JP2004097242A - 枕係止具、枕側係止具、およびベッド側係止具、並びに枕の係止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベッドがローリングされた場合であっても、頭部が枕ごとずれるのが防止できると共に、ベッドが背上げされた場合であっても、頭部が枕に引っ張られて生じる引き連れ感を軽減することができる枕係止具を提供すること。
【解決手段】ベッドのシーツ34表面に設けられ、ベッドの横断方向に対向する端部が前記表面に止着されたベッド側止め帯36と、前記ベッド側止め帯36と前記シーツ34との間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕カバーのベッド載置側外周面に止着された枕側止め帯20とからなり、枕側止め帯20の幅とベッド側止め帯36の非止着部分の長さとがほぼ同じ値に設定されていると共に、枕側止め帯20の非止着部分の長さがベッド側止め帯の幅よりも長く設定されている。
【選択図】 図4
【解決手段】ベッドのシーツ34表面に設けられ、ベッドの横断方向に対向する端部が前記表面に止着されたベッド側止め帯36と、前記ベッド側止め帯36と前記シーツ34との間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕カバーのベッド載置側外周面に止着された枕側止め帯20とからなり、枕側止め帯20の幅とベッド側止め帯36の非止着部分の長さとがほぼ同じ値に設定されていると共に、枕側止め帯20の非止着部分の長さがベッド側止め帯の幅よりも長く設定されている。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、枕をベッドに係止する係止具および係止方法に関し、例えば、介護用ベッドに枕を取り付けるための係止具および係止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会を迎え、近年、種々の機能を備えた介護用ベッドが開発されている。例えば、背上げ・膝上げ・高さ調整などが行なえる、いわゆるギャッチベッドなどがその一つに挙げられる。
また、被介護者の床擦れを防止するものとして、マット面を被介護者の左右方向に傾斜させることができる介護用ベッドも開発されている。当該介護用ベッドは、被介護者の背中がマット面に接触した状態のまま、被介護者が体圧を受ける位置を移動させることにより床擦れを防止するものである。なお、本明細書において、マット面を被介護者の左向きまたは右向きに傾斜させることを「ローリング」と言うこととする。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3048754号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、寝たきりになっている被介護者の中には、頸部の筋力が低下している人もいる。このような人の場合、上記介護用ベッドでは、ローリングによってマット面が傾斜すると頭部を支えきれずに枕ごとマット面の傾斜の向きに当該頭部が傾いてしまい、頭部を安定して支持することが困難となる。
【0005】
これに対処するため、枕をシーツあるいはマットに固定することが考えられるが、そうすると、背上げをした場合に下記の不都合が生じる。すなわち、背上げをすると、頭部がシーツおよびマットに対して相対的に変位するため、シーツまたはマットに固定した枕と頭部とがずれてしまい、このとき、被介護者は、後頭部が枕に引っ張られて生じる引きつれ感といった不快感を感じてしまう。
【0006】
本発明は、上記した課題に鑑み、背上げ機能およびローリング機能を有するベッドで用いられる枕を、上記した問題をほぼ解消した形で、当該ベッドに係止する係止具、枕側係止具およびベッド側係止具並びに枕の係止方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る枕係止具は、ベッドのマット上面またはシーツ表面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記マット上面またはシーツ表面に止着された第1の帯状部材と、前記第1の帯状部材と前記マットまたはシーツとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に止着された第2の帯状部材とからなり、前記両帯状部材の幅および非止着部分の長さが、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、ベッド縦断方向に許容される前記変位の量として、ベッドを背上げした際に、少なくとも頭部がマットまたはシーツに対して変位する変位量分確保されていることを特徴とする。
さらに、前記第2の帯状部材の一方端部が、縫合または接着によって前記外周面に止着されており、他方端部が着脱自在な止着手段によって前記外周面に止着されていることを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係る枕側係止具は、ベッドのマット上面またはシーツ表面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記マット上面またはシーツ表面に止着された帯状部材からなるベッド側係止具と係合される枕側係止具であって、前記帯状部材と前記マットまたはシーツとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に止着された帯状部材からなり、当該枕側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さが、前記ベッド側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さとの関係において、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする。
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係るベッド側係止具は、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記外周面に止着された帯状部材からなる枕側係止具と係合されるベッド側係止具であって、前記帯状部材と前記枕または前記枕カバーとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、マット上面またはシーツ表面に止着された帯状部材からなり、当該ベッド側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さが、前記枕側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さとの関係において、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る枕の係止方法は、第1の帯状部材の長さ方向に対向する端部を、当該長さ方向をベッドの縦断方向または横断方向に合わせた状態で、ベッドのマット上面またはシーツ表面に止着すると共に、第2の帯状部材の長さ方向に対向する端部を、当該長さ方向を前記第1の帯状部材の長さ方向とほぼ直交する方向に合わせた状態で、枕または枕カバーに止着し、少なくとも一方の帯状部材の前記止着する部分の内、少なくとも一端部側を着脱自在に構成して、幅および非止着部分の長さが、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されてなる前記両帯状部材の内、前記一方の帯状部材の前記一端部側を他方の帯状部材に挿通した上で止着することにより枕をベッドに係止することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、枕10および当該枕10に被せられる枕カバー12を示す斜視図である。
枕10は、長さL1が少なくとも人の肩幅程度ある長形枕である。枕の長さ方向の、頭部が載る中央部分には、凹部14が設けられている。別の言い方をすると、前記中央部分に対して、長さ方向両側に膨出部16,18が設けられている。
【0013】
上記のような形状をした枕10に被せられる枕カバー12は、有底筒状をしている。枕カバー12は、矢印の向きに、枕10の長さ方向一端部が底部に至るまで完全に被せられる。枕カバー12の全長L2は、枕10の全長L1よりもL4だけ長くなっている。枕カバー12は、枕10に完全に被せられた状態で、そのL4部分が折り返され、さらに、折り返しの際に外側となった半分が反転されて、枕10へ取付けられる。
【0014】
図2は、枕カバー12を図1に示すのとは反対側から見た図である。すなわち、図2には、枕カバー12の、枕10の底部側(ベッド載置面側)となる部分が現われている。枕カバー12のベッド載置側外周面には、帯状部材である止め帯(以下、「枕側止め帯」と言う。)20が取付けられている。枕側止め帯20は、幅W2、長さL5であり、当該幅方向と枕カバー12(および枕10)の長さ方向が一致する向きに取付けられている。
【0015】
枕側止め帯20は、その長さ方向に対向する一方端部(参照符号22で示す部分)が縫合或いは接着によって枕カバー12に止着されている。他方端部は、面状ファスナー24によって止着される。すなわち、当該他方端部には面状ファスナーのフック側部材26が縫着(または、貼着)され、枕カバー12側には、面状ファスナーのループ側部材28が縫着(または、貼着)されていて、両部材を噛み合わせることによって止着されるようになっている。
【0016】
なお、ループ側部材28は、フック側部材26と噛み合った状態で、枕カバー12と枕側止め帯20の双方に弛みが生じないような位置に縫着(または、貼着)されている。すなわち、図2に示す長さL6と長さL7とがほぼ同じ長さとなるように設定されている。この長さL6が、枕側止め帯20が面状ファスナー24によって枕カバー12に止着された状態における、当該枕側止め帯20の非止着部分の長さとなる。
【0017】
また、当該非止着部分の長さL6は、枕10の幅W1(図1参照)とほぼ一致させている。枕カバー12は、L6に対応する部分に枕10の底部がくるように、当該枕10に被せられる。
一方、図3に示すように、介護ベッド30のマット32に掛けられたシーツ34には、前記枕側止め帯20と係合されるベッド側止め帯36が設けられている。介護ベッド30は、ヘッドボード38とフットボード40との間にマット32が設けられ、当該マット32にいわゆる箱型のシーツ34が掛けられた構成を有している。マット32は、介護ベッド30の長さ方向(縦断方向)に3分割されている(分割の様子は不図示)。マット32は、分割された各分割マット毎に変位させることができるマット変位機構(不図示)に支持されており、当該マット変位機構によって、いわゆる背上げ、膝上げ、および高さ調整が行なえるようになっている。また、当該マット変位機構は、被介護者の床擦れ防止のため、マット32全体を被介護者の左向きまたは右両向きに傾けるローリング機能を有している。
【0018】
前記ベッド側止め帯36は、長さL8、幅W3の帯状部材であり、長さ方向がベッドの幅方向(横断方向)に合わせて設けられている。ベッド側止め帯36は、ベッド横断方向に対向する両端部が、シーツ34に、縫合によって止着(縫着)されており、止着されていない非止着部分の長さがL9となっている。当該非止着部分の長さL9は、前記枕側止め帯20の幅W2とほぼ同じ長さに設定されている。また、ベッド側止め帯36の幅W3よりも、前記枕側止め帯20の非止着部の長さL6の方が長く設定されている。
【0019】
図4は、ベッド30に枕10が係止された状態、すなわち、ベッド30のマット32に掛けられたシーツ34に止着されたベッド側止め帯36に、枕10に被せられた枕カバー12に止着された枕側止め帯20が係合した状態を示す図である。なお、説明の便宜上、図4では、枕カバー12の図示は省略し、枕10は二点鎖線で描いている。
【0020】
枕10には、先ず、上述したように枕カバー12を取付ける(被せる)。そして、枕側止め帯20を、ベッド側止め帯36とシーツ34との間隙に挿通する。この際、枕側止め帯20は、縫着部22がヘッドボード38側に、フック側部材26がフットボード40側になるように挿通する。挿通後、フック側部材26とループ側部材28とを噛み合わせて、取付けが完了する。
【0021】
枕10は、上記のようにしてベッド30に取付けられているので、ベッド30をローリングさせても、枕10がその傾斜方向にほとんどずれない。枕側止め帯20の幅W2とベッド側止め帯36の非止着部分の長さL9とがほぼ同じ長さに設定されているため、枕カバー12ひいては枕10のベッド横断方向への変位が規制されるからである。換言すると、枕側止め帯20の幅W2とベッド側止め帯36の非止着部分の長さL9とが、枕カバー12および枕10のベッド横断方向への変位を規制するような値(ほぼ同じ長さに)に設定されているからである。その結果、頸部の筋力が低下している人であっても、ローリング時に枕ごと頭部がずれてしまうといった事態を防止することができる。また、枕10は、上述したように中央に凹部14が、その両側に膨出部16,18が設けられているため、頭部が枕10に効果的に保持されることとなり、ローリングの際、頭部の枕にたいするずれ防止が図られることとなる。
【0022】
一方、図5に示すようにベッド30を背上げさせた場合(図5では、膝上げも同時に若干行なわれている)、たとえ頭部がマット32(シーツ34)に対し相対的に変位したとしても、枕10も頭部の変位に合わせて移動することが可能となっている。ベッド側止め帯36の幅W3よりも枕側止め帯20の非止着部分の長さL6が長く設定されているため、枕カバー12ひいては枕10のベッド縦断方向への変位が許容されるからである。その結果、頭部が枕10(枕カバー12)に引っ張られて生じる引き連れ感が軽減される。
【0023】
枕10(枕カバー12)のベッド縦断方向に許容される変位量(以下、「許容変位量」と言う。)、すなわち、ベッド側止め帯36の幅W3と枕側止め帯20の非止着部分の長さL6との差は10cmに設定されている。ベッド30の最大背上げ角度αは70°なのであるが、フラットな状態から当該最大角度分背上げした場合に生じる、頭部のマット(シーツ)に対する相対変位量について実測したところ7〜8cmであった。そこで、この実測値に少し余裕をもたせて、上記10cmとしたのである。なお、言うまでもなく、許容変位量は10cmに限らない。要は、ベッドを背上げした際に、少なくとも頭部がマット(シーツ)に対して変位する変位量分確保されていればよいのである。
【0024】
背上げをした場合、頭部はマット(シーツ)に対して、相対的にヘッドボード38の向きに変位する。ベッド側止め帯36はシーツ34に対して、上記した頭部の変位に合わせて、枕10(枕カバー12)が変位できるような位置に止着すされている。すなわち、ベッドのマット面がフラットな状態において非介護者の頭部がくる位置に枕を載置したときに、図6(a)に示すように、枕側止め帯20がベッド側止め帯36に対し、フットボード側いっぱいにスライドした状態となるような位置にベッド側止め帯36が止着されている。
【0025】
そして、ベッドを背上げしていくと、上述したように頭部はシーツ(マット)に対しヘッドボード側へ変位するのであるが、これに伴って、枕10(枕カバー12)も矢印Aの向き(ヘッドボードへ向かう向き)にスライドすることとなる。
この際、枕10の長さは少なくとも非介護者の肩幅程度あるため、枕10は非介護者の肩によっても押される形となり、より円滑に枕10がスライドすることとなる。
【0026】
また、背上げをした場合、非介護者が背上げ角度以上に上体を起こして、非介護者の頭部が枕10から離れ、また、非介護者の背中がシーツ(マット)から離れる場合があるが、このような場合であっても、枕10は図6(a)に示す状態までスライドするに留まり、落下してしまうことはない。また、枕側止め帯20は、縫着部22がヘッドボード38側に、フック側部材26がフットボード40側にくるようにベッド側止め帯36に挿通されている。こうすることによって、これとは、逆向きに挿通した場合に生じ得る、上記スライドの際の衝撃による面状ファスナー24のはずれが防止される。
【0027】
なお、枕10(枕カバー12)が滑らかにスライドできるように、枕側止め帯20とベッド側止め帯36に使用する生地は互いに摺動性の良いものの組合せ、例えば、両方をシルク地とすることが好ましい。また、上記と同様の目的から、枕カバー12とシーツ34も互いに摺動性のよい生地の組合せとすることが好ましい。しかしながら、摺動性のよい生地は、必ずしも、枕カバーやシーツ本来の目的に最適なもの(例えば、木綿)とは限らないので、枕カバー全体やシーツ全体をそのような生地にすることには少々問題がある。そこで、少なくとも枕カバーの枕底部に対応する領域部分とシーツの枕がスライドする範囲に対応する領域部分だけを、互いに摺動性のよい生地の組合せとすることが好ましい。すなわち、少なくとも上記領域部分をそれ以外の領域の生地よりも摺動性のよい生地とするのである。
【0028】
また、枕10の表面と枕カバー12の内面(裏生地)との間も良好な摺動性を確保することが好ましい。背上げの際、何らかの原因で枕10(枕カバー12)が滑らかにスライドしなかった場合には、頭部が枕カバー12(枕10)に引っ張られることとなり、引き連れ感が生じるのであるが、上記のようにしておくことにより、枕カバー12が枕10に対して相対的にずれて、上記引き連れ間が緩和されるからである。
【0029】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下の形態とすることも可能である。
(1)上記実施の形態では、ベッド側止め帯の長さ方向をベッド横断方向に合わせ、当該ベッド側止め帯のベッド横断方向に対向する端部をシーツ表面に止着することとし、これに対応させて、枕側止め帯の長さ方向を枕(枕カバー)の幅方向(ベッド縦断方向)に合わせ、当該枕側止め帯のベッド縦断方向に対向する端部を枕カバーに止着することとしたが、両止め帯を設ける向きの関係を上記と逆にしても構わない。
【0030】
すなわち、ベッド側止め帯の長さ方向をベッド縦断方向に合わせ、当該ベッド側止め帯のベッド縦断方向に対向する端部をシーツ表面に止着することとし、これに対応させて、枕側止め帯の長さ方向を枕(枕カバー)の長手方向(ベッド横断方向)に合わせ、当該枕側止め帯のベッド横断方向に対向する端部を枕カバーに止着することとしても構わない。この場合、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するために、枕側止め帯の非止着部分の長さとベッド側止め帯の幅とがほぼ同じ値に設定され、ベッド側止め帯の非止着部分の長さが枕側止め帯の幅よりも許容変位量分長く設定される。
(2)上記実施の形態では、枕側係止具である枕側止め帯を枕カバーに設けたが、枕に設けることとしてもよい。枕に設けることとした場合であって、枕カバーを使用する場合には、枕側止め帯が挿通できるようなスリット状の窓を当該枕カバーに設け、当該窓を介して、枕側止め帯を枕カバーの外側に出すようにすることとする。
(3)上記実施の形態では、ベッド側係止具であるベッド側止め帯をシーツに設けることとしたが、マットに設けることとしてもよい。マットに設けることとした場合には、シーツに窓を開け、当該窓を介してベッド側止め帯が露出するようにする。
(4)上記実施の形態では、枕側止め帯の一端部を、着脱自在な止着手段として面状ファスナーを用いて止着したが、当該着脱自在な止着手段は、面状ファスナーに限らない。例えば、ボタン、ジッパーなどを用いてもよい。
(5)上記実施の形態では、枕側止め帯の一端部側のみを面状ファスナーで着脱自在に構成することとしたが、両端部側を着脱自在に構成することとしても構わない。
【0031】
また、上記実施の形態では、ベッド側止め帯は、両端部側ともに縫合または接着により止着(固着)することとしたが、これに限らず、枕側止め帯と同様に、一端部側または両端部側共に、着脱自在に構成することとしても構わない。
要は、両止め帯の内、少なくとも一方の止め帯の少なくとも一端部側が着脱自在に構成されており、当該一端部側を他方の止め帯に挿通した上で、止着するようにできればよいのである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る枕係止具によれば、枕の、ベッド縦断方向の変位が許容され、横断方向の変位が規制されるので、ベッドがローリングされた場合であっても、頭部が枕ごとずれるのが防止できると共に、ベッドが背上げされた場合であっても、枕がベッド縦断方向に変位され得るので、頭部が枕に引っ張られて生じる引き連れ感が軽減される。
【0033】
また、本発明に係る枕側係止具、ベッド側係止具、および枕の係止方法によれば、上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】枕および枕カバーの概略形状を示す斜視図である。
【図2】枕カバーおよび枕側止め帯を示す図である。
【図3】ベッドおよび当該ベッドのシーツに設けられるベッド側止め帯を示す図である。
【図4】上記枕側止め帯と上記ベッド側止め帯とが係合した状態を示す図である。
【図5】背上げ状態を示す図である。
【図6】上記枕側止め帯と上記ベッド側止め帯とが係合した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 枕
12 枕カバー
20 枕側止め帯
22 縫着部
24 面状ファスナー
30 ベッド
32 マット
34 シーツ
36 ベッド側止め帯
L6 枕側止め帯の非止着部分の長さ
L9 ベッド側止め帯の非止着部分の長さ
W2 枕側止め帯の幅
W3 ベッド側止め帯の幅
【発明の属する技術分野】
本発明は、枕をベッドに係止する係止具および係止方法に関し、例えば、介護用ベッドに枕を取り付けるための係止具および係止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会を迎え、近年、種々の機能を備えた介護用ベッドが開発されている。例えば、背上げ・膝上げ・高さ調整などが行なえる、いわゆるギャッチベッドなどがその一つに挙げられる。
また、被介護者の床擦れを防止するものとして、マット面を被介護者の左右方向に傾斜させることができる介護用ベッドも開発されている。当該介護用ベッドは、被介護者の背中がマット面に接触した状態のまま、被介護者が体圧を受ける位置を移動させることにより床擦れを防止するものである。なお、本明細書において、マット面を被介護者の左向きまたは右向きに傾斜させることを「ローリング」と言うこととする。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案第3048754号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、寝たきりになっている被介護者の中には、頸部の筋力が低下している人もいる。このような人の場合、上記介護用ベッドでは、ローリングによってマット面が傾斜すると頭部を支えきれずに枕ごとマット面の傾斜の向きに当該頭部が傾いてしまい、頭部を安定して支持することが困難となる。
【0005】
これに対処するため、枕をシーツあるいはマットに固定することが考えられるが、そうすると、背上げをした場合に下記の不都合が生じる。すなわち、背上げをすると、頭部がシーツおよびマットに対して相対的に変位するため、シーツまたはマットに固定した枕と頭部とがずれてしまい、このとき、被介護者は、後頭部が枕に引っ張られて生じる引きつれ感といった不快感を感じてしまう。
【0006】
本発明は、上記した課題に鑑み、背上げ機能およびローリング機能を有するベッドで用いられる枕を、上記した問題をほぼ解消した形で、当該ベッドに係止する係止具、枕側係止具およびベッド側係止具並びに枕の係止方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る枕係止具は、ベッドのマット上面またはシーツ表面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記マット上面またはシーツ表面に止着された第1の帯状部材と、前記第1の帯状部材と前記マットまたはシーツとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に止着された第2の帯状部材とからなり、前記両帯状部材の幅および非止着部分の長さが、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする。
【0008】
また、ベッド縦断方向に許容される前記変位の量として、ベッドを背上げした際に、少なくとも頭部がマットまたはシーツに対して変位する変位量分確保されていることを特徴とする。
さらに、前記第2の帯状部材の一方端部が、縫合または接着によって前記外周面に止着されており、他方端部が着脱自在な止着手段によって前記外周面に止着されていることを特徴とする。
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明に係る枕側係止具は、ベッドのマット上面またはシーツ表面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記マット上面またはシーツ表面に止着された帯状部材からなるベッド側係止具と係合される枕側係止具であって、前記帯状部材と前記マットまたはシーツとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に止着された帯状部材からなり、当該枕側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さが、前記ベッド側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さとの関係において、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする。
【0010】
上記の目的を達成するため、本発明に係るベッド側係止具は、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記外周面に止着された帯状部材からなる枕側係止具と係合されるベッド側係止具であって、前記帯状部材と前記枕または前記枕カバーとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、マット上面またはシーツ表面に止着された帯状部材からなり、当該ベッド側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さが、前記枕側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さとの関係において、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする。
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明に係る枕の係止方法は、第1の帯状部材の長さ方向に対向する端部を、当該長さ方向をベッドの縦断方向または横断方向に合わせた状態で、ベッドのマット上面またはシーツ表面に止着すると共に、第2の帯状部材の長さ方向に対向する端部を、当該長さ方向を前記第1の帯状部材の長さ方向とほぼ直交する方向に合わせた状態で、枕または枕カバーに止着し、少なくとも一方の帯状部材の前記止着する部分の内、少なくとも一端部側を着脱自在に構成して、幅および非止着部分の長さが、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されてなる前記両帯状部材の内、前記一方の帯状部材の前記一端部側を他方の帯状部材に挿通した上で止着することにより枕をベッドに係止することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、枕10および当該枕10に被せられる枕カバー12を示す斜視図である。
枕10は、長さL1が少なくとも人の肩幅程度ある長形枕である。枕の長さ方向の、頭部が載る中央部分には、凹部14が設けられている。別の言い方をすると、前記中央部分に対して、長さ方向両側に膨出部16,18が設けられている。
【0013】
上記のような形状をした枕10に被せられる枕カバー12は、有底筒状をしている。枕カバー12は、矢印の向きに、枕10の長さ方向一端部が底部に至るまで完全に被せられる。枕カバー12の全長L2は、枕10の全長L1よりもL4だけ長くなっている。枕カバー12は、枕10に完全に被せられた状態で、そのL4部分が折り返され、さらに、折り返しの際に外側となった半分が反転されて、枕10へ取付けられる。
【0014】
図2は、枕カバー12を図1に示すのとは反対側から見た図である。すなわち、図2には、枕カバー12の、枕10の底部側(ベッド載置面側)となる部分が現われている。枕カバー12のベッド載置側外周面には、帯状部材である止め帯(以下、「枕側止め帯」と言う。)20が取付けられている。枕側止め帯20は、幅W2、長さL5であり、当該幅方向と枕カバー12(および枕10)の長さ方向が一致する向きに取付けられている。
【0015】
枕側止め帯20は、その長さ方向に対向する一方端部(参照符号22で示す部分)が縫合或いは接着によって枕カバー12に止着されている。他方端部は、面状ファスナー24によって止着される。すなわち、当該他方端部には面状ファスナーのフック側部材26が縫着(または、貼着)され、枕カバー12側には、面状ファスナーのループ側部材28が縫着(または、貼着)されていて、両部材を噛み合わせることによって止着されるようになっている。
【0016】
なお、ループ側部材28は、フック側部材26と噛み合った状態で、枕カバー12と枕側止め帯20の双方に弛みが生じないような位置に縫着(または、貼着)されている。すなわち、図2に示す長さL6と長さL7とがほぼ同じ長さとなるように設定されている。この長さL6が、枕側止め帯20が面状ファスナー24によって枕カバー12に止着された状態における、当該枕側止め帯20の非止着部分の長さとなる。
【0017】
また、当該非止着部分の長さL6は、枕10の幅W1(図1参照)とほぼ一致させている。枕カバー12は、L6に対応する部分に枕10の底部がくるように、当該枕10に被せられる。
一方、図3に示すように、介護ベッド30のマット32に掛けられたシーツ34には、前記枕側止め帯20と係合されるベッド側止め帯36が設けられている。介護ベッド30は、ヘッドボード38とフットボード40との間にマット32が設けられ、当該マット32にいわゆる箱型のシーツ34が掛けられた構成を有している。マット32は、介護ベッド30の長さ方向(縦断方向)に3分割されている(分割の様子は不図示)。マット32は、分割された各分割マット毎に変位させることができるマット変位機構(不図示)に支持されており、当該マット変位機構によって、いわゆる背上げ、膝上げ、および高さ調整が行なえるようになっている。また、当該マット変位機構は、被介護者の床擦れ防止のため、マット32全体を被介護者の左向きまたは右両向きに傾けるローリング機能を有している。
【0018】
前記ベッド側止め帯36は、長さL8、幅W3の帯状部材であり、長さ方向がベッドの幅方向(横断方向)に合わせて設けられている。ベッド側止め帯36は、ベッド横断方向に対向する両端部が、シーツ34に、縫合によって止着(縫着)されており、止着されていない非止着部分の長さがL9となっている。当該非止着部分の長さL9は、前記枕側止め帯20の幅W2とほぼ同じ長さに設定されている。また、ベッド側止め帯36の幅W3よりも、前記枕側止め帯20の非止着部の長さL6の方が長く設定されている。
【0019】
図4は、ベッド30に枕10が係止された状態、すなわち、ベッド30のマット32に掛けられたシーツ34に止着されたベッド側止め帯36に、枕10に被せられた枕カバー12に止着された枕側止め帯20が係合した状態を示す図である。なお、説明の便宜上、図4では、枕カバー12の図示は省略し、枕10は二点鎖線で描いている。
【0020】
枕10には、先ず、上述したように枕カバー12を取付ける(被せる)。そして、枕側止め帯20を、ベッド側止め帯36とシーツ34との間隙に挿通する。この際、枕側止め帯20は、縫着部22がヘッドボード38側に、フック側部材26がフットボード40側になるように挿通する。挿通後、フック側部材26とループ側部材28とを噛み合わせて、取付けが完了する。
【0021】
枕10は、上記のようにしてベッド30に取付けられているので、ベッド30をローリングさせても、枕10がその傾斜方向にほとんどずれない。枕側止め帯20の幅W2とベッド側止め帯36の非止着部分の長さL9とがほぼ同じ長さに設定されているため、枕カバー12ひいては枕10のベッド横断方向への変位が規制されるからである。換言すると、枕側止め帯20の幅W2とベッド側止め帯36の非止着部分の長さL9とが、枕カバー12および枕10のベッド横断方向への変位を規制するような値(ほぼ同じ長さに)に設定されているからである。その結果、頸部の筋力が低下している人であっても、ローリング時に枕ごと頭部がずれてしまうといった事態を防止することができる。また、枕10は、上述したように中央に凹部14が、その両側に膨出部16,18が設けられているため、頭部が枕10に効果的に保持されることとなり、ローリングの際、頭部の枕にたいするずれ防止が図られることとなる。
【0022】
一方、図5に示すようにベッド30を背上げさせた場合(図5では、膝上げも同時に若干行なわれている)、たとえ頭部がマット32(シーツ34)に対し相対的に変位したとしても、枕10も頭部の変位に合わせて移動することが可能となっている。ベッド側止め帯36の幅W3よりも枕側止め帯20の非止着部分の長さL6が長く設定されているため、枕カバー12ひいては枕10のベッド縦断方向への変位が許容されるからである。その結果、頭部が枕10(枕カバー12)に引っ張られて生じる引き連れ感が軽減される。
【0023】
枕10(枕カバー12)のベッド縦断方向に許容される変位量(以下、「許容変位量」と言う。)、すなわち、ベッド側止め帯36の幅W3と枕側止め帯20の非止着部分の長さL6との差は10cmに設定されている。ベッド30の最大背上げ角度αは70°なのであるが、フラットな状態から当該最大角度分背上げした場合に生じる、頭部のマット(シーツ)に対する相対変位量について実測したところ7〜8cmであった。そこで、この実測値に少し余裕をもたせて、上記10cmとしたのである。なお、言うまでもなく、許容変位量は10cmに限らない。要は、ベッドを背上げした際に、少なくとも頭部がマット(シーツ)に対して変位する変位量分確保されていればよいのである。
【0024】
背上げをした場合、頭部はマット(シーツ)に対して、相対的にヘッドボード38の向きに変位する。ベッド側止め帯36はシーツ34に対して、上記した頭部の変位に合わせて、枕10(枕カバー12)が変位できるような位置に止着すされている。すなわち、ベッドのマット面がフラットな状態において非介護者の頭部がくる位置に枕を載置したときに、図6(a)に示すように、枕側止め帯20がベッド側止め帯36に対し、フットボード側いっぱいにスライドした状態となるような位置にベッド側止め帯36が止着されている。
【0025】
そして、ベッドを背上げしていくと、上述したように頭部はシーツ(マット)に対しヘッドボード側へ変位するのであるが、これに伴って、枕10(枕カバー12)も矢印Aの向き(ヘッドボードへ向かう向き)にスライドすることとなる。
この際、枕10の長さは少なくとも非介護者の肩幅程度あるため、枕10は非介護者の肩によっても押される形となり、より円滑に枕10がスライドすることとなる。
【0026】
また、背上げをした場合、非介護者が背上げ角度以上に上体を起こして、非介護者の頭部が枕10から離れ、また、非介護者の背中がシーツ(マット)から離れる場合があるが、このような場合であっても、枕10は図6(a)に示す状態までスライドするに留まり、落下してしまうことはない。また、枕側止め帯20は、縫着部22がヘッドボード38側に、フック側部材26がフットボード40側にくるようにベッド側止め帯36に挿通されている。こうすることによって、これとは、逆向きに挿通した場合に生じ得る、上記スライドの際の衝撃による面状ファスナー24のはずれが防止される。
【0027】
なお、枕10(枕カバー12)が滑らかにスライドできるように、枕側止め帯20とベッド側止め帯36に使用する生地は互いに摺動性の良いものの組合せ、例えば、両方をシルク地とすることが好ましい。また、上記と同様の目的から、枕カバー12とシーツ34も互いに摺動性のよい生地の組合せとすることが好ましい。しかしながら、摺動性のよい生地は、必ずしも、枕カバーやシーツ本来の目的に最適なもの(例えば、木綿)とは限らないので、枕カバー全体やシーツ全体をそのような生地にすることには少々問題がある。そこで、少なくとも枕カバーの枕底部に対応する領域部分とシーツの枕がスライドする範囲に対応する領域部分だけを、互いに摺動性のよい生地の組合せとすることが好ましい。すなわち、少なくとも上記領域部分をそれ以外の領域の生地よりも摺動性のよい生地とするのである。
【0028】
また、枕10の表面と枕カバー12の内面(裏生地)との間も良好な摺動性を確保することが好ましい。背上げの際、何らかの原因で枕10(枕カバー12)が滑らかにスライドしなかった場合には、頭部が枕カバー12(枕10)に引っ張られることとなり、引き連れ感が生じるのであるが、上記のようにしておくことにより、枕カバー12が枕10に対して相対的にずれて、上記引き連れ間が緩和されるからである。
【0029】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記した形態に限らないことは勿論であり、例えば、以下の形態とすることも可能である。
(1)上記実施の形態では、ベッド側止め帯の長さ方向をベッド横断方向に合わせ、当該ベッド側止め帯のベッド横断方向に対向する端部をシーツ表面に止着することとし、これに対応させて、枕側止め帯の長さ方向を枕(枕カバー)の幅方向(ベッド縦断方向)に合わせ、当該枕側止め帯のベッド縦断方向に対向する端部を枕カバーに止着することとしたが、両止め帯を設ける向きの関係を上記と逆にしても構わない。
【0030】
すなわち、ベッド側止め帯の長さ方向をベッド縦断方向に合わせ、当該ベッド側止め帯のベッド縦断方向に対向する端部をシーツ表面に止着することとし、これに対応させて、枕側止め帯の長さ方向を枕(枕カバー)の長手方向(ベッド横断方向)に合わせ、当該枕側止め帯のベッド横断方向に対向する端部を枕カバーに止着することとしても構わない。この場合、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するために、枕側止め帯の非止着部分の長さとベッド側止め帯の幅とがほぼ同じ値に設定され、ベッド側止め帯の非止着部分の長さが枕側止め帯の幅よりも許容変位量分長く設定される。
(2)上記実施の形態では、枕側係止具である枕側止め帯を枕カバーに設けたが、枕に設けることとしてもよい。枕に設けることとした場合であって、枕カバーを使用する場合には、枕側止め帯が挿通できるようなスリット状の窓を当該枕カバーに設け、当該窓を介して、枕側止め帯を枕カバーの外側に出すようにすることとする。
(3)上記実施の形態では、ベッド側係止具であるベッド側止め帯をシーツに設けることとしたが、マットに設けることとしてもよい。マットに設けることとした場合には、シーツに窓を開け、当該窓を介してベッド側止め帯が露出するようにする。
(4)上記実施の形態では、枕側止め帯の一端部を、着脱自在な止着手段として面状ファスナーを用いて止着したが、当該着脱自在な止着手段は、面状ファスナーに限らない。例えば、ボタン、ジッパーなどを用いてもよい。
(5)上記実施の形態では、枕側止め帯の一端部側のみを面状ファスナーで着脱自在に構成することとしたが、両端部側を着脱自在に構成することとしても構わない。
【0031】
また、上記実施の形態では、ベッド側止め帯は、両端部側ともに縫合または接着により止着(固着)することとしたが、これに限らず、枕側止め帯と同様に、一端部側または両端部側共に、着脱自在に構成することとしても構わない。
要は、両止め帯の内、少なくとも一方の止め帯の少なくとも一端部側が着脱自在に構成されており、当該一端部側を他方の止め帯に挿通した上で、止着するようにできればよいのである。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る枕係止具によれば、枕の、ベッド縦断方向の変位が許容され、横断方向の変位が規制されるので、ベッドがローリングされた場合であっても、頭部が枕ごとずれるのが防止できると共に、ベッドが背上げされた場合であっても、枕がベッド縦断方向に変位され得るので、頭部が枕に引っ張られて生じる引き連れ感が軽減される。
【0033】
また、本発明に係る枕側係止具、ベッド側係止具、および枕の係止方法によれば、上記と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】枕および枕カバーの概略形状を示す斜視図である。
【図2】枕カバーおよび枕側止め帯を示す図である。
【図3】ベッドおよび当該ベッドのシーツに設けられるベッド側止め帯を示す図である。
【図4】上記枕側止め帯と上記ベッド側止め帯とが係合した状態を示す図である。
【図5】背上げ状態を示す図である。
【図6】上記枕側止め帯と上記ベッド側止め帯とが係合した状態を示す図である。
【符号の説明】
10 枕
12 枕カバー
20 枕側止め帯
22 縫着部
24 面状ファスナー
30 ベッド
32 マット
34 シーツ
36 ベッド側止め帯
L6 枕側止め帯の非止着部分の長さ
L9 ベッド側止め帯の非止着部分の長さ
W2 枕側止め帯の幅
W3 ベッド側止め帯の幅
Claims (6)
- ベッドのマット上面またはシーツ表面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記マット上面またはシーツ表面に止着された第1の帯状部材と、
前記第1の帯状部材と前記マットまたはシーツとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に止着された第2の帯状部材とからなり、
前記両帯状部材の幅および非止着部分の長さが、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする枕係止具。 - ベッド縦断方向に許容される前記変位の量として、ベッドを背上げした際に、少なくとも頭部がマットまたはシーツに対して変位する変位量分確保されていることを特徴とする請求項1記載の枕係止具。
- 前記第2の帯状部材の一方端部が、縫合または接着によって前記外周面に止着されており、他方端部が着脱自在な止着手段によって前記外周面に止着されていることを特徴とする請求項1または2記載の枕係止具。
- ベッドのマット上面またはシーツ表面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記マット上面またはシーツ表面に止着された帯状部材からなるベッド側係止具と係合される枕側係止具であって、
前記帯状部材と前記マットまたはシーツとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、枕または枕カバーのベッド載置側外周面に止着された帯状部材からなり、
当該枕側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さが、前記ベッド側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さとの関係において、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とする枕側係止具。 - 枕または枕カバーのベッド載置側外周面に設けられ、ベッドの縦断方向または横断方向に対向する端部が前記外周面に止着された帯状部材からなる枕側係止具と係合されるベッド側係止具であって、
前記帯状部材と前記枕または前記枕カバーとの間隙に挿通され、挿通方向に対向する端部が、マット上面またはシーツ表面に止着された帯状部材からなり、
当該ベッド側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さが、前記枕側係止具である帯状部材の幅および非止着部分の長さとの関係において、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されていることを特徴とするベッド側係止具。 - 第1の帯状部材の長さ方向に対向する端部を、当該長さ方向をベッドの縦断方向または横断方向に合わせた状態で、ベッドのマット上面またはシーツ表面に止着すると共に、
第2の帯状部材の長さ方向に対向する端部を、当該長さ方向を前記第1の帯状部材の長さ方向とほぼ直交する方向に合わせた状態で、枕または枕カバーに止着し、
少なくとも一方の帯状部材の前記止着する部分の内、少なくとも一端部側を着脱自在に構成して、
幅および非止着部分の長さが、枕の、ベッド縦断方向の変位を許容すると共に、横断方向の変位を規制するような値に設定されてなる前記両帯状部材の内、前記一方の帯状部材の前記一端部側を他方の帯状部材に挿通した上で止着することにより枕をベッドに係止することを特徴とする枕の係止方法。
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JP2002258978A JP2004097242A (ja) | 2002-09-04 | 2002-09-04 | 枕係止具、枕側係止具、およびベッド側係止具、並びに枕の係止方法 |
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Cited By (2)
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JP2015526261A (ja) * | 2012-09-05 | 2015-09-10 | ストライカー コーポレイションStryker Corporation | 患者支持体 |
JP2016123725A (ja) * | 2015-01-05 | 2016-07-11 | 株式会社岡村製作所 | 椅子 |
-
2002
- 2002-09-04 JP JP2002258978A patent/JP2004097242A/ja active Pending
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