JP2004126187A - ブランケット側面補強材用感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Sukeyuki Tsuchiya
土屋 祐之
Hiroshi Yamada
山田 浩
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Asahi Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】硬化速度が速く、感光性を有するオフセット印刷用ブランケット側面補強材の用途で使用できる感光性樹脂組成物を提供しようとするものである。
【解決手段】下記(A)から(C)を必須成分とし、(A)と(B)の化合物の全重量に対して、(C)の化合物を0.1〜10wt%含有するオフセット印刷用ブランケット側面補強材用感光性樹脂組成物。
(A)分子内に開環重合性反応基を有する開環重合性化合物100重量部
(B)分子内にエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物1〜200重量部
(C)活性線を吸収して酸を発生する化合物
【選択図】 選択図なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷用ブランケット側面補強材用感光性樹脂組成物およびそれから得られる補強材を有し、側面の耐久性を強化されたオフセット印刷用ブランケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
オフセット印刷ではインクを刷版から一度ブランケットに転写し、このブランケットに転写されたインクが被印刷物に印刷される。このオフセット印刷用ブランケットは、複数枚の綿布などの基布に接着剤を介してニトリルゴム(NBR)などのゴム材料を積層・加硫した後、厚みや表面特性を整えるための研磨などを行い製品化される。通常、印刷版は印刷中のストレスに対し印刷画像に伸びや縮みが出ないように、アルミ板や剛性のある0.1mmから0.3mm程度の薄い基材を支持体として、印刷機の版胴上に弛みなく固定されて印刷に使用される。
【0003】
印刷版上の印刷画像は前述のゴム製のブランケットに一旦転写された後、非印刷物に再度転写することでオフセット印刷物となるわけであるが、このブランケットは印刷適性上適度な弾力性と印刷ストレスに対し印刷中の画像に伸び縮みのない抗張力、更にはブランケット胴と呼ばれるシリンダー状の丸胴に馴染みよく取り付けられる特性が要求される。そのために、オフセット印刷機に用いられる印刷用ゴムブランケットは複数枚からなる特別な織布により補強された支持体と、感脂性に優れた特殊な印刷イメージ転写表面層から構成されている。その厚みは0.5mmから3mm程度のものが使用され、ブランケット胴への装着のし易さやブランケットコスト低減などから二枚組み合わせで使用されることもある。また、最近では高速印刷における印刷適性を高めるために、複数枚の織布の間に圧縮復元性のより高い発泡層を組合わせたものや、基布織布の材質や織り方に工夫を加えたものが使用されている。
【0004】
また、従来のブランケットの洗浄方法は、ウエスなどに洗浄剤を含浸させて手作業でブランケット表面に付着しているインクや紙粉などを拭き取っていた。このような手作業は危険性が伴い、時間が掛かる作業であると共に、洗浄剤の臭気や汚れなどの悪い作業環境下での作業である。このような作業環境下での洗浄作業の改善、及び印刷作業の省人化を計るためにブランケットの自動洗浄機が利用されるようになってきている。
これらのブランケットは、ブランケット胴に弛みなく機械的に取り付けるための装着性や、印刷中のストレスに対する伸びやヘタリなどに対する特性を満足させるため、前述のような使用する織布の糸の性質や織り方に特別の工夫が施されている。
しかしながら、これらのブランケットは表面層の最上層部の耐久性は強化されているものの、洗浄作業で使用される洗浄剤や印刷中の湿し水が側面より浸透し、膨潤や接着力が低下するという問題点を有している。
【0005】
そこで、特開平9−71062では1枚または複数枚の織布からなる支持体層の上面側に印刷面となる表面ゴム層を設けてなる中間積層体の下面に厚さ0.1〜1.0mmの支持体を接着層を介して接着してなり、前記支持板の両端部は中間積層体から突出させてグリッパー部となし、中間積層体四周の側面に可撓性シール剤で保護膜を形成する方法が記載されているが、高速印刷性や損紙低減が目的であり、可撓性シール剤は硬化が遅く作業性に問題を残していた。加熱することにより硬化速度を上げることはできるが、クラックが発生したり、基材との密着性に問題を残していた。
【0006】
従来、感光性を有する組成物としては、紫外線、電子線等の活性線を照射することにより硬化可能なラジカル重合反応を利用したものが数多く報告されていた。例えば印刷インキ(光・放射線硬化技術、p19から25、昭和60年8月発行、株式会社大成社)、塗料、液晶ディスプレー用カラフィルター材料等が公知であるが、これらの系は表面の酸素による硬化阻害、硬化物の収縮が大きいため設計寸法から大きくずれたり、場合によってはクラックが発生すること、更に活性線の透過を阻害する顔料、染料、カーボンブラックあるいは金属粉末を含有することにより塗膜内部の硬化が不十分であることなどの大きな問題があった。またその他、これらのラジカル重合反応を利用した感光性組成物の場合、空気中での硬化速度が遅いため光重合開始剤を多量に添加する必要があり、その光分解物が硬化物中に残存し硬化物の物性低下につながること、表面の硬化性低下を抑制するためには酸素を遮断した状態で活性線を照射する必要があり工程が煩雑になること、硬化物内に未反応物が多く残存することなど多くの問題を抱えていた。
【0007】
また別の、空気中で硬化可能な感光性樹脂として、ジエポキシ化合物と活性線照射で酸を発生する化合物を組み合わせた光カチオン重合タイプのものが知られているが、目的とする硬化物の厚みが100μ程度より薄くないと充分に硬化させることができず、0.5mm以上の厚みの硬化物を成形することが難しいという問題があった。また、充填剤として顔料、カーボンブラックあるいは金属粉末を混合した場合、活性線の透過率低下のため活性線の入射する表面から遠い部分では十分な硬化物性を得ることができなかった。したがって充填剤の濃度を高くすることができないという大きな問題点があった。
【0008】
【特許文献1】
特開平9−71062号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、硬化性の優れたオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、オフセット印刷用ブランケットの側面補強材用組成物として、(A)分子内に開環重合性反応基を有する開環重合性化合物100重量部、(B)分子内にエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物1〜200重量部、および(C)活性線を吸収して酸を発生する化合物を必須成分とし、(A)と(B)の化合物の全重量に対して、(C)の化合物を0.1〜10wt%含有する組成物、特に好ましくは(A)成分として、
(1)分子内にエポキシ基を2以上有する化合物であり、(1)成分100重量部に対し、(B)成分が、
(2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有し、分子量が200以上のエチレン性不飽和化合物1〜100重量部および
(3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部からなることを特徴とする感光性樹脂組成物を用いることにより、厚膜硬化が可能であり、硬化速度が速い感光特性を有し、かつ硬化物の基材との密着力が高いオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用途で使用可能な感光性樹脂組成物が得られることを見出した。
【0011】
本発明では、特にエポキシ基を有する化合物(1)に混合するエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物(B)として化合物(2)と(3)の組み合わせにより、硬化物の物性上極めて優れた特性を示すことを発見し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明は下記の通りである。
1.下記(A)から(C)を必須成分とし、(A)と(B)の化合物の全重量に対して、(C)の化合物を0.1〜10wt%含有することを特徴とするオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
(A)分子内に開環重合性反応基を有する開環重合性化合物100重量部
(B)分子内にエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物1〜200重量部
(C)活性線を吸収して酸を発生する化合物
2.開環重合性化合物(A)成分が
(1)分子内にエポキシ基を2以上有する化合物であり、(1)成分100重量部に対して、エチレン性不飽和化合物(B)成分が、
(2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有し、分子量が200以上のエチレン性不飽和化合物1〜100重量部および
(3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部とからなることを特徴とする1.記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
【0013】
3.エチレン性不飽和化合物(2)が、水酸基とメタクリロイル基、または水酸基とアクリロイル基を同時に有する化合物であることを特徴とする2.記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
4.エチレン性不飽和化合物(3)が、メタクリロイル基、またはアクリロイル基であることを特徴とする2.記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
5.さらに、感光性樹脂組成物全量の0.05wt%以上5wt%以下のレベリング剤を含有することを特徴とする1.から4.のいずれかに記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
6.1.から5.のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を塗布して得られる側面補強材を有することを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、その好ましい態様を中心に、詳細に説明する。
本発明の開環重合反応性化合物(A)としては、エポキシ化合物(1)、オキセタン化合物、環状エステル化合物、ジオキソラン化合物、スピロオルトカーボネート化合物、スピロオルトエステル化合物、ビシクロオルトエステル化合物、シクロシロキサン化合物、環状イミノエーテル化合物、環状イミン化合物、双環状尿素化合物、環状カーボネート化合物、環状サルファイト化合物、ラクタム化合物などを挙げることができる。本発明の開環重合性化合物は該分子中に開環重合性反応基を1以上、好ましくは2以上有する。
【0015】
開環重合反応性化合物(A)の内、特に反応性の高い化合物であるエポキシ化合物(1)としてはグリシジル基やエポキシシクロヘキシル基などエポキシ結合を有する基を分子内に2以上有する化合物を挙げることができる。
具体例としては、種々のジオールやトリオールなどのポリオールにエピクロルヒドリンを反応させて得られる化合物、すなわち、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールAにエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドが付加した化合物のジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(プロピレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(エチレングリコールアジペート)ジオールジグリシジルエーテル、ポリ(カプロラクトン)ジオールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0016】
また別の例として、分子中にオレフィンを2以上有する化合物に過酢酸などの過酸を反応させて得られるポリエポキシ化合物、すなわち、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、1−メチル−3、4―エポキシシクロヘキシルメチルー1′―メチル−3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、アジピン酸ビス[1−メチル−3,4―エポキシシクロヘキシル]エステル、ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ポリブタジエンやポリイソプレンなどのポリジエンに過酢酸を反応させて得られるポリエポキシ化合物、エポキシ化大豆油などをあげることができる。
【0017】
これらのエポキシ化合物(1)の中でも、25℃における粘度が5000mPa・s以下、より好ましくは1000mPa・s以下、更に好ましくは500mPa・s以下の化合物が良好な硬化物特性を得ることができるので好ましい。この要因は現在のところ明確ではないが、分子の運動性の自由度が大きいためと推定される。
また、本発明で用いられるオキセタン化合物としては、通常用いられている化合物を使用することができ、特に限定するものではないが、キシリレンジオキセタン(東亜合成社製、商品名「OXT−121」)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製、商品名「OXT−101」)、東亜合成社製「OXT−221」(商品名)、「PNOX−1009」(商品名)などを挙げることができる。また、環状エステル化合物としては、ε−カプロラクトン環、γ−ブチロラクトン環、β−プロピオンラクトン環を有する化合物を挙げることができる。更に、1分子中に異なる開環重合性反応基を有する化合物であっても構わない。
【0018】
また、本発明では、特に分子中に開環重合性反応基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合物の場合、開環重合反応性化合物に含めるものとする。
これらは単独であるいは組み合わせで使用することができる。
本発明で用いられるエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物(B)の量比は、開環重合性化合物(A)100重量部に対し、1〜200重量部の範囲である。この値が1未満では、組成物の厚膜硬化性が不充分であり、100を越えて存在した場合、得られる硬化物の機械的物性が劣るものが得られる。また、本発明のエチレン性不飽和化合物(B)として、特に分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有するエチレン性不飽和化合物(2)と、分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物(3)の組み合わせが好ましい。したがって、特に好ましい組み合わせとしては、エポキシ化合物(1)、エチレン性不飽和化合物(2)、エチレン性不飽和化合物(3)および活性線を吸収して酸を発生する化合物(C)の組み合わせである。
【0019】
本発明で用いる、(2)の分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有するエチレン性不飽和化合物としては、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノアクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノアクリレートなどを例として挙げることができる。
これらは単独で或いは組み合わせて使用することができる。
【0020】
本発明においては、これら不飽和化合物(2)の分子量が200以上であることが好ましい。分子量が200以上の場合に、光硬化後の樹脂の機械的物性、特に靱性に優れたのものが得られる。好ましくは、300以上であり、さらに好ましくは500以上である。
(1)の分子内にエポキシ基を2以上有する化合物100重量部に対して(2)の不飽和化合物は1〜100重量部の範囲で用いることが好ましい。この値が1以上であると、組成物の厚膜硬化性が充分であり、100以下であると、得られた硬化物の機械的物性が優れたものが得られる。より好ましい範囲は5〜60重量部であり、さらに好ましくは10〜50重量部である。
【0021】
本発明で用いられる、(3)の分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物としては、ジエチレングリコールジメタクリレート及びジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート及びジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート及びジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート及びジアクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート及びジアクリレート、ブタンジオールジメタクリレート及びジアクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート及びジアクリレート、ノナンジオールジメタクリレート及びジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート及びトリアクリレート、ビスフェノール骨格を有するジメタクリレート及びジアクリレートなどエポキシ基と反応しうる官能基を持たないエチレン性不飽和化合物類などを例として挙げることができる。
【0022】
(1)の分子内にエポキシ基を2以上有する化合物100重量部に対して(3)の分子内にエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物は1〜100重量部の範囲で用いることが好ましい。この値が1以上だと、組成物の厚膜硬化性が充分であり、100以下だと、得られた硬化物の靭性が充分である。より好ましい範囲は3〜60重量部であり、さらに好ましくは5〜50重量部である。
【0023】
本発明で用いる、(C)活性線を吸収して酸を発生する化合物としては対イオンとしてBF―やPF―、SBF―などを有するトリアリールスルホニウム塩、ジアリールヨウドニウム塩、アリールジアゾニウム塩などがあり、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、p−チオフェノキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートなど市販の光カチオン重合開始剤を使用することができる。これらは活性線の照射によりルイス酸やブレンステッド酸などの酸を発生して硬化反応を起こす働きをする。
【0024】
硬化性の点ではトリアリールスルホニウム塩類が好ましい。中でもトリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェートが厚膜硬化性の点で優れている。
活性線照射により酸を発生する化合物は感光性樹脂組成物全重量に対して0.1〜10重量%の範囲で添加される。この値が0.1重量%以上だと、樹脂製の硬化性が充分であり、10重量%以下だと硬化厚みの大きい硬化物が容易に得られる。より好ましい添加量は1〜6重量%である。
【0025】
本発明の感光性樹脂組成物において上記必須成分(A)〜(C)はその効果が発揮される量含まれていれば良いが、好ましくは組成物全体の重量に対して30重量%以上、より好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上である。
本発明における上記(A)〜(C)成分は、いずれの成分も室温雰囲気下で液状である場合は、これら成分をこのままの形態で、特に他の溶剤、媒体を使用することなく、各々の所定量を目視にて全体が均一と認められる程度にまで、通常の手法で攪拌・混合することにより、目的とする感光性樹脂組成物とすることができる。
【0026】
上記(A)〜(C)成分のうちのいずれかの成分が室温雰囲気下で固体であっても、それら固体成分に他の液状成分との相溶性がある場合は、そのままの状態で上記方法と同じ手法にて攪拌・混合することにより、目的とする感光性樹脂組成物とすることができる。
該固体成分及び液状成分が互いに相溶性が無い場合、あるいは、上記(A)〜(C)成分いずれもが、室温雰囲気下で固体である場合は、例えば、少なくともひとつの固体成分をその融点以上に加温にすることにより、その成分を液状化した状態で、その温度下において上記方法と同じ手法にて攪拌・混合することにより、目的とする感光性樹脂組成物とすることができる。
【0027】
上述のように、組成物調製法において、(A)〜(C)成分のうちの一部が液状である場合、攪拌・混合過程で、他の固体成分が該液体成分中に溶解・分散してもよい。また、組成物全体が均一になるまでの時間を短くするために、必要に応じて、溶剤、可塑剤等を該混合物中に、目的とする組成物に期待される本発明の効果が阻害されない範囲で添加してもよい。
本発明の感光性樹脂組成物には、上記必須成分の他にその粘度や得られる硬化物の物性を調整するために、本発明の目的とする効果の達成に影響を及ぼさない範囲で、通常の感光性樹脂に添加される成分を加えても差し支えない。
【0028】
このような添加成分としては不飽和ポリウレタン、不飽和ポリエステルなどの液状感光性樹脂として公知のポリマー類、イソボルニルアクリレート及びメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート及びメタクリレート、ベンジルアクリレート及びメタクリレート、フェニルアクリレート及びメタクリレートなどエポキシ基と反応しうる官能基を持たないエチレン性不飽和化合物類、紫外線吸収剤、貯蔵安定剤などが挙げられる。
【0029】
上記添加成分のうち不飽和ポリウレタンは、まずジオール化合物とジイソシアネート化合物を反応させポリウレタンを得た後、次いでこのポリウレタンに水酸基若しくはアミノ基含有エチレン性不飽和化合物、又はイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を反応させることで得られる。
上記ポリウレタンを得るためのジオール化合物としては、一分子中に水酸基を2個有する化合物、例えばポリプロピレングリコールアジペートジオール、ポリネオペンチルグリコールアジペートジオール、ポリブチレングリコールアジペートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールなどのポリエステルジオールや、ポリエチレングリコールジオール、ポリプロピレングリコール、ポレテトラメチレングリコールなどのポリエーテルジオールなどを例として挙げることができる。
【0030】
ジオール化合物の水酸基価より求まる分子量は400〜5000程度のものが好ましく使用されるが、より柔軟で強いポリウレタンを得るという観点からは500〜2500程度の分子量のものを用いるのが好ましい。
上記ポリウレタンを得るためのジイソシアネート化合物としてはイソシアネート基を2個以上有する化合物、例えばトリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどを挙げることができる。これらの中では得られるポリウレタンの粘度をさほど高めず、柔軟で強いものが得られやすいという点でトリレンジイソシアネートが好ましい。
【0031】
上記ポリウレタンと反応させる水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノメタクリレートなどを例として挙げることができる。これらの中では柔軟で強いという観点からヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートが好ましく、耐水性に優れるヒドロキシプロピルメタクリレートが最も好ましい。
【0032】
上記ポリウレタンと反応させるイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物としては例えば水酸基含有エチレン性不飽和化合物とジイソシアネート化合物を1対1の割合で付加させることにより得られる化合物などを挙げることができる。
不飽和ポリウレタン調製に水酸基含有エチレン性不飽和化合物を用いる場合、まず、上記ジオール化合物とジイソシアネート化合物との反応により両末端イソシアネート基ポリウレタンを合成し、これに水酸基含有エチレン性不飽和化合物を反応させる。この場合、副反応を抑えて短時間で反応を終了させるために、通常水酸基含有エチレン性不飽和化合物を両末端イソシアネート基ポリウレタンに対し、2〜5倍当量程度過剰に添加して、エチレン性不飽和結合含有ポリウレタンと過剰の水酸基含有エチレン性不飽和化合物との混合物を得るのが好ましい。
【0033】
一方、不飽和ポリウレタン調製にイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を用いる場合、まず、上記ジオール化合物とジイソシアネート化合物を反応により両末端水酸基ポリウレタンを合成し、これにイソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を反応させる。この場合、イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物は、そのイソシアネート基の数が、両末端水酸基ポリウレタンの水酸基の数と同じか或いは少ない範囲で添加されるのが一般的であるが、撹拌を容易にし副反応を抑えるために、ウレタン化反応に関与しない成分を希釈剤として添加して反応系の粘度を下げるのが好ましい。イソシアネート基含有エチレン性不飽和化合物を両末端水酸基ポリウレタンに対して過剰に添加する場合は、反応終了後水酸基などの活性水素を有する化合物を加えて過剰のイソシアネート基をなくすことが好ましい。
【0034】
更に、上記不飽和ポリウレタンには、カルボキシル基等の極性基を導入することも出来る。不飽和ポリウレタンへのカルボキシル基の導入は、例えば、両末端イソシアネート基ポリウレタンに、水酸基2個含有エチレン性不飽和化合物を加えて、その内の1個の水酸基とイソシアネート基を反応させて水酸基2個とエチレン性不飽和結合2個を有する不飽和ポリウレタンとし、更に酸無水物を加えて該ポリウレタンの水酸基と開環反応させることで、両末端にカルボキシル基とエチレン性不飽和結合とを同時に持った不飽和ポリウレタンとすることが出来る。
【0035】
ここで用いられる水酸基2個含有エチレン性不飽和化合物としては、グリシジルメタクリレートやアクリレートに水を加えてエポキシ基を開環させて得られる化合物など、一級炭素及び二級炭素に結合した水酸基を持つものが使用される。一級炭素結合水酸基と二級炭素結合水酸基の反応性の違いを利用して分子中の一つの水酸基のみがイソシアネート基と反応した両末端水酸基の不飽和ポリウレタンとすることが出来る。
【0036】
水酸基と開環反応してカルボキシル基を導入するために用いられる酸無水物としては、コハク酸、無水フタル酸、無水マレイン酸などを挙げることができる。上記不飽和ポリウレタンの代わりに添加成分として不飽和ポリエステルを用いることもできる。不飽和ポリエステルはジオール化合物とエチレン性不飽和結合含有ジカルボン酸化合物との脱水縮合反応により得られる。あるいは、ジオール化合物とジカルボン酸化合物とからの脱水縮合反応により両末端水酸基または両末端カルボキシル基ポリエステルを合成し、次いでこれらの末端官能基と反応しうる官能基を持つエチレン性不飽和化合物を反応させることでも得られる。
【0037】
ジオール化合物としてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオールなどを例として挙げることができる。
ジカルボン酸化合物としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、イソフタール酸、コハク酸、無水フタール酸、テレフタール酸などの飽和ジカルボン酸やフマール酸、マレイン酸、無水マレイン酸などのエチレン性不飽和ジカルボン酸を例示することができる。
【0038】
以上のようにして得られる不飽和ポリウレタン、及び不飽和ポリエステルのポリスチレンを標準とするGPC測定によって求められる数平均分子量は800〜25000であることが望ましい。分子量が小さいほど得られる感光性樹脂組成物の粘度を低くできるものの、分子量がこれより小さくなると硬化物の柔軟性が失われやすい。
分子量が大きいと硬化物の柔軟性は確保しやすいものの、これ以上大きいと得られる感光性樹脂組成物の粘度が高くなり、気泡を巻き込みやすくなる。
本発明の必須成分(A)〜(C)を含有する感光性樹脂組成物の粘度は20℃で5000mPa・s以下、好ましくは3000mPa・s以下、更に好ましくは1000mPa・s以下、特に好ましくは500mPa・s以下であることが望ましい。
【0039】
本発明では、感光性樹脂組成物にレベリング剤を添加することが好ましい。本発明で用いるレベリング剤とは、感光性樹脂組成物をブランケット側面に塗布する際に、該表面に凹凸が発生しないように添加する化合物であり、感光性樹脂組成物を塗布・硬化した後、ブランケット側面には平滑性の高い硬化樹脂層が形成できる。レベリング剤の添加量は、感光性樹脂組成物の全重量の0.05wt%以上5wt%以下が好ましい。0.05wt%未満の添加では、平滑性を得るために不十分であり、また5wt%を越えて添加すると感光性樹脂組成物の硬化性、密着性の低下をもたらす傾向がある。レベリング剤としては、通常の化合物を用いることができ、特に限定するものではないが、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン化合物、アクリル系ポリマー、界面活性剤等を挙げることができる。
【0040】
本発明の感光性樹脂組成物の粘度を下げるためには、開環重合反応性化合物と反応しうる官能基を有するエチレン性不飽和化合物、又はエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物、特に液状エチレン性不飽和化合物の配合比率を高めることが好ましい。液状エチレン性不飽和化合物の中でも分子量の小さいものは特に粘度を下げる効果が大きい。成分(2)で除かれる分子量が200未満の分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合物を硬化物の物性を低下させない範囲で加えることも粘度を下げる効果がある。また、液状の可塑剤類を硬化性など他の特性に影響を及ぼさない範囲で添加することも粘度を下げるのに有効である。また、使用時に感光性樹脂組成物の温度を高めることで粘度をさげることもできるが、温度によっては変質することもあるのでこのようなことが起こらない温度範囲で使用する必要がある。
【0041】
一方、組成物の粘度を上げるためには、不飽和ポリウレタンや不飽和ポリエステルなどの高分子量成分を添加したり、エポキシ基と反応しうる官能基を有するエチレン性不飽和不飽和化合物、又はエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物として分子量の大きいものを用いることも有効である。
本発明の感光性樹脂組成物を硬化させるためには活性線照射によりフリーラジカルを発生する化合物の添加を必要としないが、このような化合物を、感度特性を調整する目的で紫外線吸収剤として使用することは差し支えない。
【0042】
本発明の感光性樹脂組成物は、前記化合物(A)から(C)を必須成分とし、着色剤を混合することにより基材との色調を合わせることもできる。混合する着色剤として顔料、染料、カーボンブラック、有機系微粒子、セラミックス微粒子および金属粉末を挙げることができる。
【0043】
本発明で用いられる着色剤としては特に限定するものではないが、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、シリカ、アルミナ等の金属酸化物、タルク、クロム酸塩、フェロシアン化物、各種金属硫酸塩、硫化物、セレン化物、リン酸塩等の無機顔料、フタロシアニン系、キナクリドン系、イソインドリノン系、ペリノン系、ジオキサジン系等の有機顔料、あるいはアゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、シアニン色素等の染料、あるいはカーボンブラック、あるいは金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル、アルミニウム、シリコン、真鍮等の金属単体あるいは合金粉末、あるいは表面を異種金属で被覆した金属粉末、有機化合物から形成される微粒子中に顔料あるいは染料を分散させた着色フィラー等を挙げることができる。本発明の着色剤として用いる粉末あるいは粒子の大きさは、10μm以下のものが好ましい。また、粒子径分布の広い場合、高濃度に着色剤を含有したときに充填率が高くなるため、活性線の透過性が低下する。本発明で用いる着色剤の形状について特に限定せず、球状、扁平状、多面体状などいかなる形状でも構わない。
【0044】
本発明で用いる着色剤の含有量としては、前記化合物(A)〜(C)を必須成分とする感光性樹脂組成物100重量部に対して、好ましくは40重量部以下、より好ましくは30重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。40重量部を越えて多い場合、活性線が内部まで透過しにくく得られる硬化物の内部の硬化性が不十分となりやすい。
また、前記有機系微粒子、特にテトラフルオロエチレン等のフッ素系微粒子を含有させることにより、コンクリートとの離型性を更に向上させることもできる。更に窒化ホウ素、窒化珪素、炭化珪素等のセラミックス微粒子を含有させることにより、耐磨耗性を向上させることもできる。
【0045】
本発明のオフセット印刷用ブランケット側面補強材おいては、複数の層をブランケット側面に形成することもできる。例えば、前記、染料、顔料、微粒子を含有しない感光性樹脂組成物を先ずブランケット側面に塗布し、その後、これらの添加剤を含有する感光性組成物を塗布することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物において、該感光性樹脂組成物を塗布する基材との密着性、帯電防止、着色剤の分散性等の改良を目的として添加剤を加えることもできる。更に着色性組成物のポットライフを延ばす目的で、少量の重合禁止剤を添加することもできる。
【0046】
本発明の感光性樹脂組成物を作製する方法としては、通常の混錬方法を用いることができる。ただし、不溶性の粉末や粒子を混合する場合、機械的に撹拌する方法、あるいはせん断力を加えながら混合する三本ロール混錬装置を用いる方法などを挙げることができる。特に着色剤が感光性樹脂組成物に均一に分散していることが必要である用途では、三本ロールなどの混錬装置を用いて混合する方法が効果的である。
【0047】
本発明に係るブランケット側面補強材用組成物を用いた側面被覆方法について説明する。上述の感光性樹脂組成物を、ブランケット側面に塗布して用いられる。ブランケットの材質や構成としては、特に限定はなく、複数枚の綿布などの基布に接着剤を介してニトリルゴムなどのゴム材料を積層・加硫したもの、圧縮性層を有するものなどに適応することが出来る。ブランケットに補強材用組成物を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することが出来る。
【0048】
本発明の感光性樹脂組成物を硬化させるのに用いる活性線としては、300〜400nmの波長の紫外線を発するものが好適で、紫外線蛍光灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプなど、あるいは電子線、イオン線、X線等の高エネルギー線など、感光性樹脂を硬化させるのに通常用いられているものを使用することができる。
以下実施例により本発明を更に詳しく説明する。また、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0049】
【実施例1】
(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:商品名「UVR−6110」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製:商品名「ライトアクリレート1,9ND−A」)5重量部、(2)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:商品名「ブレンマーPP−1000」、平均分子量1014)24重量部、(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:商品名「UVI−6990」)4重量部、「BYK−UV3500」(商品名ビックケミー・ジャパン社製:ポリエーテル変性アクリル基を有するポリジメチルシロキサン)2.0重量部を混合して液状感光性樹脂組成物aを得た。
得られた液状感光性樹脂組成物aの表面張力は、25℃において表面張力計 「CBVP−Z」(商品名協和界面科学社製)で測定した場合、42mN/mであった。
【0050】
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物aを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化物が得られた。上記ブランケットを印刷時に使用される洗浄剤(大日本インキ化学工業製、商品名「ダイクリン」)と印刷用湿し水(イソプロピルアルコールの5%水溶液)に浸漬前後(20℃×24Hr)の接着力の変化を調べた結果、側面に感光性樹脂を塗布したものでは、浸漬前後で接着力の変化は殆ど見られないが、感光性樹脂を塗布してないものでは接着力の大きな低下が見られた。
【0051】
【実施例2】
(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:「UVR−6110」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製:「ライトアクリレート1,9ND−A」)20重量部、(2)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:「ブレンマーPP−1000」、平均分子量1014)9重量部、(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:「UVI−6990」)4重量部、「BYK−UV3510」(商品名、ビックケミー・ジャパン社製:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)0.6重量部を混合して液状感光性樹脂組成物bを得た。
【0052】
得られた液状感光性樹脂組成物bの表面張力は、25℃において表面張力計 CBVP−Z(協和界面科学社製)で測定した場合、22mN/mであった。
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物bを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化物が得られた。上記ブランケットを印刷時に使用される洗浄剤(大日本インキ化学工業製、「ダイクリン」)と印刷用湿し水(イソプロピルアルコールの5%水溶液)に浸漬前後(20℃×24Hr)の接着力の変化を調べた結果、側面に感光性樹脂を塗布したものでは、浸漬前後で接着力の変化は殆ど見られないが、感光性樹脂を塗布してないものでは接着力の大きな低下が見られた。
【0053】
【実施例3】
(1)ビスー(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート(ユニオンカーバイド社製:商品名「UVR−6128」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製:「ライトアクリレート1,9ND−A」)20重量部、(2)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:「ブレンマーPP−1000」、平均分子量1014)9重量部、(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:「UVI−6990」)4重量部、「BYK−356」(商品名ビックケミー・ジャパン社製:アクリル系重合物)0.7重量部を混合して液状感光性樹脂組成物cを得た。
得られた液状感光性樹脂組成物cの表面張力は、25℃において表面張力計 「CBVP−Z」(協和界面科学社製)で測定した場合、34mN/mであった。
【0054】
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物cを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化物が得られた。上記ブランケットを印刷時に使用される洗浄剤(大日本インキ化学工業製、ダイクリン)と印刷用湿し水(イソプロピルアルコールの5%水溶液)に浸漬前後(20℃×24Hr)の接着力の変化を調べた結果、側面に感光性樹脂を塗布したものでは、浸漬前後で接着力の変化は殆ど見られないが、感光性樹脂を塗布してないものでは接着力の大きな低下が見られた。
【0055】
【実施例4】
(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:「UVR−6110」)41重量部、およびキシリレンジオキセタン(東亜合成社製、商品名「OXT−121」)30重量部、(3)1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製:「ライトアクリレート1,9ND−A」)20重量部、(2)ポリプロピレングリコールモノメタクリレート(日本油脂社製:「ブレンマーPP−1000」、平均分子量1014)9重量部、(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:「UVI−6990」)4重量部、「BYK−UV3510」(ビックケミー・ジャパン社製:ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)0.6重量部を混合して液状感光性樹脂組成物dを得た。
得られた液状感光性樹脂組成物dの表面張力は、25℃において表面張力計 「CBVP−Z」(協和界面科学社製)で測定した場合、21mN/mであった。
【0056】
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物dを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化物が得られた。上記ブランケットを印刷時に使用される洗浄剤(大日本インキ化学工業製、「ダイクリン」)と印刷用湿し水(イソプロピルアルコールの5%水溶液)に浸漬前後(20℃×24Hr)の接着力の変化を調べた結果、側面に感光性樹脂を塗布したものでは、浸漬前後で接着力の変化は殆ど見られないが、感光性樹脂を塗布してないものでは接着力の大きな低下が見られた。
【0057】
【実施例5】
(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:「UVR−6110」)71重量部、(3)1,9−ノナンジオールジアクリレート(共栄社化学社製:「ライトアクリレート1,9ND−A」)5重量部、(2)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製:商品名「ライトエステルHO」、分子量130)24重量部、(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:「UVI−6990」)4重量部を混合して液状感光性樹脂組成物eを得た。
得られた液状感光性樹脂組成物eの表面張力は、25℃において表面張力計 「CBVP−Z」(協和界面科学社製)で測定した場合、45mN/mであった。
【0058】
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物eを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化物が得られた。上記ブランケットを印刷時に使用される洗浄剤(大日本インキ化学工業製、「ダイクリン」)と印刷用湿し水(イソプロピルアルコールの5%水溶液)に浸漬前後(20℃×24Hr)の接着力の変化を調べた結果、側面に感光性樹脂を塗布したものでは、浸漬前後で接着力の変化は殆ど見られないが、感光性樹脂を塗布してないものでは接着力の大きな低下が見られた。
【0059】
【実施例6】
(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3′、4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:「UVR−6110」)71重量部、(2)2−ヒドロキシエチルメタクリレート(共栄社化学社製:「ライトエステルHO」、分子量130)29重量部、(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:「UVI−6990」)4重量部を混合して液状感光性樹脂組成物fを得た。
【0060】
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物fを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cmの紫外線を照射したところ、硬化物が得られた。上記ブランケットを印刷時に使用される洗浄剤(大日本インキ化学工業製、「ダイクリン」)と印刷用湿し水(イソプロピルアルコールの5%水溶液)に浸漬前後(20℃×24Hr)の接着力の変化を調べた結果、側面に感光性樹脂を塗布したものでは、浸漬前後で接着力の変化は殆ど見られないが、感光性樹脂を塗布してないものでは接着力の大きな低下が見られた。
【0061】
【比較例1】
(1)3,4−エポキシシクロヘキシルメチルー3′,4′―エポキシシクロヘキシルカルボキシレート(ユニオンカーバイド社製:「UVR−6110」)100重量部、と(C)トリアリールスルホニウムヘキサフルオロリン酸塩混合物プロピレンカーボネート50重量%溶液(ユニオンカーバイド社製:「UVI−6990」)4重量部を混合して液状感光性樹脂組成物gを得た。
得られた液状感光性樹脂組成物gの表面張力は、25℃において表面張力計 「CBVP−Z」(協和界面科学社製)で測定した場合、40mN/mであった。
【0062】
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物gを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面の粘着性は無かったが、内部では粘性の高い液が残っており、硬化物を手で簡単に剥ぎ取ることが出来た。
【0063】
【比較例2】
2官能アクリレート化合物としてトリプロピレングリコールジアクリレート(東亜合成社製、商品名「M−220」)100重量部と光ラジカル重合開始剤としてベンジルジメチルケタール(チバガイギ社製、商品名「イルガキュア651」)4重量部を混合することにより液状感光性樹脂組成物hを得た。
ブランケットの作製方法は、綿の織布をゴム糊で3層に積層したのち、圧縮層を形成し、次いで基布を1枚積層したのち、インキ受理転移層としてアクリロニトリルブタジエン共重合ゴムを塗布、加硫成形した。このブランケットの側面に、上記感光性樹脂組成物gを約100μの厚みで塗布し、次いで3kW超高圧水銀灯を用いて室温下、空気中1800mJ/cm2の紫外線を照射したところ、表面の粘着性は無かったが、内部では粘性の高い液が残っており、硬化物を手で簡単に剥ぎ取ることが出来た。
【0064】
【発明の効果】
本発明により、洗浄剤や印刷中の湿し水がブランケット側面より浸透し、膨潤や接着力が低下するという問題点を簡便な方法で解決することができる。

Claims (6)

  1. 下記(A)から(C)を必須成分とし、(A)と(B)の化合物の全重量に対して、(C)の化合物を0.1〜10wt%含有することを特徴とするオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
    (A)分子内に開環重合性反応基を有する開環重合性化合物100重量部
    (B)分子内にエチレン性不飽和結合を有するエチレン性不飽和化合物1〜200重量部
    (C)活性線を吸収して酸を発生する化合物
  2. 開環重合性化合物(A)成分が、
    (1)分子内にエポキシ基を2以上有する化合物であり、(1)成分100重量部に対して、エチレン性不飽和化合物(B)成分が、
    (2)分子内に水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有し、分子量が200以上のエチレン性不飽和化合物1〜100重量部、および
    (3)分子内に水酸基を有せずエチレン性不飽和結合を2以上有するエチレン性不飽和化合物1〜100重量部とからなることを特徴とする請求項1記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
  3. エチレン性不飽和化合物(2)が、水酸基とメタクリロイル基、または水酸基とアクリロイル基を同時に有する化合物であることを特徴とする請求項2記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
  4. エチレン性不飽和化合物(3)が、メタクリロイル基、またはアクリロイル基であることを特徴とする請求項2記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
  5. さらに、感光性樹脂組成物全量の0.05wt%以上5wt%以下のレベリング剤を含有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のオフセット印刷用ブランケットの側面補強材用感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物を塗布して得られる側面補強材を有することを特徴とするオフセット印刷用ブランケット。
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