JP2004099006A - 自動車内装品 - Google Patents

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Masaru Ido
井戸 優
Tatsuhiro Ueno
上野 樹広
Tatsuo Yamada
山田 達夫
Akiyoshi Nagano
永野 昭義
Kenji Sugiyama
杉山 健二
Junichi Asanuma
浅沼 準一
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Toyoda Gosei Co Ltd
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Abstract

【課題】蓋体ヒンジ作用を担う蓋体リテーナの湾曲ヒンジ部におけるヒンジ作用の向上が容易となるエアバッグ蓋体部付き自動車内装品を提供すること。
【解決手段】エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品。蓋体部12、12がテアラインTLで区画されて本体他部15とともに一体成形された硬質樹脂製の内装品本体10と、該内装品本体10の裏面に結合される軟質樹脂製の蓋体リテーナ24Aとを備えている。蓋体リテーナ24Aは、蓋体結合部26と本体結合部28と両結合部26、28を繋ぐ湾曲ヒンジ部22Aとを備えている。湾曲ヒンジ部22Aを少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材Fで形成する。
【選択図】図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品に関する。具体的には、蓋体部が本体他部とともにテアラインで区画されて一体成形された硬質樹脂製の内装品本体と、該内装品本体の裏面に結合される軟質樹脂製の蓋体リテーナとを備えたエアバッグ蓋体部付き自動車内装品に関する。
【0002】
以下、本明細書においては、自動車内装品として、エアバッグ用蓋体部付きのインストルメントパネル(以下「インパネ」と記す。)を例に採り説明するが、その他、サイドドア、ピラー、フロント・バックシート用エアバッグ用蓋体部を備えた自動車内装品にも本発明は適応が可能である。
【0003】
【背景技術】
インパネ本体が硬質樹脂(例えばPPF)で成形されたいわゆるハードインパネ(一般射出インパネ)において、助手席用エアバッグ装置のエアバッグ飛び出し口を形成するバッグ蓋体は、従来、インパネ本体とは別体に成形されていた。このため、バッグ蓋体とインパネ本体との間に隙間や段違いが発生しやすく、意匠的に制限を受けるとともに、組み付け工数が嵩んだ。
【0004】
そこで、蓋体部が一体成形された硬質樹脂本体(インパネ本体)を備えたハードインパネが種々提案されている(下記特許文献1〜5参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−44910号公報
【特許文献2】
特開平11−301398号公報
【特許文献3】
特開平11−310100号公報
【特許文献4】
特開2000−71924号公報
【特許文献5】
特開2002−12116号公報
【0006】
そして、上記の如く、蓋体部を本体他部とともに硬質樹脂材料でインパネを一体成形した場合は、蓋体部のヒンジ部に良好な展開性能を確保しがたく、かつ、ヒンジ部が割れるおそれがある。
【0007】
そこで、インパネ本体10におけるテアラインTL(前・後蓋体部12、12を本体他部14から区画する)は、図1・2に示す如く、回動端テアライン(第一テアライン)16及びそれに直交するサイドテアライン(第二テアライン)18、18ばかりのみでもなく、ヒンジテアライン(第三テアライン)20も有するものとする。そして、インパネ本体10の裏面に湾曲ヒンジ部22を備えた軟質樹脂製の蓋体リテーナ24を結合させて、湾曲ヒンジ部22で蓋体部12、12のヒンジ作用を担わすようにしていた(図4参照)。図4における他の図符号は、図5・6におけるものと対応させてある。
【0008】
なお、上記蓋体リテーナ22は、通常、蓋体部12側に結合される蓋体結合部26と、本体他部14側に結合される本体結合部28と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部22とを備えており、全体が一体成形品であった。
【0009】
このとき、湾曲ヒンジ部を、良好なヒンジ作用(蓋体の迅速な展開)を担わせるためには可及的に薄肉の方が望ましいが、他方、蓋体展開時の離脱力(飛散としようとする力)に抗する十分な強度を有する必要があるため、余り薄肉にするには限度がある。この二律背反的要求から、湾曲ヒンジ部のヒンジ作用の向上が困難であった。
【0010】
【発明の開示】
本発明は、上記にかんがみて、蓋体ヒンジ作用を担う蓋体リテーナの湾曲ヒンジ部におけるヒンジ作用の向上が容易となるエアバッグ蓋体部付き自動車内装品を提供することを目的とする。
【0011】
本発明の自動車内装品は、上記目的を、下記構成により解決するものである。
【0012】
エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
蓋体部が本体他部からテアラインで区画されて本体他部とともに一体成形された硬質樹脂製の内装品本体と、該内装品本体の裏面に結合される軟質樹脂製の蓋体リテーナとを備え、
該蓋体リテーナは、前記蓋体部側に結合される蓋体結合部と、本体他部側に結合される本体結合部と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部とを備え、
該湾曲ヒンジ部が前記蓋体結合部及び本体結合部を形成する樹脂とは別材質の少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で形成されていることを特徴とする。
【0013】
湾曲ヒンジ部を蓋体・本体結合部の形成樹脂とは異なる別材質の少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で形成することにより、蓋体・本体結合の形成樹脂に限定されず、十分な屈曲自在性と強度を備えた材質のものを湾曲ヒンジ部として選定できる。したがって、エアバッグ蓋体部付き自動車内装品装品において、蓋体リテーナの湾曲ヒンジ部におけるヒンジ作用の向上が容易となる。
【0014】
上記構成において、薄肉可撓性部材として、蓋体リテーナ(蓋体・結合部)の形成樹脂がインサート成形時に侵入可能な孔部を無数に備えたものとすることが望ましい。薄肉可撓性部材をインサートとして、蓋体リテーナを成形した場合、薄肉可撓性部材の蓋体・本体結合部に対する十分な結合力を容易に得ることができる。
【0015】
湾曲ヒンジ部を形成する薄肉可撓性部材を伸縮性部材とすることが望ましい。ヒンジテアライン破断後の蓋体展開時における展開迅速性が得易くなる。すなわち、扉体の展開時に蓋体に作用する加速方向(遠心方向)に湾曲ヒンジ部が伸びるため、湾曲ヒンジ部が非伸縮性の場合に比して、湾曲ヒンジ部がヒンジテアライン破断後の本体開口縁と干渉しがたく、干渉したとしても蓋体の回動(展開)を阻害し難い。
【0016】
湾曲ヒンジ部を形成する薄肉可撓性部材としては、耐熱繊維製布体が望ましい。強度を得やすくかつインサート成形した場合に蓋体・本体結合部との結合強度を得易い。
【0017】
本発明の自動車内装品における蓋体リテーナは、下記構成となる。
【0018】
エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備え、該蓋体部が本体他部からテアラインで区画されて本体他部とともに一体成形される硬質樹脂製の自動車用内装品本体の裏面に結合されて使用され、蓋体部側に結合される蓋体結合部と、本体他部側に結合される本体結合部と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部とを備えた蓋体リテーナにおいて、
該湾曲ヒンジ部が蓋体結合部及び本体結合部を形成する樹脂とは別材質の少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で形成されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の技術的思想は、蓋体リテーナを備えないエアバッグ蓋体部付き自動車内装品にも適用でき、その場合の構成は下記の如くになる。
【0020】
エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
蓋体部が本体他部とともにテアラインで区画されて一体成形された硬質樹脂製の内装品本体を備えた自動車内装品において、
蓋体部と本体他部とが、少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で形成された湾曲ヒンジ部を介して繋がれていることを特徴とする。
【0021】
前記目的は、下記構成の自動車内装品によっても達成できる。
【0022】
エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
前記蓋体部がテアラインで本体他部から区画されて本体他部とともに一体成形された硬質樹脂製の内装品本体と、該内装品本体の裏面に結合される軟質樹脂製の蓋体リテーナとを備え、
該蓋体リテーナは、前記蓋体部側に結合される蓋体結合部と、前記本体他部側に結合される本体結合部と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部とを備え、
該湾曲ヒンジ部が、形態保持性を有し、前記両結合部より曲げこわさが小さくされた略V字形断面を備え、該V字形断面は本体結合側の辺が蓋体結合側の辺より長く形成されていることを特徴とする。
【0023】
すなわち、湾曲ヒンジ部の曲げこわさを蓋体リテーナ他部(一般部)の曲げこわさより小さくし、かつ、本体結合側の辺が蓋体結合側の辺より長いため、すなわち、蓋体結合側辺が本体結合側辺より短いため、蓋部の展開に際して、バッグに押されて膨張バッグ上部側面と蓋体リテーナの前・後取付け壁内面との間で挟み込まれて(湾曲ヒンジ部のヒンジ作用)が阻害され難くなる。したがって、蓋体リテーナの湾曲ヒンジ部におけるヒンジ作用の向上が容易となる。
【0024】
【発明を実施するための最良の形態】
次に、本発明の各実施形態について、エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品として、図1に示すようなインパネ12を例に採り説明をする。
【0025】
図5・6に本発明の一実施形態を示す。
【0026】
インパネ12は、図5・6に示す如く、観音開き可能に一対の前・後蓋体部12、12が本体他部14とともに一体成形された硬質樹脂製のインパネ本体(内装品本体)10と、前・後蓋体部12、12の裏面部に対応させて結合される蓋体リテーナ24Aとからなる。
【0027】
ここで、インパネ本体10を成形する硬質樹脂としては、通常、曲げ弾性率(ASTM D624、以下同じ):1500〜3000MPaで、引張り強度(ASTM D790、以下同じ):10〜30MPaであるもの、望ましくは、曲げ弾性率:1750〜2500MPaで、引張り強度:13〜26MPaであるものを使用する。インパネ本体(内装品本体)10の形態保持性(テアラインの変形防止)の見地からは、曲げ弾性率が高い方が望ましく、蓋体部12、12を区画するテアラインTLにおけるエアバッグ作動時の破断性能(エアバッグ展開性能)を確保するためには、引張り強度が相対的に小さい方が望ましい。
【0028】
硬質樹脂の種類としては、例えば、PPT(タルク充填ポリプロピレン)、PPC(カーボン充填ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)/ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体)、PC(ポリカーボネート)、ASG(ガラス繊維充填アリル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン三元共重合体)、PPE(ポリフェニレンエーテル)等を挙げることができる。これらの硬質樹脂の中、軽量化等の見地から、無機充填剤で強化した結晶性ポリオレフィン系樹脂(例えば、PPT)が好ましい。
【0029】
ここで、インパネ本体10は、観音開きの前・後蓋体部12、12を備えているため、インパネ本体10がH字形の前後の蓋体部12、12の回動外郭に沿う回動端・サイドテアライン(第一・第二テアライン)16、18および該H字形の上下端を結ぶ蓋体ヒンジに沿う前後のヒンジテアライン20、20が、インパネ本体10の裏面側から形成されている。各テアライン16、18、20を裏面側から形成して表面側に顕出させないのは意匠上(リッド部インビジブル)の要請からである。
【0030】
そしてテアライン(破断予定線)TLは、図例では、丸孔P等とブリッジBを所定ピッチで連続的に並べたミシン目(破線状)とされている(図2・3参照)。
【0031】
なお、このようにテアラインTLな破線状とするのは、自動車内装品本体における蓋体部12、12と本体他部14との一体性(結合性)を確保、即ち、テアラインTLにおける高温雰囲気下における剛性(耐変形性)を確保するためである。
【0032】
このテアラインTLは、上記テアラインTLは、他のレーザ加工、超音波加工、等の後加工で形成してもよいが、インパネ本体10の射出成形時(型成形時)に同時形成する加工方法が望ましい。生産性及びテアラインに熱履歴による劣化が発生しないため、テアライン破断強度を確保し易い。
【0033】
例えば、テアラインTLを備えた上記インパネ本体10は、下記のようにして製造する(主として図7・8参照)。
【0034】
図7に示すような蓋体部用のテアライン(破断予定部)TLに対応させたテアライン形成突部30を備えたテアライン賦形ブロック32を用意する。なお、テアライン形成突部30は、先端部角錐状の孔賦形ピン30aを多数本、所定ピッチで並べることにより構成されている。
【0035】
そして、上記賦形ブロック32を、図8に示すような雄型34と雌型36とからなる射出成形金型38に組み込んで成形する。賦形ブロック32は、油圧シリンダ40等で前進・後退可能とされている。
【0036】
そして、成形材料を製品キャビティ(インパネ本体賦形キャビティ)C充填時間中に図8(A)から図8(B)の如く前進させて、即ち、テアライン形成突部30をキャビティC内に突出させて、その状態を充填時間(充填工程又は射出)終了後、型開き前(図例で保圧時間中)にテアライン形成突部30を後退させる。すると、図3に示すような丸孔PとブリッジBとからなるテアラインTL(16、18、20)が形成される。
【0037】
蓋体リテーナ24は、インパネ本体10の裏面で蓋体部12、12のヒンジ(ヒンジテアライン)の外側部位に結合される長板状の前・後本体結合部(固定板部)28、28と、各本体結合部28、28から湾曲ヒンジ部22A、22Aを介して蓋体部12、12の裏面に結合され各回動端26a、26bで非連続となっている(隙間を有する)一対の前・後蓋体結合部(回動板部)26、26とを備えている。
【0038】
さらに、図例の蓋体リテーナ24は、必然的ではないが、前・後本体結合部28、28から、エアバッグモジュールMと結合される前・後取付け脚部29、29を備えている。
【0039】
ここで、蓋体結合部26及び本体結合部28を形成する樹脂は、通常、軟質樹脂とする。特に、蓋体結合部(回動結合部)26は、エアバッグの傷付き防止の見地から軟質樹脂製とすることが望ましい。本体結合部28は、硬質樹脂製としてもよいが、成形性の見地等から軟質樹脂製とする。通常、蓋体結合部26及び本体結合部は、同一金型で同時成形するためである。
【0040】
上記蓋体リテーナを形成する軟質樹脂としては、上記同様、軽量化等の見地から、オレフィン系(TPO)、1,2−PB系(RB)、スチレン系(TPS)等の非極性熱可塑性エラストマーを好適に使用できる。インパネ本体(硬質樹脂本体)10と蓋体リテーナ24とを融着(接着)させて一体化させない場合、すなわち、図例の如く、熱カシメリブをインパネ本体側から突出させて、機械的に結合させる場合は、ポリエステル系(TPEE)、アミド系(TPA)、ウレタン系(TPU)等の極性熱可塑性エラストマーも使用可能である。
【0041】
そして、本実施形態では、蓋体リテーナ24Aにおける湾曲ヒンジ部22Aが蓋体結合部26及び本体結合部28を形成する樹脂とは別材質の少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材Fで実質的に形成されている。
【0042】
ここで、少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材としては、通常は、布体、ネット体、延伸フィルム等の少なくとも一方向の引張り強度において大きな材料(例えば2000MPa以上)で形成した薄板状体を使用するが、テープ、リボンのような帯状体、さらには、紐、糸など線状体を挙げることができる。ここで、薄肉とは、肉厚約3mm以内のものをさすが、通常は、肉厚約1mm以下とする方が屈曲自在性を確保しやすくて望ましい。
【0043】
これらのうちで、特に、ナイロン糸やポリエステル糸の如く、相対的に耐熱性に優れかつ引張り強度も大きき極性繊維糸で形成した織り布、ニット(メリヤス)生地、メッシュ生地(ガーゼ状)が望ましい。これらの薄肉可撓性部材は汎用性に富む。しかも、これらの薄肉可撓性部材をインサートとして蓋体リテーナ24Aを射出成形した場合、布体の編目又は織目間に成形材料が侵入することにより薄肉可撓性部材の蓋体・本体結合部26、28に対する十分な結合力を容易に得ることができる。
【0044】
さらにこれらの中でメリヤス生地の如く、伸縮性のあるものが、前述の如く、蓋体の展開性能が良好となって望ましい。
【0045】
そして、本実施形態の蓋体リテーナ24Aは、図9に示すような射出成形金型41を使用して射出成形により製造をする。当該射出成形金型41は、上型42、下型44、及び、前・後取付け脚部29、29を離型するためのスライドコア46、46を備えている。
【0046】
この際、薄肉可撓性部材を帯状体や線状体の場合は、蓋体リテーナ24Aの成形時に下型44に複数本を並列させてセットしたあと(ガイド溝などを介して)上型42で挟持して、軟質成形材料を製品キャビティC1に図示しないゲートを介して射出する。
【0047】
このとき、薄肉可撓性部材Fの製品キャビティC1内への侵入量は、通常、10〜50mmとする。また、蓋体結合部26及び本体結合部のインパネ本体の裏面に結合時の隙間Sに対するたるみ量は、すなわち、隙間距離S(通常10〜15mm)より10〜30mm大きいものとする。
【0048】
当該蓋体リテーナ24Aは、前述のインパネ本体10に結合させて、インパネとして使用する(図5・6参照)。
【0049】
そして、上記各本体結合部28、28の本体他部14の裏面に対する又は蓋体結合部26、26の蓋体部12、12に対する結合は、図例では熱カシメリブ14a,12a等による非接着的結合(機械的結合)であるが、全面接着(化学的結合)とするが、部分結合でもよい。また、前・後取付け壁部29、29は、蓋体リテーナ24の一部でなくても別材料で二色成形したり、分割状態でインパネ本体(硬質樹脂本体)から突出させたりしてもよい。
【0050】
こうして製造したインパネには、エアバッグモジュールMを組み付け、実車に装着して使用をする。
【0051】
エアバッグモジュールMは、基本的には、バッグ本体48と、該バッグ本体48に膨張ガスを流入させるインフレータ50と、それらの部材を一体化させるバッグケース52とからなる。バッグケース52は、インフレ―タ50を保持し、バッグ本体48内に膨張ガス流入をガイドするディフューザ板を兼ねるリテーナ54が一体化されている。
【0052】
バッグケース52の前・後壁52a、52bを、それらの先端湾曲部に、インパネ本体10の結合裏面に形成された蓋体リテーナ24の前・後取付け脚部29、29の係合孔部29aを介して挿入係合させて取付け、エアバッグアセンブリとし、図示しないブラケットを介して車体(実車)に装着する。
【0053】
そして、車体に所定値以上の衝撃荷重が作用すると、バッグ蓋体部12、12のテアラインンTLが下記の如く破断して、蓋体部12、12がインパネ本体10(本体他部14)から分離(観音開き)して、エアバッグ飛び出し口15が形成されエアバッグ(バッグ本体48)が迅速に膨張展開する。
【0054】
まず、バッグ本体48が、展開膨張することによりインパネ本体10を裏側(下面)から押圧する。そしてインパネ本体10におけるH字形の回動端テアライン18の中央部が破断起点となる。回動端テアライン18の中央部から破断が左右に伝播し、さらに、サイドテアライン19に伝播する。そして、蓋体部12、12が回動(展開)して観音開きと可能となる。そして、蓋体部12、12が開方向に回動すると同時にヒンジテアライン20にも応力が集中・破断して蓋体部12、12がインパネ本体10から分離する。蓋体リテーナ24の薄肉可撓性部材で形成された湾曲ヒンジ部24が、蓋体部10の分離により形成されたインパネ本体10のエアバッグ飛び出し口15の縁部15a、15aを抱き込むように前・後に展開する(図6参照)。そして、該エアバッグ飛び出し口15からエアバッグ(バッグ本体48)が飛び出し乗員を保護する。
【0055】
上記実施態様においては、湾曲ヒンジ部24を蓋体リテーナ24と別材質の薄肉可撓性部材で形成した場合を例に採り説明をしたが、図10に示すような、蓋体リテーナ24の一部として湾曲ヒンジ部22が同材質で一体化される従来構成において下記構成とすることによっても、前記本発明の目的を達成することができる。
【0056】
すなわち、該湾曲ヒンジ部22Bが、形態保持性を有し、蓋体リテーナ24Bの他部(一般部)、すなわち、両結合部(蓋体結合部26及び本体結合部28)より曲げこわさが小さくされた略V字形断面を備え、該V字形断面は本体結合側辺22aが蓋体結合側辺22bより長く形成されている。
【0057】
具体的には、蓋体リテーナ一般部、すなわち、両結合部(蓋体結合部26及び本体結合28)より、肉厚が薄くされて曲げこわさが小さくなっている。具体的には、蓋体リテーナ24Bの一般部の肉厚が3mmの場合において、湾曲ヒンジ部22Bの肉厚を1.5〜2mm(望ましくは1.8mm前後)とする。湾曲ヒンジ部の肉厚が薄すぎると蓋体展開時における強度(引っ張り)を確保し難く、肉厚が厚すぎると曲げこわさが高くなり、ヒンジ部に所要の柔軟性(ヒンジ特性、屈曲性能)を付与し難い。
【0058】
そして、図例ではV字形断面は、蓋体側辺22aが略直立辺とされ、非蓋体側辺22bが斜辺とされた略直角三角形とされている(図11参照)。そして、ここで蓋体側を略直立辺としたのは、バッグ展開時におけるバッグとの干渉を避けるためである。
【0059】
また、傾斜角度αは30〜60°、望ましくは、40〜50°、さらに望ましくは45°前後とする。傾斜角度が小さいと、相対的に湾曲ヒンジ部22Bの全体距離が短くなり、蓋部展開直後における引張り衝撃が作用し易く、強度確保の見地から、相対的に湾曲ヒンジ部22Bの肉厚を厚くする必要性が増大する(湾曲ヒンジ部の柔軟性が低下して望ましくない。)。傾斜角度が大きいと、湾曲ヒンジ部の全体距離が長くなり、バッグ展開時、すなわち、蓋部展開に際して、湾曲ヒンジ部22Bが、バッグに押されてバッグ側面上部48bと蓋体リテーナ24Bの前・後取付け壁内側面29bとの間で挟み込まれ易くなる。
【0060】
なお、湾曲ヒンジ部の頂部R:3〜4mmとする。
【0061】
そして、上記湾曲ヒンジ部のバッグ展開時におけるヒンジ作用は下記の如くである。
【0062】
バッグ48が膨張展開して、図11(A)に示す状態からバッグ上面48aが湾曲ヒンジ部22Bの下向き頂部22cに力が作用する。そして、このとき、湾曲ヒンジ部22Bの非蓋部側辺22bが蓋部側辺22aより長く形成されているため、図11(B)に示す如く、湾曲ヒンジ部22Bが蓋体結合部下面26cとの間に挟まれる。もし、非蓋体部側辺と蓋体部側辺とが従来の如く略等しいと、湾曲ヒンジ部22Bは、バッグに押された際、取付け壁29側に倒れて、バッグ側面上部48bと蓋体リテーナ24Bの取付け壁内側面29bとの間で挟み込まれ易くなる。そして、図11(C)に示す如く、バッグ48の膨張に蓋体耐えられなくなり、すなわち、ヒンジテアライン20にも応力が集中・破断して蓋体部12が、インパネ本体10から分離して回動展開する。このとき、湾曲ヒンジ部22Bは、バッグ側面上部48bと蓋体リテーナ24Bの取付け壁内側面29bとの間で挟み込まれていないため、蓋体部20の回動動作、即ち、湾曲ヒンジ部12のヒンジ作用が阻害されることがない。
【0063】
本実施形態のインパネの製造方法及び使用態様は前記実施形態と同様である。
【0064】
なお、上記各実施形態では、蓋体部を観音開きさせる場合を例に採ったが、蓋体部が片開きさせる場合でも、テアライン形状が矩形状になるだけで、他は同様である。また、上記実施形態では、インパネ本体に、湾曲ヒンジ部を蓋体リテーナにインパネ(自動車内装品)について説明をしたが、屈曲自在な可撓性部材で形成した湾曲ヒンジ部を直接インパネ本体に、ヒンジテアラインをまた(跨)いで形成する構成にも本発明の技術的思想は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する自動車内装品の一例を示す蓋体部付きインストルメントパネルを示す外観図
【図2】本発明を適用するインパネ本体の一例を示す要部裏面斜視図
【図3】図2の3−3線部位における断面図
【図4】従来例のインパネにおける従来例の装着態様断面図(但し、エアバッグモジュールは仮想線表示)
【図5】本発明の一実施形態であるインパネの装着態様断面図(但し、蓋体リテーナのみ実線表示)
【図6】同じくエアバッグ展開時の説明断面図(但し、エアバッグモジュールは仮想線表示
【図7】本発明の一実施形態であるインパネ本体の製造に使用するテアライン賦形ブロックの一例を示す斜視図
【図8】同じく射出成形用金型のモデル断面図
【図9】本発明の一実施形態である蓋体リテーナの製造に使用する射出成形用金型のモデル断面図
【図10】本発明の他の実施形態であるインパネの装着態様断面図(但し、蓋体リテーナのみ実線表示)
【図11】図10A部におけるバッグ膨張時における湾曲ヒンジ部の作用説明図
【符号の説明】
10 インパネ本体
12 インパネ本体における蓋体部
14 インパネ本体の蓋体部以外の本体他部
16 回動端テアライン(第一テアライン)
18 サイドテアライン(第二テアライン)
20 ヒンジテアライン(第三テアライン)
22、22A、22B 蓋体リテーナ
24、24A、22B 蓋体リテーナの湾曲ヒンジ部
22a 湾曲ヒンジ部の蓋体側辺(蓋体部結合側の辺)
22b 湾曲ヒンジ部の非蓋体側辺(本体部結合側の辺)
TL テアライン
F 可撓性部材

Claims (8)

  1. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
    前記蓋体部がテアラインで本体他部から区画されて本体他部とともに一体成形された硬質樹脂製の内装品本体と、該内装品本体の裏面に結合される軟質樹脂製の蓋体リテーナとを備え、
    該蓋体リテーナは、前記蓋体部側に結合される蓋体結合部と、前記本体他部側に結合される本体結合部と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部とを備え、
    該湾曲ヒンジ部が前記蓋体結合部及び前記本体結合部を形成する樹脂とは別材質の少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で形成されていることを特徴とする自動車内装品。
  2. 前記薄肉可撓性部材が、前記蓋体リテーナを形成する軟質樹脂材料がインサート成形時に侵入可能な孔部を無数に備えたものであることを特徴とする請求項1記載の自動車内装品。
  3. 前記薄肉可撓性部材が伸縮性部材であることを特徴とする請求項1又は2記載の自動車内装品。
  4. 前記薄肉可撓性部材が耐熱繊維製布体であることを特徴とする請求項1記載の自動車内装品。
  5. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備え、該蓋体部が本体他部からテアラインで区画されて本体他部とともに一体成形された硬質樹脂製の自動車用内装品本体の裏面に結合されて使用され、前記蓋体部側に結合される蓋体結合部と、前記本体他部側に結合される本体結合部と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部とを備えた蓋体リテーナにおいて、
    該湾曲ヒンジ部が、前記蓋体結合部及び前記本体結合部を形成する樹脂とは別材質の少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で形成されていることを特徴とする自動車内装品用蓋体リテーナ。
  6. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
    前記蓋体部が本体他部とともにテアラインで区画されて一体成形された硬質樹脂製の内装品本体を備えた自動車内装品において、
    前記蓋体部と本体他部とが、少なくとも一方向で屈曲自在な薄肉可撓性部材で実質的に形成された湾曲ヒンジ部を介して繋がれていることを特徴とする自動車内装品。
  7. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
    前記蓋体部がテアラインで本体他部から区画されて本体他部とともに一体成形された硬質樹脂製の内装品本体と、該内装品本体の裏面に結合される軟質樹脂製の蓋体リテーナとを備え、
    該蓋体リテーナは、前記蓋体部側に結合される蓋体結合部と、前記本体他部側に結合される本体結合部と、両結合部を繋ぐ湾曲ヒンジ部とを備え、
    該湾曲ヒンジ部が、形態保持性を有し、前記両結合部より曲げこわさが小さくされた略V字形断面を備え、該V字形断面は蓋体部結合側の辺が非蓋体結合側の辺より長く形成されていることを特徴とする自動車内装品。
  8. エアバッグ飛び出しのための蓋体部を備えた自動車内装品であって、
    前記蓋体部が本体他部とともにテアラインで区画されて一体成形された硬質樹脂製の内装品本体を備えた自動車内装品において、
    前記蓋体部と本体他部とが湾曲ヒンジ部を介して繋がれ、
    該湾曲ヒンジ部が、形態保持性を有し、前記両結合部より曲げこわさが小さくされた略V字形断面を備え、該V字形断面は蓋体部結合側の辺が非蓋体結合側の辺より長く形成されていることを特徴とする自動車内装品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006335151A (ja) * 2005-05-31 2006-12-14 Sanko Gosei Ltd 車両用エアーバック装置及びエアーバックカバー

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