JP3867503B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の運転を停止するに際して燃料電池の冷却媒体の圧力に基づいて燃料ガスの排出をする燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の燃料電池システムとしては、例えば特開平7−272740号公報で開示されているように、発電源として、いわゆる燃料電池スタックを用いたものが知られている。燃料電池スタックは、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなる。この燃料電池システムでは、燃料電池スタックに水素を燃料ガスとして燃料極に供給すると共に、酸素を含んだ空気を空気極に供給することにより、水素と酸素を電気化学的に反応させて直接発電するものであり、小規模でも高い発電効率が得られると共に、環境の悪化防止に対しても優れているという利点がある。
【0003】
このような燃料電池システムでは、燃料ガスの消費量を低減すると共に、燃料ガス量に対する発電量を多くすることが望ましい。そこで、燃料電池システムでは、燃料電池の燃料極からの排出燃料ガスを再循環することにより、排出燃料ガスと新たな水素の濃い燃料ガスとを混合させて燃料電池の燃料極へと供給する再循環方式のものが多く提案されている。
【0004】
また、この燃料電池システムでは、燃料電池の運転を停止した後に、酸化剤極及び燃料極にガスをいつまでも残留させておくと、残留ガスにより効率の悪い発電をさせてしまうことを防ぐことが望ましい。そこで、従来の燃料電池システムでは、燃料ガス及び酸化剤ガスを通過させる燃料ガス流路及び酸化剤ガス流路に、燃料ガス及び酸化剤ガスを大気に排出するためのパージ弁を設け、燃料電池の運転停止時にはこれらのパージ弁を開放する。
【0005】
例えば、特開平7−6779号公報では、燃料電池内に残留するガスによる効率の悪い発電が生じるような場合を、燃料電池の発電電圧を監視することで検出し、発電電圧が小さくなったらパージ弁を開放して燃料電池システムの動作を終了させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、燃料電池は発電に伴って熱を発生するが、発電効率が高い作動温度範囲が限られている。従来の燃料電池システムでは、燃料電池にとって発電効率の高い作動温度で燃料電池を運転するために、燃料電池内に冷却水を流し、燃料電池本体を所定温度に保つ。従来の燃料電池システムにおいて、燃料電池に冷却水を流すときには、燃料電池内ではガスの温度上昇が最も大きく、ガス温度を下げるために、ガスのできるだけ近くに冷却水を流す必要がある。
【0007】
したがって、従来の燃料電池システムでは、燃料ガスと冷却水とを多孔質の膜を隔壁として構成し冷却水を流す燃料電池を使用することが多い。このような燃料電池システムでは、燃料ガスや酸化剤ガスの圧力が冷却水の圧力よりも大きいときには、気体より液体の方が圧力に対する体積弾性率が大きいので、隔壁で隔てられたガスが冷却水側に侵入することは少ない。
【0008】
しかし、燃料ガスや酸化剤ガスの圧力が冷却水の圧力よりも小さいと、隔壁で隔てられた冷却水がガス側に侵入してしまい、燃料電池内の固体高分子膜のガス側表面に液滴が付着してしまうことがある。
【0009】
上述の特開平7−6779号公報に開示された燃料電池システムでは、燃料電池の運転停止後に冷却水の流れ慣性の影響により冷却水の圧力が充分に小さくなっていない状態で、燃料ガスのパージを行うと、燃料電池内部のガス圧力が急激に低下して、冷却水圧力より遙かに低い圧力となる可能性がある。このような状態になると、燃料電池内のガス流路に大量の冷却水が漏れてしまい、固体高分子膜のガス側表面に液滴が付着する可能性がある。
【0010】
このように、燃料電池の運転停止時に固体高分子膜に液滴が付着すると、再度燃料電池の運転を開始するときの発電効率の低下、電極の劣化、固体高分子膜の劣化を早める、という問題点が更に発生する。
【0011】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池の運転を停止した後に燃料電池内のガス流路に冷却媒体が漏れることを確実に防止することができる燃料電池システムを提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明では、電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、上記燃料電池の燃料極に燃料ガスを燃料ガス供給流路を介して供給する燃料ガス供給手段と、上記燃料電池から排出された燃料ガスを燃料ガス排出流路を介して外気へ排出する燃料ガス排出弁と、冷却媒体を冷却流路に循環させて上記燃料電池内を冷却する燃料電池冷却手段と、上記冷却媒体の圧力を検出する冷却媒体圧力検出手段と、上記燃料電池の運転停止を検出した後に、上記冷却媒体圧力検出手段で検出された上記冷却媒体の圧力が、上記冷却媒体が上記燃料極に流入しない所定圧力値以下となった場合に、燃料ガスを排出させるように上記燃料ガス排出弁を制御する排出弁制御手段とを備える。
【0013】
請求項2に係る発明では、外気圧を検出する外気圧検出手段と、上記冷却媒体の圧力と上記外気圧検出手段で検出された外気圧との差圧を演算する差圧演算手段とを更に備え、上記排出弁制御手段は、上記差圧演算手段で演算された差圧が、上記冷却媒体が上記酸化剤極又は上記燃料極に流入しない所定差圧値以下となった場合に、燃料ガスを排出させるように上記燃料ガス排出弁を制御する。
【0014】
請求項3に係る発明では、上記排出弁制御手段は、上記冷却媒体の圧力が外気圧以上であって、上記冷却媒体の圧力と外気圧との差圧が、上記冷却媒体が上記燃料極に流入しない外気圧の値の所定割合以下となった場合に、燃料ガスを排出させるように上記燃料ガス排出弁を制御する。
【0015】
請求項4に係る発明では、上記燃料電池の発電電圧を検出する電圧検出手段を更に備え、
上記排出弁制御手段は、上記電圧検出手段で検出された発電電圧値が、上記燃料電池を発電中止させる所定値以下となった場合に、燃料ガスを排出するように上記燃料ガス排出弁を制御する。
【0016】
請求項5に係る発明では、上記燃料電池の運転停止を検出した時刻からの経過時間を計測する経過時間計測手段を更に備え、上記排出弁制御手段は、上記経過時間計測手段で計測された経過時間が、上記燃料電池の運転停止検出時の冷却水圧力に応じて定められた上記冷却媒体が上記燃料極に流入しない所定時間を経過したと判定したら、燃料ガスを排出するように上記燃料ガス排出弁を制御する。
【0018】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、燃料電池の運転停止を検出した後に、冷却媒体の圧力と、所定圧力値とを比較した比較結果に基づいて、燃料ガスの排出を禁止するので、燃料ガス排出弁を開放したときに燃料ガス圧力が急激に外気圧力と同じとなることを防止し、冷却水圧力との差圧が急激に大きくなることを防止することができ、燃料電池内の燃料ガス流路に冷却水が漏れることを確実に防止することができ、燃料電池を構成する部品の劣化を最小限とすることができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、冷却媒体の圧力と外気圧との差圧と、所定差圧値とを比較した比較結果に基づいて、燃料ガスの排出を禁止するので、請求項1に係る発明と同様に、燃料ガス排出弁を開放したときに燃料ガス圧力が急激に外気圧力と同じとなることを防止し、冷却水圧力との差圧が急激に大きくなることを防止し、燃料電池内の燃料ガス流路に冷却水が漏れることを確実に防止することができ、燃料電池を構成する部品の劣化を最小限とすることができる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、冷却媒体の圧力が外気圧以上であって、冷却媒体の圧力と外気圧との差圧が外気圧の値の所定割合以下となるまで、燃料ガスの排出を禁止するので、請求項1及び請求項2に係る発明と比較して、更に、燃料電池内の燃料ガス流路に冷却水が漏れることを確実に防止することができ、燃料電池を構成する部品の劣化を最小限とすることができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、発電電圧値が所定値以下となったと判定することにより燃料電池からの発電中止を判定し、燃料ガスを排出するので、燃料電池の運転停止後に燃料ガスを排出させないで、発電を続けて燃料ガス濃度が薄くなると共に、生成水が高分子膜に付着する量が増え、燃料電池の発電効率が悪くなり、この状態で発電を続けることにより燃料電池の劣化を早めることを防止することができる。
【0022】
請求項5に係る発明によれば、燃料電池の運転停止を検出した時刻からの経過時間が燃料電池の運転停止検出時の冷却水圧力に基いた所定時間を経過したと判定したら、燃料ガスを排出するので、冷却水系に異常が発生したときに冷却水圧力が下がらず、燃料電池内の冷却水流路の流量が小さくなった場合には燃料電池の冷却能力が下がり、この状態で燃料電池の発電を続けることを防止することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、冷却水系の異常により冷却能力が下がったまま発電を続けることにより、燃料電池の温度が上昇して高分子膜の劣化を早めることを防止することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0025】
本発明は、例えば図1及び図3に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
【0026】
[燃料電池システムの機能的な構成]
図1に、燃料電池システムの機能的な構成を示す。この燃料電池システムに備えられる燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成された燃料電池構造体が、セパレータを介して複数積層されてなるスタック構造となっている。また、この燃料電池スタック1では、内部に酸化剤ガスを通過させる酸化剤ガス流路、燃料ガスを通過させる燃料ガス流路、冷却水を通過させる冷却水流路が設けられている。そして、燃料電池スタック1は、上記酸化剤極側に酸化剤ガスとしての空気が供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスとしての水素ガスが供給される。これにより、燃料電池スタック1は、水分を媒体として膜中をそれぞれのイオンが移動して接触して発電する。
【0027】
この燃料電池システムは、各部の動作を制御する制御部(図1には図示せず。)29が備えられている。制御部29としては、例えば、各種半導体素子などによって構成されたコンピュータ等の情報処理装置が用いられており、この制御部29によって各部が制御されることにより、燃料電池システム全体としての動作が制御される。
【0028】
また、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1の燃料極で消費されずに排出された燃料ガスを外部に排出する燃料ガス排出弁2と、燃料電池スタック1を所定温度に保つために燃料電池スタック1内に冷却水を循環させる冷却水循環手段(図1には図示せず。)と、冷却水の圧力を検出すると共に外気の圧力を検出して冷却水圧力と外気圧力との差圧を検出する差圧検出手段3と、外部からの停止命令などの入力に従って燃料電池スタック1の運転停止を判定する燃料電池運転停止判断手段4と、差圧検出手段3で検出された差圧と判断停止信号に従って燃料ガス排出弁2を制御する燃料ガス排出制御手段5とを備えて構成されている。
【0029】
このような燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の運転を開始するに際して、制御部29の制御に従って、燃料電池スタック1の酸素極1aに酸素を含む酸化剤ガスを供給すると共に、燃料電池スタック1の燃料極1bに水素を含む燃料ガスを供給する。また、この燃料電池スタック1では、燃料電池スタック1を駆動している時において、燃料電池スタック1を高発電効率で駆動するために所定温度に燃料電池スタック1をするために冷却水を循環させる。
【0030】
そして、燃料電池システムでは、燃料電池運転停止判断手段4により燃料電池スタック1の運転停止が検出されて、燃料電池スタック1の運転を停止するに際して、差圧検出手段3により差圧を演算し、燃料ガス排出制御手段5により差圧に基づいた燃料ガス排出弁2の開放禁止又は開放許可を制御する。
【0031】
このような燃料電池システムでは、図2に示すように、燃料電池運転停止判断手段4により燃料電池スタック1の運転が停止したことを時刻t1で判断すると、制御部により冷却水を循環させる手段を停止させて時刻t1以降から冷却水圧力を低下させる(特性A)。
【0032】
このとき、差圧検出手段3は常時冷却水圧力と外気圧力との差圧を求めて燃料ガス排出制御手段5に送出しており、燃料ガス排出制御手段5は、冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧を示す所定値P_tlevと、燃料電池運転停止判断手段4で検出した差圧との比較をしている。
【0033】
そして、冷却水圧力が徐々に減少して時刻t2において、差圧が所定値P_tlevとなることにより、図2(b)の特性Bに示すように燃料電池運転停止判断手段4により燃料ガス排出弁2の開度を大きくし、図2(a)の特性Cに示すように燃料ガス圧力を下げるために燃料ガス排出弁2を開放する。
【0034】
[燃料電池システムの具体的な構成]
図3に、燃料電池システムの具体的な構成を示す。
【0035】
この燃料電池システムは、燃料ガスとなる水素を貯蔵している燃料ガス供給装置11、シャット弁12、燃料ガス圧力調整弁13及び燃料ガス循環装置14が燃料ガス供給流路L1で挿通され、凝縮水回収装置15及び凝縮水回収装置16が燃料ガス循環流路L2で挿通され、更に燃料ガス排出流路L3に燃料ガス排出弁17が挿通されてなる燃料ガス系を備える。
【0036】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を運転するに際して、制御部29によりシャット弁12を全開状態にし、燃料ガス供給装置11に高圧状態で貯蔵された水素を燃料ガス圧力調整弁13により減圧し、燃料ガス供給流路L1を介して燃料ガス循環装置14に供給する。
【0037】
燃料ガス循環装置14は、燃料ガス圧力調整弁13からの燃料ガスと、燃料電池スタック1の燃料極1bを通過した燃料ガスとを混合させて凝縮水回収装置15に供給する。
【0038】
凝縮水回収装置15は、凝縮水回収装置15からの燃料ガスからガス中の水分を分離して、燃料電池スタック1に供給する。燃料ガス排出弁17は、燃料ガス循環装置14から供給されるまでに燃料ガス循環流路L2内での放熱冷却などにより燃料ガス中の水蒸気が凝縮したことによる水分を除去する。
【0039】
これにより、燃料電池システムでは、燃料ガス圧力調整弁13で調整した圧力で燃料電池スタック1に燃料ガスを供給する。
【0040】
凝縮水回収装置16は、燃料電池スタック1から排出された燃料ガスから水分を分離して回収して燃料ガスを燃料ガス循環装置14に供給する。
【0041】
燃料ガス排出弁17は、制御部29からの制御信号に従って開閉制御される。この燃料ガス排出弁17は、開状態にされることで、燃料ガス循環流路L2中及び燃料電池スタック1内の燃料ガスを燃料ガス排出流路L3に導いて、外部に排出する。この燃料ガス排出弁17は、制御部29により、燃料電池スタック1の発電電力出力要求が急に小さくなったときや、燃料電池スタック1の運転を停止するときに、燃料ガス循環流路L2中の燃料ガスが燃料電池スタック1で消費しきれなくなる場合に開状態にされる。
【0042】
また、この燃料電池システムは、燃料ガス循環流路L2上であって燃料電池スタック1の燃料ガス入口に配設され、燃料電池スタック1に供給される燃料ガス圧力を検出する燃料ガス圧力センサ18を備える。この燃料ガス圧力センサ18は、検出した燃料ガス圧力値をセンサ信号として制御部29に送出する。
【0043】
更に、この燃料電池システムは、空気圧縮機19及び空気冷却機20が空気供給流路L4に挿通され、凝縮水回収装置21及び空気ガス圧力調整弁22が空気調圧流路L5に挿通され、更に空気ガスパージ弁23が空気ガスパージ流路L6に挿通されてなる酸化剤ガス系を備える。
【0044】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1を運転するに際して、制御部29により空気圧縮機19を駆動し、空気圧縮機19により圧縮したことで高温となった空気を燃料電池スタック1で効率良く使用するために空気冷却機20で冷却して燃料電池スタック1に供給する。このとき、燃料電池スタック1では、制御部29により空気ガス圧力調整弁22の開度を調整することで、空気供給流路L4及び空気調圧流路L5での空気圧力の調整をする。
【0045】
そして、燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の酸化剤極1aで使用されずに余った空気ガスを燃料電池スタック1から排出し、凝縮水回収装置21により排出した空気ガスから水分を回収して空気ガス圧力調整弁22を介して外部に排出する。
【0046】
また、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の運転を停止するに際して、空気調圧流路L5及び燃料電池スタック1中の空気ガスを外部に排出するために、空気ガスパージ弁23を開状態にすることで空気ガスパージ流路L6に空気ガスを導く。
【0047】
更にまた、この燃料電池システムは、空気圧縮機19により取り込まれる外気の圧力を検出する外気圧センサ24を備える。この外気圧センサ24は、外気圧力を検出して制御部29にセンサ信号として送出する。
【0048】
更にまた、この燃料電池システムは、冷却水ポンプ25、温調器26及びリザーバタンク27が冷却水循環流路L7に挿通されてなる冷却水系を備える。この冷却水系は、燃料電池スタック1を冷却する冷却媒体として沸点濃度を高くしたエチレングリコールなどの冷却水が使用可能である。
【0049】
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の運転をするに際して、制御部29により冷却水ポンプ25が駆動されると共に、ファンなどを駆動して冷却水ポンプ25からの冷却水を所定温度にし、燃料電池スタック1の冷却水入口での冷却水温度を一定とする。そして、燃料電池システムでは、燃料電池スタック1内を通過して排出した冷却水を再度リザーバタンク27に蓄積する。このとき、制御部29は、冷却水ポンプ25から流出する冷却水の流量を調整することで、冷却水圧力を調整する。
【0050】
更にまた、この燃料電池システムは、温調器26から燃料電池スタック1に冷却水を供給する冷却水循環流路L7上に、冷却水の圧力を検出する冷却水圧力センサ28を備える。この冷却水圧力センサ28は、燃料電池スタック1の冷却水入口近傍に設けられることで、燃料電池スタック1内での冷却水圧力に近い冷却水圧力値をセンサ信号として制御部29に送出する。
【0051】
制御部29は、外部からの燃料電池スタック1を駆動開始する命令が入力されると、シャット弁12及び燃料ガス圧力調整弁13に制御信号を出力して燃料電池スタック1に燃料ガスを供給すると共に、空気圧縮機19及び空気ガス圧力調整弁22に制御信号を出力して燃料電池スタック1に空気ガスを供給し、更に、冷却水ポンプ25に制御信号を出力して燃料電池スタック1中に冷却水を循環させる。これにより、制御部29は、燃料電池スタック1を発電開始させる。
【0052】
また、制御部29は、外部からアクセル開度などを示す信号に従った燃料電池スタック1の発電電力量を認識し、燃料ガス圧力調整弁13に制御信号を出力することによる燃料ガス流量(圧力)の調整、空気圧縮機19及び空気ガス圧力調整弁22に制御信号を出力することによる空気ガス流量及び圧力の調整、冷却水ポンプ25及び温調器26に制御信号を出力することによる燃料電池スタック1の温度調整をする。ここで、制御部29は、燃料ガス圧力センサ18及び冷却水圧力センサ28からのセンサ信号を参照することで、燃料ガス圧力と、冷却水圧力とをほぼ同じ圧力値とする。
【0053】
更に、制御部29は、外部からの信号や燃料電池システムの異常により燃料電池スタック1を運転停止することを判断したときには、冷却水圧力センサ28からのセンサ信号に基づく冷却水圧力、外気圧センサ24からのセンサ信号に基づく外気圧力と、予め内部に格納しておいた所定値とを用いて、燃料ガス排出弁17を開放して燃料電池スタック1内の燃料ガスを外部に排出するパージ動作のタイミングを制御する燃料ガス排出弁制御処理をする。
【0054】
[燃料電池システムの燃料ガス排出弁制御処理]
「第1燃料ガス排出弁制御処理」
図4に、第1燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部29の処理手順のフローチャートを示す。図4に示す第1燃料ガス排出弁制御処理を行うに際して、制御部29は、内部に予め記憶しておいた排出弁制御プログラムを所定時間間隔で実行することで、ステップS1〜ステップS6までの処理を繰り返して行う。
【0055】
先ず、ステップS1において、制御部29は、外部からの命令に応じて、燃料電池スタック1の運転を停止するか否かを検出し、運転停止モードであると判定したときにはステップS2に処理を進め、運転停止モードではないと判定したときには今回の処理を終了する。
【0056】
ステップS2において、制御部29は、冷却水圧力センサ28からのセンサ信号を入力して冷却水圧力P_LLCを検出すると共に、外気圧センサ24からのセンサ信号を入力して外気圧力P_ambを検出して、ステップS3に処理を進める。
【0057】
ステップS3において、制御部29は、ステップS2で検出した冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧ΔPを演算して、ステップS4に処理を進める。
【0058】
ステップS4において、制御部29は、ステップS3で演算して得た差圧ΔPと、予め内部に格納しておいた所定値P_tlevとを比較して、差圧ΔPより所定値P_tlevが小さいと判定したときにはステップS5に処理を進め、小さくないと判定したときにはステップS6に処理を進める。
【0059】
ステップS5において、制御部29は、燃料ガス排出弁17の開放を許可して、処理を終了する。すなわち、制御部29は、全開状態にする制御信号を燃料ガス排出弁17に出力して、燃料電池スタック1の運転停止後に燃料電池スタック1中に残留する燃料ガスを燃料ガス排出流路L3を介して排出するパージ動作をさせる。
【0060】
一方、ステップS6において、制御部29は、燃料ガス排出弁17の開放を禁止して、処理を終了する。すなわち、制御部29は、燃料ガス排出弁17を全開状態にする制御信号を出力せずに、燃料電池スタック1の運転停止後でもパージ動作をまだ行わないとする。
【0061】
このような第1燃料ガス排出弁制御処理を行う制御部29を備えた燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の運転停止を判定した後、冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧ΔPが所定値P_tlev以下となるまでは、ステップS1〜ステップS6までの処理を繰り返し行い、燃料ガス排出弁17の開放を禁止するので、燃料ガス排出弁17を開放したときに燃料ガス圧力が急激に外気圧力P_ambと同じとなるようなことが無く、冷却水圧力P_LLCとの差圧ΔPが急激に大きくなるようなことが無い。
【0062】
したがって、燃料電池スタック1内の燃料ガス流路に冷却水が漏れることを確実に防止することができ、燃料電池スタック1を構成する部品の劣化を最小限とすることができる。
【0063】
図2を用いて説明すると、時刻t1で燃料電池スタック1の運転停止をすると共に、冷却水ポンプ25の駆動停止をし、冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧ΔPが所定値P_tlevより小さくなる冷却水圧力P_LLCとなった時刻t2以降で燃料ガス排出弁17を開放する。
【0064】
これにより、例えば時刻t11において、冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧ΔPが大きく、冷却水圧力P_LLCが充分に下がっていない状態で燃料ガス排出弁17を開放してしまい(特性D)、時刻t12以降で冷却水圧力P_LLCが燃料ガス圧力よりも高くなってしまって(特性E)、燃料電池スタック1内の燃料ガス流路に冷却水が流れ込むようなことを防止することができる。
【0065】
「第2燃料ガス排出弁制御処理」
図5に、第2燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部29の処理手順のフローチャートを示す。なお、上述の第1燃料ガス排出弁制御処理と同様の処理について同じステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0066】
第2燃料ガス排出弁制御処理では、ステップS3の次のステップS11において、制御部29は、冷却水圧力P_LLCが外気圧力P_amb以上で、且つ差圧ΔPが外気圧力P_ambの所定割合以下(本例では一割以下)であるか否かを判定する。
【0067】
制御部29は、冷却水圧力P_LLCが外気圧力P_amb以上で、且つ差圧ΔPが外気圧力P_ambの一割以下であると判定したときにはステップS5に処理を進めて、燃料ガス排出弁17を全開状態にして処理を終了する。
一方、制御部29は、冷却水圧力P_LLCが外気圧力P_ambより小さいと判定した場合、又は差圧ΔPが外気圧力P_ambの一割以下でないと判定した場合には、パージ動作をしたときに冷却水が燃料電池スタック1内の燃料ガス流路に漏れる可能性があるとし、ステップS6に処理を進め、燃料ガス排出弁17の開放を禁止した状態で処理を終了する。
【0068】
このような処理をする制御部29を備えた燃料電池システムによれば、上述の第1燃料ガス排出弁制御処理よりも更に、燃料電池スタック1内のガス流路に冷却水が漏れることを確実に防止することができ、燃料電池スタック1を構成する部品の劣化を最小限とすることができる。
【0069】
「第3燃料ガス排出弁制御処理」
図6に、第3燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部29の処理手順のフローチャートを示す。なお、上述の燃料ガス排出弁制御処理と同様の処理について同じステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0070】
第3燃料ガス排出弁制御処理では、ステップS3の次のステップS21において、制御部29は、燃料電池スタック1の電圧を検出する電圧センサ(図示せず。)からのセンサ信号を入力し、燃料電池スタック1の電圧Vstkを検出して、ステップS22に処理を進める。
【0071】
ステップS22において、制御部29は、ステップS21で検出した燃料電池スタック1の電圧Vstkが、予め内部に格納しておいた電圧所定値V_tlevよりも小さいか否かの判定をする。ここで、電圧所定値V_tlevは、ステップS1で燃料電池スタック1の運転停止を検出した後に、燃料電池スタック1内の燃料ガス濃度が薄くなって燃料電池スタック1の発電効率が低くなるのを検出するため値である。制御部29は、燃料電池スタック1の電圧Vstkが電圧所定値V_tlevよりも小さいと判定したときにはステップS23に処理を進め、小さくないと判定したときにはステップS4に処理を進める。
【0072】
ステップS23において、制御部29は、全閉状態にするようにシャット弁12に制御信号を出力し、燃料ガス供給装置11から燃料電池スタック1への燃料ガスの供給を停止させる。これにより、制御部29は、燃料電池スタック1から電流を取り出すのを禁止してステップS5に処理を進め、全開状態とする制御信号を燃料ガス排出弁17に出力してパージ動作をする。
【0073】
このような処理をする燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の電圧Vstkが電圧所定値V_tlev以下となったら、燃料電池スタック1での発電を中止して燃料ガス排出弁17を開放することができる。
【0074】
したがって、この燃料電池システムによれば、上述した効果に加え、燃料電池スタック1の運転停止後に燃料ガスを排出させないで、燃料ガス循環流路L2内に加圧したまま、高分子膜で水素及び酸素の反応を続けて燃料ガス循環流路L2内の燃料ガス濃度が薄くなると共に、生成水が高分子膜に付着する量が増え、燃料電池スタック1の発電効率が悪くなり、この状態で発電を続けることによる燃料電池スタック1の劣化を早めることを防止することができる。
【0075】
なお、第3燃料ガス排出弁制御処理では、ステップS22の次にステップS4を行う一例について説明したが、第2燃料ガス排出弁制御処理におけるステップS11を行っても、同様の効果を得ることができる。
【0076】
「第4燃料ガス排出弁制御処理」
図7に、第4燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部29の処理手順のフローチャートを示す。なお、上述の燃料ガス排出弁制御処理と同様の処理について同じステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0077】
第4燃料ガス排出弁制御処理では、ステップS1において燃料電池スタック1の運転停止を検出しなかったときにステップS31の処理を行う。ステップS31において、制御部29は、次回以降のステップS1で燃料電池スタック1の運転停止が検出されたときの準備のために、燃料電池スタック1の運転停止の直後であるか否かを判定するために参照される停止直後判定フラグafterSTOPの値を「1」にして、内部メモリに格納しておいて、処理を終了する。
【0078】
一方、ステップS1において燃料電池スタック1の運転停止を検出したときにはステップS32に処理を進める。ステップS32において、制御部29は、内部メモリに格納された停止直後判定フラグafterSTOPの値を参照して、燃料電池スタック1が運転停止直後か否かの判定をする。制御部29は、停止直後判定フラグafterSTOPの値が「1」であるときには運転停止直後であると判定してステップS33に処理を進め、停止直後判定フラグafterSTOPの値が「0」であるときには運転停止直後でないと判定してステップS34に処理を進める。
【0079】
ステップS33において、制御部29は、停止直後判定フラグafterSTOPの値を「0」にクリアすると共に、図示しない減算タイマ回路のカウンタ値decTIMを初期値initTIMに設定して、ステップS2に処理を進める。
【0080】
ここで、初期値initTIMは、図8に示すように、冷却水系が正常動作するときに冷却水圧力が低下するのに要する標準的な時間を示し、冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧ΔPが大きくなることに応じて長く設定される。制御部29は、図8に示すような冷却水圧力P_LLCと外気圧力P_ambとの差圧ΔPに対する初期値initTIMをテーブルとして保持している。
【0081】
これにより、制御部29は、燃料電池スタック1が運転停止とされる時の冷却水圧力の高いときと低いときとで、冷却水ポンプ25を停止させてから冷却水圧力が所定値P_tlevまで低下するまでの経過時間が異なることに対応させる。
【0082】
一方、ステップS34において、制御部29は、減算タイマ回路によりカウンタ値decTIMの値をデクリメントする制御をして(decTIM=decTIM−1)、ステップS2に処理を進める。
【0083】
ここで、ステップS1で運転停止と判断されなかった場合にはステップS31において停止直後判定フラグafterSTOPの値が「1」に設定され、ステップS1で運転停止と判断された場合にはステップS33で停止直後判定フラグafterSTOPの値が「0」に設定されるので、次回に第4燃料ガス排出弁制御処理を行うときにはステップS32では運転停止直後とは判断されない。
【0084】
これにより、制御部29は、所定時間ごとに第4燃料ガス排出弁制御処理を行う度にカウンタ値decTIMを減算して燃料電池スタック1の運転停止を判断した時からの経過時間を計測する。
【0085】
ステップS33又はステップS34の次には、制御部29は、上述と同様にステップS2〜ステップS4までの処理をし、ステップS4において差圧ΔPが所定値P_tlev以下であると判定したときにはステップS35に処理を進める。
【0086】
ステップS35において、制御部29は、減算タイマ回路のカウンタ値decTIMが「0」であるか否かの判定をする。制御部29は、カウンタ値decTIMが「0」であると判定したときにはステップS5に処理を進め、カウンタ値decTIMが「0」でないと判定したときにはステップS6に処理を進める。
【0087】
すなわち、制御部29は、カウンタ値decTIMが「0」となっているのにも拘わらず差圧ΔPが所定値P_tlev以下となっていないときには、冷却水ポンプ25を駆動停止してから冷却水圧力P_LLCが低下する経過時間が長すぎ、冷却水系に異常が発生したと判断して燃料ガス排出弁17の開放禁止を解除して燃料ガス排出弁17を開放する制御をする。ここで、冷却水系に異常が発生する場合としては、例えば冷却水循環流路L7中に異物が詰まったり、冷却水循環流路L7の配管が外力により潰れたりする場合が挙げられる。
【0088】
このような処理をする燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の運転停止から冷却水圧力P_LLCが所定値P_tlevまで低下するまでの経過時間と、冷却水系が正常に動作するときに冷却水圧力が低下するまでの時間とを比較することにより、冷却水系の異常が発生したことを検出することができる。
【0089】
したがって、この燃料電池システムによれば、上述した効果に加え、冷却水系に異常が発生したときに冷却水圧力が下がらず、燃料電池スタック1内の冷却水流路の流量が小さくなった場合には燃料電池スタック1の冷却能力が下がり、この状態で燃料電池スタック1の発電を続けることを防止することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、冷却水系の異常により冷却能力が下がったまま発電を続けることにより、燃料電池スタック1の温度が上昇して高分子膜の劣化を早めることを防止することができる。
【0090】
なお、第4燃料ガス排出弁制御処理では、ステップS22の次にステップS4を行う一例について説明したが、第2燃料ガス排出弁制御処理におけるステップS11を行っても良く、更には第3燃料ガス排出弁制御処理でのステップS22及びステップS23を併せて行っても、上述と同様の効果を得ることができる。
【0091】
「第5燃料ガス排出弁制御処理」
図9に、第5燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部29の処理手順のフローチャートを示す。なお、上述の第1燃料ガス排出弁制御処理と同様の処理について同じステップ番号を付することでその詳細な説明を省略する。
【0092】
第4燃料ガス排出弁制御処理では、ステップS1の前に、ステップS41において、制御部29は、燃料電池スタック1の停止が燃料電池システムの異常が発生したことによるのか否かの判定をする。制御部29は、燃料電池システムの異常が発生したことにより燃料電池スタック1の運転停止を検出したときにはステップS42に処理を進め、燃料電池システムの異常が発生したことによらない場合にはステップS1に処理を進める。ここで、燃料電池システムの異常による場合とは、例えば冷却水の対流や、管亀裂等による燃料ガス漏れ等であって、燃料ガスの圧力制御が不能になるときである。
【0093】
ステップS42において、制御部29は、燃料電池システムに異常が発生しているので、全開状態にするように燃料ガス排出弁17に制御信号を出力し、燃料ガス循環流路L2や燃料電池スタック1中に残留している燃料ガスを強制的に外部に放出する。
【0094】
このような処理をする制御部29を備えた燃料電池システムによれば、燃料電池システムが異常を起こして燃料電池スタック1の運転を停止する時には、冷却水ポンプ25の動作を停止しても、流れ慣性により直ぐには冷却水圧力が下がらない場合でも、燃料ガスを外気に排出することができるので、続けて燃料電池スタック1に燃料ガスを供給して発電させることを防止することができる。したがって、この燃料電池システムによれば、上述のように固体高分子膜に不要な水を付着させることを防止することができる。
【0095】
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0096】
また、上述の実施の形態では、冷却水圧力を検出すると共に、外気圧力を検出して、冷却水圧力及び外気圧力に基づいて燃料ガスを外部に排出する制御をする場合について説明したが、これに限らず、冷却水圧力と所定値とを比較して、冷却水圧力が所定値以下となったら燃料ガスを外部に排出する制御をしても、上述と同様の効果を得ることができる。ここで、冷却水圧力と比較される所定値は、燃料ガスを外部に排出したときに燃料電池スタック1の損傷などが発生しない程度の冷却水圧力に相当する値として予め制御部29に格納しておく。これにより、上述した第1燃料ガス排出弁制御処理と比較しても、簡単な処理で上述と同様の効果を得ることができる。
【0097】
更にまた、上述の実施の形態では、冷却水ポンプ25の吹き出し流量を制御することにより冷却水圧力を制御する構成について説明したが、これに限らず、冷却水循環流路L7にオリフィス弁などを設け、冷却水圧力の制御を行っても良い。
【0098】
更にまた、上述の実施の形態では、燃料ガスについてのパージ動作を行う排出弁として、全開又は全閉に制御される燃料ガス排出弁17を使用した一例について説明したが、これに限らず、開度が制御可能な流量圧力制御弁を使用しても良い。これにより、制御部29は、燃料電池スタック1の運転中に、冷却水圧力の変化に応じて燃料ガス循環流路L2の燃料ガス圧力を変化させて、燃料ガス圧力と冷却水圧力とがほぼ同じとする制御をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】制御部による燃料ガス排出弁の開放タイミングを説明する図であり、(a)は時間経過に伴う燃料ガス圧力及び冷却水圧力の変化を示し、(b)は時間経過に伴う燃料ガス排出弁の開度の変化を示す。
【図3】本発明を適用した燃料電池システムの具体的な構成を示す図である。
【図4】本発明を適用した燃料電池システムによる第1燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明を適用した燃料電池システムによる第2燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】本発明を適用した燃料電池システムによる第3燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した燃料電池システムによる第4燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】減算タイマ回路の初期値initTIMを決定するときのテーブルについて説明するための図である。
【図9】本発明を適用した燃料電池システムによる第5燃料ガス排出弁制御処理を行うときの制御部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 燃料ガス排出弁
3 差圧検出手段
4 燃料電池運転停止判断手段
5 燃料ガス排出制御手段
11 燃料ガス供給装置
12 シャット弁
17 燃料ガス排出弁
18 燃料ガス圧力センサ
19 空気圧縮機
24 外気圧センサ
25 冷却水ポンプ
L1 燃料ガス供給流路
L2 燃料ガス循環流路
L3 燃料ガス排出流路
L4 空気供給流路
L5 空気調圧流路
L6 空気ガスパージ流路
L7 冷却水循環流路

Claims (5)

  1. 電解質膜を酸化剤極と燃料極とにより挟んで構成され、上記酸化剤極側に酸化剤ガスが供給されると共に、上記燃料極側に燃料ガスが供給されて発電する燃料電池と、
    上記燃料電池の燃料極に燃料ガスを燃料ガス供給流路を介して供給する燃料ガス供給手段と、
    上記燃料電池から排出された燃料ガスを燃料ガス排出流路を介して外気へ排出する燃料ガス排出弁と、
    冷却媒体を冷却流路に循環させて上記燃料電池内を冷却する燃料電池冷却手段と、
    上記冷却媒体の圧力を検出する冷却媒体圧力検出手段と、
    上記燃料電池の運転停止を検出した後に、上記冷却媒体圧力検出手段で検出された上記冷却媒体の圧力が、上記冷却媒体が上記燃料極に流入しない所定圧力値以下となった場合に、燃料ガスを排出させるように上記燃料ガス排出弁を制御する排出弁制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 外気圧を検出する外気圧検出手段と、
    上記冷却媒体の圧力と上記外気圧検出手段で検出された外気圧との差圧を演算する差圧演算手段とを更に備え、
    上記排出弁制御手段は、上記差圧演算手段で演算された差圧が、上記冷却媒体が上記酸化剤極又は上記燃料極に流入しない所定差圧値以下となった場合に、燃料ガスを排出させるように上記燃料ガス排出弁を制御すること
    を特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
  3. 上記排出弁制御手段は、上記冷却媒体の圧力が外気圧以上であって、上記冷却媒体の圧力と外気圧との差圧が、上記冷却媒体が上記燃料極に流入しない外気圧の値の所定割合以下となった場合に、燃料ガスを排出させるように上記燃料ガス排出弁を制御すること
    を特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。
  4. 上記燃料電池の発電電圧を検出する電圧検出手段を更に備え、
    上記排出弁制御手段は、上記電圧検出手段で検出された発電電圧値が、上記燃料電池を発電中止させる所定値以下となった場合に、燃料ガスを排出するように上記燃料ガス排出弁を制御すること
    を特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の燃料電池システム。
  5. 上記燃料電池の運転停止を検出した時刻からの経過時間を計測する経過時間計測手段を更に備え、
    上記排出弁制御手段は、上記経過時間計測手段で計測された経過時間が、上記燃料電池の運転停止検出時の冷却水圧力に応じて定められた上記冷却媒体が上記燃料極に流入しない所定時間を経過したと判定したら、燃料ガスを排出するように上記燃料ガス排出弁を制御すること
    を特徴とする請求項1〜4の何れか一に記載の燃料電池システム。
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