JP2004117409A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の像担持体上に形成したトナー像を第1の転写手段によって第1の中間転写体上に転写して得た第1の画像を第2の転写手段によって第2の中間転写体上に静電転写し、その第1の画像を第3の転写手段により記録媒体の一方の面に静電転写すると共に、第1の中間転写体上に転写された第2の画像を第2の転写手段によって記録媒体の他方の面に静電転写する画像形成装置において、第1の中間転写体上の第1の画像を効率よく第2の中間転写体上に転写する。
【解決手段】第2の転写手段20から、第2の中間転写体15の移動方向下流側に位置するアース部材17までの距離aを、第2の転写手段20から、第1の中間転写体3が第2の中間転写体15に接触する位置までの距離bよりも大きくする。
【選択図】 図2
【解決手段】第2の転写手段20から、第2の中間転写体15の移動方向下流側に位置するアース部材17までの距離aを、第2の転写手段20から、第1の中間転写体3が第2の中間転写体15に接触する位置までの距離bよりも大きくする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体に形成されたトナー像が第1の転写手段により順次重ねて静電転写される第1の中間転写体と、該第1の中間転写体上のトナー像が第2の転写手段により静電転写される第2の中間転写体と、該第2の中間転写体上のトナー像を記録媒体の一方の面に静電転写する第3の転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着装置とを具備し、各像担持体から前記第1の中間転写体上に重ねて静電転写された重ねトナー像より成る第1の画像を前記第2の転写手段により第2の中間転写体上に静電転写し、該第2の中間転写体上の第1の画像を前記第3の転写手段により記録媒体の一方の面に静電転写すると共に、複数の像担持体から第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成る第2の画像を前記第2の転写手段により前記記録媒体の他方の面に静電転写し、該記録媒体の各面に転写された第1及び第2の画像を前記定着装置によって定着する画像形成装置であって、前記第2の転写手段は、前記第2の中間転写体を挟んで前記第1の中間転写体とは反対側の第2の中間転写体の裏面側に位置し、前記第2の中間転写体の裏面に接触し、かつ接地された複数のアース部材が配設された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は既に提案されている。この形式の画像形成装置によれば、記録媒体を反転させることなく、当該記録媒体を一度給送するだけで、その記録媒体の両面にカラー画像を形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率をより一層高めることのできる冒頭に記載した形式の画像形成装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載して形式の画像形成装置において、前記第2の転写手段の第2の中間転写体移動方向における中間位置から、該第2の転写手段よりも第2の中間転写体移動方向下流側に位置し、かつ該第2の転写手段の最も近くに位置するアース部材が第2の中間転写体に当接した接触幅の最上流側位置までの第2の中間転写体に沿う距離をaとし、前記第1の中間転写体が前記第2の中間転写体に接触するニップ幅の第2の中間転写体移動方向最下流側の位置から前記中間位置までの第2の中間転写体に沿う距離をbとしたとき、a>bに設定されていることを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0005】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の中間転写体が前記第2の中間転写体に接触するニップ幅の第2の中間転写体移動方向最下流側の位置から、前記第2の転写手段よりも第2の中間転写体移動方上流側に位置し、かつ該第2の転写手段の最も近くに位置するアース部材が第2の中間転写体に当接する接触幅の最下流側位置までの第2の中間転写体に沿う距離をcとしたとき、a>b+cに設定されていると有利である(請求項2)。
【0006】
さらに、上記請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記距離bが、0mm≦b<10mmに設定されていると有利である(請求項3)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0008】
図1は画像形成装置の一例を示す垂直断面図であり、ここに示した画像形成装置は、その本体筐体1内に配置された複数の像担持体、図示した例では第1乃至第4の4つの像担持体2Y,2M,2C,2BKが設けられている。各像担持体には互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。図1に示した例では、第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BKに、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成されるものとする。
【0009】
図1に示した各像担持体2Y,2M,2C,2BKはドラム状の感光体より成るが、複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体より成る像担持体などを用いることもできる。ドラム状の像担持体は、例えば、直径が30乃至100mm程度のアルミニウム製の円筒状の基体の表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けたものから構成することができる。
【0010】
第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BKに対向して第1の中間転写体3が配置され、各像担持体2Y,2M,2C,2BKが第1の中間転写体3の表面に当接している。第1の中間転写体としてドラム状の中間転写体を用いることもできるが、図1に示した例では、第2の中間転写体3が、支持ローラ4,5より成る複数の支持部材に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端ベルトにより構成されている。かかる第1の中間転写体3の表面上に、各像担持体2Y,2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像が重ねて転写される。
【0011】
第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BK上にトナー像を形成する構成と、その各トナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成は実質的に全て同一であり、形成される各トナー像の色が異なるだけである。よって、第1の像担持体2Yにトナー像を形成し、そのトナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成と作用だけを説明する。
【0012】
この像担持体2Yは図1における時計方向に回転駆動され、このとき像担持体表面に除電装置7からの光が照射され、該像担持体2Yの表面電位が初期化される。初期化された像担持体表面は帯電装置8によって所定の極性、この例ではマイナス極性に一様に帯電される。この帯電面に、露光装置9から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、像担持体2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置9が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0013】
像担持体2Yに形成された静電潜像は、これが現像装置11を通るとき、イエロートナー像として可視像化される。ここに一例として示した現像装置11は、乾式の現像剤を担持して搬送する現像ローラ10を有し、この現像ローラ10に担持されて搬送される現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0014】
一方、無端ベルトより成る第1の中間転写体3の内側には、その第1の中間転写体3を挟んで像担持体2Yに対向して位置する転写ローラより成る第1の転写手段12と、裏当てローラ13が配置されている。この第1の転写手段12と裏当てローラ13が第1の中間転写体3の裏面に当接し、像担持体2Yと第1の中間転写体3との適正な転写ニップが確保されている。支持ローラ4,5と裏当てローラ13は接地されている。
【0015】
上記第1の転写手段12には、像担持体2Y上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性、この例ではプラス極性の転写電圧が印加される。これにより、像担持体2Yと第1の中間転写体3との間に転写電界が形成され、像担持体2Y上のトナー像が、その像担持体2Yと同期して回転駆動される第1の中間転写体3上に静電的に転写される。このように、第1の転写手段は、像担持体2Y上のトナー像を第1の中間転写体3の表面に静電転写する用をなす。
【0016】
トナー像を第1の中間転写体3に転写したあとの像担持体2Y表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置14のクリーニング部材14Aによって除去され、像担持体2Yの表面が清掃される。
【0017】
全く同様にして、第2乃至第4の各像担持体2M,2C,2BKには、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。各像担持体に対向配置された現像装置が、その各像担持体に互いに異なった色のトナー像を形成するのである。第2乃至第4の像担持体2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像は、転写ローラにより構成された各第1の転写手段によって、イエロートナー像の転写された第1の中間転写体3上に順次重ねて静電転写される。このようにして各像担持体に形成された互いに異なる色のトナー像が、第1の転写手段により第1の中間転写体3に順次重ねて静電転写されるが、第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成るこの画像を第1の画像と称することにする。
【0018】
無端ベルトより成る第1の中間転写体3は、各像担持体からのトナー像の転写を可能とし、そのトナー像を担持できる抵抗値を備えたベルトより成り、例えば、厚みが50乃至500μmの樹脂フィルム又はゴムなどから成るベルト基体に低表面エネルギーの表層をコートしたものから構成することができ、その全体の体積抵抗率は、例えば106乃至1012Ωcmとし、その表面抵抗率は、例えば105乃至1012Ω/□とすることができる。
【0019】
一方、第1の中間転写体3の右方には、第1の中間転写体3上の第1の画像が転写される第2の中間転写体15が配置されている。この第2の中間転写体15も第1の中間転写体3に同期して矢印B方向に回転駆動される無端ベルトにより構成されている。第2の中間転写体15の内側には、該第2の中間転写体15の裏面、すなわちトナー像が転写される表面と反対側の面に接触し、かつ接地された第1乃至第4の複数のアース部材16,21,17,18が配設されている。この例では、これらのアース部材16,21,17,18が、回転しながら、無端ベルトより成る第2の中間転写体15を支持する支持ローラを兼ねている。
【0020】
また、第2の中間転写体15を挟んで第1の中間転写体3とは反対側の第2の中間転写体15の裏面側には、第1の中間転写体3用の支持ローラ5にほぼ対向して位置する第2の転写手段20が配置されている。図示した例では、この第2の転写手段20も転写ローラにより構成され、この転写ローラと、裏当てローラとしての用をなす第2のアース部材21が第2の中間転写体15の裏面に当接し、これによって第1の中間転写体3と第2の中間転写体15が適正な転写ニップをもって互いに当接する。第2の中間転写体15には、第1の中間転写体3上のトナー像が次のように第2の転写手段20によって静電転写される。
【0021】
すなわち、第2の転写手段20には、第1の中間転写体3上の第1の画像のトナー帯電極性と逆極性(図した例ではプラス極性)の転写電圧が印加され、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との間に転写電界が形成される。このようにして、各像担持体から第1の中間転写体3上に重ねて静電転写された重ねトナー像より成る第1の画像が、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との間の転写位置に達したとき、第2の転写手段20によって第2の中間転写体15上に静電的に転写される。
【0022】
第2の中間転写体15に第1の画像を転写したあとの第1の中間転写体3の表面に付着する転写残トナーは、紙粉などと共に、クリーニング装置22のクリーニング部材22Aによって除去され、第1の中間転写体3の表面が清掃される。
【0023】
第2の中間転写体15に転写された第1の画像が、その第2の中間転写体15の回転に伴って所定のところまで移動した時、前述したところと全く同様にして、複数の像担持体2Y,2M,2C,2BK上に順次各色のトナー像がそれぞれ形成され始め、これらのトナー像が各第1の転写手段によって第1の中間転写体3上に重ねて静電転写される。このようにして複数の像担持体から第1の中間転写体3上に転写された重ねトナー像より成る画像を第2の画像と称することにする。
【0024】
一方、本体筐体内の下部には、記録媒体給送装置23が設けられている。ここに例示した記録媒体給送装置23は、転写紙や樹脂シートなどから成る記録媒体Pを積載収容した2つの給紙カセット24,24Aと、その各給紙カセットから記録媒体Pを送り出す給紙ローラ25,25Aを有し、そのいずれかの給紙ローラが最上位の記録媒体上面に当接して回転することにより、その最上位の記録媒体が送り出され、該記録媒体は複数のガイド部材により構成された搬送路を通ってレジストローラ対26へ搬送される。
【0025】
レジストローラ対26は、第1の中間転写体3上の第2の画像と第2の中間転写体15上の第1の画像が記録媒体Pの各面にそれぞれ整合して転写されるタイミングで記録媒体Pを送り出す。このようにしてレジストローラ対26から送り出された記録媒体は、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との当接部を通過し、上方に搬送される。このとき第2の中間転写体15の表面に対向して配置された例えばコロナ放電器より成る第3の転写手段27に、第2の中間転写体15上の第1の画像のトナー帯電極性と逆極性(本例ではプラス極性)の転写電圧が印加される。これによって第2の中間転写体15と記録媒体Pとの間に転写電界が形成され、第2の中間転写体15上の第1の画像が記録媒体Pの一方の面に静電的に転写される。このように、第3の転写手段27は、第2の中間転写体15上のトナー像を記録媒体Pの一方の面に静電転写する用をなし、かかる第3の転写手段27は、第2の転写手段20よりも記録媒体搬送方向下流側に位置している。また、第3の転写手段27は、第2の中間転写体15の表面に対向し、かつその表面から離間して配置されている。第3のアース部材17は、第3の転写手段27の対向電極としての用をなし、かかる対向電極を設けることにより、第3の転写手段27による放電を安定させて、高品質な画像を得ることができる。
【0026】
一方、記録媒体Pが第1及び第2の中間転写体3,15の間を通過するとき、転写ローラより成る転写手段20に第1の中間転写体3上の第2の画像のトナー帯電極性と逆極性(図の例ではプラス)の転写電圧が印加される。このようにして、第1の中間転写体3上の第2の画像が、第2の転写手段20により記録媒体Pの他方の面に静電転写される。
【0027】
第1の画像と第2の画像を転写された記録媒体Pは第2の中間転写体15から離れてさらに上方に搬送され、第2の中間転写体15よりも上方に配置された定着装置28を通過する。この定着装置28は、記録媒体に転写されたトナー像を定着する用をなし、定着ローラとして構成された第1の加熱手段29と第2の加熱手段30を有し、これらの加熱手段はその内部に設けられたヒータなどの熱源によって加熱され、それぞれ矢印方向に回転しながら互いに当接する。記録媒体Pは、かかる第1及び第2の加熱手段29,30の間を搬送され、このとき両加熱手段29,30から受ける熱と圧力の作用によって、記録媒体Pに転写された第1の画像と第2の画像が一度に記録媒体Pに定着される。定着装置28を通過した記録媒体Pは、排出ローラ対60によって、矢印Cで示すように、記録媒体排出部31に排出される。このようにして、両面にフルカラー画像の形成された記録媒体が得られる。
【0028】
上述のように記録媒体の各面に転写された第1及び第2の画像を定着する定着装置28の第1及び第2の加熱手段29,30の表層を、例えば離型性に優れたシリコーンゴムなどにより構成することができるが、その表層の材質を同じにしておくと、記録媒体Pの各面に定着された第1及び第2の画像の光沢度や色合いなどを同じにすることができる。
【0029】
第2の画像を記録媒体Pの他方の面に転写したあとの第1の中間転写体3の表面はクリーニング装置22のクリーニング部材22Aによって清掃される。
【0030】
一方、第1の画像を転写したあとの第2の中間転写体15の表面に付着する転写残トナーは、その第2の中間転写体15の表面に圧接するクリーニング装置32のクリーニング部材32Eによって除去され、その表面が清掃される。除去されたトナーは図示していないトナー搬送手段により同じく図示していない収納部に集められる。クリーニング部材32Eは、第2の中間転写体15に担持された第1の画像がそのクリーニング部材32Eを通るとき、第2の中間転写体15の表面から離間し、その表面に付着した転写残トナーを除去する時に、当該表面に当接する。
【0031】
無端ベルトより成る第2の中間転写体15は、第1の中間転写体3からのトナー像の転写を可能とし、そのトナー像を担持できる抵抗値を備えたベルトより成り、例えば、50乃至500μmのポリイミド或いはポリアミドイミドなど耐熱性に優れた樹脂フィルム又はゴムなどから成るベルト基体の表面にフッ素樹脂などから成る低表面エネルギーの離型層が積層された無端ベルトによって構成することができる。かかる第2の中間転写体15の全体の体積抵抗率は、例えば106乃至1012Ωcmとし、表面抵抗率を105乃至1012Ω/□とすることができる。
【0032】
前述のように、第1の中間転写体3用の支持ローラ4,5及び裏当てローラ13と、第2の中間転写体15の裏面に接触する支持ローラを兼ねた第1乃至第4のアース部材16,21,17,18は接地されているので、トナー像の転写効率を確保して異常画像の発生を防止することが可能であるが、その反面、第1乃至第4のアース部材16,21,17,18が接地されているがために、次のような問題が発生するおそれがある。
【0033】
図2は、図1に示した画像形成装置の転写部分を90°回転させた状態で示した説明図である。第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に静電転写するとき、前述のように、第2の転写手段20に転写電圧を印加するが、このとき第2の転写手段20から、第2の中間転写体15を通して第1の中間転写体3に転写電流が流れて、第1の中間転写体3上の第1の画像が第2の中間転写体15上に転写される。
【0034】
ここで、図2に示すように、第2の転写手段20の第2の中間転写体移動方向Bにおける中間位置Eから、該第2の転写手段20よりも第2の中間転写体移動方向下流側に位置し、かつ該第2の転写手段20の最も近くに位置するアース部材(本例では第3のアース部材17)が第2の中間転写体15に当接した接触幅W1の最上流側位置Fまでの第2の中間転写体15に沿う距離をaとし、第1の中間転写体3が第2の中間転写体15に接触するニップ幅Nの第2の中間転写体移動方向最下流側の位置Gから上記中間位置Eまでの第2の中間転写体15に沿う距離をbとする。
【0035】
その際、仮に、a<bに設定されていたとすると、第2の転写手段20に転写電圧を印加することにより生じる転写電流は、抵抗の大なる第1の中間転写体3の側よりも、電流として流れやすいアース部材17の側へ第2の中間転写体15を通して流れてしまう。このようになれば、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15に静電転写するときの転写効率が低下し、該画像を転写するには、第2の転写手段20に多量の転写電流を供給しなければならない。
【0036】
そこで、本例の画像形成装置においては、図2に示すように、上記距離a,bがa>bに設定されている。かかる構成により、アース部材17の側に流れる転写電流を抑え、第2の中間転写体15を通して第1の中間転写体3の側へ多量の転写電流を供給することができる。これにより、第2の転写手段20に過度に多量の転写電流を供給せずに、効率よく安定した状態で第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に静電転写することができる。
【0037】
次に、図2に示すように、第2の転写手段20よりも第2の中間転写体15の移動方向上流側に位置し、かつその第2の転写手段20の最も近くに位置するアース部材(本例では第2のアース部材21)が第2の中間転写体15に当接する接触幅W2の最下流側位置をHとしたとき、第1の中間転写体3が第2の中間転写体15に接触するニップ幅Nの第2の中間転写体15の移動方向最下流側の位置Gから上記位置Hまでの第2の中間転写体15に沿う距離をcとする。
【0038】
その際、第1の中間転写体3上の第2の画像を、図2には示していない記録媒体Pの他方の面に静電転写するときも、第2の転写手段20に転写電圧を印加し、これにより生じる転写電流を第2の転写手段20から第1の中間転写体3に供給する必要がある。ところが、特に厚紙などの抵抗の高い記録媒体Pが用いられた場合には、転写電流がその記録媒体Pの側に流れようとせずに、第3のアース部材17か第2のアース部材21へ流れようとする。ここで、仮に上記距離aが短いと、この場合も転写電流は、第3のアース部材17の側へ多量に流れ、第1の中間転写体3の第1の画像を記録媒体Pの他方の面に転写する効率が低下する。
【0039】
そこで、本例の画像形成装置においては、上述の各距離a,b,cがa>b+cを満たすように設定されている。このように構成すれば、転写電流は、第3のアース部材17の側ではなく、第2のアース部材21の方へ多量に流れ、これによって第1の中間転写体3に供給される転写電流の量が増大し、第1の中間転写体3上の第2の画像を効率よく記録媒体Pの他方の面に転写することができる。
【0040】
例えば、a=30mm、b=5mm、c=10mmに設定することにより、効率よく第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15に静電転写し、かつ第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの他方の面に効率よく転写することができる。また、距離bが、0mm≦b<10mmであると良好な結果が得られる。
【0041】
図3に示した画像形成装置は、定着装置28の第1の加熱手段29Aと第2の加熱手段30Aが第2の中間転写体15を挟んで配置されていると共に、第3の転写手段27の対向電極が、接地された板状のアース部材33として構成されている。かかる画像形成装置にも前述した各構成を採用でき、図3に示した画像形成装置の場合には、アース部材33が、第2の転写手段20よりも第2の中間転写体15の移動方向下流側に位置し、かつ第2の転写手段20の最も近くに位置するアース部材を構成する。図3に示した画像形成装置の他の構成は、図1に示した画像形成装置と実質的に変わらず、図1の各部に対応する図3の部分には、図1と同じ符号を付してある。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成によって第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】画像転写部の拡大説明図である。
【図3】画像形成装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
2Y 像担持体
2M 像担持体
2C 像担持体
2BK 像担持体
3 第1の中間転写体
12 第1の転写手段
15 第2の中間転写体
16,17,18,21,33 アース部材
20 第2の転写手段
27 第3の転写手段
28 定着装置
P 記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体に形成されたトナー像が第1の転写手段により順次重ねて静電転写される第1の中間転写体と、該第1の中間転写体上のトナー像が第2の転写手段により静電転写される第2の中間転写体と、該第2の中間転写体上のトナー像を記録媒体の一方の面に静電転写する第3の転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着装置とを具備し、各像担持体から前記第1の中間転写体上に重ねて静電転写された重ねトナー像より成る第1の画像を前記第2の転写手段により第2の中間転写体上に静電転写し、該第2の中間転写体上の第1の画像を前記第3の転写手段により記録媒体の一方の面に静電転写すると共に、複数の像担持体から第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成る第2の画像を前記第2の転写手段により前記記録媒体の他方の面に静電転写し、該記録媒体の各面に転写された第1及び第2の画像を前記定着装置によって定着する画像形成装置であって、前記第2の転写手段は、前記第2の中間転写体を挟んで前記第1の中間転写体とは反対側の第2の中間転写体の裏面側に位置し、前記第2の中間転写体の裏面に接触し、かつ接地された複数のアース部材が配設された画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンタ或いはこれらの少なくとも2つの機能を備えた複合機などとして構成される上記形式の画像形成装置は既に提案されている。この形式の画像形成装置によれば、記録媒体を反転させることなく、当該記録媒体を一度給送するだけで、その記録媒体の両面にカラー画像を形成することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率をより一層高めることのできる冒頭に記載した形式の画像形成装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、冒頭に記載して形式の画像形成装置において、前記第2の転写手段の第2の中間転写体移動方向における中間位置から、該第2の転写手段よりも第2の中間転写体移動方向下流側に位置し、かつ該第2の転写手段の最も近くに位置するアース部材が第2の中間転写体に当接した接触幅の最上流側位置までの第2の中間転写体に沿う距離をaとし、前記第1の中間転写体が前記第2の中間転写体に接触するニップ幅の第2の中間転写体移動方向最下流側の位置から前記中間位置までの第2の中間転写体に沿う距離をbとしたとき、a>bに設定されていることを特徴とする画像形成装置を提案する(請求項1)。
【0005】
また、上記請求項1に記載の画像形成装置において、前記第1の中間転写体が前記第2の中間転写体に接触するニップ幅の第2の中間転写体移動方向最下流側の位置から、前記第2の転写手段よりも第2の中間転写体移動方上流側に位置し、かつ該第2の転写手段の最も近くに位置するアース部材が第2の中間転写体に当接する接触幅の最下流側位置までの第2の中間転写体に沿う距離をcとしたとき、a>b+cに設定されていると有利である(請求項2)。
【0006】
さらに、上記請求項1又は2に記載の画像形成装置において、前記距離bが、0mm≦b<10mmに設定されていると有利である(請求項3)。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に従って詳細に説明する。
【0008】
図1は画像形成装置の一例を示す垂直断面図であり、ここに示した画像形成装置は、その本体筐体1内に配置された複数の像担持体、図示した例では第1乃至第4の4つの像担持体2Y,2M,2C,2BKが設けられている。各像担持体には互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される。図1に示した例では、第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BKに、イエロートナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成されるものとする。
【0009】
図1に示した各像担持体2Y,2M,2C,2BKはドラム状の感光体より成るが、複数のローラに巻き掛けられて回転駆動される無端ベルト状の感光体より成る像担持体などを用いることもできる。ドラム状の像担持体は、例えば、直径が30乃至100mm程度のアルミニウム製の円筒状の基体の表面に、光導電性物質である有機半導体の層を設けたものから構成することができる。
【0010】
第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BKに対向して第1の中間転写体3が配置され、各像担持体2Y,2M,2C,2BKが第1の中間転写体3の表面に当接している。第1の中間転写体としてドラム状の中間転写体を用いることもできるが、図1に示した例では、第2の中間転写体3が、支持ローラ4,5より成る複数の支持部材に巻き掛けられて矢印A方向に回転駆動される無端ベルトにより構成されている。かかる第1の中間転写体3の表面上に、各像担持体2Y,2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像が重ねて転写される。
【0011】
第1乃至第4の像担持体2Y,2M,2C,2BK上にトナー像を形成する構成と、その各トナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成は実質的に全て同一であり、形成される各トナー像の色が異なるだけである。よって、第1の像担持体2Yにトナー像を形成し、そのトナー像を第1の中間転写体3上に転写する構成と作用だけを説明する。
【0012】
この像担持体2Yは図1における時計方向に回転駆動され、このとき像担持体表面に除電装置7からの光が照射され、該像担持体2Yの表面電位が初期化される。初期化された像担持体表面は帯電装置8によって所定の極性、この例ではマイナス極性に一様に帯電される。この帯電面に、露光装置9から出射する光変調されたレーザ光Lが照射され、像担持体2Yの表面に書き込み情報に対応した静電潜像が形成される。図1に示した画像形成装置においてはレーザ光を出射するレーザ書き込み装置より成る露光装置9が用いられているが、LEDアレイと結像手段を有する露光装置などを用いることもできる。
【0013】
像担持体2Yに形成された静電潜像は、これが現像装置11を通るとき、イエロートナー像として可視像化される。ここに一例として示した現像装置11は、乾式の現像剤を担持して搬送する現像ローラ10を有し、この現像ローラ10に担持されて搬送される現像剤によって静電潜像がトナー像として可視像化される。
【0014】
一方、無端ベルトより成る第1の中間転写体3の内側には、その第1の中間転写体3を挟んで像担持体2Yに対向して位置する転写ローラより成る第1の転写手段12と、裏当てローラ13が配置されている。この第1の転写手段12と裏当てローラ13が第1の中間転写体3の裏面に当接し、像担持体2Yと第1の中間転写体3との適正な転写ニップが確保されている。支持ローラ4,5と裏当てローラ13は接地されている。
【0015】
上記第1の転写手段12には、像担持体2Y上に形成されたトナー像のトナー帯電極性と逆極性、この例ではプラス極性の転写電圧が印加される。これにより、像担持体2Yと第1の中間転写体3との間に転写電界が形成され、像担持体2Y上のトナー像が、その像担持体2Yと同期して回転駆動される第1の中間転写体3上に静電的に転写される。このように、第1の転写手段は、像担持体2Y上のトナー像を第1の中間転写体3の表面に静電転写する用をなす。
【0016】
トナー像を第1の中間転写体3に転写したあとの像担持体2Y表面に付着する転写残トナーは、クリーニング装置14のクリーニング部材14Aによって除去され、像担持体2Yの表面が清掃される。
【0017】
全く同様にして、第2乃至第4の各像担持体2M,2C,2BKには、マゼンタトナー像、シアントナー像及びブラックトナー像がそれぞれ形成される。各像担持体に対向配置された現像装置が、その各像担持体に互いに異なった色のトナー像を形成するのである。第2乃至第4の像担持体2M,2C,2BK上に形成された各色のトナー像は、転写ローラにより構成された各第1の転写手段によって、イエロートナー像の転写された第1の中間転写体3上に順次重ねて静電転写される。このようにして各像担持体に形成された互いに異なる色のトナー像が、第1の転写手段により第1の中間転写体3に順次重ねて静電転写されるが、第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成るこの画像を第1の画像と称することにする。
【0018】
無端ベルトより成る第1の中間転写体3は、各像担持体からのトナー像の転写を可能とし、そのトナー像を担持できる抵抗値を備えたベルトより成り、例えば、厚みが50乃至500μmの樹脂フィルム又はゴムなどから成るベルト基体に低表面エネルギーの表層をコートしたものから構成することができ、その全体の体積抵抗率は、例えば106乃至1012Ωcmとし、その表面抵抗率は、例えば105乃至1012Ω/□とすることができる。
【0019】
一方、第1の中間転写体3の右方には、第1の中間転写体3上の第1の画像が転写される第2の中間転写体15が配置されている。この第2の中間転写体15も第1の中間転写体3に同期して矢印B方向に回転駆動される無端ベルトにより構成されている。第2の中間転写体15の内側には、該第2の中間転写体15の裏面、すなわちトナー像が転写される表面と反対側の面に接触し、かつ接地された第1乃至第4の複数のアース部材16,21,17,18が配設されている。この例では、これらのアース部材16,21,17,18が、回転しながら、無端ベルトより成る第2の中間転写体15を支持する支持ローラを兼ねている。
【0020】
また、第2の中間転写体15を挟んで第1の中間転写体3とは反対側の第2の中間転写体15の裏面側には、第1の中間転写体3用の支持ローラ5にほぼ対向して位置する第2の転写手段20が配置されている。図示した例では、この第2の転写手段20も転写ローラにより構成され、この転写ローラと、裏当てローラとしての用をなす第2のアース部材21が第2の中間転写体15の裏面に当接し、これによって第1の中間転写体3と第2の中間転写体15が適正な転写ニップをもって互いに当接する。第2の中間転写体15には、第1の中間転写体3上のトナー像が次のように第2の転写手段20によって静電転写される。
【0021】
すなわち、第2の転写手段20には、第1の中間転写体3上の第1の画像のトナー帯電極性と逆極性(図した例ではプラス極性)の転写電圧が印加され、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との間に転写電界が形成される。このようにして、各像担持体から第1の中間転写体3上に重ねて静電転写された重ねトナー像より成る第1の画像が、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との間の転写位置に達したとき、第2の転写手段20によって第2の中間転写体15上に静電的に転写される。
【0022】
第2の中間転写体15に第1の画像を転写したあとの第1の中間転写体3の表面に付着する転写残トナーは、紙粉などと共に、クリーニング装置22のクリーニング部材22Aによって除去され、第1の中間転写体3の表面が清掃される。
【0023】
第2の中間転写体15に転写された第1の画像が、その第2の中間転写体15の回転に伴って所定のところまで移動した時、前述したところと全く同様にして、複数の像担持体2Y,2M,2C,2BK上に順次各色のトナー像がそれぞれ形成され始め、これらのトナー像が各第1の転写手段によって第1の中間転写体3上に重ねて静電転写される。このようにして複数の像担持体から第1の中間転写体3上に転写された重ねトナー像より成る画像を第2の画像と称することにする。
【0024】
一方、本体筐体内の下部には、記録媒体給送装置23が設けられている。ここに例示した記録媒体給送装置23は、転写紙や樹脂シートなどから成る記録媒体Pを積載収容した2つの給紙カセット24,24Aと、その各給紙カセットから記録媒体Pを送り出す給紙ローラ25,25Aを有し、そのいずれかの給紙ローラが最上位の記録媒体上面に当接して回転することにより、その最上位の記録媒体が送り出され、該記録媒体は複数のガイド部材により構成された搬送路を通ってレジストローラ対26へ搬送される。
【0025】
レジストローラ対26は、第1の中間転写体3上の第2の画像と第2の中間転写体15上の第1の画像が記録媒体Pの各面にそれぞれ整合して転写されるタイミングで記録媒体Pを送り出す。このようにしてレジストローラ対26から送り出された記録媒体は、第1の中間転写体3と第2の中間転写体15との当接部を通過し、上方に搬送される。このとき第2の中間転写体15の表面に対向して配置された例えばコロナ放電器より成る第3の転写手段27に、第2の中間転写体15上の第1の画像のトナー帯電極性と逆極性(本例ではプラス極性)の転写電圧が印加される。これによって第2の中間転写体15と記録媒体Pとの間に転写電界が形成され、第2の中間転写体15上の第1の画像が記録媒体Pの一方の面に静電的に転写される。このように、第3の転写手段27は、第2の中間転写体15上のトナー像を記録媒体Pの一方の面に静電転写する用をなし、かかる第3の転写手段27は、第2の転写手段20よりも記録媒体搬送方向下流側に位置している。また、第3の転写手段27は、第2の中間転写体15の表面に対向し、かつその表面から離間して配置されている。第3のアース部材17は、第3の転写手段27の対向電極としての用をなし、かかる対向電極を設けることにより、第3の転写手段27による放電を安定させて、高品質な画像を得ることができる。
【0026】
一方、記録媒体Pが第1及び第2の中間転写体3,15の間を通過するとき、転写ローラより成る転写手段20に第1の中間転写体3上の第2の画像のトナー帯電極性と逆極性(図の例ではプラス)の転写電圧が印加される。このようにして、第1の中間転写体3上の第2の画像が、第2の転写手段20により記録媒体Pの他方の面に静電転写される。
【0027】
第1の画像と第2の画像を転写された記録媒体Pは第2の中間転写体15から離れてさらに上方に搬送され、第2の中間転写体15よりも上方に配置された定着装置28を通過する。この定着装置28は、記録媒体に転写されたトナー像を定着する用をなし、定着ローラとして構成された第1の加熱手段29と第2の加熱手段30を有し、これらの加熱手段はその内部に設けられたヒータなどの熱源によって加熱され、それぞれ矢印方向に回転しながら互いに当接する。記録媒体Pは、かかる第1及び第2の加熱手段29,30の間を搬送され、このとき両加熱手段29,30から受ける熱と圧力の作用によって、記録媒体Pに転写された第1の画像と第2の画像が一度に記録媒体Pに定着される。定着装置28を通過した記録媒体Pは、排出ローラ対60によって、矢印Cで示すように、記録媒体排出部31に排出される。このようにして、両面にフルカラー画像の形成された記録媒体が得られる。
【0028】
上述のように記録媒体の各面に転写された第1及び第2の画像を定着する定着装置28の第1及び第2の加熱手段29,30の表層を、例えば離型性に優れたシリコーンゴムなどにより構成することができるが、その表層の材質を同じにしておくと、記録媒体Pの各面に定着された第1及び第2の画像の光沢度や色合いなどを同じにすることができる。
【0029】
第2の画像を記録媒体Pの他方の面に転写したあとの第1の中間転写体3の表面はクリーニング装置22のクリーニング部材22Aによって清掃される。
【0030】
一方、第1の画像を転写したあとの第2の中間転写体15の表面に付着する転写残トナーは、その第2の中間転写体15の表面に圧接するクリーニング装置32のクリーニング部材32Eによって除去され、その表面が清掃される。除去されたトナーは図示していないトナー搬送手段により同じく図示していない収納部に集められる。クリーニング部材32Eは、第2の中間転写体15に担持された第1の画像がそのクリーニング部材32Eを通るとき、第2の中間転写体15の表面から離間し、その表面に付着した転写残トナーを除去する時に、当該表面に当接する。
【0031】
無端ベルトより成る第2の中間転写体15は、第1の中間転写体3からのトナー像の転写を可能とし、そのトナー像を担持できる抵抗値を備えたベルトより成り、例えば、50乃至500μmのポリイミド或いはポリアミドイミドなど耐熱性に優れた樹脂フィルム又はゴムなどから成るベルト基体の表面にフッ素樹脂などから成る低表面エネルギーの離型層が積層された無端ベルトによって構成することができる。かかる第2の中間転写体15の全体の体積抵抗率は、例えば106乃至1012Ωcmとし、表面抵抗率を105乃至1012Ω/□とすることができる。
【0032】
前述のように、第1の中間転写体3用の支持ローラ4,5及び裏当てローラ13と、第2の中間転写体15の裏面に接触する支持ローラを兼ねた第1乃至第4のアース部材16,21,17,18は接地されているので、トナー像の転写効率を確保して異常画像の発生を防止することが可能であるが、その反面、第1乃至第4のアース部材16,21,17,18が接地されているがために、次のような問題が発生するおそれがある。
【0033】
図2は、図1に示した画像形成装置の転写部分を90°回転させた状態で示した説明図である。第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に静電転写するとき、前述のように、第2の転写手段20に転写電圧を印加するが、このとき第2の転写手段20から、第2の中間転写体15を通して第1の中間転写体3に転写電流が流れて、第1の中間転写体3上の第1の画像が第2の中間転写体15上に転写される。
【0034】
ここで、図2に示すように、第2の転写手段20の第2の中間転写体移動方向Bにおける中間位置Eから、該第2の転写手段20よりも第2の中間転写体移動方向下流側に位置し、かつ該第2の転写手段20の最も近くに位置するアース部材(本例では第3のアース部材17)が第2の中間転写体15に当接した接触幅W1の最上流側位置Fまでの第2の中間転写体15に沿う距離をaとし、第1の中間転写体3が第2の中間転写体15に接触するニップ幅Nの第2の中間転写体移動方向最下流側の位置Gから上記中間位置Eまでの第2の中間転写体15に沿う距離をbとする。
【0035】
その際、仮に、a<bに設定されていたとすると、第2の転写手段20に転写電圧を印加することにより生じる転写電流は、抵抗の大なる第1の中間転写体3の側よりも、電流として流れやすいアース部材17の側へ第2の中間転写体15を通して流れてしまう。このようになれば、第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15に静電転写するときの転写効率が低下し、該画像を転写するには、第2の転写手段20に多量の転写電流を供給しなければならない。
【0036】
そこで、本例の画像形成装置においては、図2に示すように、上記距離a,bがa>bに設定されている。かかる構成により、アース部材17の側に流れる転写電流を抑え、第2の中間転写体15を通して第1の中間転写体3の側へ多量の転写電流を供給することができる。これにより、第2の転写手段20に過度に多量の転写電流を供給せずに、効率よく安定した状態で第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15上に静電転写することができる。
【0037】
次に、図2に示すように、第2の転写手段20よりも第2の中間転写体15の移動方向上流側に位置し、かつその第2の転写手段20の最も近くに位置するアース部材(本例では第2のアース部材21)が第2の中間転写体15に当接する接触幅W2の最下流側位置をHとしたとき、第1の中間転写体3が第2の中間転写体15に接触するニップ幅Nの第2の中間転写体15の移動方向最下流側の位置Gから上記位置Hまでの第2の中間転写体15に沿う距離をcとする。
【0038】
その際、第1の中間転写体3上の第2の画像を、図2には示していない記録媒体Pの他方の面に静電転写するときも、第2の転写手段20に転写電圧を印加し、これにより生じる転写電流を第2の転写手段20から第1の中間転写体3に供給する必要がある。ところが、特に厚紙などの抵抗の高い記録媒体Pが用いられた場合には、転写電流がその記録媒体Pの側に流れようとせずに、第3のアース部材17か第2のアース部材21へ流れようとする。ここで、仮に上記距離aが短いと、この場合も転写電流は、第3のアース部材17の側へ多量に流れ、第1の中間転写体3の第1の画像を記録媒体Pの他方の面に転写する効率が低下する。
【0039】
そこで、本例の画像形成装置においては、上述の各距離a,b,cがa>b+cを満たすように設定されている。このように構成すれば、転写電流は、第3のアース部材17の側ではなく、第2のアース部材21の方へ多量に流れ、これによって第1の中間転写体3に供給される転写電流の量が増大し、第1の中間転写体3上の第2の画像を効率よく記録媒体Pの他方の面に転写することができる。
【0040】
例えば、a=30mm、b=5mm、c=10mmに設定することにより、効率よく第1の中間転写体3上の第1の画像を第2の中間転写体15に静電転写し、かつ第1の中間転写体3上の第2の画像を記録媒体Pの他方の面に効率よく転写することができる。また、距離bが、0mm≦b<10mmであると良好な結果が得られる。
【0041】
図3に示した画像形成装置は、定着装置28の第1の加熱手段29Aと第2の加熱手段30Aが第2の中間転写体15を挟んで配置されていると共に、第3の転写手段27の対向電極が、接地された板状のアース部材33として構成されている。かかる画像形成装置にも前述した各構成を採用でき、図3に示した画像形成装置の場合には、アース部材33が、第2の転写手段20よりも第2の中間転写体15の移動方向下流側に位置し、かつ第2の転写手段20の最も近くに位置するアース部材を構成する。図3に示した画像形成装置の他の構成は、図1に示した画像形成装置と実質的に変わらず、図1の各部に対応する図3の部分には、図1と同じ符号を付してある。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、簡単な構成によって第1の中間転写体から第2の中間転写体への第1の画像の転写効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置の一例を示す概略断面図である。
【図2】画像転写部の拡大説明図である。
【図3】画像形成装置の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
2Y 像担持体
2M 像担持体
2C 像担持体
2BK 像担持体
3 第1の中間転写体
12 第1の転写手段
15 第2の中間転写体
16,17,18,21,33 アース部材
20 第2の転写手段
27 第3の転写手段
28 定着装置
P 記録媒体
Claims (3)
- 互いに異なる色のトナー像がそれぞれ形成される複数の像担持体と、各像担持体に形成されたトナー像が第1の転写手段により順次重ねて静電転写される第1の中間転写体と、該第1の中間転写体上のトナー像が第2の転写手段により静電転写される第2の中間転写体と、該第2の中間転写体上のトナー像を記録媒体の一方の面に静電転写する第3の転写手段と、記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着装置とを具備し、各像担持体から前記第1の中間転写体上に重ねて静電転写された重ねトナー像より成る第1の画像を前記第2の転写手段により第2の中間転写体上に静電転写し、該第2の中間転写体上の第1の画像を前記第3の転写手段により記録媒体の一方の面に静電転写すると共に、複数の像担持体から第1の中間転写体上に転写された重ねトナー像より成る第2の画像を前記第2の転写手段により前記記録媒体の他方の面に静電転写し、該記録媒体の各面に転写された第1及び第2の画像を前記定着装置によって定着する画像形成装置であって、前記第2の転写手段は、前記第2の中間転写体を挟んで前記第1の中間転写体とは反対側の第2の中間転写体の裏面側に位置し、前記第2の中間転写体の裏面に接触し、かつ接地された複数のアース部材が配設された画像形成装置において、
前記第2の転写手段の第2の中間転写体移動方向における中間位置から、該第2の転写手段よりも第2の中間転写体移動方向下流側に位置し、かつ該第2の転写手段の最も近くに位置するアース部材が第2の中間転写体に当接した接触幅の最上流側位置までの第2の中間転写体に沿う距離をaとし、前記第1の中間転写体が前記第2の中間転写体に接触するニップ幅の第2の中間転写体移動方向最下流側の位置から前記中間位置までの第2の中間転写体に沿う距離をbとしたとき、a>bに設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 前記第1の中間転写体が前記第2の中間転写体に接触するニップ幅の第2の中間転写体移動方向最下流側の位置から、前記第2の転写手段よりも第2の中間転写体移動方上流側に位置し、かつ該第2の転写手段の最も近くに位置するアース部材が第2の中間転写体に当接する接触幅の最下流側位置までの第2の中間転写体に沿う距離をcとしたとき、a>b+cに設定されている請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記距離bが、0mm≦b<10mmに設定されている請求項1又は2に記載の画像形成装置。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20160274501A1 (en) * | 2015-03-17 | 2016-09-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
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2002
- 2002-09-24 JP JP2002276429A patent/JP2004117409A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20160274501A1 (en) * | 2015-03-17 | 2016-09-22 | Canon Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus |
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