JP2004098256A - 加工方法、加工装置および光学素子金型 - Google Patents

加工方法、加工装置および光学素子金型 Download PDF

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Abstract

【課題】光学素子をモールド成形するための光学素子金型に微細構造を刻設し、反射防止膜等と同様の薄膜機能を有する微細構造を光学素子表面に転写することで、光学素子の製造コストを下げる。
【解決手段】バイト11は、光の波長より小さい刃幅の切刃を有し、2つの直動アクチュエータ21、22によってXZ平面内で円形状または楕円状の擬似回転運動を行う。このバイト11をワークWに対して位置決め装置10によって相対移動させることにより、光の波長より小さいピッチの周期構成によって反射防止効果を有する微細構造を、ワークWに刻設する。このような微細構造を刻設した金型を用いて、反射防止効果をもつfθレンズ等の光学素子をモールド成形することにより、光学素子の生産効率を向上させることができる。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザービームプリンター等の画像形成装置のミラー(ポリゴンミラー)、結像レンズ(fθレンズ)等の光学素子表面において反射防止膜等と同等の薄膜機能を有する微細構造を、前記光学素子をモールド成形する金型に切削加工するための加工方法、加工装置および光学素子金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超微細加工を必要とする光学素子等の製造方法としては、従来から、半導体の製造技術であるリソグラフィ技術を用いて加工する方法が知られている。使用される装置としては、ステッパ、電子ビーム描画装置、イオンエッチング装置、イオンビーム装置などがある。
【0003】
一方、光学素子の表面には通常、反射光を抑制するための反射防止膜が設けられている。例えば高精度のレーザービームプリンターにおいては、ポリゴンミラー(スキャニングミラー)やfθレンズ(結像レンズ)に、ドラムとの多重反射ゴーストを防止するため反射防止膜をコーティングして使用している。
【0004】
また、従来、光の波長より小さい微小ピッチの格子や柱、ピットなどが配列された微細構造を持つ物体の表面は、ある屈折率をもつ薄膜が存在することと等価であり、その屈折率は微細な周期構造の周期(ピッチ)やそれを構成する物質の屈折率によって定まるもので、使用する光の波長が微細構造のピッチより充分に大きい場合に、微細構造の配列や方向性を工夫することにより、反射防止膜、あるいは、偏光制御、回折素子、狭帯域フィルター等の光学素子としての薄膜機能を持たせることが可能であることが知られている。
【0005】
例えば特開2000−258607号公報には、リソグラフィ技術により光学素子表面に反射防止効果を持った微細構造を形成する方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、リソグラフィ技術による微細構造の形成方法では、加工できる材料はガラス石英、Caf2 、フォトレジストなどに限られているため、直接金型の母材あるいは金属メッキ、スパッタ層等に微細構造を加工することはできないという制約がある。
【0007】
他方、fθレンズ等の表面に反射防止膜を成膜することで反射防止を行うためには、使用する光の波長に合わせて適切な屈折率を有する膜材料を選択する必要がある。例えば、屈折率ns を有する物質上に屈折率n、膜厚dの透明な単層反射防止膜が形成されている際の空気との界面における反射防止条件は、波長λの光に対して、次の(1)、(2)式を満たす必要がある。
【0008】
nd=(1/4+m/2)λ (m=1、2、3、..) ・・・(1)
n=(ns )1/2                  ・・・(2)
【0009】
しかし、現実的には膜材料の選択肢は少なく、各製品ごとに成膜する成膜コストも問題となっており、よりコストの低い反射防止措置が望まれている。
【0010】
本発明は、上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、反射防止膜等と同等の薄膜機能を有する光学素子を、モールド成形によって安価に大量生産することを可能にする金型の加工方法、加工装置および光学素子金型を提供することを目的とするものである。
【0011】
また、本発明の他の目的は、光学素子金型の自由曲面上に効率よく微細構造を形成することができる加工方法、加工装置および光学素子金型を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光学素子金型は、光学素子を成形するための光学素子金型であって、前記光学素子の設計波長より小さいピッチで刻設された微細構造を有することを特徴とする。
【0013】
また、光学素子を成形するための光学素子金型であって、前記光学素子の設計波長より小さいピッチで刻設された微細構造を有する自由曲面を備えたことを特徴とする光学素子金型でもよい。
【0014】
刻設された微細構造が、光学薄膜と同等または近似した薄膜機能を有するとよい。
【0015】
本発明の加工方法は、光学素子を成形するための光学素子金型を加工する加工方法であって、前記光学素子の設計波長より刃幅の小さい単一切刃を有する切削工具によって、前記光学素子金型の表面に前記設計波長より小さいピッチの微細構造を切削することを特徴とする。
【0016】
また、光学素子を成形するための光学素子金型を加工する加工方法であって、前記光学素子の設計波長より刃幅の小さい切刃を複数配設した刃先を有する切削工具によって、前記光学素子金型の表面に前記設計波長よりピッチの小さい微細構造を切削することを特徴とする加工方法でもよい。
【0017】
切削工具を、交差する2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動する2つの直動アクチュエータにより、擬似回転運動させるとよい。
【0018】
本発明の加工装置は、光の波長より小さいピッチの微細構造をワークに加工する加工装置であって、前記波長より刃幅の小さい単一切刃を有する切削工具と、交差する2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動する2つの直動アクチュエータによって前記切削工具を擬似回転運動させる切削駆動手段と、前記切削工具を前記ワークに対して相対的に移動させるための相対移動手段を有することを特徴とする。
【0019】
また、光の波長より小さいピッチの微細構造をワークに加工する加工装置であって、前記波長より刃幅の小さい切刃を複数配列した刃先を有する切削工具と、交差する2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動する2つの直動アクチュエータによって前記切削工具を擬似回転運動させる切削駆動手段と、前記切削工具を前記ワークに対して相対的に移動させるための相対移動手段を有することを特徴とする加工装置でもよい。
【0020】
【作用】
光学素子を製造するための金型に、反射防止膜等の光学薄膜と同等の薄膜機能を有する格子や柱、ピットなどの微細構造を光学素子の設計波長より刃幅の小さい単一または複数の切刃を有する切削工具によって直接刻設する。光学素子のモールド成形と同時に、反射防止膜と同等の光学特性を有する表面に加工することができるため、例えば反射防止膜を成膜等によって付加する場合に比べて、反射防止効果を有する光学素子を極めて低コストで大量生産できる。
【0021】
また、切削工具を、2つの直動アクチュエータによって2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動することにより、前記切削工具を擬似回転運動させる加工装置を用いることで、反射防止膜等と同等の光学機能を有する微細構造を、効率的かつ高精度に加工できる。このような切削工具によって光学素子金型の自由曲面等を加工すれば、金型にかかるコストも低減できるため、光学素子の生産性向上により一層貢献できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は一実施の形態による光学素子金型等を製造するための加工装置を示すもので、例えば、10nm以下の位置決め分解能をもち、自由曲面加工で形状精度150nm、表面粗さ20nmRy以下の加工を行う超精密加工装置である。
【0024】
この加工装置は、ワークWを固定保持する治具1、Xステージ2、Yステージ3等を有する4軸同期の相対移動手段である位置決め装置10と、切削工具であるバイト11を切削運動させる切削駆動手段である切削駆動ユニット20を備えている。切削駆動ユニット20は、バイト11を駆動する2つの直動アクチュエータ21、22とフレーム23等から構成され、フレーム23は、前記XYステージ上方に配設されたZステージ4上の回転位置決めステージであるωYステージ5に固定されている。なお、ωYステージ5は、割り出し位置決め動作とスピンドル動作を行うことができる。
【0025】
ワーク(被加工物)Wは治具1に保持されて、X、Yステージ2、3によってXY方向に移動され、Zステージ4によるバイト11のZ方向の移動と、ωYステージ5による回転移動によって、4軸同期の位置決めが行われる。
【0026】
ワークWの加工点には、ミストノズル30からエアあるいはオイルミストを吹き付けることにより、切り粉の除去およびオイルの供給をしながら加工を行っている。
【0027】
本実施の形態におけるワークWは、光学素子を成形するための自由曲面を有する金型である。図1の装置において、微細構造を切削するためのバイト11は、互いに直交する方向に配列された2つの直動アクチュエータ21、22により擬似回転運動を行い、ワークWがXステージ2によりX方向に走査することで加工が進行する。X方向への走査が終了するとYステージ3によってY方向にステップ移動し、再度X方向の走査を行う。これを繰り返すことによりワーク全面の加工を行う。
【0028】
金型の自由曲面の形状に合わせてX方向に走査するのと同期してZステージ4によりバイト11のZ方向位置を制御する。また、自由曲面の傾斜(曲率)に合わせ、ωYステージ5により,バイト11の背分力方向が常に自由曲面の法線方向を向くように法線追跡を行っている。このような加工動作により、自由曲面を有する金型に微細構造を刻設することができる。
【0029】
切削駆動ユニット20は、図2に示すように、例えば磁歪素子等を用いた2つの直動アクチュエータ21、22を、それぞれZ方向(背分力方向)、X方向(主分力方向)に伸縮する方向に配置したもので、バイト11は、シャンク11aの先端にダイヤモンドチップ11bを固定した超精密ダイヤモンドRバイトであり、バイト11を保持するバイトホルダー12は、切削駆動ユニット20の可動部24に固定されている。可動部24には、直動アクチュエータ21、22が弾性ヒンジ21a、22aを介して接続されている。また、可動部24は板バネ25、26を介してフレーム23に保持されている。
【0030】
このように、2つの直動アクチュエータ21、22と弾性ヒンジ21a、22aおよび板バネ25、26からなる駆動機構において、可動部24は、直動アクチュエータ21の伸縮によりZ方向に往復移動し、また、直動アクチュエータ22の伸縮により弾性ヒンジ21aのヒンジ中心を回転中心としてX方向に往復移動する。
【0031】
直動アクチュエータ21、22を同一周期で駆動することにより、バイト11の先端は、X−Z平面内で擬似回転運動を行い、この運動により切削が行われる。また、可動部24には、非接触型の変位センサ27が設けられ、可動部24の変位すなわち、バイト先端の変位をモニターしている。
【0032】
図3は切削駆動ユニット20によるバイト11の先端のダイヤモンドチップ11bを拡大した図であり、ダイヤモンドチップ11bの先端は、直動アクチュエータ21、22の伸縮によりX−Z平面内で2点鎖線で示す軌跡Kに沿って矢印で示すようにループ運動を行っており、その振幅は例えば、X方向で50〜100μm、Z方向で10〜20μmである。
【0033】
従来の回転工具を用いたフライカット法においては、例えば図12に示すように、回転工具110のバイト111の先端の運動軌跡が半径数十mmの円形である。これに比べて、本実施の形態による加工装置では、バイト11の切削運動の軌跡Kは格段に小さいため、回転工具を用いたフライカット法では加工できない微小な形状を自由曲面に加工することが可能である。また、回転工具を用いたフライカット法と比べて切削抵抗が小さいため、バイトの損耗を抑制することができる。
【0034】
なお、後述するように、本実施の形態による光学素子金型の加工においては、上記の加工装置に2つの切削工具を用いており、一つは通常の精密Rバイトであり、もう一つは上記の微細構造創成用のバイト11である。
【0035】
次に、バイト11の刃先構成について詳しく説明する。図4に示すように、バイト11は、モールド成形する光学素子の設計波長より刃幅の小さい微細な単一切刃を持つ単一切刃微細構造創成バイトであり、ダイヤモンドチップ11bの先端には、同図の(c)に拡大して示すように、例えばR0.05μm、高さ1μm、幅0.6μmの微細な切刃11cを備えている。
【0036】
この、単一切刃微細構造創成バイトで三角格子などの微細構造を加工する場合は、図5に示すように微細溝を一本ずつ加工していくことで、光の波長より小さいピッチの周期構造をもつ三角格子を創成することができる。
【0037】
この方法は工具の作製が容易であるため、加工エリアが小さい場合や、少量生産の場合に向いているが、一つの切刃で全ての格子を切削すると、加工時間が長くなるために刃保ちが悪く、加工エリアが大きい場合および大量生産には向いていない。
【0038】
また、例えば図7に示す金型Mのような、曲面上に法線方向を向いた三角格子構造を加工するには、バイトにX軸回りの回転動作を与える必要がある。
【0039】
そこで、効率よく三角格子構造等の微細構造を加工するために、図6に示すような、設計波長より刃幅の小さい微細な切刃41cを複数配設した切削工具であるバイト41を使用して周期構造の加工を行う。
【0040】
バイト41は、シャンク41aと、ダイヤモンドチップ41bを有し、ダイヤモンドチップ41bの先端には、光の波長より刃幅の小さい複数の微細な切刃41cを備えた複数切刃の微細構造創成用バイトである。すなわち、加工する超精密光学金型(光学素子金型)によりモールド成形される光学素子の設計波長より小さいピッチの周期構造の刃先を備えた切削工具である。
【0041】
ダイヤモンドチップ41bは単結晶ダイヤモンドからなり、図6の(c)に先端三角格子部を拡大して示すように、例えば、刃先R(R1)2mm、真円度100nm以下の円周上に法線方向を向いた三角格子が配置されている。
【0042】
図6の(d)に示すように、各三角格子の切刃41cの山および谷の深さは、0.5μmで、頂点は成型時の割れ防止およびバイトの欠損防止のためR0.05μmの微小なR形状をしている。
【0043】
図7は上記の微細構造創成バイトを用いて加工された光学素子金型である金型Mを示すもので、これは、X方向、Y方向に異なる曲率を持ったfθレンズをモールド成形するための超精密金型であり、光学面上に微細構造創成バイトにより創成された微細構造Lを有するものである。この微細構造Lは、微細構造創成バイトの形状が切削により転写されたものであり、図7の(c)に示すように、各面において法線方向を向いた三角格子形状である。三角格子の寸法配列はモールド成形する光学素子の設計波長に対して反射防止作用を持つよう設計されている。
【0044】
光学素子に使用する光は、例えば、図7に示す金型Mの場合は、レーザービームプリンターに用いる半導体レーザーで設計波長(λ)は780nmである。
【0045】
この金型によりモールド成形されるfθレンズは、例えば、レーザービームプリンターのスキャニングユニットに用いられており、従来は多重反射ゴーストを抑制するため光学面表面に反射防止膜をコーティングしている。
【0046】
本実施の形態においては、反射防止膜をコーティングすることなく、光学薄膜である反射防止膜と同等の光学機能を持った微細構造を光学素子金型に直接加工する。このようにして加工された光学素子金型によりモールド成形された光学素子は、光学面表面に反射防止膜と同じ薄膜機能を持った微細構造を転写されており、反射防止用の薄膜を蒸着によって製作する場合のように、反射防止膜材料の選択範囲が限定されたり、成膜コストが高い等の問題を生じることなく、反射防止効果を有する光学素子の低コスト大量生産を可能とし、光学素子の低価格化に大きく貢献できる。
【0047】
次に図7に示す金型Mの加工手順について説明する。本実施の形態においては、微細構造創成バイトの耐久性を考慮し、微細構造創成バイトにより加工する加工面はバリや突起などがなくある程度の平滑面であることが望ましいため次のような手順で加工を行う。
【0048】
まず、第一行程として図8に示すように金型材料であるワークWの形状出しを行う。通常の鏡面加工を行う場合と同様に通常の精密Rバイトを図1の切削駆動ユニット20に設置し、図8の(b)に示すように、形状精度200nm、表面粗さ100nm程度の精度でワークWの加工面Sを前加工する。
【0049】
次に第二行程として、図9に示すように、複数切刃の微細構造創成用のバイト41を切削駆動ユニット20に設置し、ワークWの加工面Sに切削によりバイト41の微細構造を転写していく仕上げ加工を行う。その際、図10に示すように、バイト41の切り込み量は1μm程度とすることで切削抵抗を小さくし、バイト41の刃先であるダイヤモンドチップ41bの損耗および加工精度の劣化を抑制している。
【0050】
なお、切削駆動ユニット20を用いずにシェーパ加工することもできるが、切削駆動ユニット20を用いた加工では、切削が断続的に行われるため切削抵抗が小さく、微細な溝を精度よく加工することができる。
【0051】
仕上げ加工は以下のように行われる。切削ユニット20に設置されたバイト41はX−Z平面内で疑似回転をしており(図3参照)、図11に示すように三角格子が互い違いにならないようにするため、バイト41の走査方向は図9の(a)に示すようにX方向とし、X方向にa1→a2→a3と1ライン加工するごとにY方向にステップ動作し次に、b1→b2→b3という順序で加工をしていく。
【0052】
また、バイト41の損耗防止のため、曲面加工を行う場合には図9の(b)に示すように曲率半径R1のRバイトの円周部分を使用して加工している。すなわちY方向送りピッチごとのワークWの加工面Sと法線方向の一致するRバイトの円周部分を用いて加工をしている。
【0053】
また、Y方向送りピッチ分のバイト円周部分を直線と見なしてワーク形状を直線補間するように、図9の(b)において、曲率半径R10の加工面Sの円弧部分Aはバイト41の円弧部分Bに対応している。このようにして、複数切刃の微細構造創成用のバイトを用いれば、X、Y各方向の曲率半径が一定でない自由曲面の加工においても法線方向を向いた三角格子を効率よく加工することができる。
【0054】
なお、本実施の形態では、微細な三角格子を有する微細構造を加工する例を述べたが、これに限定されることなく、例えば切削駆動ユニット20の代わりにスピンドルユニットを設置し、バイト41の代わりに、半円あるいは四角柱のような微細形状を備えた切削工具を用いて、微細なエンドミル加工あるいはフライス加工や穴開け加工を行うことにより、格子形状の他にも微細なピットや柱構造を有する微細構造を加工することもできる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は上述のとおり構成されているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0056】
光学素子の作製において、反射防止膜等と同等の薄膜機能を有する微細構造を刻設した金型(光学素子金型)を用いてモールド成形することで、反射防止特性等を有する光学素子を安価に大量生産することができる。
【0057】
成膜によって反射防止膜を各製品ごとにコーティングする場合のような反射防止膜材料の選択制限や成膜のコスト高等の問題を解消し、光学素子の生産性を大幅に向上させることができる。
【0058】
また、微細な切刃による切削加工によって、金型の自由曲面上に効率よく微細構造を形成することができるため、金型コストの削減にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態による微細構造の加工装置を示す模式図である。
【図2】図1の装置の切削駆動ユニットの詳細を示す図である。
【図3】バイトの運動軌跡を説明する図である。
【図4】図1の単一切刃の微細構造創成用のバイトを示すもので、(a)はその側面図、(b)は立面図、(c)は刃先を拡大して示す部分拡大図である。
【図5】図4のバイトを用いて微細加工を行う方法を説明する図である。
【図6】複数切刃の微細構造創成用のバイトを示すもので、(a)はその側面図、(b)は立面図、(c)は刃先を拡大して示す部分拡大図、(d)は刃先の形状を説明する図である。
【図7】加工された光学素子金型を示すもので、(a)はその斜視図、(b)は平面図、(c)は微細構造を説明する説明図である。
【図8】光学素子金型を加工する工程の前半を説明する図である。
【図9】光学素子金型を加工する工程の後半の微細構造創成のための仕上げ加工を説明する図である。
【図10】仕上げ加工の切り込み量を説明する図である。
【図11】加工失敗例を示す図である。
【図12】一従来例を説明する図である。
【符号の説明】
1  治具
2  Xステージ
3  Yステージ
4  Zステージ
5  ωYステージ
10  位置決め装置
11、41  バイト
11a、41a  シャンク
11b、41b  ダイヤモンドチップ
11c、41c  切刃
12  バイトホルダー
20  切削駆動ユニット
21、22  直動アクチュエータ
23  フレーム
24  可動部
25、26  板バネ
27  変位センサ
30  ミストノズル

Claims (9)

  1. 光学素子を成形するための光学素子金型であって、前記光学素子の設計波長より小さいピッチで刻設された微細構造を有する光学素子金型。
  2. 光学素子を成形するための光学素子金型であって、前記光学素子の設計波長より小さいピッチで刻設された微細構造を有する自由曲面を備えた光学素子金型。
  3. 刻設された微細構造が、光学薄膜と同等または近似した薄膜機能を有することを特徴とする請求項1または2記載の光学素子金型。
  4. 光学素子を成形するための光学素子金型を加工する加工方法であって、前記光学素子の設計波長より刃幅の小さい単一切刃を有する切削工具によって、前記光学素子金型の表面に前記設計波長より小さいピッチの微細構造を切削することを特徴とする加工方法。
  5. 光学素子を成形するための光学素子金型を加工する加工方法であって、前記光学素子の設計波長より刃幅の小さい切刃を複数配設した刃先を有する切削工具によって、前記光学素子金型の表面に前記設計波長よりピッチの小さい微細構造を切削することを特徴とする加工方法。
  6. 切削工具を、交差する2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動する2つの直動アクチュエータにより、擬似回転運動させることを特徴とする請求項4または5記載の加工方法。
  7. 光学素子金型の自由曲面に微細構造を切削することを特徴とする請求項4ないし6いずれか1項記載の加工方法。
  8. 光の波長より小さいピッチの微細構造をワークに加工する加工装置であって、前記波長より刃幅の小さい単一切刃を有する切削工具と、交差する2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動する2つの直動アクチュエータによって前記切削工具を擬似回転運動させる切削駆動手段と、前記切削工具を前記ワークに対して相対的に移動させるための相対移動手段を有することを特徴とする加工装置。
  9. 光の波長より小さいピッチの微細構造をワークに加工する加工装置であって、前記波長より刃幅の小さい切刃を複数配列した刃先を有する切削工具と、交差する2軸の方向に同一周期でそれぞれ直線往復駆動する2つの直動アクチュエータによって前記切削工具を擬似回転運動させる切削駆動手段と、前記切削工具を前記ワークに対して相対的に移動させるための相対移動手段を有することを特徴とする加工装置。
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