JP2004093638A - 加熱定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】未定着トナー画像Tが形成された記録材Pを、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体10と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体20との圧接で形成される定着ニップ部Nに導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置について、画像先端に顕著に現れる尾引き、帯状に発生する尾引きの問題を解消すること。
【解決手段】第1と第2の各回転体10・20に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、任意の時間差がつけられていること。各々の回転体10・20に対する直流電圧の印加は、複数段階の電圧値を経て、所望とする直流電圧値を印加するものであること。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式や静電記録方式等を用いた画像形成装置に適用される加熱定着装置に関するものである。
【0002】
より詳しくは、未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置の改善に関する。
【0003】
【従来の技術】
上記のような加熱定着装置の代表例としては、熱ローラ方式やフィルム加熱方式の装置が挙げられ、広く用いられている。
【0004】
図12は該加熱定着装置の模式図である。Pは未定着トナー画像Tが形成された記録材である。100は記録材Pの未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体、200は記録材Pの未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体である。より具体的に、第1の回転体100は、熱ローラ方式の加熱定着装置にあっては、ハロゲンヒータ等の内蔵熱源で所定の温度に加熱温調される熱ローラ(定着ローラ、ヒートローラ)、フィルム加熱方式の加熱定着装置にあっては内面に接するセラミックヒータ等の加熱部材(加熱体)で加熱される円筒状もしくはエンドレスベルト状の耐熱性の薄肉フィルム(定着フィルム)もしくはスリーブ(定着スリーブ)である。以下、この第1の回転体100を定着回転体と記す。第2の回転体200は、芯金、弾性層、表面離型層等からなる弾性加圧ローラである。以下、この第2の回転体200を加圧回転体と記す。
【0005】
上記の定着回転体100と加圧回転体200とを加圧回転体200の弾性層の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて所定幅の定着ニップ部(加熱ニップ)Nを形成させて、該両回転体100・200を矢印の方向に回転させている。
【0006】
その定着ニップ部Nに未定着トナー画像Tが形成された記録材Pが導入されて定着ニップ部Nで挟持搬送されていく。この定着ニップ部Nにおける記録材Pの挟持搬送過程において、定着回転体100による加熱と定着ニップ部Nの加圧力にて記録材P上の未定着トナー画像Tが記録材P面に永久固着画像として定着される。定着ニップ部Nを出た記録材Pは定着回転体100から分離されて、定着排紙ローラ対61・61aに挟持されて排出搬送されていく。
【0007】
ところで、近年のコンピュータ産業の発展に伴い、プリンターの需要も世界的に高まり世界各国で使用されるようになっている。これにより、記録材Pとして使用される紙種も、厚み、表面性、坪量、等多種多様に富むと同時に画像形成装置の高速化と相まって、1枚目の記録材を排出するまでの時間の短縮(=ファーストプリントアウトタイム、などと称されている)や様々な記録材でも十分な定着性の確保を達成する、などの観点から、定着温調温度をアップさせたり、フィルム加熱方式の加熱定着装置にあっては定着回転体としての定着フィルムの熱伝導性の向上、等、発熱体から記録材へ与える熱量を増加させることで、満足の得られる定着性の確保を図ってきた。
【0008】
また、ユーザの画質に対する要求も高まり、トナーにより形成されるドット再現性の向上、階調性に優れた画像形成装置が開発され、これを実施する手段の一つとしてトナーの粒径も更に微小粒径化することで高画質化の要求を達成してきた。
【0009】
前述の状況下で、画像形成プロセスにおける定着工程においても種々の画像不良の問題が発生してきたが、問題に応じた新たな技術を開発することで、解決・改善を図ってきた。
【0010】
例えば、図12に示した加熱定着装置において、定着ニップ部Nに記録材Pが突入する際に、記録材P上の未定着トナー像Tが、記録材進行方向の後ろ側に帯状に飛び散る画像不良現象(=以下、定着尾引き、と称する)が発生することがある。この定着尾引きは、定着ニップ部Nに記録材Pが突入する際、定着ニップ部Nよりも記録材搬送方向上流側(以下、定着ニップ部上流側と記す)に記録材P上の未定着トナー像Tが飛び散り、続いて定着ニップ部Nで加熱定着されて、記録材P上に固定されたトナー像となり、図13に示すように乱れた飛び散り画像となる現象である。
【0011】
上記した尾引きの原因は、記録材Pに含有された水分が定着ニップ部Nで、急激に加熱されることで発生する水蒸気であると考えられている。即ち、発生した水蒸気は定着ニップ部近傍の空間に蒸発することになるが、定着ニップ部上流側の空間では図12の矢印Hの方向に逃げ易く、発生する水蒸気の勢いで、記録材P上の未定着トナー像Tが吹き飛ばされることで発生するものである。
【0012】
また、定着尾引きは、画像形成装置の高速化に伴いって、定着ニップ部Nを通過する記録材Pに供給する熱量を増やさざるを得なくなり、発生する水蒸気量も多くなり、且つ、発生する水蒸気の勢いも強くなることで、より強く未定着トナー像を吹き飛ばすことになり、定着尾引きが発生し易くなってしまう。
【0013】
更に、記録材Pの進行方向とは逆方向に水蒸気は逃げ易い(定着ニップ部上流で発生した水蒸気は、定着ニップ部に遮断されることになるため)ため、定着尾引きの現象である飛び散りは、記録材の進行方向と水平な横線で目立ちやすくなり、また、横線を形成するトナー像の上に載っているトナー載り量が多くなる適当な線巾の横線で顕著に目立ってくる現象である。
【0014】
上記した定着尾引きを防止するために有効的な手段として、未定着トナー像の記録材上の保持力を高めることが提案されている。
【0015】
一例として、定着回転体100の導電部材層に給電手段である定着バイアス電源77から給電ブラシ78を介してトナーと同極性の定着バイアスを印加すると同時に、定着ニップ部下流側において記録材裏面に接触する導電性ブラシ79を設置し、GNDに接地する構成とすることで、定着尾引きの抑止効果を狙っている。
【0016】
前述したような構成で、定着ニップ部Nに存在する記録材Pが導電性ブラシ79と接していれば、記録材Pを介して、定着回転体100から記録材P、そして導電性ブラシ79を経てGNDに至る電流経路が形成されることになる。このような電流経路が形成されることで、定着回転体100と記録材P、記録材Pと導電性ブラシ79の間で、それぞれに電圧降下が生じることとなり、この際に発生する電界が記録材Pに対するトナーTの保持力として働くことで、定着尾引きを防止している。
【0017】
加えて、加圧回転体200の芯金にはトナーと逆極性の電荷が接地側から流れ込むようにダイオード80を介して接地することで、記録材裏面からのトナーの保持力が増すように構成している。
【0018】
また、導電性ブラシ79のかわりに定着排紙ローラ61を導電化して接地することでも同様の効果があることは言うまでもない。
【0019】
近年の高速化が図られる画像形成装置では、前述したように定着尾引きが発生しやすい条件にあるため、高速化を図っても定着尾引きの発生を抑止するために、より大きな定着バイアスを印加せざるを得なくなってきている。
【0020】
また、これらのオフセットを抑止する効果を高めるための技術として、定着回転体100のみでなく、加圧回転体200にもトナーと逆極性の定着バイアスを印加することで、定着回転体100と加圧回転体200の間に記録材P上の未定着トナーTが保持されるような電界をより積極的に形成することで、オフセットを防止する構成もとられている。
【0021】
こちらの加圧回転体200に印加する定着バイアス値も、前述した定着フィルムと同様に、より大きな定着バイアスにせざるを得なくなってきている。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、以下のような問題が発生した。
【0023】
▲1▼.定着ニップ部Nを形成する定着回転体100と加圧回転体200の間に電界を形成するための定着バイアスを各々の回転体に印加すると、各々の回転体の表層に用いられる離型層としての表層(多くは優れた離型性を有するフッ素系の樹脂が用いられた薄肉チューブを被覆、若しくは、フッ素系の樹脂をコーティングして用いられている)は、高抵抗体、若しくは、絶縁体であるため、定着ニップ部N中では接触している定着回転体100と加圧回転体200が、定着ニップ部下流側で分離する際に、定着ニップ部N中で形成されていた電界を打ち消す向きに、各回転体100と200の表層中には電荷の移動が発生することになる。即ち、定着回転体100の表層ではプラスの電荷が表面に生じることになり、加圧回転体200の表層ではマイナスの電荷が生じることになる。この傾向は、回転体の表層として、絶縁体であるフッ素樹脂系のチューブを被覆している加圧回転体200で顕著になって表れる。
【0024】
そのため、この逆極性の電荷の影響により、記録材P上の未定着トナー像Tを保持する目的で印加している定着バイアスによる電界の効果が小さくなり、先に説明した定着尾引き現象の抑止効果が小さくなり、定着尾引き現象が発生してしまうことになる。
【0025】
また、この時に発生する逆極性の電荷の発生量は、定着ニップ部中で形成している電界が大きいほど、その電界を打ち消す向きに生じる電界も大きくなるため、発生する逆電荷の量も大きくなる。
【0026】
これは、高速化を図った画像形成装置において、定着尾引きの発生を抑止するために、より大きな定着バイアスを印加し、定着フィルムと加圧ローラの間の電位差をより大きくし、その間の電界を大きなものとせざるを得ないことが大きく関係している。
【0027】
▲2▼.定着ニップ部Nを形成する定着回転体100と加圧回転体200の間に電界を形成するための定着バイアスを印加するタイミングとしては、従来は、記録材Pが定着ニップ部Nに到達する直前に印加を開始し、記録材Pが定着ニップ部Nに到達した時点では所望とする電界が形成されている構成としている。
【0028】
このような構成を用いて、高速化を図った画像形成装置として毎分45枚(LTRサイズ縦搬送、プロセススピード266mm/sec)の画像形成が行える画像形成装置を用いて、定着尾引きの発生を防止するには、定着回転体100と加圧回転体200の間に形成する電界の強さもより強い(大きな)ものとなるように各々の回転体100・200に印加する直流電圧を設定しないといけないことが判明した。
【0029】
これは、高速化を図った画像形成装置においては、定着ニップ部Nを記録材Pが通過する時間も短時間化しており、この短時間化した間で常に良好な定着性を得るために記録材に加える熱量も大きくせざるを得なくなるため、その結果として、記録材から発生する水蒸気の量、水蒸気の発生する勢いも強くなるため、定着尾引きも発生し易くなり、また、定着尾引きの発生レベルも悪化することになる。
【0030】
このような高速化された画像形成装置においても定着尾引きの発生のない加熱定着装置とするには、より強い電界を定着ニップ部Nを形成する回転体対100・200の間で形成しなければならなくなる。
【0031】
▲3▼.上記したような、より強い電界を形成することで、定着尾引きの発生を抑止することが可能となるが、その一方で次のような問題の発生が顕在化した。
【0032】
より強い電界を形成するために、定着回転体100と加圧回転体200の各々には、より大きな直流電圧の印加が必要となってくる。より大きな直流電圧を印加した場合、各々の回転体100・200がもっている電気容量を満たすために、より多くの電流を流すことになる。そのため、各々の回転体100・200に直流電圧が印加されていない状態から所望の電圧が印加されている状態に移行する間では、瞬間的により多くの電流が流れる現象(電流のオーバーシュート)を経た後に所望の電圧に落ち着くことになる。
【0033】
先にも説明したように、各々の回転体100・200は表層として離型性に優れたフッ素樹脂(絶縁体)を採用しているため電圧が印加され電界が形成されると、定着ニップ部下流側で定着回転体100と加圧回転体200が分離する際に、この電界を打ち消す向きに電界が発生し、各々の回転体100・200には定着バイアスで印加している極性とは逆の極性の電荷が蓄積されることになる。
【0034】
各々の回転体100・200に流れる電流が過剰となる電流のオーバーシュートは、瞬間的なものであることから(高圧電源の仕様にもよるが、時間にして数百ミリ秒)、定着尾引きを防止するために必要な電位差より大きな電位差が形成されるのは極短時間ではあるが、画像形成装置も高速化されているため、定着回転体100や加圧回転体200で考えると無視できないものとなってしまう。
【0035】
これに起因して、定着ニップ部Nには所望するより強い電界が形成されることになり、定着ニップ部下流側で各々の回転体100・200が分離する際に生じる逆極性の電荷量も大きいものとなってしまう。この逆極性電荷の影響をうけ、定着回転体100と加圧回転体200上には所望の電位より低い電位となる部分が生じてしまい、電界が部分的に弱くなってしまう現象が発生してしまった。
【0036】
以上説明してきたように、所望の電界が極短時間ではあるが形成されないことによって、記録材P上には、図14に示したように、ある巾をもった、記録材搬送方向と直交する帯状の定着尾引きが発生することになる。
【0037】
この現象は、各々の回転体100・200に流れ込んでいる直流電流が瞬間的にオーバーシュートするために発生しているの帯状の定着尾引きであるため、電流のオーバーシュートを防止できれば、その発生は抑止できる。
【0038】
これを実現するには、定着バイアスを発生している電源トランスの容量を、より大きな容量の電源トランスとすることによって過渡的な電流が流れるのをなくすことでも達成は可能であるが、オーバースペックな電源トランスを搭載することになり、製品コストの面で好ましくない。
【0039】
また、近年の画像形成装置の小型化によって、電気部品(抵抗、IC、トランジスタ、電源トランス、など)が実装されている電気基板の大きさも小型化を図ることが必須であり、より大きな容量をもった電源トランス(電源トランスの大きさも、当然大きくなる)を実装することは、電気基板の制約からも、その実現が難しいものとなっている。
【0040】
本発明は、上記のような、未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置について、上記のように画像先端に顕著に現れる尾引き、帯状に発生する尾引きの問題を解消することを目的とするものである。
【0041】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の手段構成を特徴とする、加熱定着装置および画像形成装置である。
【0042】
(1)未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置であり、
第1と第2の各回転体に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、任意の時間差がつけられていることを特徴とする加熱定着装置。
【0043】
(2)前記の第1と第2の各回転体に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、定着ニップ部に導入される記録材の先端部が定着ニップ部に到達する前の時点で第1と第2の一方の回転体に印加を開始し始め、これとは時間差をつけて記録材の先端部が定着ニップ部に到達するまでには他方の回転体にも印加を開始し始めるものであり、記録材が定着ニップ部に挟持搬送されたタイミングでは、第1と第2の回転体にはそれぞれに直流電圧が印加されていることを特徴とする(1)に記載の加熱定着装置。
【0044】
(3)未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置であり、
各々の回転体に対する直流電圧の印加は、複数段階の電圧値を経て、所望とする直流電圧値を印加するものであることを特徴とする加熱定着装置。
【0045】
(4)未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置であり、
第1と第2の各回転体に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、任意の時間差がつけられており、かつ各々の回転体に対する直流電圧の印加は、複数段階の電圧値を経て、所望とする直流電圧値を印加するものであることを特徴とする加熱定着装置。
【0046】
(5)前記の回転体に印加する複数段階を有した直流電圧値の設定は、所望とする直流電圧値より小さな電圧値から、大きい方へ変更していくことで所望とする直流電圧値に至ることを特徴とする(3)または(4)に記載の加熱定着装置。
【0047】
(6)記録材表面側に対応する第1の回転体にはトナーと同極性の直流電圧を印加し、記録材裏面側に対応する第2の回転体にはトナーと逆極性の直流電圧を印加することを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の加熱定着装置。
【0048】
(7)前記の定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側には記録材裏面側と接触する電極部材が設けられており、該電極部材は、電気的に接地されている構成、若しくは、記録材裏面側に対応する第2の回転体に印加されている直流電圧と同極性の直流電圧が印加される構成、の何れかであることを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載の加熱定着装置。
【0049】
(8)前記の電極部材が導電性のブラシであることを特徴とする(7)に記載の加熱定着装置。
【0050】
(9)前記の定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側には記録材搬送保持部材としてのローラ対が設けてあり、該ローラ対の記録材裏面と接触するローラは電気的に導電性が付与されたものであり、電気的に接地状態にある構成であることを特徴とする(1)〜(8)の何れかに記載の加熱定着装置。
【0051】
(10)記録材表面側に対応する第1の回転体は、少なくとも、基材となる基層、離型層としての表層、基層と離型層との間の接着層から形成された、可撓性を有する中空回転体から構成されており、該中空回転体内面に内接する加熱部材で加熱され、該回転体に対する直流電圧の印加は前記の接着層を介してなされるものであることを特徴とする(1)〜(9)の何れかに記載の加熱定着装置。
【0052】
(11)記録材裏面側に対応する第2の回転体は、中心から外側に向かって、金属製の芯金、弾性層としてのゴム層、離型層としての表層、から構成されており、該回転体に対する直流電圧の印加は、芯金を介して、若しくは、表層に直接、なされるものであることを特徴とする(1)〜(10)の何れかに記載の加熱定着装置。
【0053】
(12)記録材に未定着トナー画像を形成する作像手段と、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる加熱定着手段を有する画像形成装置において、
前記の加熱定着手段は(1)〜(11)の何れかに記載の加熱定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
【0054】
〈作 用〉
▲1▼.すなわち、定着ニップ部を形成する第1と第2の各々の回転体の間に形成される電界の強さを任意の時間差をもって段階的にかえることで、一度の電界の変化量を小さく抑えることで、定着ニップ部下流で第1の回転体と第2の回転体が分離する際に生じる逆極性の電荷の発生量を小さく抑えるように制御するものである。
【0055】
その利点として、定着ニップ部に形成される電界を常に最適なものとしておくことが可能となり、定着尾引き現象の発生を常に抑止できる加熱定着装置を提供することが可能となる。
【0056】
▲2▼.第1と第2の各々の回転体に印加する直流電圧(定着バイアス)の具体的な設定は、所望とする定着バイアス値よりも小さな定着バイアス値から印加を始め、所定時間(数百ミリ秒)経過の後に、所望とする定着バイアス値に切り替えることで、定着バイアスを印加した際に生じる電流のオーバーシュートによって生じる所望とする電界よりも強い電界の形成を防ぎ、その電界を打ち消す向きに生じる逆極性の電荷の発生により極短時間ではあるが生じる電位差のむらをなくすものであり、効果として、定着ニップ部の電位差のむらに起因して発生する帯状の定着尾引きを防止できる加熱定着装置を提供することが可能となる。
【0057】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施例〉
(1)画像形成装置例
図1は本実施例における画像形成装置の構成略図である。本例の画像形成装置は電子写真プロセス利用のレーザプリンターであり、プロセスカートリッジ着脱式で、記録材としてLTRサイズ1分間あたり45枚の出力が可能なものである。また、600dpi(dot per inch)の画像解像度を有している。
【0058】
2は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の素管上に形成されている。
【0059】
感光ドラム2は矢印の方向に回転駆動され、まず、その表面は帯電装置としての帯電ローラ3によって一様帯電される。
【0060】
次に、その回転感光ドラム2の一様帯電面に対してレーザスキャナユニット81によりレーザビーム走査露光Lが施されて画像情報の静電潜像が形成される。感光ドラム2に対するレーザビーム走査露光Lは画像情報に応じて点灯制御されたレーザビームがレーザスキャナユニット81内で回転するポリゴンミラーにより反射されてなされる。
【0061】
この静電潜像は現像装置4で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0062】
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ5により、給紙機構部から所定のタイミングで搬送された記録材(転写材)P上に感光ドラム2上より転写される。
【0063】
記録材Pは給紙機構部の選択された上段または下段のカセット72から給紙ローラ対73によってピックアップされ、給紙搬送路74を経て、紙先端部を検知するレジストローラ対75に送られ、感光ドラム2上の可視像であるトナー像とタイミングを一致させた後、感光ドラム2と転写ローラ5との当接部である転写ニップに搬送されることになる。このとき記録材Pは感光ドラム2と転写ローラ5に一定の加圧力で挟持搬送される。
【0064】
転写ニップでトナー像が転写された記録材Pは感光ドラム2の面から分離されて定着装置7へと搬送され、永久画像として定着され、排紙ローラ対71を経て、排紙トレイ70に排出されることになる。
【0065】
一方、感光ドラム2上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング部材6により感光ドラム表面より除去され、感光ドラム2は繰返して作像に供される。
【0066】
本例のプリンターは、上記の感光ドラム2、帯電ローラ3、現像装置4、クリーニング装置6の4つのプロセス機器を一括してプリンター本体に対して着脱交換自在のプロセスカートリッジ1としてある。
【0067】
(2)加熱定着装置7
1)加熱定着装置7の全体的な構成説明
図2は加熱定着装置7の概略構成の横断面模型図である。本例の加熱定着装置7は、特開平4−44075〜44083、4−204980〜204984号公報等に開示の、定着回転体として円筒状(エンドレスベルト状)の定着フィルムを用いた、フィルム加熱方式、加圧用回転体駆動方式の加熱定着装置である。
【0068】
10は第1の回転体、すなわち定着回転体としての円筒状(エンドレスベルト状)の定着フィルムである。この定着フィルム10は、図3のように、耐熱性樹脂や金属の基層10aと、その外周面に導電性プライマー層(接着層)10bを介して積層した離型層としての表層10cの、複数の層構成からなる全体に熱容量が小さく、可撓性の薄肉回転体である。この定着フィルム10については後記2)項で更に詳述する。
【0069】
この定着フィルム10は、下面に加熱用ヒータ(加熱部材、加熱体)としてのセラミックヒータ11を固定保持させた断熱ステイホルダー12にルーズに外嵌させてある。セラミックヒータ11については後記3)項で更に詳述する。
【0070】
断熱ステイホルダー12は、加熱用ヒータ11を保持するとともに回転する定着フィルム10の搬送ガイドも兼ねている、定着ニップの反対方向側への放熱を防ぐための部材であり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されている。本実施例では液晶ポリマー製の断熱ステイホルダーとしている。
【0071】
20は第2の回転体、すなわち加圧回転体としての弾性加圧ローラである。この加圧ローラ20は、芯金21と、この芯金21の外側に形成した、シリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層22と、さらにその上に形成した、PFA、PTFE、FEP、等の離型層23からなる。
【0072】
加圧ローラ20は断熱ステイホルダー12に保持された加熱用ヒータ11の下面に対して定着フィルム10を挟んで不図示の加圧手段としての加圧バネにより、総圧127Nで押圧され、約7mm巾の定着ニップ部Nを形成している。
【0073】
加圧ローラ20は芯金21に固着した加圧ローラ駆動ギア(不図示)に駆動系から回転力が伝達されることにより図2において矢印の反時計方向に所定の周速度で回転駆動される。この加圧ローラ20の回転駆動による該加圧ローラ20の外面と定着フィルム10との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力により円筒状の定着フィルム10に回転力が作用して該定着フィルム10がその内面側が加熱用ヒータ11の下向き面に密着して摺動しながら断熱ステイホルダー12の外回りを矢印の時計方向に従動回転状態になる。
【0074】
図には省略したけれども断熱ステイホルダー12の端部には回転する定着フィルム13の端部を受止めて長手位置を規制し、該定着フィルムの軸線方向への寄り移動を規制するフランジ部材を配設してある。このフランジ部材に用いられる材料としては、耐熱性に優れ、比較的熱伝導性が良くなく、滑り性にも優れる材料として、PPS、液晶ポリマー、PET、PI、PA、等のガラス繊維含有の樹脂が用いられている。
【0075】
また、定着フィルム10は内部の加熱用ヒータ11及び断熱ステイホルダー12に摺擦しながら回転するため、加熱用ヒータ11、及び、断熱ステイホルダー12と定着フィルム10の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため加熱用ヒータ11、及び、断熱ステイホルダー12の表面に耐熱性グリースを潤滑剤として少量塗布してある。これにより定着フィルム10はスムースに回転することが可能となる。
【0076】
加圧ローラ20が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム10が従動回転状態になり、またヒータ11に通電がなされ、該ヒータ11が昇温して所定の温度に立ち上がり温調された状態において、定着ニップ部Nの定着フィルム10と加圧ローラ20との間に未定着トナー像Tを担持した記録材Pが耐熱性の定着入口ガイド27に沿って案内されて導入され、定着ニップ部Nにおいて記録材Pのトナー像担持面側が定着フィルム10の外面に密着してフィルム10と一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。この挟持搬送過程において、ヒータ11の熱が定着フィルム10を介して記録材Pに付与され、記録材P上の未定着トナー像Tが記録材P上に加熱・加圧されて溶融定着される。
【0077】
定着ニップ部Nを通過した記録材Pは定着フィルム13から曲率分離され、記録材裏面側と接触する電極部材としての導電ブラシ79、定着排紙センサ76、定着排紙ローラ対61・61a、排紙ローラ対71を経て、排紙トレイ70に排出されることになる。導電ブラシ79はダイオード80を介して電気的に接地されている。
【0078】
定着排紙センサ76は定着ニップ部に記録材が存在するかを判断するセンサであり、ヒータ11への通電制御、記録材の定着ニップへの滞留の検知などに用いられる信号を出力するものである。また、この定着排紙センサ76は、記録材が該定着排紙センサ76上に存在する時にON状態となるセンサとして設けてあり、定着ニップ部の極近傍に設けてあるので定着ニップ部の記録材の存在をしるものとしても利用が可能である。
【0079】
77は定着回転体としての定着フィルム10にトナーと同極性の定着バイアスを印加する第1の電源である。すなわち定着フィルム10のプライマー層10bの長手方向の一部は図3のように周方向で露出しており、ここに尾引き、オフセット防止の目的で、定着フィルム表面がトナーと同極性のマイナスの電位を保持するように、電源77から給電ブラシ78を介して定着バイアスとして直流電圧−700Vを印加している。この定着バイアスにより記録材P上の未定着トナーTが定着フィルム10上に転移(オフセット)することを防止している。
【0080】
82は加圧回転体としての加圧ローラ20にトナーと逆極性の定着バイアスを印加する第2の電源である。加圧ローラ20にも、先に述べた定着フィルム10と同様に、尾引き、オフセット防止の目的で、定着フィルム10との間に電界を形成するべく、加圧ローラ芯金21に第2の電源82から直流電圧+500Vを印加することで、加圧ローラ表面の電位がトナーと逆極性のプラスとなるように設定し、記録材裏面からのトナーの保持力を高めている。加圧ローラ表層に直接に定着バイアスを印加する構成にもできる。
【0081】
また、定着ニップ部直後に設けられた導電性ブラシ79や、定着排紙ローラ61を、本体フレーム(GND)と接地したり、また、加圧ローラ20に給電しているプラスの直流電圧を印加することによって、定着フィルム10から記録材Pを介して、導電性ブラシ78や定着排紙ローラ61への電流回路を形成することで、定着尾引きやオフセット、などの現象の抑止効果を高める構成がとられる画像形成装置の実施形態もある。
【0082】
本実施例では、導電性ブラシ79と本体フレーム(GND)の間に、本体フレーム側をアノード側としてダイオード80を設けている。
【0083】
83は画像形成装置の制御回路部であり、画像形成装置全体の作像動作シーケンス制御を司る。上記の第1および第2の電源77・82はこの制御回路部83に設定した制御プログラムに従ってそれぞれ定着フィルム10と加圧ローラ20に対する定着バイアスの印加タイミングや出力の制御がなされる。この定着バイアスの制御については後記(3)項にて詳述する。
【0084】
このような薄肉の定着フィルム10を用いたフィルム加熱方式の加熱定着装置においては、加熱ヒータとしてのセラミックヒータの高い剛性のために、弾性層を有している加圧ローラ20がこれを圧接させたヒータ11の扁平下面にならって圧接部で扁平になって所定幅の定着ニップ部Nを形成し、定着ニップ部Nのみを加熱することでクイックスタートを達成することで、スタンバイ中はヒータ11への通電を行わない大きく省エネルギーを達成した加熱定着を実現している。
【0085】
2)定着フィルム10
第1の回転体、すなわち定着回転体としての円筒状の耐熱性の定着フィルム10は、定着ニップ部Nにおいてヒータ11の熱を効率よく被加熱材としての記録材Pに与えるため、厚みは総厚100μm以下、好ましくは20〜70μmとかなり薄くしている。
【0086】
この定着フィルム11は、前述したように、フィルム基層10a、プライマー層10b、離型層10cの3層構成で構成されており、フィルム基層10a側がヒータ11側であり、離型層10c側が加圧ローラ20側である。フィルム基層10aはヒータ11の後述するガラス保護層10cより絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有しており、可撓性のある厚み25〜65μm程度の樹脂フィルムとして形成されている。また、フィルム基層10aにより定着フィルム全体の引裂強度等の機械的強度を保っている。プライマー層10bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されており、定着フィルム10の帯電防止として、電気的な導電路となるように、カーボンや酸化金属などを分散させ導電性を付与した、導電性プライマー層とするのが一般的である。離型層13cは定着フィルムにトナーが付着するトナーオフセット防止層であり、PFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を厚み10μm程度に被覆し形成してある。離型層10cも定着フィルム表層の帯電を軽減し、電子写真ではひろく知られる静電オフセットなどの現象を防止するため、離型性中にもカーボンや酸化金属などを分散させ導電性を付与しているのが一般的である。
【0087】
より詳しくは、基層10aとして、耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、などの耐熱性樹脂、あるいは耐熱性、高熱伝導性を有するSUS(ステンレス鋼)、Al(アルミニウム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)、Zn(亜鉛)、などの金属材料を単独ないし複合して形成してある。
【0088】
樹脂製の基層10aの場合には、熱伝導性を向上するために、BN(窒化ホウ素)、アルミナ、Al、等の高熱伝導性粉末が混入してあっても良い。また、長寿命の定着フィルム10を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れた基層10aとするには、約25μm以上の厚みが必要となる。よって定着フィルム10の総厚みとしては25μm以上100μm以下が最適である。
【0089】
さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層13cにはPFA(テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体)、等の離型性の良好なフッ素樹脂を混合ないし単独でコーティング、または、被覆したものである。
【0090】
本実施例で用いた定着フィルム10は極短時間での定着可能温度までの昇温を可能にするために60μmの総厚と、基層10aとしては、耐熱性、熱可塑性を有するポリイミドの樹脂フィルムであり、熱ストレス、機械的ストレスに耐え、長寿命の定着回転体とするために充分な強度を持たせる目的で基層10aの膜厚は45μmとし、外径は略φ25mmとした。
【0091】
また、基層10aの上には、カーボン等の導電材を適量分散した導電性プライマー層(接着層)10bを、膜厚5μmで塗布している。
【0092】
そして、導電性プライマー層10bの上には、トナーや紙粉の付着防止、定着フィルム10からの記録材Pの分離性を確保するために、離型性に優れ耐熱性が高いフッ素樹脂としてPFAをディッピング塗布法にて、10μmの膜厚で塗布することで、離型層10cとし、これらの基層10a、プライマー層10b、離型層10cで、略φ25mmの定着フィルム10が形成されている。
【0093】
3)加熱用ヒータ11
加熱ヒータ11には一般にセラミックヒータが使用される。図4は本例における加熱ヒータ11を含む定着ニップ部N部分の拡大横断模型面、図5は該加熱ヒータ11の構成説明図である。
【0094】
例えば、アルミナ(Al)等の高電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板11aの表面(定着フィルムと対面する側の面)に基板長手(図4の紙面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pb)・TaN等の通電発熱抵抗層11bをスクリーン印刷等で10μm程度の厚みで、巾4mm程度の、細帯状に塗工して形成具備させ、さらに該発熱抵抗層形成面を定着フィルム10との摺擦に耐えることが可能な薄層のガラス保護層(ガラスコート)11cで覆ってなるものである。ガラス保護層11cは、ヒータ11の通電発熱抵抗層11bと定着フィルム10の導電性プライマー層10bの間の耐圧絶縁性を満足するために、50μm程度の厚みで形成されている。このヒータ11は、電極11f及び11gより不図示の電源により通電発熱抵抗層11bに通電がなされることにより該通電発熱抵抗層11bが発熱してセラミック基板11a、ガラス保護層11cを含むヒータ全体が急速昇温する。
【0095】
このヒータ11の昇温がヒータ背面に配置された温度検知素子14により検知され、その温度検知情報が電極11h及び11iより不図示の不図示の通電制御部へフィードバックされる。通電制御部は温度検知素子14で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温調温度)に維持されるように通電発熱抵抗層11cに対する通電を制御する。すなわちヒータ11は所定の定着温度に加熱・温調される。
【0096】
通電発熱抵抗層11cへの通電制御方法としては、交流電圧の波数によって投入電力を制御する波数制御方式や交流電圧のゼロクロスからの所定の遅延時間後に次のゼロクロスまで通電する位相制御方式等が適用される。
【0097】
さらにヒータ背面には、サーミスタ等の温度検知素子14と暴走時にヒータの通電発熱抵抗層11bへの通電をシャットダウンするための温度ヒューズ、あるいはサーモスイッチ等のサーモプロテクター15が当接してあり、これらは画像形成装置が搬送可能な最小幅の記録材の搬送域内に配置されている。
【0098】
温度検知素子14については、画像形成装置本体が搬送可能な最小幅の記録材が搬送された場合であっても、記録材上のトナー像を定着不良、高温オフセット等の問題を起こさずに適度な定着温度で加熱定着するために、記録材最小搬送域内に設けられている。一方サーモプロテクター15についても、最小幅の記録材が搬送された場合に非搬送領域において、搬送領域よりも熱抵抗が小さい非搬送領域で過剰加熱されることにより、通常の搬送時であってもサーモプロテクターが誤動作して通電をシャットアウトする等の問題を引き起こさないように、記録材最小搬送域内に設けられている。
【0099】
(3)定着バイアス制御
次に、本発明の特徴である、定着回転体としての定着フィルム10と加圧回転体としての加圧ローラ20に定着バイアスを、順次、任意の時間差を設けて印加する制御に関して図6または図7を用いて説明する。この制御は制御回路部83が行う。すなわち制御回路部83がこれに設定した制御プログラムに従って第1および第2の電源77・82から定着フィルム10と加圧ローラ20に対する定着バイアスの印加タイミングを所定に時間差制御する。
【0100】
図6は、従来例と比較した定着フィルム10と加圧ローラ20への定着バイアスの印加タイミングの説明図である。図中の定着排紙センサ76(図2)の信号は、先述したように該センサ76に記録材Pが到達している間はONとなる信号であり、ほぼ定着ニップ部Nに記録材Pが存在しているタイミングと一致するものである。
【0101】
図6に示したように、従来の定着バイアスの印加タイミングは、定着ニップ部Nに記録材Pが到達する直前に、定着フィルム10、及び、加圧ローラ20への定着バイアスを同時に印加し始めている。
【0102】
そのため、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、定着ニップ部Nにおいては定着フィルム10と加圧ローラ20の間に形成されている電界を打ち消す向きの電界が、定着ニップ部下流側で定着フィルム10と加圧ローラ20が分離する際に生じることになり、定着ニップ部内で定着フィルム10と加圧ローラ20の各回転体の表層にある電位とは逆極性の電荷が生じることになる。
【0103】
これは、先にも説明したように、表層をコーティングやスプレー塗布、ディッピングなどで形成している定着フィルム10よりも、絶縁体であるフッ素樹脂系のチューブを表層として被覆している加圧ローラ20で、逆向きの電荷の発生が顕著となってあらわれる。この逆極性の電荷の影響により、定着尾引きを防止するために印加している定着バイアスによる電界が所望するよりも小さくなってしまう。
【0104】
これを確認するために、定着フィルム10と加圧ローラ20の表層に生じている電荷を表面電位として測定した結果を概念図として図7に示した。図7にあるように、定着バイアスの印加と同時に、定着フィルム10と加圧ローラ20の表面電位は、所望の電位に安定に落ち着く前に不安定な状態を経てから、所望とする約1200Vの電位差として落ち着くことが分かる。この約1200Vの電位差に収束する前に、記録材が定着ニップ部に到達してしまうと定着尾引きの発生を抑止する電界が形成されていないため、定着尾引きが発生してしまうことになる。
【0105】
既に解決しようとする課題の項でも説明したが、高速化を達成した加熱定着装置では最適な定着性を得るために、より高温の定着温調温度とせざるを得ないため定着ニップ部で発生する水蒸気の量が多くなる、また発生する水蒸気の勢いが強くなる、ことから従来の加熱定着装置に比較して、定着回転体10の間により大きな電位差による強い電界の形成が必要となる。そのため、より強く形成された電界を打ち消すために定着ニップ部下流側で定着回転体としての定着フィルム10と加圧回転体としての加圧ローラ20が分離する際に生じる逆向きの電界も強くなり、発生する逆極性の電荷量も多くなることから、定着尾引きやオフセットを抑止する目的で印加している定着バイアスの効果が小さいものとなってしまう。
【0106】
そこで、定着尾引きやオフセットを抑止するために形成している電界を打ち消す向きに生じる逆向きの電界の強さを小さくするために、定着バイアスで形成する電位差の変化量を小さく抑え、その電位差に応じて発生する電界の強さを小さくすることで、逆向きに発生する電界も弱くなるように、定着回転対の間に形成する電位差をコントロールするのが本発明の主旨である。
【0107】
ここで、定着回転体10と加圧回転体20の間に形成される電界が所望とする電位差に収束してから記録材を定着ニップに到達するように、記録材の定着ニップへの記録材搬送タイミングを遅らせることでも、効果は期待できるが、従来の技術の項でも説明したが、1枚目の画像が出力されるまでの時間を短縮化する(ファーストプリントアウトの短縮化)は、最近の画像形成装置では必須のものとして要求される項目であり、これを阻害することになる定着ニップ部への記録材の搬送タイミングを遅らせることは、ユーザの利便性を損なうことになるため、実施できない対策となっている。
【0108】
次に、本発明の第1の実施例の内容である、定着バイアスを印加する際に生じる電位差の変化を小さく抑えることで発生する電界の変化量を小さいものとし、それを打ち消そうとして生じる逆向きの電界も小さく抑え発生する逆極性の電荷量も小さく抑える内容について説明する。
【0109】
図6に示したように、本実施例では、定着ニップ部Nに記録材Pが到達する約300ミリ秒前に加圧ローラ20への定着バイアスとして+500Vの直流電圧の印加を開始し始めた。
【0110】
この時点では定着フィルム10と加圧ローラ20の間の電位差は約500Vであることから定着フィルム10と加圧ローラ20間に形成される電界も、比較例の1200Vに比べて電位差に応じた小さいもの、500/1200として約40%となる。そのため、定着ニップ部下流側で定着フィルム10と加圧ローラ20が分離する際に生じる逆向きの電界の強さも小さいものとなり、そこに生じる逆極性の電荷量も小さいものとすることが可能となり、加圧ローラ20に印加している定着バイアスの効果を、より効率よく作用させることが可能とできる。
【0111】
次に、加圧ローラ20への定着バイアスの印加から約170ミリ秒経過後に、定着フィルム10への定着バイアスとして−700Vの直流高圧の印加を開始し始めた。この瞬間に変化する定着フィルム10と加圧ローラ20の間の電位差は約700Vであり、比較例と比べても700/1200と、約60%とすることが可能となるため、先の加圧ローラの場合と同様に、この電界を打ち消す向きに生じる逆向きの電界も弱いものとできる。その効果として、加圧ローラの場合と同様に、定着フィルムに印加している定着バイアスの効果を、より効率的なものとして、定着尾引き、オフセットを防止することが可能と出来る。
【0112】
ここで、加圧ローラ20のバイアス印加から定着フィルム10へのバイアス印加への時間差を170ミリ秒としたのは、加圧ローラ20にバイアスを印加し始めて後170ミリ秒後には、印加を開始した部分は定着ニップ部下流側をこえる(定着フィルムと分離する)ため、加圧ローラ20への定着バイアス印加による電位差の影響による逆極性電荷の蓄積の影響がなくなり、次に印加を開始する定着バイアスの効果をより高めるためである。
【0113】
以上、説明してきた本発明の第1の実施例での定着バイアスの印加タイミングによる画像形成装置としての効果を、定着尾引きの発生で確認した。確認は定着尾引きの発生し易い、記録材、画像パターン、環境として確認した。記録材としてキヤノン販売(株)から販売されている商品名:オフィスプランナー、A4サイズ、64g/mを高温高湿環境下に長時間放置し、十分に吸湿した記録材として用いた。
【0114】
画像パターンとしては、先にも説明したように定着尾引きの発生し易いものとして6dot横線(略25μmのライン)、30dot(略130μmの非印字域)のスペースが繰り返されるものとした。
【0115】
また、環境は記録材を放置した高温高湿の環境として30℃/80%の環境下で行った。
【0116】
確認の結果を表1に示す。
【0117】
【表1】
Figure 2004093638
【0118】
表1に示したように、従来の定着バイアスの印加タイミングでは、プリント開始直後の1枚目の定着尾引きの発生が良くないことが分かる。これは、定着回転体である定着フィルム10と加圧回転体である加圧ローラ20の各々の回転体10・20への定着バイアスが印加されていない状態から、定着バイアスを印加することで形成される約1200Vの電位差により形成される電界を打ち消す向きに生じる逆向きの電界の形成による生じる逆極性の電荷により、定着バイアスによる定着尾引きの抑止効果が小さくなるためである。
【0119】
比較して、本発明の第1の実施例では、プリント開始直後の1枚目でも、定着尾引きの発生抑止効果が高く、発明の効果が現れていることが分かる。
【0120】
本実施例では、定着バイアスを印加する順番として、加圧ローラ20から先に定着バイアスの印加を実施するものとした。ここで、加圧ローラ20から先に定着バイアスを印加した理由に関して、再度詳細に記す。
【0121】
本実施例で用いた加熱定着装置では、定着回転体としての定着フィルム10の表層に用いている離型層10cはフッ素樹脂材をコーティングして形成したものであり、コーティングの特性上、▲1▼.コーティング膜厚の厚み、▲2▼.極微小なピンホールの発生、に起因してフッ素樹脂材料自体よりも低い体積抵抗値のコーティング層となっている。
【0122】
対して、加圧ローラ20の表層に用いている離型層23はフッ素樹脂からなるチューブを被覆して形成したものであり、フッ素樹脂材料と同等の体積抵抗値を有する絶縁体であるため、加圧ローラ20に定着バイアスを印加した時に生じる電界を打ち消す向きに生じる逆向きの電界による逆極性の電荷量が多く生じることになるため、その逆極性の電荷の影響による定着回転体としての定着フィルム10と加圧回転体としての加圧ローラ20との回転体間の電位差への影響を滅してから、記録材を定着ニップに導きたいため、定着フィルム10に先行して加圧ローラ20に定着バイアスを印加させる構成をとったほうが、定着尾引きの抑止効果が高まることになる。
【0123】
そこで、本実施例では加圧ローラ20に先行して定着バイアスを印加するものとした。
【0124】
これは、定着フィルム10と加圧ローラ20の表層に用いる材料の体積抵抗値、及び、その表層の成型方法、などに左右されるものであり、用いる加熱定着装置に応じて、定着ローラ10、若しくは、加圧ローラ20の何れかを先行して定着バイアスを印加するように設定すれば本実施例で説明した効果は期待できるものである。
【0125】
また、定着バイアスを印加するタイミングに関しても、定着フィルム10と加圧ローラ20の表層に用いる材料の体積抵抗値、及び、その表層の成型方法、などで左右されるものであり、用いる加熱定着装置に応じて、任意に選択すれば良いものである。
【0126】
〈第2の実施例〉
以下に、本発明に係る第2の実施例を示す。第2の実施例は、定着回転体である定着フィルム10、及び、加圧回転体である加圧ローラ20への定着バイアスの印加手段として、所望の定着バイアス値よりも小さな複数段階の定着バイアス値を経てから、所望の定着バイアス値に設定することで、一度に印加する定着バイアス値を小さく抑え、定着バイアス電源の負荷を小さくし、定着バイアス印加時に流れる電流のオーバーシュートの発生をなくし、定着回転体表面の電位を安定化させることで帯状に発生する定着尾引きを抑止するものである。
【0127】
先に述べた、従来の技術や第1の実施例と、相違ない箇所に関しては記述・説明を省略し、本実施例での特徴となる点についてのみ説明を行うものとする。また、本実施例で用いた画像形成装置、加熱定着装置、及び、それらを構成する各部材は同様のものを用いた。
【0128】
本実施例では、図8に示したように、定着バイアスとして印加するバイアス値を、所望の定着バイアス値より小さいバイアス値の印加を経てから、所望の定着バイアス値を印加するものとしている。
【0129】
具体的に、定着フィルム10には、最初に−400Vの直流電圧を印加した後、150ミリ秒経過後に、所望の−700Vの直流電圧の印加へと切り替えている。加圧ローラ20には、最初に+250Vの直流電圧を印加した後、同じく150ミリ秒経過後に、所望となる+500Vの直流電圧の印加へと切り替えている。そして、定着ニップ部に記録材が搬送される直前には、定着フィルム10、及び、加圧ローラ20には、定着尾引きを抑止するために所望となる定着バイアスとして、1200Vの電位差による電界が形成されている。
【0130】
定着フィルム10に印加する上記の定着バイアスの切替は、図9に示したように、第1の電源77と給電ブラシ78の間に、高抵抗体として10〜100MΩ程度の抵抗Rを設け、この抵抗Rを介して電源77から給電ブラシ78に定着バイアスを印加する経路と、抵抗Rを介さないで定着バイアスを印加する経路とを、制御回路部83で切替え制御されるスィッチング素子やリレーなどの切替部材85によって切替えることで行なわせた。第2の電源82から加圧ローラ20に印加する上記の定着バイアスの切替も上記と同様の経路切替え構成で行なわせた。
【0131】
また、図10に、比較例として用いた従来例での定着バイアス印加の手法である一度に所望の定着バイアス値を印加した場合と、本実施例で用いた複数段階を経た後に所望となる定着バイアス値を印加する場合での、定着フィルムと加圧ローラの給電ブラシに流れる電流の推移をモニターした結果の概念図を示した。
【0132】
図から分かるように、一度に所望となる定着バイアス値を印加した場合は、流れる電流値が定常状態で流れる電流値よりも大きな電流値が流れる電流のオーバーシュート現象が発生した後、定常状態で流れる電流値に落ち着いていることが分かる。
【0133】
これは、定着フィルム10や加圧ローラ20を形成している各部材はある一定の体積抵抗値を有した材料であり、特に表層の離型層に用いられるフッ素系の樹脂は高抵抗体若しくは絶縁体であるため、これらの各回転体に所望となる定着バイアスを印加するために定着バイアス電源は、より多くの電流を流すことで所望の電位に収束しようとしているために発生している現象である。
【0134】
これは定着フィルム10や加圧ローラ20が、ある容量を持ったコンデンサとして考えると分かりやすい。この容量分が電荷で満たされるまでは、より大きな電流が流れることになり、容量分が電荷で満たされると定常状態の電流値として落ち着くものである。
【0135】
対して、本実施例では、所望とする直流電圧値よりも小さな定着バイアスを印加した後、所望とする定着バイアス値へと切り替えているため、上述した電流のオーバーシュートを小さく抑えることが可能となっていることが分かる。
【0136】
次に、オーバーシュートを小さく抑えた場合の効果について説明する。
【0137】
定着フィルム10や加圧ローラ20は、定着バイアスが印加されることで発生する電界を打ち消す逆向きの電界が生じる性質を有していることは先に述べたとおりである。
【0138】
そのため、オーバーシュートが大きくなると、そのオーバーシュートによって生じる電界も大きくなり、それを打ち消す逆向きに定着ニップ部下流側で定着フィルム10と加圧ローラ20が分離する際に生じる電界も強いものとなり、そのタイミングで定着フィルム10や加圧ローラ20の表層に生じる逆極性の電荷量も多くなることになり、その逆極性の電荷の影響をうけて定着フィルム10や加圧ローラ20の表層にあらわれる電位も乱れ、そのタイミングでは定着尾引きやオフセットを抑止するために印加している定着バイアスの効果がなくなることになる。
【0139】
これは、表層として絶縁体であるフッ素樹脂系のチューブを被覆している加圧ローラ20で特に顕著にあらわれる。そのため、発明が解決しようとする課題の項で図14を用いて説明したように、ある一定巾での帯状の定着尾引きが生じることになる。
【0140】
図11に、定着フィルム10と加圧ローラ20の表面電位をモニターした結果の概略図を示した。この図から、本発明の第2の実施例での定着バイアスの印加制御のほうが、電流のオーバーシュートが小さくなっていることが分かる。
【0141】
次に、本発明の実施例と従来の実施形態例での、帯状の定着尾引きの抑止効果を確認した結果を表2に記す。効果の確認は、先の実施例1と同様の確認にて行った。
【0142】
【表2】
Figure 2004093638
【0143】
表2に示したように、従来の実施形態では発生していた帯状の定着尾引きの発生が、本実施例では発生することなく、常に良好な画像が得られることが実証された。
【0144】
〈第3の実施例〉
上記第2の実施例での説明では、定着バイアス値を2段階として切り替えるものとしたが、定着バイアスの印加タイミングは定着フィルムと加圧ローラで同期させた実施系で説明、効果の確認を行ったが、先に述べた第1の実施例で説明したように、定着フィルムと加圧ローラへの定着印加バイアスのタイミングをずらした系で実施すれば、定着尾引きの発生抑止効果が高まるのは言うまでもない。
【0145】
以上のように、画像形成装置の高速化に伴い、よりシビアとなる定着尾引きの発生を抑止する効果を高めた加熱定着装置を、定着バイアス電源のオーバースペックをすることなく、確立し提供することが達成できる。
【0146】
〈その他〉
1)加熱体としてのセラミックヒータ11の構成形態は実施例のものに限られないことは勿論である。また、ヒータ11は必ずしも定着ニップ部Nに位置していなくてもよい。例えば、ヒータ11を定着ニップ部Nよりもフィルム移動方向上流側に位置させて配設することも出来る。
【0147】
2)フィルム加熱方式の加熱定着装置は、実施例のものは加圧用回転体駆動方式であるが、エンドレスの定着フィルムの内周面に駆動ローラを設け、フィルムにテンションを加えながら駆動する方式の装置であってもよい。
【0148】
3)本発明において加熱定着装置はフィルム加熱方式に限られるものではなく、熱ローラ方式の装置であってもよい。要するに、加熱部材と加圧部材とのニップで画像を担持した記録材を挟持搬送させて記録材上の画像を加熱する像加熱装置であればよい。
【0149】
4)本発明の加熱定着装置には、未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる定着装置ばかりでなく、未定着画像を記録材上に仮定着させる像加熱装置、画像を担持した記録材を再加熱してつや等の画像表面性を改質する像加熱装置なども包含される。
【0150】
5)画像形成装置の作像方式は電子写真方式に限られず、静電記録方式、磁気記録方式等であってもよいし、また転写方式でも直接方式でもよい。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置について、画像先端に顕著に現れる尾引き、帯状に発生する尾引きの問題を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像形成装置例の概略構成図
【図2】加熱定着装置部分の拡大模型図
【図3】定着フィルムの層構成模型図
【図4】定着ニップ部部分の拡大横断面模型図
【図5】加熱用ヒータ(セラミックヒータ)の構成説明図
【図6】第1の実施例における定着バイアス制御の説明図(その1)
【図7】第1の実施例における定着バイアス制御の説明図(その2)
【図8】第2の実施例における定着バイアス制御の説明図(その1)
【図9】定着バイアス切替え構成の説明図
【図10】第2の実施例における定着バイアス制御の説明図(その2)
【図11】第2の実施例における定着バイアス制御の説明図(その3)
【図12】加熱定着装置の概念図
【図13】定着尾引きの概念図(その1)
【図14】定着尾引きの概念図(その2)
【符号の説明】
1・・プロセスカートリッジ、2・・感光ドラム、3・・帯電ローラ、4・・現像装置、5・・転写ローラ、6・・クリーニング部材、7・・加熱定着装置、10・・定着部材、11・・加熱部材(加熱用ヒータ)、11a・・セラミック基板、11b、11c・・通電発熱抵抗層、11d・・薄肉ガラス保護層、11e・・摺動層、11f、11g、11h・・電極、12・・ステイホルダー、13・・定着回転体(定着フィルム)、13a・・導電プライマー層、13b・・表層(離型層)、14・・温度検知素子、15・・サーモプロテクタ、17・・フランジ、18・・コネクタ、20・・加圧ローラ、21・・加圧ローラ芯金、22・・加圧ローラ弾性層、23・・加圧ローラ離型層、25・・加圧バネ、26・・加圧ローラ駆動用ギア、27・・定着入口ガイド、28・・ダイオード、76・・定着排紙センサ、77・・定着バイアス電源、78・・給電ブラシ、79・・導電性ブラシ、N・・定着ニップ、L・・レーザビーム、P・・記録材、t・・未定着トナー像、S・・記録材搬送基準

Claims (12)

  1. 未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置であり、
    第1と第2の各回転体に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、任意の時間差がつけられていることを特徴とする加熱定着装置。
  2. 前記の第1と第2の各回転体に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、定着ニップ部に導入される記録材の先端部が定着ニップ部に到達する前の時点で第1と第2の一方の回転体に印加を開始し始め、これとは時間差をつけて記録材の先端部が定着ニップ部に到達するまでには他方の回転体にも印加を開始し始めるものであり、記録材が定着ニップ部に挟持搬送されたタイミングでは、第1と第2の回転体にはそれぞれに直流電圧が印加されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱定着装置。
  3. 未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置であり、
    各々の回転体に対する直流電圧の印加は、複数段階の電圧値を経て、所望とする直流電圧値を印加するものであることを特徴とする加熱定着装置。
  4. 未定着トナー画像が形成された記録材を、該記録材の未定着トナー画像担持面側である記録材表面側に対応する第1の回転体と、未定着トナー画像担持面側とは反対面側である記録材裏面側に対応する第2の回転体との圧接で形成される定着ニップ部に導入して挟持搬送させることにより、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させ、記録材が定着ニップ部を通過中には、第1と第2の回転体には直流電圧を印加する構成を有した加熱定着装置であり、
    第1と第2の各回転体に対して直流電圧の印加を開始し始めるタイミングは、任意の時間差がつけられており、かつ各々の回転体に対する直流電圧の印加は、複数段階の電圧値を経て、所望とする直流電圧値を印加するものであることを特徴とする加熱定着装置。
  5. 前記の回転体に印加する複数段階を有した直流電圧値の設定は、所望とする直流電圧値より小さな電圧値から、大きい方へ変更していくことで所望とする直流電圧値に至ることを特徴とする請求項3または4に記載の加熱定着装置。
  6. 記録材表面側に対応する第1の回転体にはトナーと同極性の直流電圧を印加し、記録材裏面側に対応する第2の回転体にはトナーと逆極性の直流電圧を印加することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の加熱定着装置。
  7. 前記の定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側には記録材裏面側と接触する電極部材が設けられており、該電極部材は、電気的に接地されている構成、若しくは、記録材裏面側に対応する第2の回転体に印加されている直流電圧と同極性の直流電圧が印加される構成、の何れかであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の加熱定着装置。
  8. 前記の電極部材が導電性のブラシであることを特徴とする請求項7に記載の加熱定着装置。
  9. 前記の定着ニップ部よりも記録材搬送方向下流側には記録材搬送保持部材としてのローラ対が設けてあり、該ローラ対の記録材裏面と接触するローラは電気的に導電性が付与されたものであり、電気的に接地状態にある構成であることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の加熱定着装置。
  10. 記録材表面側に対応する第1の回転体は、少なくとも、基材となる基層、離型層としての表層、基層と離型層との間の接着層から形成された、可撓性を有する中空回転体から構成されており、該中空回転体内面に内接する加熱部材で加熱され、該回転体に対する直流電圧の印加は前記の接着層を介してなされるものであることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載の加熱定着装置。
  11. 記録材裏面側に対応する第2の回転体は、中心から外側に向かって、金属製の芯金、弾性層としてのゴム層、離型層としての表層、から構成されており、該回転体に対する直流電圧の印加は、芯金を介して、若しくは、表層に直接、なされるものであることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載の加熱定着装置。
  12. 記録材に未定着トナー画像を形成する作像手段と、未定着トナー画像を記録材上に加熱定着させる加熱定着手段を有する画像形成装置において、
    前記の加熱定着手段は請求項1〜11の何れかに記載の加熱定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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