JP2004108466A - 銅系軸受材料 - Google Patents
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Abstract
【構成】裏金3がTi又はTi合金で構成されると共に、銅系軸受層2との間にFe又はFe−Cr合金からなる中間層4を設けたことにより、金属間化合物となりやすい金属又はガスとTi又はTi合金とが直接接することを防ぎ、金属間化合物又はガスとの化合物の生成を抑えることができる。更に、中間層4に用いたFe及びCrはCu合金の焼結や圧接後の熱処理温度ではTiとの金属間化合物を生成しにくいため、焼結及び熱処理が可能となり、安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法により銅系軸受材料1の強度を落とすことなくTi又はTi合金を裏金3に用いた銅系軸受材料1の製造が可能となる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、裏金の一側面に銅又は銅合金からなる銅系軸受層を固着してなる銅系軸受材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関のコネクティングロッド用銅系軸受材料は、例えば、特開平6−159367号公報に示されるように、低炭素鋼上に銅合金粉末を焼結したものが知られている。そして内燃機関の中でも特に軽量化及び高出力が要求される用途の内燃機関のコネクティングロッドには軽量で強度が高いチタン合金製のものが使用されている。コネクティングロッドに用いる軸受は、軸受の外形をコネクティングロッド内径より若干大きくし、締め代を持たせてコネクティングロッドに組み付け、軸受半径方向に一定以上の応力を発生させることによりハウジングに固定し、軸との供回りやハウジングから抜け出ることを防いでいる。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−159367号公報(段落0014)
通常、軸受の締め代は、内燃機関の常用運転時の軸受部温度で適正な半径方向応力が発生するように設計されるが、チタン合金コネクティングロッドと従来の鋼裏金軸受の組み合わせであるとチタン合金と鋼の熱膨張率が異なるため軸受部温度が変化すると半径方向応力も変化する。自動車用等、大部分の内燃機関は長時間連続的に運転する場合よりも、運転、停止が繰り返されるような運転条件の場合のほうが多い。この場合、運転開始から常用運転温度に達する間は適正な軸受半径方向応力以下で運転されるため、軸受の軸との供回りやコネクティングロッドからの抜け出しが起こりやすいという問題がある。さらに、軸受半径方向応力によりコネクティングロッド内径が拡大するが、この拡大量も軸受部温度により変化するのでコネクティングロッド組み込み時の軸受内径が変化することになる。また、軸受設計上、最も重要な要素の一つとして軸受内径と軸とのクリアランスがあり、このクリアランスも内燃機関の常用運転時の軸受部温度にて適正な値となるように設計されるが、内燃機関の運転開始から常用運転温度に達するまでの間は適正クリアランス以下となるため、軸と軸受内面が接触し焼きつきが起こりやすいという問題もある。これらの問題を解決するには、コネクティングロッドと同等な熱膨張を有するチタン又はチタン合金裏金軸受が必要とされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、金属の中でも活性な金属であるチタン及びチタン合金は一般的な内燃機関用銅系軸受材料である銅鉛合金、鉛青銅、青銅の主成分、添加成分、不純物である銅、鉛、スズ、ニッケル、銀、リン等と容易に金属間化合物となり、又、焼結や熱処理に必要な還元性ガスや不活性ガスの成分である水素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭素とも容易に化合物となるか大量に固溶し脆化するため、最も大量生産に適し、安価に製造できる連続焼結法や連続ロール圧接法によるチタン又はチタン合金裏金付銅系軸受材料がなかった。
【0005】
一方、チタン及びチタン合金裏金付銅系軸受材料は、HIP等真空雰囲気にて軸受層である銅合金成分と裏金層のチタン及びチタン合金との化合物の生成速度を遅らせ、低温で長時間焼結することにより製造できる可能性はあるが、生産性が非常に悪く、高価となるため実用化は困難である。他にも、チタン又はチタン合金上に銅合金粉末を溶射する方法が挙げられるが、素地と溶射粉末の接着がほぼ機械的な接着であるため化合物はできにくいものの、溶射法の中では最も素地と溶射金属層の接着力が高く、溶射層中の空孔が少なくできるとされる高速ガス溶射法を用いても従来の鋼上に銅合金を焼結したものより接着力は弱いという欠点がある。さらに、高速ガス溶射法では銅合金層中の空孔も多くなるという欠点もある。また、従来の焼結及び圧接法による銅合金層中には酸化物はほとんど含まれていないが、溶射法による銅合金層中には酸化物を多く含むため銅合金層中の強度も弱くなるという欠点もある。本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、大量生産に適し、安価に製造できる連続焼結法及び連続ロール圧接法によるチタン又はチタン合金裏金付銅系軸受材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、裏金の一側面に銅(Cu)又は銅(Cu)合金からなる銅系軸受層を固着してなる銅系軸受材料において、前記裏金は、チタン(Ti)又はチタン(Ti)合金で構成されると共に、前記銅系軸受層との間に鉄(Fe)又は鉄(Fe)−クロム(Cr)合金からなる中間層を設けたことを特徴とする。このように構成することにより、銅系軸受層と裏金との間にFe又はFe−Cr合金からなる中間層を設けたため、金属間化合物となりやすい金属又はガスとTi又はTi合金とが直接接することを防ぎ、金属間化合物又はガスとの化合物の生成を抑えることができる。更に、中間層に用いたFe及びCrはCu合金の焼結や圧接後の熱処理温度ではTiとの金属間化合物を生成しにくいため、焼結及び熱処理が可能となり、安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法により銅系軸受材料の強度を落とすことなくTi又はTi合金を裏金に用いた銅系軸受材料の製造が可能となる。
【0007】
また、請求項2に係る発明においては、前記裏金の他側面に前記中間層と同一成分の背面層を固着したことを特徴とする。このように構成することにより、銅系軸受層が積層されない裏金の他側面が中間層と同一成分の背面層によって覆われるため、Ti又はTi合金と焼結やロール圧接後の熱処理に必要な還元性ガス、不活性ガス成分であるN2、H2、CO、CO2等と反応して化合物を生成したり、大量に固溶して脆化したりすることがなくなり、還元性ガス、不活性ガス中で加熱することができ、Ti又はTi合金を裏金に用いた銅系軸受材料が大量生産に向き安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法を利用して製造することが可能となる。
【0008】
また、請求項3に係る発明においては、前記中間層は、Fe又はFe−Cr合金に含有される炭素(C)、硫黄(S)及びリン(P)の合計が0.5質量%以下であることを特徴とする。このように構成することにより、金属間化合物となりやすい成分を少量しか含まないため、金属間化合物が生成してもその量が少なく、Ti又はTi合金からなる裏金とFe又はFe−Cr合金からなる中間層との接着力を低下させることがない。即ち、C、S及びPの合計が0.5質量%を超えると、Ti又はTi合金とFe又はFe−Cr合金界面でのTiとC,S,Pとの化合物が多く生成され、接着力が低くなりすぎてしまう。
【0009】
また、請求項4に係る発明においては、前記背面層は、Fe又はFe−Cr合金に含有される炭素(C)、硫黄(S)及びリン(P)の合計が0.5質量%以下であることを特徴とする。このように構成することにより、金属間化合物となりやすい成分を少量しか含まないため、金属間化合物が生成してもその量が少なく、Ti又はTi合金からなる裏金とFe又はFe−Cr合金からなる背面層との接着力を低下させることがない。即ち、C、S及びPの合計が0.5質量%を超えると、Ti又はTi合金とFe又はFe−Cr合金界面でのTiとC,S,Pとの化合物が多く生成され、接着力が低くなりすぎてしまう。
【0010】
また、請求項5に係る発明においては、前記中間層及び背面層は、それぞれ1μm以上の厚みを有し、且つ前記裏金の厚さの20%以下であることを特徴とする。このように構成することにより、中間層及び背面層に破断部ができにくくしてTi又はTi合金や銅系軸受層と還元性ガス又は不活性ガスとが直接接触することを防ぐことができる一方、中間層及び背面層におけるTi又はTi合金からなる裏金に対する厚さを薄くしたため、Ti又はTi合金からなる裏金の熱膨張率をTi合金製コンロッドの熱膨張率とほぼ同等の熱膨張率に維持することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面及び表を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る銅系軸受材料1の断面の模式図である。
【0012】
銅系軸受材料1は、図1に示すように銅又は銅合金からなる銅系軸受層2と、銅系軸受層2を固着するTi又はTi合金からなる裏金3と、からなる。裏金3と銅系軸受層2との間には、中間層4が設けられている。更に裏金3の中間層4が設けられない他側面に背面層5が設けられている。
【0013】
次に本実施形態に用いた銅系焼結軸受材料1の作製方法及び銅系軸受層2と裏金3の接着力測定について表1、図2を参照して説明する。表1は本実施形態に用いた銅系軸受材料1の組成及び接着力試験結果である。図2は接着力測定用試験片7の模式図である。
【0014】
【表1】
【0015】
実施例のNo.1〜3の試料は、予め表1の組成のTi又はTi合金からなる裏金3に中間層4、背面層5として表1の組成のFeまたはFe−Cr合金を厚さがそれぞれ20μmとなり総厚が1.35mmとなるように圧接したものを用いた。この裏金3上に銅系軸受層2としてアトマイズ法により製造した組成がCu−10質量%Snの青銅粉(−60メッシュ)を0.8mmの厚さで散布し、還元性雰囲気を有する焼結炉にて温度850℃で20分焼結後、ロールで冷間圧延を施し、再び同一条件で焼結及び圧延を施すことにより中間層4、背面層5の厚さがそれぞれ約15μm、総厚が1.5mmとなるように銅系軸受材料1を作製した。
【0016】
実施例のNo.4の試料は予め裏金3のTiに中間層4、背面層5としてFeを厚さが40μmとなり総厚が2.0mmとなる様にロール圧接したものを用い、銅系軸受層2として組成がCu−10質量%Snで厚さが0.7mmの青銅板をロール圧接後、還元性雰囲気を有する焼結炉にて温度700℃で30分の熱処理を施し、その後、ロールで5%の冷間圧延を施して、中間層4、背面層5の厚さがそれぞれ約15μm、総厚が1.5mmとなるように銅系軸受材料1を作製した。
【0017】
比較例のNo.1は、裏金3に従来の一般的な銅系軸受材料でありS10C相当の組成の鋼を用い、比較例のNo.2は裏金3としてTiを用いた。比較例のNo.1及び2は、中間層4、背面層5を設けていない以外は実施例のNo.1〜3と同じ焼結方法で銅系軸受材料1を作製した。
【0018】
比較例のNo.3は、比較例のNo.2の試料に中間層4、背面層5を設けた以外は同じ方法で作製したものであるが、中間層4、背面層5として本発明範囲外であるC,S,Pを総量で0.6質量%含むFe−Cr合金層を用いた銅系軸受材料1を作製した。
【0019】
上記の方法により作製された銅系軸受材料1を、図2に示す試験片7に加工した。試験片7には、円形の開口8が2つ設けられ、その円形開口8を引張試験機にて引っ張ることにより銅系軸受層2と裏金3との接着力を測定した。試験結果を表1に示す。
【0020】
表1から明らかなように、本実施形態におけるTi又はTi合金からなる裏金3、Fe又はFe−Cr合金からなる中間層4及び背面層5、銅系軸受層2からなる銅系軸受材料1は従来の一般的な低炭素鋼裏金付銅系軸受材料である比較例1に対し、銅系軸受層2と裏金3との接着力は同等以上であることがわかる。
【0021】
比較例のNo.2は、銅系軸受層2とTiからなる裏金3が直接接触した状態で焼結されたものであるが、銅系軸受層2と裏金3との界面部に金属間化合物が多量に生成し、接着力測定試験片加工時に剥離してしまい接着力測定を行うことができなかった。
【0022】
比較例のNo.3は、中間層4、背面層5として用いたFe−Cr合金が本発明範囲外であるC,S,Pを総量で0.6質量%含むもので、焼結時の加熱により裏金3のTiと中間層4及び背面層5のFe−Cr合金層界面でC,S,PとTiの化合物が多く生成している。そのため、接着力測定では、C,S,PとTiの化合物から剥離がおき、従来の一般的な低炭素鋼裏金付銅系軸受材料である比較例のNo.1に対して銅系軸受層2と裏金3との接着力は低くなった。
【0023】
以上、実施形態に係る銅系軸受材料1の構造及び作用について説明してきたが、本実施形態によれば、裏金3の一側面にCu又はCu合金からなる銅系軸受層2を固着してなる銅系軸受材料1において、前記裏金3は、Ti又はTi合金で構成されると共に、前記銅系軸受層2との間にFe又はFe−Cr合金からなる中間層4を設けたことにより、金属間化合物となりやすい金属又はガスとTi又はTi合金とが直接接することを防ぎ、金属間化合物又はガスとの化合物の生成を抑えることができる。更に、中間層4に用いたFe及びCrはCu合金の焼結や圧接後の熱処理温度ではTiとの金属間化合物を生成しにくい性質があるため、焼結及び熱処理が可能となり、安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法により銅系軸受材料1の強度を落とすことなくTi又はTi合金を裏金3に用いた銅系軸受材料1の製造が可能となる。
【0024】
また、前記裏金3の他側面に前記中間層4と同一成分の背面層5を固着したことにより、銅系軸受層2が積層されない裏金3の他側面が中間層4と同一成分の背面層5によって覆われるため、Ti又はTi合金と焼結やロール圧接後の熱処理に必要な還元性ガス、不活性ガス成分であるN2、H2、CO、CO2等と反応して化合物を生成したり、大量に固溶して脆化したりすることがなくなり、還元性ガス、不活性ガス中で加熱することができ、Ti又はTi合金を裏金3に用いた銅系軸受材料1が大量生産に向き安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法を利用して製造することが可能となる。
【0025】
また、前記中間層4は、Fe又はFe−Cr合金に含有されるC、S及びPの合計が0.5質量%以下であることにより、金属間化合物となりやすい成分を少量しか含まないため、金属間化合物が生成してもその量が少なく、Ti又はTi合金からなる裏金とFe又はFe−Cr合金からなる中間層4との接着力を低下させることがない。
【0026】
また、前記背面層5は、Fe又はFe−Cr合金に含有されるC、S及びPの合計が0.5質量%以下であることにより、金属間化合物となりやすい成分を少量しか含まないため、金属間化合物が生成してもその量が少なく、Ti又はTi合金からなる裏金とFe又はFe−Cr合金からなる背面層5との接着力を低下させることがない。
【0027】
また、前記中間層4及び背面層5は、それぞれ1μm以上の厚みを有し、且つ前記裏金3の厚さの20%以下であることにより、中間層4及び背面層5に破断部ができにくくしてTi又はTi合金や銅系軸受層2と還元性ガス又は不活性ガスとが直接接触することを防ぐことができる一方、中間層4及び背面層5におけるTi又はTi合金からなる裏金3に対する厚さを薄くしたため、Ti又はTi合金からなる裏金3の熱膨張率をTi合金製コンロッドの熱膨張率とほぼ同等の熱膨張率に維持することができる。
【0028】
なお、本発明に用いる裏金3のTi合金は、以下に示す1種又は複数種の元素をTiに含む組成であっても良い。
【0029】
元素 添加量
バナジウム(V) :25質量%以下
モリブデン(Mo) :16質量%以下
アルミニウム(Al) :8質量%以下
スズ(Sn) :5質量%以下
ジルコニウム(Zr) :7質量%以下
鉄(Fe) :5質量%以下
クロム(Cr) :12質量%以下
ケイ素(Si) :0.5質量%以下
鉛(Pd) :0.25質量%以下
また、本実施形態における銅系焼結軸受材料1は、銅系軸受層2と裏金3とからなるバイメタルタイプであるが、これに限定されるものではなく、例えば銅系軸受層2の上部表面にオーバレイ層を設けたものであってもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したところから明らかなように、請求項1の発明においては銅系軸受層と裏金との間にFe又はFe−Cr合金からなる中間層を設けたため、金属間化合物となりやすい金属又はガスとTi又はTi合金とが直接接することを防ぎ、金属間化合物又はガスとの化合物の生成を抑えることができる。更に、中間層に用いたFe及びCrはCu合金の焼結や圧接後の熱処理温度ではTiとの金属間化合物を生成しにくいため、焼結及び熱処理が可能となり、安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法により銅系軸受材料の強度を落とすことなくTi又はTi合金を裏金に用いた銅系軸受材料の製造が可能となる。
【0031】
また、請求項2の発明においては、銅系軸受層が積層されない裏金の他側面が中間層と同一成分の背面層によって覆われるため、Ti又はTi合金と焼結やロール圧接後の熱処理に必要な還元性ガス、不活性ガス成分であるN2、H2、CO、CO2等と反応して化合物を生成したり、大量に固溶して脆化したりすることがなくなり、還元性ガス、不活性ガス中で加熱することができ、Ti又はTi合金を裏金に用いた銅系軸受材料が大量生産に向き安価に製造できる連続焼結法又は連続ロール圧接法を利用して製造することが可能となる。
【0032】
また、請求項3の発明においては、金属間化合物となりやすい成分を少量しか含まないため、金属間化合物が生成してもその量が少なく、Ti又はTi合金からなる裏金とFe又はFe−Cr合金からなる中間層との接着力を低下させることがない。
【0033】
また、請求項4の発明においては、金属間化合物となりやすい成分を少量しか含まないため、金属間化合物が生成してもその量が少なく、Ti又はTi合金からなる裏金とFe又はFe−Cr合金からなる背面層との接着力を低下させることがない。
【0034】
また、請求項5の発明においては、中間層及び背面層に破断部ができにくくしてTi又はTi合金や銅系軸受層と還元性ガス又は不活性ガスとが直接接触することを防ぐことができる一方、中間層及び背面層におけるTi又はTi合金からなる裏金に対する厚さを薄くしたため、Ti又はTi合金からなる裏金の熱膨張率をTi合金製コンロッドの熱膨張率とほぼ同等の熱膨張率に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る銅系軸受材料1の断面の模式図である。
【図2】接着力測定用試験片の模式図である。
【符号の説明】
1 銅系軸受材料
2 銅系軸受層
3 裏金
4 中間層
5 背面層
Claims (5)
- 裏金の一側面に銅又は銅合金からなる銅系軸受層を固着してなる銅系軸受材料において、
前記裏金は、チタン又はチタン合金で構成されると共に、前記銅系軸受層との間に鉄又は鉄−クロム合金からなる中間層を設けたことを特徴とする銅系軸受材料。 - 前記裏金の他側面に前記中間層と同一成分の背面層を固着したことを特徴とする請求項1記載の銅系軸受材料。
- 前記中間層は、鉄又は鉄−クロム合金に含有される炭素、硫黄及びリンの合計が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の銅系軸受材料。
- 前記背面層は、鉄又は鉄−クロム合金に含有される炭素、硫黄及びリンの合計が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の銅系軸受材料。
- 前記中間層及び背面層は、それぞれ1μm以上の厚みを有し、且つ前記裏金の厚さの20%以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の銅系軸受材料。
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