JP2004108562A - 駆動装置 - Google Patents

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Yasuhiro Toyoda
豊田 靖宏
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Abstract

【課題】主にチャージ負荷の低減を図ることができる駆動装置を提供する。
【解決手段】所定方向に付勢される被駆動部材3と、駆動源からの駆動力を入力部で受けて回転可能であるとともに、被駆動部材3に当接して被駆動部材3をチャージ可能なレバー部材1とを備え、レバー部材1が、第1の軸部2a1に係合して、この軸周りに回転可能な第1の軸受け部1d1と、第2の軸部2a2に係合して、この軸周りに回転可能な第2の軸受け部1d2とを有し、レバー部材1の回転途中で、第1の軸部2a1との係合から第2の軸部2a2との係合に切り換わる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動負荷を有する被駆動部材を、負荷に抗してチャージ初期位置からチャージ完了位置まで移動させる駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、移動負荷を有する被駆動部材を、この移動負荷に抗してチャージ初期位置からチャージ完了位置まで移動させるチャージ機構は、図21に示すように、レバー部材401が一つの回転軸を中心に回転するように構成されている。
【0003】
ここで、従来のチャージ機構全体を表した斜視図である図21により、従来のチャージ機構を詳しく説明する。
【0004】
401はレバー部材で、第1地板402に植設された軸部402aを回転軸として回転可能に支持され、軸部402aのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。401aはレバー部材の入力側腕部、401bは入力側腕部401aに一体的に植設された入力ピン、401cはレバー部材の出力側腕部である。
【0005】
403は被駆動部材で、第1地板402に植設された軸部402bを回転軸として回転可能に支持され、軸部402bのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。被駆動部材403の先端には、軸部403aが一体的に植設され、その軸部403aを回転軸としてコロ404が回転可能に取り付けられている。同様にコロ404にも不図示の抜け止めが作用している。
【0006】
405は動力ばねで、軸部402bと同軸に被駆動部材403上に設けられたトーションばねであり、一端が第1地板402に植設されたばね掛け402cに当接し、他端が被駆動部材のばね掛け突起403bに当接しており、被駆動部材403に軸部402bを回転軸として時計回りの回転力を与える。
【0007】
406はチャージ入力レバーで、第1地板402と直交するように配置された第2地板407に植設された軸部407aを回転軸として回転可能に支持され、軸部407aのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。406aはチャージ入力レバーの入力側腕部で、このチャージ機構をチャージするために、チャージ入力レバー406を軸部407aを回転軸として反時計方向へ回転させる力Fchを受ける。
【0008】
406bはチャージ入力レバーの出力側腕部である。406cは出力側腕部406bに一体的に植設された出力ピンで、レバー部材401の入力ピン401bと当接し、レバー部材401へ力を伝える。408は戻しばねで、一端が第2地板407に植設されたばね掛け407bに支持されているとともに、他端がチャージ入力レバーの穴406dに引掛けられており、チャージ入力レバー406に軸部407aを回転軸とする時計方向の回転力を与えている。
【0009】
407cは第2地板407に設けられたストッパで、チャージ入力レバーの出力側腕部406bの側面に当接し、戻しばね408によるチャージ入力レバーの時計方向の回転を阻止する。
【0010】
次に、上述したように構成されている従来のチャージ機構の動作を説明する。
【0011】
まず、力Fchがチャージ入力レバーの入力側腕部406aに加わると、チャージ入力レバー406は軸部407aを回転軸として反時計方向へ回転する。このため、出力側腕部406b上の出力ピン406cに入力側腕部401a上の入力ピン401bが押され、レバー部材401は軸部402aを回転軸として時計方向へ回転する。これにより、今度はレバー部材の出力側腕部401cが動力バネ405の力に抗してコロ404を押し、被駆動部材403を軸部402bを回転軸として反時計方向に回転させる。
【0012】
そして、所定角度回転したところでチャージ動作を終了する。
【0013】
次に、従来のチャージ機構の動作を、順を追って、動作途中のチャージ負荷の状態を踏まえながら詳細に説明する。なお、動力ばね405はトーションばねであるが、以下の説明では必要に応じて引っ張りコイルばねで図示している。
【0014】
図22は、第1地板402に配置されたレバー部材401と被駆動部材403のチャージ開始状態を表す平面図(第2地板407に配置されたチャージ入力レバー406等は省略している)で、レバー部材(駆動部材)と被駆動部材の回転角はそれぞれ0°である。
【0015】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、チャージ開始状態での動力ばね405が被駆動部材403に与える回転モーメントをkθ1とする。ここで、kは被駆動部材403が回転するにあたり、単位回転角度当りの動力ばね405のばね定数を表す。また、θ1は動力ばね405の軸部402b回りの自由状態からの所定変位角度を表す。
【0016】
Fはkθ1に釣り合うためのチャージ入力レバーの出力ピン406cからレバー部材の入力ピン401bが受ける力、P10はコロ404がレバー部材の出力側腕部401cから受ける力で、動力ばね405によるレバー部材の出力側腕部401cがコロ404から受ける力の反力と等しい。
【0017】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos29.16°)×3.90=P10×5.79・・・(1.1)
(P10・cos54.35°)×10.00=kθ1・・・・(1.2)
式(1.1)、(1.2)より、F=0.292kθ1となる。
【0018】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=2.92[gf](=2860[dyn])となる。
【0019】
図23は、図22の状態からチャージが進んだ、チャージ前半の状態を表す平面図である。チャージ開始よりレバー部材(駆動部材)の回転角は14°、被駆動部材の回転角は10°である。
【0020】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね405が被駆動部材403に与える回転モーメントはk(θ1+10°)である。Fはk(θ1+10°)に釣り合うためのチャージ入力レバーの出力ピン406cからレバー部材の入力ピン401bが受ける力、P20はコロ404がレバー部材の出力側腕部401cから受ける力で、動力ばね405によるレバー部材の出力側腕部401cがコロ404から受ける力の反力と等しい。
【0021】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos15.16°)×3.90=P20×4.98・・・(1.3)
(P20・cos30.35°)×10.00=k(θ1+10°)・・・(1.4)
式(1.3)、(1.4)より、F=0.153k(θ1+10°)となる。
【0022】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=3.07[gf](=3000[dyn])となる。
【0023】
図24は、図23の状態からチャージが進み、チャージ中間の状態を表す平面図である。チャージ開始よりレバー部材(駆動部材)の回転角は30.2°、被駆動部材の回転角は18.5°である。
【0024】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね405が被駆動部材403に与える回転モーメントはk(θ1+18.5°)である。Fはk(θ1+18.5°)に釣り合うためのチャージ入力レバーの出力ピン406cからレバー部材の入力ピン401bが受ける力、P30はコロ404がレバー部材の出力側腕部401cから受ける力で、動力ばね405によるレバー部材の出力側腕部401cがコロ404から受ける力の反力と等しい。
【0025】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos1.04°)×3.90=P30×4.94・・・(1.5)
(P30・cos5.65°)×10.00=k(θ1+18.5°)・・・(1.6)
式(1.5)、(1.6)より、F=0.127k(θ1+18.5°)となる。
【0026】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=3.63[gf](=3560[dyn])となる。
【0027】
図25は、図24の状態からチャージが進み、チャージ後半の状態を表す平面図である。チャージ動作開始よりレバー部材(駆動部材)の回転角は55.5°、被駆動部材の回転角は33°である。
【0028】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね405が被駆動部材403に与える回転モーメントはk(θ1+33°)である。Fはk(θ1+33°)に釣り合うためのチャージ入力レバーの出力ピン406cからレバー部材の入力ピン401bが受ける力、P40はコロ404がレバー部材の出力側腕部401cから受ける力で、動力ばね405によるレバー部材の出力側腕部401cがコロ404から受ける力の反力と等しい。
【0029】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos26.34°)×3.90=P40×6.25・・・(1.7)
(P40・cos34.15°)×10.00=k(θ1+33°)・・・(1.8)
式(1.7)、(1.8)より、F=0.216k(θ1+33°)となる。
【0030】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=9.29[gf](=9110[dyn])となる。
【0031】
図26は、図25の状態からチャージが進み、チャージ完了の状態を表す平面図である。チャージ動作開始よりレバー部材(駆動部材)の回転角は66.5°、被駆動部材の回転角は44°である。
【0032】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね405が被駆動部材403に与える回転モーメントはk(θ1+44°)である。Fはk(θ1+44°)に釣り合うためのチャージ入力レバーの出力ピン406cからレバー部材の入力ピン401bが受ける力、P50はコロ404がレバー部材の出力側腕部401cから受ける力で、動力ばね405によるレバー部材の出力側腕部401cがコロ404から受ける力の反力と等しい。
【0033】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos37.34°)×3.90=P50×7.90・・・(1.9)
(P50・cos56.15°)×10.00=k(θ1+44°)・・・(1.10)
式(1.9)、(1.10)より、F=0.457k(θ1+44°)となる。
【0034】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=24.7[gf](=24200[dyn])となる。
【0035】
以上の結果に基づいて、被駆動部材の回転角とレバー部材の入力負荷との関係を図7(a)に示す表と図7(b)に示すグラフにまとめている(後述)。
【0036】
ここで、上述したチャージ機構を備えたシャッタ装置がある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
【0037】
【特許文献1】
特公昭62−17737号公報
【0038】
【特許文献2】
実公平4−17930号公報
【0039】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、レバー部材401が単純に一つの回転軸を中心に回転するチャージ機構では、チャージ動作の開始時期と完了時期で、レバー部材の入力ピン401bの中心軸と軸部402a中心とを結ぶ直線(図22〜27に示すL)と、力Fの方向と直交する線(図22〜27に示すH)のなす角が大きくなり、入力ピン401bがチャージ入力レバーの出力ピン406cから受ける力のうち、レバー部材401の回転軸402a方向の分力が大きく(いわゆる軸損が大きい)、レバー部材をチャージ方向(時計方向)に回転させる力を損ねてしまうという不都合がある。
【0040】
また、チャージ中に入力ピン401bとチャージ入力レバーの出力ピン406cとの当接点が、出力ピン406c上を滑りながら移動する距離が長い。このため摩擦損失が大きく、これによってもレバー部材をチャージ方向(回転軸402aを回転軸とする時計回りの方向)に回転させる力を損ねてしまうという不都合がある。
【0041】
さらに、当接点が滑りながら移動する距離が長いことから、チャージ動作の開始時期と完了時期でチャージ入力レバーの上面(出力ピン406cを植設している面)から当接点までの距離が長く、チャージ入力レバーの煽りが大きくなり、レバー部材をチャージ方向(時計回りの方向)に回転させる力を損ねてしまう場合があるという不都合がある。
【0042】
加えて、当接点の移動する距離が長いことから、この分のスペースを確保しなくてはならず、チャージ機構が大型化してしまうという不都合がある。
【0043】
本出願の発明の目的は、チャージ負荷が低く、小型な駆動装置を提供することを目的とする。特に、チャージ動作の際、軸方向分力の軽減により軸損を減らすとともに、入力負荷方向と直交する方向への入力端変位を減らすことで駆動効率のアップを図っている。
【0044】
【課題を解決するための手段】
本願第1の発明は、所定方向に付勢される被駆動部材と、駆動源からの駆動力を入力部で受けて回転可能であるとともに、被駆動部材に当接して被駆動部材をチャージ可能なレバー部材とを備えた駆動装置において、レバー部材が、第1の軸部に係合して、この軸周りに回転可能な第1の軸受け部と、第2の軸部に係合して、この軸周りに回転可能な第2の軸受け部とを有し、レバー部材の回転途中で、第1の軸部との係合から第2の軸部との係合に切り換わることを特徴とする。
【0045】
ここで、レバー部材における第1の軸部および第2の軸部回りの回転角度の総和が、チャージ動作開始時の第1の軸部と入力部とを結ぶ直線と入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度と、チャージ動作完了時の第2の軸部と入力部とを結ぶ直線と入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度との和よりも大きい構成とすることが好ましい。
【0046】
このように、レバー部材の回転中心が回転途中で第1の軸部から第2の軸部に切り換わることで、レバー部材の第1の軸部および第2の軸部回りの総回転角が大きくとも、チャージ動作の開始時期と完了時期において、レバー部材の入力部と第1の軸部および第2の軸部の軸心とを結ぶ直線と、入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度を小さくすることができ、入力部が駆動源からうける駆動力のうち、レバー部材の第1の軸部および第2の軸部方向の分力を小さく(いわゆる軸損を小さく)することができる。
【0047】
ここで、レバー部材の入力部に当接してレバー部材に回転駆動力を伝達する伝達部材を備えた構成においては、伝達部材と入力部との当接点が、伝達部材上を滑りながら移動する距離が短くなるため、摩擦損失を少なくすることができる。しかも、伝達部材上における当接点の移動距離を短くすることで、この短くした分だけ駆動装置を小型化することができるとともに、伝達部材の煽りを軽減することができる。
【0048】
これにより、駆動効率の向上が図られ、チャージ負荷が軽く、しかも小型の駆動装置を提供することができる。
【0049】
また、第1の軸受け部およびレバー部材の入力部間の距離が、第2の軸受け部およびレバー部材の入力部間の距離と略等しい構成とすることができる。これにより、レバー部材の回転途中で回転中心が切り換わるとき、すなわち、回転中心が第1の軸部から第2の軸部に切り換わるときの急激な負荷変動を防止でき、レバー部材の回転運動が全範囲にわたってスムーズとなる。
【0050】
なお、第1の軸受け部および第2の軸受け部を、被駆動部材およびレバー部材の当接点における駆動力の伝達方向と略平行となるように配置することができる。
【0051】
本願第2の発明は、所定方向に付勢される被駆動部材と、駆動源からの駆動力を入力部で受けて回転可能であるとともに、被駆動部材に当接して被駆動部材をチャージ可能なレバー部材とを備えた駆動装置において、レバー部材が、第1の軸受け部に係合して回転中心となる第1の軸部と、第2の軸受け部に係合して回転中心となる第2の軸部とを有し、レバー部材の回転途中で、第1の軸受け部との係合から第2の軸受け部に切り換わることを特徴とする。
【0052】
ここで、レバー部材における第1の軸受け部および第2の軸受け部回りの回転角度の総和が、チャージ動作開始時の第1の軸受け部中心と入力部とを結ぶ直線と入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度と、チャージ動作完了時の第2の軸受け部中心と入力部とを結ぶ直線と入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度との和よりも大きい構成とすることが好ましい。
【0053】
このように、レバー部材の回転中心が回転途中で第1の軸部から第2の軸部に切り換わることで、レバー部材の回転中心が回転途中で第1の軸受け部および第2の軸受け部の中心を回転中心としたときの総回転角が大きくとも、チャージ動作の開始時期と完了時期において、レバー部材の入力部と第1の軸受け部および第2の軸受け部の中心とを結ぶ直線と、入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度を小さくすることができ、入力部が駆動源からうける駆動力のうち、レバー部材の第1の軸受け部および第2の軸受け部方向の分力を小さく(いわゆる軸損を小さく)することができる。
【0054】
一方、第1の軸部および第1の軸受け部の係合位置と、第2の軸部および第2の軸受け部の係合位置とが、これら回転軸の軸方向において異なる位置とすることができる。これにより、少ないスペースで、レバー部材の回転中心をスムーズに切り換えることができる。
【0055】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1〜図8は本発明の第1実施形態におけるチャージ機構を説明するための図である。図1はチャージ機構全体を表した斜視図、図2は第1地板2に配置されたレバー部材1と被駆動部材3のチャージ開始状態を表す平面図、図3はチャージ動作前半の状態を表す平面図、図4はチャージ動作中間(軸切り換わり時)の状態を表す平面図、図5はチャージ動作後半の状態を表す平面図、図6はチャージ完了の状態を表す平面図である。
【0056】
図7は被駆動部材の回転角とレバー部材の入力負荷との関係を説明するための図で、(a)は表、(b)はグラフである。図8はチャージ入力部材とレバー部材との関係を示した平面図である。
【0057】
図1において、1はレバー部材で、第1地板2に植設された第1の軸部2a1と第2の軸部2a2を回転軸として回転可能に支持されており、第1の軸部2a1及び第2の軸部2a2のスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。1aはレバー部材1の入力側腕部、1bは入力側腕部1aに一体的に植設された入力ピン(入力部)、1cはレバー部材1の出力側腕部である。
【0058】
1d1は第1の軸部2a1と係合し、この第1の軸部2a1を回転軸としてレバー部材1を回転可能とする第1の軸受け部、1d2は第2の軸部2a2と係合し第2の軸部2a2を回転軸としてレバー部材1を回転可能とする第2の軸受け部である。
【0059】
第1の軸受け部1d1は図1の斜視図では隠れているが、破線で示すようにレバー部材1の内側(第1地板2と対向する側)に形成されており、これら第1および第2の回転軸の軸方向における第2の軸受け部1d2とは異なる位置に配置された階段状の形状になっている。
【0060】
すなわち、第1の軸部2a1と第1の軸受け部1d1との係合位置と、第2の軸部2a2と第2の軸受け部1d2との係合位置とが、第1および第2の回転軸の軸方向において異なる位置になるように設定されている。これにより、少ないスペースで、しかもスムーズに、レバー部材1の回転中心が切り換わることを可能としている。
【0061】
3は被駆動部材で、第1地板2に植設された軸部2bを回転軸として回転可能に支持され、軸部2bのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。被駆動部材3の先端には、軸部3aが一体的に植設されており、この軸部3aを回転軸としてコロ4が回転可能に支持されている。同様にコロ4にも不図示の抜け止めが作用している。
【0062】
5は動力ばねで、軸部2bと同軸に被駆動部材3上に設けられたトーションばねであり、一端が第1地板2に植設されたばね掛け2cに当接し、他端が被駆動部材のばね掛け突起3bに当接している。このように配置された駆動ばね5は、被駆動部材3に軸部2bを回転軸とする時計回りの回転力を与える。
【0063】
6はチャージ入力レバー(伝達部材)で、第2地板7(第1地板2と直交する)に植設された軸部7aを回転軸として回転可能に支持されており、軸部7aのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。6aはチャージ入力レバー6の入力側腕部で、このチャージ機構をチャージするために、チャージ入力レバー6を軸部7aを回転軸として反時計方向へ回転させる駆動源から伝達される力Fchを受ける。
【0064】
6bはチャージ入力レバー6の出力側腕部である。6cは出力側腕部6bに一体的に植設された出力ピンで、レバー部材1の入力ピン1bと当接し、レバー部材1へ力を伝える。
【0065】
8は戻しばねであり、一端が第2地板7に植設されたばね掛け7bに支持され、他端がチャージ入力レバー6の穴6dに引掛けられている。この戻しばね8により、チャージ入力レバー6に軸部7aを回転軸とする時計方向の回転力を与える。7cは第2地板7に設けられたストッパで、チャージ入力レバー6の出力側腕部6bの側面に当接し、戻しばね8によるチャージ入力レバー6の時計方向の回転を阻止する(図1参照)。
【0066】
また、レバー部材1の回転途中で、レバー部材1の回転中心が第1の軸部2a1から第2の軸部2a2へと切り換わる際の急激な負荷変動を防ぐ目的で、第1の軸部2a1の中心と入力ピン1bの中心との距離は4.00mmで、第2の軸部2a2の中心と入力ピン1bとの距離は3.77mmと、ほぼ同じに設定されている。
【0067】
更に、入力ピン1bがチャージ入力レバー6の出力ピン6cから伝達される駆動力のうち、レバー部材1の第1及び第2の回転軸方向の分力を小さく(いわゆる軸損を小さく)する目的で、レバー部材1の第1の軸部2a1及び第2の軸部2a2回転軸とする総回転角(回転角度の和)は65°(31°+34°)としている。
【0068】
すなわち、この総回転角は、チャージ動作開始時の第1の軸部2a1の中心と入力ピン1bの中心とを結ぶ直線(L)と、入力ピン1bに加わる力の方向と直交する直線(H)とがなす角17.46°と、チャージ動作完了時の第2の軸部2a2中心と入力ピン1b中心とを結ぶ直線(L)と、入力ピン1bに加わる力と直交する直線(H)とがなす角22.31°との和である角度39.77°よりも大きく設定されている。
【0069】
続いて、このように構成されたチャージ機構の動作について詳細に説明する。
【0070】
まず、駆動力Fchがチャージ入力レバー6の入力側腕部6aに加わると、チャージ入力レバー6は軸部7aを回転軸として反時計方向へ回転する。これにより、出力側腕部6b上の出力ピン6cが入力側腕部1a上の入力ピン1bを押し込み、レバー部材1は、第1の軸受け部1d1が第1の軸部2a1に当接することにより、軸部2a1を回転軸として時計方向へ回転する。これにより、今度はレバー部材1の出力側腕部1cがコロ4を押し、動力ばね5の力に抗し、被駆動部材3を軸部2bを回転軸として反時計方向へ回転させる。
【0071】
ここで、チャージ動作の途中で、第2の軸受け部1d2が第2の軸部2a2に当接すると、第1の軸受け部1d1と第1の軸部2a1との係合を外し、レバー部材1は第2の軸部2a2を回転軸として(すなわち、回転中心を第1の軸部から第2の軸部に切り換えて)時計方向へ回転する。そして、所定角度回転したところでチャージ動作を終了する。
【0072】
一方、チャージ動作完了から力Fchがなくなると、動力ばね5の力により、チャージ動作での行程を逆に辿り、チャージ開始の状態へと復帰する。
【0073】
以下、本実施形態のチャージ機構の動作を、順を追って、動作途中のチャージ負荷の状態を踏まえながら詳細に説明する。なお、動力ばね5はトーションばねであるが、以下の説明では必要に応じて引っ張りコイルばねで図示している。
【0074】
図2は、第1地板2に配置されたレバー部材1と被駆動部材3のチャージ開始状態を表す平面図(第2地板7に配置されたチャージ入力レバー6等は省略している)で、レバー部材と被駆動部材の回転角はそれぞれ0°の状態を示している。
【0075】
図2において、各部は図中に示す寸法関係になっており、チャージ開始状態での動力ばね5が被駆動部材3に与える回転モーメントをkθ1とする。ここで、kは、被駆動部材3が回転するにあたり、単位回転角度当りの動力ばね5のばね定数を表す。また、θ1は動力ばね5の軸部2b回りの自由状態からの所定変位角度を表す。
【0076】
Fはkθ1に釣り合うためのチャージ入力レバー6の出力ピン6cからレバー部材1の入力ピン1bが受ける力、P1はコロ4がレバー部材1の出力側腕部1cから受ける力で、動力ばね5によるレバー部材1の出力側腕部1cがコロ4から受ける力の反力と等しい。F1はP1を発生させるための軸部2a1回りの力成分である。
【0077】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos17.46°)×4.00=F1×5.94・・・(2.1)
F1・cos8.32°=P1・・・(2.2)
(P1・cos53.15°)×10.00=kθ1・・・・(2.3)
式(2.1)、(2.2)、(2.3)より、F=0.262kθ1となる。
【0078】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=2.62[gf](=2570[dyn])となる。
【0079】
図3は、図2の状態からチャージが進み、チャージ動作前半の状態を表す平面図である。なお、ここでのチャージ動作前半とは、チャージ動作開始からレバー部材1の回転中心が第1の軸部から第2の軸部に切り換わるまでの範囲を意味する。チャージ開始よりレバー部材1の回転角は14°、被駆動部材3の回転角は10°である。
【0080】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね5が被駆動部材3に与える回転モーメントはk(θ1+10°)である。Fはk(θ1+10°)に釣り合うためのチャージ入力レバー6の出力ピン6cからレバー部材1の入力ピン1bが受ける力、P2はコロ4がレバー部材1の出力側腕部1cから受ける力で、動力ばね5によるレバー部材1の出力側腕部1cがコロ4から受ける力の反力と等しい。F2はP2を発生させるための軸部2a1回りの力成分である。
【0081】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos3.46°)×4.00=F2×4.95・・・(2.4)
F2・cos10.00°=P2・・・(2.5)
(P2・cos29.15°)×10.00=k(θ1+10°)・・・(2.6)
式(2.4)、(2.5)、(2.6)より、F=0.144k(θ1+10°)
となる。
【0082】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=2.88[gf](=2820[dyn])となる。
【0083】
図4は、図3の状態からチャージが進み、チャージ動作中間(レバー部材1の回転中心が第1の軸部から第2の軸部に切り換わる範囲)の状態を表す平面図である。チャージ動作開始よりレバー部材1の回転角は31°、被駆動部材3の回転角は18.5°である。
【0084】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね5が被駆動部材3に与える回転モーメントはk(θ1+18.5°)である。Fはk(θ1+18.5°)に釣り合うためのチャージ入力レバー6の出力ピン6cからレバー部材1の入力ピン1bが受ける力、P3はコロ4がレバー部材1の出力側腕部1cから受ける力で、動力ばね5によるレバー部材1の出力側腕部1cがコロ4から受ける力の反力と等しい。F31はP3を発生させるための軸部2a1回りの力成分、F32はP3を発生させるための軸部2a2回りの力成分である。
【0085】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
【0086】
軸部2a1回りでは、
(F・cos13.54°)×4.00=F31×4.72・・・(2.7)
F31・cos10.48°=P3・・・(2.8)
(P3・cos3.65°)×10.00=k(θ1+18.5°)・・・(2.9)
式(2.7)、(2.8)、(2.9)より、F=0.124k(θ1+18.5°)となる。
【0087】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=3.52[gf](=3450[dyn])となる。
【0088】
軸部2a2回りでは、
(F・cos11.69°)×3.77=F32×5.03・・・(2.10)
F32・cos9.41°=P3・・・(2.11)
(P3・cos3.65°)×10.00=k(θ1+18.5°)・・・(2.12)
式(2.10)、(2.11)、(2.12)より、F=0.138k(θ1+18.5°)となる。
【0089】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=3.94[gf](=3860[dyn])となる。
【0090】
図5は、図4の状態からチャージが進み、チャージ動作後半(すなわち、レバー部材1の回転中心が第1の軸部から第2の軸部に切り換わってからチャージ動作完了までの範囲)の状態を表す平面図である。チャージ動作開始よりレバー部材1の回転角は31°+24°、被駆動部材3の回転角は33°である。
【0091】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね5が被駆動部材3に与える回転モーメントはk(θ1+33°)、Fはk(θ1+33°)に釣り合うためのチャージ入力レバー6の出力ピン6cからレバー部材1の入力ピン1bが受ける力、P4はコロ4がレバー部材1の出力側腕部1cから受ける力で、動力ばね5によるレバー部材1の出力側腕部1cがコロ4から受ける力の反力と等しい。F4はP4を発生させるための軸部2a2回りの力成分である。
【0092】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos12.31°)×3.77=F4×6.70・・・(2.13)
F4・cos7.05°=P4・・・(2.14)
(P4・cos34.85°)×10.00=k(θ1+33°)・・・(2.15)
式(2.13)、(2.14)、(2.15)より、F=0.223k(θ1+33°)となる。
【0093】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=9.60[gf](=9410[dyn])となる。
【0094】
図6は、図5の状態からチャージが進み、チャージ動作完了の状態を表す平面図である。チャージ動作開始よりレバー部材1の回転角は31°+34°、被駆動部材3の回転角は44°である。
【0095】
同図において、各部は図中に示す寸法関係になっており、この状態での動力ばね5が被駆動部材3に与える回転モーメントはk(θ1+44°)である。Fはk(θ1+44°)に釣り合うためのチャージ入力レバー6の出力ピン6cからレバー部材1の入力ピン1bが受ける力、P5はコロ4がレバー部材1の出力側腕部1cから受ける力で、動力ばね5によるレバー部材1の出力側腕部1cがコロ4から受ける力の反力と等しい。F5はP5を発生させるための軸部2a2回りの力成分である。
【0096】
力の釣り合い関係から以下のような式が得られる。ここでは、簡単のため各部の摩擦は無視している。
(F・cos22.31°)×3.77=F4×8.47・・・(2.16)
F5・cos5.57°=P5・・・(2.17)
(P5・cos55.85°)×10.00=k(θ1+44°)・・・(2.18)
式(2.16)、(2.17)、(2.18)より、F=0.435k(θ1+44°)となる。
【0097】
ここで、k=1[gf/deg](=980[dyn/deg])、θ1=10°とすると、F=23.5[gf](=23000[dyn])となる。
【0098】
図7は、以上のようにして得られた本実施形態におけるチャージ機構に関する結果を、上述した従来技術におけるチャージ機構と比較して、被駆動部材(3、403)の回転角とレバー部材(1、401)の入力負荷との関係を表とグラフにまとめたものである。
【0099】
これらから、従来技術におけるチャージ機構に対して、本実施形態におけるチャージ機構の入力負荷は被駆動部材の回転角(チャージ)の中盤(18.5〜33deg付近)で10%弱高くなるが、チャージ動作の前半(0〜18.5deg)で10〜3%低くなり、チャージ動作の後半(40deg付近)から最後(44deg)では、確実に低くなり、チャージ機構として重要な負荷ピーク(回転角最後の44deg)は約5%も低くなる。
【0100】
加えて、チャージ動作中のチャージ入力レバー(6、406)とレバー部材(1、401)との関係において、出力ピン(6c、406c)と入力ピン(1b、401b)との作用位置関係を図8と図27にて比較する。ここで、図8は本実施形態のチャージ機構におけるチャージ入力レバー6とレバー部材1との関係を示した平面図である。図27は従来技術のチャージ機構におけるチャージ入力レバー406とレバー部材401との関係を示した平面図である。
【0101】
これら図において、実線はチャージ動作開始状態を、レバー部材(1、401)と被駆動部材(3、403)の二点鎖線はチャージ動作の途中とチャージ動作完了状態を示す。なお、説明の便宜上、図を見やすくするためにチャージ入力レバー(6、406)はチャージ動作開始状態のみを示す。チャージ動作途中とチャージ動作完了状態は出力ピン(6c、406c)が入力ピン(1b、401b)に接触したまま、下方に移動したものとなる。
【0102】
ここで、チャージ入力レバー(6、406)のレバー面(6f,406f)とレバー部材(1、401)の入力ピン(1b,401b)との最接近距離を1.00mmとし、チャージ動作中の出力ピン(6c、406c)と入力ピン(1b、401b)との作用位置関係をみている。
【0103】
従来技術のチャージ機構では、入力ピン401bの中心位置は、チャージ動作完了状態で、チャージ入力レバー406のレバー面406fから最も離れ、2.60mmである。チャージ動作途中の最接近位置で1.80mmなので、チャージ動作中に出力ピン406cと入力ピン401bとが接触したままの移動幅は0.80mmとなる。
【0104】
一方、本実施形態におけるチャージ機構では、入力ピン1bの中心位置は、チャージ動作完了状態で、チャージ入力レバー6のレバー面6fから最も離れ、2.11mm(従来技術のチャージ機構の値の81%)である。チャージ動作途中の最接近位置で1.80mmなので、チャージ動作中に出力ピン6cと入力ピン1bとが接触したままの移動幅は0.31mm(従来技術のチャージ機構の値の39%)となる。
【0105】
従って、本実施形態におけるチャージ機構の方が、従来技術のものに比べて以下のメリットがある。
【0106】
まず、チャージ入力レバー6に加わる捻りモーメントが格段に小さく、煽られないので、回転時の軸損失やチャージ入力レバー6と第2地板7との接触による摩擦損失が少なく、効率が良い。
【0107】
更に、出力ピン6cと入力ピン1bとの間での摩擦損失も少なく、効率が良い。よって、チャージ機構としての全体的なチャージ負荷を大幅に軽減できる。また、横幅方向は2.60−2.11=0.49mmの小型化にもなる。
【0108】
(第2実施形態)
図9〜図12は本発明の第2実施形態におけるチャージ機構を説明するための図である。図9はチャージ機構全体を表した斜視図、図10は第1地板202に配置されたレバー部材201と被駆動部材203のチャージ動作開始状態を表す平面図、図11はチャージ動作中間(軸切換り)の状態を表す平面図、図12はチャージ動作完了の状態を表す平面図である。図13はチャージ入力部材とレバー部材との関係を示した平面図である。
【0109】
本実施形態におけるチャージ機構は、上述した第1実施形態の応用であり、第1実施形態では第1および第2の軸受け部がレバー部材1側に形成されていたのに対し、本実施形態では第1および第2の軸部がレバー部材側に形成されている。なお、上述した第1実施形態と同じ機能を有する部材には、第1実施形態で付していた部材の符号に200を加算した数字で表している。
【0110】
図9において、201はレバー部材で、第1地板202に植設された第1の軸受け部202a1と第2の軸受け部202a2に対して回転可能に支持され、第1の軸受け部202a1及び第2の軸受け部202a2のスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。
【0111】
201aはレバー部材201の入力側腕部、201bは入力側腕部201aに一体的に植設された入力ピン、201cはレバー部材201の出力側腕部である。
【0112】
201d1は軸受け部202a1と係合し軸受け部202a1の中心を回転中心としてレバー部材201を回転可能とする第1の軸部、201d2は軸受け部202a2と係合し軸受け部202a2の中心を回転中心としてレバー部材を回転可能とする第2の軸部である。
【0113】
第1の軸部201d1は全長が長く、第1の軸受け部202a1とほぼ全長いっぱいに係合する。第2の軸部201d2は第1の軸部201d1より短く、テラスの側壁として形成された第2の軸受け部202a2と係合する。
【0114】
すなわち、第1の軸受け部202a1と第1の軸部201d1との係合位置と、第2の軸受け部202a2と第2の軸部201d2との係合位置とが、これら第1および第2の軸部の長手方向における異なる位置(例えば階段状)に設けられている。これにより、少ないスペースで、しかもスムーズに、レバー部材201の回転中心が第1の軸受け部202a1と第2の軸受け部202a2との間で切り換わることを可能としている。
【0115】
203は被駆動部材で、第1地板202に植設された軸部202bを回転軸として回転可能に支持され、軸部202bのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。被駆動部材203の先端には、軸部203aが一体的に植設され、この軸部203aを回転軸としてコロ204が回転可能に支持されている。同様にコロ204にも不図示の抜け止めが作用している。
【0116】
205は動力ばね(トーションばね)で、軸部202bと同軸に被駆動部材203上に設けられており、一端が第1地板202に植設されたばね掛け202cに支持され、他端が被駆動部材のばね掛け突起203bに引掛けられており、被駆動部材203に軸部202bを回転軸として時計回りの回転力を与える。
【0117】
206はチャージ入力レバーで、第2地板207(第1地板2と直交する)に植設された軸部207aを回転軸として回転可能に支持され、軸部207aのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。206aはチャージ入力レバー206の入力側腕部で、このチャージ機構をチャージするために、チャージ入力レバー206を軸部207aを回転軸として反時計方向へ回転させる力Fchを受ける。
【0118】
206bはチャージ入力レバー206の出力側腕部である。206cは出力側腕部206bに一体的に植設された出力ピンで、レバー部材201の入力ピン201bと当接し、レバー部材201へ駆動力を伝える。208は戻しばねで、一端が第2地板207に植設されたばね掛け207bに支持され、他端がチャージ入力レバー206の穴206dに引掛けられており、チャージ入力レバー206に軸部207aを回転軸として時計方向の回転力を与える。
【0119】
207cは第2地板207に設けられたストッパで、チャージ入力レバー206の出力側腕部206bの側面に当接し、戻しばね208によるチャージ入力レバー206の時計方向の回転を阻止する。
【0120】
以上のように、本実施形態におけるチャージ機構は、第1実施形態におけるチャージ機構の軸部と軸受け部が逆の構成になったものである。
【0121】
ここで、レバー部材201の回転途中で、第1の軸部201d1との係合から第2の軸部201d2との係合へと切り換わる際の急激な負荷変動を防ぐ目的で、第1の軸受け部202a1中心と入力ピン201b中心との距離は4.00mmで、第2の軸受け部202a2中心と入力ピン201bとの距離は3.77mmでほぼ同じになるように設定されている。
【0122】
更に、入力ピン201bがチャージ入力レバー206の出力ピン206cから受ける力のうち、レバー部材201の第1及び第2の回転軸方向の分力を小さく(いわゆる軸損を小さく)する目的で、レバー部材201の第1の軸受け部202a1及び第2の軸受け部202a2を回転中心とする総回転角が65°(31°+34°)となっている。
【0123】
すなわち、総回転角が、チャージ動作開始時の第1の軸受け部202a1中心と入力ピン201b中心とを結ぶ直線(L)と、入力ピン201bに加わる力と直交する直線(H)とのなす角17.46°と、チャージ動作完了時の第2の軸受け部202a2中心と入力ピン201b中心とを結ぶ直線(L)と入力ピン201bに加わる力と直交する直線(H)とのなす角22.31°との和である角度39.77°よりも大きく設定されている。
【0124】
このように構成されたチャージ機構の動作を説明する。
【0125】
まず、力Fchがチャージ入力レバー206の入力側腕部206aに加わると、チャージ入力レバー206は軸部207aを回転軸として反時計方向へ回転する。このため、出力側腕部206b上の出力ピン206cに入力側腕部201a上の入力ピン201bが押され、レバー部材201は、第1の軸部201d1が第1の軸受け部202a1に当接することで、軸受け部202a1を回転中心として時計方向へ回転する。
【0126】
これにより、今度はレバー部材201の出力側腕部201cがコロ204を押し、動力ばね205の力に抗し、被駆動部材203を、軸部202bを回転軸として反時計方向へ回転させる。
【0127】
また、チャージ動作の途中で、第2の軸部201d2が第2の軸受け部202a2に当接すると、第1の軸部201d1と第1の軸受け部202a1との係合を外し、レバー部材201は第2の軸受け部202a2を回転中心として時計方向へ回転する。すなわち、レバー部材201の回転中心が第1の軸部から第2の軸部に切り換わる。そして、所定角度回転したところでチャージ動作を終了する。
【0128】
一方、チャージ動作完了から力Fchがなくなると、動力ばね205の力により、チャージ動作の行程を逆に辿り、チャージ動作開始の状態へと復帰する。
【0129】
なお、本実施形態におけるチャージ機構の動作及びチャージ負荷(図10〜図13)は、寸法関係も含め第1実施形態におけるチャージ機構(図2〜図6、図8)と同じであるため、説明を省略する。
【0130】
被駆動部材203の回転角とレバー部材201の入力負荷との関係を表す表とグラフは、図7と同じである。従って、本実施形態におけるチャージ機構は、従来技術に比べて以下のようなメリットがある。
【0131】
チャージ入力レバー206への捻りモーメントが格段に小さく、煽られないので、回転時の軸損失やチャージ入力レバー206と第2地板207との接触による摩擦損失が少なく、効率が良い。
【0132】
更に、出力ピン206cと入力ピン201b間の摩擦損失も少なく、効率が良い。よって、チャージ機構としての全体的なチャージ負荷を大幅に軽減できる。また、横幅方向における寸法については、2.60−2.11=0.49mmの小型化にもなる。
【0133】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、第1実施形態におけるチャージ機構を備えたフォーカルプレンシャッタ(以下、シャッタ装置)に関するものである。本実施形態におけるシャッタ装置は、一眼レフカメラ等に搭載される。
【0134】
以下、図14〜図20を用いて、本実施形態であるシャッタ装置について説明する。なお、以下に述べるシャッタ装置に適用されているチャージ機構は、第1実施形態におけるチャージ機構と異なる点があるが、基本的構成とその機能は同様である。また、以下に説明するシャッタ装置の各構成要素のうち、すでに第1実施形態において述べたチャージ機構の構成要素と同じ名称のものはその構成要素と同様な機能を有しているものとする。
【0135】
図14は本実施形態によるシャッタ装置の外観斜視図、図15は走行完了からチャージ開始の状態を表すシャッタ装置の平面図、図16はチャージ前半の状態を表すシャッタ装置の平面図である。図17はチャージ動作中間(チャージレバーの回転中心が第1の軸部から第2の軸部に切り換わる範囲)の状態を表すシャッタの平面図である。
【0136】
図18はチャージ後半の状態を表すシャッタ装置の平面図、図19はチャージ動作完了直前の状態を表すシャッタ装置の平面図、図20はチャージ完了からオーバーチャージの状態を表すシャッタ装置の平面図である。
【0137】
図14〜図20において、101はチャージレバー(レバー部材1)で、シャッタ地板102に植設された第1の軸部102a1と第2の軸部102a2を回転軸として回転可能に支持され、これら軸部102a1、102a2のスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。
【0138】
101aはチャージレバー101の入力側腕部(入力側腕部1a)、101bは入力側腕部101aに一体的に植設された入力ピン、101c1はチャージレバー101の先幕側出力腕部(出力側腕部1c)、101c2はチャージレバー101の後幕側出力腕部(出力側腕部1c)である。
【0139】
101d1は軸部102a1と係合し軸部102a1回りにチャージレバー101を回転可能とする第1の軸受け部、101d2は軸部102a2と係合し軸部102a2回りにチャージレバー101を回転可能とする第2の軸受け部である。
【0140】
第1の軸受け部101d1は、図15〜図20では隠れているため破線で示すように、チャージレバー101の内側(シャッタ地板102と対向する側)に形成され、第2の軸受け部101d2に対し高さ方向で異なる位置に設けられ、階段状になっている。
【0141】
すなわち、第1の軸部102a1と第1の軸受け部101d1との係合位置と、第2の軸部102a2と第2の軸受け部101d2との係合位置とが、これら第1および第2の軸部の軸方向において異なる位置に配置された構成となっている。
【0142】
これにより、少ないスペースで、しかもスムーズに、チャージレバー101の回転中心が第1の軸部102a1と第2の軸部102a2との間で切り換わることを可能としている。103は先幕駆動レバー(被駆動部材3)で、シャッタ地板102に植設された軸部112aを回転軸として回転可能に支持され、軸部112aのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。
【0143】
先幕駆動レバー103の一方の腕103cの先端には、軸部103aが一体的に植設され、この軸部103aを回転軸としてコロ104が回転可能に支持されている。ここで、シャッタ地板102は、コロ104の抜け止めとして作用している。
【0144】
先幕駆動レバー103の他方の腕103dの先端には、先幕駆動ピン103eが一体的に植設されている。105は動力ばね(トーションばね)で、軸部112aと同軸に先幕駆動レバー103上に設けられており、この一端が不図示の幕速調節部材に当接し、他端が先幕駆動レバー103のばね掛け突起(不図示)に当接している。これにより、動力ばね105は、先幕駆動レバー103に軸部112aを回転軸として時計回りの回転力を与える。
【0145】
116は先幕メインアームで、シャッタ地板102に植設された軸部102gを回転軸として回転可能に支持されている。117は先幕サブアームで、シャッタ地板102に植設された軸部102hを回転軸として回転可能に支持されている。
【0146】
118は先幕を構成する羽根群で、このうち118aはスリット形成羽根(#1羽根)であり、スリット形成部118eを有している。118bは#2羽根、118cは#3羽根、118dは#4羽根である。羽根群118の各羽根は、それぞれ先幕メインアーム116と先幕サブアーム117にカシメダボ119等で回転可能に支持され、両アーム116、117と各羽根にて平行リンクを形成している(公知の構成)。
【0147】
また、先幕駆動レバー103の腕103dの上部には、アーマチャ保持部103fが形成され、このアーマチャ保持部103fには、マグネットのアーマチャ123がアーマチャ軸124を介してある程度の動きの自由度をもった状態で保持されている。
【0148】
125はマグネットのヨーク、126はマグネットのコイルで、不図示の地板に固定されている。コイル126への通電により、ヨーク125はアーマチャ123を吸着保持し、通電が絶たれるとアーマチャ123を解放する。この動作を利用してシャッタ秒時を制御する。
【0149】
113は後幕駆動レバーで、シャッタ地板102に植設された軸部112bを回転軸として回転可能に支持され、軸部112bのスラスト方向に不図示の抜け止め部材により僅かな隙間をもって押えられている。後幕駆動レバー113の一方の腕113cの先端には、軸部113aが一体的に植設され、この軸部113aを回転軸としてコロ114が回転可能に支持されている。
【0150】
シャッタ地板102は、コロ114の抜け止めとして作用している。後幕駆動レバー113の他方の腕113dの先端には、後幕駆動ピン113eが一体的に植設されている。115は動力ばね(トーションばね)で、軸部112bと同軸に後幕駆動レバー113上に設けられている。
【0151】
動力ばね115は、この一端が不図示の幕速調節部材に当接し、他端が後幕駆動レバーのばね掛け突起(不図示)に当接しており、後幕駆動レバー113に軸部112bを回転軸として時計回りの回転力を与える。
【0152】
120は後幕メインアームで、シャッタ地板102に植設された軸部102iを回転軸として回転可能に支持されている。121は後幕サブアームで、シャッタ地板102に植設された軸部102jを回転軸として回転可能に支持されている。
【0153】
122は後幕を構成する羽根群で、先幕と同様に4枚構成となっている。122eはスリット形成部である。羽根群122の各羽根は、それぞれ後幕メインアーム120と後幕サブアーム121にカシメダボ等で回転可能に支持され、両アーム120、121と各羽根にて平行リンクを形成している(公知の構成)。
【0154】
また、後幕駆動レバーの腕113cの上部には、アーマチャ保持部113fが形成され、このアーマチャ保持部113fには、マグネットのアーマチャ127がアーマチャ軸128を介してある程度の動きの自由度をもった状態で保持されている。
【0155】
129はマグネットのヨーク、130はマグネットのコイルで、不図示の地板に固定されている。コイル130への通電により、ヨーク129がアーマチャ127を吸着保持し、通電が絶たれるとアーマチャ127を解放する。この動作を利用してシャッタ秒時を制御する。
【0156】
102dはシャッタ地板102に形成された光通過口となるシャッタ露光開口部である。102eはシャッタ地板102において先幕駆動ピン103eの移動軌跡上に形成された長穴部、102fはシャッタ地板102において後幕駆動ピン113eの移動軌跡上に形成された長穴部である。111は、シャッタ幕走行完了時に先幕駆動ピン103eと後幕駆動ピン113eを受け止める緩衝部材である。
【0157】
本実施形態のシャッタ装置のチャージ機構では、入力側腕部101aに一体的に植設された入力ピン101bからシャッタ装置向かって左端までの幅を12.6mmに収め小型とし、入力ピン101b位置での直線Hと直交方向(図の縦方向)ストロークを4.25mmとしている。
【0158】
また、チャージレバー101の入力ピン101bに当接し、図1のチャージ入力レバー6と同様の構成でチャージレバー101に回転力を与える、不図示のチャージ入力レバーが設けられている。
【0159】
チャージレバー101の回転途中で、第1の軸部102a1との係合から第2の軸部102a2との係合へと切り換わる際の急激な負荷変動を防ぐ目的で、第1の軸部102a1中心と入力ピン101b中心との距離は4.00mmで、第2の軸部102a2中心と入力ピン101bとの距離は3.77mmでほぼ同じに設定されている。
【0160】
また、入力ピン101bが不図示のチャージ入力レバーの出力ピンから受ける力のうち、チャージレバー101の第1および第2の軸部方向の分力を小さく(いわゆる軸損を小さく)する目的で、チャージレバー101の第1の軸部102a1および第2の軸部102a2を回転軸とする総回転角は66°(31°+35°)となっている。
【0161】
この総回転角は、チャージ開始時の第1の軸部102a1中心と入力ピン101b中心とを結ぶ直線(L)と、入力ピン101bに加わる力と直交する直線(H)とのなす角17.46°と、チャージ完了時の第2の軸部102a2中心と入力ピン101b中心とを結ぶ直線(L)と入力ピン101bに加わる力と直交する直線(H)とのなす角22.31°とを加えた角39.77°よりも大きく設定されている。
【0162】
このように構成されたシャッタ装置とそのチャージ機構の動作を説明する。まず、図15のチャージ動作開始の状態から、第1実施形態によるチャージ機構と同様に、不図示のチャージ力Fchが不図示のチャージ入力レバーに加わると、チャージ入力レバーによりチャージレバー101の入力側腕部101a上の入力ピン101bが押される。
【0163】
このため、チャージレバー101は、第1の軸受け部101d1が第1の軸部102a1に当接することで、軸部102a1を回転軸として時計回り方向に回転する。
【0164】
これにより、今度はチャージレバー101の先幕側出力腕部101c1がコロ104を押し、動力ばね105の力に抗して先幕駆動レバー103を、軸部112aを回転軸として反時計回り方向に回転させる。また、後幕側出力腕部101c2がコロ114を押し、動力ばね115の力に抗して後幕駆動レバー113を、軸部112bを回転軸として反時計回り方向に回転させる。これを示したのが図16に示すチャージ動作前半の状態である。
【0165】
また、チャージ動作の途中において、図17のチャージレバー101の軸切り換わり状態では、第1の軸受け部101d1と第1の軸部102a1との係合と同時に、第2の軸受け部101d2が第2の軸部102a2に当接する。やがて、第1の軸受け部101d1と第1の軸部102a1との係合を外し、チャージレバー101は第2の軸部102a2を回転軸として時計回り方向に回転する。これを示したのが図18のチャージ動作後半の状態である。
【0166】
更に、図19のチャージ動作完了直前状態では、チャージレバー101は第2の軸部102a2を回転軸として時計回りに回転し、先幕は既にチャージが完了している。そして、所定角度回転したところで図20のようにオーバーチャージ状態となりチャージを終了する。
【0167】
撮影者がこのシャッタ装置を備えたカメラのレリーズボタンを押し、カメラの撮影動作が開始すると、秒時制御用マグネットのコイル126,130に通電され、アーマチャ123,127が吸着保持される。
【0168】
次に、本実施形態よるチャージ機構と同様に不図示の戻しばね(ミラーアップばね)の力により、不図示のチャージ入力レバーがチャージ動作の行程を逆に辿り、撮影光路上に斜設された状態(ファインダ観察状態)にある不図示の主ミラーを撮影光路から退避させて撮影状態位置に移動させる(ミラーアップ)。このミラーアップに伴い、チャージレバー101は、チャージ入力レバーに連動した戻し機構(不図示)によりチャージ動作開始の状態へと復帰する。
【0169】
この状態でシャッタ走行準備が完了し、やがて所定の露光秒時の間隔をおいて先幕、後幕の順番で走行して、露光動作が行われる。すなわち、所定の露光秒時の間隔をおいてコイル126、130への通電が絶たれ、アーマチャ123、127を解放し、展開状態にある先幕が重畳してシャッタ露光開口部102dを開くとともに、重畳状態にある後幕が展開してシャッタ露光開口部102を閉じる。
【0170】
なお、本実施形態では第1実施形態におけるチャージ機構を備えたシャッタ装置について説明したが、第2実施形態におけるチャージ機構をシャッタ装置に搭載するようにしてもよい。
【0171】
【発明の効果】
本発明によれば、レバー部材の回転中心が回転途中で第1の軸部から第2の軸部に切り換わることで、レバー部材の第1の軸部および第2の軸部回りの総回転角が大きくとも、チャージ動作の開始時期と完了時期において、レバー部材の入力部と第1の軸部および第2の軸部の軸心とを結ぶ直線と、入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度を小さくすることができ、入力部が駆動源からうける駆動力のうち、レバー部材の第1の軸部および第2の軸部方向の分力を小さく(いわゆる軸損を小さく)することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるチャージ機構全体を表した斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態におけるチャージ動作開始状態を表す平面図。
【図3】本発明の第1実施形態におけるチャージ動作前半の状態を表す平面図。
【図4】本発明の第1実施形態におけるチャージ動作中間(軸切換り)の状態を表す平面図。
【図5】本発明の第1実施形態におけるチャージ動作後半の状態を表す平面図。
【図6】本発明第1の実施形態におけるチャージ動作完了の状態を表す平面図。
【図7】被駆動部材の回転角とレバー部材の入力負荷との関係を表す図(a、b)。
【図8】本発明の第1実施形態におけるチャージ入力部材とレバー部材との関係を示した平面図。
【図9】本発明の第2実施形態であるチャージ機構全体を表した斜視図。
【図10】本発明の第2実施形態におけるチャージ動作開始状態を表す平面図。
【図11】本発明の第2実施形態におけるチャージ動作中間(軸切換り)の状態を表す平面図。
【図12】本発明の第2実施形態におけるチャージ動作完了の状態を表す平面図。
【図13】本発明の第2実施形態におけるチャージ入力部材とレバー部材との関係を示した平面図。
【図14】本発明の第3実施形態におけるシャッタ装置の外観斜視図。
【図15】チャージ動作開始状態におけるシャッタ装置の正面図。
【図16】チャージ動作前半の状態を示すシャッタ装置の正面図。
【図17】チャージ動作中間(軸切換り)の状態におけるシャッタ装置の正面図。
【図18】チャージ動作後半の状態におけるシャッタ装置の正面図。
【図19】チャージ動作完了直前の状態におけるシャッタ装置の正面図。
【図20】オーバーチャージ状態におけるシャッタ装置の正面図。
【図21】従来技術のチャージ機構全体を表した斜視図。
【図22】従来技術のチャージ機構におけるチャージ動作開始状態を表す平面図。
【図23】従来技術のチャージ機構におけるチャージ動作前半の状態を表す平面図。
【図24】従来技術のチャージ機構におけるチャージ動作中間(軸切換り)の状態を表す平面図。
【図25】従来技術のチャージ機構におけるチャージ動作後半の状態を表す平面図。
【図26】従来技術のチャージ機構におけるチャージ動作完了の状態を表す平面図。
【図27】従来技術のチャージ機構においてチャージ入力部材とレバー部材との関係を示した平面図。
【符号の説明】
1、201、401…レバー部材
2a1、201d1…第1の軸
2a2、201d2…第2の軸
1b、201b、401b…入力ピン
1c、201c、401c…出力側腕部
1d1、202a1…第1の軸受け部
1d2、202a2…第2の軸受け部
3、203、403…被駆動部材
6、206、406…チャージ入力レバー
P1〜P5、P10〜P50…負荷

Claims (11)

  1. 所定方向に付勢される被駆動部材と、駆動源からの駆動力を入力部で受けて回転可能であるとともに、前記被駆動部材に当接して前記被駆動部材をチャージ可能なレバー部材とを備えた駆動装置において、
    前記レバー部材が、第1の軸部に係合して、この軸周りに回転可能な第1の軸受け部と、第2の軸部に係合して、この軸周りに回転可能な第2の軸受け部とを有し、前記レバー部材の回転途中で、前記第1の軸部との係合から前記第2の軸部との係合に切り換わることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記レバー部材における前記第1の軸部および前記第2の軸部回りの回転角度の総和が、チャージ動作開始時の前記第1の軸部と前記入力部とを結ぶ直線と前記入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度と、チャージ動作完了時の前記第2の軸部と前記入力部とを結ぶ直線と前記入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度との和よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記入力部に当接して、前記レバー部材に駆動力を伝達可能な伝達部材を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の駆動装置。
  4. 前記第1の軸受け部および前記レバー部材の入力部間の距離が、前記第2の軸受け部および前記レバー部材の入力部間の距離と略等しいことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の駆動装置。
  5. 前記第1の軸受け部および前記第2の軸受け部が、前記被駆動部材および前記レバー部材の当接点における駆動力の伝達方向と略平行となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  6. 所定方向に付勢される被駆動部材と、駆動源からの駆動力を入力部で受けて回転可能であるとともに、前記被駆動部材に当接して前記被駆動部材をチャージ可能なレバー部材とを備えた駆動装置において、
    前記レバー部材が、第1の軸受け部に係合して回転中心となる第1の軸部と、第2の軸受け部に係合して回転中心となる第2の軸部とを有し、
    前記レバー部材の回転途中で、前記第1の軸受け部との係合から前記第2の軸受け部に切り換わることを特徴とする駆動装置。
  7. 前記レバー部材における前記第1の軸受け部および前記第2の軸受け部回りの回転角度の総和が、チャージ動作開始時の前記第1の軸受け部中心と前記入力部とを結ぶ直線と前記入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度と、チャージ動作完了時の前記第2の軸受け部中心と前記入力部とを結ぶ直線と前記入力部に伝達される力方向と直交する直線とがなす角度との和よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
  8. 前記入力部に当接して、前記レバー部材に駆動力を伝達可能な伝達部材を備えたことを特徴とする請求項6又は7に記載の駆動装置。
  9. 前記第1の軸部および前記レバー部材の入力部間の距離が、前記第2の軸部および前記レバー部材の入力部間の距離と略等しいことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の駆動装置。
  10. 前記第1の軸部および前記第2の軸部が、前記被駆動部材および前記レバー部材の当接点における駆動力の伝達方向と略平行となるように配置されていることを特徴とする請求項6に記載の駆動装置。
  11. 前記第1の軸部および前記第1の軸受け部の係合位置と、前記第2の軸部および前記第2の軸受け部の係合位置とが、これら回転軸の軸方向における異なる位置にあることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の駆動装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008157356A (ja) * 2006-12-25 2008-07-10 Atox Co Ltd 上下2個所解除式の足場組立用フック
JP2019184039A (ja) * 2018-04-17 2019-10-24 株式会社ダイフク リンク機構、揺動機構、及びこれらを用いた物品収納設備

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