JP2004111266A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】凝縮水のセル電圧への影響を考慮し、複数のセルからなる燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させる。
【解決手段】セル構造体を複数積層して構成された燃料電池スタック1の発電状態を判断するために燃料電池スタック1の各セル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサ15を備え、燃料電池システム制御装置4により、セル電圧センサ15により検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁14を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したと判断する。
【選択図】 図1
【解決手段】セル構造体を複数積層して構成された燃料電池スタック1の発電状態を判断するために燃料電池スタック1の各セル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサ15を備え、燃料電池システム制御装置4により、セル電圧センサ15により検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁14を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したと判断する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセルからなる燃料電池スタックを正常に運転するための燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを燃料電池スタックに供給することで、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電気エネルギを直接取り出す燃料電池システムが知られている。
【0003】
このような燃料電池システムでは、発電効率が高いことに加え、有害な物質の排出が極めて少ないという利点を持つため、発電プラントや家庭用発電機など定置型発電に適用されるばかりでなく、車両の駆動源として利用した燃料電池車両としても近年注目されている。
【0004】
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタックの起動時の短時間の間に、大きな負荷に電力供給するために起動直後から大きな発電を行わせると、出力電圧が急激に低下して電源として機能しないばかりでなく、燃料電池スタックの損傷や寿命の低下などを引き起こしてしまうという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する従来の燃料電池システムとしては、例えば、起動時の燃料電池スタックの温度に着目し、燃料電池スタック温度が所定値以下である場合、燃料電池スタックが暖機状態であると判断し、2次電池から電力を取り出して負荷に供給していた。これにより、燃料電池スタックからの発電を制限していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−231991号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックの起動時における運転方法では、起動後の燃料電池スタック温度によって、良好な発電状態に達したか否かを判断しており、燃料電池スタック温度を測定する温度センサを燃料電池スタック内に設ける必要があった。
【0008】
しかしながら、燃料電池スタックが数百ものセルを積層して構成されるものであるので、各セルの温度分布が一様にならないことが多い。これは、燃料電池スタックを冷却する過程において、燃料電池スタックの冷却水入口と冷却水出口とで冷却水温度に差があり、各セル温度が冷却水入口付近と冷却水出口付近とで異なることによる。
【0009】
すなわち、燃料電池システムを電源として機能させるためには、燃料電池スタック内に冷却水を循環させる必要があるが、燃料電池スタック発電の損失のほとんどは発熱という形態をとるため、例えば、冷却水入口と冷却水出口付近とでは必ずセル温度の温度差が生じてしまう。このような理由から、燃料電池スタック内の各セル温度を把握して良好な発電状態に達したか否かを判断するためには、複数箇所に温度センサを設ける必要があり、コスト増加を招くという問題があった。
【0010】
また、燃料電池システムの起動時に燃料電池スタックの電圧低下を起こす原因としては、燃料電池スタックのガス流路を凝縮水が塞いでしまうことが挙げられる。燃料電池スタック内の凝縮水は、燃料電池スタックの温度が低いため発生する場合のみならず、燃料電池スタックにガスを供給するガス配管内で生成されて内部に流れ込む場合も挙げられる。この場合、燃料電池スタック内の温度によって燃料電池スタックの発電状態を判断することができないという問題もあった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、複数のセルからなる燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させることができる燃料電池システムを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、セル構造体を複数積層して構成された燃料電池スタックの発電状態を判断するために燃料電池スタックの各セル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサを備え、発電状態判断手段により、セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断することで、上述の課題を解決する。
【0013】
また、本発明に係る他の燃料電池システムでは、セル構造体を複数積層して構成された燃料電池スタックの発電状態を判断するために、燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位に配設されたセル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサを備え、発電状態判断手段により、セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にしてセル電圧を上昇させ、セル電圧の低下が発生したセル構造体のセル電圧低下の頻度を演算し、セル電圧低下の頻度が所定頻度より低い場合に上記燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断することで、上述の課題を解決する。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断するので、パージによって燃料電池スタック内の凝縮水によるセル電圧の低下が解消したかを判断することができ、燃料電池スタック内の凝縮水による発電状態への影響を正確に判断することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、凝縮水の影響によりセル電圧のばらつきが発生した場合であっても、燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させることができる。
【0015】
また、本発明に係る他の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位のセル電圧が低下する頻度から、燃料電池スタックが良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック内の凝縮水のセル電圧への影響を正確に判断することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、凝縮水の影響によりセル電圧のばらつきが発生した場合であっても、燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0018】
[燃料電池システムの構成]
第1実施形態に係る燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を挟んで空気極と水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスを水素極1aに供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気を空気極1bに供給する燃料電池システムについて説明する。
【0019】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、水素極1aに加湿した水素ガスを供給すると共に、空気極1bに加湿した空気を供給する。
【0020】
空気は、大気をコンプレッサ2により加圧され、空気加湿器3にて加湿された後、燃料電池スタック1の空気極1bへ供給される。このとき、燃料電池システム制御装置4では、コンプレッサ2と接続されたコンプレッサモータ5の回転数を制御すると共に、空気極1bの空気排出側に設けられた空気調圧弁6の開度を制御することにより空気極1bに供給する空気流量及び空気圧力を調整する。
【0021】
また、燃料電池システム制御装置4では、モータ回転センサ7からのセンサ信号を読み込んで、目標回転数となるようにコンプレッサモータ5を制御する。更に、燃料電池システム制御装置4は、空気加湿器3から空気極1bに供給する空気圧力を検出する空気圧力センサ8からのセンサ信号を読み込んで、目標空気圧力となるように空気調圧弁6を制御する。
【0022】
水素は、高圧水素ボンベ9に貯蔵された状態から、水素調圧弁10、エゼクタポンプ11を経由して、水素加湿器12にて純水で加湿された後、水素極1aに供給される。また、水素極1aから排出された未使用の水素は、エゼクタポンプ11に戻され、エゼクタポンプ11によって再度水素極1aに循環される。
【0023】
このとき、燃料電池システム制御装置4は、水素調圧弁10の開度を制御して、水素極1aに供給する水素圧力を調整する。燃料電池システム制御装置4では、水素加湿器12から水素極1aに供給する水素圧力を検出する水素圧力センサ13からのセンサ信号を読み込んで、目標水素圧力となるように水素調圧弁10の開度を制御する。
【0024】
また、この燃料電池システムでは、水素極1aの水素排出側に水素パージ弁14が設けられている。この水素パージ弁14は、その開閉動作が燃料電池システム制御装置4により制御され、燃料電池スタック1の状態に応じて開閉動作する。燃料電池システム制御装置4は、例えば燃料電池スタック1内の水詰まり発生や、空気極1bから水素極1aに空気がリークすることによる出力低下又は発電効率低下を防止するときに水素パージ弁14を開状態にして、水素ガスを一時的に燃料電池スタック1から放出させる。
【0025】
更に、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1内に直列接続されたセルの各電極間の電圧を測定するセル電圧センサ15を備える。このセル電圧センサ15により検出されたセル電圧は、燃料電池システム制御装置4により読み込まれる。燃料電池システム制御装置4では、セル電圧低下を検知した場合に、後述の燃料電池スタック発電状態判断処理を行う。
【0026】
ここで、燃料電池スタック1は、数百ものセル構造体を積層してなるものであり、各セル間の特性のばらつきが無く作り込むのは不可能なため、個々のセル電圧を測定するためにセル電圧センサ15が設けられている。このセル電圧センサ15は、通常、燃料電池スタック1の発電電力を制御するに際して燃料電池システム制御装置4により参照される。
【0027】
なお、図1には図示しないが、燃料電池スタック1には、燃料電池システム制御装置4によって制御される図示しない電気負荷が接続され、当該電気負荷に発電電力を供給する。
【0028】
[燃料電池スタック発電状態判断処理]
つぎに、上述した燃料電池システムにおいて、燃料電池システム制御装置4により燃料電池スタック1の発電状態を判断するための燃料電池スタック発電状態判断処理について図2を参照して説明する。
【0029】
この燃料電池スタック発電状態判断処理は、燃料電池システム制御装置4により、例えば所定期間ごとに実施され、ステップS1にてセル電圧センサ15からのセンサ信号を読み込んで、セル電圧が低下したと判定した場合にステップS2に処理を進める。ここで、燃料電池システム制御装置4では、センサ信号から認識したセル電圧値のうち、所定値(例えば0.5V)未満のものが存在するかを調べる。所定値未満のセル電圧値が存在すると判定した場合、正常にセルに水素ガスが供給されておらず、燃料電池スタック1に凝縮水が滞留するフラッディングが発生していると判断し、ステップS2へ移行する。ここで、ガス流路に凝縮水が滞留すると、各セル構造体に供給するガス流量が異なり、セル電圧が低下して、セル電圧のばらつきが発生する。
【0030】
ステップS2においては、燃料電池システム制御装置4により、水素パージ弁14を開状態にしてステップS3に処理を進める。水素パージ弁14を開状態にすると、燃料電池スタック1内の水素の流量が増加し、燃料電池スタック1内の水素流路を塞いでいる凝縮水が燃料電池スタック1外へ排出される。
【0031】
ステップS3においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS2にて水素パージ弁14を開状態にした時点からの時間を計測開始して、ステップS4に処理を進める。
【0032】
ステップS4においては、ステップS1にて低下したと判定したセル電圧が上昇することで復活し、正常な発電状態と判断可能なセル電圧となったか否かを判定する。ここで、燃料電池システム制御装置4では、セル電圧が所定値(例えば0.6V)以上となったか否かを判定する。
【0033】
燃料電池システム制御装置4によりセル電圧値が正常なセル電圧値となっていないと判定した場合には、セル電圧値が正常なセル電圧値となるまでステップS3にて開始した時間計測を継続しながらステップS4の判定を繰り返し、セル電圧値が正常なセル電圧値となったと判定した場合にはステップS5に処理を進める。
【0034】
ステップS5においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS2にて開状態にした水素パージ弁14を閉状態にしてステップS6に処理を進める。
【0035】
ステップS6においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS3にて開始した時間計測を終了して、ステップS7に処理を進める。
【0036】
ステップS7においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップ3にて計測開始してステップS6にて計測終了した結果の時間が、所定時間未満か否かを判定する。計測した結果の時間が所定時間未満であると判定した場合には、生成される凝縮水の量が比較的少ないと判断し、ステップS8に処理を進めて燃料電池スタック1の発電状態が良好であると判定して処理を終了する。
【0037】
一方、燃料電池システム制御装置4により、計測終了した結果の時間が所定時間未満でない判定した場合には、生成される凝縮水の量が比較的多いと判断し、ステップS9に処理を進めて燃料電池スタック1の発電状態が良好でないと判定して処理を終了する。
【0038】
このようにステップS9にて良好な発電状態に達していないと判断した場合、燃料電池システム制御装置4は、燃料電池スタック1に接続された電気負荷を制限して、燃料電池システムが停止に至らないように制御し、燃料電池スタック1の損傷や寿命低下を防ぐための制御を行う。このとき、例えば、燃料電池スタック1を搭載した燃料電池車両の場合、車両を駆動するモータ等の電気負荷に供給する電力を、2次電池から供給するように燃料電池システム制御装置4などによって制御する。
【0039】
また、ステップS9にて良好な発電状態に達していないと判断した場合、燃料電池システム制御装置4は、燃料電池スタック1に供給するガス流量を増加させても良い。このとき、燃料電池システム制御装置4では、コンプレッサモータ5の回転数を増加させて空気流量を増加させると共に、エゼクタポンプ11の特性にもよるが、水素パージ弁14を制御して燃料電池スタック1への水素供給圧力を上げて水素の流量を増加させたりしても良い。
【0040】
このように燃料電池スタック1の運転状態を変更することで、コンプレッサ2等に電力供給をする必要が発生する分、モータ等に供給する電力が少なくなって燃料電池システムの正味効率が低下するが、ガス流量を増加させることにより凝縮水を排除して燃料電池スタック1を安定して作動させる。
【0041】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、セル電圧が低下した場合に水素パージ弁14を開状態にし、水素パージを行った後にセル電圧が上昇して正常なセル電圧となったときの時間、すなわち燃料電池スタック1の復活速度に応じて、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、水素パージによって凝縮水によるセル電圧の低下が解消したかを判断することができ、凝縮水による発電状態への影響を正確に判断することができる。
【0042】
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1が良好な発電状態に達していないと判断した場合に燃料電池スタック1の発電量を制限するので、セル電圧の低下が凝縮水によるものではなく燃料電池スタック1内部の電極抵抗の増加である場合に、電極抵抗による発熱量を抑制して、システムの停止、燃料電池スタック1の損傷や寿命低下を防止することが可能となる。
【0043】
更に、燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1が良好な発電状態に達していないと判断した場合に、水素ガス及び空気の流量を増加させるので、燃料電池スタック1の運転を安定化させることが可能となる。すなわち、燃料電池スタック1に供給するガス流量を増加させることにより、例えばパワーマネジメントシステムなどによって燃料電池スタック1から取り出す負荷を一定にしたまま、燃料電池スタック1の内部の凝縮水を取り出すことができる。
【0044】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係る燃料電池システムでは、その概略構成が第1実施形態に係る燃料電池システムと同一であるので説明を省略する。
【0045】
第2実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池スタック発電状態判断処理において、燃料電池スタック1の各セル電圧を測定するセル電圧センサ15を設け、セル電圧センサ15からのセンサ信号によりセル電圧値を監視し、セル電圧が低下した場合、セル電圧低下が発生したセルのセル構造体内での位置を識別し、特定のセル電圧が低下する頻度から燃料電池スタック1の発電状態を判断することを特徴とする。
【0046】
この燃料電池システムでは、図3に示すように、レイアウトの関係上、複数のセル構造体(単セル)21が折り返して積層されており、セル群31とセル群32とで水素ガス及び空気の流れる方向が異なっており、水素ガス又は空気のガス流路22に折り返し部分22aを有する燃料電池スタック1を使用している。このような燃料電池スタック1の場合、ガス配管が屈曲しており、ガスに含まれる水蒸気がガス配管の側壁に滞留するセパレータ効果により、ガス流路22が折り返して再度セル構造体21に供給される特定部位Aに凝縮水が発生しやすい。そこで、セル電圧センサ15は、特定部位A付近に位置するセル構造体21のセル電圧を検出する。
【0047】
また、他の燃料電池スタック1としては、図4に示すように、複数のセル構造体21がその膜厚方向に積層されており、ガス流路22によるガスの流れる方向と冷却水流路23による冷却水の流れる方向とが逆方向となっているものがある。このような燃料電池スタック1では、冷却水が内部の発熱を受熱するために、冷却水出口よりも冷却水入口の方が冷却水温度が低くなる。これにより、ガス温度もガス入口側よりもガス出口側の方が温度が低くなり、特定部位Bに凝縮水が発生しやすい。そこで、セル電圧センサ15は、特定部位B付近に位置するセル構造体21のセル電圧を検出する。
【0048】
更に他の燃料電池スタック1としては、図5に示すように、複数のセル構造体21が膜厚方向に積層されており、ガス流路22の入口にガス供給側配管の凝縮水の流れ込みが発生しやすい。そこで、セル電圧センサ15は、特定部位C付近に位置するセル構造体21のセル電圧を検出する。
【0049】
このように、燃料電池スタック1内であっても、凝縮水が滞留しやすい特定部位が複数存在し、凝縮水の影響によりセル電圧の低下が発生し、セル構造体21間のセル電圧のばらつきが発生する。
【0050】
このようなセル構造体21ごとのセル電圧のばらつきを考慮した燃料電池スタック発電状態判断処理を図6のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の図2を用いて説明した処理と同様の処理については同一のステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0051】
この燃料電池スタック発電状態判断処理では、上述の図3〜図5に示したような燃料電池スタック1を使用した場合に限定するものではなく、上述した凝縮水の発生しやすい複数の特定部位のセル構造体21のセル電圧を検出する場合について説明する。
【0052】
燃料電池システム制御装置4では、ステップS1にて何れかのセル構造体21のセル電圧が低下したと判定した場合にステップS11に処理を進め、セル電圧低下が発生したセル構造体21の燃料電池スタック1内での位置を記憶し、ステップS2にて水素パージ弁14を開状態にする。このとき、燃料電池システム制御装置4では、図3〜図5の特定部位のセル電圧を検出するセル電圧センサ15からのセンサ信号を区別することにより、セル電圧低下が発生したセル構造体21の位置を特定する。
【0053】
そして、ステップS4及びステップS5の処理を行うことで、ステップS1にてセル電圧低下を検出したセル構造体21のセル電圧が復活したと判定して水素パージ弁14を閉状態にした後のステップS12においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS11にて位置が記憶されたセル構造体21がセル電圧低下した頻度を演算する。すなわち、ステップS11にて記憶した位置から、特定部位の凝縮水によるセル電圧低下発生の頻度を演算する。
【0054】
例えば、所定時間ごとにステップS1以降の処理を行うとした場合、過去10回のセル電圧低下のうち、燃料電池スタック1内の特定部位A、B或いはCなどで発生した回数を演算する。
【0055】
次のステップS13においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS12にて演算した頻度(回数)が所定頻度(回数の場合は例えば3回)以上であって、ステップS11にて記憶した特定部位に凝縮水が滞留する頻度が大きいか否かを判定する。
【0056】
頻度が所定頻度(回数)より大きくないと判定した場合には、セル電圧低下が所定部位に集中して発生おらず、燃料電池スタック1内のセル電圧値のばらつきが小さくなったと判断し、ステップS8にて良好な発電状態に達したと判断する。一方、頻度が所定頻度(回数)より大きいと判定した場合には、セル電圧低下が特定部位に集中して発生していると判断してステップS9に処理を進め、良好な発電状態にまだ達していないと判断して、上述と同様に燃料電池スタック1の電気負荷を制限したり、燃料電池スタック1へのガス供給流量を増加させる処理をする。
【0057】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1内のフラッディングが発生しやすい特定部位のセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによるセル異常の誤判断を防ぎ、燃料電池スタック1内の凝縮水のセル電圧への影響を判断することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、凝縮水の影響によりセル電圧のばらつきが発生した場合であっても、燃料電池スタック1を良好な発電状態にて動作させることができる。
【0058】
また、この燃料電池システムによれば、図3に示したように、燃料電池スタック1内のガス流路22が折り返す特定部位Aのセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによる誤判断を防ぐと共に、燃料電池スタック1のガス流路22の構造を考慮して、凝縮水のセル電圧への影響を更に正確に判断することができる。
【0059】
更に、この燃料電池システムによれば、図4に示したように、燃料電池スタック1内のガス温度が低下する特定部位Bのセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによる誤判断を防ぐと共に、燃料電池スタック1の冷却水による温度特性を考慮して、凝縮水のセル電圧への影響を更に正確に判断することができる。
【0060】
更にまた、この燃料電池システムによれば、図5に示したように、燃料電池スタック1のガス入口に近い特定部位Cのセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断する構成としたので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによる誤判断を防ぐと共に、ガス供給側からの凝縮水の流れ込みを考慮して、燃料電池スタック1内の凝縮水のセル電圧への影響を更に正確に判断することができる。
【0061】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0062】
すなわち、上述した燃料電池スタック発電状態判断処理は、主として燃料電池システムの起動時に実行すると説明したが、これに限らず、通常運転時にセル電圧が低下した場合に所定期間ごとに実行しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる燃料電池スタック発電状態判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】燃料電池スタック内の折り返し部分の特定部位のセル構造体のセル電圧を測定する場合を示す図である。
【図4】燃料電池スタック内の冷却水出口付近の特定部位のセル構造体のセル電圧を測定する場合を示す図である。
【図5】燃料電池スタック内のガス入口付近の特定部位のセル構造体のセル電圧を測定する場合を示す図である。
【図6】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる燃料電池スタック発電状態判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 コンプレッサ
3 空気加湿器
4 燃料電池システム制御装置
5 コンプレッサモータ
6 空気調圧弁
7 モータ回転センサ
8 空気圧力センサ
9 高圧水素ボンベ
10 水素調圧弁
11 エゼクタポンプ
12 水素加湿器
13 水素圧力センサ
14 水素パージ弁
15 セル電圧センサ
21 セル構造体
22 ガス流路
23 冷却水流路
31,32 セル群
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のセルからなる燃料電池スタックを正常に運転するための燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化ガスとを燃料電池スタックに供給することで、電解質を介して電気化学的に反応させ、電極間から電気エネルギを直接取り出す燃料電池システムが知られている。
【0003】
このような燃料電池システムでは、発電効率が高いことに加え、有害な物質の排出が極めて少ないという利点を持つため、発電プラントや家庭用発電機など定置型発電に適用されるばかりでなく、車両の駆動源として利用した燃料電池車両としても近年注目されている。
【0004】
しかしながら、従来の燃料電池システムでは、燃料電池スタックの起動時の短時間の間に、大きな負荷に電力供給するために起動直後から大きな発電を行わせると、出力電圧が急激に低下して電源として機能しないばかりでなく、燃料電池スタックの損傷や寿命の低下などを引き起こしてしまうという問題がある。
【0005】
このような問題を解決する従来の燃料電池システムとしては、例えば、起動時の燃料電池スタックの温度に着目し、燃料電池スタック温度が所定値以下である場合、燃料電池スタックが暖機状態であると判断し、2次電池から電力を取り出して負荷に供給していた。これにより、燃料電池スタックからの発電を制限していた。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−231991号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックの起動時における運転方法では、起動後の燃料電池スタック温度によって、良好な発電状態に達したか否かを判断しており、燃料電池スタック温度を測定する温度センサを燃料電池スタック内に設ける必要があった。
【0008】
しかしながら、燃料電池スタックが数百ものセルを積層して構成されるものであるので、各セルの温度分布が一様にならないことが多い。これは、燃料電池スタックを冷却する過程において、燃料電池スタックの冷却水入口と冷却水出口とで冷却水温度に差があり、各セル温度が冷却水入口付近と冷却水出口付近とで異なることによる。
【0009】
すなわち、燃料電池システムを電源として機能させるためには、燃料電池スタック内に冷却水を循環させる必要があるが、燃料電池スタック発電の損失のほとんどは発熱という形態をとるため、例えば、冷却水入口と冷却水出口付近とでは必ずセル温度の温度差が生じてしまう。このような理由から、燃料電池スタック内の各セル温度を把握して良好な発電状態に達したか否かを判断するためには、複数箇所に温度センサを設ける必要があり、コスト増加を招くという問題があった。
【0010】
また、燃料電池システムの起動時に燃料電池スタックの電圧低下を起こす原因としては、燃料電池スタックのガス流路を凝縮水が塞いでしまうことが挙げられる。燃料電池スタック内の凝縮水は、燃料電池スタックの温度が低いため発生する場合のみならず、燃料電池スタックにガスを供給するガス配管内で生成されて内部に流れ込む場合も挙げられる。この場合、燃料電池スタック内の温度によって燃料電池スタックの発電状態を判断することができないという問題もあった。
【0011】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、複数のセルからなる燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させることができる燃料電池システムを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、セル構造体を複数積層して構成された燃料電池スタックの発電状態を判断するために燃料電池スタックの各セル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサを備え、発電状態判断手段により、セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断することで、上述の課題を解決する。
【0013】
また、本発明に係る他の燃料電池システムでは、セル構造体を複数積層して構成された燃料電池スタックの発電状態を判断するために、燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位に配設されたセル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサを備え、発電状態判断手段により、セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にしてセル電圧を上昇させ、セル電圧の低下が発生したセル構造体のセル電圧低下の頻度を演算し、セル電圧低下の頻度が所定頻度より低い場合に上記燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断することで、上述の課題を解決する。
【0014】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断するので、パージによって燃料電池スタック内の凝縮水によるセル電圧の低下が解消したかを判断することができ、燃料電池スタック内の凝縮水による発電状態への影響を正確に判断することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、凝縮水の影響によりセル電圧のばらつきが発生した場合であっても、燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させることができる。
【0015】
また、本発明に係る他の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位のセル電圧が低下する頻度から、燃料電池スタックが良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック内の凝縮水のセル電圧への影響を正確に判断することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、凝縮水の影響によりセル電圧のばらつきが発生した場合であっても、燃料電池スタックを良好な発電状態にて動作させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0018】
[燃料電池システムの構成]
第1実施形態に係る燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を挟んで空気極と水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスを水素極1aに供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気を空気極1bに供給する燃料電池システムについて説明する。
【0019】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を発電させるに際して、水素極1aに加湿した水素ガスを供給すると共に、空気極1bに加湿した空気を供給する。
【0020】
空気は、大気をコンプレッサ2により加圧され、空気加湿器3にて加湿された後、燃料電池スタック1の空気極1bへ供給される。このとき、燃料電池システム制御装置4では、コンプレッサ2と接続されたコンプレッサモータ5の回転数を制御すると共に、空気極1bの空気排出側に設けられた空気調圧弁6の開度を制御することにより空気極1bに供給する空気流量及び空気圧力を調整する。
【0021】
また、燃料電池システム制御装置4では、モータ回転センサ7からのセンサ信号を読み込んで、目標回転数となるようにコンプレッサモータ5を制御する。更に、燃料電池システム制御装置4は、空気加湿器3から空気極1bに供給する空気圧力を検出する空気圧力センサ8からのセンサ信号を読み込んで、目標空気圧力となるように空気調圧弁6を制御する。
【0022】
水素は、高圧水素ボンベ9に貯蔵された状態から、水素調圧弁10、エゼクタポンプ11を経由して、水素加湿器12にて純水で加湿された後、水素極1aに供給される。また、水素極1aから排出された未使用の水素は、エゼクタポンプ11に戻され、エゼクタポンプ11によって再度水素極1aに循環される。
【0023】
このとき、燃料電池システム制御装置4は、水素調圧弁10の開度を制御して、水素極1aに供給する水素圧力を調整する。燃料電池システム制御装置4では、水素加湿器12から水素極1aに供給する水素圧力を検出する水素圧力センサ13からのセンサ信号を読み込んで、目標水素圧力となるように水素調圧弁10の開度を制御する。
【0024】
また、この燃料電池システムでは、水素極1aの水素排出側に水素パージ弁14が設けられている。この水素パージ弁14は、その開閉動作が燃料電池システム制御装置4により制御され、燃料電池スタック1の状態に応じて開閉動作する。燃料電池システム制御装置4は、例えば燃料電池スタック1内の水詰まり発生や、空気極1bから水素極1aに空気がリークすることによる出力低下又は発電効率低下を防止するときに水素パージ弁14を開状態にして、水素ガスを一時的に燃料電池スタック1から放出させる。
【0025】
更に、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1内に直列接続されたセルの各電極間の電圧を測定するセル電圧センサ15を備える。このセル電圧センサ15により検出されたセル電圧は、燃料電池システム制御装置4により読み込まれる。燃料電池システム制御装置4では、セル電圧低下を検知した場合に、後述の燃料電池スタック発電状態判断処理を行う。
【0026】
ここで、燃料電池スタック1は、数百ものセル構造体を積層してなるものであり、各セル間の特性のばらつきが無く作り込むのは不可能なため、個々のセル電圧を測定するためにセル電圧センサ15が設けられている。このセル電圧センサ15は、通常、燃料電池スタック1の発電電力を制御するに際して燃料電池システム制御装置4により参照される。
【0027】
なお、図1には図示しないが、燃料電池スタック1には、燃料電池システム制御装置4によって制御される図示しない電気負荷が接続され、当該電気負荷に発電電力を供給する。
【0028】
[燃料電池スタック発電状態判断処理]
つぎに、上述した燃料電池システムにおいて、燃料電池システム制御装置4により燃料電池スタック1の発電状態を判断するための燃料電池スタック発電状態判断処理について図2を参照して説明する。
【0029】
この燃料電池スタック発電状態判断処理は、燃料電池システム制御装置4により、例えば所定期間ごとに実施され、ステップS1にてセル電圧センサ15からのセンサ信号を読み込んで、セル電圧が低下したと判定した場合にステップS2に処理を進める。ここで、燃料電池システム制御装置4では、センサ信号から認識したセル電圧値のうち、所定値(例えば0.5V)未満のものが存在するかを調べる。所定値未満のセル電圧値が存在すると判定した場合、正常にセルに水素ガスが供給されておらず、燃料電池スタック1に凝縮水が滞留するフラッディングが発生していると判断し、ステップS2へ移行する。ここで、ガス流路に凝縮水が滞留すると、各セル構造体に供給するガス流量が異なり、セル電圧が低下して、セル電圧のばらつきが発生する。
【0030】
ステップS2においては、燃料電池システム制御装置4により、水素パージ弁14を開状態にしてステップS3に処理を進める。水素パージ弁14を開状態にすると、燃料電池スタック1内の水素の流量が増加し、燃料電池スタック1内の水素流路を塞いでいる凝縮水が燃料電池スタック1外へ排出される。
【0031】
ステップS3においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS2にて水素パージ弁14を開状態にした時点からの時間を計測開始して、ステップS4に処理を進める。
【0032】
ステップS4においては、ステップS1にて低下したと判定したセル電圧が上昇することで復活し、正常な発電状態と判断可能なセル電圧となったか否かを判定する。ここで、燃料電池システム制御装置4では、セル電圧が所定値(例えば0.6V)以上となったか否かを判定する。
【0033】
燃料電池システム制御装置4によりセル電圧値が正常なセル電圧値となっていないと判定した場合には、セル電圧値が正常なセル電圧値となるまでステップS3にて開始した時間計測を継続しながらステップS4の判定を繰り返し、セル電圧値が正常なセル電圧値となったと判定した場合にはステップS5に処理を進める。
【0034】
ステップS5においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS2にて開状態にした水素パージ弁14を閉状態にしてステップS6に処理を進める。
【0035】
ステップS6においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS3にて開始した時間計測を終了して、ステップS7に処理を進める。
【0036】
ステップS7においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップ3にて計測開始してステップS6にて計測終了した結果の時間が、所定時間未満か否かを判定する。計測した結果の時間が所定時間未満であると判定した場合には、生成される凝縮水の量が比較的少ないと判断し、ステップS8に処理を進めて燃料電池スタック1の発電状態が良好であると判定して処理を終了する。
【0037】
一方、燃料電池システム制御装置4により、計測終了した結果の時間が所定時間未満でない判定した場合には、生成される凝縮水の量が比較的多いと判断し、ステップS9に処理を進めて燃料電池スタック1の発電状態が良好でないと判定して処理を終了する。
【0038】
このようにステップS9にて良好な発電状態に達していないと判断した場合、燃料電池システム制御装置4は、燃料電池スタック1に接続された電気負荷を制限して、燃料電池システムが停止に至らないように制御し、燃料電池スタック1の損傷や寿命低下を防ぐための制御を行う。このとき、例えば、燃料電池スタック1を搭載した燃料電池車両の場合、車両を駆動するモータ等の電気負荷に供給する電力を、2次電池から供給するように燃料電池システム制御装置4などによって制御する。
【0039】
また、ステップS9にて良好な発電状態に達していないと判断した場合、燃料電池システム制御装置4は、燃料電池スタック1に供給するガス流量を増加させても良い。このとき、燃料電池システム制御装置4では、コンプレッサモータ5の回転数を増加させて空気流量を増加させると共に、エゼクタポンプ11の特性にもよるが、水素パージ弁14を制御して燃料電池スタック1への水素供給圧力を上げて水素の流量を増加させたりしても良い。
【0040】
このように燃料電池スタック1の運転状態を変更することで、コンプレッサ2等に電力供給をする必要が発生する分、モータ等に供給する電力が少なくなって燃料電池システムの正味効率が低下するが、ガス流量を増加させることにより凝縮水を排除して燃料電池スタック1を安定して作動させる。
【0041】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、セル電圧が低下した場合に水素パージ弁14を開状態にし、水素パージを行った後にセル電圧が上昇して正常なセル電圧となったときの時間、すなわち燃料電池スタック1の復活速度に応じて、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、水素パージによって凝縮水によるセル電圧の低下が解消したかを判断することができ、凝縮水による発電状態への影響を正確に判断することができる。
【0042】
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1が良好な発電状態に達していないと判断した場合に燃料電池スタック1の発電量を制限するので、セル電圧の低下が凝縮水によるものではなく燃料電池スタック1内部の電極抵抗の増加である場合に、電極抵抗による発熱量を抑制して、システムの停止、燃料電池スタック1の損傷や寿命低下を防止することが可能となる。
【0043】
更に、燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1が良好な発電状態に達していないと判断した場合に、水素ガス及び空気の流量を増加させるので、燃料電池スタック1の運転を安定化させることが可能となる。すなわち、燃料電池スタック1に供給するガス流量を増加させることにより、例えばパワーマネジメントシステムなどによって燃料電池スタック1から取り出す負荷を一定にしたまま、燃料電池スタック1の内部の凝縮水を取り出すことができる。
【0044】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係る燃料電池システムでは、その概略構成が第1実施形態に係る燃料電池システムと同一であるので説明を省略する。
【0045】
第2実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池スタック発電状態判断処理において、燃料電池スタック1の各セル電圧を測定するセル電圧センサ15を設け、セル電圧センサ15からのセンサ信号によりセル電圧値を監視し、セル電圧が低下した場合、セル電圧低下が発生したセルのセル構造体内での位置を識別し、特定のセル電圧が低下する頻度から燃料電池スタック1の発電状態を判断することを特徴とする。
【0046】
この燃料電池システムでは、図3に示すように、レイアウトの関係上、複数のセル構造体(単セル)21が折り返して積層されており、セル群31とセル群32とで水素ガス及び空気の流れる方向が異なっており、水素ガス又は空気のガス流路22に折り返し部分22aを有する燃料電池スタック1を使用している。このような燃料電池スタック1の場合、ガス配管が屈曲しており、ガスに含まれる水蒸気がガス配管の側壁に滞留するセパレータ効果により、ガス流路22が折り返して再度セル構造体21に供給される特定部位Aに凝縮水が発生しやすい。そこで、セル電圧センサ15は、特定部位A付近に位置するセル構造体21のセル電圧を検出する。
【0047】
また、他の燃料電池スタック1としては、図4に示すように、複数のセル構造体21がその膜厚方向に積層されており、ガス流路22によるガスの流れる方向と冷却水流路23による冷却水の流れる方向とが逆方向となっているものがある。このような燃料電池スタック1では、冷却水が内部の発熱を受熱するために、冷却水出口よりも冷却水入口の方が冷却水温度が低くなる。これにより、ガス温度もガス入口側よりもガス出口側の方が温度が低くなり、特定部位Bに凝縮水が発生しやすい。そこで、セル電圧センサ15は、特定部位B付近に位置するセル構造体21のセル電圧を検出する。
【0048】
更に他の燃料電池スタック1としては、図5に示すように、複数のセル構造体21が膜厚方向に積層されており、ガス流路22の入口にガス供給側配管の凝縮水の流れ込みが発生しやすい。そこで、セル電圧センサ15は、特定部位C付近に位置するセル構造体21のセル電圧を検出する。
【0049】
このように、燃料電池スタック1内であっても、凝縮水が滞留しやすい特定部位が複数存在し、凝縮水の影響によりセル電圧の低下が発生し、セル構造体21間のセル電圧のばらつきが発生する。
【0050】
このようなセル構造体21ごとのセル電圧のばらつきを考慮した燃料電池スタック発電状態判断処理を図6のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の図2を用いて説明した処理と同様の処理については同一のステップ番号を付することによりその詳細な説明を省略する。
【0051】
この燃料電池スタック発電状態判断処理では、上述の図3〜図5に示したような燃料電池スタック1を使用した場合に限定するものではなく、上述した凝縮水の発生しやすい複数の特定部位のセル構造体21のセル電圧を検出する場合について説明する。
【0052】
燃料電池システム制御装置4では、ステップS1にて何れかのセル構造体21のセル電圧が低下したと判定した場合にステップS11に処理を進め、セル電圧低下が発生したセル構造体21の燃料電池スタック1内での位置を記憶し、ステップS2にて水素パージ弁14を開状態にする。このとき、燃料電池システム制御装置4では、図3〜図5の特定部位のセル電圧を検出するセル電圧センサ15からのセンサ信号を区別することにより、セル電圧低下が発生したセル構造体21の位置を特定する。
【0053】
そして、ステップS4及びステップS5の処理を行うことで、ステップS1にてセル電圧低下を検出したセル構造体21のセル電圧が復活したと判定して水素パージ弁14を閉状態にした後のステップS12においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS11にて位置が記憶されたセル構造体21がセル電圧低下した頻度を演算する。すなわち、ステップS11にて記憶した位置から、特定部位の凝縮水によるセル電圧低下発生の頻度を演算する。
【0054】
例えば、所定時間ごとにステップS1以降の処理を行うとした場合、過去10回のセル電圧低下のうち、燃料電池スタック1内の特定部位A、B或いはCなどで発生した回数を演算する。
【0055】
次のステップS13においては、燃料電池システム制御装置4により、ステップS12にて演算した頻度(回数)が所定頻度(回数の場合は例えば3回)以上であって、ステップS11にて記憶した特定部位に凝縮水が滞留する頻度が大きいか否かを判定する。
【0056】
頻度が所定頻度(回数)より大きくないと判定した場合には、セル電圧低下が所定部位に集中して発生おらず、燃料電池スタック1内のセル電圧値のばらつきが小さくなったと判断し、ステップS8にて良好な発電状態に達したと判断する。一方、頻度が所定頻度(回数)より大きいと判定した場合には、セル電圧低下が特定部位に集中して発生していると判断してステップS9に処理を進め、良好な発電状態にまだ達していないと判断して、上述と同様に燃料電池スタック1の電気負荷を制限したり、燃料電池スタック1へのガス供給流量を増加させる処理をする。
【0057】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1内のフラッディングが発生しやすい特定部位のセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによるセル異常の誤判断を防ぎ、燃料電池スタック1内の凝縮水のセル電圧への影響を判断することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、凝縮水の影響によりセル電圧のばらつきが発生した場合であっても、燃料電池スタック1を良好な発電状態にて動作させることができる。
【0058】
また、この燃料電池システムによれば、図3に示したように、燃料電池スタック1内のガス流路22が折り返す特定部位Aのセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによる誤判断を防ぐと共に、燃料電池スタック1のガス流路22の構造を考慮して、凝縮水のセル電圧への影響を更に正確に判断することができる。
【0059】
更に、この燃料電池システムによれば、図4に示したように、燃料電池スタック1内のガス温度が低下する特定部位Bのセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断するので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによる誤判断を防ぐと共に、燃料電池スタック1の冷却水による温度特性を考慮して、凝縮水のセル電圧への影響を更に正確に判断することができる。
【0060】
更にまた、この燃料電池システムによれば、図5に示したように、燃料電池スタック1のガス入口に近い特定部位Cのセル電圧が低下する頻度から、起動後の燃料電池スタック1が良好な発電状態に達したか否かを判断する構成としたので、燃料電池スタック1のセル電圧のばらつきによる誤判断を防ぐと共に、ガス供給側からの凝縮水の流れ込みを考慮して、燃料電池スタック1内の凝縮水のセル電圧への影響を更に正確に判断することができる。
【0061】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0062】
すなわち、上述した燃料電池スタック発電状態判断処理は、主として燃料電池システムの起動時に実行すると説明したが、これに限らず、通常運転時にセル電圧が低下した場合に所定期間ごとに実行しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる燃料電池スタック発電状態判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】燃料電池スタック内の折り返し部分の特定部位のセル構造体のセル電圧を測定する場合を示す図である。
【図4】燃料電池スタック内の冷却水出口付近の特定部位のセル構造体のセル電圧を測定する場合を示す図である。
【図5】燃料電池スタック内のガス入口付近の特定部位のセル構造体のセル電圧を測定する場合を示す図である。
【図6】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムによる燃料電池スタック発電状態判断処理の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 コンプレッサ
3 空気加湿器
4 燃料電池システム制御装置
5 コンプレッサモータ
6 空気調圧弁
7 モータ回転センサ
8 空気圧力センサ
9 高圧水素ボンベ
10 水素調圧弁
11 エゼクタポンプ
12 水素加湿器
13 水素圧力センサ
14 水素パージ弁
15 セル電圧センサ
21 セル構造体
22 ガス流路
23 冷却水流路
31,32 セル群
Claims (7)
- 固体高分子電解質膜を挟んで酸化剤極と燃料極とを対設したセル構造体をセパレータで挟持し、上記セル構造体を複数積層して構成され、上記酸化剤極に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極に燃料ガスが供給されて発電をする燃料電池スタックと、
上記燃料電池スタックの各セル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサと、
上記燃料電池スタックの燃料ガス排出側に設けられ、上記燃料電池スタックから燃料ガスを放出するパージ弁と、
上記セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合に上記パージ弁を開状態にし、低下したセル電圧が上昇して所定値となる時間を計測し、計測した時間が所定時間より短い場合に上記燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断する発電状態判断手段と
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 固体高分子電解質膜を挟んで酸化剤極と燃料極とを対設したセル構造体をセパレータで挟持し、上記セル構造体を複数積層して構成され、上記酸化剤極に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極に燃料ガスが供給されて発電をする燃料電池スタックと、
上記燃料電池スタック内の各セル構造体のセル電圧を検出するセル電圧センサと、
上記セル電圧が低下した場合、電圧低下が発生したセルのセル構造体内での位置を判別および記憶するセル電圧低下判別記憶手段と、
上記燃料電池スタックの燃料ガス排出側に設けられ、上記燃料電池スタックから燃料ガスを放出するパージ弁と、
上記セル電圧センサにより検出されたセル電圧が低下した場合に上記パージ弁を開状態にしてセル電圧を上昇させ、セル電圧の低下が発生したセル構造体のセル電圧低下の頻度を演算し、セル電圧低下の頻度が所定頻度より低い場合に上記燃料電池スタックが良好な発電状態に達したと判断する発電状態判断手段と
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 上記燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位を、上記燃料電池スタック内でガス流路が折り返す部位としたことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 上記燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位を、上記燃料電池スタック内でガス温度が低下する部位としたことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 上記燃料電池スタック内に凝縮水が滞留する特定部位を、上記燃料電池スタックのガス入口付近としたことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
- 上記発電状態判断手段により上記燃料電池スタックが良好な発電状態に達していないと判断した場合に、上記燃料電池スタックの発電量を制限する制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の燃料電池システム。
- 上記発電状態判断手段により上記燃料電池スタックが良好な発電状態に達していないと判断した場合に、上記燃料電池スタックに供給するガス流量を増加させる制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の燃料電池システム。
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