JP2004112697A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多値画像の量子化処理時におけるはき寄せを防止する。
【解決手段】1.マゼンタ(M)成分の濃度値Mに基づいて、シアン(C)成分の誤差拡散で用いる基準しきい値(Cthreshold)を求める。2.C成分の濃度値CとM成分の濃度値Mの組み合わせを用いて、図12に示すような、しきい値変調量テーブルを参照する。3.第2ステップにより得られたしきい値変調量をC成分の誤差拡散で用いる基準しきい値Cthresholdに加算して、補正しきい値変調量Cthreshold’を決定する。4.C成分の誤差拡散後の濃度Ctと補正しきい値Cthreshold’とを比較し、濃度Ctの方が大きかった場合、注目画素の量子化値binDataCの値を255とし、小さければ0とする。これをシアンについても同様に行う。
【選択図】図12

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像処理装置及び画像処理方法に関し、特に、多値画像濃度データに誤差拡散処理を施して擬似中間調処理を行う画像処理装置及び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、多値データを2値で表現する疑似中間調処理として誤差拡散法が知られている(非特許文献1参照)。この方法は、着目画素をP、その濃度をv、P点の周辺画素P0、P1、P2、P3の濃度をそれぞれv0、v1、v2、v3、2値化のための閾値をTとすると、着目点Pにおける2値化誤差Eを周辺画素P0、P1、P2、P3に経験的に求めた重み係数W0、W1、W2、W3で振り分けてマクロ的に平均濃度を元画像の濃度と等しくする方法である。このとき、出力2値データをoとすると
v≧T ならば o=1,E=v−Vmax; (式1)
v<T ならば o=0,E=v−Vmin;
(ただし、Vmax:最大濃度、Vmin:最小濃度)
v0=v0+E×W0;     (式2)
v1=v1+E×W1;     (式3)
v2=v2+E×W2;     (式4)
v3=v3+E×W3;     (式5)
となる。ここで重み係数の例としては、W0=7/16,W1=1/16,W2=5/16,W3=3/16などが設定される。
【0003】
本方法により、多色、例えば、カラーインクジェットプリンタ等で用いられるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラック4色を擬似中間調処理する場合には各色独立に上記誤差拡散法等を用いて処理を行っていたために、1色について見た場合には視覚特性が優れていても、2色以上が重なると必ずしも良好な視覚特性が得られなかった。
【0004】
この欠点を改良するために、2色以上を組み合わせて誤差拡散法を用いることにより、2色以上が重なり合う場合においても良好な視覚特性の得られる擬似中間調処理方法が開示されている(特許文献1および特許文献2参照)。しかし、これらの方法では2値化のための閾値は各色固定であり、色ごとに閾値が異なる場合については対応できない。
【0005】
また、特許文献3においては、2色以上を独立に疑似中階調処理をしたのちに、入力値の合計により出力値の修正を行い、同様な改良を行う方法が開示されている。
【0006】
特に、カラー画像の中濃度領域の粒状感を低減するのに、シアン成分(C)とマゼンタ成分(M)のドットが互いに重なり合わない様に画像形成をする事が効果的であり、そのために以下の手法が用いられている。
【0007】
図6は従来のインクジェット方式に従う画像形成制御例を示す。
【0008】
ここでは、画像データは各画素各濃度成分(黄、マゼンタ、シアン、黒:YMCK)が8ビット(階調値が0〜255)の多値データで表現されるとして説明する。
【0009】
多値カラー画像の注目画素のC成分とM成分のそれぞれの濃度Ct、Mtは、原画像のC成分とM成分の濃度値をそれぞれ、C、Mとすれば、
Ct=C+Cerr
Mt=M+Merr
と表される。ここで、CerrとMerrとはC成分とM成分夫々について注目画素に対して誤差拡散された値である。
【0010】
得られたC,Mの値について、図6に示されるように、C、Mの画像形成に関し、注目画素のC成分とM成分の濃度に従って、4通りの画像形成制御を行う。
1.(Ct+Mt)の和が閾値(Threshold1)以下である場合、即ち、図6の領域(1)に属する場合には、CインクもMインクも用いてドット記録はしない。
2.(Ct+Mt)の和が閾値(Threshold1)を越えており、かつ、(Ct+Mt)の和が別の閾値(Threshold2)未満であり、かつ、Ct>Mtである場合、即ち、図6の領域(2)に属する場合には、Cインクのみでドット記録を行う。
3.(Ct+Mt)の和が閾値(Threshold1)を越えており、かつ、(Ct+Mt)の和が別の閾値(Threshold2)未満であり、かつ、Ct≦Mtである場合、即ち、図6の領域(3)に属する場合には、Mインクのみでドット記録を行う。
4.(Ct+Mt)の和が別の閾値(Threshold2)以上である場合、即ち、図6の領域(4)に属する場合には、CインクとMインクとを用いてドット記録を行う。
【0011】
なお、ここで、Threshold1<Threshold2である。
【0012】
更に、特許文献4では、この誤差拡散ハーフトーン法に対し、よりシアンとマゼンタのドットを重なりにくくするため、片方のドットが打ち込まれた場合には、他方のドットを打ち込みにくくするように、シアンとマゼンタの各濃度値の和に基づいてしきい値を変調する誤差拡散ハーフトーン法、及び、画像のハイライト部における固有のテクスチャを抑制するため、ドットの分散性を左右する誤差拡散係数を、シアンとマゼンタの各濃度値の和に基づいて変化させる誤差拡散ハーフトーン法が開示されている。
【0013】
一方、前述の各色ごとに個別に誤差拡散を行う方法においては、従来、はき寄せやドット分散性に対する改善がなされてきた。はき寄せとは量子化誤差の蓄積によりドット形成が遅延する現象をいう。誤差拡散ハーフトーン法では、例えば一様な濃度の面であっても、量子化誤差の蓄積により画素値が量子化閾値をまたいで変動する場合がある。正の誤差が蓄積すればドットが形成され、逆に負の誤差が蓄積すればドットの形成がされずにドットの抜けとなる。この場合、誤差が蓄積されて閾値を超えるまで、ドットの形成またはドットの抜けは遅延する。これがいわゆる掃き寄せ現象あるいは吐き出し現象である。またドットの分散性とは文字通りドットの記録面における分散の状態であり、特にハイライト及びシャドウ部においてドットが均一に分散されず、鎖状などに連なって発生すると、本来の画像にはないテクスチャが生じる場合がある。
【0014】
特許文献5及び特許文献6では、はき寄せを改善するために、着目画素における着目色の濃度値に基づいて設定されたしきい値変調量を用いた誤差拡散ハーフトーン法が開示されている。
【0015】
また、特許文献7では、ドット分散性を改善するために、着目画素における着目色の濃度値に基づいて設定された誤差拡散係数を用いた誤差拡散ハーフトーン法が開示されている。
【0016】
【非特許文献1】
”An Adaptive Algorithm for Spatial Gray Scale” in society for Information Display 1975, Symposium Digest of
Technical Papers, 1975, 36
【特許文献1】
特開平8−279920号公報
【特許文献2】
特開平11−10918号公報
【特許文献3】
特開平9−139841号公報
【特許文献4】
特開2000−354172号公報
【特許文献5】
特開平8−307669号公報
【特許文献6】
特開平8−307680号公報
【特許文献7】
特許第2729278号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献3に開示されたような2色以上の重なりに対して良好な視覚特性を得る誤差拡散法に、特許文献5や特許文献6で開示されているような量子化対象色の濃度値に基づいて設定されたしきい値変調量を適用した場合、図8に示すようなドットの鎖状連結などの弊害が生じる。これは、2色以上の重なりに対しての誤差拡散法では、量子化対象色に対するドットのオン/オフを決定するためのしきい値が、単色の誤差拡散法の場合とは違い常に一定ではなく、他の色の濃度値によってダイナミックに変動するためである。つまり、複数色間の誤差拡散法に対しては、量子化対象色の濃度値のみではなく、その色に対するしきい値に影響を与える他の色の濃度値も考慮したしきい値変調量設定が必要となる。
【0017】
また、ドット分散性の改善においても、特許文献7に開示されているように、量子化対象色の濃度値に基づいて設定された誤差拡散係数を適用した場合、図10に示すような不良なドット配置しか得られないことがある。こちらもやはり、2色以上の重なりに対しての誤差拡散法では、着目色に対するドットのオン/オフを決定するためのしきい値が、単色の誤差拡散法の場合とは違い常に一定ではなく、他の色の濃度値によってダイナミックに変動するためである。
【0018】
つまり、複数の色成分の和について閾値と比較することで量子化を行う複数色間の誤差拡散法については、掃き寄せ現象およびドット分散の改善のためには、量子化対象色の濃度値のみではなく、その色に対するしきい値に影響を与える他の色の濃度値も考慮した誤差拡散係数の設定が必要となる。
【0019】
本発明は上記従来例に鑑みてなされたもので、複数色間の誤差拡散法に対して、はき寄せ改善およびドット分散性改善を、しきい値の取り方によらずに実現する画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0020】
さらに、各種変調量を参照によって得ることのできる高速な画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0021】
さらに、プレーンごとに複数色間の誤差拡散法と単色の誤差拡散法をと切り換える場合には、複数色間の誤差拡散法に対して用意されたしきい値変調量、濃度値変調量、誤差拡散係数等のパラメータの一部を、単色の誤差拡散法に流用することによってパラメータのデータ量を削減できる画像処理装置及び画像処理方法を提供する事を目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記課題を改善するために本発明の画像処理装置は、以下のような構成からなる。
【0023】
少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理装置であって、
注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算手段と、
画素の各色成分値の組み合わせに応じて、前記各色成分ごとの量子化しきい値を格納するしきい値テーブルと、
前記注目画素を含む画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する変調量決定手段と、
前記注目画素の各色成分の組み合わせに応じて前記しきい値テーブルから各色成分ごとのしきい値を獲得し、当該しきい値に前記変調量を各色ごとに加算して変調されたしきい値を決定し、当該変調されたしきい値と、前記誤差加算手段により誤差値が加算された各色成分の値との大小関係に従って注目画素を量子化する量子化手段とを備える。
【0024】
さらに第2の発明は次のような構成を有する。
【0025】
前記変調量決定手段は、前記注目画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する。
【0026】
さらに第3の発明は次のような構成を有する。
【0027】
前記変調量決定手段は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の平均値または最大値または最小値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する。
【0028】
さらに第4の発明は次のような構成を有する。
【0029】
少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理装置であって、
注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算手段と、
前記注目画素の各色成分を量子化する量子化手段と、
前記量子化手段による量子化誤差を拡散する拡散係数を、画素の各色成分値の組み合わせに応じて格納する拡散係数テーブルとを備え、
前記誤差加算手段は、注目画素の各色成分の組みあわせに応じて前記拡散テーブルから選択した拡散係数にしたがって、誤差値を注目画素に加算する。
【0030】
さらに第5の発明は次のような構成を有する。
【0031】
前記誤差加算手段は、前記注目画素の各色成分値の組み合わせに応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択する。
【0032】
さらに第6の発明は次のような構成を有する。
【0033】
前記誤差加算手段は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の平均値または最大値または最小値の組み合わせに応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択する。
【0034】
さらに第7の発明は次のような構成を有する。
【0035】
前記誤差加算手段は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の積の値に応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択する。
【0036】
さらに第8の発明は次のような構成を有する。
【0037】
少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理装置であって、
注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算手段と、
画素の各色成分値の組み合わせに応じて、前記各色成分ごとの量子化しきい値を格納するしきい値テーブルと、
前記注目画素を含む画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する変調量決定手段と、
前記注目画素の各色成分の組み合わせに応じて前記しきい値テーブルから各色成分ごとのしきい値を獲得し、当該しきい値に前記変調量を各色ごとに加算して変調されたしきい値を決定し、当該変調されたしきい値と、前記誤差加算手段により誤差値が加算された各色成分の値との大小関係に従って注目画素を量子化する量子化手段と、
前記量子化手段による量子化誤差を拡散する拡散係数を、画素の各色成分値の組み合わせに応じて格納する拡散係数テーブルとを備え、
前記誤差加算手段は、注目画素の各色成分の組みあわせに応じて前記拡散テーブルから選択した拡散係数にしたがって、誤差値を注目画素に加算する。
【0038】
さらに第9の発明は次のような構成を有する。
【0039】
少なくとも3種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化する画像処理装置であって、
第1乃至8の発明のいずれかに記載の画像処理装置により2種類の色成分の組み合わせについて量子化を行い、
残りの色成分については、注目色成分以外の色成分の値を0とみなして、第1乃至8の発明のいずれかに記載の画像処理装置により量子化を行うことを特徴とする画像処理装置。
【0040】
あるいは、少なくとも2種類以上の、N種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力する画像処理装置であって、N種類の入力色に基づいて、N次元の色空間に対して各種パラメータを設定、保持、使用のうち少なくとも1つを行う。
【0041】
あるいは、少なくとも2種類以上の、N種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力する画像処理装置であって、N種類の入力色に基づいて所定の手段で合成色信号を取得し、前記合成色信号に基づいて、各種パラメータを設定ないし、保持、使用する。
【0042】
あるいは、少なくとも2種類以上の、N種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力する画像処理装置であって、N種類の入力色に基づいたN次元の色空間に対する各種パラメータをN次元配列として設定、保持、使用のうち少なくとも1つを行う。
【0043】
あるいは、パラメータとして閾値、閾値変調量、濃度値変調量、誤差拡散係数のうち少なくとも1つを含む。
【0044】
あるいは、前記所定の手段として、和または最大値、最小値、積のうち、少なくとも1つを用いる。
【0045】
あるいは、前記所定の手段は着目画素及びその近傍画素の内、少なくとも1つ以上の画素から得られる、少なくとも2つ以上の入力色に対して適用される。
【0046】
あるいは、少なくとも2種類以上の、N種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力すると同時に、他のいくつかの色については独立に誤差拡散処理を行う画像処理装置であって、前者に対してはN種類の入力色に基づいて、N次元の色空間に対して各種パラメータを設定、保持、使用のうち少なくとも1つを行い、後者に対しては、前者設定パラメータの一部を流用する。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0048】
まず、第1乃至第4の実施形態において共通に用いられる情報処理システムの全体概要、ハードウェア構成の概要、ソフトウェア構成の概要、及び、画像処理の概要について説明する。
【0049】
[各実施形態に共通の構成]
図1は、本発明の共通実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。図1に示されているように、この情報処理システムは、パーソナルコンピュータ等で構成されるホスト装置51と、プリンタ等で構成される画像出力装置52とを備え、これらの間が双方向インタフェース53を介して接続されている。そして、ホスト装置51のメモリには、本発明を適用したドライバソフトウェア54がロードされている。
【0050】
<1.ホスト装置51と画像出力装置52のハードウェア構成>
次に、ホスト装置51と画像出力装置52のハードウェア構成について説明する。図2は情報処理システムを構成するホスト装置51と画像出力装置52のハードウェア構成概要を示すブロック図である。
【0051】
図2に示されているように、ホスト装置51は処理部1000とこれに周辺装置を含めてホスト装置全体を構成している。また、画像出力装置52は、記録ヘッド3010、記録ヘッド3010を搬送するキャリアを駆動するキャリア(CR)モータ3011、用紙を搬送する搬送モータ3012などの駆動部と、制御回路部3003とから構成されている。
【0052】
ホスト装置51の処理部1000は、制御プログラムに従ってホスト装置の全体制御を司るMPU1001、システム構成要素を互いに接続するバス1002、MPU1001が実行するプログラムやデータ等を一時記憶するDRAM1003、システムバスとメモリバス、MPU1001を接続するブリッジ1004、例えば、CRTなどの表示装置2001にグラフィック情報を表示するための制御機能を備えたグラフィックアダプタ1005を含んでいる。
【0053】
さらに、処理部1000はHDD装置2002とのインタフェースを司るHDDコントローラ1006、キーボード2003とのインタフェースを司るキーボードコントローラ1007、IEEE1284規格に従って画像出力装置52との間の通信を司る、パラレルインタフェースである通信I/F1008を備えている。
【0054】
さらに、処理部1000には、グラフィックアダプタ1005を介して操作者にグラフィック情報等を表示する表示装置2001(この例では、CRT)が接続されている。更に、プログラムやデータが格納された大容量記憶装置であるハードディスクドライブ(HDD)装置2002、キーボード2003が夫々、コントローラを介して接続されている。
【0055】
一方、画像出力装置52の制御回路部3003は、制御プログラム実行機能と周辺装置制御機能とを兼ね備えた、画像出力装置本体52の全体制御を司るMCU3001、制御回路部内部の各構成要素を接続するシステムバス3002、記録データの記録ヘッド3010への供給、メモリアドレスデコーディング、キャリアモータへの制御パルス発生機構等を制御回路として内部に納めたゲートアレイ(G.A.)を備えている。
【0056】
また、制御回路部3003は、MCU3001が実行する制御プログラムやホスト印刷情報等を格納するROM3004、各種データ(画像記録情報やヘッドに供給される記録データ等)を保存するDRAM3005、IEEE1284規格に従いホスト装置51との間の通信を司るパラレルインタフェースである通信I/F3006、ゲートアレイ3003から出力されたヘッド記録信号に基づき、記録ヘッド3010を駆動する電気信号に変換するヘッドドライバ3007を備えている。
【0057】
さらに、制御回路部3003は、ゲートアレイ3003から出力されるキャリアモータ制御パルスを実際にキャリア(CR)モータ3011を駆動する電気信号に変換するCRモータドライバ3008、MCU3001から出力された搬送モータ制御パルスを、実際に搬送モータを駆動する電気信号に変換するLFモータドライバ3009を備えている。
【0058】
次に画像出力装置52の具体的構成について説明する。
【0059】
図3は、画像出力装置52の代表的な実施形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。
【0060】
図3において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとを内蔵した一体型インクジェットカートリッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向にわたって記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。5016は記録ヘッドIJHの前面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0061】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0062】
なお、上述のように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとは一体的に形成されて交換可能なインクカートリッジIJCを構成しても良いが、これらインクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離可能に構成して、インクがなくなったときにインクタンクITだけを交換できるようにしても良い。
【0063】
また、インクジェットプリンタIJRAの内部には、図2において言及した制御回路部が内蔵されている。
【0064】
記録ヘッドIJHは、YMCK各成分の多値濃度データに基づいて、少なくともイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の4つのインクを用いてカラー画像を記録することができる。
【0065】
2.ソフトウェア構成の概要及び画像処理の概要
図4は、上述した情報処理システムで用いられるソフトウェアの構造を示すブロック図である。
【0066】
図4から分かるように、画像出力装置52に対して記録データを出力するためには、ホスト装置52において、階層構造をしたアプリケーションソフトウェアとオペレーティングシステムとドライバソフトの3つが互いに連携して画像処理を行う。
【0067】
この実施形態では、画像出力装置夫々に個別に依存する部分は、装置固有描画機能31−1、31−2、…、31−nが扱い、画像処理装置の個別の実装に依存するプログラム部品を共通的に処理を行なうことができるプログラムと分離し、かつドライバソフトウェアの根幹処理部分を個別の画像出力装置から独立した構造にしている。
【0068】
量子化量に変換された線分割化画像は、色特性変換33や中間調処理(ハーフトーニング)34などの画像処理が施され、さらにプリントコマンド生成35において、データ圧縮/コマンドを付加した上で作成されたデータをOS(オペレーティングシステム)に用意されたスプーラ22を通じて画像出力装置52へ渡すことになる。
【0069】
図4に示すように、アプリケーションソフトウェアの階層には、アプリケーションソフトウェア11が設けられ、OS(オペレーティングシステム)の階層には、アプリケーションソフトウェア11からの描画命令を受け取る描画処理インタフェース21と生成した画像データをインクジェットプリンタ等の画像出力装置52へ渡すスプーラ22とが設けられている。
【0070】
そして、ドライバソフトウェアの階層には、画像出力装置固有の表現形式が記憶された装置固有描画機能31−1、31−2、…、31−nと、OSからの線分割化画像情報を受け取りドライバ内部の表色系からデバイス固有の表色系への変換を行う色特性変換部33と、デバイスの各画素の状態を表す量子化量への変換を行うハーフトーニング部34と、ハーフトーニングが施された画像データを画像出力装置52へのコマンドを付加してスプーラ22に出力するプリントコマンド生成部35とが設けられている。
【0071】
次に、図4と共に図5の画像処理概要を示すフローチャートを参照して、アプリケーションソフトウェアが画像出力装置52へ画像を出力する場合について、具体的に説明する。
【0072】
アプリケーションソフトウェア11が画像出力装置52へ画像を出力する場合は、まず、アプリケーションソフトウェア11がOSの描画処理インタフェース21を通じて、文字・線分・図形・ビットマップなどの描画命令を発行する(ステップS1)。
【0073】
画面/紙面を構成する描画命令が完結すると(ステップS2)、OSは、ドライバソフトウェア内部の装置固有描画機能31−1,31−2,…,31−nを呼び出しつつ、各描画命令を、OSの内部形式から装置固有の表現形式(各描画単位を線分割化したもの)に変換し(ステップS3)、しかる後に画面/紙面を線分割化した画像情報としてドライバソフトウェアへ渡す(ステップS4)。
【0074】
ドライバソフトウェア内部では、色特性変換部33によってデバイスの色特性を補正すると共に、ドライバソフトウェア内部の表色系からデバイス固有の表色系への変換を行い(ステップS5)、さらにハーフトーニング部34によってデバイスの各画素の状態を表す量子化量への変換(ハーフトーニング)を行う(ステップS6)。なお、ここでの量子化量への変換とは、画像出力装置52の処理するデータの形態に対応し、例えば、画像出力装置による記録が2値データに基づき行われる場合は、2値化し、画像出力装置による記録が多値データ(濃淡インクによる記録、大小インクによる記録を行うため)に基づき行われる場合は、多値化されることである。
【0075】
このハーフトーニングについての詳細は、後述する各実施形態において説明する。
【0076】
プリントコマンド生成モジュール35は、いずれも量子化(2値化、多値化)された画像データを受け取る(ステップS7)。プリントコマンド生成モジュール35は、量子化された画像情報を相異なる方法にて画像出力装置の特性に合わせて加工する。更にこのモジュールともにデータ圧縮、コマンドヘッダの付加を行う(ステップS8)。
【0077】
その後、プリントコマンド生成モジュール35は、OS内部に設けられたスプーラ22に生成したデータを受け渡し(ステップS9)、画像出力装置52へのデータ出力を行う(ステップS10)。
【0078】
なお、この実施形態では、図5のフローチャートに従ったプログラムをホスト装置51内の記憶装置に格納し動作することにより、上述の制御方法を実現させることが可能となる。
【0079】
以上のように、ドライバソフトウェアの根幹処理部分を個別の画像出力装置から独立した構造にしているので、ドライバソフトウェアと画像出力装置間のデータ処理の分担を、ドライバソフトウェアの構成を損なうことなく柔軟に変更することが可能になり、ソフトウェアの保守及び管理面で有利となる。
【0080】
次に、以上説明した共通実施形態に従うシステムを用いたいくつかの実施形態について説明する。以下の各実施形態では、ハーフトーニング部34によって実行される誤差拡散処理の詳細について説明する。
【0081】
なお、以下に説明する誤差拡散処理は、各画素がイエロ(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン(C)成分、ブラック(K)成分からなる濃度データであり、各成分は8ビット(256階調表現)で構成される多値の画像データを用いることとする。
【0082】
[第1実施形態]
本実施形態は、より簡便に2色以上のインクを互いに重なり合わないように制御する誤差拡散方式を用いて説明を行う。ここでは、画像データは各画素各濃度成分(YMCK)が8ビット(階調値が0〜255)の多値データで表現され、出力は2値で行われるとして説明する。なお、本実施形態においては、特にシアンとマゼンタに注目して説明する。黄色成分および黒色成分については、従来通り各色ごとに量子化を行ってもよいし、YMCKすべての色成分を組にして、後述する要領で量子化することもできる。
【0083】
<ハーフトーニング部の構成>
図22は、本実施形態におけるハーフトーニング部34のブロック図である。図22は機能ブロックで示されているが、これらのブロックは後述の通りソフトウエアで実現できる。
【0084】
図22において、C,Mは、それぞれ色特性変換部33から入力されるシアン・マゼンタの入力画素値であり、それぞれが対応する色成分の加算部801,802へ入力され、両方が変調量設定部805,806と出力値設定部807へと入力される。なお、本実施形態では、図面においてはしきい値を閾値と記載している。
【0085】
加算部801,802では入力画素値C,Mと誤差計算部803,804から出力された量子化誤差Cerr,Merrをそれぞれ加算する。そして得られたCt,Mtそれぞれは、対応する誤差計算部803,804へと入力され、また、両方が出力値設定部807に入力される。
【0086】
しきい値変調量設定部805,806は、入力画素値C,Mを基に、量子化しきい値を変動させる量であるしきい値変調量Coff,Moffを出力する。出力値設定部807は、誤差拡散前の注目画素のシアン及びマゼンタの値(濃度値)C,Mから基準しきい値を決定し、基準しきい値をしきい値変調量Coff,Moffにより変動させて、しきい値を決定し、そのしきい値と誤差拡散後の画素値Ct,Mtと比較して、出力画素値binDataC,binDataMを出力する。この出力画素値binDataC,binDataMが量子化後の画素値となる。本実施形態ではこの値は二値であるが、量子化誤差の計算の便宜等から”255”または”0”のいずれかの値をとるものとする。例えば、量子化後の画素値が”255”であれば対応する色のドットが形成されて画像が形成される。
【0087】
図23は誤差計算部803,804の構成を説明するブロック図である。図23の構成はシアンおよびマゼンタにちうて共通なので、ここではシアンを例にとって説明する。まず、出力設定部807から得られる量子化値binDataCを減算部1103に入力する。減算部1103は、誤差拡散後の画素値Ctから量子化値binDataCを減算して得られた誤差ErrCを誤差分散部1104に入力する。
【0088】
一方、拡散係数テーブル1101は、予め設定された拡散係数w0,w1,w2,w3を、誤差分散部1104に送る。図21は着目画素2101について誤差の配分される近傍画素の位置関係を示した図である。注目画素の量子化誤差は、注目画素の次に注目される画素にg0、注目画素の次のラインにおいて注目画素の2列前の画素にg1、注目画素の次のラインにおいて注目画素の1列前の画素にg2、注目画素の直下の画素にg3の誤差が分配される。誤差分散部1104では、以下の計算を順に行う。
【0089】
g3=ErrC * w3
g2=ErrC * w2
g1=ErrC * w1
g0=ErrC * w0
ここで重み係数の例としては、w0=7/16,w1=1/16,w2=5/16,w3=3/16などが設定されている。ただし、1ラインの先頭及び末尾においては、誤差を配分する先の画素がすべて存在しないために、存在しない画素に対する重みを0として、その分を他の画素に半分するための特殊な重み係数が使用される。
【0090】
これを、誤差が加算される画素に注目すると、注目画素には、注目画素の直前の画素からg0、注目画素の直前のラインにおける注目画素の2列後の画素からg1、注目画素の直前のラインにおける注目画素の次の列の画素からg2、注目画素の真上の画素からg3の誤差が分配される。したがって、誤差分散部1104は、注目画素から求めたg1と、その直前の画素から求めたg2(g2’)と、さらにその直前の画素から求めたg3(g3”)の値を予め加算し、1ライン分遅延させるために誤差バッファ1105に格納する。g2’およびg3”は、g2およびg3を一時的にレジスタ等に格納して、g2について1画素分、g3については2画素分処理を遅延させればよい。これはハードウエアでは画素クロックに同期したラッチにより実現できる。誤差バッファ1105は1ライン分の長さを有するリングバッファとして実現できる。またg0はそのまま出力されて加算部1106に入力される。
【0091】
加算部1106は、誤差g0と、誤差バッファから読み出された1ライン前のg1+g2’+g3”の値とを加算して、注目画素の次の画素に加算される誤差値Cerrを計算する。
【0092】
なお、誤差バッファをソフトウエア的に実現するためには次のようにすることもできる。すなわち、誤差バッファをメモリに確保されたerrBuf[0..Last]で表される1一次元の配列とする。ここで、配列のインデックスは1ラインの画素列における画素の位置を示す。注目画素の主走査方向の位置をhPosとする。ただし、errBufC[hPos]は、誤差の分散に先立って読み出し、画素値Cに加算して拡散後の画素値Ctを求めておく。
【0093】
errBufC[hPos]←g3
errBufC[hPos−1]←errBufC[hPos−1]+g2
errBufC[hPos−2]←errBufC[hPos−2]+g1
errBufC[hPos+1]←errBufC[hPos+1]+g0
このようにしても、誤差を近傍画素に分散できる。
【0094】
<ハーフトーニング部における処理手順>
図24は、図5のステップS6の量子化量への変換処理、すなわち図4のハーフトーニング部34による処理の内容を示すフローチャートである。なお、本実施形態においては、特にシアンとマゼンタに注目して説明する。黄色成分および黒色成分については、従来通り各色ごとに量子化を行ってもよいし、YMCKすべての色成分を組にして、後述する要領で量子化することもできる。
【0095】
<量子化量への変換処理(図24)>
図24においては、まず、図5のステップS5によりデバイスの色特性に合わせて補正や色変換された画素データがハーフトーニング部34に入力される(ステップS2400)。画素データは画像の左上端の画素から順に1画素ずつラスタ走査順で入力される。
【0096】
次に、入力された画素データに累積誤差メモリの画素位置に対応する累積誤差値が加算される(ステップS2401)。この処理は、図22の加算部801,802により行われる処理であり、シアンについて蓄積された誤差Cerrと注目画素の画素値C、マゼンタについて同様に誤差Merrと注目画素値Mとが加算されて、Ct,Mtがえら得る。誤差バッファerrBufCを用いた場合には、水平方向について位置hPosに存在する注目画素値に、errBufC[hPos]の値を加算する処理となる。
【0097】
<量子化処理>
次にステップS2402〜S2404において量子化を行う。ここでの処理は次のようなものである。
1.M成分の濃度値Mに基づいて、C成分の誤差拡散で用いる基準しきい値(Cthreshold)を求める。
2.C成分の濃度値CとM成分の濃度値Mの組み合わせを用いて、図12に示すような、しきい値変調量テーブルを参照する。
3.第2ステップにより得られたしきい値変調量をC成分の誤差拡散で用いる基準しきい値Cthresholdに加算して、補正しきい値変調量Cthreshold’を決定する。
4.C成分の濃度Ctと補正しきい値Cthreshold’とを比較し、濃度Ctの方が大きかった場合、注目画素の量子化値binDataCの値を255とし、小さければ0とする。
5.C成分の濃度値Cに基づいて、M成分の誤差拡散で用いる基準しきい値(Mthreshold)を求める。
6.M成分の濃度値MとC成分濃度値Cの組み合わせを用いて、図14に示すような、しきい値変調量テーブルを参照する。
7.第6ステップにより得られたしきい値変調量をM成分の誤差拡散で用いる基準しきい値Mthresholdに加算して、補正しきい値変調量Mthreshold’を決定する。
8.M成分の濃度値Mtと補正しきい値Mthreshold’とを比較し、濃度Mtの方が大きかった場合、注目画素の量子化値binDataMの値を255とし、小さければ0とする。
【0098】
上記第1ステップから第4ステップがシアンについて、第5ステップから第8ステップがマゼンタについての処理となる。ただし、図24においては、すべての色を並行して処理するものとしているため、第1ステップと第5ステップとは図24のステップS2402で行われ、第2ステップと第6ステップは、図24のステップS2403で行われ、第3〜第4ステップと第7〜第8ステップは、図24のステップS2404で行われる。
【0099】
さて、図24のステップS2402では、シアンおよびマゼンタそれぞれについて基準しきい値を獲得する。基準しきい値は、例えば図6に示す変換テーブルあるいはこの変換テーブルに基づいて与えられるしきい値テーブルを参照して得られる。なお、ステップS2402は、図22においては出力値設定部807により行われることになる。
【0100】
図6はシアンとマゼンタとの和の値を、128と384をしきい値として量子化するためのテーブルである。このテーブルにおいては、シアンとマゼンタとの和の値が128以下であれば、シアン及びマゼンタを両方とも0に変換され、384より大きければ両方とも255に変換される。シアンとマゼンタとの和の値が128より大きく384以下である場合には、シアンの値とマゼンタの値とが比較され、より大きな方の色成分の値が255に、小さな方の成分の値が0に変換される。等しい場合には、例えばいずれかに偏らず適当に分散するように変換される。
【0101】
あるいは図6をそのまま変換テーブルとして参照することもできる。その場合は、図6をコンピュータメモリに格納可能な形式に数値化すると次のようになる。図6のテーブルは、シアンとマゼンタの値をインデックスとする2次元テーブルであり、インデックスに応じて(シアン,マゼンタ)の2値の値の組が決定される。そして、図6の領域(1)においては(0,0)が、領域(2)においては(1,0)が、領域(3)においては(0,1)が、領域(4)においては(1,1)が出力となる。
【0102】
ここで、線601が、シアンについての基準しきい値となる。しきい値の値は一定ではなくマゼンタ成分の値に応じて変化する。
そこで、注目画素のマゼンタ成分Mの値と、線601との交点にあたるシアン成分の値が、シアン成分の基準しきい値Cthresholdとなる。線601に相当するシアン成分の値とマゼンタ成分の値とを対応させたテーブルを作成しておけば、それを参照することで基準しきい値Cthresholdは簡単に得られる。
【0103】
また、図6の点線602が、マゼンタについての基準しきい値となる。マゼンタ成分についての基準しきい値Mthresholdについても、上記説明におけるシアンとマゼンタとを入れ替えれば、全く同様にして決定できる。
【0104】
次にステップS2403では、しきい値変調量設定部805,806において、C,Mそれぞれの色成分についてしきい値変調量Coff,Moffが選択される。しきい値変調量は例えば、シアン成分については図12、マゼンタについては図14に示されたように与えられる。すなわち、注目画素におけるシアン成分の値Cとマゼンタ成分の値Mとをインデックスとしてそれぞれの色毎に決定される。例えば、シアンについてのしきい値変調量Coffは、注目画素のC成分値が7、マゼンタ成分値が4であれば、図12を参照して得られるとおり、−8となる。このテーブルは予め与えられており、その値の決定の仕方は後述する。マゼンタ成分のしきい値変調量についても、参照すべきテーブルが図14である点をのぞき、同様に決定できる。なお、図13および図15は、それぞれ図12および図14をグラフ化して表した図である。
【0105】
なおしきい値変調量を参照する際には、着目画素そのものの値をインデックスとする方法の他、着目画素及びその近傍画素のうち、少なくとも1つ以上の画素からシアンとマゼンタの各濃度値を取り出し、その平均値をインデックスとして参照する方法もある。この方法によれば、注目画素が近傍画素とかけ離れた値を有する場合にも、近傍画素の値を参酌してしきい値変調量を決定できる。近傍画素については、例えば両隣を含めた3画素や注目画素を中心とする3×3画素など、処理がさほど遅延せず、しかもある程度の広がりを有するように選択することが望ましい。
【0106】
続いて、量子化部103において、累積誤差加算後の注目画素データCt,Mtと、ステップS2403で選択されたしきい値変調量Coff,Moffと、基準しきい値Cthreshold,Mthresholdを用いて量子化後の値を決定する(ステップS2404)。量子化後の値は以下の規則で決定される。
Cthreshold+Coff≧Ctの場合、binDataC←0
Cthreshold+Coff<Ctの場合、binDataC←255
Mthreshold+Moff≧Mtの場合、binDataM←0
Mthreshold+Moff<Mtの場合、binDataM←255。
【0107】
以上の手順により、注目画素のC成分およびM成分は2値化され、図4のプリントコマンド生成部35に入力される。またハーフトーニング部では、Y,Kなど他の色成分についても2値化される。この他の色成分の2値化は、上述した手順と同様の手順で行ってもよいし、また、各色ごとに独立して誤差拡散処理を行い、2値化するという従来の技術を用いて2値化してもよい。
【0108】
プリントコマンド生成部で生成されたプリントコマンドはスプールされてプリンタに送出され、プリンタにおいて印刷出力される。プリンタの構成については後述する。
【0109】
<しきい値変調量テーブルの設定>
次に、図12及び図14に例示したしきい値変調量テーブルの設定方法を説明する。画素のシアン成分値をC、マゼンタ成分値をMとした場合、しきい値変調量テーブルにおける(C0,M0)の欄には、しきい値変調量を0として、図22及び図23の構成により一様な濃度(C0,M0)の画像データを量子化した場合の、平均量子化誤差の符号を反転した値が格納される。
【0110】
図25は、平均量子化誤差の計算に使用される画像の例を示す図である。図において、領域250は二値化処理が施される512画素四方の画像領域であり、領域251は、平均量子化誤差の計算の対象となる26画素四方の画像領域である。画像の左右端においては拡散係数が異なるために誤差の拡散する状態が中央付近とは異なっている。また、画像領域の上部では、周辺画素からの量子化誤差が拡散されない状態から量子化が始まるために、中央付近とは誤差拡散の状態がやはり異なる。そのため、周辺部の影響を受けにくい中央下の領域が評価の対象とされている。
【0111】
図26は、しきい値変調量テーブルを作成するための処理手順を示すフローチャートである。なお、しきい値変調量テーブルの内容はすべて0で充填されており、図12の手順においてはしきい値変調量テーブルを直接書き換えることはしない。いったん仮のテーブルを作成し、すべての値が決定されたところで、その値をしきい値変調テーブルにコピーする。なお、図26においては、シアン成分とマゼンタ成分についてのみ着目して説明する。
【0112】
まず、図25に示すような512×512画素の一様な領域250について、階調値をc(シアン)=0,m(マゼンタ)=0に設定する(ステップS2601、S2602)。そしてこの画像データに対して、前述(図24)の手順で量子化処理を行い、量子化誤差の平均値ave_E(c,m)を求める(ステップS2603)。画像の走査は画像領域の左上端の画素から開始し、画像の右下端の画素に向かってラスタ走査順に二値化処理が行われる。
【0113】
そして、ドットの形成が安定状態に達したと思われる、画像の下端付近における256×256画素の画像領域251の各画素について、累積誤差加算後のシアン成分値Ctを出力値binDataCから減算した量子化誤差を積算する。そしてその値を領域251の全画素数256×256で除算する。その結果が、シアン成分値c、マゼンタ成分値mを持つ画素についての平均量子化誤差ave_E(c,m)となる。
【0114】
次に、平均量子化誤差ave_E(c,m)の符号を反転させた値−ave_E(c,m)を、テーブルのシアン成分値c、マゼンタ成分値mで与えられる欄にセットする(ステップS2604)。
【0115】
これで、シアン成分の値cについて、マゼンタ成分がmのときのしきい値変調テーブルのエントリが決定できた。そこで、シアン成分cを固定し、mの値を1ずつ増加して255になるまで変化させつつ、画像の量子化を行ってしきい値変調量を決定する(ステップS2605,S2607)。
【0116】
さらに以上の手順を、シアン成分cについても1ずつ増加させながら画像の量子化を行って平均量子化誤差を計算し、しきい値変調量を決定する(ステップS2606,S2608)。
【0117】
以上の手順により、シアン成分についてのしきい値変調量テーブルを作成する。マゼンタ成分についても同様の手順で作成する。なお、マゼンタ成分について上記手順を行っても、結局シアン成分について計算を行った場合と同じ値の画素について上記手順を繰り返すことになる。そのため、作成されるテーブルもその内容は同じものである。そこで、シアンについて作成したテーブルを、マゼンタについて流用することもできる。この場合、図22の構成におけるしきい値変調量設定部805,806は、しきい値変調量テーブルについては共有できる。ただし、着目成分がシアンからマゼンタに変わるために、テーブル参照時のインデックスについては、シアンとマゼンタとを入れ替える必要がある。
【0118】
一般に平均量子化誤差ave_E(c,m)が0とならない階調において、ドットの生成遅延が発生するとされている。そこで本実施形態では、平均量子化誤差ave_E(c,m)が全ての入力階調に対して0となるように量子化のためのしきい値を変動させる。上記の手順により、ドットの生成遅延を軽減し、いわゆる掃き寄せ現象を防止できる。
【0119】
<本実施形態と公知技術との対比>
公知技術のひとつである特開2000−354172(特許文献4)では、シアンとマゼンタのドット重なりを防止するために、しきい値変調量を決定する際のパラメータとしてシアンとマゼンタの加算値が用いられている。これは図6に示すような、シアンとマゼンタを同色とみなし、それら各色の加算値に対して3値化を行う誤差拡散法に特化したものである。
【0120】
しかし、本発明で対象としているような、複数色間のドット重なりを防止する誤差拡散法における各色のしきい値の設定例としては、図6のみではなく、図7に示すような、非線形の変換が行われるような設定も存在する。図7のようなしきい値曲線が不連続なもの、非直線であるものに対しては、特開2000−354172のようにシアンとマゼンタの加算値に対して設定されたしきい値変調量を用いた場合、図8のようなドットの鎖状連結などの弊害が発生する。
【0121】
また、特開平08−307669号公報(特許文献5)、及び特開平08−307680号公報(特許文献6)で開示されている、着目画素における着目色の濃度値に基づいて設定されたしきい値変調量を用いた誤差拡散ハーフトーン法に基づいて、着目色の濃度値のみに基づいて設定を行ったしきい値変調量を用いた場合、シアンとマゼンタの組み合わせによっては各ドット打ち込みの過剰な促進、ないし抑制が行われる。このため、この場合もまた図8のようなドットの鎖状連結などの弊害を生じてしまう。
【0122】
これに対して、本実施形態では、多種多様なしきい値形状に対しても堅牢性、すなわちしきい値の設定のしかたがかわっても、上述した弊害を防止する効果については安定的に発揮されるという性質を有している。具体的には、図9に示すような良好なはき寄せ改善がなされる。
【0123】
また、しきい値変調量をシアンとマゼンタの値を用いた参照のみによって高速に取り出すことができる。
【0124】
また、しきい値変調量を参照する際のインデックスとしては、着目画素そのものの値のみならず、着目画素及びその近傍画素(注目画素群)の各色成分について、その加算値や平均値あるいは最大値、最小値を用いることもできる。
【0125】
注目画素群の各色成分ごとの加算値を用いた場合、局所領域におけるシアンマゼンタの各特徴量を高速に得ることができる。
【0126】
注目画素群の各色成分ごとの平均値を用いた場合、局所領域におけるシアン、マゼンタの各特徴量を少ないデータサイズで表現でき、かつ局所的に付加されたノイズの影響に対しても、より堅牢な特徴量抽出ができる。そのため、局所領域の特徴に応じたしきい値変調量を決定でき、高周波の空間周波数成分が多く含まれる画像に対しても、掃き寄せ現象を防止した高品質の2値画像が得られる。
【0127】
また、注目画素群における各色成分ごとの最大値を基準としてしきい値変調量を求める方法がある。この場合には、各色成分のうち支配的な成分を取り出して利用することができる。つまり支配的な成分に対して優先的にはき寄せの改善を行うことができる。
【0128】
一方、逆に注目画素群における各色成分ごとの最小値に対応するしきい値変調量を利用する方法もある。この場合には、各色成分、ここではシアンとマゼンタのうち、微弱な成分を取り出すことを可能にする。これによって、一方の色がシャドウであり、他方の色がハイライトのような領域においては、ハイライトの色に対して優先的にはき寄せの改善ができる。
【0129】
なお、本実施形態は多値画像を量子化により2値化する手順を説明した。しかし、多値画像を階調数の少ない、例えば3値や4値の多値画像データに変換する場合にも本実施形態を適用することができる。このような場合には、得られた多値画像データはそのまま出力される場合もあるし、さらに値ごとにドットパターンに対応付けるなどして2値化することもできる。
【0130】
[第1実施形態の変形例]
量子化処理時の画素値としきい値との関係は相対的なものであり、双方を同じ値だけ変動させれば、量子化の結果も量子化誤差も変動による影響を被ることはない。そのため、上記実施形態ではしきい値を変動させるものとしていたところを、画素値を変動させても上記例と同様の作用効果を生ずる。ただし、この場合には、しきい値変調量テーブルは濃度値変調量テーブルとなり、その内容は、図21のステップS2103でえられた平均量子化誤差そのものとなる。また、図22の構成においては、しきい値変調量設定部805,806の出力Coff,Moffはそれぞれ加算部801,802に入力され、画素値C,Mに、累積誤差Cerr,Merrそれぞれとともに加算される。
【0131】
その概要は下記の通りとなる。
1.M成分の濃度値Mに基づいて、C成分の誤差拡散で用いるしきい値(Cthreshold)を求める。
2.C成分の濃度値CとM成分の濃度値Mの組み合わせを用いて、図16に示すような濃度値変調量テーブルを参照する。
3.第2ステップにより得られた濃度値変調量をC成分の濃度Ctに加算して、C成分の補正濃度Ct’を決定する。
4.C成分の補正濃度Ct’としきい値Cthresholdを比較し、補正濃度値Ct’の方が大きかった場合、Cインクで出力を行う。
5.C成分の濃度値Cに基づいて、M成分の誤差拡散で用いるしきい値(Mthreshold)を求める。
6.M成分の濃度値MとC成分濃度値Cの組み合わせを用いて、図18に示すような濃度値変調量テーブルを参照する。
7.第6ステップにより得られた濃度値変調量をM成分の濃度Mtに加算して、M成分の補正濃度Mt’を決定する。
8.M成分の補正濃度Mt’としきい値Mthresholdを比較し、補正濃度値Mt’の方が大きかった場合、Mインクで出力を行う。
【0132】
なお、図17および図19は、それぞれ図16および図18をグラフ化した図である。
【0133】
また、色の違いには、印刷装置により記録される染料、染料濃度、吐出量の違いのうち少なくとも一つが含まれる。
【0134】
[第2実施形態]
第1の実施形態でははき寄せ改善のために用いるしきい値変調量及び濃度値変調量をシアンとマゼンタに基づく2次元配列もしくは演算出力を用いた配列として設定して使用する実施形態を説明したが、次にドットの分散性を改善するための実施形態について説明する。なお、本実施形態はハーフトーニング(二値化)処理においてのみ第1実施形態と相違するために、相違点についてのみ説明する。相違点は、図24のステップS2403におけるしきい値変調量の決定の方法と、ステップS2406における拡散係数の選択が後述の手順のようになされることである。
【0135】
本実施形態では、図6に示されるような、C、Mの画像形成に対し、注目画素のC成分とM成分の濃度値に基づいた誤差拡散係数を用いることによって、ドット分散性を改善する。以下の手順で画像形成制御を行う。
1.M成分の濃度値Mに基づいて、C成分の誤差拡散で用いるしきい値(Cthreshold)を求める。
2.C成分の濃度Ctとしきい値Cthresholdとを比較し、濃度Ctの方が大きかった場合、Cインクで出力を行う。
3.C成分及びM成分の組み合わせに基づいて図20に示すような、誤差拡散係数テーブルを参照する。
4.第3ステップにより得られた誤差拡散係数を用いて、量子化誤差を量子化未処理の周辺画素へ拡散する。
5.C成分の濃度値Cに基づいて、M成分の誤差拡散で用いるしきい値(Mthreshold)を求める。
6.M成分の濃度Mtとしきい値Mthresholdとを比較し、濃度Mtの方が大きかった場合、Mインクで出力を行う。
7.M成分及びC成分の組み合わせに基づいて図21に示すような、誤差拡散係数テーブルを参照する。
8.第3ステップにより得られた誤差拡散係数を用いて、量子化誤差を量子化未処理の周辺画素へ拡散する。
【0136】
ただし、図24の手順では、各色成分の処理を並列に行うものとしており、上記第1ステップ〜第4ステップと第5ステップ〜第8ステップは並列に行われている。また、本実施形態では、参照される誤差拡散係数テーブルはシアンとマゼンタの組み合わせによって構成される2次元配列もしくは2色の組み合わせ、つまり合成色に対して所定の演算を行った演算出力をオフセットとして持つ配列からなる。しかし、このほかの組み合わせについても同様に処理を行うことは可能である。
【0137】
例えば特許文献4に記載されたような従来の方法でハイライト画像に対し誤差拡散処理を行った場合に、ドットの分散性は特に悪くなる傾向にある。また、特許文献7(特開2000−354172号公報)のように着目画素において用いる誤差拡散係数をシアンとマゼンタの加算値に対して決定した場合、シアンがハイライトでかつ、マゼンタがシャドウであるような画像領域においてはシアン単色で見た場合にドット分散性が悪くなる。これは、シアンとマゼンタの加算値のみによって誤差拡散係数を設定したのでは、色ごとに誤差拡散係数を使い分けることが不可能であり、結果として、両方の色のドット配置に同じ方向性が生じてしまい、不快な画像となってしまうからである。
【0138】
そこで本実施形態では、しきい値形状など様々な要因によって、より良いドット分散性を与えるような誤差拡散係数として、シアンとマゼンタの加算値によらず、多様な変化を持たせている。
【0139】
以下、第1実施形態と共通する部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な処理を中心として説明する。
【0140】
図27は本実施形態におけるハーフトーニング部34のブロック図である。この構成は、上述したとおり、図24のステップS2403、ステップS2406の処理の相違を反映した手順のプログラムをコンピュータにより実行することでも実現できる。図24が図22と相違する点は次の2点である。
(1)しきい値変調量設定部2705は、しきい値変調量を、特許文献4のように、シアンとマゼンタの濃度値の和に基づいて与えている点。
(2)誤差計算部2703,2704において、シアンとマゼンタのそれぞれの濃度値に応じて誤差拡散係数を、シアンとマゼンタの各濃度値に基づいて変化させている点。
【0141】
しきい値変調量設定部2705の動作については従来から知られているものでもあり、ここでは説明を割愛する。また、本実施形態は誤差拡散係数の選択において特徴を有するものであることから、しきい値変調は行わなくともよい。その場合には、注目画素の量子化は、誤差が積算された入力画素値Ct,Mtをインデックスとして図6に示す量子化しきい値あるいは量子化テーブルを参照して行えばよい。
【0142】
ここで、誤差計算部2703、2704は図28のような構成となる。図28の誤差計算部2703,2704は、シアンおよびマゼンタについて共通なので、ここではシアンを例にとって説明する。
【0143】
まず、出力設定部807から得られる量子化値binDataCを減算部1103に入力する。減算部1103は、誤差拡散後の画素値Ctから量子化値binDataCを減算して得られた誤差ErrCを誤差分散部1104に入力する。
【0144】
一方、誤差拡散係数テーブル2801には、注目画素のシアン成分値Cおよびマゼンタ成分値Mに応じて、図20に示すように誤差拡散係数(w0,w1,w2,w3)の組が格納されている。図20において示された値は、さらに16分の1にされて重み(w0,w1,w2,w3)となる。そして、シアン成分値Cおよびマゼンタ成分値Mに応じた拡散係数を出力し、誤差分散部1104に送る。
【0145】
ただし、図20はその容量を小さくするために、各色成分の階調は32分の1に量子化されている。32分の1の量子化のために、図20においては各色成分値を表す8ビットの値の内、上位3ビットをインデックスとして用いる。なお図20では、上位3ビットの末尾に1ビットの0を付した値をインデックスとして表されている。例えばシアンの値が155、マゼンタの値が200であれば、図20においてはシアン階調値が8、マゼンタ階調値が12となり、選択される拡散係数は(6,1,3,6)となる。この値はそれぞれが16を分母とする値に変換されて重みとなる。すなわち、誤差拡散に使用される係数(w0,w1,w2,w3)はそれぞれ(6/16,1/16,3/16,6/16)となる。
【0146】
図21は着目画素2101について誤差の配分される近傍画素の位置関係を示した図である。注目画素の量子化誤差は、注目画素の次に注目される画素にg0、注目画素の次のラインにおいて注目画素の2列前の画素にg1、注目画素の次のラインにおいて注目画素の1列前の画素にg2、注目画素の直下の画素にg3の誤差が分配される。誤差分散部1104では、以下の計算を順に行う。
【0147】
g3=ErrC * w3
g2=ErrC * w2
g1=ErrC * w1
g0=ErrC * w0
誤差が加算される画素に注目すると、注目画素には、注目画素の直前の画素からg0、注目画素の直前のラインにおける注目画素の2列後の画素からg1、注目画素の直前のラインにおける注目画素の次の列の画素からg2、注目画素の真上の画素からg3の誤差が分配されることとなる。したがって、誤差分散部1104は、注目画素から求めたg1と、その直前の画素から求めたg2(g2’)と、さらにその直前の画素から求めたg3(g3”)の値を予め加算し、1ライン分遅延させるために誤差バッファ1105に格納する。g2’およびg3”は、g2およびg3を一時的にレジスタ等に格納して、g2について1画素分、g3については2画素分処理を遅延させればよい。これはハードウエアでは画素クロックに同期したラッチにより実現できる。誤差バッファ1105は1ライン分の長さを有するリングバッファとして実現できる。またg0はそのまま出力されて加算部1106に入力される。
【0148】
加算部1106は、誤差g0と、誤差バッファから読み出された1ライン前のg1+g2’+g3”の値とを加算して、注目画素の次の画素に加算される誤差値Cerrを計算する。
【0149】
なお、誤差バッファをソフトウエア的に実現するためには次のようにすることもできる。すなわち、誤差バッファをメモリに確保されたerrBuf[0..Last]で表される1一次元の配列とする。ここで、配列のインデックスは1ラインの画素列における画素の位置を示す。注目画素の主走査方向の位置をhPosとする。ただし、errBufC[hPos]は、誤差の分散に先立って読み出し、画素値Cに加算して拡散後の画素値Ctを求めておく。
【0150】
errBufC[hPos]←g3
errBufC[hPos−1]←errBufC[hPos−1]+g2
errBufC[hPos−2]←errBufC[hPos−2]+g1
errBufC[hPos+1]←errBufC[hPos+1]+g0
このようにしても、誤差を近傍画素に分散できる。
【0151】
以上の要領で誤差拡散係数が決定されるほかは、図24の手順で画素の量子化や誤差演算、拡散処理等が行われる。
【0152】
図20の誤差拡散係数テーブルは量子化処理に先立って与えられている。次に誤差拡散係数テーブルを生成する方法について説明する。
【0153】
<誤差拡散係数テーブルの作成>
図29のフローチャートに従って誤差拡散係数テーブル2801の作成手順を説明する。この手順は予めコンピュータにより実行される。なお、誤差拡散係数は、総和が1となる4つの係数w1〜w4により1組が構成されている。そこで、以下ではこれら4つの係数を1組にして拡散係数と呼ぶことにする。
【0154】
後述する評価値Gの算出時には、図25に示す画像が使用される。図33は、誤差拡散係数テーブル2801作成時に使用される拡散係数の全候補を数式により示している。入力階調値毎にこの候補に挙げられる拡散係数の中から1つの係数が選択された後、誤差拡散係数テーブル2801に格納される。以下、図20におけるシアンの階調値c=0,マゼンタの階調値m=0に対応する拡散係数設定手順について説明する。なお、この階調値は、図20で説明したとおり、各色成分が3ビットに量子化されている。したがって、その図29の手順は、量子化された値を代表する量子化前の値を用いて行われる。例えば、ある量子化値の代表値として、その量子化値に量子化される元の画素値の最大値と最小値の中間値を用いる方法が考えられる。そのためには、図20の階調値の末尾の0の代わりに2進数10000b(bは2進数を表す)を付加した値を代表値として用いることができる。例えば、図20の階調値0については0000bの末尾の0を10000bに置換した00010000b=16を、量子化された階調値0を代表する画素値として用いることができる。そして、階調値が1増加するごとに、代表値は32ずつ増加する。したがって、図29においては、シアンおよびマゼンタそれぞれについて、階調値を16,48,80,112,144,176,208,240の8通りに変えて、図20の階調値0〜14にそれぞれ対応する誤差拡散係数を決定する。
【0155】
図29において、まず、しきい値変調量を全て0に初期化する(ステップS2900)。次に、図25に示される512×512画素の一様な階調値c=16,m=16をもつ入力画像データを作成し(ステップS2901)、この入力画像データに対して図24の手順で量子化処理を行う(ステップS2902)。このとき、誤差拡散係数テーブル2801の入力階調c=16,m=16に対応する位置、すなわち、図20におけるシアン階調値0、かつ、マゼンタ階調値0の欄には、図33に示した拡散係数の全候補のうちいずれかが格納されている。
【0156】
次に、生成された二値画像に対し、図25に示される、ドットの形成が安定状態に達したと思われる、画像の下端付近における256×256画素の画像領域251における評価値Gを後述する方法によって計算する(ステップS2903)。評価値Gは、視覚的な画像の一様性を評価する指針となる値であり、評価値Gの値が小さいほど評価対象の画像は視覚的に一様な階調分布を有する画像であるといえる。すなわち、評価値Gの値が小さいほど評価対象の2値画像は元の一様な画像に近似しており、望ましい二値化処理が行われたものと判断できる。
【0157】
最後に、候補に挙げられた全拡散係数の評価値の演算が終了したか否かを確認し(ステップS2904)、終了していなければステップS2901からステップS2903の処理を繰り返す。全候補の拡散係数について評価値の演算が終了していれば、算出された全拡散係数の評価結果のうち、最良の評価値をもたらす拡散係数を誤差拡散係数テーブル2801のc=16,m=16に対応する位置に格納する(ステップS2905)。なお、元の画像に最も近似した二値画像が最も望ましい二値化処理の結果であることから、最良の評価値とは最小の評価値と同義である。
【0158】
以上の処理を、シアンの値を16〜240の8通りに変化させ、その各々の値についてシアンの値を16〜240の8通りに変化させて図29の手順を実施することにより(ステップS2906)、誤差拡散係数テーブル2801が完成する。
【0159】
このようにして、基準しきい値のみを用いて一定階調c,mの画素が一様に分布した画像データについて、候補となる拡散係数の組すべてを用いた二値化処理を行い、最善の疑似階調画像、すなわち視覚的に元画像と最も近似した疑似階調画像を得られる拡散係数を評価値Gによって決定する。これを階調c,mについての拡散係数として、各階調について同様に拡散係数を求めることで、誤差拡散係数テーブル2801を生成する。
【0160】
(評価値Gの算出)
次に、図30のフローチャートに従って前述の評価値Gの算出方法について説明する。まず、評価の対象となる256×256画素の二値画像251を入力する(ステップS3000)。次に、入力された二値画像に対して二次元フーリエ変換処理を施し、二次元パワースペクトルP(u、v)を求める(ステップS3001)。u、vは−128から128の範囲の値にある二次元パワースペクトル上の空間周波数値を表す。図31に、二次元パワースペクトルの一例を示す。画像の中心が直流(DC)成分に相当し、パワーの強弱は濃淡によって表現され、明るい箇所は相当する周波数成分が強いことを意味し、逆に、暗い箇所は相当する周波数成分が弱いことを意味する。こうして求められた入力二値画像の二次元パワースペクトルに対して、視覚特性フィルタ(VTF)によるフィルタリング処理を行う(ステップS3002)。本実施形態で用いる視覚特性フィルタVTF(f)は、次式で定義される。
【0161】
【数1】
Figure 2004112697
【0162】
ここで、fは空間周波数を表し、視野角1度あたりの周期(cycles/degree)として与えられる。また、図32には、観察距離を300mmとして視野角1度当たりの周期を1mm当たりの周期に換算した空間周波数f(cycles/mm)とVTF(f)との関係を示している。視覚特性とは、人間が画像を観察する際に、視覚的に認識される度合を示す特性である。図32によれば、空間周波数fが1cycles/mm程度まではほぼ完全に認識できるが、1cycles/mmを越えたあたりから急激に減少し、10cycles/mm程度でほぼ認識不可能になることがわかる。
【0163】
こうして与えられる視覚特性フィルタVTF(f)によるフィルタリング処理を二次元パワースペクトルP(u、v)に施し、次式
P’(u、v)=VTF(f)*P(u、v)
にて示されるP’(u、v)を求める。P’(u、v)は、画像本来の空間周波数分布を視覚特性でフィルタリングした空間周波数分布であり、本来の空間周波数分布に対して、観察者による空間周波数に対応した認識の度合で重み付けしたものであるともいえる。
【0164】
次に、視覚特性フィルタ処理を行ったP’(u、v)に対して二次元逆フーリエ変換処理を施し、p’(x、y)を求める(ステップS3003)。ここで、x、yは逆フーリエ変換処理にて求められた画像の画素位置であり、0から255の範囲内にある。最後に、p’(x、y)における画素値の標準偏差を出力画像の評価値Gとし(ステップS3004)、入力画像に対する評価値の演算処理を終了する。
【0165】
【数2】
Figure 2004112697
【0166】
評価値Gは以上の手順により与えられる。すなわち、人間の視覚特性に応じて評価対象の画像Pの空間周波数成分を重み付けした画像P’を生成し、画像P’における各画素値の標準偏差を評価値Gとして求めている。これにより、ある画像データを評価対象とする場合、評価されるのはその画像データそのものではなく、人間が視覚的に認識できる画像データとなる。そしてその視覚特性でフィルタリングされた画像データを対象として評価値Gが求められる。そのため、評価対象の画像データが、一様の濃度(輝度)分布を有する画像データとして観察者により視覚される画像データであれば、評価値Gは0になる。この評価値Gを前述した拡散係数の評価基準として用いることで、視覚的に最善の結果を与える拡散係数を各階調について選択することが可能となる。
【0167】
以上のようにして、本実施形態では、シアン成分とマゼンタ成分の値の組に対して最適な誤差拡散係数が与えられる。この結果、多種多様なしきい値形状などの要因の変化に対しても対応でき、かつシアンとマゼンタの値を用いた参照のみによって高速に所望の情報を取り出すことのできるように、誤差拡散係数をシアンとマゼンタに基づいたの2次元配列もしくは2色の組み合わせ、つまり合成色に対して所定の演算を行った演算出力をオフセットとして持つ配列として設定ないし使用できる。
【0168】
また、誤差拡散係数をシアンとマゼンタの値を用いた参照のみによって高速に取り出すことができる。
【0169】
また、誤差拡散係数を参照する際のインデックスとしては、着目画素そのものの値のみならず、着目画素及びその近傍画素(注目画素群)の各色成分について、その加算値や平均値あるいは最大値、最小値、積(内積あるいは外積)を用いることもできる。
【0170】
注目画素群の各色成分ごとの加算値を用いた場合、局所領域におけるシアン、マゼンタの各特徴量を高速に得ることができる。
【0171】
注目画素群の各色成分ごとの平均値を用いた場合、局所領域におけるシアン、マゼンタの各特徴量を少ないデータサイズで表現でき、かつ局所的に付加されたノイズの影響に対しても、より堅牢な特徴量抽出ができる。そのため、局所領域の特徴に応じた誤差拡散係数を決定でき、ドット分散を改善した高品質の2値画像が得られる。
【0172】
また、注目画素群における各色成分ごとの最大値を基準として誤差拡散係数を求める方法がある。この場合には、各色成分のうち支配的な成分を取り出して利用することができる。つまり支配的な成分に対して優先的にドット分散性の改善を行うことができる。
【0173】
一方、逆に注目画素群における各色成分ごとの最小値に対応する誤差拡散係数を利用する方法もある。この場合には、各色成分、ここではシアンとマゼンタのうち、微弱な成分を取り出すことを可能にする。これによって、一方の色がシャドウであり、他方の色がハイライトのような領域においては、ハイライトの色に対して優先的にドット分散性の改善ができる。
【0174】
また、注目画素群の各色成分の積を用いる方法は、より良いドット配置を与える誤差拡散係数の特性が、図20にも示しているように、シアンとマゼンタの積が小である領域、大である領域で大きく切り替わることに着目している。つまり、シアンとマゼンタの積の大小に対して誤差拡散係数を設定することによって、テーブルサイズの削減ができる。
【0175】
以上のように。本実施形態により、シアンとマゼンタの階調の組み合わせに応じて最適な拡散係数を選択することができ、図11に示すような良好なドット配置パターンが得られる。
【0176】
[第3実施形態]
本実施形態は、第1実施形態で説明したはき寄せ改善のための2色同時誤差拡散手法と、第2実施形態で説明したドット分散性改善のための2色同時誤差拡散手法を組み合わせた実施形態である。すなわち、次のような手順で量子化が行われる。
1. M成分の濃度値Mに基づいて、C成分の誤差拡散で用いるしきい値(Cthreshold)を求める。
2. C成分の濃度値CとM成分の濃度値Mの組み合わせを用いて、図12に示すようなしきい値変調量テーブルを参照する。
3. 第2ステップにより得られたしきい値変調量をC成分の誤差拡散で用いるしきい値Cthresholdに加算して、補正しきい値変調量Cthreshold’を決定する。
4. C成分の濃度Ctと補正しきい値Cthreshold’とを比較し、濃度Ctの方が大きかった場合、Cインクで出力を行う。
5. C成分の濃度値Cに基づいて、M成分の誤差拡散で用いるしきい値(Mthreshold)を求める。
6. M成分の濃度値MとC成分濃度値Cの組み合わせを用いて、図14に示すようなしきい値変調量テーブルを参照する。
7. 第6ステップにより得られたしきい値変調量をM成分の誤差拡散で用いるしきい値Mthresholdに加算して、補正しきい値変調量Mthreshold’を決定する。
8. M成分の濃度値Mtと補正しきい値Mthreshold’とを比較し、濃度Mtの方が大きかった場合、Mインクで出力を行う。
9. C成分及びM成分の組み合わせに基づいて図20に示すような誤差拡散係数テーブルを参照する。
10. 第9ステップにより得られた誤差拡散係数を用いて、量子化誤差を量子化未処理の周辺画素へ拡散する。
【0177】
すなわち、本実施形態は、第1実施形態の構成において、図23に示した誤差計算部803、804を図28に示した誤差計算部2703、2704に置き換え、第2実施形態の要領で設定された誤差拡散係数テーブルを用いて、注目画素のシアン値とマゼンタ値とに応じて誤差拡散係数を選択して誤差拡散処理を行うというものである。この構成を図34に示す。
【0178】
また、第1実施形態の場合と同様に、上記のはき寄せ、ドット分散性改善処理は濃度変調を用いることによっても実現することができる。
1. M成分の濃度値Mに基づいて、C成分の誤差拡散で用いるしきい値(Cthreshold)を求める。
2. C成分の濃度値CとM成分の濃度値Mの組み合わせを用いて、図16に示すような濃度値変調量テーブルを参照する。
3. 第2ステップにより得られた濃度値変調量をC成分の濃度Ctに加算して、C成分の補正濃度Ct’を決定する。
4. C成分の補正濃度Ct’としきい値Cthresholdを比較し、補正濃度値Ct’の方が大きかった場合、Cインクで出力を行う。
5. C成分の濃度値Cに基づいて、M成分の誤差拡散で用いるしきい値(Mthreshold)を求める。
6. M成分の濃度値MとC成分濃度値Cの組み合わせを用いて、図18に示すような濃度値変調量テーブルを参照する。
7. 第6ステップにより得られた濃度値変調量をM成分の濃度Mtに加算して、M成分の補正濃度Mt’を決定する。
8. M成分の補正濃度Mt’としきい値Mthresholdを比較し、補正濃度値Mt’の方が大きかった場合、Mインクで出力を行う。
9. C成分及びM成分の組み合わせに基づいて図20に示すような誤差拡散係数テーブルを参照する。
10. 第9ステップにより得られた誤差拡散係数を用いて、量子化誤差を量子化未処理の周辺画素へ拡散する。
この実施形態によって、第1実施形態の効果と第2実施形態の効果とを同時に実現できる。すなわち、複数色間のドットの分散性が良好で、かつはき寄せの改善もなされた非常に良好なドット配置が得られる。
【0179】
[第4実施形態]
第1及び第2、第3実施形態においては、シアンとマゼンタに対して誤差拡散法を行う際に用いる各種パラメータファイルをシアンとマゼンタの組み合わせに基づいた2次元配列、もしくは2色の組み合わせ、つまり合成色に対して所定の演算を行った演算出力をオフセットとして持つ配列として持つことを特徴とする実施形態を説明した。それに対しここでは、シアンとマゼンタに対しては第1から第3実施形態のうちいずれかの形態で実施し、イエロー及びその他の色については各色ごとに誤差拡散を行う場合の良好な実施形態を説明する。
【0180】
まず、シアンとマゼンタに対する処理例は第1から第3実施形態に示したとおりである。それに対し、イエロー及び他の色に対する誤差拡散法のはき寄せ、ドット分散性対策としてシアン、マゼンタに対するのと同様にしきい値変調量テーブル、濃度値変調量テーブル、誤差拡散係数テーブルを設定し、使用する。それら各種テーブルとして、シアン、マゼンタ用のテーブルの一部を流用する。例えば、イエローの値をシアンの値として読み替えて、マゼンタの値が0である部分をイエロー等の色について流用する。イエロー及びその他の色を色ごとに誤差拡散する場合、この誤差拡散法はシアンとマゼンタに対する誤差拡散法における他方の色の入力濃度値が0である場合と等価であると解釈できる。
【0181】
よって、色ごとに誤差拡散する場合においても、シアンとマゼンタの誤差拡散法において、他方の入力濃度値が0であるような状態を想定することにより、はき寄せ及びドット分散性が改善される誤差拡散法を実現できる。
【0182】
このように、色ごとに誤差拡散するプレーンに対して個別にしきい値変調テーブル、濃度値変調テーブル、誤差拡散係数テーブルを設定・保持・使用するのではなく、2色以上の重なりに対して良好な視覚特性を得る誤差拡散法に対して用意された各種テーブルの一部を流用することによって、テーブルサイズを削減できる。
【0183】
以上、第1〜第4の実施形態で説明した例はインクの色をシアンとマゼンタの2色とし、染料濃度も濃・淡の2段階とし、吐出量も大・小の2段階としたが、本発明の効果は特に上記に限る事ではなく、それぞれより大きな色数、量子化階調数、染料濃度階調数、吐出量階調数に対して本発明を適用しても同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0184】
<印刷装置の構成例>
さて、以上の各実施形態においては、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0185】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0186】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0187】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0188】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0189】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0190】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0191】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0192】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0193】
以上説明した実施の形態においては、インクが液体であることを前提として説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクであっても、室温で軟化もしくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジェット方式ではインク自体を30°C以上70°C以下の範囲内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであればよい。
【0194】
加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化するインクを用いても良い。いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では既に固化し始めるもの等のような、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も本発明は適用可能である。このような場合インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明においては、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0195】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0196】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、インタフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用してもよい。
【0197】
また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0198】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0199】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、複数色間の誤差拡散法に対して、はき寄せ改善、ドット分散性改善を、しきい値の取り方によらず実現できる。
【0200】
また、所望の各種変調量を参照によって得ることができるため、高速に多値画像データを量子化することが出来る。
【0201】
また、カラープレーンごとに複数色間の誤差拡散法と単色の誤差拡散法を切り換えて行うような場合には、複数色間の誤差拡散法に対して用意されたしきい値変調量、濃度値変調量、誤差拡散係数の各種テーブルの一部を、単色の誤差拡散法に流用することによってテーブルサイズの削減も実現できる。
【0202】
更に、各種テーブルを参照する際に、各色に対する所定の演算出力を用いることによって、高速参照、ノイズに対する堅牢な参照、複数色の濃度値のバランスを考慮した参照、各種テーブルサイズの削減などが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共通実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】情報処理システムを構成するホスト装置51と画像出力装置52のハードウェア構成概要を示すブロック図である。
【図3】画像出力装置52の代表的な実施形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。
【図4】情報処理システムで用いられるソフトウェアの構造を示すブロック図である。
【図5】画像処理概要を示すフローチャートである。
【図6】2色のインクを互いに重なり合わないように制御する誤差拡散方式の一例を示す図である。
【図7】2色のインクを互いに重なり合わないように制御する誤差拡散方式の一例を示す図である。
【図8】ドットの鎖状連結例を示す図である。
【図9】2色に対して良好なはき寄せ改善がなされた一例を示す図である。
【図10】2色でのドット分散性が不良な一例を示す図である。
【図11】2色でのドット分散性が良好な一例を示す図である。
【図12】Cyanに対する、CM2色の組み合わせに対して設定されたしきい値変調量テーブルの1例を示す図である。
【図13】図12では省略したしきい値変調量も含めた全体をグラフに示す図である。
【図14】Magentaに対する、CM2色の組み合わせに対して設定されたしきい値変調量テーブルの一例を示す図である。
【図15】図14では省略したしきい値変調量も含めた全体をグラフに示す図である。
【図16】Cyanに対する、CM2色の組み合わせに対して設定された濃度値変調量テーブルの一例を示す図である。
【図17】図16では省略した濃度値変調量も含めた全体をグラフに示す図である。
【図18】Magentaに対する、CM2色の組み合わせに対して設定された濃度値変調量テーブルの一例を示す図である。
【図19】図18では省略した濃度値変調量も含めた全体をグラフに示す図である。
【図20】CM2色の組み合わせに対して設定された誤差拡散係数の一例を示す図である。図中の数字はそれぞれ(g0,g1,g2,g3)を表す。また、(g0,g1,g2,g3)は図21に示す各方向への誤差拡散係数を表す図である。
【図21】図20の補足説明用の図である。
【図22】第1実施形態の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図23】第1実施形態の誤差計算部の構成を示すブロック図である。
【図24】実施形態のハーフトーン処理部における処理を説明するフローチャートである。
【図25】平均量子化誤差および評価値の演算時に使用される画像例を示す図である。
【図26】
しきい値変調量の生成手順を説明するフローチャートである。
【図27】
第2実施形態の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【図28】
第2実施形態の誤差計算部の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【図29】
誤差拡散係数テーブルの生成手順を説明するフローチャートである。
【図30】
画像の評価値演算処理を説明するフローチャートである。
【図31】
二次元パワースペクトルの一例を示す図である。
【図32】
視覚特性フィルタの一例を示す図である。
【図33】
拡散係数の組み合わせ例を示す図である。
【図34】
第3実施形態の画像処理装置の構成を示すブロック図である。
11 アプリケーションソフトウェア
21 描画処理インタフェース
22 スプーラ
31−n 装置固有描画機能
33 色特性変換
34 中間調処理(ハーフトーニング)
35 プリントコマンド生成
51 ホスト装置
52 画像出力装置
53 双方向インタフェース
54 ドライバソフトウェア
1000 処理部
1001 MPU
1002 バス
1003 DRAM
1004 ブリッジ
1005 グラフィックアダプタ
1006 HDDコントローラ
1007 キーボードコントローラ
1008 通信I/F
2001 表示装置
2002 HDD装置
2003 キーボード
3001 MCU
3003 制御回路部
3004 ROM
3005 DRAM
3006 通信I/F
3007 ヘッドドライバ
3008 CRモータドライバ
3009 LFモータドライバ
3010 記録ヘッド
3011 キャリア(CR)モータ
3012 搬送モータ

Claims (28)

  1. 少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理装置であって、
    注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算手段と、
    画素の各色成分値の組み合わせに応じて、前記各色成分ごとの量子化しきい値を格納するしきい値テーブルと、
    前記注目画素を含む画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する変調量決定手段と、
    前記注目画素の各色成分の組み合わせに応じて前記しきい値テーブルから各色成分ごとのしきい値を獲得し、当該しきい値に前記変調量を各色ごとに加算して変調されたしきい値を決定し、当該変調されたしきい値と、前記誤差加算手段により誤差値が加算された各色成分の値との大小関係に従って注目画素を量子化する量子化手段と
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記変調量決定手段は、前記注目画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記変調量決定手段は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の平均値または最大値または最小値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理装置であって、
    注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算手段と、
    前記注目画素の各色成分を量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段による量子化誤差を拡散する拡散係数を、画素の各色成分値の組み合わせに応じて格納する拡散係数テーブルとを備え、
    前記誤差加算手段は、注目画素の各色成分の組みあわせに応じて前記拡散テーブルから選択した拡散係数にしたがって、誤差値を注目画素に加算することを特徴とする画像処理装置。
  5. 前記誤差加算手段は、前記注目画素の各色成分値の組み合わせに応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記誤差加算手段は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の平均値または最大値または最小値の組み合わせに応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  7. 前記誤差加算手段は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の積の値に応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理装置であって、
    注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算手段と、
    画素の各色成分値の組み合わせに応じて、前記各色成分ごとの量子化しきい値を格納するしきい値テーブルと、
    前記注目画素を含む画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する変調量決定手段と、
    前記注目画素の各色成分の組み合わせに応じて前記しきい値テーブルから各色成分ごとのしきい値を獲得し、当該しきい値に前記変調量を各色ごとに加算して変調されたしきい値を決定し、当該変調されたしきい値と、前記誤差加算手段により誤差値が加算された各色成分の値との大小関係に従って注目画素を量子化する量子化手段と、
    前記量子化手段による量子化誤差を拡散する拡散係数を、画素の各色成分値の組み合わせに応じて格納する拡散係数テーブルとを備え、
    前記誤差加算手段は、注目画素の各色成分の組みあわせに応じて前記拡散テーブルから選択した拡散係数にしたがって、誤差値を注目画素に加算することを特徴とする画像処理装置。
  9. 少なくとも3種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化する画像処理装置であって、
    請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置により2種類の色成分の組み合わせについて量子化を行い、
    残りの色成分については、注目色成分以外の色成分の値を0とみなして、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像処理装置により量子化を行うことを特徴とする画像処理装置。
  10. 少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理方法であって、
    注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算工程と、
    前記注目画素を含む画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する変調量決定工程と、
    前記注目画素の各色成分の組み合わせに応じて、画素の各色成分値の組み合わせに対応して前記各色成分ごとの量子化しきい値を格納するしきい値テーブルから各色成分ごとのしきい値を獲得し、当該しきい値に前記変調量を各色ごとに加算して変調されたしきい値を決定し、当該変調されたしきい値と、前記誤差加算工程により誤差値が加算された各色成分の値との大小関係に従って注目画素を量子化する量子化工程と
    を備えることを特徴とする画像処理方法。
  11. 前記変調量決定工程は、前記注目画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  12. 前記変調量決定工程は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の平均値または最大値または最小値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定することを特徴とする請求項10に記載の画像処理方法。
  13. 少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理方法であって、
    注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算工程と、
    前記注目画素の各色成分を量子化する量子化工程とを備え、
    前記誤差加算工程は、注目画素の各色成分の組みあわせに応じて、前記量子化工程による量子化誤差を拡散する拡散係数を画素の各色成分値の組み合わせに対応付けて格納する拡散係数テーブルから選択した拡散係数にしたがって、誤差値を注目画素に加算することを特徴とする画像処理方法。
  14. 前記誤差加算工程は、前記注目画素の各色成分値の組み合わせに応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択することを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
  15. 前記誤差加算工程は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の平均値または最大値または最小値の組み合わせに応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択することを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
  16. 前記誤差加算工程は、前記注目画素およびその近傍画素について、各色成分の積の値に応じて前記拡散テーブルから拡散係数を選択することを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
  17. 少なくとも2種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化処理する画像処理方法であって、
    注目画素に含まれる複数の色成分の各々について、近傍画素からの各色成分毎に配分される量子化誤差値を加算する誤差加算工程と、
    前記注目画素を含む画素の各色成分値の組み合わせに応じて各色の閾値変調量を決定する変調量決定工程と、
    前記注目画素の各色成分の組み合わせに応じて、画素の各色成分値の組み合わせに対応して前記各色成分ごとの量子化しきい値を格納するしきい値テーブルから各色成分ごとのしきい値を獲得し、当該しきい値に前記変調量を各色ごとに加算して変調されたしきい値を決定し、当該変調されたしきい値と、前記誤差加算工程により誤差値が加算された各色成分の値との大小関係に従って注目画素を量子化する量子化工程とを備え、
    前記誤差加算工程は、注目画素の各色成分の組みあわせに応じて、前記量子化工程による量子化誤差を拡散する拡散係数を画素の各色成分値の組み合わせに対応付けて格納する拡散係数テーブルから選択した拡散係数にしたがって、誤差値を注目画素に加算することを特徴とする画像処理方法。
  18. 少なくとも3種類の色成分を含む多値カラー画像データを量子化する画像処理方法であって、
    請求項10乃至17のいずれか1項に記載の画像処理方法により2種類の色成分の組み合わせについて量子化を行い、
    残りの色成分については、注目色成分以外の色成分の値を0とみなして、請求項10乃至17のいずれか1項に記載の画像処理方法により量子化を行うことを特徴とする画像処理方法。
  19. コンピュータにより請求項1乃至10のいずれかに記載の画像処理装置を実現させるためのコンピュータプログラム。
  20. 請求項19に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ可読記録媒体。
  21. 少なくとも2種類以上の、複数種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力する画像処理装置であって、
    N種類の入力色に基づいて、N次元の色空間に対して各種パラメータを設定、保持、使用のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする画像処理装置。
  22. 少なくとも2種類以上の、複数種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力する画像処理装置であって、
    N種類の入力色に基づいて所定の手段で合成色信号を取得し、前記合成色信号に基づいて、各種パラメータを設定ないし、保持、使用することを特徴とする画像処理装置。
  23. 少なくとも2種類以上の、複数種類の濃度成分からなる多値画像データに誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力する画像処理装置であって、
    N種類の入力色に基づいたN次元の色空間に対する各種パラメータをN次元配列として設定、保持、使用のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項21に記載の画像処理装置。
  24. 請求項1または請求項2または請求項3記載の画像処理装置におけるパラメータとして閾値、閾値変調量、濃度値変調量、誤差拡散係数のうち少なくとも1つを含むことを特徴とする画像処理装置。
  25. 前記所定の手段として合成値または最大値、最小値、積のうち、少なくとも1つを用いることを特徴とする請求項22記載の画像処理装置。
  26. 前記所定の手段は、着目画素及びその近傍画素の内、少なくとも1つ以上の画素から得られる、少なくとも2つ以上の入力色に対して適用されることを特徴とする請求項25に記載の画像処理装置。
  27. 少なくとも2種類以上の、複数種類の濃度成分からなる多値画像データに対して、N種類の色について誤差拡散処理を施して前記誤差拡散処理の結果を出力すると同時に、他のいくつかの色については独立に誤差拡散処理を行う画像処理装置であって、
    前者に対してはN種類の入力色に基づいて、N次元の色空間に対して各種パラメータを設定、保持、使用のうち少なくとも1つを行い、後者に対しては、前者設定パラメータの一部を流用することを特徴とする画像処理装置。
  28. 前記複数の色成分は、シアンとマゼンタとを含むことを特徴とする請求項1乃至9に記載の画像処理装置。
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