JP2004133703A - ポインティングデバイス及び携帯型情報機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄型の磁電変換素子型ポインティングデバイスにおいて、操作部の弾性部材の損傷や劣化を極力回避し、製造コストを有意に削減する。
【解決手段】ポインティングデバイス10は、水平方向変位可能に基部12上に支持される操作部14と、操作部14に設置される磁石16と、磁石16の近傍で基部12に設置される複数の磁電変換素子18とを備える。操作部14は、操作部14を変位原点位置に復帰させる弾性部材22と、操作面24を有する触接操作部材26と、弾性部材22の内部に担持される保持部材28とを備える。触接操作部材26は、その複数の連結要素54が、弾性部材22の第1連結部分50の受容孔56を貫通して、保持部材28の対応の嵌合要素60に摩擦嵌合することにより、保持部材28に連結される。この状態で、弾性部材22の第1連結部分50は、触接操作部材26と保持部材28との間に固定的に挟持される。
【選択図】 図1
【解決手段】ポインティングデバイス10は、水平方向変位可能に基部12上に支持される操作部14と、操作部14に設置される磁石16と、磁石16の近傍で基部12に設置される複数の磁電変換素子18とを備える。操作部14は、操作部14を変位原点位置に復帰させる弾性部材22と、操作面24を有する触接操作部材26と、弾性部材22の内部に担持される保持部材28とを備える。触接操作部材26は、その複数の連結要素54が、弾性部材22の第1連結部分50の受容孔56を貫通して、保持部材28の対応の嵌合要素60に摩擦嵌合することにより、保持部材28に連結される。この状態で、弾性部材22の第1連結部分50は、触接操作部材26と保持部材28との間に固定的に挟持される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ処理装置に組み込まれるポインティングデバイスに関する。さらに本発明は、ポインティングデバイスを搭載した携帯型情報機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の、ディスプレイ及びキーボードを備えたデジタルデータ処理装置において、オペレータの手操作によるアナログ的な情報(例えば指先の動作方向や動作距離)の入力により、ディスプレイ上のカーソル移動データ等の座標データを指示する補助入力装置としてのポインティングデバイスを備えたものは周知である。
【0003】
この種のポインティングデバイスとして、基部と、基部上の支点に揺動自在に支持される操作部と、基部に設置される磁電変換素子と、磁電変換素子に近接して操作部に設置される磁石とを具備するものが知られている(例えば特許文献1参照)。このポインティングデバイスでは、オペレータが操作部を基部上で任意の方向へ揺動操作することにより、磁石と磁電変換素子との相対的位置関係を変化させて磁電変換素子の出力電圧を変動させ、以って操作部の揺動方向及び揺動角度に対応したアナログ情報を入力することができる。
【特許文献1】
特開平8−339258号公報
【0004】
また、上記した揺動構造に代えて、基部に設けた曲面部分に沿って操作部を移動可能に配置したポインティングデバイスが知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2には、基部と操作部との間にスイッチ機構を装備し、オペレータが操作部を基部に向けて押し込むことによりスイッチ機構を作動させる構成も開示されている。この構成によれば、アナログ情報の入力に加えて、操作部を押下操作することにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連してクリック操作を実施することができる。
【特許文献2】
特公平7−117875号公報
【0005】
さらに、携帯可能な小型データ処理装置に好適に搭載できる薄型のポインティングデバイスとして、基部に対して操作部を水平方向へ移動させる構成を有するものも知られている(例えば特許文献3参照)。特許文献3には、内蔵する光センサにより、操作部の水平移動方向及び移動距離を検出する構成が開示されている。このポインティングデバイスでは、操作部を水平移動動作の原点位置に復帰させる弾性力を確保すべく、操作部を囲繞するように環状の弾性部材(ゴム)が配設されている。また、オペレータが操作部を変位操作する際に指先を触接させる触接操作部材が、弾性部材に連結して設けられている。
【特許文献3】
特開2001−154796号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、磁電変換素子型のポインティングデバイスは、座標データ入力に必要な操作部の移動量が少なく、かつ消費電力が比較的低いことから、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の携帯型情報機器に、とりわけ有利に搭載できると考えられる。しかし、前述した特許文献1又は2に開示される従来の磁電変換素子型のポインティングデバイスにおいては、操作部を基部上で揺動又は曲面移動させる構成を採用しているので、磁石と磁電変換素子との間に操作部の揺動又は曲面移動を許容する間隔を確保する必要があり、結果としてポインティングデバイスの外形(特に高さ方向)寸法を、携帯型情報機器への搭載を実現可能とする程度に削減することが困難になっていた。
【0007】
これに対し、前述した特許文献3に開示されるポインティングデバイスは、基部に対して操作部を水平方向へ移動させる構成を採用したので、光センサ型のポインティングデバイスであってもある程度の薄型化が可能となっている。したがて、このような操作部の水平移動構造を、上記した磁電変換素子型のポインティングデバイスに採用すれば、携帯型情報機器に好適に搭載可能な薄型のポインティングデバイスを提供できると考えられる。
【0008】
ここで、特許文献3に開示されるポインティングデバイスでは、操作性を向上させるために、操作部を水平移動動作の原点位置に復帰させる環状の弾性部材が使用されている。この弾性部材は、オレフィン系ゴム等のエラストマーから形成されるものであるが、ポインティングデバイス自体の薄型化に伴い、オペレータの指や他の物体が弾性部材に接触する機会が増加し、素材の特性により弾性部材の損傷や劣化が生じ易くなることが懸念される。特に、携帯型情報機器にポインティングデバイスを搭載する場合には、情報機器の筐体に設けたポインティングデバイス操作用の開口部を介して、異物が弾性部材に容易に触れることができるような状況を極力回避することが要求される。この場合、開口部の面積を縮小してしまうと、ポインティングデバイスの操作性が損なわれる危惧がある。
【0009】
また、操作時にオペレータが指先を触接させるために設けられる触接操作部材は、特許文献3の構成では二色成形法によって弾性部材に一体的に成形されるようになっているが、ポインティングデバイスの製造コストを削減するためには、別部材として成形した触接操作部材と弾性部材とを互いに組み合わせることが有利である。この場合、触接操作部材と弾性部材とを相互固定するために、通常は接着剤を使用することになるが、特に弾性部材のゴム素材の特性に起因して、この接着剤の選択自由度が低く、そのことが製造コスト削減の隘路となる危惧がある。また、接着剤の選択を誤った場合などは、使用中に触接操作部材が弾性部材から剥落してしまう懸念もある。
【0010】
したがって本発明の目的は、磁電変換素子型のポインティングデバイスにおいて、携帯型情報機器へ好適に搭載できる薄型構造を有しながらも、操作部に設置した弾性部材の損傷や劣化を極力回避でき、しかも製造コストを有意に削減できるポインティングデバイスを提供することにある。
本発明の他の目的は、磁電変換素子型のポインティングデバイスを搭載した携帯型情報機器において、ポインティングデバイスの操作性を損なうことなくその操作部に設けた弾性部材の寿命を向上させることができる携帯型情報機器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基部と、基部に対して水平方向へ変位可能に基部上に支持される操作部と、操作部に設置される第1磁気作用要素と、第1磁気作用要素の近傍で基部に設置される第2磁気作用要素とを具備し、操作部の水平変位に対応して第1磁気作用要素と第2磁気作用要素との協働下で磁界変化に基づく信号を出力するポインティングデバイスにおいて、操作部は、基部上での水平方向への変位に伴い操作部を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材と、弾性部材に取り付けられ、操作部を変位操作するための操作面を有する触接操作部材とを備え、弾性部材は、第1磁気作用要素及び第1磁気作用要素の関連部材を含む内部構造と、触接操作部材との間に挟持され、触接操作部材は、弾性部材を通過して延びる連結要素を介して、内部構造に連結されること、を特徴とするポインティングデバイスを提供する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポインティングデバイスにおいて、内部構造が、第1磁気作用要素を固定的に保持して基部上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材を備え、保持部材が連結要素を介して触接操作部材に連結されるポインティングデバイスを提供する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポインティングデバイスにおいて、連結要素が、触接操作部材から一体的に延設されて弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、嵌合部分が内部構造に摩擦嵌合するポインティングデバイスを提供する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポインティングデバイスにおいて、連結要素が、内部構造から一体的に延設されて弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、嵌合部分が触接操作部材に摩擦嵌合するポインティングデバイスを提供する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のポインティングデバイスにおいて、嵌合部分に接着剤が供給されているポインティングデバイスを提供する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、基部が、第2磁気作用要素に電気的に接続される回路基板と、内部構造を水平方向へ摺動自在に支持する略平坦な支持面を有して回路基板に載置される支持部材とを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、回路基板と支持部材との間に形成される空所の内部で回路基板に実装され、操作部を支持部材に押し付ける方向へ操作することにより作動するスイッチ機構をさらに具備するポインティングデバイスを提供する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のポインティングデバイスにおいて、支持部材を載置する側の反対側で、第2磁気作用要素が回路基板に実装されるポインティングデバイスを提供する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、第1磁気作用要素が磁石であり、第2磁気作用要素が磁電変換素子であるポインティングデバイスを提供する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、触接操作部材は、操作面を有するとともに内部構造と協働して弾性部材を挟持する主操作部分と、主操作部分から外方へ張り出して弾性部材の外部に延設される延長部分とを備えるポインティングデバイスを提供する。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のポインティングデバイスにおいて、触接操作部材の主操作部分と延長部分とが、互いに独立した別体の部材からなるポインティングデバイスを提供する。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載のポインティングデバイスにおいて、弾性部材は、内部構造を実質的全周に渡って囲繞する中空筒状の主弾性部分と、主弾性部分の一端で内部構造に連結される第1連結部分と、主弾性部分の他端で基部に連結される第2連結部分とを一体に有し、基部は、弾性部材の第2連結部分を包囲する環状壁と主弾性部分及び第1連結部分を水平移動可能に挿通させる中心開口とを有するカバー部材を備え、触接操作部材の延長部分は、カバー部材の中心開口よりも小さい外形を有するポインティングデバイスを提供する。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項9又は10に記載のポインティングデバイスにおいて、弾性部材は、内部構造を実質的全周に渡って囲繞する中空筒状の主弾性部分と、主弾性部分の一端で内部構造に連結される第1連結部分と、主弾性部分の他端で基部に連結される第2連結部分とを一体に有し、基部は、弾性部材の第2連結部分を包囲する環状壁と主弾性部分及び第1連結部分を水平移動可能に挿通させる中心開口とを有するカバー部材を備え、触接操作部材の延長部分は、カバー部材の中心開口よりも大きい外形を有するポインティングデバイスを提供する。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のポインティングデバイスにおいて、基部は、第2磁気作用要素に電気的に接続される回路基板と、回路基板に載置され、カバー部材と協働して弾性部材の第2連結部分を挟持する第1の支持部材と、第1の支持部材に隣接して回路基板に載置され、内部構造を水平方向へ摺動自在に支持する略平坦な支持面を有する第2の支持部材とを備えるポインティングデバイスを提供する。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項9〜13のいずれか1項に記載のポインティングデバイスを筐体に内蔵した携帯型情報機器であって、筐体は、ポインティングデバイスの触接操作部材の操作面を外部に露出させる開口部を有し、触接操作部材の延長部分は、筐体の開口部よりも大きい外形を有することを特徴とする携帯型情報機器を提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は本発明の第1の実施形態によるポインティングデバイス10の分解斜視図、図2はポインティングデバイス10の組立斜視図、図3はポインティングデバイス10の組立断面図である。ポインティングデバイス10は、パーソナルコンピュータ、パーソナルワードプロセッサ等のデータ処理装置や、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の携帯型情報機器において、ディスプレイ上の二次元座標データを指示する補助入力装置として機器筐体に一体的に組み込んだ構成で使用できるものである。
【0026】
ポインティングデバイス10は、基部12と、基部12に対して任意の水平方向へ変位可能に基部12上に支持される操作部14と、操作部14に設置される第1磁気作用要素である円板状の磁石(例えば永久磁石)16と、磁石16の近傍で基部12に設置される第2磁気作用要素である複数(図では4個)の磁電変換素子(例えばホール素子)18と、基部12と操作部14との間に配置されるスイッチ機構20とを備える。後述するようにポインティングデバイス10は、操作部14の水平変位に対応して、磁石16と複数の磁電変換素子18との協働下で磁界変化に基づく信号を出力する。
【0027】
操作部14は、基部12上での水平方向への変位に伴い、操作部14を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材22と、弾性部材22に取り付けられ、操作部14を変位操作するための操作面24を有する触接操作部材26と、触接操作部材26とは反対側で弾性部材22に連結され、磁石16を固定的に保持して基部12上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材28とを備える。操作部14のさらなる特徴的構成は、後に詳述する。
【0028】
基部12は、図示しないCPU等の電子部品が実装される回路基板30と、回路基板30に固定的に連結される支持部材32と、支持部材32の外周領域32aを実質的に遮蔽して支持部材32に固定的に連結されるカバー部材34とを備える。回路基板30には、支持部材32を載置する表面30aの反対側(すなわち裏面30b)に、計4個の磁電変換素子18が、ポインティングデバイス10の中心軸線Pを中心とした等間隔分散配置で実装される。このような磁電変換素子18の配置構成により、ポインティングデバイス10は二次元座標系におけるアナログデータ信号を出力できるようになっている。
【0029】
支持部材32は、平面視で略八角形の板状部材であり、その中央の略円形の凹状領域に、操作部14の保持部材28を任意の水平方向へ摺動自在に支持する複数(図では4個)の弾性梁部分36を備える。それら弾性梁部分36は、ポインティングデバイス10の中心軸線Pを中心として放射状に配置され、それらの径方向外端で支持部材32の外周領域32aに一体的に連結される。各弾性梁部分36は、回路基板30の表面30aから離隔して配置され、外周領域32aとの一体的連結部位を支点に、互いに独立して弾性的に変位できるようになっている。また、それら弾性梁部分36には、回路基板30から離れた側に、無負荷状態で回路基板30の表面30aに実質的平行に広がる平坦な支持面36aがそれぞれ形成される。それら支持面36aは互いに協働して、回路基板30の表面30aから突出した位置で、保持部材28を任意の水平方向へ摺動自在に支持する。
【0030】
支持部材32にはさらに、隣り合う弾性梁部分36の間にそれぞれ扇形に広がる取付部分38が形成される。各取付部分38は、その径方向外端で支持部材32の外周領域32aに一体的に連結される。また、それら取付部分38の径方向内縁には、各弾性梁部分36の支持面36aを囲繞するようにして、操作部14の保持部材28の水平移動範囲を規定する円弧壁38aが突設される。それら円弧壁38aは、中心軸線Pを中心とする同一円周上に配置され、したがって中心軸線Pが、複数の支持面36a上での保持部材28の水平移動範囲の原点位置を規定する。なお、各弾性梁部分36には、その支持面36aに隣接して、各取付部分38の円弧壁38aと同一の円周上に配置される補助円弧壁36bが突設される。
【0031】
支持部材32の互いに対向するいずれか一対の取付部分38には、円弧壁38aとは反対側の裏面に、図示しない位置決めピンが突設される。支持部材32は、それら位置決めピンを、回路基板30の対応位置に設けられた穴(図示せず)に嵌入することにより、回路基板30上の所定位置に固定的に組み付けられる。なお、支持部材32を回路基板30に強固に固定するために、接着剤を補助的に用いることもできる。また、支持部材32は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0032】
カバー部材34は、支持部材32に対応する平面視略八画形状を有する薄板状部材であり、環状壁40と、環状壁40の中央領域に形成され、後述する操作部14の主要操作部分を水平移動可能に挿通させる略円形の中心開口42とを有する。カバー部材34の環状壁40の外縁には、対向四辺に沿ってそれぞれ延長片44が環状壁40に略直交する方向へ延設され、各延長片44に、板厚方向へ貫通する取付孔44aが形成される。カバー部材34は、支持部材32の対向四辺に沿って側方へ突設された複数の爪46を、それら延長片44の対応の取付孔44aに、各延長片44の弾性変形を利用してスナップ式に嵌着することにより、支持部材32に固定的に組み付けられる。カバー部材34は、後述するように、中心開口42を通して操作部14の主要操作部分を外方に突出させた状態で、操作部14を基部12から脱落しないように保持する。なお、カバー部材34は、所望の板金材料から一体的に作製できる。
【0033】
操作部14の弾性部材22、触接操作部材26及び保持部材28は、それぞれに独立した部材として所望材料から個別に作製され、互いに固定的に組み合わされる。弾性部材22は、平面視略円形の椀状部材からなり、保持部材28の周囲に隙間を介して延長される主弾性部分48と、主弾性部分48の一端で保持部材28に連結される第1連結部分50と、主弾性部分48の他端で基部12に連結される第2連結部分52とを一体に有する。弾性部材22の主弾性部分48は、保持部材28を実質的全周に渡って囲繞するとともに、無負荷状態で保持部材28に対して同軸に配置される円錐台状又はドーム状の輪郭形状を有し、操作部14を基部12上で水平変位操作する間に比較的容易に弾性変形する。したがって弾性部材22は、その主弾性部分48が、基部12上での保持部材28の水平移動に伴い弾性変形し、その変形量に対応して、保持部材28を水平移動範囲の原点位置に復帰させる弾性力を、保持部材28の水平移動方向に関わらず一様に発揮する。
【0034】
弾性部材22の第1連結部分50は、円錐台状輪郭の主弾性部分48の小径端から軸線方向へ皿状に突出して一体に延長され、その内側に形成される窪みに、保持部材28が固定的に受容される。弾性部材22の第2連結部分52は、円錐台状輪郭の主弾性部分48の大径端から径方向及び軸線方向へフランジ状に突出して一体に延長され、その肉厚部分で、基部12を構成する支持部材32の複数の取付部分38とカバー部材34の環状壁40との間に固定的に掛止して挟持される。第1及び第2連結部分50、52は、基部12上で保持部材28が水平移動する間に実質的に変形することなく、弾性部材22を保持部材28及び基部12にそれぞれ固定的に連結する。
【0035】
なお弾性部材22は、合成ゴム、天然ゴム等の種々の弾性材料から一体的に作製できる。特に、ポインティングデバイス10を搭載対象機器の主回路基板に実装する際にリフロー工程を実施することを考慮すれば、シリコンゴム等の、高温下でも性質が劣化し難い材料から形成することが有利である。
【0036】
触接操作部材26は、平面視略円形の皿状部材であり、操作面24の反対側の裏面26aで、弾性部材22の第1連結部分50に密接する。触接操作部材26の裏面26aには、図4に示すように、複数(図では4個)の連結要素54が所定の離間配置で一体的に形成される。各連結要素54は、触接操作部材26の裏面26aに略直立状に立設される一対の嵌合部分54aを有し、両嵌合部分54aの間に、連結対象物を摩擦下で嵌合保持できるようになっている。他方、弾性部材22には、第1連結部分50を貫通する複数(図では4個)の受容孔56が、それら連結要素54に対応する位置に形成される。各連結要素54は、第1連結部分50の対応の受容孔56に挿通され、第1連結部分50を通過してその内側に延出する。なお、触接操作部材26は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0037】
保持部材28は、操作部14を基部12上で水平変位操作する間に実質的に変形しない程度の剛性を有する中空円筒状部材からなり、その円筒状周壁58の内側に、磁石16を収容する段付きの空洞部58aが形成される。磁石16は、例えば接着剤を用いたり圧入したりすることにより、保持部材28の空洞部58a(図では下方の小径部分)に固定できる。保持部材28は、周壁58の軸線方向一端面(図で下端面)を、基部12を構成する支持部材32の複数の支持面36aに一様に当接した状態で、支持面36a上で360°全方位へ摺動しつつ平行移動できる。
【0038】
保持部材28の周壁58には、その外周面から径方向外方へ突出する複数(図では4個)の嵌合要素60が、触接操作部材26の複数の連結要素54に対応する周方向所定位置に形成される。それら嵌合要素60は、弾性部材22の第1連結部分50の内側で、触接操作部材26の対応の連結要素54に嵌合する。このとき、各嵌合要素60は、各連結要素54の両嵌合部分54aの間に好ましくは締まり嵌め状態で嵌入され、摩擦下で嵌合保持される(図5参照)。なお、保持部材32は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0039】
保持部材28には、磁石16と弾性部材22との間に介在するヨーク62が取り付けられる。ヨーク62は、略円板状部材であり、保持部材28に収容された磁石16を一面(図で上面)から遮蔽して保持部材28に取り付けられる。ヨーク62は、例えば接着剤を用いたり圧入したりすることにより、保持部材28の空洞部58a(図では上方の大径部分)に固定できる。ヨーク62は所望の磁性金属材料からなり、磁石16と複数の磁電変換素子18との間で磁路を積極的に閉じることにより、弾性部材22及び触接操作部材26を通した外部への磁気漏洩を防止するように作用する。
【0040】
磁石16並びに磁石16の関連部材である保持部材28及びヨーク62は、弾性部材22に担持される内部構造を構成する。ポインティングデバイス10では、上記したように、触接操作部材26に設けた複数の連結要素54が、弾性部材22の第1連結部分50を貫通してその内側に延びて、保持部材28に設けた対応の嵌合要素60に摩擦嵌合することにより、それら内部構造16、28、62と触接操作部材26とが相互に連結されている。この状態で、弾性部材22はその第1連結部分50にて、内部構造16、28、62と触接操作部材26との間に固定的に挟持される。このように、ポインティングデバイス10では、弾性部材22と触接操作部材26及び保持部材28との間に接着剤を用いることなく、それら部材22、26、28を相互に固定的に連結することができる。なお、触接操作部材26と保持部材28とは、例えば相互嵌合する連結要素54と嵌合要素60との間に適当な接着剤を供給することにより、さらに強固に相互連結することができる。
【0041】
回路基板30の表面30aには、回路基板30と支持部材32の複数の弾性梁部分36との間に形成される空所の内部に、クリック機能を付加するためのスイッチ機構20が実装される。スイッチ機構20は、可動接点と固定接点とを有する周知の開閉構造を備え、それら両接点がポインティングデバイス10の中心軸線Pから僅かにずれた位置に配置される。すなわち、スイッチ機構20の可動接点は、支持部材32のいずれか1つの弾性梁部分36の自由端領域の直下に位置決めされる。なお、スイッチ機構20の構成は任意であり、可動接点がばねに担持されるメカニカルスイッチや、一対のフレキシブル回路基板を有するメンブレンスイッチ等、様々なものを採用できる。また、スイッチ機構20の外形寸法によっては、複数の磁電変換素子18を、回路基板30と複数の弾性梁部分36との間の空所内に設置することもできる。
【0042】
上記した各種構成部品を有するポインティングデバイス10は、以下のようにして容易に組み立てることができる。まず、磁石16及びヨーク62を内蔵した操作部14を前述したように一体的に組み合わせる。次にこの操作部組立体を、支持部材32の複数の支持面36a上に載せ、その上にカバー部材34を被せて支持部材32に組み付けることにより、これら部品を一体化する。そして、この一体化した半完成品を、複数の磁電変換素子18を実装した回路基板30の所定位置に固定的に載置することにより、ポインティングデバイス10が完成する。この完成状態で、操作部14は、弾性部材22の主弾性部分48及び第1連結部分50並びに触接操作部材26を、基部12のカバー部材34の中心開口42に水平移動可能に挿通配置するとともに、触接操作部材26を、基部12のカバー部材34の環状壁40から外方に突出した位置に配置する。したがってオペレータは、触接操作部材26に設けられた操作面24を、例えば指先で操作して、保持部材28を基部12上で水平移動させることができる。
【0043】
操作部14の弾性部材22が図3に示す平衡状態にあるときには、保持部材28及びその周壁58に保持される磁石16の中心軸線は、ポインティングデバイス10の中心軸線Pに合致する。この状態で保持部材28は、基部12の支持部材32上で水平移動範囲の原点位置に位置決めされ、回路基板30上の4個の磁電変換素子18が磁石16から等距離の位置に配置される。この状態から、オペレータが操作面24に指先を当接して保持部材28を任意の水平方向へ平行移動させると、弾性部材22の主弾性部分48が、保持部材28の移動方向及び移動距離に対応して、全周に渡り異なる形態の弾性変形を生じる。それにより弾性部材22は、主弾性部分48の全体で合力としての弾性力を発揮し、保持部材28をその移動方向と反対の方向に付勢する。したがってオペレータは、弾性部材22の主弾性部分48が生ずるばね付勢力に抗して、操作部14を水平変位操作することになる。
【0044】
操作部14を図3の原点位置から水平変位操作すると、磁石16と各磁電変換素子18との相対的位置関係が変化し、各磁電変換素子18の出力電圧が変動する。各磁電変換素子18の出力電圧の変動は、回路基板30上の図示しないCPUでアナログ情報として処理されてデジタル座標データに変換され、回路基板30に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。このようにして、操作部14の保持部材28の移動方向及び移動距離に対応して、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のカーソルやポインタを所望方向に所望距離だけ移動することができる。
【0045】
また、このデータ入力位置から、オペレータが操作部14から指を離して操作力を解除すると、弾性部材22の主弾性部分48が生じているばね付勢力により、直ちに保持部材28が磁石16と一体的に原点位置に向けて移動し、弾性部材22の主弾性部分48が平衡状態に到達した時点で原点位置に復帰する。なお、保持部材28が原点位置に復帰する間に、磁石16の迅速な移動に伴って生じる各磁電変換素子18の出力電圧の急激な変動は、例えばCPUにおける処理フローでキャンセルしてデジタル座標データに変換しないように構成することができる。
【0046】
さらに、図3に示す原点位置において、オペレータが操作部14の操作面24を例えば指先で押下して、保持部材28の周壁58の下端面を複数の弾性梁部分36に押し付けることにより、それら弾性梁部分36を弾性的に撓ませるとともに、1つの弾性梁部分36の下方に位置するスイッチ機構20を閉成させることができる。スイッチ機構20の閉成信号は、回路基板30に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。それにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連してクリック操作を実施することができる。
【0047】
上記構成を有するポインティングデバイス10によれば、基部12の支持部材32に設けた平坦な支持面36a上で、操作部14の保持部材28を水平方向へ移動させる構成としたから、操作部を基部上で揺動又は曲面移動させる従来の構成に比べて、基部12の外形(特に高さ方向)寸法を削減することができる。また、操作部14の操作性を向上させる弾性部材22を、操作時にオペレータが指先を触接させる触接操作部材26とは別部品として構成し、弾性部材22の第1連結部分50を、弾性部材22の内部構造と触接操作部材26との間に挟持する構成としたから、コスト的に有利な簡易な組立構造が実現される。
【0048】
この組立構造において、触接操作部材26は、カバー部材34から外部に露出する弾性部材22の中央に位置する第1連結部分50を被覆するので、弾性部材22の損傷や劣化を効果的に低減することができる。しかも、触接操作部材26がそれ自体に設けた連結要素54によって、弾性部材22の内側の保持部材28に連結される構成としたから、シリコンゴム等から作製される弾性部材22に対して、適正選択が困難な接着剤を敢えて使用する必要は無くなる。触接操作部材26と保持部材28との連結強度は、例えば連結要素54と嵌合要素60との締まり嵌め度合を調節したり、それらの間に適当な接着剤(樹脂材料同士であるから一般に選択容易)を使用したりすることにより、構造的に容易に高めることができる。したがってポインティングデバイス10では、各種構成部品に最適素材を使用しながら、製造コストを有意に削減することが可能になる。このように、ポインティングデバイス10によれば、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の携帯型情報機器へ好適に搭載できる薄型構造を有しながらも、操作部14に設置した弾性部材22の損傷や劣化を極力回避でき、しかも製造コストを有意に削減できるようになる。
【0049】
図6〜図8は、本発明の第2の実施形態によるポインティングデバイス70を示す。ポインティングデバイス70は、操作部の触接操作部材の構成以外は、前述した第1実施形態によるポインティングデバイス10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0050】
ポインティングデバイス70は、基部12と、基部12に対して任意の水平方向へ変位可能に基部12上に支持される操作部72と、操作部72に設置される第1磁気作用要素である円板状の磁石(例えば永久磁石)16と、磁石16の近傍で基部12に設置される第2磁気作用要素である複数(図では4個)の磁電変換素子(例えばホール素子)18と、基部12と操作部72との間に配置されるスイッチ機構20とを備える。ポインティングデバイス70は、操作部72の水平変位に対応して、磁石16と複数の磁電変換素子18との協働下で磁界変化に基づく信号を出力する。
【0051】
操作部72は、基部12上での水平方向への変位に伴い、操作部72を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材22と、弾性部材22に取り付けられ、操作部72を変位操作するための操作面74を有する触接操作部材76と、触接操作部材76とは反対側で弾性部材22に連結され、磁石16を固定的に保持して基部12上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材28とを備える。保持部材28には、磁石16と弾性部材22との間に介在するヨーク62が取り付けられる。磁石16、保持部材28及びヨーク62は、弾性部材22に担持される内部構造を構成する。
【0052】
触接操作部材76は、平面視略円形の皿状部材であり、操作面74を有する主操作部分78と、主操作部分78から径方向外方へ張り出す環状の延長部分80とを一体的に備える。主操作部分78は、操作面74の反対側の裏面78aで、弾性部材22の第1連結部分50に密接する。主操作部分78の裏面78aには、図9に示すように、複数(図では4個)の連結要素82が所定の離間配置で一体的に形成される。各連結要素82は、主操作部分78の裏面78aに略直立状に立設される一対の嵌合部分82aを有し、両嵌合部分82aの間に、連結対象物を摩擦下で嵌合保持できるようになっている。各連結要素82は、弾性部材22の第1連結部分50に形成した対応の受容孔56に挿通され、第1連結部分50を通過してその内側に延出する。なお、触接操作部材76は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0053】
触接操作部材76に設けた複数の連結要素82は、弾性部材22の第1連結部分50を貫通してその内側に延び、保持部材28に設けた対応の嵌合要素60に嵌合する。このとき、保持部材28の各嵌合要素60は、触接操作部材76の各連結要素82の両嵌合部分82aの間に好ましくは締まり嵌め状態で嵌入され、摩擦下で嵌合保持される。それにより、弾性部材22の内部構造である磁石16、保持部材28及びヨーク62と、触接操作部材76とが相互に連結され、弾性部材22はその第1連結部分50にて、内部構造16、28、62と触接操作部材76との間に固定的に挟持される。このように、ポインティングデバイス70では、弾性部材22と触接操作部材76及び保持部材28との間に接着剤を用いることなく、それら部材22、76、28を相互に固定的に連結することができる。なお、触接操作部材76と保持部材28とは、例えば相互嵌合する連結要素82と嵌合要素60との間に適当な接着剤を供給することにより、さらに強固に相互連結することができる。
【0054】
触接操作部材76の延長部分80は、上記したように触接操作部材76を弾性部材22及び保持部材28に適正に組み付けた状態で、弾性部材22の第一連結部分50に対して径方向外方へ張り出して、主弾性部分48から離隔した位置に延設される。触接操作部材76の延長部分80は、後述するように、カバー部材34から外部に露出する弾性部材22の大部分を被覆して、弾性部材22の損傷や劣化を効果的に低減するように作用する。
【0055】
上記した各種構成部品を有するポインティングデバイス70は、前述したポインティングデバイス10の組立手順と同じ手順で容易に組み立てることができる。完成状態では、触接操作部材76の延長部分80は、カバー部材34の環状壁40よりも外側(図で上方)に配置され、操作部72の水平変位動作の全範囲に渡って、弾性部材22の主弾性部分48及びカバー部材34の環状壁40に接触しないように配置される。なお、この組立手順では、磁石16及びヨーク62を操作部72に一体的に組み合わせた操作部組立体を、支持部材32の複数の支持面36a上に載せた後に、その上にカバー部材34を被せて支持部材32に組み付けることにより、これら部品を一体化している(図8参照)。したがって、触接操作部材76の延長部分80の外径寸法は、必然的に、カバー部材34の中心開口42の内径寸法よりも小さく設定される。その結果、ポインティングデバイス70をその鉛直上方から見たときに、延長部分80の外縁80aと中心開口42の内縁42aとの間には、僅かな環状の間隙が形成される(図10参照)。
【0056】
上記構成を有するポインティングデバイス70は、前述したポインティングデバイス10と同様にして操作でき、またポインティングデバイス10と同等の作用効果を奏するものである。特にポインティングデバイス70では、触接操作部材76に、弾性部材22の第1連結部分50のみならず主弾性部分48をも被覆する延長部分80を設けたから、弾性部材22の損傷や劣化の低減効果が一層顕著なものとなる。しかもこの延長部分80は、操作部72の水平変位動作の全範囲に渡って、弾性部材22の主弾性部分48及びカバー部材34の環状壁40に非接触に配置されるから、弾性部材22による操作部原点復帰作用に影響を及ぼすことはない。
【0057】
図11は、ポインティングデバイス70を筐体90に内蔵した本発明の一実施形態による携帯型情報機器の主要部を示す。この携帯型情報機器では、筐体90は、ポインティングデバイス70の触接操作部材76の操作面74を外部に露出させるための、平面視略円形の開口部92を有する。ポインティングデバイス70の触接操作部材76の延長部分80は、筐体90の開口部92の内径寸法よりも大きな外径寸法を有し、その外周縁領域が、筐体90の内側に非接触に配置される。
【0058】
ここで、筐体90の開口部92は一般に、内蔵したポインティングデバイス70を適正かつ円滑に操作できる寸法に設定される。したがって、前述したポインティングデバイス10を筐体90に内蔵した場合には、触接操作部材26の外周縁と開口部92の内周縁との間に比較的大きな隙間ができるので、開口部92を通して弾性部材22の主弾性部分48を容易に視認でき、その結果、主弾性部分48を損傷する機会が増加することが懸念される。弾性部材22の主弾性部分48は、操作部14の原点復帰動作を主として支配する部分であるから、その損傷や劣化は操作部14の操作性に影響を及ぼす危惧がある。これに対し、ポインティングデバイス70を搭載した図示の携帯型情報機器では、ポインティングデバイス70の触接操作部材76の延長部分80が、触接操作部材76の主操作部分78の外周縁と開口部92の内周縁との間を見かけ上で塞ぐように配置されるので、弾性部材22の主弾性部分48を損傷する機会を効果的に低減することができる。さらにこの構成では、ポインティングデバイス70の触接操作部材76の延長部分80が、筐体開口部92の内周縁近傍の壁面内側に位置するので、オペレータが不注意で触接操作部材76に偏った押圧力を加えたときに触接操作部材76が傾くような望ましくない動作を、延長部分80と筐体壁面との衝突により抑制することができる。
【0059】
図12は、上記したポインティングデバイス70の変形例における構成部品を示す。この変形例では、触接操作部材76の主操作部分78と延長部分80とが、互いに独立した別体の部材から形成されている。この場合、延長部分80は、主操作部分78を連結要素82によって保持部材28に連結する際に、その内周縁領域80bで、主操作部分78と弾性部材22の第1連結部分50との間に固定的に挟持される。図13は、この変形例によるポインティングデバイス70を携帯型情報機器の筐体90に内蔵した状態を示す。このような構成によれば、上記した作用効果に加えて、触接操作部材76の主操作部分78と延長部分80とを、それぞれの機能に照らして、個々に最適な材料から作製できる利点が得られる。
【0060】
図14及び図15は、本発明の第3の実施形態によるポインティングデバイス100を示す。ポインティングデバイス100は、基部の支持部材及び操作部の触接操作部材の構成、並びにスイッチ機構20を省略した構成以外は、前述した第1実施形態によるポインティングデバイス10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0061】
ポインティングデバイス100は、基部102と、基部102に対して任意の水平方向へ変位可能に基部102上に支持される操作部104と、操作部104に設置される第1磁気作用要素である円板状の磁石(例えば永久磁石)16と、磁石16の近傍で基部102に設置される第2磁気作用要素である複数(図では4個)の磁電変換素子(例えばホール素子)18とを備える。ポインティングデバイス100は、操作部104の水平変位に対応して、磁石16と複数の磁電変換素子18との協働下で磁界変化に基づく信号を出力する。
【0062】
操作部104は、基部102上での水平方向への変位に伴い、操作部104を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材22と、弾性部材22に取り付けられ、操作部104を変位操作するための操作面106を有する触接操作部材108と、触接操作部材108とは反対側で弾性部材22に連結され、磁石16を固定的に保持して基部102上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材28とを備える。保持部材28には、磁石16と弾性部材22との間に介在するヨーク62が取り付けられる。磁石16、保持部材28及びヨーク62は、弾性部材22に担持される内部構造を構成する。
【0063】
触接操作部材108は、所望の樹脂材料から作製される平面視略円形の皿状部材であり、操作面106を有する主操作部分110と、主操作部分110から径方向外方へ張り出す環状の延長部分112とを一体的に備える。主操作部分110は、操作面106の反対側の裏面110aで、弾性部材22の第1連結部分50に密接する。主操作部分110の裏面110aには、図16(b)に示すように、複数(図では4個)の連結要素114が所定の離間配置で一体的に形成される。各連結要素114は、主操作部分110の裏面110aに略直立状に立設される一対の嵌合部分114aを有し、両嵌合部分114aの間に、連結対象物を摩擦下で嵌合保持できるようになっている。各連結要素114は、弾性部材22の第1連結部分50に形成した対応の受容孔56に挿通され、第1連結部分50を通過してその内側に延出する。
【0064】
触接操作部材108に設けた複数の連結要素114は、弾性部材22の第1連結部分50を貫通してその内側に延び、保持部材28に設けた対応の嵌合要素60に嵌合する。このとき、保持部材28の各嵌合要素60は、触接操作部材108の各連結要素114の両嵌合部分114aの間に好ましくは締まり嵌め状態で嵌入され、摩擦下で嵌合保持される。それにより、弾性部材22の内部構造である磁石16、保持部材28及びヨーク62と、触接操作部材108とが相互に連結され、弾性部材22はその第1連結部分50にて、内部構造16、28、62と触接操作部材108との間に固定的に挟持される。このように、ポインティングデバイス100では、弾性部材22と触接操作部材108及び保持部材28との間に接着剤を用いることなく、それら部材22、108、28を相互に固定的に連結することができる。なお、触接操作部材108と保持部材28とは、例えば相互嵌合する連結要素114と嵌合要素60との間に適当な接着剤を供給することにより、さらに強固に相互連結することができる。
【0065】
触接操作部材108の延長部分112は、上記したように触接操作部材108を弾性部材22及び保持部材28に適正に組み付けた状態で、弾性部材22の第一連結部分50に対して径方向外方へ張り出して、主弾性部分48から離隔した位置に延設される。触接操作部材108の延長部分112は、カバー部材34から外部に露出する弾性部材22の大部分を被覆して、弾性部材22の損傷や劣化を効果的に低減するように作用する。
【0066】
このように、触接操作部材108は、前述したポインティングデバイス70における触接操作部材76と実質的に同一の構成を有するものであるが、延長部分112の外径寸法が、触接操作部材76の延長部分80の外径寸法よりも大きくなっている。すなわち、触接操作部材108の延長部分112の外径寸法は、カバー部材34の中心開口42の内径寸法よりも大きく設定される。それにより、ポインティングデバイス100をその完成状態において鉛直上方から見たときに、延長部分112の外縁112aと中心開口42の内縁42aとの間に、いかなる間隙も形成されないようになっている。特にポインティングデバイス100では、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡って、そのような見かけの間隙が形成されないように、触接操作部材108の延長部分112の外径寸法が設定されている。
【0067】
基部102は、回路基板30に固定的に連結される第1の支持部材116と、第1の支持部材116に隣接して回路基板30に載置される第2の支持部材118と、第1の支持部材116の外周領域116aを実質的に遮蔽して支持部材116に固定的に連結されるカバー部材34とを備える。第1の支持部材116は、平面視で略八角形の板状部材であり、前述したポインティングデバイス10における支持部材32から複数の弾性梁部分36を除去したものと実質的同一の構成を有する。したがって第1の支持部材116は、支持部材32の取付部分38に相当する複数(図では4個)の取付部分120を備え、カバー部材34と協働して、それら取付部分120に載せられた弾性部材22の第2連結部分52を挟持する。
【0068】
他方、第2の支持部材118は、平面視で略十字形の梁状部材であり、複数の取付部分120の間に形成される空所122(図16(b))に例えば圧入して設置される。第2の支持部材118は、ポインティングデバイス100の中心軸線P(図18)を中心として放射状に配置される4個の梁部分124を有し、それら梁部分124の、回路基板30から離れた側に、回路基板30の表面30aに実質的平行に広がる平坦な支持面124aが形成される。支持面124aは、回路基板30の表面30aから突出した位置で、弾性部材22の内部構造16、28、62を任意の水平方向へ摺動自在に支持する。このように、第2の支持部材118は、一体構造である点以外は、前述した支持部材32の複数の弾性梁部分36に類似した構成を有する。
【0069】
上記した各種構成部品を有するポインティングデバイス100は、前述したポインティングデバイス10の組立手順とは若干異なる以下の手順で容易に組み立てることができる。まず、磁石16及びヨーク62を組み込んだ支持部材28を、弾性部材22の第1連結部分50の内側に嵌入して仮保持し、この弾性部材22を、第1の支持部材116の複数の取付部分120に載せる。次に、弾性部材22にカバー部材34を被せ、カバー部材34を第1の支持部材116に組み付ける(図16(a))。この組立体に対し、カバー部材34の外側から、触接操作部材108を前述した要領で、弾性部材22及び保持部材28に組み付ける。この状態で、必要に応じて、触接操作部材108の複数の連結要素114と嵌合相手の保持部材28の嵌合要素60との間に接着剤を供給する。その後、第1の支持部材116に第2の支持部材118を前述した要領で組み付けて、これら部品を一体化する(図17)。そして、この一体化した半完成品を、複数の磁電変換素子18を実装した回路基板30の所定位置に固定的に載置することにより、ポインティングデバイス100が完成する。なお、図17に示す半完成品を回路基板30に載置する際に、第2の支持部材118が意図せず第1の支持部材116から脱落することを防止するために、第2の支持部材118を組み付けた第1の支持部材116の底面に、図示のような押さえシート126を例えば接着剤により貼着することもできる。
【0070】
上記した完成状態で、操作部104は、弾性部材22の主弾性部分48及び第1連結部分50を、基部12のカバー部材34の中心開口42に水平移動可能に挿通配置するとともに、触接操作部材108を、基部12のカバー部材34の環状壁40から外方に突出した位置に配置する。このとき、触接操作部材108の延長部分112は、その外周縁領域でカバー部材34の環状壁40の外側(図で上方)に隙間を介して重畳配置され、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡って、弾性部材22の主弾性部分48及びカバー部材34の環状壁40に接触しないように、かつ、前述の如く延長部分112の外縁112aと中心開口42の内縁42aとの間に見かけの間隙を形成しないように配置される。
【0071】
上記構成を有するポインティングデバイス100は、前述した第2実施形態によるポインティングデバイス70と同様にして操作でき、またポインティングデバイス70と同等の作用効果を奏するものである。特にポインティングデバイス100では、触接操作部材108の延長部分112の外径寸法を、カバー部材34の中心開口42の内径寸法よりも大きく設定して、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡り、中心開口42の内側に配置される弾性部材22の主要部分を被覆するように構成したから、弾性部材22の損傷や劣化の低減効果がより一層顕著なものとなる。なお、ポインティングデバイス100における分割型の第1及び第2の支持部材116、118の構成は、前述した組立手順において、触接操作部材108の複数の連結要素114を保持部材28の対応の嵌合要素60に適正に嵌着した状態でそれらの間に接着剤を供給する作業を容易にするためのものである。したがって、この接着剤供給作業が不要であるか又は他の代替手段を遂行できる場合は、これら支持部材116、118に代えて、前述した一体型の支持部材32を使用することもできる。
【0072】
図18は、ポインティングデバイス100を筐体90に内蔵した本発明の他の実施形態による携帯型情報機器の主要部を示す。この携帯型情報機器では、筐体90は、ポインティングデバイス100の触接操作部材108の操作面106を外部に露出させるための、平面視略円形の開口部92を有する。ポインティングデバイス100の触接操作部材108の延長部分112は、筐体90の開口部92の内径寸法よりも十分に大きな外径寸法を有し、その外周縁領域が、筐体90の内側に非接触に配置される。したがってこの携帯型情報機器では、ポインティングデバイス100の触接操作部材108の延長部分112が、触接操作部材108の主操作部分110の外周縁と開口部92の内周縁との間を見かけ上で塞ぐように配置されるので、弾性部材22の主弾性部分48を損傷する機会を効果的に低減することができる。特に、触接操作部材108の延長部分112の寸法を、ポインティングデバイス100の基部構造の制約を受けずに拡大できるので、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡って確実に弾性部材22の主弾性部分48を保護できる。さらにこの観点では、携帯型情報機器の筐体開口部92の寸法や形状も、ポインティングデバイス100の構造の制約を受けずに、自由に設計することができるようになる。
【0073】
図19は、上記したポインティングデバイス100の変形例における構成部品を示す。この変形例では、触接操作部材108の主操作部分110と延長部分112とが、互いに独立した別体の部材から形成されている。この場合、延長部分112は、主操作部分110を連結要素114によって保持部材28に連結する際に、その内周縁領域112bで、主操作部分110と弾性部材22の第1連結部分50との間に固定的に挟持される。図20は、この変形例によるポインティングデバイス100の半完成品の図、図21は、この変形例によるポインティングデバイス100を携帯型情報機器の筐体90に内蔵した状態を示す。このような構成によれば、上記した作用効果に加えて、触接操作部材108の主操作部分110と延長部分112とを、それぞれの機能に照らして、個々に最適な材料から作製できる利点が得られる。
【0074】
以上、本発明の種々の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るポインティングデバイス及び携帯型情報機器の構成は、これら実施形態に限定されず、様々な変形を施すことができる。例えば、触接操作部材と弾性部材の内部構造とを相互連結する連結要素の構成は、上記各実施形態とは逆の構成、すなわち、内部構造から一体的に延設されて弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、この嵌合部分が触接操作部材に摩擦嵌合する構成とすることができる。この場合、図22に例示するように、保持部材28の周壁58に、その外周面から径方向外方及び軸線方向へ突出する複数(図では4個)の連結要素54´を、所定の離間配置で一体的に形成する。他方、触接操作部材26には、その裏面26aから直立状に突出する複数(図では4個)の嵌合要素60´を、保持部材28の複数の連結要素54´に対応する位置に形成する。保持部材28の各連結要素54´は、弾性部材22の第1連結部分50に設けた受容孔56を貫通して、触接操作部材26の対応の嵌合要素60´に、好ましくは締まり嵌め状態で嵌合する。このような構成によっても、弾性部材22に対して接着剤を使用しない簡易な組立構造が実現される。
【0075】
また、上記した連結要素の構成は、保持部材以外の弾性部材の内部構造、すなわち磁石やヨークと、触接操作部材との間に形成することもできる。さらに、本発明に係る薄型ポインティングデバイスの特徴的構成は、磁石と複数の磁電変換素子との位置関係が、図示実施形態とは逆の構成、すなわち基部に設置した磁石に対し、操作部に設置した磁電変換素子が変位するように構成されたポインティングデバイスにおいても、有効に採用でき、かつ同様に格別の作用効果を奏するものである。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、磁電変換素子型のポインティングデバイスにおいて、携帯型情報機器へ好適に搭載できる薄型構造を有しながらも、操作部に設置した弾性部材の損傷や劣化を極力回避するとともに、製造コストを有意に削減することが可能になる。さらに本発明によれば、このようなポインティングデバイスを携帯型情報機器に搭載することにより、ポインティングデバイスの操作性を損なうことなくその操作部に設けた弾性部材の寿命を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。
【図2】図1のポインティングデバイスの組立斜視図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ったポインティングデバイスの縦断面図である。
【図4】図1のポインティングデバイスの一部構成部品群を下方から示す分解斜視図である。
【図5】図4の構成部品群を組み合わせた状態で示す底面図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。
【図7】図6のポインティングデバイスの組立斜視図である。
【図8】図6のポインティングデバイスの半完成品の正面図である。
【図9】図6のポインティングデバイスに装備される触接操作部材を下方から示す斜視図である。
【図10】図6のポインティングデバイスの組立平面図である。
【図11】図6のポインティングデバイスを内蔵した本発明の一実施形態による携帯型情報機器の主要部を示す図で、図7の線XI−XIに沿った縦断面図で示す。
【図12】図6のポインティングデバイスの変形例における一部構成部品群を示す分解斜視図である。
【図13】図12の変形例によるポインティングデバイスを内蔵した携帯型情報機器の、図11に対応する縦断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。
【図15】図14のポインティングデバイスの組立斜視図である。
【図16】図14のポインティングデバイスの一部構成部品群を示す図で、(a)構成部品群の組立途中の斜視図、及び(b)構成部品群を下方から示す分解斜視図である。
【図17】図14のポインティングデバイスの半完成品の正面図である。
【図18】図14のポインティングデバイスを内蔵した本発明の他の実施形態による携帯型情報機器の主要部の、図11に対応する縦断面図である。
【図19】図14のポインティングデバイスの変形例における一部構成部品群を示す図で、(a)構成部品群の組立途中の斜視図、及び(b)構成部品群を下方から示す分解斜視図である。
【図20】図19の変形例によるポインティングデバイスの半完成品の正面図である。
【図21】図19の変形例によるポインティングデバイスを内蔵した携帯型情報機器の、図18に対応する縦断面図である。
【図22】他の変形例によるポインティングデバイスの一部構成部品を下方から示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10、70、100…ポインティングデバイス
12、102…基部
14、72、104…操作部
16…磁石
18…磁電変換素子
20…スイッチ機構
22…弾性部材
24、74、106…操作面
26、76、108…触接操作部材
28…支持部材
34…カバー部材
42…中心開口
48…主弾性部分
50…第1連結部分
52…第2連結部分
54、82、114…連結要素
56…受容孔
60…嵌合要素
62…ヨーク
78、110…主操作部分
80、112…延長部分
90…筐体
92…開口部
116…第1の支持部材
118…第2の支持部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ処理装置に組み込まれるポインティングデバイスに関する。さらに本発明は、ポインティングデバイスを搭載した携帯型情報機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等の、ディスプレイ及びキーボードを備えたデジタルデータ処理装置において、オペレータの手操作によるアナログ的な情報(例えば指先の動作方向や動作距離)の入力により、ディスプレイ上のカーソル移動データ等の座標データを指示する補助入力装置としてのポインティングデバイスを備えたものは周知である。
【0003】
この種のポインティングデバイスとして、基部と、基部上の支点に揺動自在に支持される操作部と、基部に設置される磁電変換素子と、磁電変換素子に近接して操作部に設置される磁石とを具備するものが知られている(例えば特許文献1参照)。このポインティングデバイスでは、オペレータが操作部を基部上で任意の方向へ揺動操作することにより、磁石と磁電変換素子との相対的位置関係を変化させて磁電変換素子の出力電圧を変動させ、以って操作部の揺動方向及び揺動角度に対応したアナログ情報を入力することができる。
【特許文献1】
特開平8−339258号公報
【0004】
また、上記した揺動構造に代えて、基部に設けた曲面部分に沿って操作部を移動可能に配置したポインティングデバイスが知られている(例えば特許文献2参照)。特許文献2には、基部と操作部との間にスイッチ機構を装備し、オペレータが操作部を基部に向けて押し込むことによりスイッチ機構を作動させる構成も開示されている。この構成によれば、アナログ情報の入力に加えて、操作部を押下操作することにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連してクリック操作を実施することができる。
【特許文献2】
特公平7−117875号公報
【0005】
さらに、携帯可能な小型データ処理装置に好適に搭載できる薄型のポインティングデバイスとして、基部に対して操作部を水平方向へ移動させる構成を有するものも知られている(例えば特許文献3参照)。特許文献3には、内蔵する光センサにより、操作部の水平移動方向及び移動距離を検出する構成が開示されている。このポインティングデバイスでは、操作部を水平移動動作の原点位置に復帰させる弾性力を確保すべく、操作部を囲繞するように環状の弾性部材(ゴム)が配設されている。また、オペレータが操作部を変位操作する際に指先を触接させる触接操作部材が、弾性部材に連結して設けられている。
【特許文献3】
特開2001−154796号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、磁電変換素子型のポインティングデバイスは、座標データ入力に必要な操作部の移動量が少なく、かつ消費電力が比較的低いことから、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の携帯型情報機器に、とりわけ有利に搭載できると考えられる。しかし、前述した特許文献1又は2に開示される従来の磁電変換素子型のポインティングデバイスにおいては、操作部を基部上で揺動又は曲面移動させる構成を採用しているので、磁石と磁電変換素子との間に操作部の揺動又は曲面移動を許容する間隔を確保する必要があり、結果としてポインティングデバイスの外形(特に高さ方向)寸法を、携帯型情報機器への搭載を実現可能とする程度に削減することが困難になっていた。
【0007】
これに対し、前述した特許文献3に開示されるポインティングデバイスは、基部に対して操作部を水平方向へ移動させる構成を採用したので、光センサ型のポインティングデバイスであってもある程度の薄型化が可能となっている。したがて、このような操作部の水平移動構造を、上記した磁電変換素子型のポインティングデバイスに採用すれば、携帯型情報機器に好適に搭載可能な薄型のポインティングデバイスを提供できると考えられる。
【0008】
ここで、特許文献3に開示されるポインティングデバイスでは、操作性を向上させるために、操作部を水平移動動作の原点位置に復帰させる環状の弾性部材が使用されている。この弾性部材は、オレフィン系ゴム等のエラストマーから形成されるものであるが、ポインティングデバイス自体の薄型化に伴い、オペレータの指や他の物体が弾性部材に接触する機会が増加し、素材の特性により弾性部材の損傷や劣化が生じ易くなることが懸念される。特に、携帯型情報機器にポインティングデバイスを搭載する場合には、情報機器の筐体に設けたポインティングデバイス操作用の開口部を介して、異物が弾性部材に容易に触れることができるような状況を極力回避することが要求される。この場合、開口部の面積を縮小してしまうと、ポインティングデバイスの操作性が損なわれる危惧がある。
【0009】
また、操作時にオペレータが指先を触接させるために設けられる触接操作部材は、特許文献3の構成では二色成形法によって弾性部材に一体的に成形されるようになっているが、ポインティングデバイスの製造コストを削減するためには、別部材として成形した触接操作部材と弾性部材とを互いに組み合わせることが有利である。この場合、触接操作部材と弾性部材とを相互固定するために、通常は接着剤を使用することになるが、特に弾性部材のゴム素材の特性に起因して、この接着剤の選択自由度が低く、そのことが製造コスト削減の隘路となる危惧がある。また、接着剤の選択を誤った場合などは、使用中に触接操作部材が弾性部材から剥落してしまう懸念もある。
【0010】
したがって本発明の目的は、磁電変換素子型のポインティングデバイスにおいて、携帯型情報機器へ好適に搭載できる薄型構造を有しながらも、操作部に設置した弾性部材の損傷や劣化を極力回避でき、しかも製造コストを有意に削減できるポインティングデバイスを提供することにある。
本発明の他の目的は、磁電変換素子型のポインティングデバイスを搭載した携帯型情報機器において、ポインティングデバイスの操作性を損なうことなくその操作部に設けた弾性部材の寿命を向上させることができる携帯型情報機器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、基部と、基部に対して水平方向へ変位可能に基部上に支持される操作部と、操作部に設置される第1磁気作用要素と、第1磁気作用要素の近傍で基部に設置される第2磁気作用要素とを具備し、操作部の水平変位に対応して第1磁気作用要素と第2磁気作用要素との協働下で磁界変化に基づく信号を出力するポインティングデバイスにおいて、操作部は、基部上での水平方向への変位に伴い操作部を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材と、弾性部材に取り付けられ、操作部を変位操作するための操作面を有する触接操作部材とを備え、弾性部材は、第1磁気作用要素及び第1磁気作用要素の関連部材を含む内部構造と、触接操作部材との間に挟持され、触接操作部材は、弾性部材を通過して延びる連結要素を介して、内部構造に連結されること、を特徴とするポインティングデバイスを提供する。
【0012】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のポインティングデバイスにおいて、内部構造が、第1磁気作用要素を固定的に保持して基部上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材を備え、保持部材が連結要素を介して触接操作部材に連結されるポインティングデバイスを提供する。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポインティングデバイスにおいて、連結要素が、触接操作部材から一体的に延設されて弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、嵌合部分が内部構造に摩擦嵌合するポインティングデバイスを提供する。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のポインティングデバイスにおいて、連結要素が、内部構造から一体的に延設されて弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、嵌合部分が触接操作部材に摩擦嵌合するポインティングデバイスを提供する。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載のポインティングデバイスにおいて、嵌合部分に接着剤が供給されているポインティングデバイスを提供する。
【0016】
請求項6に記載の発明は、基部が、第2磁気作用要素に電気的に接続される回路基板と、内部構造を水平方向へ摺動自在に支持する略平坦な支持面を有して回路基板に載置される支持部材とを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、回路基板と支持部材との間に形成される空所の内部で回路基板に実装され、操作部を支持部材に押し付ける方向へ操作することにより作動するスイッチ機構をさらに具備するポインティングデバイスを提供する。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のポインティングデバイスにおいて、支持部材を載置する側の反対側で、第2磁気作用要素が回路基板に実装されるポインティングデバイスを提供する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、第1磁気作用要素が磁石であり、第2磁気作用要素が磁電変換素子であるポインティングデバイスを提供する。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、触接操作部材は、操作面を有するとともに内部構造と協働して弾性部材を挟持する主操作部分と、主操作部分から外方へ張り出して弾性部材の外部に延設される延長部分とを備えるポインティングデバイスを提供する。
【0020】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載のポインティングデバイスにおいて、触接操作部材の主操作部分と延長部分とが、互いに独立した別体の部材からなるポインティングデバイスを提供する。
【0021】
請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載のポインティングデバイスにおいて、弾性部材は、内部構造を実質的全周に渡って囲繞する中空筒状の主弾性部分と、主弾性部分の一端で内部構造に連結される第1連結部分と、主弾性部分の他端で基部に連結される第2連結部分とを一体に有し、基部は、弾性部材の第2連結部分を包囲する環状壁と主弾性部分及び第1連結部分を水平移動可能に挿通させる中心開口とを有するカバー部材を備え、触接操作部材の延長部分は、カバー部材の中心開口よりも小さい外形を有するポインティングデバイスを提供する。
【0022】
請求項12に記載の発明は、請求項9又は10に記載のポインティングデバイスにおいて、弾性部材は、内部構造を実質的全周に渡って囲繞する中空筒状の主弾性部分と、主弾性部分の一端で内部構造に連結される第1連結部分と、主弾性部分の他端で基部に連結される第2連結部分とを一体に有し、基部は、弾性部材の第2連結部分を包囲する環状壁と主弾性部分及び第1連結部分を水平移動可能に挿通させる中心開口とを有するカバー部材を備え、触接操作部材の延長部分は、カバー部材の中心開口よりも大きい外形を有するポインティングデバイスを提供する。
【0023】
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載のポインティングデバイスにおいて、基部は、第2磁気作用要素に電気的に接続される回路基板と、回路基板に載置され、カバー部材と協働して弾性部材の第2連結部分を挟持する第1の支持部材と、第1の支持部材に隣接して回路基板に載置され、内部構造を水平方向へ摺動自在に支持する略平坦な支持面を有する第2の支持部材とを備えるポインティングデバイスを提供する。
【0024】
請求項14に記載の発明は、請求項9〜13のいずれか1項に記載のポインティングデバイスを筐体に内蔵した携帯型情報機器であって、筐体は、ポインティングデバイスの触接操作部材の操作面を外部に露出させる開口部を有し、触接操作部材の延長部分は、筐体の開口部よりも大きい外形を有することを特徴とする携帯型情報機器を提供する。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。全図面に渡り、対応する構成要素には共通の参照符号を付す。
図1は本発明の第1の実施形態によるポインティングデバイス10の分解斜視図、図2はポインティングデバイス10の組立斜視図、図3はポインティングデバイス10の組立断面図である。ポインティングデバイス10は、パーソナルコンピュータ、パーソナルワードプロセッサ等のデータ処理装置や、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の携帯型情報機器において、ディスプレイ上の二次元座標データを指示する補助入力装置として機器筐体に一体的に組み込んだ構成で使用できるものである。
【0026】
ポインティングデバイス10は、基部12と、基部12に対して任意の水平方向へ変位可能に基部12上に支持される操作部14と、操作部14に設置される第1磁気作用要素である円板状の磁石(例えば永久磁石)16と、磁石16の近傍で基部12に設置される第2磁気作用要素である複数(図では4個)の磁電変換素子(例えばホール素子)18と、基部12と操作部14との間に配置されるスイッチ機構20とを備える。後述するようにポインティングデバイス10は、操作部14の水平変位に対応して、磁石16と複数の磁電変換素子18との協働下で磁界変化に基づく信号を出力する。
【0027】
操作部14は、基部12上での水平方向への変位に伴い、操作部14を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材22と、弾性部材22に取り付けられ、操作部14を変位操作するための操作面24を有する触接操作部材26と、触接操作部材26とは反対側で弾性部材22に連結され、磁石16を固定的に保持して基部12上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材28とを備える。操作部14のさらなる特徴的構成は、後に詳述する。
【0028】
基部12は、図示しないCPU等の電子部品が実装される回路基板30と、回路基板30に固定的に連結される支持部材32と、支持部材32の外周領域32aを実質的に遮蔽して支持部材32に固定的に連結されるカバー部材34とを備える。回路基板30には、支持部材32を載置する表面30aの反対側(すなわち裏面30b)に、計4個の磁電変換素子18が、ポインティングデバイス10の中心軸線Pを中心とした等間隔分散配置で実装される。このような磁電変換素子18の配置構成により、ポインティングデバイス10は二次元座標系におけるアナログデータ信号を出力できるようになっている。
【0029】
支持部材32は、平面視で略八角形の板状部材であり、その中央の略円形の凹状領域に、操作部14の保持部材28を任意の水平方向へ摺動自在に支持する複数(図では4個)の弾性梁部分36を備える。それら弾性梁部分36は、ポインティングデバイス10の中心軸線Pを中心として放射状に配置され、それらの径方向外端で支持部材32の外周領域32aに一体的に連結される。各弾性梁部分36は、回路基板30の表面30aから離隔して配置され、外周領域32aとの一体的連結部位を支点に、互いに独立して弾性的に変位できるようになっている。また、それら弾性梁部分36には、回路基板30から離れた側に、無負荷状態で回路基板30の表面30aに実質的平行に広がる平坦な支持面36aがそれぞれ形成される。それら支持面36aは互いに協働して、回路基板30の表面30aから突出した位置で、保持部材28を任意の水平方向へ摺動自在に支持する。
【0030】
支持部材32にはさらに、隣り合う弾性梁部分36の間にそれぞれ扇形に広がる取付部分38が形成される。各取付部分38は、その径方向外端で支持部材32の外周領域32aに一体的に連結される。また、それら取付部分38の径方向内縁には、各弾性梁部分36の支持面36aを囲繞するようにして、操作部14の保持部材28の水平移動範囲を規定する円弧壁38aが突設される。それら円弧壁38aは、中心軸線Pを中心とする同一円周上に配置され、したがって中心軸線Pが、複数の支持面36a上での保持部材28の水平移動範囲の原点位置を規定する。なお、各弾性梁部分36には、その支持面36aに隣接して、各取付部分38の円弧壁38aと同一の円周上に配置される補助円弧壁36bが突設される。
【0031】
支持部材32の互いに対向するいずれか一対の取付部分38には、円弧壁38aとは反対側の裏面に、図示しない位置決めピンが突設される。支持部材32は、それら位置決めピンを、回路基板30の対応位置に設けられた穴(図示せず)に嵌入することにより、回路基板30上の所定位置に固定的に組み付けられる。なお、支持部材32を回路基板30に強固に固定するために、接着剤を補助的に用いることもできる。また、支持部材32は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0032】
カバー部材34は、支持部材32に対応する平面視略八画形状を有する薄板状部材であり、環状壁40と、環状壁40の中央領域に形成され、後述する操作部14の主要操作部分を水平移動可能に挿通させる略円形の中心開口42とを有する。カバー部材34の環状壁40の外縁には、対向四辺に沿ってそれぞれ延長片44が環状壁40に略直交する方向へ延設され、各延長片44に、板厚方向へ貫通する取付孔44aが形成される。カバー部材34は、支持部材32の対向四辺に沿って側方へ突設された複数の爪46を、それら延長片44の対応の取付孔44aに、各延長片44の弾性変形を利用してスナップ式に嵌着することにより、支持部材32に固定的に組み付けられる。カバー部材34は、後述するように、中心開口42を通して操作部14の主要操作部分を外方に突出させた状態で、操作部14を基部12から脱落しないように保持する。なお、カバー部材34は、所望の板金材料から一体的に作製できる。
【0033】
操作部14の弾性部材22、触接操作部材26及び保持部材28は、それぞれに独立した部材として所望材料から個別に作製され、互いに固定的に組み合わされる。弾性部材22は、平面視略円形の椀状部材からなり、保持部材28の周囲に隙間を介して延長される主弾性部分48と、主弾性部分48の一端で保持部材28に連結される第1連結部分50と、主弾性部分48の他端で基部12に連結される第2連結部分52とを一体に有する。弾性部材22の主弾性部分48は、保持部材28を実質的全周に渡って囲繞するとともに、無負荷状態で保持部材28に対して同軸に配置される円錐台状又はドーム状の輪郭形状を有し、操作部14を基部12上で水平変位操作する間に比較的容易に弾性変形する。したがって弾性部材22は、その主弾性部分48が、基部12上での保持部材28の水平移動に伴い弾性変形し、その変形量に対応して、保持部材28を水平移動範囲の原点位置に復帰させる弾性力を、保持部材28の水平移動方向に関わらず一様に発揮する。
【0034】
弾性部材22の第1連結部分50は、円錐台状輪郭の主弾性部分48の小径端から軸線方向へ皿状に突出して一体に延長され、その内側に形成される窪みに、保持部材28が固定的に受容される。弾性部材22の第2連結部分52は、円錐台状輪郭の主弾性部分48の大径端から径方向及び軸線方向へフランジ状に突出して一体に延長され、その肉厚部分で、基部12を構成する支持部材32の複数の取付部分38とカバー部材34の環状壁40との間に固定的に掛止して挟持される。第1及び第2連結部分50、52は、基部12上で保持部材28が水平移動する間に実質的に変形することなく、弾性部材22を保持部材28及び基部12にそれぞれ固定的に連結する。
【0035】
なお弾性部材22は、合成ゴム、天然ゴム等の種々の弾性材料から一体的に作製できる。特に、ポインティングデバイス10を搭載対象機器の主回路基板に実装する際にリフロー工程を実施することを考慮すれば、シリコンゴム等の、高温下でも性質が劣化し難い材料から形成することが有利である。
【0036】
触接操作部材26は、平面視略円形の皿状部材であり、操作面24の反対側の裏面26aで、弾性部材22の第1連結部分50に密接する。触接操作部材26の裏面26aには、図4に示すように、複数(図では4個)の連結要素54が所定の離間配置で一体的に形成される。各連結要素54は、触接操作部材26の裏面26aに略直立状に立設される一対の嵌合部分54aを有し、両嵌合部分54aの間に、連結対象物を摩擦下で嵌合保持できるようになっている。他方、弾性部材22には、第1連結部分50を貫通する複数(図では4個)の受容孔56が、それら連結要素54に対応する位置に形成される。各連結要素54は、第1連結部分50の対応の受容孔56に挿通され、第1連結部分50を通過してその内側に延出する。なお、触接操作部材26は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0037】
保持部材28は、操作部14を基部12上で水平変位操作する間に実質的に変形しない程度の剛性を有する中空円筒状部材からなり、その円筒状周壁58の内側に、磁石16を収容する段付きの空洞部58aが形成される。磁石16は、例えば接着剤を用いたり圧入したりすることにより、保持部材28の空洞部58a(図では下方の小径部分)に固定できる。保持部材28は、周壁58の軸線方向一端面(図で下端面)を、基部12を構成する支持部材32の複数の支持面36aに一様に当接した状態で、支持面36a上で360°全方位へ摺動しつつ平行移動できる。
【0038】
保持部材28の周壁58には、その外周面から径方向外方へ突出する複数(図では4個)の嵌合要素60が、触接操作部材26の複数の連結要素54に対応する周方向所定位置に形成される。それら嵌合要素60は、弾性部材22の第1連結部分50の内側で、触接操作部材26の対応の連結要素54に嵌合する。このとき、各嵌合要素60は、各連結要素54の両嵌合部分54aの間に好ましくは締まり嵌め状態で嵌入され、摩擦下で嵌合保持される(図5参照)。なお、保持部材32は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0039】
保持部材28には、磁石16と弾性部材22との間に介在するヨーク62が取り付けられる。ヨーク62は、略円板状部材であり、保持部材28に収容された磁石16を一面(図で上面)から遮蔽して保持部材28に取り付けられる。ヨーク62は、例えば接着剤を用いたり圧入したりすることにより、保持部材28の空洞部58a(図では上方の大径部分)に固定できる。ヨーク62は所望の磁性金属材料からなり、磁石16と複数の磁電変換素子18との間で磁路を積極的に閉じることにより、弾性部材22及び触接操作部材26を通した外部への磁気漏洩を防止するように作用する。
【0040】
磁石16並びに磁石16の関連部材である保持部材28及びヨーク62は、弾性部材22に担持される内部構造を構成する。ポインティングデバイス10では、上記したように、触接操作部材26に設けた複数の連結要素54が、弾性部材22の第1連結部分50を貫通してその内側に延びて、保持部材28に設けた対応の嵌合要素60に摩擦嵌合することにより、それら内部構造16、28、62と触接操作部材26とが相互に連結されている。この状態で、弾性部材22はその第1連結部分50にて、内部構造16、28、62と触接操作部材26との間に固定的に挟持される。このように、ポインティングデバイス10では、弾性部材22と触接操作部材26及び保持部材28との間に接着剤を用いることなく、それら部材22、26、28を相互に固定的に連結することができる。なお、触接操作部材26と保持部材28とは、例えば相互嵌合する連結要素54と嵌合要素60との間に適当な接着剤を供給することにより、さらに強固に相互連結することができる。
【0041】
回路基板30の表面30aには、回路基板30と支持部材32の複数の弾性梁部分36との間に形成される空所の内部に、クリック機能を付加するためのスイッチ機構20が実装される。スイッチ機構20は、可動接点と固定接点とを有する周知の開閉構造を備え、それら両接点がポインティングデバイス10の中心軸線Pから僅かにずれた位置に配置される。すなわち、スイッチ機構20の可動接点は、支持部材32のいずれか1つの弾性梁部分36の自由端領域の直下に位置決めされる。なお、スイッチ機構20の構成は任意であり、可動接点がばねに担持されるメカニカルスイッチや、一対のフレキシブル回路基板を有するメンブレンスイッチ等、様々なものを採用できる。また、スイッチ機構20の外形寸法によっては、複数の磁電変換素子18を、回路基板30と複数の弾性梁部分36との間の空所内に設置することもできる。
【0042】
上記した各種構成部品を有するポインティングデバイス10は、以下のようにして容易に組み立てることができる。まず、磁石16及びヨーク62を内蔵した操作部14を前述したように一体的に組み合わせる。次にこの操作部組立体を、支持部材32の複数の支持面36a上に載せ、その上にカバー部材34を被せて支持部材32に組み付けることにより、これら部品を一体化する。そして、この一体化した半完成品を、複数の磁電変換素子18を実装した回路基板30の所定位置に固定的に載置することにより、ポインティングデバイス10が完成する。この完成状態で、操作部14は、弾性部材22の主弾性部分48及び第1連結部分50並びに触接操作部材26を、基部12のカバー部材34の中心開口42に水平移動可能に挿通配置するとともに、触接操作部材26を、基部12のカバー部材34の環状壁40から外方に突出した位置に配置する。したがってオペレータは、触接操作部材26に設けられた操作面24を、例えば指先で操作して、保持部材28を基部12上で水平移動させることができる。
【0043】
操作部14の弾性部材22が図3に示す平衡状態にあるときには、保持部材28及びその周壁58に保持される磁石16の中心軸線は、ポインティングデバイス10の中心軸線Pに合致する。この状態で保持部材28は、基部12の支持部材32上で水平移動範囲の原点位置に位置決めされ、回路基板30上の4個の磁電変換素子18が磁石16から等距離の位置に配置される。この状態から、オペレータが操作面24に指先を当接して保持部材28を任意の水平方向へ平行移動させると、弾性部材22の主弾性部分48が、保持部材28の移動方向及び移動距離に対応して、全周に渡り異なる形態の弾性変形を生じる。それにより弾性部材22は、主弾性部分48の全体で合力としての弾性力を発揮し、保持部材28をその移動方向と反対の方向に付勢する。したがってオペレータは、弾性部材22の主弾性部分48が生ずるばね付勢力に抗して、操作部14を水平変位操作することになる。
【0044】
操作部14を図3の原点位置から水平変位操作すると、磁石16と各磁電変換素子18との相対的位置関係が変化し、各磁電変換素子18の出力電圧が変動する。各磁電変換素子18の出力電圧の変動は、回路基板30上の図示しないCPUでアナログ情報として処理されてデジタル座標データに変換され、回路基板30に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。このようにして、操作部14の保持部材28の移動方向及び移動距離に対応して、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のカーソルやポインタを所望方向に所望距離だけ移動することができる。
【0045】
また、このデータ入力位置から、オペレータが操作部14から指を離して操作力を解除すると、弾性部材22の主弾性部分48が生じているばね付勢力により、直ちに保持部材28が磁石16と一体的に原点位置に向けて移動し、弾性部材22の主弾性部分48が平衡状態に到達した時点で原点位置に復帰する。なお、保持部材28が原点位置に復帰する間に、磁石16の迅速な移動に伴って生じる各磁電変換素子18の出力電圧の急激な変動は、例えばCPUにおける処理フローでキャンセルしてデジタル座標データに変換しないように構成することができる。
【0046】
さらに、図3に示す原点位置において、オペレータが操作部14の操作面24を例えば指先で押下して、保持部材28の周壁58の下端面を複数の弾性梁部分36に押し付けることにより、それら弾性梁部分36を弾性的に撓ませるとともに、1つの弾性梁部分36の下方に位置するスイッチ機構20を閉成させることができる。スイッチ機構20の閉成信号は、回路基板30に設けられるコネクタ部(図示せず)を介して、搭載対象機器(図示せず)のデータ処理回路に出力される。それにより、例えば搭載対象機器のディスプレイ上のポインタに関連してクリック操作を実施することができる。
【0047】
上記構成を有するポインティングデバイス10によれば、基部12の支持部材32に設けた平坦な支持面36a上で、操作部14の保持部材28を水平方向へ移動させる構成としたから、操作部を基部上で揺動又は曲面移動させる従来の構成に比べて、基部12の外形(特に高さ方向)寸法を削減することができる。また、操作部14の操作性を向上させる弾性部材22を、操作時にオペレータが指先を触接させる触接操作部材26とは別部品として構成し、弾性部材22の第1連結部分50を、弾性部材22の内部構造と触接操作部材26との間に挟持する構成としたから、コスト的に有利な簡易な組立構造が実現される。
【0048】
この組立構造において、触接操作部材26は、カバー部材34から外部に露出する弾性部材22の中央に位置する第1連結部分50を被覆するので、弾性部材22の損傷や劣化を効果的に低減することができる。しかも、触接操作部材26がそれ自体に設けた連結要素54によって、弾性部材22の内側の保持部材28に連結される構成としたから、シリコンゴム等から作製される弾性部材22に対して、適正選択が困難な接着剤を敢えて使用する必要は無くなる。触接操作部材26と保持部材28との連結強度は、例えば連結要素54と嵌合要素60との締まり嵌め度合を調節したり、それらの間に適当な接着剤(樹脂材料同士であるから一般に選択容易)を使用したりすることにより、構造的に容易に高めることができる。したがってポインティングデバイス10では、各種構成部品に最適素材を使用しながら、製造コストを有意に削減することが可能になる。このように、ポインティングデバイス10によれば、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話等の、手持操作可能な種々の携帯型情報機器へ好適に搭載できる薄型構造を有しながらも、操作部14に設置した弾性部材22の損傷や劣化を極力回避でき、しかも製造コストを有意に削減できるようになる。
【0049】
図6〜図8は、本発明の第2の実施形態によるポインティングデバイス70を示す。ポインティングデバイス70は、操作部の触接操作部材の構成以外は、前述した第1実施形態によるポインティングデバイス10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0050】
ポインティングデバイス70は、基部12と、基部12に対して任意の水平方向へ変位可能に基部12上に支持される操作部72と、操作部72に設置される第1磁気作用要素である円板状の磁石(例えば永久磁石)16と、磁石16の近傍で基部12に設置される第2磁気作用要素である複数(図では4個)の磁電変換素子(例えばホール素子)18と、基部12と操作部72との間に配置されるスイッチ機構20とを備える。ポインティングデバイス70は、操作部72の水平変位に対応して、磁石16と複数の磁電変換素子18との協働下で磁界変化に基づく信号を出力する。
【0051】
操作部72は、基部12上での水平方向への変位に伴い、操作部72を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材22と、弾性部材22に取り付けられ、操作部72を変位操作するための操作面74を有する触接操作部材76と、触接操作部材76とは反対側で弾性部材22に連結され、磁石16を固定的に保持して基部12上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材28とを備える。保持部材28には、磁石16と弾性部材22との間に介在するヨーク62が取り付けられる。磁石16、保持部材28及びヨーク62は、弾性部材22に担持される内部構造を構成する。
【0052】
触接操作部材76は、平面視略円形の皿状部材であり、操作面74を有する主操作部分78と、主操作部分78から径方向外方へ張り出す環状の延長部分80とを一体的に備える。主操作部分78は、操作面74の反対側の裏面78aで、弾性部材22の第1連結部分50に密接する。主操作部分78の裏面78aには、図9に示すように、複数(図では4個)の連結要素82が所定の離間配置で一体的に形成される。各連結要素82は、主操作部分78の裏面78aに略直立状に立設される一対の嵌合部分82aを有し、両嵌合部分82aの間に、連結対象物を摩擦下で嵌合保持できるようになっている。各連結要素82は、弾性部材22の第1連結部分50に形成した対応の受容孔56に挿通され、第1連結部分50を通過してその内側に延出する。なお、触接操作部材76は、所望の樹脂材料から一体的に作製できる。
【0053】
触接操作部材76に設けた複数の連結要素82は、弾性部材22の第1連結部分50を貫通してその内側に延び、保持部材28に設けた対応の嵌合要素60に嵌合する。このとき、保持部材28の各嵌合要素60は、触接操作部材76の各連結要素82の両嵌合部分82aの間に好ましくは締まり嵌め状態で嵌入され、摩擦下で嵌合保持される。それにより、弾性部材22の内部構造である磁石16、保持部材28及びヨーク62と、触接操作部材76とが相互に連結され、弾性部材22はその第1連結部分50にて、内部構造16、28、62と触接操作部材76との間に固定的に挟持される。このように、ポインティングデバイス70では、弾性部材22と触接操作部材76及び保持部材28との間に接着剤を用いることなく、それら部材22、76、28を相互に固定的に連結することができる。なお、触接操作部材76と保持部材28とは、例えば相互嵌合する連結要素82と嵌合要素60との間に適当な接着剤を供給することにより、さらに強固に相互連結することができる。
【0054】
触接操作部材76の延長部分80は、上記したように触接操作部材76を弾性部材22及び保持部材28に適正に組み付けた状態で、弾性部材22の第一連結部分50に対して径方向外方へ張り出して、主弾性部分48から離隔した位置に延設される。触接操作部材76の延長部分80は、後述するように、カバー部材34から外部に露出する弾性部材22の大部分を被覆して、弾性部材22の損傷や劣化を効果的に低減するように作用する。
【0055】
上記した各種構成部品を有するポインティングデバイス70は、前述したポインティングデバイス10の組立手順と同じ手順で容易に組み立てることができる。完成状態では、触接操作部材76の延長部分80は、カバー部材34の環状壁40よりも外側(図で上方)に配置され、操作部72の水平変位動作の全範囲に渡って、弾性部材22の主弾性部分48及びカバー部材34の環状壁40に接触しないように配置される。なお、この組立手順では、磁石16及びヨーク62を操作部72に一体的に組み合わせた操作部組立体を、支持部材32の複数の支持面36a上に載せた後に、その上にカバー部材34を被せて支持部材32に組み付けることにより、これら部品を一体化している(図8参照)。したがって、触接操作部材76の延長部分80の外径寸法は、必然的に、カバー部材34の中心開口42の内径寸法よりも小さく設定される。その結果、ポインティングデバイス70をその鉛直上方から見たときに、延長部分80の外縁80aと中心開口42の内縁42aとの間には、僅かな環状の間隙が形成される(図10参照)。
【0056】
上記構成を有するポインティングデバイス70は、前述したポインティングデバイス10と同様にして操作でき、またポインティングデバイス10と同等の作用効果を奏するものである。特にポインティングデバイス70では、触接操作部材76に、弾性部材22の第1連結部分50のみならず主弾性部分48をも被覆する延長部分80を設けたから、弾性部材22の損傷や劣化の低減効果が一層顕著なものとなる。しかもこの延長部分80は、操作部72の水平変位動作の全範囲に渡って、弾性部材22の主弾性部分48及びカバー部材34の環状壁40に非接触に配置されるから、弾性部材22による操作部原点復帰作用に影響を及ぼすことはない。
【0057】
図11は、ポインティングデバイス70を筐体90に内蔵した本発明の一実施形態による携帯型情報機器の主要部を示す。この携帯型情報機器では、筐体90は、ポインティングデバイス70の触接操作部材76の操作面74を外部に露出させるための、平面視略円形の開口部92を有する。ポインティングデバイス70の触接操作部材76の延長部分80は、筐体90の開口部92の内径寸法よりも大きな外径寸法を有し、その外周縁領域が、筐体90の内側に非接触に配置される。
【0058】
ここで、筐体90の開口部92は一般に、内蔵したポインティングデバイス70を適正かつ円滑に操作できる寸法に設定される。したがって、前述したポインティングデバイス10を筐体90に内蔵した場合には、触接操作部材26の外周縁と開口部92の内周縁との間に比較的大きな隙間ができるので、開口部92を通して弾性部材22の主弾性部分48を容易に視認でき、その結果、主弾性部分48を損傷する機会が増加することが懸念される。弾性部材22の主弾性部分48は、操作部14の原点復帰動作を主として支配する部分であるから、その損傷や劣化は操作部14の操作性に影響を及ぼす危惧がある。これに対し、ポインティングデバイス70を搭載した図示の携帯型情報機器では、ポインティングデバイス70の触接操作部材76の延長部分80が、触接操作部材76の主操作部分78の外周縁と開口部92の内周縁との間を見かけ上で塞ぐように配置されるので、弾性部材22の主弾性部分48を損傷する機会を効果的に低減することができる。さらにこの構成では、ポインティングデバイス70の触接操作部材76の延長部分80が、筐体開口部92の内周縁近傍の壁面内側に位置するので、オペレータが不注意で触接操作部材76に偏った押圧力を加えたときに触接操作部材76が傾くような望ましくない動作を、延長部分80と筐体壁面との衝突により抑制することができる。
【0059】
図12は、上記したポインティングデバイス70の変形例における構成部品を示す。この変形例では、触接操作部材76の主操作部分78と延長部分80とが、互いに独立した別体の部材から形成されている。この場合、延長部分80は、主操作部分78を連結要素82によって保持部材28に連結する際に、その内周縁領域80bで、主操作部分78と弾性部材22の第1連結部分50との間に固定的に挟持される。図13は、この変形例によるポインティングデバイス70を携帯型情報機器の筐体90に内蔵した状態を示す。このような構成によれば、上記した作用効果に加えて、触接操作部材76の主操作部分78と延長部分80とを、それぞれの機能に照らして、個々に最適な材料から作製できる利点が得られる。
【0060】
図14及び図15は、本発明の第3の実施形態によるポインティングデバイス100を示す。ポインティングデバイス100は、基部の支持部材及び操作部の触接操作部材の構成、並びにスイッチ機構20を省略した構成以外は、前述した第1実施形態によるポインティングデバイス10と実質的同一の構成を有するので、対応する構成要素には同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0061】
ポインティングデバイス100は、基部102と、基部102に対して任意の水平方向へ変位可能に基部102上に支持される操作部104と、操作部104に設置される第1磁気作用要素である円板状の磁石(例えば永久磁石)16と、磁石16の近傍で基部102に設置される第2磁気作用要素である複数(図では4個)の磁電変換素子(例えばホール素子)18とを備える。ポインティングデバイス100は、操作部104の水平変位に対応して、磁石16と複数の磁電変換素子18との協働下で磁界変化に基づく信号を出力する。
【0062】
操作部104は、基部102上での水平方向への変位に伴い、操作部104を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材22と、弾性部材22に取り付けられ、操作部104を変位操作するための操作面106を有する触接操作部材108と、触接操作部材108とは反対側で弾性部材22に連結され、磁石16を固定的に保持して基部102上に水平方向へ移動可能に支持される保持部材28とを備える。保持部材28には、磁石16と弾性部材22との間に介在するヨーク62が取り付けられる。磁石16、保持部材28及びヨーク62は、弾性部材22に担持される内部構造を構成する。
【0063】
触接操作部材108は、所望の樹脂材料から作製される平面視略円形の皿状部材であり、操作面106を有する主操作部分110と、主操作部分110から径方向外方へ張り出す環状の延長部分112とを一体的に備える。主操作部分110は、操作面106の反対側の裏面110aで、弾性部材22の第1連結部分50に密接する。主操作部分110の裏面110aには、図16(b)に示すように、複数(図では4個)の連結要素114が所定の離間配置で一体的に形成される。各連結要素114は、主操作部分110の裏面110aに略直立状に立設される一対の嵌合部分114aを有し、両嵌合部分114aの間に、連結対象物を摩擦下で嵌合保持できるようになっている。各連結要素114は、弾性部材22の第1連結部分50に形成した対応の受容孔56に挿通され、第1連結部分50を通過してその内側に延出する。
【0064】
触接操作部材108に設けた複数の連結要素114は、弾性部材22の第1連結部分50を貫通してその内側に延び、保持部材28に設けた対応の嵌合要素60に嵌合する。このとき、保持部材28の各嵌合要素60は、触接操作部材108の各連結要素114の両嵌合部分114aの間に好ましくは締まり嵌め状態で嵌入され、摩擦下で嵌合保持される。それにより、弾性部材22の内部構造である磁石16、保持部材28及びヨーク62と、触接操作部材108とが相互に連結され、弾性部材22はその第1連結部分50にて、内部構造16、28、62と触接操作部材108との間に固定的に挟持される。このように、ポインティングデバイス100では、弾性部材22と触接操作部材108及び保持部材28との間に接着剤を用いることなく、それら部材22、108、28を相互に固定的に連結することができる。なお、触接操作部材108と保持部材28とは、例えば相互嵌合する連結要素114と嵌合要素60との間に適当な接着剤を供給することにより、さらに強固に相互連結することができる。
【0065】
触接操作部材108の延長部分112は、上記したように触接操作部材108を弾性部材22及び保持部材28に適正に組み付けた状態で、弾性部材22の第一連結部分50に対して径方向外方へ張り出して、主弾性部分48から離隔した位置に延設される。触接操作部材108の延長部分112は、カバー部材34から外部に露出する弾性部材22の大部分を被覆して、弾性部材22の損傷や劣化を効果的に低減するように作用する。
【0066】
このように、触接操作部材108は、前述したポインティングデバイス70における触接操作部材76と実質的に同一の構成を有するものであるが、延長部分112の外径寸法が、触接操作部材76の延長部分80の外径寸法よりも大きくなっている。すなわち、触接操作部材108の延長部分112の外径寸法は、カバー部材34の中心開口42の内径寸法よりも大きく設定される。それにより、ポインティングデバイス100をその完成状態において鉛直上方から見たときに、延長部分112の外縁112aと中心開口42の内縁42aとの間に、いかなる間隙も形成されないようになっている。特にポインティングデバイス100では、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡って、そのような見かけの間隙が形成されないように、触接操作部材108の延長部分112の外径寸法が設定されている。
【0067】
基部102は、回路基板30に固定的に連結される第1の支持部材116と、第1の支持部材116に隣接して回路基板30に載置される第2の支持部材118と、第1の支持部材116の外周領域116aを実質的に遮蔽して支持部材116に固定的に連結されるカバー部材34とを備える。第1の支持部材116は、平面視で略八角形の板状部材であり、前述したポインティングデバイス10における支持部材32から複数の弾性梁部分36を除去したものと実質的同一の構成を有する。したがって第1の支持部材116は、支持部材32の取付部分38に相当する複数(図では4個)の取付部分120を備え、カバー部材34と協働して、それら取付部分120に載せられた弾性部材22の第2連結部分52を挟持する。
【0068】
他方、第2の支持部材118は、平面視で略十字形の梁状部材であり、複数の取付部分120の間に形成される空所122(図16(b))に例えば圧入して設置される。第2の支持部材118は、ポインティングデバイス100の中心軸線P(図18)を中心として放射状に配置される4個の梁部分124を有し、それら梁部分124の、回路基板30から離れた側に、回路基板30の表面30aに実質的平行に広がる平坦な支持面124aが形成される。支持面124aは、回路基板30の表面30aから突出した位置で、弾性部材22の内部構造16、28、62を任意の水平方向へ摺動自在に支持する。このように、第2の支持部材118は、一体構造である点以外は、前述した支持部材32の複数の弾性梁部分36に類似した構成を有する。
【0069】
上記した各種構成部品を有するポインティングデバイス100は、前述したポインティングデバイス10の組立手順とは若干異なる以下の手順で容易に組み立てることができる。まず、磁石16及びヨーク62を組み込んだ支持部材28を、弾性部材22の第1連結部分50の内側に嵌入して仮保持し、この弾性部材22を、第1の支持部材116の複数の取付部分120に載せる。次に、弾性部材22にカバー部材34を被せ、カバー部材34を第1の支持部材116に組み付ける(図16(a))。この組立体に対し、カバー部材34の外側から、触接操作部材108を前述した要領で、弾性部材22及び保持部材28に組み付ける。この状態で、必要に応じて、触接操作部材108の複数の連結要素114と嵌合相手の保持部材28の嵌合要素60との間に接着剤を供給する。その後、第1の支持部材116に第2の支持部材118を前述した要領で組み付けて、これら部品を一体化する(図17)。そして、この一体化した半完成品を、複数の磁電変換素子18を実装した回路基板30の所定位置に固定的に載置することにより、ポインティングデバイス100が完成する。なお、図17に示す半完成品を回路基板30に載置する際に、第2の支持部材118が意図せず第1の支持部材116から脱落することを防止するために、第2の支持部材118を組み付けた第1の支持部材116の底面に、図示のような押さえシート126を例えば接着剤により貼着することもできる。
【0070】
上記した完成状態で、操作部104は、弾性部材22の主弾性部分48及び第1連結部分50を、基部12のカバー部材34の中心開口42に水平移動可能に挿通配置するとともに、触接操作部材108を、基部12のカバー部材34の環状壁40から外方に突出した位置に配置する。このとき、触接操作部材108の延長部分112は、その外周縁領域でカバー部材34の環状壁40の外側(図で上方)に隙間を介して重畳配置され、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡って、弾性部材22の主弾性部分48及びカバー部材34の環状壁40に接触しないように、かつ、前述の如く延長部分112の外縁112aと中心開口42の内縁42aとの間に見かけの間隙を形成しないように配置される。
【0071】
上記構成を有するポインティングデバイス100は、前述した第2実施形態によるポインティングデバイス70と同様にして操作でき、またポインティングデバイス70と同等の作用効果を奏するものである。特にポインティングデバイス100では、触接操作部材108の延長部分112の外径寸法を、カバー部材34の中心開口42の内径寸法よりも大きく設定して、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡り、中心開口42の内側に配置される弾性部材22の主要部分を被覆するように構成したから、弾性部材22の損傷や劣化の低減効果がより一層顕著なものとなる。なお、ポインティングデバイス100における分割型の第1及び第2の支持部材116、118の構成は、前述した組立手順において、触接操作部材108の複数の連結要素114を保持部材28の対応の嵌合要素60に適正に嵌着した状態でそれらの間に接着剤を供給する作業を容易にするためのものである。したがって、この接着剤供給作業が不要であるか又は他の代替手段を遂行できる場合は、これら支持部材116、118に代えて、前述した一体型の支持部材32を使用することもできる。
【0072】
図18は、ポインティングデバイス100を筐体90に内蔵した本発明の他の実施形態による携帯型情報機器の主要部を示す。この携帯型情報機器では、筐体90は、ポインティングデバイス100の触接操作部材108の操作面106を外部に露出させるための、平面視略円形の開口部92を有する。ポインティングデバイス100の触接操作部材108の延長部分112は、筐体90の開口部92の内径寸法よりも十分に大きな外径寸法を有し、その外周縁領域が、筐体90の内側に非接触に配置される。したがってこの携帯型情報機器では、ポインティングデバイス100の触接操作部材108の延長部分112が、触接操作部材108の主操作部分110の外周縁と開口部92の内周縁との間を見かけ上で塞ぐように配置されるので、弾性部材22の主弾性部分48を損傷する機会を効果的に低減することができる。特に、触接操作部材108の延長部分112の寸法を、ポインティングデバイス100の基部構造の制約を受けずに拡大できるので、操作部104の水平変位動作の全範囲に渡って確実に弾性部材22の主弾性部分48を保護できる。さらにこの観点では、携帯型情報機器の筐体開口部92の寸法や形状も、ポインティングデバイス100の構造の制約を受けずに、自由に設計することができるようになる。
【0073】
図19は、上記したポインティングデバイス100の変形例における構成部品を示す。この変形例では、触接操作部材108の主操作部分110と延長部分112とが、互いに独立した別体の部材から形成されている。この場合、延長部分112は、主操作部分110を連結要素114によって保持部材28に連結する際に、その内周縁領域112bで、主操作部分110と弾性部材22の第1連結部分50との間に固定的に挟持される。図20は、この変形例によるポインティングデバイス100の半完成品の図、図21は、この変形例によるポインティングデバイス100を携帯型情報機器の筐体90に内蔵した状態を示す。このような構成によれば、上記した作用効果に加えて、触接操作部材108の主操作部分110と延長部分112とを、それぞれの機能に照らして、個々に最適な材料から作製できる利点が得られる。
【0074】
以上、本発明の種々の好適な実施形態を説明したが、本発明に係るポインティングデバイス及び携帯型情報機器の構成は、これら実施形態に限定されず、様々な変形を施すことができる。例えば、触接操作部材と弾性部材の内部構造とを相互連結する連結要素の構成は、上記各実施形態とは逆の構成、すなわち、内部構造から一体的に延設されて弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、この嵌合部分が触接操作部材に摩擦嵌合する構成とすることができる。この場合、図22に例示するように、保持部材28の周壁58に、その外周面から径方向外方及び軸線方向へ突出する複数(図では4個)の連結要素54´を、所定の離間配置で一体的に形成する。他方、触接操作部材26には、その裏面26aから直立状に突出する複数(図では4個)の嵌合要素60´を、保持部材28の複数の連結要素54´に対応する位置に形成する。保持部材28の各連結要素54´は、弾性部材22の第1連結部分50に設けた受容孔56を貫通して、触接操作部材26の対応の嵌合要素60´に、好ましくは締まり嵌め状態で嵌合する。このような構成によっても、弾性部材22に対して接着剤を使用しない簡易な組立構造が実現される。
【0075】
また、上記した連結要素の構成は、保持部材以外の弾性部材の内部構造、すなわち磁石やヨークと、触接操作部材との間に形成することもできる。さらに、本発明に係る薄型ポインティングデバイスの特徴的構成は、磁石と複数の磁電変換素子との位置関係が、図示実施形態とは逆の構成、すなわち基部に設置した磁石に対し、操作部に設置した磁電変換素子が変位するように構成されたポインティングデバイスにおいても、有効に採用でき、かつ同様に格別の作用効果を奏するものである。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、磁電変換素子型のポインティングデバイスにおいて、携帯型情報機器へ好適に搭載できる薄型構造を有しながらも、操作部に設置した弾性部材の損傷や劣化を極力回避するとともに、製造コストを有意に削減することが可能になる。さらに本発明によれば、このようなポインティングデバイスを携帯型情報機器に搭載することにより、ポインティングデバイスの操作性を損なうことなくその操作部に設けた弾性部材の寿命を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。
【図2】図1のポインティングデバイスの組立斜視図である。
【図3】図2の線III−IIIに沿ったポインティングデバイスの縦断面図である。
【図4】図1のポインティングデバイスの一部構成部品群を下方から示す分解斜視図である。
【図5】図4の構成部品群を組み合わせた状態で示す底面図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。
【図7】図6のポインティングデバイスの組立斜視図である。
【図8】図6のポインティングデバイスの半完成品の正面図である。
【図9】図6のポインティングデバイスに装備される触接操作部材を下方から示す斜視図である。
【図10】図6のポインティングデバイスの組立平面図である。
【図11】図6のポインティングデバイスを内蔵した本発明の一実施形態による携帯型情報機器の主要部を示す図で、図7の線XI−XIに沿った縦断面図で示す。
【図12】図6のポインティングデバイスの変形例における一部構成部品群を示す分解斜視図である。
【図13】図12の変形例によるポインティングデバイスを内蔵した携帯型情報機器の、図11に対応する縦断面図である。
【図14】本発明の第3実施形態によるポインティングデバイスの分解斜視図である。
【図15】図14のポインティングデバイスの組立斜視図である。
【図16】図14のポインティングデバイスの一部構成部品群を示す図で、(a)構成部品群の組立途中の斜視図、及び(b)構成部品群を下方から示す分解斜視図である。
【図17】図14のポインティングデバイスの半完成品の正面図である。
【図18】図14のポインティングデバイスを内蔵した本発明の他の実施形態による携帯型情報機器の主要部の、図11に対応する縦断面図である。
【図19】図14のポインティングデバイスの変形例における一部構成部品群を示す図で、(a)構成部品群の組立途中の斜視図、及び(b)構成部品群を下方から示す分解斜視図である。
【図20】図19の変形例によるポインティングデバイスの半完成品の正面図である。
【図21】図19の変形例によるポインティングデバイスを内蔵した携帯型情報機器の、図18に対応する縦断面図である。
【図22】他の変形例によるポインティングデバイスの一部構成部品を下方から示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10、70、100…ポインティングデバイス
12、102…基部
14、72、104…操作部
16…磁石
18…磁電変換素子
20…スイッチ機構
22…弾性部材
24、74、106…操作面
26、76、108…触接操作部材
28…支持部材
34…カバー部材
42…中心開口
48…主弾性部分
50…第1連結部分
52…第2連結部分
54、82、114…連結要素
56…受容孔
60…嵌合要素
62…ヨーク
78、110…主操作部分
80、112…延長部分
90…筐体
92…開口部
116…第1の支持部材
118…第2の支持部材
Claims (14)
- 基部と、該基部に対して水平方向へ変位可能に該基部上に支持される操作部と、該操作部に設置される第1磁気作用要素と、該第1磁気作用要素の近傍で該基部に設置される第2磁気作用要素とを具備し、該操作部の水平変位に対応して該第1磁気作用要素と該第2磁気作用要素との協働下で磁界変化に基づく信号を出力するポインティングデバイスにおいて、
前記操作部は、前記基部上での前記水平方向への変位に伴い該操作部を変位原点位置に復帰させる弾性力を発揮する弾性部材と、該弾性部材に取り付けられ、該操作部を変位操作するための操作面を有する触接操作部材とを備え、
前記弾性部材は、前記第1磁気作用要素及び該第1磁気作用要素の関連部材を含む内部構造と、前記触接操作部材との間に挟持され、
前記触接操作部材は、前記弾性部材を通過して延びる連結要素を介して、前記内部構造に連結されること、
を特徴とするポインティングデバイス。 - 前記内部構造が、前記第1磁気作用要素を固定的に保持して前記基部上に前記水平方向へ移動可能に支持される保持部材を備え、該保持部材が前記連結要素を介して前記触接操作部材に連結される請求項1に記載のポインティングデバイス。
- 前記連結要素が、前記触接操作部材から一体的に延設されて前記弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、該嵌合部分が前記内部構造に摩擦嵌合する請求項1又は2に記載のポインティングデバイス。
- 前記連結要素が、前記内部構造から一体的に延設されて前記弾性部材を貫通する嵌合部分を有し、該嵌合部分が前記触接操作部材に摩擦嵌合する請求項1又は2に記載のポインティングデバイス。
- 前記嵌合部分に接着剤が供給されている請求項3又は4に記載のポインティングデバイス。
- 前記基部が、前記第2磁気作用要素に電気的に接続される回路基板と、前記内部構造を前記水平方向へ摺動自在に支持する略平坦な支持面を有して該回路基板に載置される支持部材とを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載のポインティングデバイスにおいて、前記回路基板と前記支持部材との間に形成される空所の内部で該回路基板に実装され、前記操作部を該支持部材に押し付ける方向へ操作することにより作動するスイッチ機構をさらに具備するポインティングデバイス。
- 前記支持部材を載置する側の反対側で、前記第2磁気作用要素が前記回路基板に実装される請求項6に記載のポインティングデバイス。
- 前記第1磁気作用要素が磁石であり、前記第2磁気作用要素が磁電変換素子である請求項1〜7のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
- 前記触接操作部材は、前記操作面を有するとともに前記内部構造と協働して前記弾性部材を挟持する主操作部分と、該主操作部分から外方へ張り出して該弾性部材の外部に延設される延長部分とを備える請求項1〜8のいずれか1項に記載のポインティングデバイス。
- 前記触接操作部材の前記主操作部分と前記延長部分とが、互いに独立した別体の部材からなる請求項9に記載のポインティングデバイス。
- 前記弾性部材は、前記内部構造を実質的全周に渡って囲繞する中空筒状の主弾性部分と、該主弾性部分の一端で該内部構造に連結される第1連結部分と、該主弾性部分の他端で前記基部に連結される第2連結部分とを一体に有し、該基部は、該弾性部材の該第2連結部分を包囲する環状壁と該主弾性部分及び該第1連結部分を水平移動可能に挿通させる中心開口とを有するカバー部材を備え、前記触接操作部材の前記延長部分は、該カバー部材の該中心開口よりも小さい外形を有する請求項9又は10に記載のポインティングデバイス。
- 前記弾性部材は、前記内部構造を実質的全周に渡って囲繞する中空筒状の主弾性部分と、該主弾性部分の一端で該内部構造に連結される第1連結部分と、該主弾性部分の他端で前記基部に連結される第2連結部分とを一体に有し、該基部は、該弾性部材の該第2連結部分を包囲する環状壁と該主弾性部分及び該第1連結部分を水平移動可能に挿通させる中心開口とを有するカバー部材を備え、前記触接操作部材の前記延長部分は、該カバー部材の該中心開口よりも大きい外形を有する請求項9又は10に記載のポインティングデバイス。
- 前記基部は、前記第2磁気作用要素に電気的に接続される回路基板と、該回路基板に載置され、前記カバー部材と協働して前記弾性部材の前記第2連結部分を挟持する第1の支持部材と、該第1の支持部材に隣接して該回路基板に載置され、前記内部構造を前記水平方向へ摺動自在に支持する略平坦な支持面を有する第2の支持部材とを備える請求項12に記載のポインティングデバイス。
- 請求項9〜13のいずれか1項に記載のポインティングデバイスを筐体に内蔵した携帯型情報機器であって、該筐体は、該ポインティングデバイスの前記触接操作部材の前記操作面を外部に露出させる開口部を有し、該触接操作部材の前記延長部分は、該筐体の該開口部よりも大きい外形を有することを特徴とする携帯型情報機器。
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-
2002
- 2002-10-10 JP JP2002297824A patent/JP2004133703A/ja active Pending
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