JP2004107118A - グラファイトナノファイバの作製方法、電子放出源及び表示素子 - Google Patents
グラファイトナノファイバの作製方法、電子放出源及び表示素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004107118A JP2004107118A JP2002270104A JP2002270104A JP2004107118A JP 2004107118 A JP2004107118 A JP 2004107118A JP 2002270104 A JP2002270104 A JP 2002270104A JP 2002270104 A JP2002270104 A JP 2002270104A JP 2004107118 A JP2004107118 A JP 2004107118A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- graphite nanofiber
- graphite
- substrate
- producing
- nanofiber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82B—NANOSTRUCTURES FORMED BY MANIPULATION OF INDIVIDUAL ATOMS, MOLECULES, OR LIMITED COLLECTIONS OF ATOMS OR MOLECULES AS DISCRETE UNITS; MANUFACTURE OR TREATMENT THEREOF
- B82B3/00—Manufacture or treatment of nanostructures by manipulation of individual atoms or molecules, or limited collections of atoms or molecules as discrete units
-
- D—TEXTILES; PAPER
- D01—NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
- D01F—CHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
- D01F9/00—Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments
- D01F9/08—Artificial filaments or the like of other substances; Manufacture thereof; Apparatus specially adapted for the manufacture of carbon filaments of inorganic material
- D01F9/12—Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof
- D01F9/127—Carbon filaments; Apparatus specially adapted for the manufacture thereof by thermal decomposition of hydrocarbon gases or vapours or other carbon-containing compounds in the form of gas or vapour, e.g. carbon monoxide, alcohols
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y30/00—Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B25/00—Single-crystal growth by chemical reaction of reactive gases, e.g. chemical vapour-deposition growth
- C30B25/02—Epitaxial-layer growth
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C30—CRYSTAL GROWTH
- C30B—SINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
- C30B29/00—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
- C30B29/60—Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape characterised by shape
- C30B29/605—Products containing multiple oriented crystallites, e.g. columnar crystallites
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J1/00—Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
- H01J1/02—Main electrodes
- H01J1/30—Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J1/00—Details of electrodes, of magnetic control means, of screens, or of the mounting or spacing thereof, common to two or more basic types of discharge tubes or lamps
- H01J1/02—Main electrodes
- H01J1/30—Cold cathodes, e.g. field-emissive cathode
- H01J1/304—Field-emissive cathodes
- H01J1/3042—Field-emissive cathodes microengineered, e.g. Spindt-type
- H01J1/3044—Point emitters
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
- H01J9/022—Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes
- H01J9/025—Manufacture of electrodes or electrode systems of cold cathodes of field emission cathodes
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y20/00—Nanooptics, e.g. quantum optics or photonic crystals
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J2201/00—Electrodes common to discharge tubes
- H01J2201/30—Cold cathodes
- H01J2201/304—Field emission cathodes
- H01J2201/30446—Field emission cathodes characterised by the emitter material
- H01J2201/30453—Carbon types
- H01J2201/30469—Carbon nanotubes (CNTs)
Abstract
【課題】エミッタに利用しても短絡を生じさせず、FEDを作製する際の発光点の斑改善を可能とするグラファイトナノファイバの作製方法、及び得られたグラファイトナノファイバを利用した電子放出源、表示素子の提供。
【解決手段】所定の膜厚を有する触媒層が形成された基板上に炭素供給ガスと水素ガスとからなる混合ガスを導入し、基板上に、膜厚の制御されたグラファイトナノファイバ層とノンファイバ層とからなるグラファイトナノファイバを形成する。触媒としてFe、Co又はこれらの金属を少なくとも1種類含む合金を用い、また、350〜650℃で、1〜60分間成長させる。得られるグラファイトナノファイバを利用して電子放出源及び表示素子を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】所定の膜厚を有する触媒層が形成された基板上に炭素供給ガスと水素ガスとからなる混合ガスを導入し、基板上に、膜厚の制御されたグラファイトナノファイバ層とノンファイバ層とからなるグラファイトナノファイバを形成する。触媒としてFe、Co又はこれらの金属を少なくとも1種類含む合金を用い、また、350〜650℃で、1〜60分間成長させる。得られるグラファイトナノファイバを利用して電子放出源及び表示素子を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラファイトナノファイバの作製方法、並びに得られたグラファイトナノファイバを利用した電子放出源及び表示素子に関するものである。特に、基板上に形成された触媒層の膜厚を変化させて全体膜厚を制御できるグラファイトナノファイバを作製する方法、並びに得られたグラファイトナノファイバを利用した電子放出源及び電界放出形表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、グラファイトナノファイバは、電子放出源、水素貯蔵、リチウム(Li)イオン電池等の部材となり得ることが期待されている。
従来のグラファイトナノファイバの作製方法として、例えば、一酸化炭素又は二酸化炭素ガスと水素ガスとを用いて反応させる方法がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−288625号公報(請求項6、第4頁第6欄)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に従って一酸化炭素と水素ガスとを用いてグラファイトナノファイバを作製すると、カールしたファイバが得られる。このカールの形状(曲がり具合)は、各々のファイバで均一でない。また、カールしたファイバは電場の影響で電極側に引き寄せられ、形状変化を起こす可能性がある。このような現象のため、グラファイトナノファイバを3極構造FED(Field Emission Display)のエミッタに利用した場合、エミッタ−ゲート電極間での短絡が危惧される。この短絡は、FEDを作製する上で、発光点の斑など品質に大きく影響を与える。そのため、エミッタに利用しても短絡を生じさせないグラファイトナノファイバの作製方法が求められている。
【0005】
本発明は、上記した従来のカーボンナノファイバ作製方法の問題点を解決するためになされたものであり、例えば、エミッタ等に利用しても短絡を生じさせず、FEDを作製する際の発光点の斑改善を可能としたカーボンナノファイバの作製方法、並びに得られたカーボンナノファイバを利用した電子放出源及び表示素子を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のグラファイトナノファイバの作製方法は、グラファイトナノファイバ成長触媒層が形成された基板上に原料ガスを導入し、熱CVD法等のCVD法により、グラファイトナノファイバを作製する方法であって、所定の膜厚を有する該触媒層を形成し、次いで、該基板の触媒層上に、全体膜厚の制御されたグラファイトナノファイバ層とファイバでないノンファイバ層とからなるグラファイトナノファイバを形成することを特徴とする。
【0007】
基板上のグラファイトナノファイバ成長触媒層の触媒は、Fe、Co又はこれらの金属の少なくとも1種類を含む合金である。
原料ガスは、炭素供給ガスであるアセチレン、一酸化炭素又は二酸化炭素と水素ガスとの混合ガスであることが好ましい。
上記混合ガス中の炭素供給ガスの割合は、10容量%〜80容量%であることが好ましい。10容量%未満及び80容量%を超えると、グラファイトナノファイバの成長速度が極端に遅くなる。
【0008】
前記グラファイトナノファイバの作製を、350℃から650℃までの温度で行い、また、1分から60分までの時間で行うことが好ましい。この温度が350℃未満であると、グラファイトナノファイバの成長速度が極端に遅くなり、また、650℃を超えると、工業応用を考えた場合、熱エネルギーのコストがかかるという問題がある。また、作製時間が1分未満であると、反応を制御することが困難であり、60分を超えると、コストとタクトタイムがかかりすぎるからである。
本発明のグラファイトナノファイバの作製方法はまた、上記触媒層の触媒金属からなるラインを、スパッタ法等の既知方法により、例えばガラス基板及びSiウエハー等のグラファイトナノファイバを作製できない基板上に形成し、その後、熱CVD法等のCVD法により、形成された金属のライン上のみにグラファイトナノファイバを選択的に作製してもよい。
【0009】
本発明の電子放出源は、電極基板表面上に、又はパターニングされた電極基板表面のパターン化部分の上に設けられた炭素膜からなる電子放出源であって、この炭素膜が、上記方法により作製されたグラファイトナノファイバを有するものであることを特徴とする。
本発明の電界放出形表示素子は、パターニングされた陰極基板表面のパターン化部分に、上記方法により作製されたグラファイトナノファイバを設けてなる電子放出源である陰極と、このグラファイトナノファイバに対向して所定の距離を置いて配置され、蛍光体及び所定形状にパターニングされた透明導電膜を有する陽極とを有する電界放出形表示素子であって、グラファイトナノファイバと透明導電膜とを選択して電圧を印加すると、グラファイトナノファイバから電子が放出されて、蛍光体の特定の部分のみが発光するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、グラファイトナノファイバ成長触媒層の膜厚を調整することで、全体膜厚やノンファイバ層厚みを制御することができ、膜厚の制御されたグラファイトナノファイバを作製することができる。グラファイトナノファイバの膜厚を任意に制御できるため、膜厚に応じて種々の大きさの電子放出源、表示素子等を作製することが可能となる。すなわち、このように触媒層厚みを変化させることで作製される全体膜厚の制御されたグラファイトナノファイバを利用して、例えば、高さの制御された電子放出源、エミッタ部の高さの制御された表示素子等を作製することができる。電界放出形表示素子の場合、エミッタ−ゲート電極間距離を適切に確保できるので、発光点の斑改善につながる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明によれば、グラファイトナノファイバは、例えば、電気炉を備えた熱CVD装置内に、Fe、Co、又はこれらの金属を少なくとも1種類含む合金を含む触媒層を形成した基板を載置し、装置内を減圧状態に保った後、装置内に一酸化炭素、二酸化炭素等のような炭素含有ガスからなる炭素供給ガス及び水素ガスを導入して、好ましくは6500〜133000Pa(50〜1000Torr)の圧力とし、基板の耐熱温度を超えない程度の成膜温度、好ましくは350℃〜650℃の温度で、所定の時間基板上にグラファイトナノファイバを含む層を成長させることにより作製することができる。圧力が、6500Pa未満では、グラファイトナノファイバの成長が見られず、133000Paを超えるようにすると、装置コストが高くなる。
上記のように基板上にグラファイトナノファイバを堆積させたものが電子放出源となる。また、得られたグラファイトナノファイバをディスプレイ用として利用する場合、ガラス基板等の基板の耐熱温度を超えないような温度で、グラファイトナノファイバを成長させることが必要である。
【0012】
基板上に成長せしめたグラファイトナノファイバは、図1及び2に示すように、所定の厚さの触媒層の上に形成されたノンファイバ層と、このノンファイバ層の上に形成されたグラファイトナノファイバ層とからなる。なお、触媒層の厚さが薄い場合(20nm未満)は、ノンファイバ層は形成されず、グラファイトナノファイバ層のみである。
基板上に上記したようなグラファイトナノファイバを成膜することで、炭素系電子放出源からの電界電子放出特性について、高性能化することが可能になる。具体的には、従来のカーボンナノチューブと同程度の印加電圧で、より高電流密度の電子放出が可能になり、CRT用電子源に使用できる程度まで十分な高電流密度の電子放出が得られる。
【0013】
本発明において電子放出源を構成する炭素膜は陰極基板表面上に成膜される。パターニングされた陰極基板表面のパターン化部分の上に成膜された炭素膜の場合には、陰極基板表面上に公知の感光性樹脂液を塗布して行うフォトリソグラフ工程によって、又は印刷工程等によって表面に所望のパターニングが施された陰極基板を得、次いでこの特定のパターン化部分に上記のようにしてグラファイトナノファイバを成長させ、所望のパターン形状の炭素膜を成膜して、これを電子放出源とすることができる。
【0014】
グラファイトナノファイバの粉末を、基板上に作製されたグラファイトナノファイバを基板から採取し、回収することにより得ることができる。この粉末を、例えば銀ペースト等の導電性ペーストに分散させてペーストを調製し、このペーストを電極基板上に塗布し、乾燥することで、グラファイトナノファイバを電極基板の所定の場所に付着せしめるか、又は粉末を公知の導電性溶媒に分散させて調製した分散液に電極基板を浸し、電着法によってグラファイトナノファイバを電極基板の所定の場所に付着せしめることにより電子放出源である冷陰極源を作製することもできる。このように粉末として取り扱うことで、印刷法や電着法により、目的に応じた所望のパターンを有する電子放出源(冷陰極源)を容易に作製することもできる。
【0015】
本発明の表示素子は、電界放出形であり、上記したような所望のパターン形状を有するグラファイトナノファイバからなる炭素膜を有する電子放出源を備えているので、蛍光体を所望形状にパターニングされた透明導電膜と組み合わせれば、目的に応じて、蛍光体の特定の部分のみを発光させることができる。
【0016】
この電界放出形表示素子は、例えば、次のような工程で製造することができる。まず、陰極基板に上記グラファイトナノファイバからなる電界放出源である陰極を形成し、陽極基板に陽極を形成する。この陰極基板と陽極基板とを、所定の距離をおいて互いに対向させて固定し、次いで、陰極基板と陽極基板との両基板の周囲を、内部を高真空状態にして封着し、最後に排気孔を封止して、表示素子を作製する。
【0017】
得られた表示素子において、陰極基板の陽極基板側の表面に電界放出陰極が形成され、また、陽極基板の陰極基板側の表面に陽極導体が蛍光体層で覆われて形成され、発光表示部である陽極として機能する。この陽極導体は、例えば、Al、Ag、Cu、Au、Nb、Ta、Mo、W、In、Sn等から作製される。陽極基板と陽極導体との間にはSiN、TiO2 、SiON等からなる絶縁性遮蔽膜が形成されていてもよい。この遮蔽膜は、陽極基板から発生するガスを遮蔽し、内部雰囲気の悪化を防ぐ機能を有している。
陰極基板の内面には陰極導体が形成され、この陰極導体の上には絶縁層が形成され、この絶縁層の上にはゲート電極が形成されている。絶縁層とゲート電極とを貫通して空孔が開設され、空孔内の露出した陰極導体の上に、グラファイトナノファイバからなるエミッタが形成されている。
【0018】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
触媒としてインバー42を用い、スパッタ法によって、ガラス基板上に5、10、20、25、50nmの厚さの触媒層を成膜した。この触媒層を有するガラス基板を、熱CVD装置に入れ、装置内を1Paにした。その後、装置内にCO/H2比が50/50容量%のプロセスガスを大気圧になるまで導入した。基板を550℃に加熱し、その温度に保持して、15分間反応を行った。作製されたナノファイバは、直径約50nm、長さ1μmのグラファイトナノファイバ(GNF)であった。
このサンプルについて、走査型電子顕微鏡(SEM)断面写真から得られた触媒層厚みに対するノンファイバ(NF)層厚みとGNF厚みとの関係を表1に示す。表1中、NF層の割合(%)は、{NF厚/(NF厚+GNF厚)}×100に基づき算出した。
【0020】
(表1)
【0021】
表1に示すサンプルのうち、触媒層が10nmと薄いサンプルのSEM断面写真を図1に、また、触媒層厚みが50nmと厚いサンプルのSEM断面写真を図2に示す。図1及び2から、触媒層が薄い場合(図1)にはノンファイバ層が観測されず、これに対して、触媒層が厚い場合(図2)にはノンフアイバ層が1μm近く観測された。表1及び図1〜2から、触媒層が薄いとノンファイバ層も薄いことが確認された。
【0022】
(実施例2)
実施例1で得られたグラファイトナノファイバからなる電子放出源の特性を測定した。その結果、印加電圧が0.8V/μmに達したところで電子放出の開始が確認され、その後、印加電圧を大きくするに従って電子放出量が増加し、5V/μmで、10mA/cm2に達した。従来技術におけるカーボンナノチューブを用いる針状の電子放出源では、印加電圧3V/μmにおいて1mA/cm2の電子放出量であったが、本発明の電子放出源では、上記したように非常に小さい印加電圧で大きな電子放出量が得られた。
【0023】
(実施例3)
ガラス基板上に、スパッタ法を用いてFe膜を形成した後、フォトリソグラフィ等の技術を使ってFe膜のラインを形成し、このFeライン上にガラスリブを介してゲート電極を作製した。このようにゲート電極の作製された基板を、実施例1の場合と同じ熱CVD装置内に設置し、装置内を1Paにした。その後、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなるプロセスガスを装置内に導入し、1気圧でガスフローし、電気炉を用いて基板の温度を550℃にし、この温度で10分間反応させたところ、基板の表面に見えているFeライン上に実施例1の場合と同様にグラファイトナノファイバが成長した。
【0024】
上記のようにグラファイトナノファイバの成長した陰極基板と所定の蛍光体ラインを持つ陽極基板との周囲を、内部を真空状態にして封着し、表示素子を作製した。陽極に数kVの電圧を印加しながら、ゲート電極に電圧100Vを加えると、任意のドットから電子放出が確認された。
なお、上記実施例において、装置内の圧力を1気圧にしてグラファイトナノファイバを成長させたが、6500〜133000Paの範囲であれば、好適にグラファイトナノファイバを成長させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、触媒層厚みを調整することで、その上に形成されるノンファイバ層厚みを制御すると共に、グラファイトナノファイバ層厚みも制御することができた。このようにして全体膜厚を制御したグラファイトナノファイバ層を作製することができるので、このグラファイトナノファイバ層を有する基板を、例えば3極構造FEDエミッタとして利用する場合、ゲート電極に引き寄せられてゲート電極と短絡してしまう問題が解決でき、FEDの発光点斑の解決につながる。
【0026】
また、上記グラファイトナノファイバを利用することにより、従来のカーボンナノチューブでは達成できないか、又は達成困難である高電子放出密度、低電界電子放出性能の達成を可能にする炭素系電子放出源(冷陰極源)を作製し、提供することができる。
さらに、この電子放出源を用いれば、蛍光体の所望部分の発光を可能とする表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作製方法により得られたグラファイトナノファイバにおいて、触媒層が10nmと薄いサンプルのSEM写真。
【図2】本発明の作製方法により得られたグラファイトナノファイバにおいて、触媒層が50nmと厚いサンプルのSEM写真。
【発明の属する技術分野】
本発明は、グラファイトナノファイバの作製方法、並びに得られたグラファイトナノファイバを利用した電子放出源及び表示素子に関するものである。特に、基板上に形成された触媒層の膜厚を変化させて全体膜厚を制御できるグラファイトナノファイバを作製する方法、並びに得られたグラファイトナノファイバを利用した電子放出源及び電界放出形表示素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、グラファイトナノファイバは、電子放出源、水素貯蔵、リチウム(Li)イオン電池等の部材となり得ることが期待されている。
従来のグラファイトナノファイバの作製方法として、例えば、一酸化炭素又は二酸化炭素ガスと水素ガスとを用いて反応させる方法がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−288625号公報(請求項6、第4頁第6欄)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術に従って一酸化炭素と水素ガスとを用いてグラファイトナノファイバを作製すると、カールしたファイバが得られる。このカールの形状(曲がり具合)は、各々のファイバで均一でない。また、カールしたファイバは電場の影響で電極側に引き寄せられ、形状変化を起こす可能性がある。このような現象のため、グラファイトナノファイバを3極構造FED(Field Emission Display)のエミッタに利用した場合、エミッタ−ゲート電極間での短絡が危惧される。この短絡は、FEDを作製する上で、発光点の斑など品質に大きく影響を与える。そのため、エミッタに利用しても短絡を生じさせないグラファイトナノファイバの作製方法が求められている。
【0005】
本発明は、上記した従来のカーボンナノファイバ作製方法の問題点を解決するためになされたものであり、例えば、エミッタ等に利用しても短絡を生じさせず、FEDを作製する際の発光点の斑改善を可能としたカーボンナノファイバの作製方法、並びに得られたカーボンナノファイバを利用した電子放出源及び表示素子を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明のグラファイトナノファイバの作製方法は、グラファイトナノファイバ成長触媒層が形成された基板上に原料ガスを導入し、熱CVD法等のCVD法により、グラファイトナノファイバを作製する方法であって、所定の膜厚を有する該触媒層を形成し、次いで、該基板の触媒層上に、全体膜厚の制御されたグラファイトナノファイバ層とファイバでないノンファイバ層とからなるグラファイトナノファイバを形成することを特徴とする。
【0007】
基板上のグラファイトナノファイバ成長触媒層の触媒は、Fe、Co又はこれらの金属の少なくとも1種類を含む合金である。
原料ガスは、炭素供給ガスであるアセチレン、一酸化炭素又は二酸化炭素と水素ガスとの混合ガスであることが好ましい。
上記混合ガス中の炭素供給ガスの割合は、10容量%〜80容量%であることが好ましい。10容量%未満及び80容量%を超えると、グラファイトナノファイバの成長速度が極端に遅くなる。
【0008】
前記グラファイトナノファイバの作製を、350℃から650℃までの温度で行い、また、1分から60分までの時間で行うことが好ましい。この温度が350℃未満であると、グラファイトナノファイバの成長速度が極端に遅くなり、また、650℃を超えると、工業応用を考えた場合、熱エネルギーのコストがかかるという問題がある。また、作製時間が1分未満であると、反応を制御することが困難であり、60分を超えると、コストとタクトタイムがかかりすぎるからである。
本発明のグラファイトナノファイバの作製方法はまた、上記触媒層の触媒金属からなるラインを、スパッタ法等の既知方法により、例えばガラス基板及びSiウエハー等のグラファイトナノファイバを作製できない基板上に形成し、その後、熱CVD法等のCVD法により、形成された金属のライン上のみにグラファイトナノファイバを選択的に作製してもよい。
【0009】
本発明の電子放出源は、電極基板表面上に、又はパターニングされた電極基板表面のパターン化部分の上に設けられた炭素膜からなる電子放出源であって、この炭素膜が、上記方法により作製されたグラファイトナノファイバを有するものであることを特徴とする。
本発明の電界放出形表示素子は、パターニングされた陰極基板表面のパターン化部分に、上記方法により作製されたグラファイトナノファイバを設けてなる電子放出源である陰極と、このグラファイトナノファイバに対向して所定の距離を置いて配置され、蛍光体及び所定形状にパターニングされた透明導電膜を有する陽極とを有する電界放出形表示素子であって、グラファイトナノファイバと透明導電膜とを選択して電圧を印加すると、グラファイトナノファイバから電子が放出されて、蛍光体の特定の部分のみが発光するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、グラファイトナノファイバ成長触媒層の膜厚を調整することで、全体膜厚やノンファイバ層厚みを制御することができ、膜厚の制御されたグラファイトナノファイバを作製することができる。グラファイトナノファイバの膜厚を任意に制御できるため、膜厚に応じて種々の大きさの電子放出源、表示素子等を作製することが可能となる。すなわち、このように触媒層厚みを変化させることで作製される全体膜厚の制御されたグラファイトナノファイバを利用して、例えば、高さの制御された電子放出源、エミッタ部の高さの制御された表示素子等を作製することができる。電界放出形表示素子の場合、エミッタ−ゲート電極間距離を適切に確保できるので、発光点の斑改善につながる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明によれば、グラファイトナノファイバは、例えば、電気炉を備えた熱CVD装置内に、Fe、Co、又はこれらの金属を少なくとも1種類含む合金を含む触媒層を形成した基板を載置し、装置内を減圧状態に保った後、装置内に一酸化炭素、二酸化炭素等のような炭素含有ガスからなる炭素供給ガス及び水素ガスを導入して、好ましくは6500〜133000Pa(50〜1000Torr)の圧力とし、基板の耐熱温度を超えない程度の成膜温度、好ましくは350℃〜650℃の温度で、所定の時間基板上にグラファイトナノファイバを含む層を成長させることにより作製することができる。圧力が、6500Pa未満では、グラファイトナノファイバの成長が見られず、133000Paを超えるようにすると、装置コストが高くなる。
上記のように基板上にグラファイトナノファイバを堆積させたものが電子放出源となる。また、得られたグラファイトナノファイバをディスプレイ用として利用する場合、ガラス基板等の基板の耐熱温度を超えないような温度で、グラファイトナノファイバを成長させることが必要である。
【0012】
基板上に成長せしめたグラファイトナノファイバは、図1及び2に示すように、所定の厚さの触媒層の上に形成されたノンファイバ層と、このノンファイバ層の上に形成されたグラファイトナノファイバ層とからなる。なお、触媒層の厚さが薄い場合(20nm未満)は、ノンファイバ層は形成されず、グラファイトナノファイバ層のみである。
基板上に上記したようなグラファイトナノファイバを成膜することで、炭素系電子放出源からの電界電子放出特性について、高性能化することが可能になる。具体的には、従来のカーボンナノチューブと同程度の印加電圧で、より高電流密度の電子放出が可能になり、CRT用電子源に使用できる程度まで十分な高電流密度の電子放出が得られる。
【0013】
本発明において電子放出源を構成する炭素膜は陰極基板表面上に成膜される。パターニングされた陰極基板表面のパターン化部分の上に成膜された炭素膜の場合には、陰極基板表面上に公知の感光性樹脂液を塗布して行うフォトリソグラフ工程によって、又は印刷工程等によって表面に所望のパターニングが施された陰極基板を得、次いでこの特定のパターン化部分に上記のようにしてグラファイトナノファイバを成長させ、所望のパターン形状の炭素膜を成膜して、これを電子放出源とすることができる。
【0014】
グラファイトナノファイバの粉末を、基板上に作製されたグラファイトナノファイバを基板から採取し、回収することにより得ることができる。この粉末を、例えば銀ペースト等の導電性ペーストに分散させてペーストを調製し、このペーストを電極基板上に塗布し、乾燥することで、グラファイトナノファイバを電極基板の所定の場所に付着せしめるか、又は粉末を公知の導電性溶媒に分散させて調製した分散液に電極基板を浸し、電着法によってグラファイトナノファイバを電極基板の所定の場所に付着せしめることにより電子放出源である冷陰極源を作製することもできる。このように粉末として取り扱うことで、印刷法や電着法により、目的に応じた所望のパターンを有する電子放出源(冷陰極源)を容易に作製することもできる。
【0015】
本発明の表示素子は、電界放出形であり、上記したような所望のパターン形状を有するグラファイトナノファイバからなる炭素膜を有する電子放出源を備えているので、蛍光体を所望形状にパターニングされた透明導電膜と組み合わせれば、目的に応じて、蛍光体の特定の部分のみを発光させることができる。
【0016】
この電界放出形表示素子は、例えば、次のような工程で製造することができる。まず、陰極基板に上記グラファイトナノファイバからなる電界放出源である陰極を形成し、陽極基板に陽極を形成する。この陰極基板と陽極基板とを、所定の距離をおいて互いに対向させて固定し、次いで、陰極基板と陽極基板との両基板の周囲を、内部を高真空状態にして封着し、最後に排気孔を封止して、表示素子を作製する。
【0017】
得られた表示素子において、陰極基板の陽極基板側の表面に電界放出陰極が形成され、また、陽極基板の陰極基板側の表面に陽極導体が蛍光体層で覆われて形成され、発光表示部である陽極として機能する。この陽極導体は、例えば、Al、Ag、Cu、Au、Nb、Ta、Mo、W、In、Sn等から作製される。陽極基板と陽極導体との間にはSiN、TiO2 、SiON等からなる絶縁性遮蔽膜が形成されていてもよい。この遮蔽膜は、陽極基板から発生するガスを遮蔽し、内部雰囲気の悪化を防ぐ機能を有している。
陰極基板の内面には陰極導体が形成され、この陰極導体の上には絶縁層が形成され、この絶縁層の上にはゲート電極が形成されている。絶縁層とゲート電極とを貫通して空孔が開設され、空孔内の露出した陰極導体の上に、グラファイトナノファイバからなるエミッタが形成されている。
【0018】
【実施例】
次に、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
触媒としてインバー42を用い、スパッタ法によって、ガラス基板上に5、10、20、25、50nmの厚さの触媒層を成膜した。この触媒層を有するガラス基板を、熱CVD装置に入れ、装置内を1Paにした。その後、装置内にCO/H2比が50/50容量%のプロセスガスを大気圧になるまで導入した。基板を550℃に加熱し、その温度に保持して、15分間反応を行った。作製されたナノファイバは、直径約50nm、長さ1μmのグラファイトナノファイバ(GNF)であった。
このサンプルについて、走査型電子顕微鏡(SEM)断面写真から得られた触媒層厚みに対するノンファイバ(NF)層厚みとGNF厚みとの関係を表1に示す。表1中、NF層の割合(%)は、{NF厚/(NF厚+GNF厚)}×100に基づき算出した。
【0020】
(表1)
【0021】
表1に示すサンプルのうち、触媒層が10nmと薄いサンプルのSEM断面写真を図1に、また、触媒層厚みが50nmと厚いサンプルのSEM断面写真を図2に示す。図1及び2から、触媒層が薄い場合(図1)にはノンファイバ層が観測されず、これに対して、触媒層が厚い場合(図2)にはノンフアイバ層が1μm近く観測された。表1及び図1〜2から、触媒層が薄いとノンファイバ層も薄いことが確認された。
【0022】
(実施例2)
実施例1で得られたグラファイトナノファイバからなる電子放出源の特性を測定した。その結果、印加電圧が0.8V/μmに達したところで電子放出の開始が確認され、その後、印加電圧を大きくするに従って電子放出量が増加し、5V/μmで、10mA/cm2に達した。従来技術におけるカーボンナノチューブを用いる針状の電子放出源では、印加電圧3V/μmにおいて1mA/cm2の電子放出量であったが、本発明の電子放出源では、上記したように非常に小さい印加電圧で大きな電子放出量が得られた。
【0023】
(実施例3)
ガラス基板上に、スパッタ法を用いてFe膜を形成した後、フォトリソグラフィ等の技術を使ってFe膜のラインを形成し、このFeライン上にガラスリブを介してゲート電極を作製した。このようにゲート電極の作製された基板を、実施例1の場合と同じ熱CVD装置内に設置し、装置内を1Paにした。その後、水素ガスと二酸化炭素ガスとからなるプロセスガスを装置内に導入し、1気圧でガスフローし、電気炉を用いて基板の温度を550℃にし、この温度で10分間反応させたところ、基板の表面に見えているFeライン上に実施例1の場合と同様にグラファイトナノファイバが成長した。
【0024】
上記のようにグラファイトナノファイバの成長した陰極基板と所定の蛍光体ラインを持つ陽極基板との周囲を、内部を真空状態にして封着し、表示素子を作製した。陽極に数kVの電圧を印加しながら、ゲート電極に電圧100Vを加えると、任意のドットから電子放出が確認された。
なお、上記実施例において、装置内の圧力を1気圧にしてグラファイトナノファイバを成長させたが、6500〜133000Paの範囲であれば、好適にグラファイトナノファイバを成長させることができる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、触媒層厚みを調整することで、その上に形成されるノンファイバ層厚みを制御すると共に、グラファイトナノファイバ層厚みも制御することができた。このようにして全体膜厚を制御したグラファイトナノファイバ層を作製することができるので、このグラファイトナノファイバ層を有する基板を、例えば3極構造FEDエミッタとして利用する場合、ゲート電極に引き寄せられてゲート電極と短絡してしまう問題が解決でき、FEDの発光点斑の解決につながる。
【0026】
また、上記グラファイトナノファイバを利用することにより、従来のカーボンナノチューブでは達成できないか、又は達成困難である高電子放出密度、低電界電子放出性能の達成を可能にする炭素系電子放出源(冷陰極源)を作製し、提供することができる。
さらに、この電子放出源を用いれば、蛍光体の所望部分の発光を可能とする表示素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作製方法により得られたグラファイトナノファイバにおいて、触媒層が10nmと薄いサンプルのSEM写真。
【図2】本発明の作製方法により得られたグラファイトナノファイバにおいて、触媒層が50nmと厚いサンプルのSEM写真。
Claims (10)
- グラファイトナノファイバ成長触媒層が形成された基板上に原料ガスを導入し、CVD法により、グラファイトナノファイバを作製する方法であって、所定の膜厚を有する該触媒層を形成し、次いで、該基板の触媒層上に、全体膜厚の制御されたグラファイトナノファイバ層とノンファイバ層とからなるグラファイトナノファイバを形成すること特徴とするグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記基板上のグラファイトナノファイバ成長触媒層の触媒が、Fe、Co又はこれらの金属の少なくとも1種類を含む合金であることを特徴とする請求項1記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記原料ガスが、炭素供給ガスであるアセチレン、一酸化炭素又は二酸化炭素と水素ガスとの混合ガスであることを特徴とする請求項1又は2記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記混合ガス中の炭素供給ガスの割合が、10容量%〜80容量%であることを特徴とする請求項3に記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記グラファイトナノファイバの作製を、350℃から650℃までの温度で行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記グラファイトナノファイバの作製を、1分から60分までの時間で行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記触媒層の触媒金属からなるラインを、グラファイトナノファイバを作製できない基板上に形成し、その後、CVD法により、形成された金属のライン上のみにグラファイトナノファイバを選択的に作製することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 前記基板がガラス基板又はSiウェハーであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のグラファイトナノファイバの作製方法。
- 電極基板表面上に、又はパターニングされた電極基板表面のパターン化部分の上に設けられた炭素膜からなる電子放出源であって、
該炭素膜が、請求項1〜8のいずれかに記載の方法により得られたグラファイトナノファイバを有するものであることを特徴とする電子放出源。 - パターニングされた陰極基板表面のパターン化部分に、請求項1〜8のいずれかに記載の方法により作製されたグラファイトナノファイバを設けてなる電子放出源である陰極と、該グラファイトナノファイバに対向して所定の距離を置いて配置され、蛍光体及び所定形状にパターニングされた透明導電膜を有する陽極とを有する電界放出形表示素子であって、該グラファイトナノファイバと該透明導電膜とを選択して電圧を印加すると、該グラファイトナノファイバから電子が放出されて、該蛍光体の特定の部分のみが発光するように構成されていることを特徴とする電界放出形表示素子。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270104A JP2004107118A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | グラファイトナノファイバの作製方法、電子放出源及び表示素子 |
TW092123209A TW200406513A (en) | 2002-09-17 | 2003-08-22 | Method for producing graphite nanofiber, electron discharge source, and display device |
KR1020030062832A KR20040025569A (ko) | 2002-09-17 | 2003-09-08 | 그래파이트 나노파이버의 제작 방법, 전자 방출원 및 표시소자 |
CNA031588883A CN1515712A (zh) | 2002-09-17 | 2003-09-16 | 石墨纳米纤维的制造方法、电子发射源以及显示元件 |
US10/663,838 US20050099111A1 (en) | 2002-09-17 | 2003-09-17 | Method for the preparation of graphite nanofibers and emitter and display elements comprising the nanofibers |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002270104A JP2004107118A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | グラファイトナノファイバの作製方法、電子放出源及び表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004107118A true JP2004107118A (ja) | 2004-04-08 |
Family
ID=32267842
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002270104A Pending JP2004107118A (ja) | 2002-09-17 | 2002-09-17 | グラファイトナノファイバの作製方法、電子放出源及び表示素子 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20050099111A1 (ja) |
JP (1) | JP2004107118A (ja) |
KR (1) | KR20040025569A (ja) |
CN (1) | CN1515712A (ja) |
TW (1) | TW200406513A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006040723A (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-09 | Ulvac Japan Ltd | カソード基板及びこのカソード基板の作製方法。 |
JP2006335583A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Ulvac Japan Ltd | グラファイトナノファイバーの製造方法 |
WO2009107229A1 (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-03 | 富士通株式会社 | シート状構造体、半導体装置及び炭素構造体の成長方法 |
WO2011004609A1 (ja) * | 2009-07-08 | 2011-01-13 | Ohmae Nobuo | Co2リサイクリング方法、co2削減方法、および装置 |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100404736C (zh) * | 2006-01-10 | 2008-07-23 | 华东理工大学 | 一种制备板式纳米碳纤维的方法 |
KR20090026568A (ko) | 2007-09-10 | 2009-03-13 | 삼성전자주식회사 | 그라펜 시트 및 그의 제조방법 |
KR101443217B1 (ko) | 2007-09-12 | 2014-09-19 | 삼성전자주식회사 | 그라펜 쉘 및 그의 제조방법 |
KR101443222B1 (ko) | 2007-09-18 | 2014-09-19 | 삼성전자주식회사 | 그라펜 패턴 및 그의 형성방법 |
KR101463064B1 (ko) | 2007-10-17 | 2014-11-19 | 삼성전자주식회사 | 나노도트 형성방법, 이 방법으로 형성된 나노도트를포함하는 메모리 소자 및 그 제조방법 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
RU2194328C2 (ru) * | 1998-05-19 | 2002-12-10 | ООО "Высокие технологии" | Холодноэмиссионный пленочный катод и способ его получения |
US6630772B1 (en) * | 1998-09-21 | 2003-10-07 | Agere Systems Inc. | Device comprising carbon nanotube field emitter structure and process for forming device |
US6181055B1 (en) * | 1998-10-12 | 2001-01-30 | Extreme Devices, Inc. | Multilayer carbon-based field emission electron device for high current density applications |
US6504292B1 (en) * | 1999-07-15 | 2003-01-07 | Agere Systems Inc. | Field emitting device comprising metallized nanostructures and method for making the same |
KR100615103B1 (ko) * | 2000-02-16 | 2006-08-25 | 풀러린 인터내셔날 코포레이션 | 나노튜브, 상기 나노튜브를 구비한 전계 방출 음극과 음극선관 및 이들을 형성하기 위한 방법 |
US6664728B2 (en) * | 2000-09-22 | 2003-12-16 | Nano-Proprietary, Inc. | Carbon nanotubes with nitrogen content |
US6649431B2 (en) * | 2001-02-27 | 2003-11-18 | Ut. Battelle, Llc | Carbon tips with expanded bases grown with simultaneous application of carbon source and etchant gases |
CN1321232C (zh) * | 2001-09-20 | 2007-06-13 | 昭和电工株式会社 | 细碳纤维混合物及其组合物 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002270104A patent/JP2004107118A/ja active Pending
-
2003
- 2003-08-22 TW TW092123209A patent/TW200406513A/zh unknown
- 2003-09-08 KR KR1020030062832A patent/KR20040025569A/ko not_active Application Discontinuation
- 2003-09-16 CN CNA031588883A patent/CN1515712A/zh active Pending
- 2003-09-17 US US10/663,838 patent/US20050099111A1/en not_active Abandoned
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006040723A (ja) * | 2004-07-27 | 2006-02-09 | Ulvac Japan Ltd | カソード基板及びこのカソード基板の作製方法。 |
JP4607513B2 (ja) * | 2004-07-27 | 2011-01-05 | 株式会社アルバック | カソード基板及びこのカソード基板の作製方法。 |
JP2006335583A (ja) * | 2005-05-31 | 2006-12-14 | Ulvac Japan Ltd | グラファイトナノファイバーの製造方法 |
WO2009107229A1 (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-03 | 富士通株式会社 | シート状構造体、半導体装置及び炭素構造体の成長方法 |
US8258060B2 (en) | 2008-02-29 | 2012-09-04 | Fujitsu Limited | Sheet structure, semiconductor device and method of growing carbon structure |
US8350391B2 (en) | 2008-02-29 | 2013-01-08 | Fujitsu Limited | Sheet structure, semiconductor device and method of growing carbon structure |
JP5506657B2 (ja) * | 2008-02-29 | 2014-05-28 | 富士通株式会社 | シート状構造体、半導体装置及び炭素構造体の成長方法 |
WO2011004609A1 (ja) * | 2009-07-08 | 2011-01-13 | Ohmae Nobuo | Co2リサイクリング方法、co2削減方法、および装置 |
JP5703478B2 (ja) * | 2009-07-08 | 2015-04-22 | 大前 伸夫 | Co2リサイクリング方法および装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR20040025569A (ko) | 2004-03-24 |
TW200406513A (en) | 2004-05-01 |
US20050099111A1 (en) | 2005-05-12 |
CN1515712A (zh) | 2004-07-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7879398B2 (en) | Carbon-nano tube structure, method of manufacturing the same, and field emitter and display device each adopting the same | |
US6812634B2 (en) | Graphite nanofibers, electron-emitting source and method for preparing the same, display element equipped with the electron-emitting source as well as lithium ion secondary battery | |
CN1959896B (zh) | 碳纳米管场发射体及其制备方法 | |
US7648406B2 (en) | Carbon nanotube array element and method for producing the same | |
JP4648807B2 (ja) | カーボンナノチューブエミッタ及びその製造方法とそれを応用した電界放出素子及びその製造方法 | |
Li et al. | Carbon nanotube films prepared by thermal chemical vapor deposition at low temperature for field emission applications | |
JP2006224296A (ja) | カーボンナノチューブ構造体及びその製造方法、並びにカーボンナノチューブ構造体を利用した電界放出素子及びその製造方法 | |
US7462499B2 (en) | Carbon nanotube with ZnO asperities | |
JP2008509540A5 (ja) | ||
JPH07197325A (ja) | 単層カーボンナノチューブの製造法 | |
US7104859B2 (en) | Methods for manufacturing carbon fibers, electron-emitting device, electron source, image display apparatus, light bulb, and secondary battery using a thermal CVD method | |
JP2004107118A (ja) | グラファイトナノファイバの作製方法、電子放出源及び表示素子 | |
JP5016791B2 (ja) | グラファイトナノファイバーの製造方法 | |
JP2004362960A (ja) | 電子放出素子およびその製造方法 | |
KR20020003782A (ko) | 탄소나노튜브의 제작 방법 | |
JP2007319761A (ja) | 炭素系ナノ材料生成用触媒組成物、炭素系ナノ材料デバイス、電子放出素子用カソード基板及びその作製方法、並びに電子放出素子デバイス及びその作製方法 | |
KR100445419B1 (ko) | 냉음극 전자원 | |
JP2003115255A (ja) | 電界電子放出電極およびその製造方法 | |
JP2010006670A (ja) | ナノワイヤ構造体およびその製造方法 | |
JP2001250468A (ja) | 電界電子放出装置およびその製造方法 | |
JP2001176378A (ja) | 冷陰極及びその製造方法 | |
JP5376197B2 (ja) | ナノ炭素材料複合体の製造方法 | |
KR100372168B1 (ko) | 삼극형 탄소나노튜브의 전계 방출 표시소자의 제조방법 | |
JP2004152591A (ja) | 電界放出型ランプ | |
US20060012281A1 (en) | Carbon nanotube field emitter and method for producing same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040816 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050419 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060808 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20061205 |