JP2004106426A - 非晶質合金薄帯積層体およびその製造方法 - Google Patents

非晶質合金薄帯積層体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Co系非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性と機械的強度を併せ持つ非晶質合金薄帯積層体、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体において、非晶質合金薄帯としてCo系非晶質合金薄帯を用い、特定の条件において積層接着および焼鈍を同時に行うことにより、また特定の圧力、温度、時間の条件において積層接着させ、次いで特定の圧力、温度、時間の条件において焼鈍させることにより、Co系非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性と機械的強度を併せ持つ非晶質合金薄帯積層体を製造することができる。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体に関し、より詳細には、磁気応用部品として優れた磁気性能と強度を併せ持つ非晶質合金薄帯積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
非晶質合金薄帯は、各種金属を原材料に溶融状態から急激に冷却することで製造される非結晶の固体であり、通常は厚さ約0.01〜0.1ミリメートル程度の薄帯である。これら非晶質合金薄帯においては、原子は配列に規則性がないランダム構造であり、軟磁性材料として優れた特性を有している。特にCo元素を含むCo系非晶質合金薄帯は、高い比透磁率と低いコア損失を併せ持った材料であり、種々の磁気応用部品、例えばインダクタンス、各種コイル、各種トランス、ノイズフィルター、磁気センサー、磁気ヘッド、アンテナ、電波吸収体、モーター、各種コア、配線基板など、幅広い分野において用いられることが期待されている。
【0003】
非晶質合金薄帯は、その優れた磁気特性を発現させるために、予め所定の焼鈍熱処理を施す方法が一般に用いられている。焼鈍熱処理の条件は発現させたい磁気特性や非晶質合金の種類によって異なるが、概ね不活性雰囲気下において温度300〜500℃程度、時間0.1〜100時間程度の高温長時間で行われることが一般的である。ところが焼鈍熱処理によって優れた磁気特性を発現する反面、極めて脆弱な薄帯となり、物理的に取り扱いにくくなる問題を抱えている。
【0004】
この問題に対処する方法として、ポリイミド樹脂などの焼鈍温度に耐える耐熱性高分子化合物を接着剤として用い、非晶質合金薄帯を積層接着する方法が開示されている(特許文献1)。この方法によれば、焼鈍と同時に耐熱性樹脂による接着積層ができるため、脆弱な薄帯を取り扱う問題を解決できる。しかし、耐熱性樹脂を用いることによって非晶質合金薄帯に不要な応力が生じ、樹脂を用いない場合に比べて、磁気特性が低減する問題が新たに生じる。すなわち、非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性を十分に発揮させることができない。また、実質的にFe系非晶質合金薄帯を巻回によって積層させたコアについて検討されているに留まっており、Co系非晶質合金薄帯に関して、その磁気特性を十分に発現させるための技術は、何ら開示されていない。
【0005】
以上のように、非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性を持ちながら、機械的強度を併せ持つ材料は未だ見出されていないのが実状であり、その開発が望まれている。
【0006】
【特許文献1】特開昭58−175654
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、Co系非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性と機械的強度を併せ持つ非晶質合金薄帯積層体、およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体において、非晶質合金薄帯としてCo系非晶質合金薄帯を用い、特定の条件において積層接着および焼鈍を同時に行うことにより、また特定の条件において積層接着を行い、次いで特定の条件において焼鈍を行うことにより、Co系非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性と機械的強度を併せ持つ非晶質合金薄帯積層体となることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[6]に記載した事項により特定される。
【0010】
[1] 樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体において、該非晶質合金の元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表され、閉磁路系で測定される周波数100kHzにおける該非晶質合金薄帯積層体の比透磁率μが12,000以上およびコア損失Pcが12W/kg以下であり、該非晶質合金薄帯積層体の引っ張り強度が30MPa以上であることを特徴とする非晶質合金薄帯積層体。
【0011】
[2] 元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表される非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯を重ね合わせ、圧力0.01〜100MPa、温度350〜480℃、時間1〜300分の条件で積層接着および焼鈍を同時に行うことを特徴とする、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体の製造方法。
【0012】
[3] 元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表される非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯を重ね合わせ、圧力0.01〜500MPa、温度200〜350℃、時間1〜300分の条件で積層接着を行い、次いで圧力0〜100MPa、温度350〜480℃、時間1〜300分の条件で焼鈍を行うことを特徴とする、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体の製造方法。
【0013】
[4] [2]または[3]記載の方法で製造される樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体。
【0014】
[5] [2]または[3]記載の方法で製造される請求項1記載の非晶質合金薄帯積層体。
【0015】
[6] [1]、[4]または[5]記載の非晶質合金薄帯積層体を含んで構成される磁気応用部品。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の非晶質合金薄帯積層体は、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体である。
【0017】
本発明において用いる非晶質合金薄帯は、その元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Yで表されるものである。但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。元素Xは、非晶質合金薄帯を製造する上で、非晶質化のために結晶化速度を低減するために有効な元素である。aが10より小さい場合には非晶質化が低下して一部結晶質が混在する恐れがあり、またaが35を超えると、非晶質構造は得られるものの合金薄帯の機械的強度が低下し、連続的な薄帯が得られなくなる恐れがある。従って、本発明において10<a≦35であり、12≦a≦30であることがより好ましい。元素Yは、非晶質合金薄帯の耐食性に効果がある。この中で特に有効な元素は、Zr、Nb、Mn、W、Mo、Cr、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Rhである。bが30を越えると非晶質合金薄帯の機械的強度が脆弱になる恐れがある。従って、本発明において0≦b≦30であり、0≦b≦20であることがより好ましい。非晶質金属薄帯において、CoのFe置換は飽和磁化の増加に寄与する傾向にある。従って、本発明において0≦c≦0.3であり、0≦c≦0.25であることがより好ましい。
【0018】
本発明において用いる非晶質合金薄帯の厚さは、特に限定されるものではないが、5〜50ミクロンであることが好ましく、10〜30ミクロンであることがより好ましい。この範囲を外れると、本発明の効果が十分に得られなくなる恐れがある。
【0019】
本発明の非晶質合金薄帯積層体は、閉磁路系で測定される周波数100kHzにおける該非晶質合金薄帯積層体の比透磁率μが12,000以上であり、かつコア損失Pcが12W/kg以下である。より好ましくは、本発明の非晶質合金薄帯積層体は、閉磁路系で測定される周波数100kHzにおける該非晶質合金薄帯積層体の比透磁率μが14,000以上であり、かつコア損失Pcが11W/kg以下であり、さらに好ましくは比透磁率μが16,000以上であり、かつコア損失Pcが10W/kg以下である。閉磁路系での比透磁率μおよびコア損失Pcの測定方法としては、一般的な手法を用いることができるが、本発明においては、リング形状を好適に用いられる。具体的には、リングの厚さ方向が積層体の積層端面となる様にし、リングの寸法は、内径5〜100ミリメートル、外径10〜300ミリメートル、厚さ10〜1000ミクロンの範囲が好適に用いられる。本発明における比透磁率μの測定条件は、sin波形で印加磁界5ミリエルステッドであり、本発明におけるコア損失Pcの測定条件は、sin波形で最大磁束密度0.1テスラである。
【0020】
本発明の非晶質合金薄帯積層体は、引っ張り強度が30MPa以上である。より好ましくは、本発明の非晶質合金薄帯積層体は、引っ張り強度が50MPa以上である。引っ張り強度の測定は、日本工業規格JIS−K7127に準ずる。この規格においてはサンプルの厚さに規定はなく、1ミリメートル以下が対象となっているが、本発明においては積層体の厚さを10〜500ミクロンの範囲とすることが好ましい。ただし、この範囲に限定されるものではない。試験片としては、3号形試験片を採用する。予め打ち抜き等で規格に適合した試験片形状に加工して積層したサンプルでもよく、また積層体を打ち抜いたものでも良い。
【0021】
本発明の非晶質合金薄帯積層体の製造方法として、元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表される非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯を重ね合わせ、圧力0.01〜100MPa、温度350〜480℃、時間1〜300分の条件で積層接着および焼鈍を同時に行う方法を好適に用いることができる。
【0022】
複合薄帯を積層接着および焼鈍を同時に行う際の圧力条件は、0.01〜100MPaが好ましく、0.03〜20MPaがより好ましく、0.1〜3MPaがさらに好ましい。0.01MPa未満であると、十分接着が行われず積層体の引っ張り強度が低減するなどの問題が生じる恐れがあり、100MPaを超えると、比透磁率が低減したりコア損失が増大するなど、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。また複合薄帯を積層接着および焼鈍を同時に行う際の温度条件は、350〜480℃が好ましく、380〜450℃がより好ましく、400〜440℃がさらに好ましい。350℃未満あるいは480℃を超えると、適切な焼鈍が行われないなどの原因により、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。また複合薄帯を積層接着および焼鈍を同時に行う際の時間条件は、1〜300分が好ましく、5〜200分がより好ましく、10〜120分がさらに好ましい。1分未満あるいは300分を超えると、適切な焼鈍が行われないなどの原因により、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じたり、十分接着が行われず積層体の引っ張り強度が低減するなどの問題が生じる恐れがある。
【0023】
複合薄帯を積層接着および焼鈍を同時に行う方法は特に限定されるものではなく、例えば熱プレス法、器具などを用いて積層固定して加熱する方法などを好適に挙げることができる。また、積層接着および焼鈍を同時に行う際には、窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0024】
本発明の非晶質合金薄帯積層体の製造方法として、[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表される非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯を重ね合わせ、圧力0.01〜500MPa、温度200〜350℃、時間1〜300分の条件で積層接着を行い、次いで圧力0〜100MPa、温度350〜480℃、時間1〜300分の条件で焼鈍を行う方法を好適に用いることができる。
【0025】
複合薄帯を積層接着する際の圧力条件は、0.01〜500MPaが好ましく、0.03〜200MPaがより好ましく、0.1〜100MPaがさらに好ましい。0.01MPa未満であると、十分接着が行われず積層体の引っ張り強度が低減するなどの問題が生じる恐れがあり、500MPaを超えると、比透磁率が低減したりコア損失が増大するなど、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。また複合薄帯を積層接着する際の温度条件は、200〜350℃が好ましく、250〜300℃がより好ましい。200℃未満であると、十分接着が行われず積層体の引っ張り強度が低減するなどの問題が生じる恐れがあり、350℃を超えると、比透磁率が低減したりコア損失が増大するなど、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。また複合薄帯を積層接着する際の時間条件は、1〜300分が好ましく、5〜200分がより好ましく、10〜120分がさらに好ましい。1分未満あるいは300分を超えると、適切な積層接着が行われないなどの原因により、積層体の引っ張り強度が低減するなどの問題が生じる恐れがある。
【0026】
積層接着した積層体を焼鈍する際の圧力条件は、0〜100MPaが好ましく、0〜20MPaがより好ましく、0〜10MPaがさらに好ましい。100MPaを超えると、比透磁率が低減したりコア損失が増大するなど、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。また積層接着した積層体を焼鈍する際の温度条件は、350〜480℃が好ましく、380〜450℃がより好ましく、400〜440℃がさらに好ましい。350℃未満あるいは480℃を超えると、適切な焼鈍が行われないなどの原因により、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。また積層接着した積層体を焼鈍する際の時間条件は、1〜300分が好ましく、5〜200分がより好ましく、10〜120分がさらに好ましい。1分未満あるいは300分を超えると、適切な焼鈍が行われないなどの原因により、優れた磁気特性が得られないなどの問題が生じる恐れがある。
【0027】
複合薄帯を積層接着または焼鈍を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば熱プレス法、器具などを用いて積層固定して加熱する方法などを好適に挙げることができる。また、積層接着および焼鈍を行う際には、窒素などの不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。
【0028】
非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば非晶質合金薄帯に樹脂または樹脂の前駆体が溶解した溶液を薄く塗布し、溶剤を乾燥させる方法などを好適に用いることができる。
【0029】
本発明の非晶質合金薄帯積層体において、積層接着の媒体として用いる樹脂としては、熱可塑性の耐熱樹脂が好適に用いられる。その特性は、本発明の効果が得られる範囲であれば特に限定されるものではないが、窒素雰囲気下365℃、2時間の熱履歴を経た後の30℃における引っ張り強度が30MPa以上であり、かつ窒素雰囲気下365℃、2時間の熱履歴を経た際の熱分解による重量減少率が2重量%以下である特性を有する熱可塑性樹脂を好適に用いることができる。具体的には、ポリイミド系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂を好適に用いることができ、より具体的には化学式(1)〜(10)で表される繰り返し単位を主鎖骨格に有する樹脂を好適に用いることができる。但し、化学式(1)においてdおよびeは、d+e=1、0≦d≦1、0≦e≦1を満たす数であり、QおよびRは、直接結合、エーテル結合、イソプロピリデン結合、スルフィド結合、スルホン結合、並びにカルボニル結合から選ばれる結合基で、同一でも異なっていても良い。また化学式(2)においてTは、直接結合、エーテル結合、イソプロピリデン結合、スルフィド結合、スルホン結合、並びにカルボニル結合から選ばれる結合基である。また化学式(6)においてfおよびgは、f+g=1、0≦f≦1、0≦g≦1を満たす数である。)。
【0030】
【化1】
Figure 2004106426
【0031】
本発明の非晶質合金薄帯積層体は、Co系非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気性能に機械強度を加味した優れた磁性材料であり、従来技術では得ることができないものである。
【0032】
本発明の非晶質合金薄帯積層体は、それを含んで構成される磁気応用部品として好適に用いることができる。より具体的には、例えばインダクタンス、各種コイル、各種トランス、ノイズフィルター、磁気センサー、磁気ヘッド、アンテナ、電波吸収体、モーター、各種コア、配線基板に好適に用いることができる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、実施例等における諸物性等の測定は、以下の方法により行った。
・磁気特性評価用のリング:非晶質合金薄帯の片面に樹脂層を形成した複合薄帯を、内径25ミリメートル、外径40ミリメートルに打ち抜き、5枚を重ねて所定の条件で加熱積層して得た。
・比透磁率μ:周波数100kHz、sin波形で印加電界5ミリエルステッドの条件で、インピー ダンスアナライザー(YHP 4192A LF)により測定した。
・コア損失Pc:周波数100kHz、sin波形で最大磁束密度0.1テスラの条件で、B−Hアナライザー(IWATSU SY−8216)により測定した。
・引っ張り強度:日本工業規格JIS−K7127に準じて測定した。非晶質合金薄帯の片面に樹脂層を形成した複合薄帯を、打ち抜きにより3号形試験片状に加工し、20枚を重ねて所定の条件で加熱積層して試験片を作製し、測定に供した。
【0034】
【合成例】
米国ハネウェル社製の非晶質合金薄帯Metglas2714A(元素比Co:Fe:Ni:Si:B=66:4:1:15:14)の片面に、化学式(11)で表される繰り返し単位を主鎖骨格に有するポリアミド酸が20重量%溶解した溶液(溶媒:N,N―ジメチルアセトアミド)を薄く塗布し、加熱によって溶媒の除去と熱イミド化を行った。得られた複合薄帯は、幅50ミリメートル、合金層が平均16.5ミクロン、イミド樹脂層が平均4ミクロンであった。
【0035】
【化2】
Figure 2004106426
【0036】
【参考例1】
米国ハネウェル社製の非晶質合金薄帯Metglas2714A(元素比Co:Fe:Ni:Si:B=66:4:1:15:14)を、比透磁率ならびにコア損失測定用にリング状に打ち抜き、何も処理することなく比透磁率ならびにコア損失を測定した。その結果、比透磁率は7,280、コア損失21.1W/kgであった。また引っ張り強度は1020MPaであった。結果を表1および表2に示す。
【0037】
【参考例2】
米国ハネウェル社製の非晶質合金薄帯Metglas2714A(元素比Co:Fe:Ni:Si:B=66:4:1:15:14)を、比透磁率ならびにコア損失測定用にリング状に打ち抜き、無加圧、温度400℃、時間60分の条件で焼鈍処理した。熱処理は一般的なチューブ型の加熱炉を用い、窒素雰囲気で行うために窒素を毎分0.5リットル通流しながら実施した。なお、樹脂層を形成した複合薄帯ではないため、実際には接着せず積層体とはなっていない。薄帯を5枚重ねて測定した。結果を表1に示す。比透磁率は12,130と高く、またコア損失は10.8W/kgと低く、Co系非晶質合金薄帯が優れた磁気特性を有していることを確認した。しかしながら得られた薄帯は非常に脆く、慎重に取り扱わなければ破損する程度であり、引っ張り強度は測定することができなかった。
【0038】
【参考例3〜4】
参考例2と同様にして、表1に示した条件で熱処理を行い、磁気特性等を評価した。結果を表1に示す。
【0039】
【実施例1】
合成例で示した複合薄帯を、比透磁率ならびにコア損失測定用にリング状、引っ張り強度測定用にJIS規格の試験片状に打ち抜いた。リング状のものは5枚、試験片状のものは20枚を同じ向きで重ね、熱プレス機(TOYOSEIKIミニテストプレス タイプWCH)を用いて、圧力1MPa、温度400℃、時間60分の条件で積層接着および焼鈍を同時に行った。なお窒素雰囲気で行うために、タンケンシールセーコウ社製のボディーフレームを用いて、窒素を毎分0.5リットル通流しながら実施した。磁気特性を測定したところ、比透磁率は21,680、コア損失7.3W/kgであり、同条件で処理した非晶質合金薄帯のみの磁気特性よりも優れた性能を有していた。また、引っ張り強度は110MPaであり、機械的強度も優れるものであった。結果を表1に示す。
【0040】
【実施例2〜7】
実施例1と同様にして、表1に示した条件で積層接着および焼鈍を同時に行い、評価した。結果を表1に示す。
【0041】
【比較例1〜6】
実施例1と同様にして、表1に示した条件で積層接着および焼鈍を同時に行い、評価した。結果を表1に示す。
【0042】
【参考例5】
米国ハネウェル社製の非晶質合金薄帯Metglas2714A(元素比Co:Fe:Ni:Si:B=66:4:1:15:14)を、比透磁率ならびにコア損失測定用にリング状に打ち抜き、圧力10MPa、温度250℃、時間30分の条件で、熱プレス機(TOYOSEIKI ミニテストプレス タイプWCH)を用いて加圧熱処理した。なお窒素雰囲気で行うために、タンケンシールセーコウ社製のボディーフレームを用いて、窒素を毎分0.5リットル通流しながら実施した。一度冷却した後、次いで無加圧、温度420℃、時間60分の条件で熱処理を行った。この熱処理は一般的なチューブ型の加熱炉を用い、窒素雰囲気で行うために窒素を毎分0.5リットル通流しながら実施した。なお、樹脂層を形成した複合薄帯ではないため、実際には接着せず積層体とはなっていない。薄帯を5枚重ねて測定した。結果を表2に示す。比透磁率は15,120と高く、またコア損失は9.8W/kgと低く、Co系非晶質合金薄帯が優れた磁気特性を有していることを確認した。しかしながら得られた薄帯は非常に脆く、慎重に取り扱わなければ破損する程度であり、引っ張り強度は測定することができなかった。
【0043】
【実施例8】
合成例で示した複合薄帯を、比透磁率ならびにコア損失測定用にリング状、引っ張り強度測定用にJIS規格の試験片状に打ち抜いた。リング状のものは5枚、試験片状のものは20枚を同じ向きで重ね、熱プレス機(TOYOSEIKIミニテストプレス タイプWCH)を用いて、圧力10MPa、温度250℃、時間30分の条件で積層接着して積層体を得た。なお窒素雰囲気で行うために、タンケンシールセーコウ社製のボディーフレームを用いて、窒素を毎分0.5リットル通流しながら実施した。一度冷却した後、次いで無加圧、温度420℃、時間60分の条件で熱処理を行った。この熱処理は一般的なチューブ型の加熱炉を用い、窒素雰囲気で行うために窒素を毎分0.5リットル通流しながら実施した。磁気特性を測定したところ、比透磁率は14,780、コア損失9.9W/kgであり、同条件で処理した非晶質合金薄帯のみの磁気特性と同レベルの優れた性能を有していた。また、引っ張り強度は102MPaであり、機械的強度も優れるものであった。結果を表2に示す。
【0044】
【実施例9〜13】
実施例8と同様にして、表2に示した条件で積層接着、次いで焼鈍を行い、評価した。結果を表2に示す。
【0045】
【比較例7〜11】
実施例8と同様にして、表2に示した条件で積層接着、次いで焼鈍を行い、評価した。結果を表2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 2004106426
【0047】
【表2】
Figure 2004106426
【0048】
【発明の効果】
本発明の非晶質合金薄帯積層体は、Co系非晶質合金薄帯が本来有する優れた磁気特性と機械的強度を併せ持つ材料であり、従来技術では達成することができなかった性能を有する材料である。本発明の非晶質合金薄帯積層体は、非晶質合金薄帯としてCo系非晶質合金薄帯を用い、特定の圧力、温度、時間の条件において積層接着させることにより、また特定の圧力、温度、時間の条件において積層接着させ、次いで特定の圧力、温度、時間の条件において焼鈍させることにより、製造することができる。本発明の非晶質合金薄帯積層体は、それを含んで構成される磁気応用部品として好適に用いることができ、具体的には、例えばインダクタンス、各種コイル、各種トランス、ノイズフィルター、磁気センサー、磁気ヘッド、アンテナ、電波吸収体、モーター、各種コア、配線基板に好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. 樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体において、該非晶質合金の元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表され、閉磁路系で測定される周波数100kHzにおける該非晶質合金薄帯積層体の比透磁率μが12,000以上およびコア損失Pcが12W/kg以下であり、該非晶質合金薄帯積層体の引っ張り強度が30MPa以上であることを特徴とする非晶質合金薄帯積層体。
  2. 元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表される非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯を重ね合わせ、圧力0.01〜100MPa、温度350〜480℃、時間1〜300分の条件で積層接着および焼鈍を同時に行うことを特徴とする、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体の製造方法。
  3. 元素組成が[Co1−c・Fe100−a−b・X・Y(但し、XはSi、B、C、Geから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表し、YはZr、Nb、Ti、Hf、Ta、W、Cr、Mo、V、Ni、P、Al、Pt、Ph、Ru、Sn、Sb、Cu、Mnまたは希土類元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を表す。またa、b、cはそれぞれ、10<a≦35、0≦b≦30、0≦c≦0.3で表される数である。)で表される非晶質合金薄帯の片面または両面に樹脂層を形成させた複合薄帯を重ね合わせ、圧力0.01〜500MPa、温度200〜350℃、時間1〜300分の条件で積層接着を行い、次いで圧力0〜100MPa、温度350〜480℃、時間1〜300分の条件で焼鈍を行うことを特徴とする、樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体の製造方法。
  4. 請求項2または請求項3記載の方法で製造される樹脂を媒体として非晶質合金薄帯が積層接着された非晶質合金薄帯積層体。
  5. 請求項2または請求項3記載の方法で製造される請求項1記載の非晶質合金薄帯積層体。
  6. 請求項1、請求項4または請求項5記載の非晶質合金薄帯積層体を含んで構成される磁気応用部品。
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