においてデジタル処理で取り除くことも可能であるが、RF周波数帯においてアナログ回路で取り除くことも可能である。本実施の形態では、この電力増幅器109の有するAMAM特性207と逆特性のAMAM特性を備えた歪み付加部を電力増幅器の前段に設け、入力信号にあらかじめ歪みを付加することにより電力増幅器109の歪みを補償する。
【0048】
電力増幅器109で非線形歪が発生するもう一つの要因は、AMPM特性であり、その特性の一例を図2(e)に示す。AMPM特性は、電力増幅器に入力される、電力のレベルに応じて出力信号の位相が変動するという特性をもっている。このAMPM歪は、位相歪とも呼ばれ、ベースバンド帯のデジタル処理で取り除くことは可能であるが、RF周波数帯においてアナログ回路で取り除くには、移相器を高速に動作させる必要がある。このため、AMAM特性を取り除くのに比べ、回路構成がより複雑になる。本実施の形態では、AMAM特性の歪み補償と同様に、この電力増幅器の有するAMPM特性と逆特性のAMPM特性を備えた位相歪付加部を電力増幅器109の前段に設け、入力信号にあらかじめ位相歪みを付加することにより電力増幅器の位相歪みを補償する。
【0049】
そこで、本実施の形態においては、ビーム制御を行うにあたり、振幅位相制御部103の振幅の重み付けの大きいアンテナ系列には振幅位相歪付加部112を設け、他の系列には振幅歪付加部105を設けている。
【0050】
ここで、図5に、デジタル処理で構成される振幅歪付加部411を示す。図5において、振幅補正テーブル503は電力レベル毎の補正値Xが記憶されているものであり、使用する電力増幅器単体の歪みを事前に測定し、事前に算出した補正値を保存したり、電力増幅器の出力信号をフィードバックして、適切な補正値を算出したりすることにより求められることが知られている。
【0051】
次に、このように構成された振幅歪付加部411の動作について説明する。
【0052】
まず、I信号501と、Q信号502に対して入力信号の瞬時電力506を計算する。
【0053】
次に、振幅補正テーブル503から、その電力レベルに応じた適切な補正値Xが読み出される。
【0054】
次に、この補正値XがI信号とQ信号に掛け合わされ、振幅歪みが付加された、I’信号504とQ’信号505とが得られる。
また、振幅位相歪付加部409については、従来例で説明した図15に示したものと同一である。
【0055】
これにより、アレイアンテナ装置は全てのアンテナ系列に振幅位相歪付加部112を設けた場合に比べ、簡易な回路で歪補償を行い、ビーム制御精度を改善している。
【0056】
図1を用いて、本実施の形態のアレイアンテナの動作について以下に説明する。
【0057】
まず、信号生成部101において生成されたIQ信号102は振幅位相制御部103において、所定のビームが得られるよう振幅の重み付けと位相の回転が行われ、振幅歪付加部105へ出力される。なお、送信IQ信号102はたとえばQPSK信号であり、それぞれのアンテナ系列に同じ信号が送信される。
【0058】
次に、振幅の重み付けと位相の回転処理がされたIQ信号104は、振幅歪付加部105において、電力増幅器109で発生する振幅歪を打ち消すような歪が付加され、周波数変換部107へ出力される。
【0059】
次に、振幅歪みが付加されたIQ信号106は、周波数変換部107において直交変調され、所定の周波数に変換される。
【0060】
次に、周波数変換部107で生成されたRF信号108は、電力増幅器109において、所定の電力レベルまで増幅され、アンテナ111より放射される。
【0061】
一方、直線アレイアンテナの中央の系列では、振幅の重み付けと位相の回転処理されたIQ信号116が振幅位相歪付加部112において、電力増幅器109で発生する振幅歪と位相歪を打ち消すような歪が付加され、周波数変換部114へ出力される。
【0062】
次に、振幅歪および位相歪が付加されたIQ信号113は直交変調され、さらに所定の周波数に変換される。
【0063】
次に、周波数変換部114で生成されたRF信号117は、電力増幅器118において、所望の電力レベルまで増幅され、アンテナ111より放射される。
【0064】
このように、振幅の重み付けが大きく設定された振幅位相制御部103の備わるアンテナ系列には、電力増幅器118に平均して入力される電力レベルが大きくなり、他の電力増幅器109に比べ歪みが多く発生する。このため、振幅歪みも位相歪みも補償する振幅位相歪付加部112を設置し、振幅の重み付けが小さく設定されたアンテナ系列には、電力増幅器109に平均して入力される電力レベルが小さく、他の電力増幅器118に比べ歪みが小さいので、振幅歪みのみ補償する振幅歪付加部105を設置する。
【0065】
これはアレイアンテナ装置の有する複数の電力増幅器109の最大出力が等しい場合、これらの電力増幅部で発生する非線形歪は入力レベルが大きいほど大きく、入力電力レベルが小さいほど小さいからである。以上のような構成とすることで、送信系の非線形歪みが補償され、ビーム制御精度が良く、かつ回路規模の小さい、消費電力も少ないアレイアンテナ装置を実現することができる。
【0066】
以下、図3乃至図6に、本実施の形態の電力増幅器のAMAM特性、AMPM特性を測定し、計算機解析により、本実施の形態の有効性について検証を行った結果について説明する。
【0067】
図3は、8アレイの直線アレイアンテナを用いて、所定の方向にビームを向けるときにそれぞれのアレイに割り当てられる電力配分を示す図である。
【0068】
図3において、301は8素子の直線アレイアンテナであり、302はそれぞれのアレイアンテナから出力される平均電力レベルの模式図である。
【0069】
直線状にアンテナが並んでいる直線アレイアンテナをもちいて、振幅位相制御を行ってビーム制御する場合、一般的にビームを向ける方向にかかわらず、中心に位置するアレイほど、平均の電力レベルが大きくなるような振幅の重み付けがなされる。
【0070】
その結果、電力増幅器の最大出力電力が等しい場合、中心のアレイに位置する電力増幅器ほど、発生する歪みが大きくなるといった特徴がある。
続いて、本実施の形態の有効性を確認するための、歪補償回路の配置図を図4に示す。
【0071】
図4(a)は、歪み補償回路を持たないアレイアンテナ装置の構成図である。
【0072】
図4(a)において、信号発生部401は、それぞれのアンテナ系列に生成信号402を出力する。
【0073】
位相調整部403および振幅調整部404は生成信号402を入力し、各アンテナ系列の合計が、所望のビームを形成するように、位相と振幅を調整し、送信信号405を出力する。電力増幅部406は、送信信号405を入力し、増幅された送信信号407を出力する。
【0074】
アンテナ部408は、増幅された送信信号407を入力し、電波を送信する。
図4(b)は、従来の歪み補償回路をもつアレイアンテナ装置の構成図である。
ここで、振幅位相歪付加部409は、位相調整部403および振幅調整部404で生成された送信信号に対し、電力増幅器406で発生する振幅歪みおよび位相歪みを打ち消すような振幅歪みおよび位相歪みを付加するものである。図4(a)に示したアレイアンテナ装置とは、この振幅位相歪付加部409が全アンテナ系列に備えられている点が異なる。
【0075】
図4(c)は、本実施の形態における歪み補償回路を持つアレイアンテナ装置の構成図である。
【0076】
図4(b)に示したアレイアンテナ装置とは、電力配分の大きい中心部のアンテナ系列に対してのみ、振幅位相歪付加部409をもち、ほかの電力配分の小さなアンテナ系列に対しては、振幅歪付加部411を設けている点が異なる。
【0077】
図6にアレイアンテナ装置のビームパターンを示す。601は図4(a)に示した歪み補償のないアレイアンテナ装置のビームパターン、602は図4(b)に示した従来の歪み補償されたアレイアンテナ装置のビームパターン、603は図4(c)に示した本実施の形態のアレイアンテナ装置のビームパターンを計算機シミュレーションによって得たものである。なお、このシミュレーションにおいて、図4(c)のアレイアンテナ装置では振幅の重み付け量が大きい上位2つのアンテナ系列に、振幅位相歪付加部409を接続し、それ以外の系列には振幅歪付加部を接続している。振幅位相歪付加部409と振幅歪付加部411をいくつずつ接続するかの判定は、個数を変えた場合のビームの劣化量をシミュレーションし、その結果から、ビーム劣化量を十分に抑圧するのに必要な数を算出した。このようにして、振幅位相歪付加部409と振幅歪付加部411のどちらを接続するかを判定する振幅の重み付け量の基準値(本発明の所定値に相当する。)を決定することができる。
【0078】
図6において、ビームパターン602は、すべてのアンテナ系列に、振幅歪みと位相歪みが補償されているため、電力増幅器の歪みが除去された場合のビームパターンとなっており、理想特性を示している。また、ビームパターン601は、すべてのアンテナ系列に歪みを補正していないため、それぞれのアンテナ系列で発生する歪みによってビームパターンが劣化していることがわかる。
【0079】
また、本実施の形態に係るアレイアンテナ装置のビームパターン603と、理想特性のビームパターン602とを比較すると、第1サイドローブレベルで比較して、0.5dBの劣化に押さえられていることがわかる。これはアレイアンテナのビーム制御精度において許容される範囲のものである。
【0080】
このことから、図4(c)に示す本実施の形態のアレイアンテナ装置は装置、従来の全アンテナ系列に歪み補償回路を有するアレイアンテナ装置とほぼ同等のビーム制御精度を得られと言える。
【0081】
一方、このときの両者における、デジタル回路の計算量について以下に説明する。
【0082】
図5に示す振幅歪み補償回路における積算の回数は4回である。
【0083】
また、図15に示す振幅位相歪み補償回路における積算の回数は6回である。
【0084】
従って、図4(b)に示す、従来の歪み補償されたアレイアンテナ装置全体の積算回数は、アンテナ系列が8系列あるので48(=6×8)となる。
【0085】
それに対し、図4(c)に示す、本実施の形態のアレイアンテナ装置全体の積算回数は、振幅位相歪付加部が2系統に接続され、振幅歪付加部が6系列に接続しているので、36(=6×2+4×6)となる。
【0086】
このように、本実施の形態のアレイアンテナ装置は、ビーム制御精度をほぼ同等に保ったまま、積算回数を減らすことができ、本実施の形態の有効性を確認することができる。
【0087】
また、本実施の形態のアレイアンテナ装置は、デジタル回路部115の構成が、従来の全アンテナ系列に歪み補償回路を有するアレイアンテナ装置のものよりも減少するため、デジタル回路部115で発生する熱や、電流を小さくすることができ、アレイアンテナ装置の小型化、低消費電力化、低コスト化を実現することが可能となる。
【0088】
なお、本実施の形態では、振幅歪付加部105をデジタル回路で構成する例について説明したが、振幅歪付加部105を、増幅器や、抵抗等で構成したアナログ回路でも実現することができる。このときは、デジタル回路部115で歪み補償を行うのは振幅位相歪付加部112のみで済むため、積算回数を大幅に低減することができる。
【0089】
また、電力増幅部109が、入力電力レベルが大きいアンテナ系列であって、振幅歪みと位相歪みの大きい系列に対して振幅位相歪付加部による補償を行い、振幅歪みよりも位相歪みが問題となるような他のアンテナ系列には、位相歪付加部を設ける構成にすることも可能である。この構成においても、同様の効果が得られる。
【0090】
また、振幅歪付加部または振幅位相歪付加部の配置は周波数変換部と振幅位相制御部の間に設ける構成に限らず、一部または全ての振幅歪付加部や振幅位相歪付加部を周波数変換部と電力増幅器の間または、信号生成部と振幅位相制御部の間に設けることも可能である。この場合には、RF信号の周波数帯域での応答速度を有するアナログ素子を使用する必要がある。
【0091】
また、アレイアンテナに対して、振幅位相歪付加部、振幅歪付加部あるいは位相歪付加部のいずれも設けないアンテナ系列を有する構成にしても、同様の効果がある。これは、入力電力レベルと電力増幅器との関係において、非線形歪みが問題とならないアンテナ系列が存在し得るからであり、その場合には、そのアンテナ系列への歪み付加部の接続を無くすことができる。
【0092】
なお、本実施の形態ではアレイアンテナにおけるアンテナ数が8つの場合について説明したが、アンテナ数には依存せず、2つ以上の構成のアレイアンテナにおいては、同様の効果が得られる。これは、振幅位相歪付加部の接続においても同様であり、接続する個数には依存しない。
【0093】
また、本実施の形態では、複数のアレイの中で、中央の2つのアンテナについて振幅位相歪を付加するものについて説明したが、中央以外のアンテナの系列に重み付けを大きくしている場合などは、その重み付けの大きいアンテナ系列に対して振幅位相歪付加部を設ける構成にすることにより同様の効果が得られる。
【0094】
また、本実施の形態では、8つあるアレイ系列の中央部の振幅重み付けが大きい場合について説明したが、中央部の振幅重み付けが大きくなくても、電力増幅器で発生する歪みが大きい部分に、重点的に歪み補償回路をもうけることで同様の効果が得られる。
【0095】
また、本実施の形態では、直線アレイアンテナについて説明したが、円形アレイアンテナや、それ以外の形状で複数のアンテナ系列を持つアンテナにおいても、同様の効果がある。
【0096】
(実施の形態2)
図7は本実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成を示している。
【0097】
図1に示した実施の形態1の構成とは、瞬時電力算出部713が追加されている点と、振幅位相歪付加部112および振幅歪付加部105が接続されていない点とが異なる。
【0098】
図7において、瞬時電力レベル算出部713は、入力信号の電力レベルを算出し、それに応じた瞬時電力レベル信号714を出力するものである。
【0099】
また、振幅位相制御部703はビーム方向制御信号ばかりでなく、瞬時電力レベル信号に応じて振幅の重み付けと位相の回転を行う点が、実施の形態1の振幅位相制御部103と異なる。図8は本実施の形態における振幅位相制御部の構成を示している。
【0100】
図8において、信号生成部101より入力されたI信号1101とQ信号1102は、乗算器により補正係数XとYをそれぞれ掛け合わされた後それぞれが相互に加算され、振幅と位相が制御されたI信号1105とQ信号1106とに変換される。なお、補正テーブル1104から、瞬時電力レベル信号と、ビーム方向制御信号1103とに応じて補正係数XとYが出力される。この補正テーブル1104はビーム方向制御に必要な振幅の重み付け量と位相の回転量の係数に、瞬時電力レベル信号に応じて電力増幅器で発生する振幅歪みと位相歪みを補償するような補償係数を付加して求めることができる。
【0101】
また、補正テーブル1104は、ビーム方向制御信号1103と入力信号の瞬時電力レベル信号1007の、二つのパラメータに応じて読み出す補正値を変える構成を取る。このような構成を取ることで、アレイアンテナのビーム形成を行うための振幅の重み付けと位相の回転と、瞬時電力に応じて変動する非線形歪みの補正という二つの効果を同時に得ることができる。
【0102】
以上のように構成されたアレイアンテナ装置について、以下に図7および図8を用いて、その動作について説明する。
【0103】
まず、信号生成部101において生成されたIQ信号は振幅位相制御部703と瞬時電力レベル算出部712とに出力される。
【0104】
次に、瞬時電力レベル算出部713に入力したIQ信号から、その瞬時電力レベルが算出され、それぞれのアンテナ系列における振幅位相制御部703に瞬時電力レベル信号714が出力される。
【0105】
また、ビーム方向制御部115からは、アンテナ111の出力する電波が所望のビームを形成するよう、ビーム方向制御信号116が、振幅位相制御部703に出力される。
【0106】
次に、IQ信号102は振幅位相制御部103において、所定のビームが得られるように、瞬時電力レベル信号714とビーム方向制御信号116とに対応して振幅の重み付けと位相の回転が行われ、周波数変換部107に出力される。
【0107】
次に、振幅の重み付けと位相の回転処理がされたIQ信号704は周波数変換部107で直交変調され、さらに所望の周波数に周波数変換される。
【0108】
次に、周波数変換部107で生成されたRF信号706は、電力増幅部109において、所望の電力レベルまで増幅され、アンテナ111より電波として放射される。
【0109】
以上のように、振幅位相制御部703が瞬時電力レベル信号と、ビーム方向制御信号とに応じて、振幅と位相の歪み補償をその重み付け算出と同時に行うので、歪み補償の回路構成が簡易で、かつ精度の良好なビーム制御を行うことができる。
【0110】
なお、本実施の形態では、全てのアンテナの系列に対して振幅の重み付け量と位相の回転量を入力IQ信号の電力レベルに応じて変化させる場合について説明したが、振幅歪みや位相歪みの程度に応じて、一部のアンテナの系列に対してのみ振幅の重み付け量と位相の回転量の両方またはいずれか一方を入力IQ信号の電力レベルに応じて変化させる構成にすることも可能である。
【0111】
また、本実施の形態では、瞬時電力レベル計算部713を一つ持つ構成について説明したが、これに限らず、それぞれのアンテナ系列における振幅位相制御部において瞬時電力レベルを算出する機能を設け、ビーム制御と歪み補償を同時に行うようにすることも可能である。
【0112】
なお、本実施の形態ではアレイアンテナにおけるアンテナ数が8つの場合について説明したが、これに限らず、アンテナ数が2つ以上の構成のアレイアンテナ装置であれば、同様の効果が得られる。
【0113】
(実施の形態3)
図9は、本実施の形態における、円形アレイアンテナ装置の構成を示している。
【0114】
図1に示した実施の形態1の構成とは、書換制御部816が追加され、振幅位相制御部103と振幅位相歪付加部112と振幅歪付加部805とが、回路の書換可能なデバイスであるリコンフィグァラブルデバイス(書き換え可能回路)で構成されている点と、アレイアンテナが円形アレイアンテナである点とが異なる。
【0115】
図9において、振幅位相制御部103、振幅歪付加部105、振幅位相歪付加部112は、デジタル処理部815に含まれる。このデジタル処理部815が回路の書換可能なデバイスであり、そのデバイスを使ったものの一例としてSDR(Software defined  radio)が実用化されつつある。そして、このデジタル処理部815は、外部からの書換制御信号819により、各アンテナ系列毎に振幅位相制御部103と振幅位相歪付加部112、あるいは振幅位相制御部103と振幅歪付加部105の組合せとなるように書き換えが行われる。
【0116】
また、書換制御部816はデジタル処理部815を制御して、振幅位相歪付加部103と、振幅歪付加部105が、適切な位置に配置されるよう書換制御信号819をデジタル処理部815に出力するものである。以上のように構成されたアレイアンテナ装置について、以下にその動作について説明する。
【0117】
まず、ビーム方向制御部115が、8アレイからなる円形アンテナ811の合計の放射パターンが所望の形に形成されるように、それぞれのアンテナに適した振幅の重み付け量と、位相の回転量を決定し、ビーム方向制御信号116を各アンテナ系列の振幅位相制御部103に出力する。これにより、振幅位相制御部103の図11に示した係数X、Yが選択される。
【0118】
また、書換制御部816が書換制御信号819により、振幅位相歪付加部112と振幅歪付加部105とをビーム制御の方向に応じて配置する。
【0119】
次に、信号生成部101において生成された送信信号102は振幅位相制御部103で選択された係数X、Yを用いて振幅の重み付けと、位相の回転が行われ、振幅歪付加部105あるいは振幅位相歪付加部112へ出力される。
【0120】
次に、振幅の重み付けと、位相の回転が行われた送信信号104は振幅歪付加部105で瞬時電力レベルが算出され、電力増幅器109で発生する振幅歪を打ち消すような歪が付加され、周波数変換部107へ出力される。
【0121】
また、振幅位相歪付加部112に入力された送信信号104も同様に瞬時電力レベルが算出され、電力増幅器109で発生する振幅歪と位相歪を打ち消すような歪が付加され、周波数変換部114へ出力される。
【0122】
次に、これらの歪が付加された信号106、113は周波数変換部107で直交変調され、さらに所望の周波数に変換される。
【0123】
次に、周波数変換部107で生成されたRF信号108は電力増幅器109で所望の電力レベルまで増幅され、円形アレイアンテナ811より放射される。
【0124】
以上のように、本実施の形態においては、振幅位相歪付加部112と、振幅歪付加部105との位置をビーム制御の方向に応じて書き換える構成とすることにより、ビーム方向を変更したいときにも容易に適切な歪み補償を行うことが可能になる。また、この構成を取ることで、ビーム方向に応じて、アンテナ系列毎に振幅の重み付けが変化する円形アレイアンテナにおいて、発生する歪みが大きい系列に振幅位相歪付加部を適応的に設けることができるので、デジタル処理部815における、演算量を減らすことができ、小さな処理量で、高度なビーム制御精度を得ることが可能になる。
【0125】
なお、本実施の形態では、回路の再書換可能なデバイスで構成した例を示したが、これに限らず図10に示すような配線の切換機能を有するアレイアンテナ装置でも同様の効果を得ることができる。
【0126】
図10において、振幅位相制御部103と振幅歪付加部105、あるいは振幅位相制御部103と振幅位相歪付加部112との間に第1配線切換部1401を設け、また、振幅歪付加部105あるいは振幅位相歪付加部112と、周波数変換部107との間に第2配線切換部1402を設ける。そして、切換制御部1403が、これらの第1配線切換部1401と、第2配線切換部1402とを制御して、振幅位相歪付加部103と振幅歪付加部805とが、ビーム制御の方向に応じて振幅位相制御部103と周波数変換部107とに接続する。
【0127】
このように、振幅歪付加部105と、振幅位相歪付加部112とを接続するアンテナ系列を切り替えることにより、図9に示した構成のアレイアンテナ装置と同様の効果を得ることができる。
【0128】
なお、本実施の形態では、全てのアンテナ系列に対して、振幅位相歪付加部112もしくは振幅歪付加部105を有する場合について説明したが、振幅歪みや位相歪みの程度に応じて、振幅位相歪付加部112もしくは振幅歪付加部105のどちらも含まないアンテナ系列が存在するようにすることも可能である。
【0129】
また、本実施の形態では円形アレイアンテナにおけるアンテナ数が8つの場合について説明したが、これに限らず、アンテナ数が2つ以上の構成のアレイアンテナ装置であれば、同様の効果が得られる。
【0130】
また、円形アレイアンテナに限らず、直線アレイアンテナや、複数のアンテナ系列を持つアレイアンテナであって、所望のビーム方向を変えることで、それぞれのアンテナ系列に与える適切な電力配分が変わるアンテナについても、同様の効果が得られる。
【0131】
また、本実施の形態では、振幅位相制御部と、振幅位相歪み付加部、振幅歪み付加部が分かれて存在する場合について説明したが、図12に示すように振幅位相制御部と、振幅位相歪み付加部もしくは、振幅歪み付加部を一体にした振幅位相制御部103を、図8に示した構成で実現することも可能である。このときも、同様の効果が得られる。
【0132】
(実施の形態4)
図11は、本実施の形態におけるMIMO通信装置の構成を示している。
【0133】
図11において、伝搬環境情報受信部1318は、受信アンテナ1316で受信された伝搬環境信号1317から、伝搬環境参照信号1319を出力するものである。この伝搬環境信号1317は送信アンテナ1311から送信されるそれぞれの伝搬チャネルの状態を通知するものである。
【0134】
振幅位相重み付け決定部1320は、伝搬環境参照信号1319を基にアンテナ系列毎の振幅の重み付け量と位相の回転量を算出し、振幅位相制御部1303に振幅位相制御信号1321を出力するものである。
【0135】
その他の信号生成部101、振幅位相制御部103、振幅歪付加部105、周波数変換部107、電力増幅器109、アンテナ部1311、振幅位相歪付加部112、および周波数変換部107は実施の形態3のものと同一である。また、振幅位相制御部103、振幅歪付加部105、および振幅位相歪付加部112を有するデジタル処理部815も実施の形態3のものと同一であり、それを制御する書換制御部816も実施の形態3のものと同一である。
【0136】
なお、振幅位相制御部103は、図14に示した従来の振幅位相制御部と同一の構成であり、ビーム方向制御信号1003のかわりに、振幅位相制御信号1321を基に補正値デーブル1004より係数X、Yを選択する。この場合の補正値テーブル1004は使用する電力増幅器単体の歪みを事前に測定し、事前に算出した補正値を保存したり、電力増幅器の出力信号をフィードバックして、適切な補正値を算出したりすることにより求められる。
【0137】
以上のように構成されたアレイアンテナ装置について、以下にその動作について説明する。
【0138】
まず、信号生成部101において生成された送信信号102は振幅位相制御部103で振幅の重み付けと、位相の回転が行われ、振幅歪付加部105へ出力される。
【0139】
次に、振幅の重み付けと、位相の回転処理のされた送信信号104は振幅歪付加部105で信号104の瞬時電力レベルが算出され、入力された信号104に対して電力増幅器109で発生する振幅歪を打ち消すような歪が付加される。また、送信信号104は振幅位相歪付加部112で瞬時電力レベルが算出され、この信号104に対して電力増幅器109で発生する振幅歪と位相歪を打ち消すような歪が付加される。
【0140】
次に、振幅歪が付加された信号106は周波数変換部107で直交変調され、所望の周波数に変換される。
【0141】
また、振幅歪および位相歪が付加された信号113は周波数変換部114で直交変調され、所望の周波数に変換される。
【0142】
次に、周波数変換部107、114で生成されたRF信号108は、電力増幅器109で所望の電力レベルまで増幅され、アンテナ111より放射される。
【0143】
次に、図示されていない受信機が、アンテナ111から送信された信号を受信してその伝搬チャネルの状態を検出する。そして、この受信機は、アンテナ111の送信した信号がどのような状態で受信されているかを通知する信号の含まれた伝搬環境信号1319を、当該MIMO通信装置に送信する。その結果、受信アンテナ1316が受信した伝搬環境信号1319を基に、伝送路情報受信部1318が4本のアンテナ111から送信されるそれぞれの伝搬チャネルの状態を算出する。そして、伝搬環境参照信号1319が伝送路情報受信部1318から出力される。
【0144】
次に、振幅位相重み付け決定部1320が、伝搬環境参照信号1319から、各送信アンテナ111と、送信アンテナ111で送信された信号を受信する受信装置の受信アンテナとからなるそれぞれのチャネルの伝搬環境を推定し、アンテナ系列毎の振幅との重み付け量と位相の回転量を算出し、振幅位相制御信号1321を出力する。
【0145】
次に、書換制御部816が、実施の形態3と同様に、デジタル処理部815を制御して、振幅位相歪付加部112と、振幅歪付加部105とが、アンテナ系列毎の振幅の重み付け量に対して適応的に配置されるように書き換える。
【0146】
以上のように、MIMO通信を4素子のアレイアンテナで行う場合、時間的に変動する通信路の電波環境において、通信品質を向上させるには、それぞれのアンテナ系列から出力すべき電力レベルつまり、振幅の重み付け量を時間的に変化させる必要がある。このとき、振幅位相歪付加部112と、振幅歪付加部105との位置をアンテナ系列の振幅の重み付け量の変化に応じて書き換える構成とすることにより、電波環境の変化に応じて送信出力を変更しても、それに対応した歪み補償回路の構成に変更することができる。これにより、電波環境に対応して非線形歪みの影響を小さく抑えることができるとともに、デジタル処理部815の演算量を減らした、簡易な回路構成にすることができる。
【0147】
なお、本実施の形態では、すべてのアンテナ系列に対して、振幅位相歪付加部もしくは振幅歪付加部を有する場合について説明したが、振幅歪みや位相歪みの程度に応じて、振幅位相歪付加部と振幅歪付加部のどちらも含まないアンテナ系列にすることも可能である。
【0148】
また、本実施の形態ではアンテナ数が4つの場合について説明したが、これに限らず、アンテナ数が2つ以上の構成のMIMO通信装置であれば、同様の効果が得られる。
【0149】
【発明の効果】
本発明により、アレイアンテナ装置は送信系での非線形歪を補償する回路構成を小型化し、電力の消費効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図2】(a)本発明の第1の実施の形態における電力増幅器で発生する非線形歪を説明する回路構成図
(b)本発明の第1の実施の形態における電力増幅器の入力信号のスペクトル特性図
(c)本発明の第1の実施の形態における電力増幅器の出力信号のスペクトル特性図
(d)本発明の第1の実施の形態における電力増幅器のAMAM特性を示す特性図
(e)本発明の第1の実施の形態における電力増幅器のAMPM特性を示す特性図
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるアンテナ系列ごとの電力配分を示す図
【図4】(a)従来の歪み補償なしのアレイアンテナ装置の構成ブロック図
(b)従来の歪み補償ありのアレイアンテナ装置の構成ブロック図
(c)本発明の第1の実施の形態における歪み補償なしのアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図5】本発明の第1の実施の形態における振幅歪み付加部の構成ブロック図
【図6】ビームパターンの計算機解析結果を示す図
【図7】本発明の第2の実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図8】本発明の第2の実施の形態における振幅位相制御部の構成ブロック図
【図9】本発明の第3の実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図10】本発明の第3の実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図11】本発明の第4の実施の形態におけるMIMO通信装置の構成ブロック図
【図12】本発明の第3の実施の形態におけるアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図13】従来のアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【図14】従来の振幅位相制御部の構成ブロック図
【図15】従来の振幅位相歪付加部の構成ブロック図
【図16】従来のアレイアンテナ装置の構成ブロック図
【符号の説明】
101、401、901 信号生成部
102 送信IQ信号
103、703、903、1503 振幅位相制御部
105、411 振幅歪付加部
107、114、905、912 周波数変換部
108 RF信号
109、118、406、907、1506 電力増幅器
111、204、909、1507 アンテナ
112、409 振幅位相歪付加部
115、116、913 ビーム方向制御部
201 送信ベースバンド信号
402 生成信号
403 位相調整部
404 振幅調整部
408 アンテナ部
501、506 I信号
502、507 Q信号
503 振幅補正テーブル
508 振幅位相歪み補正テーブル
713 瞬時電力算出部
811 円形アレイアンテナ
815 デジタル処理部
816 書換制御部
910 歪付加部
1004、1104、1203 補正値テーブル
1316 受信アンテナ
1318 伝搬環境情報受信部
1320 振幅位相重み付け決定部
1401 第1配線切換部
1402 第2配線切換部
1403 切換制御部
1502 周波数特性等化部
1504 歪み補償特性付加部
1505 周波数変換部
1508 補償動作制御部

Claims (10)

  1. 複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された電力増幅器と、
    前記アンテナ素子および前記電力増幅器を備える複数のアンテナ系列の少なくともいずれかに位置し、前記電力増幅器で発生する振幅と位相の非線形歪を補償する振幅位相歪付加部と、
    前記振幅位相歪付加部を持つアンテナ系列以外のアンテナ系列の少なくともいずれかに位置し、前記電力増幅器で発生する、振幅の非線形歪を補償する振幅歪付加部および位相の非線形歪を補償する位相歪付加部のいずれか一方と、
    指定された方向にビーム制御するために、前記アンテナ系列毎に送信信号に対して、振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部と
    を有するアレイアンテナ装置。
  2. 前記振幅の重み付け量が所定値と等しくあるいは、大きく設定されたアンテナ系列に、前記振幅位相歪付加部が接続され、前記振幅の重み付け量が所定値より小さく設定されたアンテナ系列に、前記振幅歪付加部および前記位相歪付加部のいずれか一方が接続されたことを特徴とする請求項1に記載のアレイアンテナ装置。
  3. 前記電力増幅器で発生する歪みが所定値と等しいあるいは、大きいアンテナ系列に前記振幅位相歪付加部が接続され、前記電力増幅器で発生する歪みが所定値より小さいアンテナ系列に、前記振幅歪付加部および前記位相歪付加部のいずれか一方が接続されたことを特徴とする請求項1および2のいずれか一方に記載のアレイアンテナ装置。
  4. 複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された電力増幅器と、
    指定された方向にビーム制御するために、前記アンテナ素子および前記電力増幅器を備える複数のアンテナ系列毎に送信信号に対して、振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部と、
    前記複数のアンテナ系列に入力される信号の瞬時電力レベルを算出する瞬時電力レベル算出部と
    を有し、
    前記瞬時電力レベル算出部からの指示に基づいて、前記振幅位相制御部が前記振幅の重み付け量と前記位相の回転量とを補正するアレイアンテナ装置。
  5. 前記補正は、前記瞬時電力レベル算出部が、前記瞬時電力レベルと、前記振幅位相制御部にビーム方向を指示するビーム方向制御信号とにより指定する、前記電力増幅器による非線形歪み補償を含めた補正テーブルに基づいて行うことを特徴とする請求項4に記載のアレイアンテナ装置。
  6. 複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された複数の電力増幅器と、
    前記アンテナ素子および前記電力増幅器を備える複数のアンテナ系列に位置し、前記電力増幅器で発生する非線形歪を補償する歪付加部と、
    指定の方向にビーム制御するために、前記アンテナ系列毎に振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部とを有し、
    前記歪み付加部がリコンフィグァラブルデバイス(書き換え可能回路)を用いて構成され、前記振幅の重み付け量と前記位相の回転量とから、前記リコンフィグァラブルデバイスの回路構成を書き換えることを特徴としたアレイアンテナ装置。
  7. 前記リコンフィグァラブルデバイスの回路構成の書き換えは、前記電力増幅器で発生する振幅と位相の非線形歪を補償する振幅位相歪み付加回路の存在するアンテナ系列と、前記電力増幅器で発生する振幅の非線形歪を補償する振幅歪み付加回路および位相の非線形歪を補償する位相歪付加部のいずれか一方の存在するアンテナ系列との切り替えであることを特徴とする請求項6に記載のアレイアンテナ装置。
  8. 前記複数のアンテナ素子が円形アレイアンテナを構成することを特徴とする請求項6および7のいずれか一方に記載のアレイアンテナ装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載のアレイアンテナ装置を有する無線通信機。
  10. 複数のアンテナ素子と、
    前記複数のアンテナ素子のそれぞれに接続された複数の電力増幅器と、
    前記電力増幅器で発生する振幅と位相の非線形歪を補償する振幅位相歪付加部、振幅の非線形歪を補償する振幅歪付加部、および位相の非線形歪を補償する位相歪付加部のいずれか一つを構成し、前記アンテナ素子および前記電力増幅器を備える各アンテナ系列に、それぞれ配置するリコンフィグァラブルデバイス(書き換え可能回路)と、
    指定された方向にビーム制御するために、前記アンテナ系列毎に送信信号に対して、振幅の重み付け量と位相の回転量とを制御する振幅位相制御部と、
    前記複数のアンテナ素子から送信された信号の伝搬環境が通知される伝搬環境信号を受信する受信アンテナとを有し、
    前記受信アンテナからの受信信号に応じて前記振幅の重み付け量と位相の回転量とを決定し、前記振幅の重み付け量と前記位相の回転量とに応じて、前記振幅位相歪付加部と、前記振幅歪付加部および前記位相歪付加部のいずれか一方とを配置することを特徴とするMIMO通信装置。
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