JP2004100952A - ボルト・ナットの緩み止め具及びボルトの締結具 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ボルト6の脚部7に形成されたネジ溝と嵌合する第1コイルバネ部2と、ボルトに装着されたナット9に当接する第2コイルバネ部とを備えるボルト・ナットの緩み止め具1であって、第1コイルバネ部は嵌合するボルトの脚部の外径よりも小さな内径であり、第2コイルバネ部は第1コイルバネ部の先端部5から連続して伸設されると共に、第2コイルバネ部は第1コイルバネ部の内径よりも大きな内径である。
【選択図】 図1
Description
ここで、コイルバネ部の内径は、緩み止め具を装着するボルトの脚部の外径よりわずかに小さな内径となる様に構成されている。
即ち、ボルトの先端部に緩み止め具を当接した状態で緩み止め具を回転することにより、コイルバネ部の内径が拡大する方向にコイルバネ部を変形させ、コイルバネ部の素線をボルトの脚部の端部から脚部に設けられたネジ溝に沿って嵌り込ませ、ボルトの脚部に緩み止め具を装着する。
また、構造物の固定は、構造物を確実に固定できると共に長期間に亘って安定した固定がなされていれば充分であり、固定の方法はボルト・ナットによる締付けに限定されることはないとの観点から、長期間に亘って構造物を確実に固定することが可能であるボルトの締結具を提供することを目的とするものである。
また、第2コイルバネ部によって、ナットに対してボルトの頭部方向に応力を与えることができるために、ナットの緩みを抑制することができる。
また、第2コイルバネ部によって、ボルトとボルトの締結具で固定する被固定物に対してボルトの頭部方向に応力を与えることができる。
また、本発明のボルトの締結具によれば、長期間に亘って構造物を確実に固定することが可能である。
また、第2コイルバネ部は、第1コイルバネ部の先端部から連続的に伸設され、図1中符号cで示す第2コイルバネ部の内径が第1コイルバネ部の内径よりも大きな径で形成されると共に、第1コイルバネ部と同方向に巻回されている。
また、第2コイルバネ部は素線を略円形状に巻回しているが、第2コイルバネ部は緩み止め具をボルトの脚部に取り付けた際にナットに対してボルトの頭部方向へ応力を与えることができれば充分であって、必ずしも素線を略円形状に巻回する必要は無い。
同様に、第2コイルバネ部はナットに対してボルトの頭部方向へ応力を与えることができれば充分であって、必ずしも第1コイルバネ部と同方向に巻回する必要は無いが、より一層確実にナットに対してボルトの頭部方向へ応力を与えることができる様に第2コイルバネ部は第1コイルバネ部と同方向に巻回する方が好ましい。
ここで、緩み止め具は、図2(b)で示す様に、第2コイルバネ部がナット9に当接した状態から更に緩み止め具を回転し、図2(c)で示す様に第1コイルバネ部が更に溝部に沿って嵌り込むと共に第2コイルバネ部がボルトの軸方向に圧縮変形した状態になるまで回転して取り付けを行う。
即ち、ボルトの脚部の外径よりも小さな内径を有する第1コイルバネ部をその径を拡大した状態で嵌め込んでいるために、第1コイルバネ部とボルトの脚部との間の摩擦力により第1コイルバネ部の素線が強固にボルトの脚部に固定され、ボルトに固定された素線がナットの離脱方向への回転を規制する。また、第2コイルバネ部はボルトの軸方向に圧縮変形した状態で取り付けられているために、第2コイルバネ部が有する弾性力によりナットの離脱方向に抗する応力をナットに与える。このナットに与えられる応力はまた、第1コイルバネ部の素線をボルトの脚部に形成されたネジ溝に圧接する応力としても作用し、緩み止め具に対する外部からの不測の衝撃等によりナットが離脱方向に戻ることへの抵抗力を増大している。
即ち、内径の小さな第1コイルバネ部が内径の大きな第2コイルバネ部の内側に入り込むことにより、第1コイルバネ部と第2コイルバネ部とが重なり合い、第1コイルバネ部の素線と第2コイルバネ部の素線とがたすき掛け状態となる部分が生じることによってナットの離脱方向に抗する応力をより一層ナットに与えることができる。
即ち、上記した緩み止め具として使用する場合における取り付け方法と同様に、締結具の第2コイルバネ部にボルトの脚部を挿通し、第1コイルバネ部とボルトの先端部とを当接した状態で締結具を回転し、第1コイルバネ部の内径が拡大する方向に第1コイルバネ部を変形させ、第1コイルバネ部の素線をボルトの脚部の先端部からネジ溝に沿って嵌り込ませ、第2コイルバネ部がボルトにより固定する被固定物に当接した状態から更に締結具を回転し、第2コイルバネ部がボルトの軸方向に圧縮変形した状態となるまで回転して図4に示す様にボルトの脚部に締結具の取り付けを行う。
また、締結具はナットに比べて格段に質量が小さいために、構造物全体の質量低減が可能となり、特に橋梁等の多数のボルトを締結する場合にはその効果が顕著である。
また、本発明を適用したボルト・ナットの緩み止め具の他の一例では、図6(a)で示す様に、その断面が略長方形状である素線によって第1コイルバネ部及び第2コイルバネ部が構成されている。
即ち、第2コイルバネ部を構成する断面が略長方形状である素線を傾斜した状態で巻回することによって、第2コイルバネ部が所謂皿バネと同様の機能を果たし、第2コイルバネ部がナットに対してボルトの頭部方向へ与える応力を増大しても良い。
即ち、通常の断面円形状の素線を用いて第1コイルバネ部及び第2コイルバネ部が形成された場合において、図3で示す状態となる様に緩み止め具を大きな締め付けトルクで取り付けた場合には、ボルトの脚部とナットとの間隙に素線がもぐり込んでしまい、第1コイルバネ部によるボルトの脚部の締付けトルクが不安定となってしまう。従って、緩み止め具を大きな締付けトルクで取り付けた場合であっても、素線の外側部がナットと当接することによってもぐり込み現象を抑制すべく、断面異形状の素線を用いており、もぐり込み現象を抑制することができれば素線はいかなる断面形状であっても良く必ずしも略長方形の断面である必要は無い。
即ち、通常の断面円形状の素線を用いて第1コイルバネ部及び第2コイルバネ部が形成された場合には、図8(a)で示す様に、ボルトの脚部と被固定物との間隙11に素線がもぐり込んでしまい、第1コイルバネ部によるボルトの脚部の締付けトルクが不安定となってしまう。これに対して、断面が略長方形状の素線を用いて第1コイルバネ部及び第2コイルバネ部が形成された場合には、図8(b)中符号dで示す素線の外側部が被固定物と当接することによってもぐり込み現象を抑制することができる。
2 第1コイルバネ部
3 第2コイルバネ部
4 基端部
5 先端部
6 ボルト
7 脚部
8 ボルトの先端部
9 ナット
10 被固定物
11 間隙
Claims (14)
- ボルトの脚部に形成されたネジ溝と嵌合する第1コイルバネ部と、
前記ボルトに装着されたナットに当接する第2コイルバネ部とを備えるボルト・ナットの緩み止め具であって、
前記第1コイルバネ部は嵌合するボルトの脚部の外径よりも小さな内径であり、
前記第2コイルバネ部は前記第1コイルバネ部の先端部から連続して伸設されると共に、
前記第2コイルバネ部は前記第1コイルバネ部の内径よりも大きな内径である
ボルト・ナットの緩み止め具。 - 少なくとも前記第1コイルバネ部を形成する素線の断面が異形状である
請求項1に記載のボルト・ナットの緩み止め具。 - 前記第1コイルバネ部を形成する素線の内側部が、前記ボルトのネジ溝に沿った略山形形状である
請求項1に記載のボルト・ナットの緩み止め具。 - 前記第2コイルバネ部が波型形状に加工された
請求項1、請求項2または請求項3に記載のボルト・ナットの緩み止め具。 - 前記第1コイルバネ部の基端部が六角形状に巻回された
請求項1、請求項2、請求項3または請求項4に記載のボルト・ナットの緩み止め具。 - 前記第1コイルバネ部は、一定の方向に回された場合に嵌合するボルトの先端部から頭部に向けて嵌り込む如く巻回された
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4または請求項5に記載のボルト・ナットの緩み止め具。 - 前記第1コイルバネ部と前記第2コイルバネ部とが同方向に巻回された
請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5または請求項6に記載のボルト・ナットの緩み止め具。 - ボルトの脚部に形成されたネジ溝と嵌合する第1コイルバネ部と、
前記ボルトに固定する被固定物に当接する第2コイルバネ部とを備えるボルトの締結具であって、
前記第1コイルバネ部は嵌合するボルトの脚部の外径よりも小さな内径であり、
前記第2コイルバネ部は前記第1コイルバネ部の先端部から連続して伸設されると共に、
前記第2コイルバネ部は前記第1コイルバネ部の内径よりも大きな内径である
ボルトの締結具。 - 少なくとも前記第1コイルバネ部を形成する素線の断面が異形状である
請求項8に記載のボルトの締結具。 - 前記第1コイルバネ部を形成する素線の内側部が、前記ボルトのネジ溝に沿った略山形形状である
請求項8に記載のボルトの締結具。 - 前記第2コイルバネ部が波型形状に加工された
請求項8、請求項9または請求項10に記載のボルトの締結具。 - 前記第1コイルバネ部の基端部が六角形状に巻回された
請求項8、請求項9、請求項10または請求項11に記載のボルトの締結具。 - 前記第1コイルバネ部は、一定の方向に回された場合に嵌合するボルトの先端部から頭部に向けて嵌り込む如く巻回された
請求項8、請求項9、請求項10、請求項11または請求項12に記載のボルトの締結具。 - 前記第1コイルバネ部と前記第2コイルバネ部とが同方向に巻回された
請求項8、請求項9、請求項10、請求項11、請求項12または請求項13に記載のボルトの締結具。
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2003
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