JP2004132593A - 空気清浄システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】室内11の汚れた空気12を吸引する吸引送風機13と、汚れた空気12を清浄化すると共に脱塵して浄化空気14とする集塵・脱臭手段15と、集塵・脱臭手段15の空気の流れの前段側に設けられ、空気の汚れ度を検出する第1の汚れ度検出手段16とを有してなる空気清浄機本体17と、外部の空気19を室内の空気12と交換する外部換気装置20と、汚れ度の検出結果から吸引送風機及び換気装置の制御を行う制御手段21とを有する空気清浄システムにおいて、集塵・脱臭手段15の後段側に、浄化後の空気の汚れ度を検出する第2の汚れ度検出手段22を有し、第1の汚れ度検出手段16と第2の汚れ度検出手段22との汚れ度の度合いから吸引送風機13の回転数及び外部換気装置20の作動頻度を制御する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気清浄機と換気装置とを連動させ室内の空気を効率よく清浄化をおこなう空気清浄システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より室内の空気の清浄化を行うには、例えば高圧放電により集塵したり、エアフィルタによりろ過したり、活性炭等により粒子を吸着したりすることにより、室内の空気清浄を行う空気清浄装置が実用されている。例えば高圧放電型空気清浄装置は、高電圧集塵器を備え、空気清浄装置内に強制的に導入した空気に含まれる煙や塵埃を静電気により電気集塵ユニットに付着させ室内空気の清浄化を行うものであるが、空気中の煙や塵埃の濃度を調べるための汚れセンサを備えており、汚れセンサの検知した濃度に応じて、高電圧集塵器の電圧を切り換えたり、導入する空気量を多段階に切り換えたりしている。
【0003】
さらに、空気清浄の効率を上げるとともに、快適な空気調和を実現するために、屋外から室内へ給気される空気と、室内から屋外に排気される空気との間で熱交換を行わせ、室温との温度差が低減された外気を室内へ給気するようにした熱交換換気装置を備えて空気清浄装置と連動させるシステムが使用されている。このように連動させたシステムによって、通常次のような制御を行う。
【0004】
室内の空気が汚れてくると、空気清浄装置の汚れセンサが作動し、空気清浄装置の運転が開始される。それとともに、汚れセンサの検知レベルに応じて熱交換換気装置のオンオフ及び風量が選択される。例えば、汚れセンサの検知レベルが低い場合は熱交換換気装置の運転はせず、空気清浄装置を汚れのレベルに応じた段階で運転させる。汚れセンサの検知レベルが上がってきた場合、空気清浄装置のみでは集塵能力が不足なので熱交換換気装置を運転し、その汚れの程度に応じて、熱交換換気装置の風量を例えば「L(低速)」から「M(中速)」、「H(高速)」と変化させる。
【0005】
また、空気清浄装置の集塵能力の長年の使用による低下の程度を予測するため、記憶手段に積算使用時間を記憶させ、その記憶させた時間に応じて、空気清浄装置、換気装置のいずれか一方又は双方の空気清浄能力を上昇させるタイミングを判断する所定時間Tを短くすることが提案されている。これにより、空気清浄装置の集塵能力の低下が大きな程、空気清浄装置、換気装置のいずれか一方又は双方の空気清浄能力を早く強化して、空気が汚れてから十分清浄になるまでの時間を空気清浄装置の集塵能力にかかわらずほぼ一定にすることができるようにしている(特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特許第3180374号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、空気清浄機は、長年使用を継続していくことにより、清浄能力の低下が発生する。これにより、同じ判定値を用いて空気清浄機及び換気措置の制御を行っていくと、清浄能力の低下が発生する場合がある。
すなわち、同じ判定部を使用し空気清浄装置及び換気装置の切・入等の制御を行っていくと、空気清浄機の清浄能力の低下に伴い、室内の空気の清浄時間が増大し、室内にいる人の不快感も長くなってしまうという、問題がある。
【0008】
上記特許文献1の提案の装置においても、空気清浄装置の清浄能力の低下を積算使用時間又はイオン化電流により予測しているが、発生粉塵・湿度等の使用環境によって清浄性能の低下は大きく変化するので、実際の低下と異なる状態が発生したり、必要以上に能力を高め電力の無駄が発生したりして、逆に能力が大幅に不足し、室内にいる人の不快感も長くなるという、可能性がある。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑み、空調効率の最適化を実現し室内に居る人の不快感も長くなることのない空気清浄システムを提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の発明は、室内の汚れた空気を吸引する吸引送風機と、該汚れた空気を清浄化すると共に脱塵する集塵・脱臭手段と、該集塵・脱臭手段の空気の流れの前段側に設けられ、空気の汚れ度を検出する第1の汚れ度検出手段とを有してなる空気清浄機本体と、外部の空気を室内の空気と交換する外部換気装置と、上記汚れ度の検出結果から吸引送風機及び換気装置の制御を行う制御手段とを有する空気清浄システムにおいて、上記集塵・脱臭手段の後段側に、空気の汚れ度を検出する第2の汚れ度検出手段を有し、第1の汚れ度検出手段と第2の汚れ度検出手段との両方の空気の汚れ度の度合いから吸引送風機の回転数及び外部換気装置の作動頻度を制御することを特徴とする空気清浄システムにある。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、上記第1及び第2の集塵・脱臭手段がガスセンサであることを特徴とする空気清浄システムにある。
【0012】
第3の発明は、第1の発明において、上記第1及び第2の集塵・脱臭手段が煙センサであることを特徴とする空気清浄システムにある。
【0013】
第4の発明は、第1の発明において、上記第1及び第2の集塵・脱臭手段がガスセンサと煙センサとからなり、それらの加重平均値を用いて集塵・脱臭手段と外部換気装置との作動の切替を行う運転切替判定値を変化させることを特徴とする空気清浄システムにある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の内容を発明の実施形態により詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0015】
[第1の実施の形態]
図1は本実施形態にかかる空気清浄システムの概略図である。
本実施の形態の空気清浄システムは、室内11の汚れた空気12を吸引する吸引送風機13と、該汚れた空気12を清浄化すると共に脱塵して浄化空気14とする集塵・脱臭手段15と、該集塵・脱臭手段15の空気の流れの前段側に設けられ、空気の汚れ度を検出する第1の汚れ度検出手段16とを有してなる空気清浄機本体17と、外部18からの外部空気19を室内11の室内空気12と交換する外部換気装置20と、上記汚れ度の検出結果から吸引送風機及び換気装置の制御を行う制御手段21とを有する空気清浄システムにおいて、上記集塵・脱臭手段15の後段側に、浄化後の空気の汚れ度を検出する第2の汚れ度検出手段22を有し、第1の汚れ度検出手段16と第2の汚れ度検出手段22との汚れ度の度合いから吸引送風機13の回転数及び外部換気装置20の作動頻度を制御するものである。
【0016】
ここで、集塵・脱臭手段15は公知の空気清浄手段を用いればよく、また外部換気装置20は外気と室内空気とを交換する公知の換気装置や、外部空気と室内空気との熱交換を行う熱交換方式の公知の換気装置等を用いればよく、何ら限定されるものではない。
【0017】
また、第1及び第2の汚れ度検出手段16,22は空気の汚れ度合いを検出するものであり、例えばガスセンサ、煙センサ等を例示することができる。
ガスセンサは、空気の汚れのうちガス濃度に対して効力を発揮し、煙センサは、空気の汚れのうち粉塵濃度に対して効力を発揮する。
また、第1及び第2の汚れ度検出手段16,22は両方ともガスセンサ及び煙センサを用いるようにするとよい。
さらに、第1の汚れ度検出手段のみを種類を異なるものを用いるようにしてもよい。
【0018】
上記空気清浄システムによれば、空気清浄動作中に第1の汚れ度検出手段16により室内11の空気の汚れ度をリアルタイムで検出しており、汚れ度検出信号aとして、制御手段21に伝えられる。次に、制御手段21においては、汚れ度信号aを検出した後、室内11の環境に見合った吸引送風機13の回転数を内部で判定し、切替信号xにて空気清浄機の吸引送風機の回転数を制御する。
【0019】
また、制御手段21において、外部換気装置20の専用電源の作動の入・切を内部で判定し、切替信号yを換気装置へ出力し、切替信号yが「入」の場合、換気装置を作動させている。一方、切替信号yが「切」の場合、換気装置を停止させている。
【0020】
このとき、合わせて、図2に示すように、第1の汚れ度検出手段16及び第2の汚れ度検出手段22により室内11の汚れ空気12の汚れ度の検出と、集塵・脱臭手段15を通過した空気の汚れ度の検出を行い(S−101)。そして、それらの結果から『現在の空気の清浄能力』と『過去の空気の清浄能力』とを比較考量する(S−102)。次いで、一致していない場合(Yes)には、判定基準値の変更を行う(S−103)。そして、一致している場合(No)には、そのままの判定基準にて浄化を継続する。
【0021】
具体的には、第1の汚れ度検出手段16の検出結果からの汚れ度信号a及び第2の汚れ度検出手段22の検出結果からの汚れ度信号bにより、ある一定期間(例えば5分間)で、ある一定回数(例えば10回)での清浄能力を算出する。そして、この算出結果と、図3に示すように予め制御手段21に内蔵されているメモリ手段に記憶させておいて清浄能力とを比較し、清浄能力の変化があった場合には、その変化分に見合うように吸引送風機13の回転数及び外部換気装置の作動頻度の判定基準となる予め設定されていた基準値を変更し、新たな基準に基づいて空気浄化を行う。
【0022】
ここで、上記清浄能力の算出は以下のように行う。
(第1の汚れ度検出手段16の汚れ度信号a―第2の汚れ度検出手段22の汚れ度信号b)/第1の汚れ度検出手段16の汚れ度信号a×100(%)
これにより、実際の空気清浄機本体17の清浄能力の変化の度合いに応じて空気清浄装置の吸引送風機13の回転数の制御(制御信号x)及び外部換気装置20の作動頻度の制御(制御信号y)を行い、空気清浄化の最適化を図ることができる。
よって、汚染された度合いに応じてしかも空気清浄機の使用環境による劣化に応じて空気の浄化を効率的に行うことができ、室内に居る人の不快感も長くなることがなく、空調効率の最適化を達成することができる。
【0023】
また、室内11の汚れ度の度合いが大きい場合には、図4に示すような制御をさらに追加して浄化を行うようにすればよい。
【0024】
図4に示すように、室内の空気の汚れ度を第1の汚れ度検出手段16により検出する(S−201)。外部換気装置20の作動状況を確認する(S−202)。
外部換気装置20が作動している場合(Yes)には、空気汚れ度が換気装置の停止閾値以下であるか否かを判断する(S−203)。その結果、閾値以下の場合(Yes)には、外部換気装置の作動電源を「切」とし(S−204)、換気を停止させる。一方、閾値以上の場合(No)には、汚染の度合いがひどいので外部換気装置の作動電源を「入」の状態として、換気を継続する。
【0025】
また、換気装置が作動していない場合(No)には、空気汚れ度が換気装置の停止閾値以上であるか否かを判断する(S−205)。その結果、閾値以上の場合(Yes)には、外部換気装置の作動電源を「入」とし、換気を開始させる(S−206)。一方、閾値以下の場合(No)には、汚染の度合いがひどくないので外部換気装置を作動する必要がない。
【0026】
[第2の実施の形態]
次に、上記第1の汚れ度検出手段16にセンサとしてガスセンサと煙センサとを用いた第2の実施の形態について説明する。
図5に示すように、ガスセンサ30からのガス濃度信号Sgと、煙センサ31からの粉塵濃度信号Sdとを各々、m、nなる乗数を乗じたものを加算して、汚れ度信号aを得るようにしている。
【0027】
このとき、0<m、n<1であり、m+n=1を満たすように、m、nを設定することで加重平均となる。この加重平均値が規定値以上となると、吸引送風機13の回転数を上げたり、外部換気装置20を作動させ、規定値以下になると吸引送風機13の回転数を下げたり、外部換気装置20を停止させたりする。
【0028】
これにより、空気の汚れ、とりわけガス濃度と粉塵濃度とのいずれか、或いは双方が高いときに、また一部ガスセンサ特有の湿度の急激な変化による出力変動も軽減した上でガス濃度も検出し、実際の空気清浄装置の清浄能力変化を元に空気清浄装置の清浄能力、換気装置の作動の入・切の何れか又は双方の運転切替の判定値を変化させることができるようになるため、室内に居る人の不快感も長くなることがなく、空調効率の最適化を図ることができる。
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように、第1の発明は、室内の汚れた空気を吸引する吸引送風機と、該汚れた空気を清浄化すると共に脱塵する集塵・脱臭手段と、該集塵・脱臭手段の空気の流れの前段側に設けられ、空気の汚れ度を検出する第1の汚れ度検出手段とを有してなる空気清浄機本体と、外部の空気を室内の空気と交換する外部換気装置と、上記汚れ度の検出結果から吸引送風機及び換気装置の制御を行う制御手段とを有する空気清浄システムにおいて、上記集塵・脱臭手段の後段側に、空気の汚れ度を検出する第2の汚れ度検出手段を有し、第1の汚れ度検出手段と第2の汚れ度検出手段との両方の空気の汚れ度の度合いから吸引送風機の回転数及び外部換気装置の作動頻度を制御するので、実際の空気清浄装置の清浄能力変化を元に空気清浄装置の清浄能力、換気装置の作動頻度の何れか又は双方の運転切替判定値を変化させることができ、室内に居る人の不快感も長くなることがなく、空調効率の最適化を実現することができる。
【0030】
第2の発明は、第1の発明において、上記第1及び第2の集塵・脱臭手段がガスセンサであるので、空気の汚れ、とりわけガス濃度に対する実際の空気清浄装置の清浄能力変化を元に空気清浄装置の清浄能力、換気装置の作動頻度の何れか又は双方の運転切替判定値を変化させることができ、室内に居る人の不快感も長くなることがなく、空調効率の最適化を実現することができる。
【0031】
第3の発明は、第1の発明において、上記第1及び第2の集塵・脱臭手段が煙センサであるので、空気の汚れ、とりわけ粉塵濃度に対する実際の空気清浄装置の清浄能力変化を元に空気清浄装置の清浄能力、換気装置の作動頻度の何れか又は双方の運転切替判定値を変化させることができ、室内に居る人の不快感も長くなることがなく、空調効率の最適化を実現することができる。
【0032】
第4の発明は、第1の発明において、上記第1及び第2の集塵・脱臭手段がガスセンサと煙センサとからなり、それらの加重平均値を用いて集塵・脱臭手段と外部換気装置との作動の切替を行う運転切替判定値を変化させるので、空気の汚れ、とりわけガス濃度と粉塵濃度のいずれか、或いは双方が高いときに、また一部ガスセンサ特有の湿度の急激な変化による出力変動も軽減した上でガス濃度も検出し、実際の空気清浄装置の清浄能力変化を元に空気清浄装置の清浄能力、換気装置の作動の入・切の何れか又は双方の運転切替の判定値を変化させることができるようになるため、室内に居る人の不快感も長くなることがなく、空調効率の最適化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の空気清浄システムの概略図である。
【図2】第1の実施の形態の判断基準のフロー図である。
【図3】汚染度の判定基準値と清浄能力との関係図である。
【図4】第1の実施の形態の他の判断基準のフロー図である。
【図5】第2の実施形態の空気清浄システムの概略図である。
【符号の説明】
11 室内
12 室内空気
13 吸引送風機
14 浄化空気
15 集塵・脱臭手段
16 第1の汚れ度検出手段
17 空気清浄機本体
18 外部
19 外部空気
20 外部換気装置
21 制御手段
22 第2の汚れ度検出手段
Claims (4)
- 室内の汚れた空気を吸引する吸引送風機と、該汚れた空気を清浄化すると共に脱塵する集塵・脱臭手段と、該集塵・脱臭手段の空気の流れの前段側に設けられ、空気の汚れ度を検出する第1の汚れ度検出手段とを有してなる空気清浄機本体と、外部の空気を室内の空気と交換する外部換気装置と、上記汚れ度の検出結果から吸引送風機及び換気装置の制御を行う制御手段とを有する空気清浄システムにおいて、
上記集塵・脱臭手段の後段側に、空気の汚れ度を検出する第2の汚れ度検出手段を有し、第1の汚れ度検出手段と第2の汚れ度検出手段との両方の空気の汚れ度の度合いから吸引送風機の回転数及び外部換気装置の作動頻度を制御することを特徴とする空気清浄システム。 - 請求項1において、
上記第1及び第2の集塵・脱臭手段がガスセンサであることを特徴とする空気清浄システム。 - 請求項1において、
上記第1及び第2の集塵・脱臭手段が煙センサであることを特徴とする空気清浄システム。 - 請求項1において、
上記第1及び第2の集塵・脱臭手段がガスセンサと煙センサとからなり、それらの加重平均値を用いて集塵・脱臭手段と外部換気装置との作動の切替を行う運転切替判定値を変化させることを特徴とする空気清浄システム。
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