JP2004103746A - 露光装置および露光方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な機構にしたがって投影光学系の2回回転対称収差を高精度に補正して高解像の良好な露光を行うことのできる露光装置。
【解決手段】マスク(16)を照明する照明系(1〜15)と、マスクのパターンの像を基板(19)上に投影する投影光学系(18)とを備えた露光装置。照明系の光路中に配置されてマスクを照明する光の偏光状態を変更するための変更手段(4)と、投影光学系の光路中に配置されて、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材(18a)とを備えている。光学部材は、開口絞り(AS)の近傍あるいはマスクの近傍に配置されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、露光装置および露光方法に関し、特に半導体素子、液晶表示素子、撮像素子、薄膜磁気ヘッド等のマイクロデバイスの製造プロセスにおけるフォトリソグラフィー工程で使用される露光装置および露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の露光装置では、回路パターンの形成されたマスク(レチクル、フォトマスク等)を所定の露光光(照明光)で照明する。そして、照明されたマスクのパターンの像を、投影光学系を介して、感光性基板(フォトレジスト等の感光性材料の塗布されたウェハ、ガラスプレート等)上に転写する。近年、半導体素子はますます高集積化する傾向にあり、その回路パターンに対する微細化の要求が一層高まっている。
【0003】
このパターン微細化の要求に答えるために、露光光の短波長化および投影光学系の高NA(開口数)化が図られている。具体的には、露光光として、波長の短い遠紫外光、例えばKrFエキシマレーザ光(λ=248nm)、ArFエキシマレーザ光(λ=193nm)等のパルス光が用いられている。また、投影光学系では、0.75から0.82程度の高いNA(開口数)が実現されている。さらに、0.9以上の開口数を有する投影光学系や、Fレーザ光(λ=157nm)等のパルス光を用いる露光装置が提案されている。
【0004】
また、近年では、マスクおよび感光性基板を投影光学系に対して相対移動させつつ、マスクパターンを感光性基板上の1つの露光領域に走査露光する、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置が用いられる場合が多い。この場合、投影光学系の有効結像領域すなわち実効露光領域(静止状態における露光領域)は一方向に沿って細長く延びた長方形状になる。
【0005】
また、マスクを照明する照明光学系において変形照明を採用することにより、投影光学系の焦点深度や解像力を向上させて、微細パターンの露光を良好に行うことが可能になっている。なお、変形照明では、照明光学系の瞳面またはその近傍の面に、転写すべきパターンに応じて輪帯状の面光源や複数極状(2極状、4極状、8極状など)の面光源を形成する。
【0006】
また、投影光学系では、照射された露光光の一部が光学部材やその表面に形成された反射防止膜に吸収されて熱が発生し、その結果として、投影光学系の収差が若干変化する。そこで、このような露光光の照射による投影光学系の収差変動を能動的に補正する収差補正機構が種々提案されている。この収差補正機構では、レンズを光軸方向に移動させたり、レンズを光軸直交方向に移動させたり、レンズを光軸に対して傾けたり、レンズ間隔を調整したりする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
露光装置における長方形状の実効露光領域の採用や変形照明の採用などにより、投影光学系では、回転対称収差(光軸に関して回転対称な収差)の発生のみならず、2回回転対称収差(光軸に関して2回回転対称な収差つまり光軸の回転方向に180度周期の収差)の発生を無視することができない。2回回転対称収差とは、たとえば光軸上の非点収差(光軸上で発生する非点収差:センターアス)や非等方的ディストーション(菱形(長方形)ディストーション)である。
【0008】
しかしながら、上述した従来の収差補正機構では、回転対称収差を良好に補正することはできるが、2回回転対称収差を補正することはできない。その結果、投影光学系に2回回転対称収差が残存し、回路パターンの良好な露光が困難になる。そこで、従来技術では、投影光学系の光路中に一対のトーリックレンズを挿入し、各トーリックレンズを光軸中心にそれぞれ回転させることにより光軸上の非点収差を補正する機構が提案されている。
【0009】
しかしながら、一対のトーリックレンズを用いる機構では、トーリックレンズの回転に際してレンズの光軸が光学系の光軸直交方向に位置ずれし易く、いわゆる光軸直交方向の位置再現性を十分に小さく抑えることが困難である。また、トーリックレンズの回転に際してレンズの光軸が光学系の光軸に対して傾き易く、いわゆる光軸傾斜方向の位置再現性を十分に小さく抑えることが困難である。
【0010】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、簡素な機構にしたがって投影光学系の2回回転対称収差を高精度に補正して高解像の良好な露光を行うことのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。また、たとえば露光装置に適用される投影光学系において、2回回転対称収差を迅速に且つ高精度に補正することのできる収差調整方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、マスクを照明する照明系と、前記マスクのパターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備えた露光装置において、
前記照明系の光路中に配置されて前記マスクを照明する光の偏光状態を変更するための変更手段と、
前記投影光学系の光路中に配置されて、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
【0012】
第1形態の好ましい態様によれば、前記光学部材は、開口絞りの近傍に配置されている。あるいは、前記光学部材は、前記マスクの近傍に配置されていることが好ましい。
【0013】
本発明の第2形態では、マスクを照明する照明系と、前記マスクのパターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備えた露光装置において、
前記照明系の光路中に配置されて前記マスクを照明する光の偏光状態を変更するための変更手段と、
前記投影光学系の光路中に配置されて複屈折率分布を有する光学部材とを備え、
前記投影光学系は、光軸上像点の射出瞳内において前記射出瞳の原点に関して回転対称なリターデーション分布を有することを特徴とする露光装置を提供する。
【0014】
第2形態の好ましい態様によれば、前記光学部材は、結晶軸[100]または該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第1群の光透過部材と、結晶軸[100]または該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第2群の光透過部材とを有し、前記第1群の光透過部材と前記第2群の光透過部材とは、光軸を中心としてほぼ45度だけ相対的に回転した位置関係を有する。
【0015】
第2形態の好ましい態様によれば、前記光学部材は、結晶軸[111]または該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第1群の光透過部材と、結晶軸[111]または該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第2群の光透過部材とを有し、前記第1群の光透過部材と前記第2群の光透過部材とは、光軸を中心としてほぼ60度だけ相対的に回転した位置関係を有する。
【0016】
第1形態および第2形態の好ましい態様によれば、前記回転対称なリターデーション分布は、球面状の形状を有する。あるいは、前記回転対称なリターデーション分布は、放物面状の形状を有することが好ましい。また、前記変更手段は、前記照明系の光軸に関して回転可能に設けられた楔形状の水晶プリズムを有することが好ましい。
【0017】
また、第1形態および第2形態において、前記変更手段は、前記照明系の光軸に関して回転可能に設けられた楔形状の第1水晶プリズムと、該第1水晶プリズムと前記マスクとの間の光路中に配置された楔形状の第2水晶プリズムとを備えることが好ましい。さらに、前記投影光学系の結像状態を検出する検出手段と、該検出手段による検出結果に基づいて、前記偏光状態を変更するために前記変更手段を制御する制御手段とをさらに備えることが好ましい。
【0018】
また、第1形態および第2形態において、前記照明系は、前記照明系の瞳面またはその近傍の面に所定形状の面光源を形成するための瞳形状形成手段と、前記変更手段による前記偏光状態の変更に応じて、前記面光源の形伏を変更する瞳形状変更手段とを備えることが好ましい。この場合、前記瞳形状変更手段は、前記変更手段による前記偏光伏態の変更に起因する前記投影光学系の結像特性の悪化を補正するために、前記面光源の形状を変更することが好ましい。またこの場合、前記変更手段による前記偏光状態の変更に起因する前記投影光学系の結像特性の悪化は、前記マスクのパターンの方向性に依存する線幅誤差を含むことが好ましい。
【0019】
本発明の第3形態では、照明されたマスクのパターンの像を、投影光学系を介して基板上に転写する露光方法において、
前記投影光学系は、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材を備え、
前記投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする露光方法を提供する。
【0020】
第3形態の好ましい態様によれば、前記光学部材は開口絞りの近傍に配置され、前記投影光学系の光軸上の非点収差を調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更する。あるいは、前記光学部材は前記マスクの近傍に配置され、前記投影光学系の非等方的ディストーションを調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することが好ましい。
【0021】
また、第3形態において、前記偏光状態の変更に応じて、照明瞳面またはその近傍の面に形成される所定形状の面光源の形状を変更することが好ましい。さらに、前記偏光状態の変更に起因する前記2回回転対称な収差とは異なる前記投影光学系の結像特性の悪化を補正するために、前記面光源の形状を変更することが好ましい。また、前記2回回転対称な収差とは異なる前記投影光学系の結像特性の悪化は、前記マスクのパターンの方向性に依存する線幅誤差を含むことが好ましい。
【0022】
本発明の第4形態では、照明されたマスクのパターンの像を、投影光学系を介して基板上に転写する露光方法において、
前記投影光学系は、複屈折率分布を有する光学部材を備え、光軸上像点の射出瞳内において前記射出瞳の原点に関して回転対称なリターデーション分布を有し、
前記光軸に関する2回回転対称な収差を調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする露光方法を提供する。
【0023】
本発明の第5形態では、投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を調整する収差調整方法において、
前記投影光学系は、前記光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材を備え、
前記2回回転対称な収差を調整するために前記投影光学系への入射光の偏光状態を変更することを特徴とする収差調整方法を提供する。
【0024】
第5形態の好ましい態様によれば、前記光学部材は開口絞りの近傍に配置され、前記投影光学系の光軸上の非点収差を調整するために前記入射光の偏光状態を変更する。あるいは、前記光学部材は物体面の近傍に配置され、前記投影光学系の非等方的ディストーションを調整するために前記入射光の偏光状態を変更することが好ましい。
【0025】
本発明の第6形態では、投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を調整する収差調整方法において、
前記投影光学系は、複屈折率分布を有する光学部材を備え、光軸上像点の射出瞳内において前記射出瞳の原点に関して回転対称なリターデーション分布を有し、
前記2回回転対称な収差を調整するために前記投影光学系への入射光の偏光状態を変更することを特徴とする収差調整方法を提供する。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の第1形態にしたがう露光装置では、マスクを照明する光の偏光状態を変更する変更手段として、たとえば照明系の光軸に関して回転可能に設けられた楔形状の水晶プリズムが、照明系の光路中に配置されている。また、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材として、たとえば石英で形成されたレンズまたは平行平面板が、投影光学系の光路中に配置されている。
【0027】
したがって、水晶プリズムを回転させてマスクを照明する光の偏光状態を変更することにより、投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を補正することができる。このように、収差の調整に際してマスクを照明する光の偏光状態を変更するだけで、投影光学系の光学特性を変更する必要が全くないので、従来技術における収差補正機構とは異なり、収差調整に伴って他の収差がほとんど発生することない。その結果、本発明では、簡素な機構にしたがって、投影光学系の2回回転対称収差を高精度に補正して、高解像の良好な露光を行うことができる。
【0028】
具体的には、回転対称なリターデーション分布を有する光学部材を開口絞りの近傍に配置してマスクを照明する光の偏光状態を変更することにより、他の収差を実質的に発生させることなく、光軸上の非点収差だけを補正(調整)することができる。また、回転対称なリターデーション分布を有する光学部材をマスクの近傍に配置してマスクを照明する光の偏光状態を変更することにより、他の収差を実質的に発生させることなく、非等方的ディストーションを補正(調整)することができる。
【0029】
一方、本発明の第2形態にしたがう露光装置では、第1形態における回転対称なリターデーション分布を有する光学部材に代えて、投影光学系の光軸上像点の射出瞳内においてその原点に関して回転対称なリターデーション分布を実現するための複屈折率分布を有する光学部材が投影光学系の光路中に配置されている。この種の複屈折率分布を有する光学部材として、たとえば結晶軸[100]と光軸とがほぼ一致するように配置され且つ光軸を中心としてほぼ45度だけ相対的に回転した位置関係を有する一対の蛍石レンズを用いることができる。
【0030】
また、たとえば結晶軸[111]と光軸とがほぼ一致するように配置され且つ光軸を中心としてほぼ60度だけ相対的に回転した位置関係を有する一対の蛍石レンズを用いることができる。本発明の第2形態においても、収差の調整に際してマスクを照明する光の偏光状態を変更するだけで、投影光学系の光学特性を変更する必要が全くないので、簡素な機構にしたがって投影光学系の2回回転対称収差を高精度に補正して高解像の良好な露光を行うことができる。
【0031】
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1を参照すると、本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1を備えている。光源1として、たとえば248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源や193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源などを用いることができる。
【0032】
光源1から射出された光束は、矩形状の断面を有し、拡大倍率(または等倍倍率)を有するリレー系2に入射する。リレー系2を介して、必要に応じて拡大された光束は、折り曲げプリズム(またはミラー)3により偏向された後、楔形状の水晶プリズムと楔形状の石英プリズムとによりそれぞれ構成されたプリズム組立体4および5に入射する。ここで、光源側に配置された第1プリズム組立体4は、光軸AXに関して回転可能に設けられている。
【0033】
一方、レチクル側に配置された第2プリズム組立体5は固定されている。光軸AXに関して回転可能に設けられた第1プリズム組立体4は、後述するレチクル(マスク)16を照明する光の偏光状態を変更するための変更手段を構成している。なお、プリズム組立体4および5のさらに詳細な構成および作用については、特開2000−114157号公報(プリズム200〜203に対応)を参照することができる。
【0034】
プリズム組立体4および5を介した光束は、回折光学素子6に入射する。回折光学素子6は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的には、回折光学素子6は、そのファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に、円形状、輪帯形状、4極状、変形4極状、または2極状の照度分布を形成する。
【0035】
なお、図示を省略したが、異なる照度分布(円形状、輪帯形状、4極状、変形4極状、または2極状)をファーフィールドに形成する機能を有する複数の回折光学素子を交換可能に設置しても良い。また、回折光学素子6に代えて、同様の機能を有するマイクロフライアイレンズを用いることもできる。マイクロフライアイレンズは、縦横に且つ稠密に配列された多数の微小レンズからなる光学素子であり、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
【0036】
回折光学素子6からの光束は、ズームコンデンサ光学系7を介してマイクロフライアイレンズ8に入射する。ズームコンデンサ光学系7は、回折光学素子6によりファーフィールドに形成される照度分布を有限距離に形成するための光学系であって、その前側焦点位置が回折光学素子6の近傍に位置し、その後側焦点位置がマイクロフライアイレンズ8の入射面の近傍に位置する。ズームコンデンサ光学系7の焦点距離は変更可能であり、この焦点距離を変更することによって、上記照度分布(円形状、輪帯形状、4極状、変形4極状、または2極状)の大きさを相似的に変更することができる。
【0037】
マイクロフライアイレンズ8に入射した光束は、多数の矩形状の微小屈折面によって波面分割され、その射出側(後側焦点位置の近傍)に多数の光源像からなる実質的な面光源を形成する。この面光源の形状は、回折光学素子6およびズームコンデンサ光学系7によってマイクロフライアイレンズ8の入射面に形成される照度分布の形状とほぼ等しい。マイクロフライアイレンズ8の射出側に形成された面光源(二次光源)からの光束は、コンデンサ光学系9の集光作用を受けた後、照明視野絞りとしてのレチクルブラインド10を重畳的に照明する。
【0038】
レチクルブラインド10の矩形状の開口部(光透過部)を通過した光束は、レンズ群11〜13とミラー14および15とで構成されたレチクルブラインド結像光学系を介して、所定のパターンが形成されたレチクル16を重畳的に照明する。すなわち、レチクルブラインド結像光学系(11〜15)は、レチクルブラインド10の開口部の像をレチクル16上に形成することになる。レチクル16は、レチクルホルダ(不図示)を介して、レチクルステージ17上に保持されている。
【0039】
レチクルステージ17は、図示を省略した駆動系の作用により、レチクル面に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はレチクル移動鏡を用いた干渉計によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。レチクル16に形成されたパターンからの光は、投影光学系18を介して、フォトレジストの塗布されたウェハ19(感光性基板)上にレチクルパターン像を形成する。
【0040】
投影光学系18は、複数のレンズと、開口絞りASの近傍に配置された複屈折部材18aとを備えている。複屈折部材18aの構成および作用については後述する。一方、ウェハ19は、ウェハホルダ(不図示)を介して、ウェハステージ20上に保持されている。ウェハステージ20は、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡を用いた干渉計によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
【0041】
また、本実施形態の露光装置は、投影光学系18の結像状態を検出する検出手段としての収差測定器21と、第1プリズム組立体4を光軸廻りに回転駆動するための回転駆動部23と、回転駆動部23による第1プリズム組立体4の回転駆動を制御するための制御部22とを備えている。収差測定器21として、たとえば特開平8−83753号公報や特開平9−283421号公報に開示された空間像検出方式の収差測定器や、特開2002−71514号公報などに開示された波面収差測定器を用いることができる。
【0042】
こうして、本実施形態の露光装置では、レチクル16上のパターン領域の全体を照明し、レチクル16およびウェハ19を投影光学系18に対して静止させた状態で、レチクルパターン像をウェハ19上の露光領域に一括露光する。そして、投影光学系18の光軸AXと直交する平面内においてウェハ19を二次元的に駆動制御しながら各露光領域に対してレチクル16のパターンを一括露光する動作を繰り返すことにより、ステップ・アンド・リピート方式にしたがってウェハ19の各露光領域にはレチクル16のパターンが逐次露光される。
【0043】
あるいは、レチクル16上のパターン領域の一部の領域を照明し、レチクル16およびウェハ19を投影光学系18に対して相対移動させつつ、レチクルパターンをウェハ19上の露光領域内に走査露光する。そして、投影光学系18の光軸AXと直交する平面内においてウェハ19を二次元的に駆動制御しながら各露光領域に対してレチクル16のパターンを走査露光する動作を繰り返すことにより、ステップ・アンド・スキャン方式にしたがってウェハ19の各露光領域にはレチクル16のパターンが逐次露光される。
【0044】
図2は、投影光学系の開口絞りの近傍に配置された複屈折部材のリターデーション分布を示している。図2において、円の半径はリターデーション量を、円内における線分は進相軸をそれぞれ表している。なお、試料に複屈折が存在する場合、屈折率の差により当該試料を通過する振動面(偏光面)の直交した2つの直線偏光の光の位相が変化する。すなわち、一方の偏光に対して他方の偏光の位相が進んだり遅れたりすることになるが、位相が進む方の偏光方向を進相軸と呼び、位相が遅れる方の偏光方向を遅相軸と呼ぶ。
【0045】
本実施形態において、複屈折部材18aは、たとえば石英により形成された平行平面板状の光学部材である。また、複屈折部材18aは、図2に示すように、周方向に沿って進相軸を有し、光軸に関して回転対称な球面状のリターデーション分布を有する。以下、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する複屈折部材18aの製造方法について説明する。
【0046】
たとえば石英またはフッ素がドープされた石英(以下、「改質石英」と称する)のような非結晶材料で形成された非結晶透過部材の場合、その理想的な状態では複屈折性が発生しない。しかしながら、石英または改質石英では、不純物が混入した場合や、高温で形成された石英を冷却する際に温度分布が生じた場合には、内部応力による複屈折性が現れる。
【0047】
したがって、インゴットに混入させる不純物の量や種類、または熱履歴を調整することにより、石英または改質石英に所望の複屈折分布を発生させることができる。換言すれば、製造時における不純物、熱履歴による密度分布のうちの少なくとも一方を調整することにより、光軸に関して回転対称(または非回転対称)な所望の複屈折分布を非結晶透過部材に付与することができる。
【0048】
なお、不純物としては、OH、Cl、金属不純物、溶存ガスが挙げられ、ダイレクト法(Direct Method)の場合は、数百ppm以上含有されるOH、次いで数十ppm含有されるClが混入量から支配的であると考えられる。この不純物がインゴットに混入した場合には材料の熱膨張率が変化するので、例えばアニール後に冷却する場合には、不純物が混入した部分の縮み方が大きくなり、この縮み方の差による内部応力が発生し、応力複屈折が生じる。また、熱履歴に関しては、上記ダイレクト法、VAD(vapor axial deposition)法、ゾルゲル(sol−gel)法、プラズマバーナ(plasma burner)法などの製造方法によらずに存在する。
【0049】
図3は、第1プリズム組立体の回転により得られるレチクル照明光の偏光状態を示す図である。図3において、両矢印の方向は直線偏光成分の偏光方向を示し、両矢印の長さは直線偏光成分の振幅を示している。また、括弧内の4つの数値は、各偏光状態におけるレチクル照明光のストークスパラメータ(S,S,S,S)を示している。ちなみに、各偏光状態におけるレチクル照明光の偏光度Vは、次の式(1)で表される。
V=(S +S +S 1/2/S  (1)
【0050】
図3を参照すると、第1プリズム組立体4の基準回転位置において、レチクル16を照明する光は、図3(a)に示すような非偏光状態になる。図3(a)に示す非偏光状態では、レチクル照明光が、振幅の等しい多数の直線偏光成分をあらゆる偏光方向に沿って等分に有する。一方、第1プリズム組立体4を基準回転位置から回転させると、図3(b)および(c)に示す偏光状態を含む様々な偏光状態、すなわち光軸に関して2回回転対称の様々な偏光状態が得られる。
【0051】
図4は、図3(a)の非偏光状態において投影光学系に波面収差が発生しない様子を示す図である。また、図5は、図3(b)の偏光状態への変更により投影光学系に発生する波面収差を模式的に示す図である。さらに、図6は、図3(c)の偏光状態への変更により投影光学系に発生する波面収差を模式的に示す図である。図4を参照すると、レチクル16を照明する光が図3(a)の非偏光状態を有する場合、投影光学系18において波面収差は発生しない。
【0052】
これに対し、変更手段としての第1プリズム組立体4の作用により、レチクル16を照明する光の偏光状態を図3(b)または図3(c)に示すような2回回転対称な偏光状態へ変更すると、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する複屈折部材18aの作用により、投影光学系18には光軸に関して2回回転対称な波面収差が発生する。換言すれば、第1プリズム組立体4を回転させてレチクル16を照明する光の偏光状態を変更することにより、投影光学系18に残存する光軸上の非点収差や非等方的ディストーションのような2回回転対称収差を補正することができる。
【0053】
なお、光軸上の非点収差(軸上非点収差)および非等方的ディストーションの詳細については、特開2000−164489号公報(特に非等方的ディストーションについては図6)を参照することができる。本実施形態の場合、回転対称なリターデーション分布を有する複屈折部材18aが開口絞りASの近傍に配置されているので、レチクル16を照明する光の偏光状態を適宜変更することにより、他の収差を実質的に発生させることなく、投影光学系18の光軸上の非点収差だけを良好に補正することができる。
【0054】
具体的には、制御部22は、収差測定器21により計測された投影光学系18の収差情報に基づいて、投影光学系18の収差のうち光軸上の非点収差(非点隔差)を補正するために必要な第1プリズム組立体4の所要回転角を算出する。そして、第1プリズム組立体4を所要回転角だけの回転を制御するために、回転駆動部23に駆動量を指示する。なお、光軸上非点隔差と第1プリズム組立体4の回転駆動量との関係を予め記憶しておき、この記憶情報に基づいて、回転駆動部23に駆動量を指示しても良い。
【0055】
以上のように、本実施形態では、収差の調整に際してレチクル16を照明する光の偏光状態を変更するだけで、投影光学系18の光学特性を変更する必要が全くないので、従来技術における収差補正機構とは異なり、収差調整に伴って他の収差がほとんど発生することない。その結果、本実施形態では、簡素な機構にしたがって、投影光学系18の2回回転対称収差を高精度に補正して、高解像の良好な露光を行うことができる。
【0056】
なお、上述の実施形態では、複屈折部材18aが周方向に沿って進相軸を有する例を示しているが、これに限定されることなく、径方向に沿って進相軸を有する(すなわち遅相軸を有する)複屈折部材を用いることもできる。また、上述の実施形態では、複屈折部材18aが光軸に関して回転対称な球面状のリターデーション分布を有する例を示しているが、これに限定されることなく、たとえば光軸に関して回転対称な放物面状のリターデーション分布を有する複屈折部材を用いることもできる。さらに、上述の実施形態では、複屈折部材18aが平行平面状の形態を有するが、これに限定されることなく、レンズ状の形態を有する複屈折部材を用いることもできる。
【0057】
また、上述の実施形態では、複屈折部材18aを開口絞りASの近傍に配置することにより光軸上の非点収差を補正する例を示しているが、これに限定されることなく、たとえば複屈折部材18aをレチクル16の近傍に配置することもできる。この場合、第1プリズム組立体4を回転させてレチクル16を照明する光の偏光状態を適宜変更することにより、他の収差を実質的に発生させることなく、投影光学系18の非等方的ディストーションだけを良好に補正することができる。
【0058】
また、上述の実施形態では、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材としての複屈折部材18aを用いている。しかしながら、これに限定されることなく、複屈折部材18aに代えて、投影光学系18の光軸上像点の射出瞳内においてその原点に関して回転対称なリターデーション分布を実現するための複屈折率分布を有する光学部材を投影光学系18の光路中に配置する変形例も可能である。
【0059】
この種の複屈折率分布を有する光学部材として、たとえば真性複屈折(固有複屈折:intrinsic birefringence)を有する蛍石により形成されたレンズ(または平行平面板)を用いることができる。具体的には、たとえば結晶軸[100]と光軸とがほぼ一致するように配置され且つ光軸を中心としてほぼ45度だけ相対的に回転した位置関係を有する一対の蛍石レンズを用いることができる。あるいは、結晶軸[111]と光軸とがほぼ一致するように配置され且つ光軸を中心としてほぼ60度だけ相対的に回転した位置関係を有する一対の蛍石レンズを用いることができる。
【0060】
ちなみに、光軸と結晶軸[100]とを一致させて45度相対回転させた一対の蛍石レンズにおける進相軸と、光軸と結晶軸[111]とを一致させて60度相対回転させた一対の蛍石レンズにおける進相軸とは直交する。なお、一対の蛍石レンズの結晶軸方向および回転位置関係を上述のように規定することにより、投影光学系18の光軸上像点の射出瞳内においてその原点に関して回転対称なリターデーション分布を実現することができる点については、たとえば本出願人による特願2001−243319の明細書および図面などを参照することができる。
【0061】
こうして、変形例においても、収差の調整に際してレチクル16を照明する光の偏光状態を変更するだけで、投影光学系18の光学特性を変更する必要が全くないので、簡素な機構にしたがって、投影光学系18の2回回転対称収差を高精度に補正して、高解像の良好な露光を行うことができる。
【0062】
ところで、上述の実施形態において、レチクル照明光の偏光状態の変更により光軸上の非点収差を補正することに起因する他の収差への悪影響に関しては、投影光学系におけるレンズの位置調整で補正できる低次収差成分はほとんどなく、V/H差(水平方向に沿ったパターンの線幅と垂直方向に沿ったパターンの線幅とが異なってきてしまう現象)が支配的になる。このようなV/H差を補正するには、たとえば照明光学系内において照明瞳面に形成される面光源の形状を楕円形状(通常円形照明の場合)や変形四極形状(四極照明の場合)にすることが考えられる。
【0063】
具体的には、マイクロフライアイレンズ8の射出側に形成される面光源の位置に、楕円形状や変形四極形状の開口を有する開口絞り(図7(a)および(b)を参照)を配置して、面光源形状を楕円形状や変形四極形状にする手法や、回折光学素子6およびズームコンデンサ光学系7によりマイクロフライアイレンズ8の入射面上に形成される照野形状を、回折光学素子6の交換により変更して面光源形状を楕円形状や変形四極形状にする手法や、ズームコンデンサ光学系7中に光軸方向の間隔が可変に設けられた1対のV字アキシコンを設け、この1対のV字アキシコンの間隔を変更することによりマイクロフライアイレンズ8の入射面上に形成される照野形状を、変形四極形状にする手法などが考えられる。このとき、開口絞りの交換、回折光学素子の交換、V字アキシコンの駆動量に関しては、制御部22が制御することになる。
【0064】
なお、上述の実施形態において、2組のプリズム組立体4および5よりもレチクル側の光路に配置される光学系においては、偏光収差が補正されているか、偏光収差の量および分布が既知となっていることが好ましい。ここで、偏光収差が補正されておらず、さらに偏光収差の量および分布が既知となっていない場合には、第1プリズム組立体4の回転角とレチクル照明光の偏光状態(偏光度)との対応がつかなくなるため、第1プリズム組立体4の回転角の制御に影響を及ぼすことになる。
【0065】
偏光収差の量および分布が既知となっている場合には、この偏光収差の量および分布を考慮して、所望の偏光状態を達成するためのプリズム回転量(第1プリズム組立体4の回転量)を算出することが好ましい。また、たとえばズームコンデンサ光学系7の変倍に伴って、ひいては2組のプリズム組立体4および5よりもレチクル側の光路に配置される光学系を構成する光学部材の移動に伴って、この光学系の偏光収差の量や分布が変化してしまう場合には、変倍量や移動量をも併せて考慮することが好ましい。
【0066】
なお、偏光収差を補正することを考えると、上記光学系を構成する光学部材が結晶材料である場合には、偏光収差を補正するために光学部材の結晶軸方位の最適化がなされていることが好ましく、非結晶材料である場合には、偏光収差を補正するために光学部材の複屈折分布が一定または所望の分布となっていることが好ましい。本実施形態では、2組のプリズム組立体4および5を用いて照明光の偏光状態を変更しているが、これに限定されることなく、たとえば光軸を中心として回転可能な波長板(1/4波長板、1/2波長板など)を用いて照明光の偏光状態を変更することもできる。
【0067】
上述の実施形態の露光装置では、照明装置によってレチクル(マスク)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、本実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図8のフローチャートを参照して説明する。
【0068】
先ず、図8のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、そのlロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、本実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。
【0069】
その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。なお、ステップ301〜ステップ305では、ウェハ上に金属を蒸着し、その金属膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチングの各工程を行っているが、これらの工程に先立って、ウェハ上にシリコンの酸化膜を形成後、そのシリコンの酸化膜上にレジストを塗布、そして露光、現像、エッチング等の各工程を行っても良いことはいうまでもない。
【0070】
また、本実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図12のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図12において、パターン形成工程401では、本実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィ工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
【0071】
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列されたりしたカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。
【0072】
その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
【0073】
なお、上述の実施形態では、ArFエキシマレーザ光源またはKrFエキシマレーザ光源を用いているが、これに限定されることなく、たとえばF2 レーザ光源など他の適当な光源を用いることもできる。さらに、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系の収差調整方法に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な投影光学系の収差調整方法に対して本発明を適用することもできる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の露光装置および露光方法では、収差の調整に際してマスクを照明する光の偏光状態を変更するだけで、投影光学系の光学特性を変更する必要が全くないので、従来技術における収差補正機構とは異なり、収差調整に伴って他の収差がほとんど発生することない。その結果、本発明では、簡素な機構にしたがって、投影光学系の2回回転対称収差を高精度に補正して、高解像の良好な露光を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】投影光学系の開口絞りの近傍に配置された複屈折部材のリターデーション分布を示している。
【図3】第1プリズム組立体の回転により得られるレチクル照明光の偏光状態を示す図である。
【図4】図3(a)の非偏光状態において投影光学系に波面収差が発生しない様子を示す図である。
【図5】図3(b)の偏光状態への変更により投影光学系に発生する波面収差を模式的に示す図である。
【図6】図3(c)の偏光状態への変更により投影光学系に発生する波面収差を模式的に示す図である。
【図7】楕円形状や変形四極形状の開口を有する開口絞りを示す図である。
【図8】マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。
【図9】マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
【符号の説明】
1 光源
2 リレー系
4,5 プリズム組立体
6 回折光学素子
7 ズームコンデンサ光学系
8 マイクロフライアイレンズ
9 コンデンサ光学系
10 レチクルブラインド
11〜15 レチクルブラインド結像光学系
16 レチクル(マスク)
17 レチクルステージ
18 投影光学系
18a 複屈折部材
19 ウェハ(感光性基板)
20 ウェハステージ
21 収差測定器
22 制御部
23 回転駆動部

Claims (17)

  1. マスクを照明する照明系と、前記マスクのパターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備えた露光装置において、
    前記照明系の光路中に配置されて前記マスクを照明する光の偏光状態を変更するための変更手段と、
    前記投影光学系の光路中に配置されて、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材とを備えていることを特徴とする露光装置。
  2. 前記光学部材は、開口絞りの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記光学部材は、前記マスクの近傍に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  4. マスクを照明する照明系と、前記マスクのパターンの像を基板上に投影する投影光学系とを備えた露光装置において、
    前記照明系の光路中に配置されて前記マスクを照明する光の偏光状態を変更するための変更手段と、
    前記投影光学系の光路中に配置されて複屈折率分布を有する光学部材とを備え、
    前記投影光学系は、光軸上像点の射出瞳内において前記射出瞳の原点に関して回転対称なリターデーション分布を有することを特徴とする露光装置。
  5. 前記光学部材は、結晶軸[100]または該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第1群の光透過部材と、結晶軸[100]または該結晶軸[100]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第2群の光透過部材とを有し、
    前記第1群の光透過部材と前記第2群の光透過部材とは、光軸を中心としてほぼ45度だけ相対的に回転した位置関係を有することを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
  6. 前記光学部材は、結晶軸[111]または該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第1群の光透過部材と、結晶軸[111]または該結晶軸[111]と光学的に等価な結晶軸と光軸とがほぼ一致するように形成された第2群の光透過部材とを有し、
    前記第1群の光透過部材と前記第2群の光透過部材とは、光軸を中心としてほぼ60度だけ相対的に回転した位置関係を有することを特徴とする請求項4に記載の露光装置。
  7. 前記回転対称なリターデーション分布は、球面状の形状を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 前記回転対称なリターデーション分布は、放物面状の形状を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。
  9. 前記変更手段は、前記照明系の光軸に関して回転可能に設けられた楔形状の水晶プリズムを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の露光装置。
  10. 照明されたマスクのパターンの像を、投影光学系を介して基板上に転写する露光方法において、
    前記投影光学系は、光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材を備え、
    前記投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする露光方法。
  11. 前記光学部材は開口絞りの近傍に配置され、
    前記投影光学系の光軸上の非点収差を調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  12. 前記光学部材は前記マスクの近傍に配置され、
    前記投影光学系の非等方的ディストーションを調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする請求項10に記載の露光方法。
  13. 照明されたマスクのパターンの像を、投影光学系を介して基板上に転写する露光方法において、
    前記投影光学系は、複屈折率分布を有する光学部材を備え、光軸上像点の射出瞳内において前記射出瞳の原点に関して回転対称なリターデーション分布を有し、
    前記光軸に関する2回回転対称な収差を調整するために前記マスクを照明する光の偏光状態を変更することを特徴とする露光方法。
  14. 投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を調整する収差調整方法において、
    前記投影光学系は、前記光軸に関して回転対称なリターデーション分布を有する光学部材を備え、
    前記2回回転対称な収差を調整するために前記投影光学系への入射光の偏光状態を変更することを特徴とする収差調整方法。
  15. 前記光学部材は開口絞りの近傍に配置され、
    前記投影光学系の光軸上の非点収差を調整するために前記入射光の偏光状態を変更することを特徴とする請求項14に記載の収差調整方法。
  16. 前記光学部材は物体面の近傍に配置され、
    前記投影光学系の非等方的ディストーションを調整するために前記入射光の偏光状態を変更することを特徴とする請求項14に記載の収差調整方法。
  17. 投影光学系の光軸に関する2回回転対称な収差を調整する収差調整方法において、
    前記投影光学系は、複屈折率分布を有する光学部材を備え、光軸上像点の射出瞳内において前記射出瞳の原点に関して回転対称なリターデーション分布を有し、
    前記2回回転対称な収差を調整するために前記投影光学系への入射光の偏光状態を変更することを特徴とする収差調整方法。
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