JP2004106759A - バンパ類の取付装置 - Google Patents

Abstract

【課題】応力集中を緩和でき且つバンパ類の強度を補完できる取付ブラケットを備えた、バンパ類の取付装置の提供。
【解決手段】閉断面のバンパ類１１を、フレームＦに支持した支持腕２先端２ａに取付けるに際し、取付時の平面視で台形をなすコ字断面の取付ブラケット１２を用い、コ字断面の開口部１２ａをバンパ類１１に被せて固定し、且つ台形の頂部１２ｂを支持腕２の先端２ａに取付けたもので、平面視で台形をなす取付ブラケットにより衝突時の応力集中を緩和して、バンパ類、取付ブラケットの屈曲等を防ぎ、また、台形の取付ブラケットを、その開口部をバンパ類に被せて固定したことにより、バンパ類の強度を補完する。
【選択図】　　　　　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バンパ類、特にＦＵＰ（フレーム下潜り込み防止部材）のフレームへの取付装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
前記ＦＵＰ（Ｆｒｏｎｔ　Ｕｎｄｅｒｒｕｎ　Ｐｒｏｔｅｃｔｉｏｎ）は、大型トラックへの乗用車等の追突時に、該乗用車等が大型トラックの下に潜り込んで大事故につながることを防止しようとする一種のバンパである。
【０００３】
ＦＵＰは現在研究中であるが、多くは角形又は円形の閉断面をなし、内部に補強部材を内蔵して衝突時の圧潰に対応しようとしている。そして、該ＦＵＰは図１の１で示すように、トラックのフレームＦに支持した支持腕２の先端に、後記取付ブラケットを介して取付けられる予定である。
【０００４】
前記取付ブラケットとしては、一例としてリヤバンパ等でも使用されていた図５以下に示すごときものを使用することが考えられている。即ちこの取付ブラケット３は、コ字状に形成された本体部３ａの両端にフランジ部３ｂを一体に形成した、厚さ４．５〜６ミリメートルの鋼板部材で、上記フランジ部３ｂを前記ＦＵＰ１’の裏面の所定位置に溶接Ｗで固着し、前記本体部３ａを、ボルト穴３ｃに通したボルト（図示せず）により前記支持腕２の先端に固定したものである。
【０００５】
ところが、上記のようなブラケット３では、図６のＡ−Ａ断面とＢ−Ｂ断面における断面係数の差が例えば約１対２と大きいため、厳しい荷重条件下での衝撃力Ｐ１によって本体部３ａとフランジ部３ｂとの境界に相当するＱ点に応力集中が生じ、図７に示すようにＱ点でＦＵＰ１’とともに屈曲することがあり、ブラケット３がＦＵＰ１’を補強する効果が十分発揮されないおそれがある。
【０００６】
また図８に示すように、衝撃力Ｐ１によってＦＵＰ１が屈曲するとともに、ブラケット３が潰れてしまうことがある。そして、前記ブラケット３の補強効果を期待せず、ＦＵＰ１自体に必要剛性を持たせようとしてその全長にわたり内部に補強を施すことも考えられるが、これでは大きな重量増加に繋がりやすい。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の解決しようとする課題は、応力集中を緩和でき且つバンパ類の強度を補完する取付ブラケットを備えた、バンパ類の取付装置を提供することにある。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明バンパ類の取付装置は、閉断面をもつバンパ類を、フレームに支持した支持腕先端に取付けるに際し、取付時の平面視で台形をなすコ字断面の取付ブラケットを用い、前記コ字断面の開口部をフレーム側から前記バンパ類に被せて固定するとともに、台形の頂部を前記支持腕の先端に取付けたことを特徴とするものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を、図１乃至図４により説明すると、本発明バンパ類の取付装置は、閉断面をもつバンパ類１１を、フレームＦに支持した支持腕２先端２ａに取付けるに際し、取付時の平面視で台形をなすコ字断面の取付ブラケット１２を用い、前記コ字断面の開口部１２ａをフレームＦ側から前記バンパ類１１に被せて固定するとともに、台形の頂部１２ｂを前記支持腕２の先端２ａに取付けたものである。
【００１０】
図１乃至図４に示す実施例について更に詳細に説明する。
図に示す取付ブラケット１２は、全体として台形で、開口部１２ａを形成するコ字形断面に形成されており、その中央に頂部１２ｂが形成されている。該頂部１２ｂにはボルト穴１２ｃが形成され、該穴１２ｃに合わせて頂部１２ｂの内側にナット１３が固着されている。
【００１１】
コ字形断面の深さは、バンパ類（ＦＵＰ）１の上下面の厚さの、例えば１／２とする。また、ＦＵＰ１１が図４の如く左右端付近で屈曲したものでは、屈曲位置のところで切断すればよい。更に負荷または荷重条件によっては、図２、図３の仮想線の如くリブ片１４を取付ブラケット１２内面に合わせて形成してもよい。
【００１２】
上記のように形成した取付ブラケット１２は、所定位置において、前記開口部１２ａをフレームＦ側から前記ＦＵＰ１１にかぶせて溶接等Ｗで固定し、次いで左右両側にブラケット１２を取付けたＦＵＰ１１を前記支持腕２の先端２ａにボルト（図示せず）で固着する。
【００１３】
このように構成した本発明取付装置において、ＦＵＰ１１に衝撃荷重Ｐ１がかかったときは、その荷重は断面変化が緩やかな取付ブラケット１２を経て、頂部１２ｂから前記支持腕２の先端に伝達される。従って、応力集中を生ずることなしに荷重は支持腕２を介してフレームＦに円滑に伝達される。
【００１４】
【発明の効果】
本発明バンパ類の取付装置は、閉断面をもつバンパ類を、フレームに支持した支持腕先端に取付けるに際し、取付時の平面視で台形をなすコ字断面の取付ブラケットを用い、前記コ字断面の開口部をフレーム側から前記バンパ類に被せて固定するとともに、台形の頂部を前記支持腕の先端に取付けたことを特徴とするので、取付時の平面視で台形をなす取付ブラケットにより衝突時の応力集中を緩和して、バンパ類、取付ブラケットの屈曲等を防ぐことができる。
【００１５】
また、台形の取付ブラケットを、その開口部をフレーム側から前記バンパ類に被せて固定したことにより、バンパ類の強度を補完する効果もある。実験によれば、上記補完効果によって取付ブラケットの板厚を１ランク下のものとすることができた。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明バンパ類の取付装置の斜視図
【図２】本発明バンパ類の取付装置の要部の斜視図
【図３】本発明バンパ類の取付装置の要部の平面図
【図４】本発明バンパ類の取付装置の変形例を示す要部の平面図
【図５】従来のバンパ類の取付装置の要部の斜視図
【図６】従来のバンパ類の取付装置の要部の平面図
【図７】従来のバンパ類の取付装置の要部の荷重による変形例を示す平面図
【図８】従来のバンパ類の取付装置の要部の荷重による他の変形例を示す平面図。
【符号の説明】
１、１１　ＦＵＰ、バンパ類　　２　支持腕　　２ａ　（支持腕の）先端
３、１２　取付ブラケット　　１２ａ　（取付ブラケットの）開口部
１２ｂ　（同）頂部　　１２ｃ　（同）ボルト穴　　１３　ナット
１４　リブ片　　Ｆ　フレーム。

Claims (2)

1. 閉断面をもつバンパ類を、フレームに支持した支持腕先端に取付けるに際し、取付時の平面視で台形をなすコ字断面の取付ブラケットを用い、前記コ字断面の開口部をフレーム側から前記バンパ類に被せて固定するとともに、台形の頂部を前記支持腕の先端に取付けたことを特徴とするバンパ類の取付装置。
2. 前記取付ブラケットが内部に補強用リブを有することを特徴とする請求項１記載のバンパ類の取付装置。

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