JP2004129389A - インホイールモータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブレーキ装置の設置による車幅方向の寸法増加を抑制した上で、ブレーキ装置へのオイルの影響を排除して常に確実な制動力が得られるインホイールモータを提供する。
【解決手段】ロータハブ6の左側面にブレーキ収容部8を開口形成して、内部にドラムブレーキ20を収容するとともに、ブレーキ収容部8をロータカバー9により閉鎖してOリング18により油密を保持する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のホイール内に配置されて駆動輪を回転駆動するインホイールモータに係り、特にブレーキ構造に関するものである。
【0002】
【関連する背景技術】
車両のホイール内に配置されて駆動輪を直接駆動するインホイールモータは、車体側の省スペース化、変速機や差動ギアの省略、更に独立懸架のときにはドライブシャフトの省略などの各種利点が得られることから、フォークリフト、ゴルフカートなどの比較的小型の車両を中心として広く実施されている。
【0003】
この種のインホイールモータを備えた車両でも、一般的な車両と同様にブレーキ装置が備えられる場合があり、この場合のブレーキ装置はインホイールモータに対して一体的に組付けられる(例えば、特許文献1参照)。即ち、当該インホイールモータでは、ロータ軸の先端にホイールハブを連結して駆動輪を固定するとともに、このホイールハブの箇所に油圧式のドラム式ブレーキを設けている。
【0004】
しかしながら、上記したブレーキ構造では、ドラムブレーキの相当分だけインホイールモータの車幅方向(左右方向)の寸法が増加してしまうため、サスペンションアーム長が制限されてサスペンション機構が制約される上に、車室内空間が減少してしまうという問題があった。
そこで、モータ内のデッドスペースを利用して、ドラムブレーキを配置したインホイールモータが提案されている(例えば、特許文献2参照)。即ち、当該インホイールモータでは、ロータの内周側に形成されたデッドスペースにドラムブレーキを設けるとともに、ロータの内周面にブレーキシューを摺接させて制動力を得るように構成されている。
【0005】
【特許文献1】
特許第2711726号明細書(図1)
【特許文献2】
特開平5−278476号公報(段落番号0012,0013、図1(a),(b))
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のインホイールモータでは、ステータの冷却、或いはロータの回転を減速する減速機構の潤滑などを目的として、ハウジング内にオイルを貯留する場合がある。しかしながら、上記特許文献2に記載されたインホイールモータでは、オイルの貯留を想定していないため、ロータや減速機構のギアの回転により飛散したオイルがドラムブレーキに付着することが避けられず、摩擦係数の低下により本来の制動力が得られないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、ブレーキ装置の設置による車幅方向の寸法増加を抑制した上で、ブレーキ装置へのオイルの影響を排除して常に確実な制動力を得ることができるインホイールモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、オイルが貯留されたハウジング内に環状のステータを配設し、ステータの内周側に環状のロータコアを配設するとともに、ロータコアをロータハブを介してロータ軸により回転可能に支持し、ロータ軸を車両の駆動輪と連結してなるインホイールモータにおいて、ロータハブの一側面に開口形成されたブレーキ収容部と、ブレーキ収容部内に収容されて、ロータ軸に対して制動力を付与可能なブレーキ装置と、ブレーキ収容部を閉鎖するようにロータハブに着脱可能に固定されたロータカバーと、ロータハブとロータカバーとの間の油密を保持するシール部材とを備えたものである。
【0009】
従って、ブレーキ収容部はロータハブの一側面に開口形成されて、ロータの内周側のデッドスペースに位置し、このロータ収容部内にブレーキ装置が収容されるため、インホイールモータの車幅方向の寸法増加が抑制される。
また、ブレーキ収容部はロータカバーにより閉鎖されて、シール部材により油密を保持されるため、ハウジング内のオイルのブレーキ収容部内への侵入が防止され、オイルの付着によりブレーキ装置の制動力が低下する事態が未然に防止される。
【0010】
請求項2の発明は、オイルが貯留されたハウジング内に環状のステータを配設し、ステータの内周側に環状のロータコアを配設するとともに、ロータコアをロータハブを介してロータ軸により回転可能に支持し、ロータ軸を車両の駆動輪と連結してなるインホイールモータにおいて、ロータハブの一側面に開口形成された凹部と、ロータハブの凹部の形状に倣って、ハウジングに凹設されたブレーキ収容部と、ブレーキ収容部内に収容されて、ロータ軸に対して制動力を付与可能なブレーキ装置とを備えたものである。
【0011】
従って、ブレーキ収容部はロータハブの凹部形状に倣ってハウジングを凹設して形成されることから、結果としてロータの内周側のデッドスペースに位置することになり、このブレーキ収容部内にブレーキ装置が収容されるため、インホイールモータの車幅方向の寸法増加が抑制される。
また、ブレーキ収容部がハウジング外に形成されるため、当然ながら、ハウジング内のオイルがブレーキ収容部内のブレーキ装置に付着する可能性はなく、オイルの付着によりブレーキ装置の制動力が低下する事態が未然に防止される。
【0012】
加えて、ブレーキ収容部は大気に開放された状態にあるため、制動時にブレーキ装置が発生した熱は、ハウジング内のオイルに放散されることなく、直接大気中に放散される。その結果、ブレーキ装置の熱によるオイルの劣化促進や油温上昇に伴うステータの冷却不足を回避可能となる。
請求項3の発明は、請求項2において、凹部がロータハブの車体側の側面に開口形成されるとともに、凹部の形状に倣ってハウジングの車体側に凹設されたブレーキ収容部内にブレーキ装置を収容したものである。
【0013】
従って、ハウジングの車体側にブレーキ収容部が凹設されてブレーキ装置が収容されるため、トルク増大を目的としてロータ軸の出力側、つまりタイヤ側に減速機構を自由に設置可能となり、インホイールモータの設計上の自由度が拡大される。
【0014】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明をドラムブレーキを備えたインホイールモータに具体化した第1実施形態を説明する。
本実施形態のインホイールモータは、電気自動車の左右の後輪にそれぞれ設けられており、運転者のアクセル操作に応じてコントローラにより駆動制御されて、各後輪を個別に回転駆動する。
【0015】
図1は第1実施形態の左後輪に設けられたインホイールモータを後方から見た断面図であり、図において右方が車体側に、左方がタイヤ側に相当する。インホイールモータ1のハウジングは車体側ハウジング2aとタイヤ側ハウジング2bとから構成され、両ハウジング2a,2bは左右より結合されて図示しないボルトにより固定されている。図示はしないが、車体側ハウジング2aの右側面には車体側からのストラットの下端およびロアアームの外端が連結され、これらのストラットおよびロアアームを介して車体に対してインホイールモータ1全体が支持されている。
【0016】
車体側ハウジング2aには左方に向けて軸受突部3が突設される一方、タイヤ側ハウジングには軸受突部3と同軸上に軸受孔4が貫設されている。ハウジング2a,2b内において、軸受突部3にはベアリング5を介してロータハブ6が支持され、ロータハブ6の外周には永久磁石からなる多数のロータコア7が固定されている。ロータハブ6は左方に開口する有底円筒状をなして内部をブレーキ収容部8とし、ロータハブ6の開口部には、ブレーキ収容部8を閉鎖するように円板状のロータカバー9が図示しないボルトにより着脱可能に固定されている。
【0017】
ハウジング2a,2bの内周には、ロータコア7の外周側に位置するように環状のステータ10が固定されている。詳細な説明は省略するが、ステータ10は、多数枚の電磁鋼板を積層して環状のステータコアを形成し、このステータコア上にステータコイルを巻回した多数のボビンを列設して構成されている。図示はしないが、各ステータコイルはU,V,Wの各相毎に電気的に集約された上で車体側のコントローラに接続されている。
【0018】
ロータカバー9の中心には圧入孔9aが貫設され、この圧入孔9a内にはロータ軸11の基端が圧入固定されている。ロータ軸11の中間部はタイヤ側ハウジング2bの軸受孔4内に挿入されてベアリング12を介して支持される一方、ベアリング12に併設されたオイルシール13によりハウジング2a,2b内の油密が保持されている。
【0019】
これらのロータハブ6、ロータコア7、ロータカバー9、ロータ軸11によりロータ14が構成され、ロータ14全体がロータ軸11を中心として上記ベアリング5,12によりハウジング2a,2b内で回転可能に支持されている。ロータ軸11の先端はハウジング2a,2b内より左方に突出してナット15によりホイールハブ16が固定され、ホイールハブ16には駆動輪のホイール17が図示しないナットにより固定されている。
【0020】
一方、ハウジング2a,2b内には1/3程度の高さまでオイルが貯留され、ロータ14の回転によりオイルが飛散してステータ10の冷却作用を奏する。上記ロータハブ6の開口部には全周に亘ってOリング18(シール部材)が埋設され、このOリング18上に上記ロータカバー9の周囲が当接して、ロータハブ6とロータカバー9との間の油密が保持されている。また、上記軸受突部3のベアリング5にはオイルシール19が併設され、ベアリング箇所の油密が保持されている。結果としてブレーキ収容部8内が外部、つまりハウジング2a,2b内に対して油密保持されることになり、ハウジング2a,2b内に貯留されたオイルのブレーキ収容部8内への侵入が防止されている。
【0021】
上記ロータハブ6のブレーキ収容部8内には油圧式のドラムブレーキ20(ブレーキ装置)が収容され、当該ドラムブレーキ20のバックプレート21は、ブレーキ収容部8内に突出した上記軸受突部3の先端に固定されている。図2はドラムブレーキ20の構成を示す図1のII−II線断面図であり、バックプレート21上(左側面)にはドラムブレーキ20の一対のブレーキシュー22が下端を軸着され、両ブレーキシュー22はロータハブ6の内周面と対応している。
【0022】
両ブレーキシュー22の上端の間にはホイールシリンダ23が配設され、ホイールシリンダ23は、バックプレート21に形成された第1油路24、軸受突部3に形成された第2油路25、および図示しないブレーキホースを介して車体側のマスタシリンダと接続されている。したがって、運転者によりブレーキ操作が行われると、マスタシリンダからの作動油がブレーキホース、第2油路25、第1油路24を経てホイールシリンダ23に供給され、その油圧によりホイールシリンダ23は両ブレーキシュー22を拡開方向に付勢し、外周側で回転するロータハブ6の内周面に摺接させて制動力を発生する。
【0023】
なお、ドラムブレーキ20の調整や修理はロータカバー9を取外して実施され、まず、ロータ軸11からホイールハブ16を取外し、次いで、車体側ハウジング2aとタイヤ側ハウジング2bとを分離し、さらにロータカバー9を取外してブレーキ収容部8内を開放した上で、所望の作業を実施する。
本実施形態のインホイールモータ1は以上のように構成されており、コントローラによりロータ14の回転角度に対応してステータ10のステータコイルが順次通電されると、ステータコアに発生した磁界によりロータ14に回転力が付与され、ロータ14とともに駆動輪が回転駆動されて車両の走行が行われる。コントローラは運転者のアクセル操作量に基づいてステータコイルに通電する電力を調整し、これによりアクセル操作に応じた走行を実現する。また、車両の減速時には、駆動輪から逆の伝達経路を辿ってロータ14が回転駆動され、ステータコイルに発生した回生電力が図示しないバッテリに充電される。
【0024】
そして、本実施形態のインホイールモータ1では、ロータ14の内周側のデッドスペースを利用して形成されたブレーキ収容部8内にドラムブレーキ20を収容しているため、インホイールモータ1の車幅方向の寸法増加を抑制でき、ひいては、インホイールモータ1によりサスペンション機構が制約されたり車室内空間が減少したりする事態を防止して、車体側の設計の自由度を拡大することができる。
【0025】
さらに、ドラムブレーキ20を収容したブレーキ収容部8をロータカバー9により閉鎖した上で、Oリング18およびオイルシール19によりブレーキ収容部8の油密を保持するようにした。ロータ14の回転に伴って飛散したオイルはステータ10のみならずロータハブ6を含めたハウジング2a,2b内全体に付着するが、このように油密を保持したことでブレーキ収容部8内へのオイルの侵入が防止される。よって、オイルの付着によりブレーキシュー22とロータハブ6の内周面との摩擦係数が低下する事態を未然に防止して、常に確実な制動力を得ることができる。
【0026】
なお、上記第1実施形態のインホイールモータ1はドラムブレーキ20を備えたが、ブレーキ装置の種別はこれに限定されるものではなく、例えばディスクブレーキ(ブレーキ装置)に変更してもよい。以下、このように構成した別例を簡単に説明すると、図3は第1実施形態の別例のディスクブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図、図4はディスクブレーキの構成を示す図3のIV−IV線断面図であり、上記軸受突部3にはバックプレート21に代えてブラケット31が固定され、ブラケット31の先端にはディスクブレーキ32のキャリパ33が支持されている。また、ロータ軸11の基端側はブレーキ収容部8内に突出してディスクブレーキ32のブレーキロータ34が固定され、ブレーキロータ34の一側が上記キャリパ33の図示しないパッド間に位置している。
【0027】
キャリパ33への作動油の供給は上記第1実施形態と同様であり、ブラケット31に形成された第1油路35、軸受突部3に形成された第2油路36、および図示しないブレーキホースを介して車体側のマスタシリンダから作動油を供給され、その油圧によりキャリパ33がパッドによりブレーキロータ34を挟持して制動力を発生する。
【0028】
そして、重複する説明は省略するが、この別例においても、ロータ14の内周側にディスクブレーキ32を配置したことにより、インホイールモータ1の車幅方向の寸法増加を抑制できるとともに、油密保持したブレーキ収容部8内にディスクブレーキ32を収容することで、ディスクブレーキ32へのオイルの影響を排除して常に確実な制動力を得ることができる。
【0029】
[第2実施形態]
以下、本発明をドラムブレーキを備えた別のインホイールモータに具体化した第2実施形態を説明する。なお、本実施形態と第1実施形態との相違点は、ロータハブ41と車体側ハウジング2aの形状、およびドラムブレーキ43の配置にあるため、共通箇所は同一の部材番号を付して説明を省略し、相違点を重点的に説明する。
【0030】
図5は第2実施形態のドラムブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図である。ロータハブ41は右方に開口する有底円筒状をなし、これにより形成された凹部41aの形状に倣って、車体側ハウジング2aの右側面はロータ軸11を中心として凹設されている。本実施形態では、この凹設箇所をブレーキ収容部42とし、ブレーキ収容部42内にドラムブレーキ43(ブレーキ装置)を収容している。
【0031】
ロータ軸11は車体側ハウジング2aに形成された軸受孔44に挿入されてベアリング45を介して支持される一方、ベアリング45に併設されたオイルシール46によりハウジング2a,2b内の油密が保持されている。ロータ軸11の基端は軸受孔44からブレーキ収容部42内に突出してブレーキドラム47が固定され、このブレーキドラム47は左方に開口する有底円筒状をなしている。
【0032】
車体側ハウジング2aのブレーキ収容部42内には、ブレーキドラム47内に位置するようにホイールシリンダ48が設けられ、このホイールシリンダ48は車体側ハウジング2aに形成された油路49、および図示しないブレーキホースを介して車体側のマスタシリンダから作動油を供給され、その油圧により図示しないブレーキシューを拡開方向に付勢して、外周側で回転するブレーキドラム47の内周面に摺接させて制動力を発生する。なお、ドラムブレーキ43のブレーキシューなどの構成は、図2に基づいて説明した第1実施形態のものと同様である。
【0033】
そして、ロータハブ6の凹部形状に倣って車体側ハウジング2aを凹設して形成されたブレーキ収容部42内にドラムブレーキ43を収容しているため、結果としてドラムブレーキ43はロータ14の内周側のデッドスペースを利用して配置されることになる。よって、上記第1実施形態と同様に、インホイールモータ1の車幅方向の寸法増加を抑制して、サスペンション機構の制約や車室内空間の減少を防止し、もって、車体側の設計の自由度を拡大することができる。
【0034】
さらに、ハウジング2a,2b内にブレーキ収容部8を設けた第1実施形態とは異なり、本実施形態ではブレーキ収容部42がハウジング2a,2b外に形成されるため、当然ながら、ハウジング2a,2b内のオイルがブレーキ収容部42内のドラムブレーキ43に付着する可能性は皆無であり、オイルの付着によりブレーキシューとブレーキドラム47の内周面との摩擦係数が低下する事態を未然に防止して、常に確実な制動力を得ることができる。
【0035】
加えて、ブレーキ収容部42は大気に開放された状態にあるため、制動時にドラムブレーキ43が発生した熱は直接大気中に放散される。つまり、ハウジング2a,2b内にブレーキ収容部8を設けた第1実施形態では、ドラムブレーキ20の熱がハウジング2a,2b内のオイルに放散されるため、熱的負担の増加に伴ってオイルの劣化が促進されたり、油温上昇に伴ってステータ10の冷却が不足気味になる可能性がある。これに対して本実施形態では、オイルに頼ることなく大気によりドラムブレーキ43の放熱が行われるため、これらの不具合が発生する虞は一切なく、ひいてはインホイールモータ1の信頼性を向上できるという利点もある。
【0036】
ところで、本実施形態では、ハウジング2a,2bの車体側にブレーキ収容部42を設けてドラムブレーキ43を収容したが、逆にブレーキ収容部43をハウジング2a,2bのタイヤ側に設けることもできる。但し、トルク増大を目的としてインホイールモータ1に減速機構を付加する場合、減速機構は必然的にロータ軸11の出力側、つまりハウジング2a,2bのタイヤ側に配置されるため、ブレーキ収容部42の位置は車体側に制限されることになる。加えて、ブレーキ収容部42をハウジング2a,2bのタイヤ側に設けると、車体側のマスタシリンダからドラムブレーキ43までのブレーキ油路が長くなって構成が複雑してしまう。よって、本実施形態のようにブレーキ収容部43をハウジング2a,2bの車体側に設けるレイアウトにした場合には、減速機構やブレーキ油路などに関するインホイールモータ1の設計上の自由度を拡大できるという利点も得られる。
【0037】
なお、上記第2実施形態のインホイールモータ1はドラムブレーキ43を備えたが、第1実施形態でも述べたように、例えばディスクブレーキ(ブレーキ装置)に変更してもよい。図6は第2実施形態の別例のディスクブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図であり、ブレーキ収容部42内にはブラケット部51が立設され、ブラケット部51の先端にはディスクブレーキ52のキャリパ53が支持されている。キャリパ53にはブレーキホース54を介して車体側のマスタシリンダから作動油が供給され、その油圧によりキャリパ53がパッドによりブレーキロータ55を挟持して制動力を発生する。
【0038】
そして、重複する説明は省略するが、この別例においても、ロータ14の内周側にディスクブレーキ52を配置したことにより、インホイールモータ1の車幅方向の寸法増加を抑制できるとともに、ハウジング2a,2b外に形成したブレーキ収容部42内にディスクブレーキ52を収容することで、ディスクブレーキ52へのオイルの影響を排除して常に確実な制動力が得られ、さらに、制動時にディスクブレーキ52が発生した熱を大気中に放散するため、ディスクブレーキ52の熱によるオイルの劣化促進や油温上昇に伴うステータ10の冷却不足を回避して、インホイールモータ1の信頼性を向上することができる。
【0039】
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、電気自動車の後輪に設けられたインホイールモータ1として具体化したが、これに限定されることはなく、例えば後輪に代えて前輪、あるいは全ての車輪にインホイールモータ1を設けてもよいし、走行駆動源としてモータとともにエンジンを備えたハイブリッド車両用のインホイールモータ1に具体化してもよい。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明のインホイールモータによれば、ロータハブの一側面にブレーキ収容部を開口形成して、内部にブレーキ装置を収容したため、ロータの内周側のデッドスペースを利用してブレーキ装置が収容されることになり、ブレーキ装置の設置による車幅方向の寸法増加を抑制でき、かつ、ブレーキ収容部をロータカバーにより閉鎖してシール部材により油密を保持したため、ハウジング内のオイルの付着によりブレーキ装置の制動力が低下する事態を防止して、常に確実な制動力を得ることができる。
【0041】
請求項2の発明のインホイールモータによれば、ロータハブの凹部形状に倣ってハウジングを凹設してブレーキ収容部を形成し、内部にブレーキ装置を収容したため、ロータの内周側のデッドスペースを利用してブレーキ装置が収容されることになり、ブレーキ装置の設置による車幅方向の寸法増加を抑制でき、かつ、ブレーキ収容部がハウジング外に形成されるため、ハウジング内のオイルの付着によりブレーキ装置の制動力が低下する事態を防止して、常に確実な制動力が得られ、しかも、制動時にブレーキ装置が発生した熱を大気中に放散するため、ブレーキ装置の熱によるオイルの劣化促進や油温上昇に伴うステータの冷却不足を回避して、その信頼性を向上することができる。
【0042】
請求項3の発明のインホイールモータによれば、請求項3に加えて、ハウジングの車体側の側面にブレーキ収容部を凹設してブレーキ装置を収容したため、ハウジングのタイヤ側に減速機構を自由に設置可能となり、インホイールモータの設計上の自由度を拡大することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のドラムブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図である。
【図2】ドラムブレーキの構成を示す図1のII−II線断面図である。
【図3】第1実施形態の別例のディスクブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図である。
【図4】ディスクブレーキの構成を示す図3のIV−IV線断面図である。
【図5】第2実施形態のドラムブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図である。
【図6】第2実施形態の別例のディスクブレーキを備えたインホイールモータを示す断面図である。
【符号の説明】
2a    車体側ハウジング
2b    タイヤ側ハウジング
6,41  ロータハブ
7     ロータコア
8,42  ブレーキ収容部
9     ロータカバー
10    ステータ
11    ロータ軸
18    Oリング(シール部材)
20,43 ドラムブレーキ(ブレーキ装置)
32,52 ディスクブレーキ(ブレーキ装置)
41a   凹部

Claims (3)

  1. オイルが貯留されたハウジング内に環状のステータを配設し、該ステータの内周側に環状のロータコアを配設するとともに、該ロータコアをロータハブを介してロータ軸により回転可能に支持し、該ロータ軸を車両の駆動輪と連結してなるインホイールモータにおいて、
    上記ロータハブの一側面に開口形成されたブレーキ収容部と、
    上記ブレーキ収容部内に収容されて、上記ロータ軸に対して制動力を付与可能なブレーキ装置と、
    上記ブレーキ収容部を閉鎖するように上記ロータハブに着脱可能に固定されたロータカバーと、
    上記ロータハブと上記ロータカバーとの間の油密を保持するシール部材と
    を備えたことを特徴とするインホイールモータ。
  2. オイルが貯留されたハウジング内に環状のステータを配設し、該ステータの内周側に環状のロータコアを配設するとともに、該ロータコアをロータハブを介してロータ軸により回転可能に支持し、該ロータ軸を車両の駆動輪と連結してなるインホイールモータにおいて、
    上記ロータハブの一側面に開口形成された凹部と、
    上記ロータハブの凹部の形状に倣って、上記ハウジングに凹設されたブレーキ収容部と、
    上記ブレーキ収容部内に収容されて、上記ロータ軸に対して制動力を付与可能なブレーキ装置と
    を備えたことを特徴とするインホイールモータ。
  3. 上記凹部はロータハブの車体側の側面に開口形成されるとともに、該凹部の形状に倣って上記ハウジングの車体側に凹設されたブレーキ収容部内に上記ブレーキ装置を収容したことを特徴とする請求項2記載のインホイールモータ。
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