JP2004130022A - 口部材及びそれを用いた薬液収容容器 - Google Patents
口部材及びそれを用いた薬液収容容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004130022A JP2004130022A JP2002330111A JP2002330111A JP2004130022A JP 2004130022 A JP2004130022 A JP 2004130022A JP 2002330111 A JP2002330111 A JP 2002330111A JP 2002330111 A JP2002330111 A JP 2002330111A JP 2004130022 A JP2004130022 A JP 2004130022A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- plug
- mouth
- container
- drug solution
- cover member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Packages (AREA)
- Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)
Abstract
【課題】ゴム栓などの栓体を刺通することによって、注入排出し得ることができ、さらに開口部に注入排出用チューブ等を挿入可能することも、コネクタなどによって固定的に接続することも可能でありながら、コンパクトで、従来の製造設備を大きく変更することなしに適用可能な薬液収容容器用口部材、およびその口部材を用いた薬液収容容器の提供。
【解決手段】薬液収容容器1に収納された薬液を排出時に用いる口部材3であって、上記薬液を導出させるための通路4aを有する筒状部材4と、上記筒状部材4の開口部を液密に閉塞し、注射針などにて刺通可能なゴムなどからなる栓体5と、上記筒状部材4の外側に配置され、上記栓体5を保持するとともに、上記筒状部材4に固着されて一体化されたカバー部材6とからなり、上記カバー部材6を捩り操作することによって、予めカバー部材6に設けられた脆弱部よりカバー部材の少なくとも一部を切除することによって、上記栓体5を上記筒状部材4の開口部から排除可能とした。
【選択図】 図1
【解決手段】薬液収容容器1に収納された薬液を排出時に用いる口部材3であって、上記薬液を導出させるための通路4aを有する筒状部材4と、上記筒状部材4の開口部を液密に閉塞し、注射針などにて刺通可能なゴムなどからなる栓体5と、上記筒状部材4の外側に配置され、上記栓体5を保持するとともに、上記筒状部材4に固着されて一体化されたカバー部材6とからなり、上記カバー部材6を捩り操作することによって、予めカバー部材6に設けられた脆弱部よりカバー部材の少なくとも一部を切除することによって、上記栓体5を上記筒状部材4の開口部から排除可能とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤を溶かしたその溶液、薬剤を溶解する溶解液などの薬液を収容し、保存、あるいは点滴などに用いることができる輸液バック、輸液ボトル等に設けられる薬液排出用口部材および上記口部材を備えた薬液収容容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薬液収容容器としては、ガラス製バイアル、プラスチック製バイアル、プラスチック製ボトル、プラスチック製バック等が知られている。
点滴や静脈注射等に用いられる薬液収納容器は、一般に、ゴム栓等によって封止された、注入排出用の口部を備えた薬液収納容器が使用される。
上記薬液収容容器においては、注射器の注射針や点滴用排出具、例えば輸液チューブの一端に取り付けられた瓶針(以下、中空針という)を、上記ゴム栓に刺通して、収容された薬液を注射器や輸液チューブ内へ排出させている。
【0003】
また、特に粘性の高い薬液を用いる場合などにおいては、口径の細い中空針を用いることが困難なので、口径の大きな注射器の口部や輸液チューブの先端を直接薬液収容容器の内部、すなわち容体部に差し込んで使用する薬液収容容器、また、輸液ポンプなどを用いて流量を調整しながら、あるいは一気に薬液を投与する機器にセットして使用する薬液収容容器は、通常、十分な流量を確保するために、キャップなどで封止された、比較的広い開口部を備えた薬液収容容器が使用される。
上記薬液収容容器においては、中空針を接続しない注射器の口部や機器に接続された注入排出用チューブを容体部に直接差し込むか、上記注入排出用チューブ等を開口部に設けたコネクタに接続するなどして、収容された薬液を注射器や輸液チューブ内へ排出させている。
つまり、薬液を排出させる方法に従って、専用の口部材を備えた薬液収容容器を使用している。
【0004】
ところで、造影剤など、多数の薬液は、注射器などで使用することも、機器などにセットして使用することも可能であり、それぞれ専用の口部材を備えた薬液収容容器を用意する必要がないように、一種類の容器で両方の排出方法に対応できるように考案されたものとして、例えば、特開2002−78775号公報などがある。
上記従来技術に開示された口部材は、(i)スリットまたは細孔を有する弾性体によって封止された刺通部と、(ii)スリットもしくは細孔を有する弾性体、または薄膜によって内部が封止された筒状突部と、の2種の注入/排出部を併設することとしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴム栓等の弾性体によって封止された刺通部と、コネクタ機能を有し薄膜などで内部が封止された筒上突部等の2種の注入/排出部が併設された薬液収納容器では、実際に使用する際には、各々の操作時に他方の注入/排出部が邪魔となって操作性が悪く、よって、操作ミスを生じ易いため、あまり2種の注入/排出部間を狭くすることができないので、コンパクト性に欠けるものであった。さらに、2種の注入/排出部の併設により、一定以上の幅を必要とするため、薬液を収納する容体部も幅の広いものとせざるを得ないので、デザインに自由度がなく、また、一方の注入/排出部を使用した場合、他方の注入/排出部内に薬液が残りやすいものであった。
また、従来の1つの注入/排出部を有する薬液収納容器の設備を流用することが難しく、よって、コスト高となるなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ゴム栓などの栓体を刺通することによって、注入排出し得ることができ、さらに開口部に注入排出用チューブ等を挿入可能することも、コネクタなどによって固定的に接続することも可能でありながら、コンパクトで、従来の製造設備を大きく変更することなしに適用可能な薬液収容容器用口部材、および、その口部材を用いた薬液収容容器の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、薬液収容容器に収容された薬液を注入排出するための口部材であって、上記薬液を導出させるための通路を有する筒状部材を有し、この筒状部材の先端部には、注射針などにて刺通可能な栓体を備え、用時に、上記栓体を取り外し可能に設けたこととしたものである。
さらに、請求項2記載の発明は、薬液収容容器に収納された薬液を排出時に用いる口部材であって、上記薬液を導出させるための通路を有する筒状部材と、上記筒状部材の開口部を液密に閉塞し、注射針などにて刺通可能なゴムなどからなる栓体と、上記筒状部材の外側に配置され、上記栓体を保持するとともに、上記筒状部材に固着されて一体化されたカバー部材とからなり、上記カバー部材を捩り操作することによって、予めカバー部材に設けられた脆弱部よりカバー部材の少なくとも一部を切除することによって、上記栓体を上記筒状部材の開口部から排除可能としたこととしたものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明に加えて、上記筒状部材の先端部には、ルアーコネクタを備えた注射器や点滴用排出具等を係止可能な突条部を設けたこととしたものである。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明の構成に加えて、上記カバー部材は、上記栓体に設けられた刺通可能位置に相当する部位に通孔を有していることとしたものである。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明の構成を有する口部材を備えた薬液収納容器としたものである。
【0009】
薬液収容容器の口部材は、容体部に収容された薬液を用時に注入または排出するために設けられるものであり、同時に、収容された薬液の無菌性を保ったまま封止しておく機能を有するものである。
本発明に係る薬液収容容器の口部材は、注射器や輸液チューブなどの中空針で刺通可能な栓体を筒状部材の先端部に備えることで、容体部内部の薬液を外界から隔離して封止することとしたものであり、かつ、この栓体はカバー部材によって筒状部材の開口部に密着して閉塞するように保持されている。
従って、中空針を有する注射器や輸液チューブなどを用いて栓体を刺通し、薬液を排出させる場合には、上記カバー部材を排除することなく使用することができ、他方、注入排出用チューブ等を容体部に挿入して薬液を排出させる場合には、上記カバー部材と栓体を取り払うことによって、容易に開口部を設けることができるので、注入排出用チューブ等の先端部に穿刺用具を備える必要がない。
本発明に係る薬液収容容器の口部材は、上記構成とすることによって、上記両方の使用方法を1つの口部材で実現可能であるから、従来の1ポート(口部)タイプの薬液収納容器と同様の手法で容体部に設けることができるのである。
【0010】
さらに、機器に接続される注入排出用チューブや注射器を確実に薬剤容器などに固定する手段として、ルアーロック型係止部(以下、ルアーコネクタと呼ぶ)を備えたものが普及していることから、本発明に係る薬液収容容器の口部材の先端部にルアーコネクタ用の突部を設けることが好ましい。
本発明においては、ルアーコネクタの周囲にコネクタ操作する際に邪魔になる部材が存在しないので、容易に接続操作ができる。
また、上記栓体を保持しているカバー部材に脆弱部を設け、このカバー部材を捩り操作することによって、上記脆弱部から切除可能とすることによって、カバー部材を任意の部位で切除し、栓体を排除することによって、広い開口部を設けることを可能としている。よって、上記カバー部材は、栓体が容易にはずれることを防止するとともに、カバー部材を備えることによって衛生性も維持しやすい。
さらに、上記カバー部材には、上記栓体のための刺通用開口部又は刺通用薄膜部を設けたので、カバー部材の存在が刺通を阻害することがない。
【0011】
なお、本発明における薬液は、薬剤を溶解した溶液、薬剤を溶解する溶解液など医療用液体であればよく、上記説明に限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る薬液収容容器用口部材を備えた薬液収容容器の一実施例を示す部分断面図であり、図2は図1に示す口部材の分解構成図である。
図において、1は薬液収容容器であり、2は、図示せぬ薬液を収容した可撓性樹脂からなる容体部であり、3は、この容体部2に収容された薬液を注入または排出するための口部材である。
この口部材3は、容体部2の内部に連通する連通路4aを備える筒状部材4と、この筒状部材4の上端部に溶着接合され上方に延びる筒状突部4bと、この筒状突部4bの外周にかぶせて配置されるゴムからなる栓体5と、この栓体5の上方からこの栓体5を覆うように配設され、この栓体5を上記筒状突部4bに挟持しつつ溶着されているカバー部材6とから構成されている。
【0013】
上記カバー部材は、把持部6aを有し、この把持部6aを捩り操作することによって、脆弱部6bから切除することを可能としている。また、このカバー部材6には、栓体5の刺通のための刺通用開口部6cが設けられており、この部位から注射器などの中空針を刺通する。さらに、上記刺通用開口部6cは、栓体5に設けられた係止部5aと係合するように上方へ拡径するテーパー形状とされており、用時においてカバー部材6を捩じ切り操作して切除する際に、このカバー部材6に係合された栓体5も栓体自体に触れることなしに、排除することができる。
また、筒状突部4bは、その外周にルアーコネクタのための突条部4cを有しており、カバー部材6、栓体5を排除した際に、露出する構成としている。
ルアーコネクタを使用して接続する際にも、直接接続する部位である、筒状突部4b、突条部4cが栓体5の内側に収納されているため、外気に触れづらいのでより衛生的である。
【0014】
上記実施例においては、筒状部材4と筒状突部4bを別部材として成形し、溶着組立てしたが、一体に形成しても良いことはもちろんである。
また、本実施例においては、栓体5を容易に刺通可能なように、刺通背面側に凹部を設けているが、その他、栓体5にスリットなどの中空針の刺通を容易にする構成を適用しても良い。その場合、カバー部材6が栓体5を外方から適度な緊迫力を付加することによって、スリットの開口力を調整することも可能である。また、刺通用通孔とせず、刺通用薄膜部を有した構成とする方が衛生上好ましいが、中空針によるコアリングが生じることがあり、注意が必要であるので、単に通孔としても良い。
なお、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、本発明の範囲で、その構成を変えることができることはもちろんである。
【0015】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の薬液収容容器用口部材およびそれを用いた薬液収容容器によれば、簡単な構成の1種の薬液収容容器によって、複数の注入排出方法を提供できるので、注入排出方法毎に薬液収容容器を用意する必要が無い。
また、1つの口部材にて、中空針を使用した注入排出方法でも、広く開口させて注入排出チューブ差し込む注入排出方法でも使用できるので、複数の口部を併設した場合に比べてコンパクトにすることが可能であるうえ、刺通操作や捩り操作、ルアーコネクタ接続時の回転操作などにおいて邪魔な突起物などがないので操作ミスなどを起こしづらい。
また、形態的にも1つの口部材で済むので、従来普及している溶着方法にて、容体部に口部材を形成でき、従来の製造設備をほとんどそのまま使用できるので、コスト的にも好適であるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る薬液収容容器用口部材を備えた薬液収容容器の部分断面図である。
【図2】図2は図1に示す口部材の分解構成図である。
【符号の説明】
1・・・薬液収容容器
2・・・容体部
3・・・口部材
4・・・筒状部材
5・・・栓体
6・・・カバー部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、薬剤を溶かしたその溶液、薬剤を溶解する溶解液などの薬液を収容し、保存、あるいは点滴などに用いることができる輸液バック、輸液ボトル等に設けられる薬液排出用口部材および上記口部材を備えた薬液収容容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薬液収容容器としては、ガラス製バイアル、プラスチック製バイアル、プラスチック製ボトル、プラスチック製バック等が知られている。
点滴や静脈注射等に用いられる薬液収納容器は、一般に、ゴム栓等によって封止された、注入排出用の口部を備えた薬液収納容器が使用される。
上記薬液収容容器においては、注射器の注射針や点滴用排出具、例えば輸液チューブの一端に取り付けられた瓶針(以下、中空針という)を、上記ゴム栓に刺通して、収容された薬液を注射器や輸液チューブ内へ排出させている。
【0003】
また、特に粘性の高い薬液を用いる場合などにおいては、口径の細い中空針を用いることが困難なので、口径の大きな注射器の口部や輸液チューブの先端を直接薬液収容容器の内部、すなわち容体部に差し込んで使用する薬液収容容器、また、輸液ポンプなどを用いて流量を調整しながら、あるいは一気に薬液を投与する機器にセットして使用する薬液収容容器は、通常、十分な流量を確保するために、キャップなどで封止された、比較的広い開口部を備えた薬液収容容器が使用される。
上記薬液収容容器においては、中空針を接続しない注射器の口部や機器に接続された注入排出用チューブを容体部に直接差し込むか、上記注入排出用チューブ等を開口部に設けたコネクタに接続するなどして、収容された薬液を注射器や輸液チューブ内へ排出させている。
つまり、薬液を排出させる方法に従って、専用の口部材を備えた薬液収容容器を使用している。
【0004】
ところで、造影剤など、多数の薬液は、注射器などで使用することも、機器などにセットして使用することも可能であり、それぞれ専用の口部材を備えた薬液収容容器を用意する必要がないように、一種類の容器で両方の排出方法に対応できるように考案されたものとして、例えば、特開2002−78775号公報などがある。
上記従来技術に開示された口部材は、(i)スリットまたは細孔を有する弾性体によって封止された刺通部と、(ii)スリットもしくは細孔を有する弾性体、または薄膜によって内部が封止された筒状突部と、の2種の注入/排出部を併設することとしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ゴム栓等の弾性体によって封止された刺通部と、コネクタ機能を有し薄膜などで内部が封止された筒上突部等の2種の注入/排出部が併設された薬液収納容器では、実際に使用する際には、各々の操作時に他方の注入/排出部が邪魔となって操作性が悪く、よって、操作ミスを生じ易いため、あまり2種の注入/排出部間を狭くすることができないので、コンパクト性に欠けるものであった。さらに、2種の注入/排出部の併設により、一定以上の幅を必要とするため、薬液を収納する容体部も幅の広いものとせざるを得ないので、デザインに自由度がなく、また、一方の注入/排出部を使用した場合、他方の注入/排出部内に薬液が残りやすいものであった。
また、従来の1つの注入/排出部を有する薬液収納容器の設備を流用することが難しく、よって、コスト高となるなどの問題があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ゴム栓などの栓体を刺通することによって、注入排出し得ることができ、さらに開口部に注入排出用チューブ等を挿入可能することも、コネクタなどによって固定的に接続することも可能でありながら、コンパクトで、従来の製造設備を大きく変更することなしに適用可能な薬液収容容器用口部材、および、その口部材を用いた薬液収容容器の提供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、薬液収容容器に収容された薬液を注入排出するための口部材であって、上記薬液を導出させるための通路を有する筒状部材を有し、この筒状部材の先端部には、注射針などにて刺通可能な栓体を備え、用時に、上記栓体を取り外し可能に設けたこととしたものである。
さらに、請求項2記載の発明は、薬液収容容器に収納された薬液を排出時に用いる口部材であって、上記薬液を導出させるための通路を有する筒状部材と、上記筒状部材の開口部を液密に閉塞し、注射針などにて刺通可能なゴムなどからなる栓体と、上記筒状部材の外側に配置され、上記栓体を保持するとともに、上記筒状部材に固着されて一体化されたカバー部材とからなり、上記カバー部材を捩り操作することによって、予めカバー部材に設けられた脆弱部よりカバー部材の少なくとも一部を切除することによって、上記栓体を上記筒状部材の開口部から排除可能としたこととしたものである。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明に加えて、上記筒状部材の先端部には、ルアーコネクタを備えた注射器や点滴用排出具等を係止可能な突条部を設けたこととしたものである。
さらに、請求項4記載の発明は、請求項2又は3記載の発明の構成に加えて、上記カバー部材は、上記栓体に設けられた刺通可能位置に相当する部位に通孔を有していることとしたものである。
さらに、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4記載の発明の構成を有する口部材を備えた薬液収納容器としたものである。
【0009】
薬液収容容器の口部材は、容体部に収容された薬液を用時に注入または排出するために設けられるものであり、同時に、収容された薬液の無菌性を保ったまま封止しておく機能を有するものである。
本発明に係る薬液収容容器の口部材は、注射器や輸液チューブなどの中空針で刺通可能な栓体を筒状部材の先端部に備えることで、容体部内部の薬液を外界から隔離して封止することとしたものであり、かつ、この栓体はカバー部材によって筒状部材の開口部に密着して閉塞するように保持されている。
従って、中空針を有する注射器や輸液チューブなどを用いて栓体を刺通し、薬液を排出させる場合には、上記カバー部材を排除することなく使用することができ、他方、注入排出用チューブ等を容体部に挿入して薬液を排出させる場合には、上記カバー部材と栓体を取り払うことによって、容易に開口部を設けることができるので、注入排出用チューブ等の先端部に穿刺用具を備える必要がない。
本発明に係る薬液収容容器の口部材は、上記構成とすることによって、上記両方の使用方法を1つの口部材で実現可能であるから、従来の1ポート(口部)タイプの薬液収納容器と同様の手法で容体部に設けることができるのである。
【0010】
さらに、機器に接続される注入排出用チューブや注射器を確実に薬剤容器などに固定する手段として、ルアーロック型係止部(以下、ルアーコネクタと呼ぶ)を備えたものが普及していることから、本発明に係る薬液収容容器の口部材の先端部にルアーコネクタ用の突部を設けることが好ましい。
本発明においては、ルアーコネクタの周囲にコネクタ操作する際に邪魔になる部材が存在しないので、容易に接続操作ができる。
また、上記栓体を保持しているカバー部材に脆弱部を設け、このカバー部材を捩り操作することによって、上記脆弱部から切除可能とすることによって、カバー部材を任意の部位で切除し、栓体を排除することによって、広い開口部を設けることを可能としている。よって、上記カバー部材は、栓体が容易にはずれることを防止するとともに、カバー部材を備えることによって衛生性も維持しやすい。
さらに、上記カバー部材には、上記栓体のための刺通用開口部又は刺通用薄膜部を設けたので、カバー部材の存在が刺通を阻害することがない。
【0011】
なお、本発明における薬液は、薬剤を溶解した溶液、薬剤を溶解する溶解液など医療用液体であればよく、上記説明に限定するものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る薬液収容容器用口部材を備えた薬液収容容器の一実施例を示す部分断面図であり、図2は図1に示す口部材の分解構成図である。
図において、1は薬液収容容器であり、2は、図示せぬ薬液を収容した可撓性樹脂からなる容体部であり、3は、この容体部2に収容された薬液を注入または排出するための口部材である。
この口部材3は、容体部2の内部に連通する連通路4aを備える筒状部材4と、この筒状部材4の上端部に溶着接合され上方に延びる筒状突部4bと、この筒状突部4bの外周にかぶせて配置されるゴムからなる栓体5と、この栓体5の上方からこの栓体5を覆うように配設され、この栓体5を上記筒状突部4bに挟持しつつ溶着されているカバー部材6とから構成されている。
【0013】
上記カバー部材は、把持部6aを有し、この把持部6aを捩り操作することによって、脆弱部6bから切除することを可能としている。また、このカバー部材6には、栓体5の刺通のための刺通用開口部6cが設けられており、この部位から注射器などの中空針を刺通する。さらに、上記刺通用開口部6cは、栓体5に設けられた係止部5aと係合するように上方へ拡径するテーパー形状とされており、用時においてカバー部材6を捩じ切り操作して切除する際に、このカバー部材6に係合された栓体5も栓体自体に触れることなしに、排除することができる。
また、筒状突部4bは、その外周にルアーコネクタのための突条部4cを有しており、カバー部材6、栓体5を排除した際に、露出する構成としている。
ルアーコネクタを使用して接続する際にも、直接接続する部位である、筒状突部4b、突条部4cが栓体5の内側に収納されているため、外気に触れづらいのでより衛生的である。
【0014】
上記実施例においては、筒状部材4と筒状突部4bを別部材として成形し、溶着組立てしたが、一体に形成しても良いことはもちろんである。
また、本実施例においては、栓体5を容易に刺通可能なように、刺通背面側に凹部を設けているが、その他、栓体5にスリットなどの中空針の刺通を容易にする構成を適用しても良い。その場合、カバー部材6が栓体5を外方から適度な緊迫力を付加することによって、スリットの開口力を調整することも可能である。また、刺通用通孔とせず、刺通用薄膜部を有した構成とする方が衛生上好ましいが、中空針によるコアリングが生じることがあり、注意が必要であるので、単に通孔としても良い。
なお、本発明は、上記実施例に限定されることはなく、本発明の範囲で、その構成を変えることができることはもちろんである。
【0015】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した通り、本発明の薬液収容容器用口部材およびそれを用いた薬液収容容器によれば、簡単な構成の1種の薬液収容容器によって、複数の注入排出方法を提供できるので、注入排出方法毎に薬液収容容器を用意する必要が無い。
また、1つの口部材にて、中空針を使用した注入排出方法でも、広く開口させて注入排出チューブ差し込む注入排出方法でも使用できるので、複数の口部を併設した場合に比べてコンパクトにすることが可能であるうえ、刺通操作や捩り操作、ルアーコネクタ接続時の回転操作などにおいて邪魔な突起物などがないので操作ミスなどを起こしづらい。
また、形態的にも1つの口部材で済むので、従来普及している溶着方法にて、容体部に口部材を形成でき、従来の製造設備をほとんどそのまま使用できるので、コスト的にも好適であるなどの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明に係る薬液収容容器用口部材を備えた薬液収容容器の部分断面図である。
【図2】図2は図1に示す口部材の分解構成図である。
【符号の説明】
1・・・薬液収容容器
2・・・容体部
3・・・口部材
4・・・筒状部材
5・・・栓体
6・・・カバー部材
Claims (5)
- 薬液収容容器に収容された薬液を注入排出するための口部材であって、
上記薬液を導出させるための通路を有する筒状部材を有し、この筒状部材の先端部には、注射針などにて刺通可能な栓体を備え、用時に、上記栓体を取り外し可能に設けたことを特徴とする薬液収容容器用口部材。 - 薬液収容容器に収納された薬液を排出時に用いる口部材であって、
上記薬液を導出させるための通路を有する筒状部材と、
上記筒状部材の開口部を液密に閉塞し、注射針などにて刺通可能なゴムなどからなる栓体と、
上記筒状部材の外側に配置され、上記栓体を保持するとともに、上記筒状部材に固着されて一体化されたカバー部材とからなり、
上記カバー部材を捩り操作することによって、予めカバー部材に設けられた脆弱部よりカバー部材の少なくとも一部を切除することによって、上記栓体を上記筒状部材の開口部から排除可能としたことを特徴とする薬液収容容器用口部材。 - 上記筒状部材の先端部には、ルアーコネクタを備えた注射器や点滴用排出具等を係止可能な突条部を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の薬液収容容器用口部材。
- 上記カバー部材は、上記栓体に設けられた刺通可能位置に相当する部位に通孔を有していることを特徴とする請求項2又は3記載の薬液収容容器用口部材。
- 請求項1乃至4記載の口部材を備えたことを特徴とする薬液収容容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002330111A JP2004130022A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 口部材及びそれを用いた薬液収容容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002330111A JP2004130022A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 口部材及びそれを用いた薬液収容容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004130022A true JP2004130022A (ja) | 2004-04-30 |
Family
ID=32290079
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002330111A Pending JP2004130022A (ja) | 2002-10-08 | 2002-10-08 | 口部材及びそれを用いた薬液収容容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004130022A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013172449A1 (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-21 | 味の素株式会社 | 針付き接続部材、薬剤溶解キット |
-
2002
- 2002-10-08 JP JP2002330111A patent/JP2004130022A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013172449A1 (ja) * | 2012-05-17 | 2013-11-21 | 味の素株式会社 | 針付き接続部材、薬剤溶解キット |
CN104271104A (zh) * | 2012-05-17 | 2015-01-07 | 味之素株式会社 | 带针的连接部件、药剂溶解套件 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2012361689B2 (en) | Exposure prevention cover, exposure prevention cover module provided with same, drug solution supply system, and drug solution supply method | |
US5308347A (en) | Transfusion device | |
US8876790B2 (en) | Connector for containers containing a medicinal active substance | |
JPH05212090A (ja) | 輸液容器 | |
JPH0236261B2 (ja) | ||
JPH0852196A (ja) | 薬剤連結口を有する輸液容器 | |
JP3820889B2 (ja) | 輸液容器 | |
JP3475414B2 (ja) | 混注用アダプター | |
JP2000070336A (ja) | 薬液収容容器とそれを使用した薬液注入セット | |
JP4793558B2 (ja) | 複室収納容器 | |
JP4004106B2 (ja) | 薬液注入器具 | |
JP2004130022A (ja) | 口部材及びそれを用いた薬液収容容器 | |
JP4552271B2 (ja) | 液体移注用具 | |
WO2002005877A1 (fr) | Dispositif de remplissage de liquide | |
JP3840774B2 (ja) | 用時調製型薬液容器 | |
JPH07171192A (ja) | 輸液容器 | |
JP3142770B2 (ja) | 薬剤溶解キット及び薬剤溶解・注入システム | |
JPH04221567A (ja) | 医療用容器 | |
JP2000288068A (ja) | 液体容器 | |
JPH0759865A (ja) | 注入容器 | |
JPH07112015A (ja) | 液体連通チューブ | |
JPH09206357A (ja) | 薬液移送器具および薬液移送システム | |
JP3467758B2 (ja) | 蛋白製剤溶解用薬液移注具 | |
KR20240004272A (ko) | 밸브, 밸브를 제조하는 방법, 이러한 밸브를 포함하는 유체 용기용 캡, 이러한 캡을 포함하는 유체 용기, 및 이러한 캡을 제조하는 방법 | |
JP2000126274A (ja) | 薬剤混合システムおよび薬剤収納容器 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050721 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080930 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090217 |