JP2004095653A - 露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器とマスクとの間に形成した空間の圧力を制御することでマスクの撓みを矯正する場合において、マスクを走査移動しても振動を発生させることなく圧力調整できる露光装置を提供する。
【解決手段】露光装置は、照明光学系ILに対しマスクMを走査移動するマスクステージMSTと、マスクMに対して着脱可能に設けられるとともにマスクMの一方の面に接し、マスクMと接して空間Sを形成する容器1と、マスクステージMSTに支持されるとともに空間Sに接続するチューブ2と、チューブ2と連通して空間Sの圧力を制御する圧力制御装置PRCとを備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】露光装置は、照明光学系ILに対しマスクMを走査移動するマスクステージMSTと、マスクMに対して着脱可能に設けられるとともにマスクMの一方の面に接し、マスクMと接して空間Sを形成する容器1と、マスクステージMSTに支持されるとともに空間Sに接続するチューブ2と、チューブ2と連通して空間Sの圧力を制御する圧力制御装置PRCとを備えている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクと基板とを走査移動してマスクのパターンを基板に露光する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示デバイスや半導体デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、感光基板を載置して2次元移動する基板ステージとパターンを有するマスクを載置して2次元移動するマスクステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して感光基板に転写するものである。露光装置としては、感光基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に感光基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。このうち、液晶表示デバイスを製造する際には、表示領域の大型化の要求から走査型露光装置が主に用いられている。
【0003】
ところで、マスクは大型化することで自重により撓む。このマスクの撓みにより感光基板に転写されるパターンが歪むという問題がある。マスクの撓みを矯正する技術として、例えば特開昭59−96730号公報や特開平5−315218号公報には、マスクの上面にチャンバ部材(容器)を設け、この容器とマスクとの間に形成された空間の圧力を負圧にすることでマスクの撓みを矯正する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術には以下に述べる問題が生じる。
上記従来技術は、マスクを支持するマスクステージをほぼ静止した状態で露光処理する一括型露光装置に関する技術であり、容器(チャンバ部材)とマスクとの間の空間にチューブ(管路)を接続しこのチューブを介して空間の圧力を負圧にする構成である。ところが、露光処理中にマスクステージが移動する走査型露光装置に上記従来技術を適用すると、チューブはマスクステージとともに移動する容器に引っ張られ、これにより暴れ出す。すると、チューブとマスクステージや各部材とが干渉して振動が発生し、露光精度に影響を及ぼすという問題が生じる。
【0005】
また、上記従来技術における容器はマスクに対する保持機構が無いため、移動するマスクに対して容器が位置ずれを起こすという問題も生じる。スループット向上のためにマスクステージの加速度を大きくするとこの問題はますます顕著になる。
【0006】
更に、複数のマスクを用いて露光処理する際に、マスク毎に撓み量が異なるためマスクによっては大きく撓んだ状態で露光処理が行われて精度良い露光処理を行うことができないという問題も生じるようになった。この撓み量の違いが生じるのは、マスク毎の厚みの違い(自重の違い)が原因の1つである。マスク毎に厚みが異なるのは、マスクの基材であるガラス基板の加工精度の他に、使用済みマスクのパターン面を削り取ってから新たな別のパターンを形成し、この新たなパターンを有するマスクを露光処理に使用することが行われているからである。そして、マスク毎の撓み量の違いの発生はマスクの大型化に伴って顕著になり、無視できないレベルになっている。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、容器とマスクとの間に形成した空間の圧力を制御することでマスクの撓みを矯正する場合において、マスクを走査移動しても振動を発生させることなく圧力調整できる露光装置を提供することを第1の目的とする。
また、マスクを走査移動してもマスクと容器との位置ずれを抑えることができる露光装置を提供することを第2の目的とする。
また、異なる撓み量を有する複数のマスクを用いた際にもそれぞれのマスクの撓みを矯正して精度良く露光処理できる露光装置を提供することを第3の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図13に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、照明光学系(IL)に対し相対的にマスク(M)と基板(P)とを走査移動してマスク(M)のパターンを基板(P)上に露光する露光装置において、マスク(M)を支持するとともに照明光学系(IL)に対しマスク(M)を相対的に走査移動するマスクステージ(MST)と、マスク(M)に対して着脱可能に設けられるとともにマスク(M)の少なくとも一方の面に接し、該マスク(M)と接して空間(S)を形成する容器(1)と、マスクステージ(MST)に支持されるとともに空間(S)に接続する管路(2)と、管路(2)と連通して空間(S)の圧力を制御する圧力制御装置(PRC)とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、マスクと容器との間に形成される空間に接続される管路をマスクステージで支持するようにしたので、管路は走査移動するマスクステージとともに移動できる。したがって、マスクステージが移動しても管路は暴れたりしないので、管路とマスクステージや各部材との干渉が抑えられ振動の発生を抑制できる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。
【0010】
本発明の露光装置において、容器(1)とマスク(M)とが接する部分に、走査移動により発生する容器(1)とマスク(M)との相対的ずれを抑制する保持部(5)を備える構成が採用される。これにより、マスクステージが移動しても保持部によりマスクと容器との位置ずれを抑えることができる。
【0011】
この場合において、保持部は、容器(1)の重量とマスクステージ(MST)の移動状態とに適した摩擦係数を有する高摩擦部材(5)により構成することができる。あるいは、保持部は、容器(1)のうちマスク(M)との接する面に設けられた吸着機構(110)を備える構成とすることもできる。
【0012】
本発明の露光装置において、容器(1)は、マスクステージ(MST)に係合する係合部(150)を備える構成が採用される。この係合部により容器とマスクステージとが一体で移動可能となるので、容器の位置ずれが抑制される。
【0013】
また、本発明の露光装置において、容器(1)を保持するとともに該容器(1)とマスク(M)とを接続・分離する搬送装置(100)を備える構成が採用される。搬送装置でマスクと容器とを分離することにより、マスクステージに対するマスクのロード・アンロードを円滑に行うことができる。
【0014】
本発明の露光装置において、複数のマスク毎に該マスク(M)の自重による撓み量に関する情報を予め記憶した記憶装置(MRY)を備え、圧力制御装置(PRC)は記憶装置(MRY)に記憶されている情報に基づいて空間(S)の圧力を制御する構成が採用される。この場合において、圧力制御装置(PRC)は、マスクステージ(MST)の走査移動中にマスク(M)の露光位置(E1〜E3)に応じた記憶されている情報に基づいて空間(S)の圧力を制御する構成が採用される。
また、本発明の露光装置において、マスクステージ(MST)の移動によるマスク(M)の露光位置(E1〜E3)の走査移動中に、該露光位置(E1〜E3)におけるマスク(M)の撓み量を計測する計測装置(70a〜70d、CL)を備え、圧力制御装置(PRC)は計測装置(70a〜70d、CL)の計測結果に基づいて空間(S)の圧力を制御する構成が採用される。
これにより、マスク毎に撓み量が異なっていても、マスク毎の撓み量に適した圧力制御を行うことができるので、複数のマスクを順次用いて露光処理する際にもそれぞれのマスクについて精度良い露光処理を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施系を示す概略斜視図、図2は概略構成図である。
図1及び図2において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、感光基板Pの撓み量を計測可能な計測装置としての基板側オートフォーカス検出系60(60a〜60d)と、マスクMの撓み量を計測可能な計測装置としてのマスク側オートフォーカス検出系70(70a〜70d)とを備えている。更に、露光装置EXは、マスクMの上面に接し、マスクMとの間で空間Sを形成する容器1と、空間Sに接続するチューブ(管路)2と、チューブ2と連通して空間Sの圧力を制御する圧力制御装置PRCとを備えている。マスクステージMSTに支持されているマスクMと基板ステージPSTに支持されている感光基板Pとは投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置される。露光装置EXは複数の投影光学系PL、本実施形態では7つの投影光学系PLa〜PLgを有するいわゆるマルチレンズスキャン型露光装置である。感光基板Pはガラスプレート(ガラス基板)に感光剤(フォトレジスト)を塗布したものである。
【0016】
ここで、本実施形態に係る露光装置EXは、露光光ELを射出する照明光学系ILに対してマスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを感光基板Pに走査露光する走査型露光装置であり、以下の説明において、投影光学系PLの光軸方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な方向でマスクM及び感光基板Pの同期移動方向をX軸方向(走査方向)、Z軸方向及びX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)とする。また、X軸まわり、Y軸まわり、Z軸まわりのそれぞれの方向をθX方向、θY方向、θZ方向とする。
【0017】
照明光学系ILは、超高圧水銀ランプ等からなる光源、光源から射出された光束を集光する楕円鏡、この楕円鏡により集光された光束のうち露光に必要な波長の光束を反射し、その他の波長の光束を透過させるダイクロイックミラー、ダイクロイックミラーで反射した光束のうち更に露光に必要な波長(通常は、g、h、i線のうち少なくとも1つの帯域)のみを通過させる波長選択フィルタ、及び波長選択フィルタからの光束を複数本(本実施形態では7本)に分岐して複数の照明系モジュールに入射するライトガイドなどを備えている。照明系モジュールのそれぞれは、露光光の光路を遮蔽・開放する照明シャッタ、リレーレンズ、射出面に二次光源を形成するオプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ、及びフライアイレンズからの露光光に基づきマスクMを均一な照度で照明するコンデンサレンズなどを備えている。
【0018】
なお、照明光学系ILより射出される露光光ELとしては、水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)の他に、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2 レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
【0019】
マスクステージMSTは、マスクMを支持するとともに照明光学系ILに対しマスクMを走査移動するものであり、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと走査方向と直交するY軸方向に所定距離のストロークとを有している。図2に示すように、マスクステージMSTはマスクMを保持するための吸着部40を有している。吸着部40は不図示のバキューム装置に接続されており、マスクMは吸着部40により真空吸着保持される。更に、マスクステージMSTは、このマスクステージMSTをX軸方向及びY軸方向に移動するマスクステージ駆動部MSTDを備えている。マスクステージ駆動部MSTDは主制御系CONTにより制御される。
【0020】
図1に示すように、マスクステージMST上のX軸方向及びY軸方向のそれぞれの端縁には直交する方向に移動鏡32a、32bがそれぞれ設けられている。移動鏡32aには複数(本実施形態では2つ)のレーザー干渉計Mx1、Mx2が対向して配置されている。また、移動鏡32bにはレーザー干渉計My1が対向して配置されている。レーザー干渉計Mx1、Mx2のそれぞれは移動鏡32aにレーザー光を照射し移動鏡32aとの距離を検出する。レーザー干渉計Mx1、Mx2の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計Mx1、Mx2の検出結果に基づいてマスクステージMSTのX軸方向における位置、及びZ軸まわりの回転量を求める。また、レーザー干渉計My1は移動鏡32bにレーザー光を照射し移動鏡32bとの距離を検出する。レーザー干渉計My1の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計My1の検出結果に基づいてマスクステージMSTのY軸方向における位置を求める。そして、主制御系CONTは、レーザー干渉計Mx1、Mx2、及びMy1の出力からマスクステージMSTの位置(姿勢)をモニタしマスクステージ駆動部MSTDを制御することでマスクステージMSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
【0021】
マスクMを透過した露光光ELは投影光学系PLa〜PLgのそれぞれに入射する。投影光学系PLa〜PLgはマスクMの照明領域に存在するパターン像を感光基板Pに結像し感光基板Pの特定領域(投影領域)にパターン像を投影露光するものであり、各照明系モジュールに対応して設けられている。図1に示すように、複数の投影光学系PLa〜PLgのうち、投影光学系PLa、PLc、PLe、PLgと投影光学系PLb、PLd、PLfとが2列に千鳥状に配列されている。すなわち、千鳥状に配置されている各投影光学系PLa〜PLgは隣合う投影光学系どうし(例えば投影光学系PLaとPLb、PLbとPLc)をY軸方向に所定量変位させて配置されている。これら各投影光学系PLa〜PLgはマスクMを透過した複数の露光光ELを透過させ、基板ステージPSTに載置されている感光基板PにマスクMのパターン像を投影する。すなわち、各投影光学系PLa〜PLgを透過した露光光ELは感光基板P上の異なる投影領域にマスクMの照明領域に対応したパターン像を所定の結像特性で結像する。
【0022】
図2に示すように、投影光学系PLa〜PLgのそれぞれは、像シフト機構19と、2組の反射屈折型光学系21、22と、視野絞り20と、倍率調整機構23とを備えている。像シフト機構19は、例えば、2枚の平行平面板ガラスがそれぞれX軸まわりもしくはY軸まわりに回転することでマスクMのパターン像をY軸方向もしくはX軸方向にシフトする。マスクMを透過した露光光ELは像シフト機構19を透過した後、1組目の反射屈折型光学系21に入射する。反射屈折型光学系21はマスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム24とレンズ系25と凹面鏡26とを備えている。直角プリズム24はZ軸まわりに回転自在となっておりマスクMのパターン像を回転可能である。この中間像位置には視野絞り20が配置されている。視野絞り20は感光基板P上での投影領域を設定するものであり、投影光学系PLにおいてマスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置に配置されている。視野絞り20を透過した光束は2組目の反射屈折型光学系22に入射する。反射屈折型光学系22は、反射屈折型光学系21と同様、直角プリズム27とレンズ系28と凹面鏡29とを備えている。直角プリズム27もZ軸まわりに回転自在となっておりマスクMのパターン像を回転可能である。反射屈折型光学系22から射出した露光光ELは倍率調整機構23を通過し感光基板P上にマスクMのパターン像を正立等倍で結像する。倍率調整機構23は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凸レンズの3枚のレンズから構成され、平凸レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ方向に移動させて相対位置を変化させることによりマスクMのパターン像の倍率を変化させる。
【0023】
感光基板P上での投影光学系PLa〜PLgの投影領域50a〜50gのそれぞれは所定形状(本実施形態では台形形状)に設定される。図1に示すように、投影領域50a、50c、50e、50gと、投影領域50b、50d、50fとはX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域50a〜50gは、隣り合う投影領域の端部(境界部、継ぎ部)どうしがY軸方向に重なり合うように並列配置される。そして、投影領域50a〜50gの境界部どうしをY軸方向に重なり合うように並列配置することにより、X軸方向の投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。こうすることにより、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるようになっている。このように、各投影光学系PLa〜PLgによる投影領域50a〜50gのそれぞれが重なり合う重複領域(継ぎ部)を設けることにより、継ぎ部における光学収差の変化や照度変化を滑らかにすることができる。
【0024】
感光基板Pを支持する基板ステージPSTは基板ホルダを有しており基板ホルダを介して感光基板Pを保持する。基板ステージPSTは、マスクステージMSTと同様に、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと走査方向と直交するY軸方向にステップ移動するための長いストロークとを有しており、図2に示すように、この基板ステージPSTをX軸方向及びY軸方向に移動する基板ステージ駆動部PSTDを備えている。基板ステージ駆動部PSTDは主制御系CONTにより制御される。更に、基板ステージPSTはZ軸方向、及びθX、θY、θZ方向にも移動可能となっている。
【0025】
図1に示すように、基板ステージPST上のX軸方向及びY軸方向のそれぞれの端縁には直交する方向に移動鏡34a、34bがそれぞれ設置されている。Y軸方向に延在する移動鏡34aには複数(本実施形態では2つ)のレーザー干渉計Px1、Px2が対向して配置されている。また、X軸方向に延在する移動鏡34bには複数(本実施形態では3つ)のレーザー干渉計Py1、Py2、Py3が対向して配置されている。ここで、複数のレーザー干渉計Py1〜Py3のそれぞれはX軸方向に沿って等間隔に並んで設けられている。レーザー干渉計Px1、Px2のそれぞれは移動鏡34aにレーザー光を照射し移動鏡34aとの距離を検出する。レーザー干渉計Px1、Px2の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計Px1、Px2の検出結果に基づいて基板ステージPSTのX軸方向における位置、及びZ軸まわりの回転量を求める。また、レーザー干渉計Py1〜Py3は移動鏡34bにレーザー光を照射し移動鏡34bとの距離を検出する。基板ステージPSTの移動距離が移動鏡34bに比べて大きいため、基板ステージPSTの位置によりレーザー干渉計Py1〜Py3を切り替える。レーザー干渉計Py1〜Py3の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計Py1〜Py3それぞれの検出結果に基づいて基板ステージPSTのY軸方向における位置を求める。そして、主制御系CONTは、レーザー干渉計Px1、Px2、及びPy1〜Py3の出力から基板ステージPSTの位置(姿勢)をモニタし基板ステージ駆動部PSTDを制御することで基板ステージPSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
【0026】
マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDは主制御系CONTによりそれぞれ独立して制御され、マスクステージMST及び基板ステージPSTはマスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDのそれぞれの駆動のもとで独立して移動可能である。そして、主制御系CONTはマスクステージMST及び基板ステージPSTの位置をモニタしながら両駆動部PSTD、MSTDを制御することによりマスクMと感光基板Pとを投影光学系PLに対して任意の走査速度(同期移動速度)でX軸方向に同期移動する。
【0027】
次に、オートフォーカス検出系について説明する。なお、以下の説明においてオートフォーカス検出系を適宜「AF検出系」と称する。
基板側AF検出系60(60a〜60d)は基板ステージPSTに支持された感光基板Pに対向する位置に設けられており、感光基板Pの露光面に直交する方向、すなわちZ軸方向における位置を検出するものである。マスク側オートフォーカス検出系70(70a〜70d)はマスクステージMSTに支持されたマスクMに対向する位置に設けられており、マスクMのパターン形成面に直交する方向、すなわちZ軸方向における位置を検出するものである。これらAF検出系60、70は、図1及び図2に示すように、2列に配置されている投影光学系PLa、PLc、PLe、PLgと、投影光学系PLb、PLd、PLfとの間に設けられている。
【0028】
図3は露光装置EXを−X側から見た概略図である。なお、図3には投影光学系は図示されていない。
図3に示すように、基板側AF検出系60及びマスク側AF検出系70のそれぞれはY軸方向に複数並んで配置されている。具体的には、基板側AF検出系60はY軸方向に並んだ4つのAF検出系60a〜60dから構成されており感光基板Pの面方向における複数点(4点)のZ軸方向の位置をそれぞれ検出する。また、マスク側AF検出系70もY軸方向に複数並んだ4つのAF検出系70a〜70dから構成されておりマスクMの面方向における複数点(4点)のZ軸方向の位置をそれぞれ検出する。これら複数の基板側AF検出系60a〜60d及びマスク側AF検出系70a〜70dのそれぞれはY軸方向に等間隔に設けられており、ハウジングHに支持されてユニット化されている。以下の説明において、ハウジングHに支持されたAF検出系60、70を適宜「AFセンサユニット」と称する。
【0029】
図4は基板側AF検出系60aを示す概略構成図である。なお、他の基板側AF検出系60b〜60d、及びマスク側AF検出系70a〜70dもAF検出系60aと同等の構成である。
図4に示すように、AF検出系60aは、AF用検出光を射出するLEDからなるAF用光源61と、光源61から射出した検出光が入射される送光レンズ系62と、送光レンズ系62を通過した光を、検出対象である感光基板P(あるいはマスクM)に傾斜方向から導くミラー63と、ミラー63を介して照射された検出光に基づき感光基板P(あるいはマスクM)で発生した反射光を受光レンズ系65に導くミラー64と、受光レンズ系65を通過した光を受光する撮像素子(CCD)66とを備えている。送光レンズ系62は検出光を例えばスリット状に整形してから感光基板Pに照射する。ここで、図4に示すように、検出対象である感光基板P(マスクM)のZ軸方向における位置がΔZ変位すると、傾斜方向から照射されたスリット状の検出光は撮像素子66におけるX軸方向における結像位置をΔX変位させる。撮像素子66の撮像信号は演算装置CLに出力され、演算装置CLは撮像素子66による撮像位置の基準位置に対する変位量ΔXに基づいて感光基板P(マスクM)のZ軸方向における変位量ΔZを求める。ここで、受光レンズ系65の入射面から射出面側への倍率がN倍(例えば10倍)に設定されていると、撮像素子66は感光基板P(マスクM)の変位ΔZに対してN倍(10倍)の感度で検出可能となる。上記AF検出系60a(60b〜60d、70a〜70d)では、光源61、送光レンズ系62、及びミラー63がAF検出系の送光系を構成しており、ミラー64、受光レンズ系65、及び撮像素子66がAF検出系の受光系を構成している。なお、光源61は複数のAF検出系60a〜60g(70a〜70d)のそれぞれに設ける構成でもよいし、1つの光源61から射出された光を複数のライドガイド(光ファイバ)で分岐しこの分岐した複数の光を複数のAF検出系のそれぞれに供給する構成としてもよい。また、AF用検出光も感光基板Pのレジストに対して非感光性であることが望ましく、光源61より射出された光のうち特定の波長の光をカットするフィルタを光源61と感光基板Pとの間の光路上に設ける構成としてもよい。
【0030】
基板側AF検出系60a〜60dのそれぞれの検出結果は演算装置CLに出力され、演算装置CLは基板側AF検出系60a〜60dの検出結果に基づいて感光基板PのZ軸方向における位置を求める。ここで、演算装置CLは、Y軸方向に複数並び、感光基板Pに対してX軸方向に相対的に移動する基板側AF検出系60a〜60dのそれぞれの検出結果に基づいて、感光基板Pの露光面の面形状データを求めることができる。すなわち、演算装置CLは基板側AF検出系60a〜60dの検出結果に基づいて感光基板PのX軸方向及びY軸方向を含む撓み量のそれぞれを求めることができる。このように、感光基板Pの複数点におけるZ軸方向の位置を検出するAF検出系60a〜60dと、AF検出系60a〜60dのそれぞれの検出結果を処理する演算装置CLとによって、感光基板Pの撓み量を計測する計測装置が構成されている。
【0031】
同様に、マスク側AF検出系70a〜70dのそれぞれの検出結果は演算装置CLに出力され、演算装置CLはマスク側AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいてマスクMのZ軸方向における位置を求める。そして、演算装置CLは、Y軸方向に複数並び、マスクMに対してX軸方向に相対的に移動するマスク側AF検出系70a〜70dのそれぞれの検出結果に基づいて、マスクMのパターン形成面の面形状データを求めることができる。すなわち、演算装置CLはマスク側AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいてマスクMのX軸方向及びY軸方向を含む撓み量のそれぞれを求めることができる。このように、マスクMの複数点におけるZ軸方向の位置を検出するAF検出系70a〜70dと、AF検出系70a〜70dのそれぞれの検出結果を処理する演算装置CLとによって、マスクMの撓み量を計測する計測装置が構成されている。
【0032】
次に、図5を参照しながらマスクMに接する容器1について説明する。図5(a)はマスクMに接続している容器1の断面図、図5(b)は容器1を下方(−Z側)から見た図である。
容器1はマスクMに対して着脱可能に設けられており、マスクMの上面、すなわちパターン形成面と反対の面に接することによりマスクMとの間に空間Sを形成するものである。容器1は、矩形状の枠部材3と、枠部材3の上部に取り付けられた透明板部材4とを備えている。枠部材3は例えばステンレス鋼などの脱ガスの少ない金属により構成されている。透明板部材4はガラス板など露光光ELを透過可能な透明部材により構成されている。枠部材3の上部には透明板部材4を設置可能な段部3Aが形成されており、透明板部材4は段部3Aに嵌合されてシールされる。一方、枠部材3の下部は開放している。また、枠部材3の上部には後述する搬送装置100により保持される2つの突起部9がX軸方向両側にそれぞれ設けられている。
【0033】
容器1の下端部とマスクMとが接する部分である接続部にはマスクMに対して容器1を保持する保持部5が設けられている。この保持部5はマスクMの走査移動により発生する容器1とマスクMとの相対的ずれを抑制するものでって、容器1の重量とマスクステージMSTの移動状態(例えば加速度又は速度)とに適した摩擦係数を有する高摩擦部材により構成されている。図5(b)に示すように、高摩擦部材(保持部)5は枠部材3の矩形状の下端面の全部に設けられており例えば合成樹脂などにより形成されている。高摩擦部材5のマスクMに対する摩擦係数は、容器1の重量とマスクステージMSTの加速度とに基づいて設定されている。
【0034】
また、容器1の下端部にはシール部材6が設けられている。シール部材6は合成樹脂などの弾性体により形成されており、容器1とマスクMとの接する部分である接続部をシールする。シール部材6により容器1とマスクMとで形成される空間Sと外部とのガスの流通が規制される。
【0035】
枠部材3の一部には貫通孔3Bが形成されており、この貫通孔3Bに管路としてのチューブ2の一端部が設置されている。チューブ2は貫通孔3Bに設置されることで空間Sに接続する。一方、チューブ2の他端部には圧力制御装置PRCが接続されている。圧力制御装置PRCはチューブ2と連通して空間Sの圧力を制御する。すなわち、圧力制御装置PRCはチューブ2を介して空間Sにガスを供給することによりこの空間Sの圧力を上げ、チューブ2を介して空間Sのガスを吸引することにより空間Sの圧力を下げる。そして、圧力制御装置CONTは空間Sを例えば負圧にすることにより下方に撓んでいるマスクM(図5(a)破線参照)の撓みを矯正可能である。
【0036】
チューブ2はマスクステージMSTに支持されている。具体的には、マスクステージMSTの一部、本実施形態ではX軸方向(走査方向)端部に形成された貫通穴7にチューブ2が挿通されることによりマスクステージMSTに支持されている。貫通穴7の径はチューブ2の外径より若干大きく形成されており、チューブ2は貫通穴7に対して摺動可能となっている。また、チューブ2の他端部近傍には、このチューブ2を巻き取り・巻き出し可能な巻取装置10が設けられている。この巻取装置10は−X方向に移動するマスクステージMSTとともにチューブ2の一端部が−X方向に移動した際、矢印r方向に回転することによりチューブ2を巻き出す。巻取装置10によりチューブ2が巻き出され、貫通穴7対して摺動可能であるため、マスクステージMSTの−X方向へのチューブ2による移動は妨げられない。一方、マスクステージMSTが+X方向に移動した際には、巻取装置10はチューブ2を巻き取る。チューブ2を巻き取ることによりチューブ2が弛んでマスクステージMSTや近傍の各部材と干渉し振動が発生するといった不都合の発生を抑えることができる。そして、チューブ2はマスクステージMSTに支持されていることによりマスクステージMSTとともに移動可能であるので、マスクステージが移動してもチューブ2は暴れたりしない。
【0037】
チューブ2のうち容器1とマスクステージMSTとの間に配置されている部分はガイド部8により支持されている。ガイド部8はベローズなどの伸縮可能な可撓性部材であって内部通路にチューブ2を配置可能な管部材である。ガイド部8の一端部は容器1の枠部材3に接続しており、他端部はマスクステージMSTに接続している。ガイド部8の内部通路の径はチューブ2の外径より大きく形成されており、チューブ2はガイド部8の内部通路に対して摺動可能である。
【0038】
なお、チューブ2を巻き取るものについて説明したが、ロボットアームなどを用い、パンタグラフのように折り曲げ伸縮をさせるようにしてもよい。
【0039】
次に、高摩擦部材5の摩擦係数の設定手順について図5(a)を参照しながら説明する。
マスクMの重量(自重)をM1、面積をAとし、容器1とマスクMとで形成される空間Sの負圧−Δp1 を、
Δp1 × A = M1
となるように圧力制御装置PRCが空間Sの圧力を制御すると、大気圧との差圧からマスクMの下面から押し上げる力M1 が発生し、マスクMの自重M1 とバランスする。一方、容器1の上面(透明板部材4)にも同じ力M1 が−Z方向に発生する。この力は透明板部材4を変形させるが、透明板部材4は照明光が透過するのみで結像に関与する光の透過はないため透明板部材4の変形は結像特性に影響を及ぼさない。そして、容器1とマスクMとが接する部分である接続部はこの力M1 と容器1の重量Wとを合わせた力を支えている。マスクステージMSTが移動する際に加速度aが作用すると、容器1をマスクMに対して滑らせようとする力F1が作用する。ここで、
F1 = (W/g) × a (g:重力加速度)
である。容器1がマスクM上を滑らないように抵抗する力F2 は、容器1とマスクMとの接する部分の摩擦係数、すなわち高摩擦部材5のマスクMに対する摩擦係数をμとしたとき、上述した接続部に作用する力から、
F2 = μ × (M1 + W)
となる。これらの力の関係から、容器1がマスクM上を滑らないようにするための高摩擦部材5の摩擦係数μは、
μ > W / (M1 + W)×(a/g)
の条件を満足するように設定される。このように、高摩擦部材5の摩擦係数μは、マスクMの自重M1 の他に、容器1の重量WとマスクステージMSTの加速度a(移動状態)とに基づいて設定される。
【0040】
なお、図5(b)において、高摩擦部材5は枠部材3の下端面の全部に設けられているように説明したが、枠部材3の下端面の一部に設けられた構成であってもよい。
【0041】
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに走査露光する方法について図6を参照しながら説明する。以下の説明では、マスクMは図6に示すようにX軸方向に撓んでいるものとし、感光基板Pは平坦に形成されているものとする。
マスクMがマスクステージMSTに支持されるとともに感光基板Pが基板ステージPSTに支持されると、主制御系CONTは走査露光を開始する。このとき、図6(a)に示すようにマスクMの上面には容器1が接続されている。そして、主制御系CONTはAF検出系70a〜70dを用いて走査露光開始点(露光位置)E1 におけるマスクMのZ軸方向における位置を検出する。同様に、主制御系CONTはAF検出系60a〜60dを用いてこの走査露光開始点における感光基板PのZ軸方向における位置を検出する。AF検出系70(60)の検出結果は演算装置CLに出力され、演算装置CLは露光位置E1 におけるマスクMの撓み量を求める。演算装置CLで求めた露光位置E1 におけるマスクMの撓み量に関する情報は圧力制御装置PRCに出力され、圧力制御装置PRCは演算装置CLからの撓み量に関する情報に基づいて空間Sの圧力をチューブ2を介して制御する。ここで、図6(a)に示す例では、露光位置E1 におけるマスクMのパターン形成面は破線で示す理想位置(ベストフォーカスが得られる位置)Zrに対して−Z側に撓んでいる。したがって、圧力制御装置PRCは露光位置E1 におけるマスクMのパターン形成面と理想位置Zrとが一致するように空間Sの圧力を下げて(空間Sのガスを吸引して)マスクMを上方に撓ませる。
【0042】
そして、圧力制御装置PRCは、走査露光中に、AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて各露光位置におけるマスクMのパターン形成面の位置と理想位置Zrとを一致させるように空間Sの圧力を制御する。例えば、走査露光が進行し、図6(b)に示す露光位置E2 で露光する際、この露光位置E2 におけるマスクMのパターン形成面と理想位置Zrとはほぼ一致しているので、圧力制御装置PRCはAF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて、例えばマスクMの自重による撓みを矯正する程度に空間Sのガスを僅かに吸引する。
【0043】
また、図6(c)に示す露光位置E3 で露光する際、この露光位置E3 におけるマスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して+Z側に撓んでいるので、圧力制御装置PRCはAF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて、露光位置E3 におけるマスクMのパターン形成面と理想位置Zrとが一致するように空間Sの圧力を制御する。ここで、露光位置E3 におけるマスクMの+Z側への撓み量が大きい場合には、圧力制御装置PRCは空間Sにガスを供給して空間Sの圧力を上げ、マスクMを下方に撓ませることが可能である。
【0044】
ここで、図7に示すように、マスクMがY軸方向に関しても撓んでいる場合、演算装置CLは、複数のマスク側AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて、複数の検出点h1〜h4の理想位置Zrに対する平均誤差が最小となるように空間Sの圧力を制御することが可能である。
【0045】
この場合において、マスクMの撓みを空間Sの圧力制御で矯正しきれずに感光基板P上におけるパターンの結像特性に影響を及ぼす場合には、図2を用いて説明した投影光学系PLa〜PLgそれぞれの像シフト機構19、倍率調整機構23、及びローテーション調整機構としての直角プリズム24、27を適宜駆動し、結像特性を調整することが可能である。この場合、マスクMを走査移動しつつこの走査移動に応じて上記各調整機構を駆動することが可能である。
【0046】
そして、走査露光終了後、図8(a)に示す模式図のように、マスクMを支持したマスクステージMSTが照明光学系ILの下方から退避される。この退避位置には、容器1を保持するとともにこの容器1とマスクMとを接続・分離する搬送装置100が設けられている。搬送装置100は2本のアーム部100A、100Bを有しており、それぞれZ軸方向及びX軸方向に移動可能に設けられている。マスクMを交換する際には、搬送装置100の各アーム部100A、100Bが下降して容器1にアクセスしこの容器1の突起部9のそれぞれを保持する。そして、アーム部100A、100Bが突起部9を保持した状態で上昇することにより、図8(b)に示すように容器1とマスクMとが分離する。このとき、伸縮可能なベローズ部材からなるガイド部8は延びる。容器1とマスクMとが分離されたら不図示のアンローダによりマスクステージMST上のマスクがアンロードされるとともに、ローダにより新たなマスクがマスクステージMSTにロードされる。そして、新たなマスクがマスクステージMSTにロードされたら、搬送装置100が容器1をマスクに接続する。
【0047】
容器1を上昇及び下降するに際し、チューブ2はガイド部8及びマスクステージMSTの貫通穴7に摺動可能に設けられており、チューブ2の一端部は容器1とともに上昇及び下降するとともに、ガイド部8は伸縮可能に設けられているため、容器1のZ軸方向にける移動は妨げられない。また、チューブ2やガイド部8は可撓性部材により構成されているため、マスクステージMST移動時や容器1のZ軸方向への移動時において、チューブ2やガイド部8からマスクステージMSTに伝わる振動は抑えられる。
【0048】
以上説明したように、マスクMと容器1との間に形成される空間Sに接続されるチューブ2をマスクステージMSTで支持するようにしたので、チューブ2は走査移動するマスクステージMSTとともに移動できる。したがって、マスクステージMSTが移動してもチューブ2は暴れたりしないので、チューブ2とマスクステージMSTやマスクステージ近傍の各部材との干渉が抑えられ振動の発生を抑制できる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。
【0049】
容器1とマスク2とが接する部分に、走査移動により発生する容器1とマスクMとの位置ずれを抑制する高摩擦部材5を設けたことにより、マスクステージMSTが移動してもマスクMと容器1との位置ずれを抑えることができ、走査露光中において空間Sの圧力制御を精度良く行うことができる。したがって、マスクMの撓みを矯正しつつ精度良い露光処理を行うことができる。
【0050】
マスクステージMSTの移動によるマスクMの露光位置の走査移動中に、空間Sの圧力制御をAF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて行うようにしたので、例えば厚み(撓み量)がそれぞれ異なるマスクを用いて露光処理を順次行う際、マスク毎に撓み量が異なっていても、マスク毎の撓み量に適した圧力制御を行うことができるので、これら複数のマスクを順次用いて露光処理する際にも精度良い露光処理を行うことができる。
【0051】
なお、上記実施形態では、マスクMの走査露光中にそれぞれの露光位置におけるマスクMの撓み量を検出しつつ空間Sの圧力を制御するように説明したが、露光光を照射せずにマスクMを走査移動してマスクMのパターン形成面をAF検出系70a〜70dで検出し、複数の露光位置(E1 〜E3 )の理想位置Zrに対する平均誤差が最小となるように空間Sの最適圧力を予め求めておき、露光処理する際には空間Sを前記最適圧力に維持した状態で露光処理するようにしてもよい。
【0052】
あるいは、図9に示すように、所定の記憶装置MRYに複数のマスク毎の自重による撓み量に関する情報を予め記憶しておき、記憶装置MRYに記憶されている情報に基づいて空間Sの圧力が圧力制御装置PRCにより制御される構成としてもよい。図9において、記憶装置MRYには、露光処理に使用される複数のマスクM毎の自重による撓み量に関する情報が記憶されている。すなわち、マスク毎に厚みが異なるとこの厚みの違いにより撓み量がそれぞれ異なる。そして、記憶装置MRYには複数のマスク毎の撓み量に関する情報、及びこの撓みを矯正するための空間Sの圧力に関する情報が記憶されている。空間Sの圧力に関する情報は実験的あるいは数値計算を用いて予め求められている。露光処理する際には、圧力制御装置PRCが記憶装置MRYに記憶されている圧力目標値に基づいて空間Sの圧力を制御することにより、マスクMの撓みを矯正しつつ露光処理できる。
【0053】
あるいは、記憶装置MRYにマスク毎の自重による撓み量に関する情報を予め記憶しておき、この記憶されている情報に基づいて、圧力制御装置PRCはマスクステージMSTの走査移動中にマスクMの露光位置に応じて空間Sの圧力を制御するようにしてもよい。この場合、圧力制御装置PRCはレーザ干渉計Mx1、Mx2の検出結果に基づいてマスクMの露光位置をモニタできる。すなわち、図10に示すように、圧力制御装置PRCはレーザ干渉計Mx1(Mx2)の検出結果により露光位置E1 〜E3 それぞれの位置をモニタ可能であり、これら露光位置E1 〜E3 の撓み量に応じた空間Sの圧力制御を行う。例えば、露光位置E1 においては、マスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して僅かに−Z側に撓んでいるため、圧力制御装置PRCはこの露光位置E1 の撓み量を矯正するように空間Sを僅かに負圧にする。露光位置E2 においては、マスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して大きく−Z側に撓んでいるため、圧力制御装置CONTはこの露光位置E2 の撓み量を矯正するように空間Sを大きく負圧にする。露光位置E3 においては、マスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して僅かに−Z側に撓んでいるため、圧力制御装置PRCはこの露光位置E3 の撓み量を矯正するように空間Sを僅かに負圧にする。
【0054】
なお、記憶装置MRYに記憶されている情報に基づいて空間Sの圧力制御をする際、空間Sの圧力制御ではマスクMの撓みを矯正しきれない場合には、矯正しきれずに残留するマスクMの撓み量とこの撓み量に起因する感光基板P上での像面変形を補正するための像シフト機構19、倍率調整機構23、及びローテーション調整機構24、27のそれぞれの駆動量との関係を予め記憶装置MRYに記憶しておき、この記憶した情報に基づいて、像シフト機構19、倍率調整機構23、及びローテーション調整機構24、27を駆動し、像面形状補正を行うようにしてもよい。
【0055】
あるいは、記憶装置MRYにマスクMの厚み(及び平面視における大きさ)と撓み量との関係を予め記憶しておき、例えばマスクMをマスクステージMSTにロードする際にマスクMの厚み(及び大きさ)を計測し、この計測結果と記憶装置MRYに記憶してある前記関係とに基づいて予測される撓み量を求め、この求めた撓み量に基づいて空間Sの圧力制御をする際の圧力目標値を設定するようにしてもよい。
【0056】
上記実施形態では、マスクMの上面(パターン形成面と反対側の面)に容器1を接続するように説明したが、マスクMの下面(パターン形成面)に容器を接続し、この容器とマスクとで形成される空間の圧力を制御するようにしてもよい。この場合、マスクMの自重による撓みを矯正するために、空間の圧力は正圧に設定される。更には、マスクMの上下両面のそれぞれに容器を接続し、上面側容器とマスクとの間に形成された上面側空間、及び下面側容器とマスクとの間に形成された下面側空間のそれぞれの圧力を制御してマスクの撓みを矯正するようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、空間Sの圧力を制御することによりマスクMの撓みを矯正するように説明したが、例えば、マスクMを上方側に積極的に撓ませるように圧力調整するようにしてもよい。すなわち、空間Sの圧力を制御することによりマスクMを所望の撓み形状に設定する構成も可能である。こうすることにより、感光基板P上において任意の像面形状を得ることができる。
【0058】
上記実施形態では、高摩擦部材5は容器1の下端面に設けられた構成であるが、高摩擦部材5をマスクM側に設けてもよい。すなわち、高摩擦部材5をマスクMの上面のうち容器1と接する部分、具体的には容器1の下端面の矩形形状に対応する部分に設ける構成としてもよい。
【0059】
上記実施形態では、マスクMに対して容器1を保持する保持部5は高摩擦部材により構成されているが、図11に示すように、容器1とマスクMとが接する面に設けられた吸着機構110としてもよい。
図11(a)に示すように、吸着機構110は、容器1の下端面に設けられた吸着溝部111と、管路112を介して吸着溝部111に接続するガス吸引装置113とを備えている。吸着溝部111は、図11(b)に示すように、容器1のうち矩形状に形成された枠部材3の下端面の4辺のそれぞれに形成されている。吸着溝部111は略環状に形成されており、吸着溝部111のそれぞれには細孔112Aが設けられている。細孔112Aは管路112と接続しており、ガス吸引装置113が駆動することにより、マスクMは吸着溝部111を介して容器1の下端面に吸着保持される。ここで、吸着機構110の管路112もガイド部8により保持されている。
【0060】
図12に示すように、容器1に、マスクステージMSTに係合する係合部150を設けてもよい。図12に示す係合部150は、容器1のうち枠部材3から外方に延びるとともにその先端部を下方に向けた凸部により構成されている。そして、マスクステージMSTには凸部(係合部)150と嵌合する凹部151が設けられている。容器1にマスクステージMSTに係合する凸部(係合部)150を設けたことにより、マスクMは容器1とマスクステージMSTとに挟まれるようにして保持され、容器1はマスクステージMSTに対して固定される。したがって、マスクステージMSTが移動してもマスクステージMSTやマスクMに対する容器1の位置ずれの発生は抑えられる。
【0061】
なお、チューブ2は容器1とマスクステージMSTとを連結して設けられているが、容器1とマスクステージMSTとの間にコネクタを設け、分離できるようにしてもよい。このとき、容器1とマスクステージMSTとの接触部に設けるようにすればよい。
【0062】
なお、上記実施形態における露光装置EXは互いに隣接する複数の投影光学系を有するいわゆるマルチレンズスキャン型露光装置であるが、投影光学系が1つである走査型露光装置ついても本発明を適用することができる。
【0063】
なお、露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0064】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。
【0065】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0066】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0067】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニットと電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0068】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0069】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0070】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0071】
半導体デバイスは、図13に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板に露光し、この露光した基板を現像する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0072】
【発明の効果】
マスクと容器との間に形成される空間に接続される管路をマスクステージで支持するようにしたので管路はマスクステージとともに移動できる。したがって、マスクステージが移動しても管路の暴れなどによる振動の発生を抑制でき、精度良い露光処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図4】計測装置を示す構成図である。
【図5】容器を説明するための図である。
【図6】本発明の露光装置を用いた露光方法を説明するための図である。
【図7】マスクの撓みを矯正する方法を説明するための図である。
【図8】容器を保持する搬送装置を説明するための概略斜視図である。
【図9】本発明の露光装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明の露光装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明の露光装置に係る保持部の他の実施形態を示す図である。
【図12】本発明の露光装置に係る容器の他の実施形態を示す図である。
【図13】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 容器
2 チューブ(管路)
5 高摩擦部材(保持部)
70a〜70d オートフォーカス検出系(計測装置)
100 搬送装置
110 吸着機構(保持部)
150 係合部
CL 演算装置(計測装置)
EX 露光装置
IL 照明光学系
M マスク
MST マスクステージ
MRY 記憶装置
P 感光基板(基板)
PRC 圧力制御装置
PST 基板ステージ
S 空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、マスクと基板とを走査移動してマスクのパターンを基板に露光する露光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示デバイスや半導体デバイスは、マスク上に形成されたパターンを感光基板上に転写する、いわゆるフォトリソグラフィの手法により製造される。このフォトリソグラフィ工程で使用される露光装置は、感光基板を載置して2次元移動する基板ステージとパターンを有するマスクを載置して2次元移動するマスクステージとを有し、マスク上に形成されたパターンをマスクステージ及び基板ステージを逐次移動しながら投影光学系を介して感光基板に転写するものである。露光装置としては、感光基板上にマスクのパターン全体を同時に転写する一括型露光装置と、マスクステージと基板ステージとを同期走査しつつマスクのパターンを連続的に感光基板上に転写する走査型露光装置との2種類が主に知られている。このうち、液晶表示デバイスを製造する際には、表示領域の大型化の要求から走査型露光装置が主に用いられている。
【0003】
ところで、マスクは大型化することで自重により撓む。このマスクの撓みにより感光基板に転写されるパターンが歪むという問題がある。マスクの撓みを矯正する技術として、例えば特開昭59−96730号公報や特開平5−315218号公報には、マスクの上面にチャンバ部材(容器)を設け、この容器とマスクとの間に形成された空間の圧力を負圧にすることでマスクの撓みを矯正する技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術には以下に述べる問題が生じる。
上記従来技術は、マスクを支持するマスクステージをほぼ静止した状態で露光処理する一括型露光装置に関する技術であり、容器(チャンバ部材)とマスクとの間の空間にチューブ(管路)を接続しこのチューブを介して空間の圧力を負圧にする構成である。ところが、露光処理中にマスクステージが移動する走査型露光装置に上記従来技術を適用すると、チューブはマスクステージとともに移動する容器に引っ張られ、これにより暴れ出す。すると、チューブとマスクステージや各部材とが干渉して振動が発生し、露光精度に影響を及ぼすという問題が生じる。
【0005】
また、上記従来技術における容器はマスクに対する保持機構が無いため、移動するマスクに対して容器が位置ずれを起こすという問題も生じる。スループット向上のためにマスクステージの加速度を大きくするとこの問題はますます顕著になる。
【0006】
更に、複数のマスクを用いて露光処理する際に、マスク毎に撓み量が異なるためマスクによっては大きく撓んだ状態で露光処理が行われて精度良い露光処理を行うことができないという問題も生じるようになった。この撓み量の違いが生じるのは、マスク毎の厚みの違い(自重の違い)が原因の1つである。マスク毎に厚みが異なるのは、マスクの基材であるガラス基板の加工精度の他に、使用済みマスクのパターン面を削り取ってから新たな別のパターンを形成し、この新たなパターンを有するマスクを露光処理に使用することが行われているからである。そして、マスク毎の撓み量の違いの発生はマスクの大型化に伴って顕著になり、無視できないレベルになっている。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、容器とマスクとの間に形成した空間の圧力を制御することでマスクの撓みを矯正する場合において、マスクを走査移動しても振動を発生させることなく圧力調整できる露光装置を提供することを第1の目的とする。
また、マスクを走査移動してもマスクと容器との位置ずれを抑えることができる露光装置を提供することを第2の目的とする。
また、異なる撓み量を有する複数のマスクを用いた際にもそれぞれのマスクの撓みを矯正して精度良く露光処理できる露光装置を提供することを第3の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため本発明は、実施の形態に示す図1〜図13に対応付けした以下の構成を採用している。
本発明の露光装置(EX)は、照明光学系(IL)に対し相対的にマスク(M)と基板(P)とを走査移動してマスク(M)のパターンを基板(P)上に露光する露光装置において、マスク(M)を支持するとともに照明光学系(IL)に対しマスク(M)を相対的に走査移動するマスクステージ(MST)と、マスク(M)に対して着脱可能に設けられるとともにマスク(M)の少なくとも一方の面に接し、該マスク(M)と接して空間(S)を形成する容器(1)と、マスクステージ(MST)に支持されるとともに空間(S)に接続する管路(2)と、管路(2)と連通して空間(S)の圧力を制御する圧力制御装置(PRC)とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、マスクと容器との間に形成される空間に接続される管路をマスクステージで支持するようにしたので、管路は走査移動するマスクステージとともに移動できる。したがって、マスクステージが移動しても管路は暴れたりしないので、管路とマスクステージや各部材との干渉が抑えられ振動の発生を抑制できる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。
【0010】
本発明の露光装置において、容器(1)とマスク(M)とが接する部分に、走査移動により発生する容器(1)とマスク(M)との相対的ずれを抑制する保持部(5)を備える構成が採用される。これにより、マスクステージが移動しても保持部によりマスクと容器との位置ずれを抑えることができる。
【0011】
この場合において、保持部は、容器(1)の重量とマスクステージ(MST)の移動状態とに適した摩擦係数を有する高摩擦部材(5)により構成することができる。あるいは、保持部は、容器(1)のうちマスク(M)との接する面に設けられた吸着機構(110)を備える構成とすることもできる。
【0012】
本発明の露光装置において、容器(1)は、マスクステージ(MST)に係合する係合部(150)を備える構成が採用される。この係合部により容器とマスクステージとが一体で移動可能となるので、容器の位置ずれが抑制される。
【0013】
また、本発明の露光装置において、容器(1)を保持するとともに該容器(1)とマスク(M)とを接続・分離する搬送装置(100)を備える構成が採用される。搬送装置でマスクと容器とを分離することにより、マスクステージに対するマスクのロード・アンロードを円滑に行うことができる。
【0014】
本発明の露光装置において、複数のマスク毎に該マスク(M)の自重による撓み量に関する情報を予め記憶した記憶装置(MRY)を備え、圧力制御装置(PRC)は記憶装置(MRY)に記憶されている情報に基づいて空間(S)の圧力を制御する構成が採用される。この場合において、圧力制御装置(PRC)は、マスクステージ(MST)の走査移動中にマスク(M)の露光位置(E1〜E3)に応じた記憶されている情報に基づいて空間(S)の圧力を制御する構成が採用される。
また、本発明の露光装置において、マスクステージ(MST)の移動によるマスク(M)の露光位置(E1〜E3)の走査移動中に、該露光位置(E1〜E3)におけるマスク(M)の撓み量を計測する計測装置(70a〜70d、CL)を備え、圧力制御装置(PRC)は計測装置(70a〜70d、CL)の計測結果に基づいて空間(S)の圧力を制御する構成が採用される。
これにより、マスク毎に撓み量が異なっていても、マスク毎の撓み量に適した圧力制御を行うことができるので、複数のマスクを順次用いて露光処理する際にもそれぞれのマスクについて精度良い露光処理を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の露光装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の露光装置の一実施系を示す概略斜視図、図2は概略構成図である。
図1及び図2において、露光装置EXは、パターンが形成されたマスクMを支持するマスクステージMSTと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、マスクステージMSTに支持されたマスクMを露光光ELで照明する照明光学系ILと、露光光ELで照明されたマスクMのパターンの像を基板ステージPSTに支持されている感光基板Pに投影する投影光学系PLと、感光基板Pの撓み量を計測可能な計測装置としての基板側オートフォーカス検出系60(60a〜60d)と、マスクMの撓み量を計測可能な計測装置としてのマスク側オートフォーカス検出系70(70a〜70d)とを備えている。更に、露光装置EXは、マスクMの上面に接し、マスクMとの間で空間Sを形成する容器1と、空間Sに接続するチューブ(管路)2と、チューブ2と連通して空間Sの圧力を制御する圧力制御装置PRCとを備えている。マスクステージMSTに支持されているマスクMと基板ステージPSTに支持されている感光基板Pとは投影光学系PLを介して共役な位置関係に配置される。露光装置EXは複数の投影光学系PL、本実施形態では7つの投影光学系PLa〜PLgを有するいわゆるマルチレンズスキャン型露光装置である。感光基板Pはガラスプレート(ガラス基板)に感光剤(フォトレジスト)を塗布したものである。
【0016】
ここで、本実施形態に係る露光装置EXは、露光光ELを射出する照明光学系ILに対してマスクMと感光基板Pとを同期移動してマスクMのパターンを感光基板Pに走査露光する走査型露光装置であり、以下の説明において、投影光学系PLの光軸方向をZ軸方向、Z軸方向に垂直な方向でマスクM及び感光基板Pの同期移動方向をX軸方向(走査方向)、Z軸方向及びX軸方向と直交する方向をY軸方向(非走査方向)とする。また、X軸まわり、Y軸まわり、Z軸まわりのそれぞれの方向をθX方向、θY方向、θZ方向とする。
【0017】
照明光学系ILは、超高圧水銀ランプ等からなる光源、光源から射出された光束を集光する楕円鏡、この楕円鏡により集光された光束のうち露光に必要な波長の光束を反射し、その他の波長の光束を透過させるダイクロイックミラー、ダイクロイックミラーで反射した光束のうち更に露光に必要な波長(通常は、g、h、i線のうち少なくとも1つの帯域)のみを通過させる波長選択フィルタ、及び波長選択フィルタからの光束を複数本(本実施形態では7本)に分岐して複数の照明系モジュールに入射するライトガイドなどを備えている。照明系モジュールのそれぞれは、露光光の光路を遮蔽・開放する照明シャッタ、リレーレンズ、射出面に二次光源を形成するオプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ、及びフライアイレンズからの露光光に基づきマスクMを均一な照度で照明するコンデンサレンズなどを備えている。
【0018】
なお、照明光学系ILより射出される露光光ELとしては、水銀ランプから射出される紫外域の輝線(g線、h線、i線)の他に、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)等の遠紫外光(DUV光)や、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)及びF2 レーザ光(波長157nm)等の真空紫外光(VUV光)などが用いられる。
【0019】
マスクステージMSTは、マスクMを支持するとともに照明光学系ILに対しマスクMを走査移動するものであり、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと走査方向と直交するY軸方向に所定距離のストロークとを有している。図2に示すように、マスクステージMSTはマスクMを保持するための吸着部40を有している。吸着部40は不図示のバキューム装置に接続されており、マスクMは吸着部40により真空吸着保持される。更に、マスクステージMSTは、このマスクステージMSTをX軸方向及びY軸方向に移動するマスクステージ駆動部MSTDを備えている。マスクステージ駆動部MSTDは主制御系CONTにより制御される。
【0020】
図1に示すように、マスクステージMST上のX軸方向及びY軸方向のそれぞれの端縁には直交する方向に移動鏡32a、32bがそれぞれ設けられている。移動鏡32aには複数(本実施形態では2つ)のレーザー干渉計Mx1、Mx2が対向して配置されている。また、移動鏡32bにはレーザー干渉計My1が対向して配置されている。レーザー干渉計Mx1、Mx2のそれぞれは移動鏡32aにレーザー光を照射し移動鏡32aとの距離を検出する。レーザー干渉計Mx1、Mx2の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計Mx1、Mx2の検出結果に基づいてマスクステージMSTのX軸方向における位置、及びZ軸まわりの回転量を求める。また、レーザー干渉計My1は移動鏡32bにレーザー光を照射し移動鏡32bとの距離を検出する。レーザー干渉計My1の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計My1の検出結果に基づいてマスクステージMSTのY軸方向における位置を求める。そして、主制御系CONTは、レーザー干渉計Mx1、Mx2、及びMy1の出力からマスクステージMSTの位置(姿勢)をモニタしマスクステージ駆動部MSTDを制御することでマスクステージMSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
【0021】
マスクMを透過した露光光ELは投影光学系PLa〜PLgのそれぞれに入射する。投影光学系PLa〜PLgはマスクMの照明領域に存在するパターン像を感光基板Pに結像し感光基板Pの特定領域(投影領域)にパターン像を投影露光するものであり、各照明系モジュールに対応して設けられている。図1に示すように、複数の投影光学系PLa〜PLgのうち、投影光学系PLa、PLc、PLe、PLgと投影光学系PLb、PLd、PLfとが2列に千鳥状に配列されている。すなわち、千鳥状に配置されている各投影光学系PLa〜PLgは隣合う投影光学系どうし(例えば投影光学系PLaとPLb、PLbとPLc)をY軸方向に所定量変位させて配置されている。これら各投影光学系PLa〜PLgはマスクMを透過した複数の露光光ELを透過させ、基板ステージPSTに載置されている感光基板PにマスクMのパターン像を投影する。すなわち、各投影光学系PLa〜PLgを透過した露光光ELは感光基板P上の異なる投影領域にマスクMの照明領域に対応したパターン像を所定の結像特性で結像する。
【0022】
図2に示すように、投影光学系PLa〜PLgのそれぞれは、像シフト機構19と、2組の反射屈折型光学系21、22と、視野絞り20と、倍率調整機構23とを備えている。像シフト機構19は、例えば、2枚の平行平面板ガラスがそれぞれX軸まわりもしくはY軸まわりに回転することでマスクMのパターン像をY軸方向もしくはX軸方向にシフトする。マスクMを透過した露光光ELは像シフト機構19を透過した後、1組目の反射屈折型光学系21に入射する。反射屈折型光学系21はマスクMのパターンの中間像を形成するものであって、直角プリズム24とレンズ系25と凹面鏡26とを備えている。直角プリズム24はZ軸まわりに回転自在となっておりマスクMのパターン像を回転可能である。この中間像位置には視野絞り20が配置されている。視野絞り20は感光基板P上での投影領域を設定するものであり、投影光学系PLにおいてマスクMと感光基板Pとに対してほぼ共役な位置に配置されている。視野絞り20を透過した光束は2組目の反射屈折型光学系22に入射する。反射屈折型光学系22は、反射屈折型光学系21と同様、直角プリズム27とレンズ系28と凹面鏡29とを備えている。直角プリズム27もZ軸まわりに回転自在となっておりマスクMのパターン像を回転可能である。反射屈折型光学系22から射出した露光光ELは倍率調整機構23を通過し感光基板P上にマスクMのパターン像を正立等倍で結像する。倍率調整機構23は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凸レンズの3枚のレンズから構成され、平凸レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ方向に移動させて相対位置を変化させることによりマスクMのパターン像の倍率を変化させる。
【0023】
感光基板P上での投影光学系PLa〜PLgの投影領域50a〜50gのそれぞれは所定形状(本実施形態では台形形状)に設定される。図1に示すように、投影領域50a、50c、50e、50gと、投影領域50b、50d、50fとはX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域50a〜50gは、隣り合う投影領域の端部(境界部、継ぎ部)どうしがY軸方向に重なり合うように並列配置される。そして、投影領域50a〜50gの境界部どうしをY軸方向に重なり合うように並列配置することにより、X軸方向の投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。こうすることにより、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるようになっている。このように、各投影光学系PLa〜PLgによる投影領域50a〜50gのそれぞれが重なり合う重複領域(継ぎ部)を設けることにより、継ぎ部における光学収差の変化や照度変化を滑らかにすることができる。
【0024】
感光基板Pを支持する基板ステージPSTは基板ホルダを有しており基板ホルダを介して感光基板Pを保持する。基板ステージPSTは、マスクステージMSTと同様に、一次元の走査露光を行うべくX軸方向に長いストロークと走査方向と直交するY軸方向にステップ移動するための長いストロークとを有しており、図2に示すように、この基板ステージPSTをX軸方向及びY軸方向に移動する基板ステージ駆動部PSTDを備えている。基板ステージ駆動部PSTDは主制御系CONTにより制御される。更に、基板ステージPSTはZ軸方向、及びθX、θY、θZ方向にも移動可能となっている。
【0025】
図1に示すように、基板ステージPST上のX軸方向及びY軸方向のそれぞれの端縁には直交する方向に移動鏡34a、34bがそれぞれ設置されている。Y軸方向に延在する移動鏡34aには複数(本実施形態では2つ)のレーザー干渉計Px1、Px2が対向して配置されている。また、X軸方向に延在する移動鏡34bには複数(本実施形態では3つ)のレーザー干渉計Py1、Py2、Py3が対向して配置されている。ここで、複数のレーザー干渉計Py1〜Py3のそれぞれはX軸方向に沿って等間隔に並んで設けられている。レーザー干渉計Px1、Px2のそれぞれは移動鏡34aにレーザー光を照射し移動鏡34aとの距離を検出する。レーザー干渉計Px1、Px2の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計Px1、Px2の検出結果に基づいて基板ステージPSTのX軸方向における位置、及びZ軸まわりの回転量を求める。また、レーザー干渉計Py1〜Py3は移動鏡34bにレーザー光を照射し移動鏡34bとの距離を検出する。基板ステージPSTの移動距離が移動鏡34bに比べて大きいため、基板ステージPSTの位置によりレーザー干渉計Py1〜Py3を切り替える。レーザー干渉計Py1〜Py3の検出結果は主制御系CONTに出力され、主制御系CONTはレーザー干渉計Py1〜Py3それぞれの検出結果に基づいて基板ステージPSTのY軸方向における位置を求める。そして、主制御系CONTは、レーザー干渉計Px1、Px2、及びPy1〜Py3の出力から基板ステージPSTの位置(姿勢)をモニタし基板ステージ駆動部PSTDを制御することで基板ステージPSTを所望の位置(姿勢)に設定する。
【0026】
マスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDは主制御系CONTによりそれぞれ独立して制御され、マスクステージMST及び基板ステージPSTはマスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDのそれぞれの駆動のもとで独立して移動可能である。そして、主制御系CONTはマスクステージMST及び基板ステージPSTの位置をモニタしながら両駆動部PSTD、MSTDを制御することによりマスクMと感光基板Pとを投影光学系PLに対して任意の走査速度(同期移動速度)でX軸方向に同期移動する。
【0027】
次に、オートフォーカス検出系について説明する。なお、以下の説明においてオートフォーカス検出系を適宜「AF検出系」と称する。
基板側AF検出系60(60a〜60d)は基板ステージPSTに支持された感光基板Pに対向する位置に設けられており、感光基板Pの露光面に直交する方向、すなわちZ軸方向における位置を検出するものである。マスク側オートフォーカス検出系70(70a〜70d)はマスクステージMSTに支持されたマスクMに対向する位置に設けられており、マスクMのパターン形成面に直交する方向、すなわちZ軸方向における位置を検出するものである。これらAF検出系60、70は、図1及び図2に示すように、2列に配置されている投影光学系PLa、PLc、PLe、PLgと、投影光学系PLb、PLd、PLfとの間に設けられている。
【0028】
図3は露光装置EXを−X側から見た概略図である。なお、図3には投影光学系は図示されていない。
図3に示すように、基板側AF検出系60及びマスク側AF検出系70のそれぞれはY軸方向に複数並んで配置されている。具体的には、基板側AF検出系60はY軸方向に並んだ4つのAF検出系60a〜60dから構成されており感光基板Pの面方向における複数点(4点)のZ軸方向の位置をそれぞれ検出する。また、マスク側AF検出系70もY軸方向に複数並んだ4つのAF検出系70a〜70dから構成されておりマスクMの面方向における複数点(4点)のZ軸方向の位置をそれぞれ検出する。これら複数の基板側AF検出系60a〜60d及びマスク側AF検出系70a〜70dのそれぞれはY軸方向に等間隔に設けられており、ハウジングHに支持されてユニット化されている。以下の説明において、ハウジングHに支持されたAF検出系60、70を適宜「AFセンサユニット」と称する。
【0029】
図4は基板側AF検出系60aを示す概略構成図である。なお、他の基板側AF検出系60b〜60d、及びマスク側AF検出系70a〜70dもAF検出系60aと同等の構成である。
図4に示すように、AF検出系60aは、AF用検出光を射出するLEDからなるAF用光源61と、光源61から射出した検出光が入射される送光レンズ系62と、送光レンズ系62を通過した光を、検出対象である感光基板P(あるいはマスクM)に傾斜方向から導くミラー63と、ミラー63を介して照射された検出光に基づき感光基板P(あるいはマスクM)で発生した反射光を受光レンズ系65に導くミラー64と、受光レンズ系65を通過した光を受光する撮像素子(CCD)66とを備えている。送光レンズ系62は検出光を例えばスリット状に整形してから感光基板Pに照射する。ここで、図4に示すように、検出対象である感光基板P(マスクM)のZ軸方向における位置がΔZ変位すると、傾斜方向から照射されたスリット状の検出光は撮像素子66におけるX軸方向における結像位置をΔX変位させる。撮像素子66の撮像信号は演算装置CLに出力され、演算装置CLは撮像素子66による撮像位置の基準位置に対する変位量ΔXに基づいて感光基板P(マスクM)のZ軸方向における変位量ΔZを求める。ここで、受光レンズ系65の入射面から射出面側への倍率がN倍(例えば10倍)に設定されていると、撮像素子66は感光基板P(マスクM)の変位ΔZに対してN倍(10倍)の感度で検出可能となる。上記AF検出系60a(60b〜60d、70a〜70d)では、光源61、送光レンズ系62、及びミラー63がAF検出系の送光系を構成しており、ミラー64、受光レンズ系65、及び撮像素子66がAF検出系の受光系を構成している。なお、光源61は複数のAF検出系60a〜60g(70a〜70d)のそれぞれに設ける構成でもよいし、1つの光源61から射出された光を複数のライドガイド(光ファイバ)で分岐しこの分岐した複数の光を複数のAF検出系のそれぞれに供給する構成としてもよい。また、AF用検出光も感光基板Pのレジストに対して非感光性であることが望ましく、光源61より射出された光のうち特定の波長の光をカットするフィルタを光源61と感光基板Pとの間の光路上に設ける構成としてもよい。
【0030】
基板側AF検出系60a〜60dのそれぞれの検出結果は演算装置CLに出力され、演算装置CLは基板側AF検出系60a〜60dの検出結果に基づいて感光基板PのZ軸方向における位置を求める。ここで、演算装置CLは、Y軸方向に複数並び、感光基板Pに対してX軸方向に相対的に移動する基板側AF検出系60a〜60dのそれぞれの検出結果に基づいて、感光基板Pの露光面の面形状データを求めることができる。すなわち、演算装置CLは基板側AF検出系60a〜60dの検出結果に基づいて感光基板PのX軸方向及びY軸方向を含む撓み量のそれぞれを求めることができる。このように、感光基板Pの複数点におけるZ軸方向の位置を検出するAF検出系60a〜60dと、AF検出系60a〜60dのそれぞれの検出結果を処理する演算装置CLとによって、感光基板Pの撓み量を計測する計測装置が構成されている。
【0031】
同様に、マスク側AF検出系70a〜70dのそれぞれの検出結果は演算装置CLに出力され、演算装置CLはマスク側AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいてマスクMのZ軸方向における位置を求める。そして、演算装置CLは、Y軸方向に複数並び、マスクMに対してX軸方向に相対的に移動するマスク側AF検出系70a〜70dのそれぞれの検出結果に基づいて、マスクMのパターン形成面の面形状データを求めることができる。すなわち、演算装置CLはマスク側AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいてマスクMのX軸方向及びY軸方向を含む撓み量のそれぞれを求めることができる。このように、マスクMの複数点におけるZ軸方向の位置を検出するAF検出系70a〜70dと、AF検出系70a〜70dのそれぞれの検出結果を処理する演算装置CLとによって、マスクMの撓み量を計測する計測装置が構成されている。
【0032】
次に、図5を参照しながらマスクMに接する容器1について説明する。図5(a)はマスクMに接続している容器1の断面図、図5(b)は容器1を下方(−Z側)から見た図である。
容器1はマスクMに対して着脱可能に設けられており、マスクMの上面、すなわちパターン形成面と反対の面に接することによりマスクMとの間に空間Sを形成するものである。容器1は、矩形状の枠部材3と、枠部材3の上部に取り付けられた透明板部材4とを備えている。枠部材3は例えばステンレス鋼などの脱ガスの少ない金属により構成されている。透明板部材4はガラス板など露光光ELを透過可能な透明部材により構成されている。枠部材3の上部には透明板部材4を設置可能な段部3Aが形成されており、透明板部材4は段部3Aに嵌合されてシールされる。一方、枠部材3の下部は開放している。また、枠部材3の上部には後述する搬送装置100により保持される2つの突起部9がX軸方向両側にそれぞれ設けられている。
【0033】
容器1の下端部とマスクMとが接する部分である接続部にはマスクMに対して容器1を保持する保持部5が設けられている。この保持部5はマスクMの走査移動により発生する容器1とマスクMとの相対的ずれを抑制するものでって、容器1の重量とマスクステージMSTの移動状態(例えば加速度又は速度)とに適した摩擦係数を有する高摩擦部材により構成されている。図5(b)に示すように、高摩擦部材(保持部)5は枠部材3の矩形状の下端面の全部に設けられており例えば合成樹脂などにより形成されている。高摩擦部材5のマスクMに対する摩擦係数は、容器1の重量とマスクステージMSTの加速度とに基づいて設定されている。
【0034】
また、容器1の下端部にはシール部材6が設けられている。シール部材6は合成樹脂などの弾性体により形成されており、容器1とマスクMとの接する部分である接続部をシールする。シール部材6により容器1とマスクMとで形成される空間Sと外部とのガスの流通が規制される。
【0035】
枠部材3の一部には貫通孔3Bが形成されており、この貫通孔3Bに管路としてのチューブ2の一端部が設置されている。チューブ2は貫通孔3Bに設置されることで空間Sに接続する。一方、チューブ2の他端部には圧力制御装置PRCが接続されている。圧力制御装置PRCはチューブ2と連通して空間Sの圧力を制御する。すなわち、圧力制御装置PRCはチューブ2を介して空間Sにガスを供給することによりこの空間Sの圧力を上げ、チューブ2を介して空間Sのガスを吸引することにより空間Sの圧力を下げる。そして、圧力制御装置CONTは空間Sを例えば負圧にすることにより下方に撓んでいるマスクM(図5(a)破線参照)の撓みを矯正可能である。
【0036】
チューブ2はマスクステージMSTに支持されている。具体的には、マスクステージMSTの一部、本実施形態ではX軸方向(走査方向)端部に形成された貫通穴7にチューブ2が挿通されることによりマスクステージMSTに支持されている。貫通穴7の径はチューブ2の外径より若干大きく形成されており、チューブ2は貫通穴7に対して摺動可能となっている。また、チューブ2の他端部近傍には、このチューブ2を巻き取り・巻き出し可能な巻取装置10が設けられている。この巻取装置10は−X方向に移動するマスクステージMSTとともにチューブ2の一端部が−X方向に移動した際、矢印r方向に回転することによりチューブ2を巻き出す。巻取装置10によりチューブ2が巻き出され、貫通穴7対して摺動可能であるため、マスクステージMSTの−X方向へのチューブ2による移動は妨げられない。一方、マスクステージMSTが+X方向に移動した際には、巻取装置10はチューブ2を巻き取る。チューブ2を巻き取ることによりチューブ2が弛んでマスクステージMSTや近傍の各部材と干渉し振動が発生するといった不都合の発生を抑えることができる。そして、チューブ2はマスクステージMSTに支持されていることによりマスクステージMSTとともに移動可能であるので、マスクステージが移動してもチューブ2は暴れたりしない。
【0037】
チューブ2のうち容器1とマスクステージMSTとの間に配置されている部分はガイド部8により支持されている。ガイド部8はベローズなどの伸縮可能な可撓性部材であって内部通路にチューブ2を配置可能な管部材である。ガイド部8の一端部は容器1の枠部材3に接続しており、他端部はマスクステージMSTに接続している。ガイド部8の内部通路の径はチューブ2の外径より大きく形成されており、チューブ2はガイド部8の内部通路に対して摺動可能である。
【0038】
なお、チューブ2を巻き取るものについて説明したが、ロボットアームなどを用い、パンタグラフのように折り曲げ伸縮をさせるようにしてもよい。
【0039】
次に、高摩擦部材5の摩擦係数の設定手順について図5(a)を参照しながら説明する。
マスクMの重量(自重)をM1、面積をAとし、容器1とマスクMとで形成される空間Sの負圧−Δp1 を、
Δp1 × A = M1
となるように圧力制御装置PRCが空間Sの圧力を制御すると、大気圧との差圧からマスクMの下面から押し上げる力M1 が発生し、マスクMの自重M1 とバランスする。一方、容器1の上面(透明板部材4)にも同じ力M1 が−Z方向に発生する。この力は透明板部材4を変形させるが、透明板部材4は照明光が透過するのみで結像に関与する光の透過はないため透明板部材4の変形は結像特性に影響を及ぼさない。そして、容器1とマスクMとが接する部分である接続部はこの力M1 と容器1の重量Wとを合わせた力を支えている。マスクステージMSTが移動する際に加速度aが作用すると、容器1をマスクMに対して滑らせようとする力F1が作用する。ここで、
F1 = (W/g) × a (g:重力加速度)
である。容器1がマスクM上を滑らないように抵抗する力F2 は、容器1とマスクMとの接する部分の摩擦係数、すなわち高摩擦部材5のマスクMに対する摩擦係数をμとしたとき、上述した接続部に作用する力から、
F2 = μ × (M1 + W)
となる。これらの力の関係から、容器1がマスクM上を滑らないようにするための高摩擦部材5の摩擦係数μは、
μ > W / (M1 + W)×(a/g)
の条件を満足するように設定される。このように、高摩擦部材5の摩擦係数μは、マスクMの自重M1 の他に、容器1の重量WとマスクステージMSTの加速度a(移動状態)とに基づいて設定される。
【0040】
なお、図5(b)において、高摩擦部材5は枠部材3の下端面の全部に設けられているように説明したが、枠部材3の下端面の一部に設けられた構成であってもよい。
【0041】
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに走査露光する方法について図6を参照しながら説明する。以下の説明では、マスクMは図6に示すようにX軸方向に撓んでいるものとし、感光基板Pは平坦に形成されているものとする。
マスクMがマスクステージMSTに支持されるとともに感光基板Pが基板ステージPSTに支持されると、主制御系CONTは走査露光を開始する。このとき、図6(a)に示すようにマスクMの上面には容器1が接続されている。そして、主制御系CONTはAF検出系70a〜70dを用いて走査露光開始点(露光位置)E1 におけるマスクMのZ軸方向における位置を検出する。同様に、主制御系CONTはAF検出系60a〜60dを用いてこの走査露光開始点における感光基板PのZ軸方向における位置を検出する。AF検出系70(60)の検出結果は演算装置CLに出力され、演算装置CLは露光位置E1 におけるマスクMの撓み量を求める。演算装置CLで求めた露光位置E1 におけるマスクMの撓み量に関する情報は圧力制御装置PRCに出力され、圧力制御装置PRCは演算装置CLからの撓み量に関する情報に基づいて空間Sの圧力をチューブ2を介して制御する。ここで、図6(a)に示す例では、露光位置E1 におけるマスクMのパターン形成面は破線で示す理想位置(ベストフォーカスが得られる位置)Zrに対して−Z側に撓んでいる。したがって、圧力制御装置PRCは露光位置E1 におけるマスクMのパターン形成面と理想位置Zrとが一致するように空間Sの圧力を下げて(空間Sのガスを吸引して)マスクMを上方に撓ませる。
【0042】
そして、圧力制御装置PRCは、走査露光中に、AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて各露光位置におけるマスクMのパターン形成面の位置と理想位置Zrとを一致させるように空間Sの圧力を制御する。例えば、走査露光が進行し、図6(b)に示す露光位置E2 で露光する際、この露光位置E2 におけるマスクMのパターン形成面と理想位置Zrとはほぼ一致しているので、圧力制御装置PRCはAF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて、例えばマスクMの自重による撓みを矯正する程度に空間Sのガスを僅かに吸引する。
【0043】
また、図6(c)に示す露光位置E3 で露光する際、この露光位置E3 におけるマスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して+Z側に撓んでいるので、圧力制御装置PRCはAF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて、露光位置E3 におけるマスクMのパターン形成面と理想位置Zrとが一致するように空間Sの圧力を制御する。ここで、露光位置E3 におけるマスクMの+Z側への撓み量が大きい場合には、圧力制御装置PRCは空間Sにガスを供給して空間Sの圧力を上げ、マスクMを下方に撓ませることが可能である。
【0044】
ここで、図7に示すように、マスクMがY軸方向に関しても撓んでいる場合、演算装置CLは、複数のマスク側AF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて、複数の検出点h1〜h4の理想位置Zrに対する平均誤差が最小となるように空間Sの圧力を制御することが可能である。
【0045】
この場合において、マスクMの撓みを空間Sの圧力制御で矯正しきれずに感光基板P上におけるパターンの結像特性に影響を及ぼす場合には、図2を用いて説明した投影光学系PLa〜PLgそれぞれの像シフト機構19、倍率調整機構23、及びローテーション調整機構としての直角プリズム24、27を適宜駆動し、結像特性を調整することが可能である。この場合、マスクMを走査移動しつつこの走査移動に応じて上記各調整機構を駆動することが可能である。
【0046】
そして、走査露光終了後、図8(a)に示す模式図のように、マスクMを支持したマスクステージMSTが照明光学系ILの下方から退避される。この退避位置には、容器1を保持するとともにこの容器1とマスクMとを接続・分離する搬送装置100が設けられている。搬送装置100は2本のアーム部100A、100Bを有しており、それぞれZ軸方向及びX軸方向に移動可能に設けられている。マスクMを交換する際には、搬送装置100の各アーム部100A、100Bが下降して容器1にアクセスしこの容器1の突起部9のそれぞれを保持する。そして、アーム部100A、100Bが突起部9を保持した状態で上昇することにより、図8(b)に示すように容器1とマスクMとが分離する。このとき、伸縮可能なベローズ部材からなるガイド部8は延びる。容器1とマスクMとが分離されたら不図示のアンローダによりマスクステージMST上のマスクがアンロードされるとともに、ローダにより新たなマスクがマスクステージMSTにロードされる。そして、新たなマスクがマスクステージMSTにロードされたら、搬送装置100が容器1をマスクに接続する。
【0047】
容器1を上昇及び下降するに際し、チューブ2はガイド部8及びマスクステージMSTの貫通穴7に摺動可能に設けられており、チューブ2の一端部は容器1とともに上昇及び下降するとともに、ガイド部8は伸縮可能に設けられているため、容器1のZ軸方向にける移動は妨げられない。また、チューブ2やガイド部8は可撓性部材により構成されているため、マスクステージMST移動時や容器1のZ軸方向への移動時において、チューブ2やガイド部8からマスクステージMSTに伝わる振動は抑えられる。
【0048】
以上説明したように、マスクMと容器1との間に形成される空間Sに接続されるチューブ2をマスクステージMSTで支持するようにしたので、チューブ2は走査移動するマスクステージMSTとともに移動できる。したがって、マスクステージMSTが移動してもチューブ2は暴れたりしないので、チューブ2とマスクステージMSTやマスクステージ近傍の各部材との干渉が抑えられ振動の発生を抑制できる。したがって、精度良い露光処理を行うことができる。
【0049】
容器1とマスク2とが接する部分に、走査移動により発生する容器1とマスクMとの位置ずれを抑制する高摩擦部材5を設けたことにより、マスクステージMSTが移動してもマスクMと容器1との位置ずれを抑えることができ、走査露光中において空間Sの圧力制御を精度良く行うことができる。したがって、マスクMの撓みを矯正しつつ精度良い露光処理を行うことができる。
【0050】
マスクステージMSTの移動によるマスクMの露光位置の走査移動中に、空間Sの圧力制御をAF検出系70a〜70dの検出結果に基づいて行うようにしたので、例えば厚み(撓み量)がそれぞれ異なるマスクを用いて露光処理を順次行う際、マスク毎に撓み量が異なっていても、マスク毎の撓み量に適した圧力制御を行うことができるので、これら複数のマスクを順次用いて露光処理する際にも精度良い露光処理を行うことができる。
【0051】
なお、上記実施形態では、マスクMの走査露光中にそれぞれの露光位置におけるマスクMの撓み量を検出しつつ空間Sの圧力を制御するように説明したが、露光光を照射せずにマスクMを走査移動してマスクMのパターン形成面をAF検出系70a〜70dで検出し、複数の露光位置(E1 〜E3 )の理想位置Zrに対する平均誤差が最小となるように空間Sの最適圧力を予め求めておき、露光処理する際には空間Sを前記最適圧力に維持した状態で露光処理するようにしてもよい。
【0052】
あるいは、図9に示すように、所定の記憶装置MRYに複数のマスク毎の自重による撓み量に関する情報を予め記憶しておき、記憶装置MRYに記憶されている情報に基づいて空間Sの圧力が圧力制御装置PRCにより制御される構成としてもよい。図9において、記憶装置MRYには、露光処理に使用される複数のマスクM毎の自重による撓み量に関する情報が記憶されている。すなわち、マスク毎に厚みが異なるとこの厚みの違いにより撓み量がそれぞれ異なる。そして、記憶装置MRYには複数のマスク毎の撓み量に関する情報、及びこの撓みを矯正するための空間Sの圧力に関する情報が記憶されている。空間Sの圧力に関する情報は実験的あるいは数値計算を用いて予め求められている。露光処理する際には、圧力制御装置PRCが記憶装置MRYに記憶されている圧力目標値に基づいて空間Sの圧力を制御することにより、マスクMの撓みを矯正しつつ露光処理できる。
【0053】
あるいは、記憶装置MRYにマスク毎の自重による撓み量に関する情報を予め記憶しておき、この記憶されている情報に基づいて、圧力制御装置PRCはマスクステージMSTの走査移動中にマスクMの露光位置に応じて空間Sの圧力を制御するようにしてもよい。この場合、圧力制御装置PRCはレーザ干渉計Mx1、Mx2の検出結果に基づいてマスクMの露光位置をモニタできる。すなわち、図10に示すように、圧力制御装置PRCはレーザ干渉計Mx1(Mx2)の検出結果により露光位置E1 〜E3 それぞれの位置をモニタ可能であり、これら露光位置E1 〜E3 の撓み量に応じた空間Sの圧力制御を行う。例えば、露光位置E1 においては、マスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して僅かに−Z側に撓んでいるため、圧力制御装置PRCはこの露光位置E1 の撓み量を矯正するように空間Sを僅かに負圧にする。露光位置E2 においては、マスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して大きく−Z側に撓んでいるため、圧力制御装置CONTはこの露光位置E2 の撓み量を矯正するように空間Sを大きく負圧にする。露光位置E3 においては、マスクMのパターン形成面は理想位置Zrに対して僅かに−Z側に撓んでいるため、圧力制御装置PRCはこの露光位置E3 の撓み量を矯正するように空間Sを僅かに負圧にする。
【0054】
なお、記憶装置MRYに記憶されている情報に基づいて空間Sの圧力制御をする際、空間Sの圧力制御ではマスクMの撓みを矯正しきれない場合には、矯正しきれずに残留するマスクMの撓み量とこの撓み量に起因する感光基板P上での像面変形を補正するための像シフト機構19、倍率調整機構23、及びローテーション調整機構24、27のそれぞれの駆動量との関係を予め記憶装置MRYに記憶しておき、この記憶した情報に基づいて、像シフト機構19、倍率調整機構23、及びローテーション調整機構24、27を駆動し、像面形状補正を行うようにしてもよい。
【0055】
あるいは、記憶装置MRYにマスクMの厚み(及び平面視における大きさ)と撓み量との関係を予め記憶しておき、例えばマスクMをマスクステージMSTにロードする際にマスクMの厚み(及び大きさ)を計測し、この計測結果と記憶装置MRYに記憶してある前記関係とに基づいて予測される撓み量を求め、この求めた撓み量に基づいて空間Sの圧力制御をする際の圧力目標値を設定するようにしてもよい。
【0056】
上記実施形態では、マスクMの上面(パターン形成面と反対側の面)に容器1を接続するように説明したが、マスクMの下面(パターン形成面)に容器を接続し、この容器とマスクとで形成される空間の圧力を制御するようにしてもよい。この場合、マスクMの自重による撓みを矯正するために、空間の圧力は正圧に設定される。更には、マスクMの上下両面のそれぞれに容器を接続し、上面側容器とマスクとの間に形成された上面側空間、及び下面側容器とマスクとの間に形成された下面側空間のそれぞれの圧力を制御してマスクの撓みを矯正するようにしてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、空間Sの圧力を制御することによりマスクMの撓みを矯正するように説明したが、例えば、マスクMを上方側に積極的に撓ませるように圧力調整するようにしてもよい。すなわち、空間Sの圧力を制御することによりマスクMを所望の撓み形状に設定する構成も可能である。こうすることにより、感光基板P上において任意の像面形状を得ることができる。
【0058】
上記実施形態では、高摩擦部材5は容器1の下端面に設けられた構成であるが、高摩擦部材5をマスクM側に設けてもよい。すなわち、高摩擦部材5をマスクMの上面のうち容器1と接する部分、具体的には容器1の下端面の矩形形状に対応する部分に設ける構成としてもよい。
【0059】
上記実施形態では、マスクMに対して容器1を保持する保持部5は高摩擦部材により構成されているが、図11に示すように、容器1とマスクMとが接する面に設けられた吸着機構110としてもよい。
図11(a)に示すように、吸着機構110は、容器1の下端面に設けられた吸着溝部111と、管路112を介して吸着溝部111に接続するガス吸引装置113とを備えている。吸着溝部111は、図11(b)に示すように、容器1のうち矩形状に形成された枠部材3の下端面の4辺のそれぞれに形成されている。吸着溝部111は略環状に形成されており、吸着溝部111のそれぞれには細孔112Aが設けられている。細孔112Aは管路112と接続しており、ガス吸引装置113が駆動することにより、マスクMは吸着溝部111を介して容器1の下端面に吸着保持される。ここで、吸着機構110の管路112もガイド部8により保持されている。
【0060】
図12に示すように、容器1に、マスクステージMSTに係合する係合部150を設けてもよい。図12に示す係合部150は、容器1のうち枠部材3から外方に延びるとともにその先端部を下方に向けた凸部により構成されている。そして、マスクステージMSTには凸部(係合部)150と嵌合する凹部151が設けられている。容器1にマスクステージMSTに係合する凸部(係合部)150を設けたことにより、マスクMは容器1とマスクステージMSTとに挟まれるようにして保持され、容器1はマスクステージMSTに対して固定される。したがって、マスクステージMSTが移動してもマスクステージMSTやマスクMに対する容器1の位置ずれの発生は抑えられる。
【0061】
なお、チューブ2は容器1とマスクステージMSTとを連結して設けられているが、容器1とマスクステージMSTとの間にコネクタを設け、分離できるようにしてもよい。このとき、容器1とマスクステージMSTとの接触部に設けるようにすればよい。
【0062】
なお、上記実施形態における露光装置EXは互いに隣接する複数の投影光学系を有するいわゆるマルチレンズスキャン型露光装置であるが、投影光学系が1つである走査型露光装置ついても本発明を適用することができる。
【0063】
なお、露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適当できる。
【0064】
投影光学系PLの倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。
【0065】
投影光学系PLとしては、エキシマレーザなどの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英や蛍石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザを用いる場合は反射屈折系または屈折系の光学系にする。
【0066】
基板ステージPSTやマスクステージMSTにリニアモータを用いる場合は、エアベアリングを用いたエア浮上型およびローレンツ力またはリアクタンス力を用いた磁気浮上型のどちらを用いてもいい。また、ステージは、ガイドに沿って移動するタイプでもいいし、ガイドを設けないガイドレスタイプでもよい。
【0067】
ステージの駆動装置として平面モ−タを用いる場合、磁石ユニットと電機子ユニットのいずれか一方をステージに接続し、磁石ユニットと電機子ユニットの他方をステージの移動面側(ベース)に設ければよい。
【0068】
基板ステージPSTの移動により発生する反力は、特開平8−166475号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0069】
マスクステージMSTの移動により発生する反力は、特開平8−330224号公報に記載されているように、フレーム部材を用いて機械的に床(大地)に逃がしてもよい。本発明は、このような構造を備えた露光装置においても適用可能である。
【0070】
以上のように、本願実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0071】
半導体デバイスは、図13に示すように、デバイスの機能・性能設計を行うステップ201、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ202、デバイスの基材である基板(ウエハ、ガラスプレート)を製造するステップ203、前述した実施形態の露光装置によりレチクルのパターンを基板に露光し、この露光した基板を現像する基板処理ステップ204、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)205、検査ステップ206等を経て製造される。
【0072】
【発明の効果】
マスクと容器との間に形成される空間に接続される管路をマスクステージで支持するようにしたので管路はマスクステージとともに移動できる。したがって、マスクステージが移動しても管路の暴れなどによる振動の発生を抑制でき、精度良い露光処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図3】本発明の露光装置の一実施形態を示す概略正面図である。
【図4】計測装置を示す構成図である。
【図5】容器を説明するための図である。
【図6】本発明の露光装置を用いた露光方法を説明するための図である。
【図7】マスクの撓みを矯正する方法を説明するための図である。
【図8】容器を保持する搬送装置を説明するための概略斜視図である。
【図9】本発明の露光装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図10】本発明の露光装置の他の実施形態を示す概略図である。
【図11】本発明の露光装置に係る保持部の他の実施形態を示す図である。
【図12】本発明の露光装置に係る容器の他の実施形態を示す図である。
【図13】半導体デバイスの製造工程の一例を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 容器
2 チューブ(管路)
5 高摩擦部材(保持部)
70a〜70d オートフォーカス検出系(計測装置)
100 搬送装置
110 吸着機構(保持部)
150 係合部
CL 演算装置(計測装置)
EX 露光装置
IL 照明光学系
M マスク
MST マスクステージ
MRY 記憶装置
P 感光基板(基板)
PRC 圧力制御装置
PST 基板ステージ
S 空間
Claims (9)
- 照明光学系に対し相対的にマスクと基板とを走査移動して前記マスクのパターンを前記基板上に露光する露光装置において、
前記マスクを支持するとともに前記照明光学系に対し前記マスクを相対的に走査移動するマスクステージと、
前記マスクに対して着脱可能に設けられるとともに前記マスクの少なくとも一方の面に接し、該マスクと接して空間を形成する容器と、
前記マスクステージに支持されるとともに前記空間に接続する管路と、
前記管路と連通して前記空間の圧力を制御する圧力制御装置とを備えることを特徴とする露光装置。 - 前記容器と前記マスクとが接する部分に、前記走査移動により発生する前記容器と前記マスクとの相対的ずれを抑制する保持部を備えることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
- 前記保持部は、前記容器の重量と前記マスクステージの移動状態とに適した摩擦係数を有する高摩擦部材により構成されることを特徴とする請求項2記載の露光装置。
- 前記保持部は、前記容器のうち前記マスクとの接する面に設けられた吸着機構を備えることを特徴とする請求項2又は3記載の露光装置。
- 前記容器は、前記マスクステージに係合する係合部を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の露光装置。
- 前記容器を保持するとともに該容器と前記マスクとを接続・分離する搬送装置を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の露光装置。
- 複数のマスク毎に該マスクの自重による撓み量に関する情報を予め記憶した記憶装置を備え、
前記圧力制御装置は前記記憶装置に記憶されている情報に基づいて前記空間の圧力を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。 - 前記圧力制御装置は、前記マスクステージの走査移動中に前記マスクの露光位置に応じた前記記憶されている情報に基づいて前記空間の圧力を制御することを特徴とする請求項7記載の露光装置。
- 前記マスクステージの移動による前記マスクの露光位置の走査移動中に、該露光位置におけるマスクの撓み量を計測する計測装置を備え、
前記圧力制御装置は前記計測装置の計測結果に基づいて前記空間の圧力を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の露光装置。
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