JP2004091889A - 金属ニオブ粉末およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金型成形するときに金型への充填性がよく、また成形体を焼結するときに欠け・割れなどが生じにくい、かつコンデンサ特性を向上させる二次粒子からなる金属ニオブ粉末、および歩留まり良く、低コストで該金属ニオブ粉末を製造する方法を提供する。
【解決手段】金属ニオブ粉末は、充実・球状の二次粒子からなり、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下である。金属ニオブ粉末の製造方法は、バインダーを添加することなく酸化ニオブ微粉末と水とを混合して懸濁液を作製し、次に該懸濁液を噴霧乾燥して二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製し、さらに該酸化ニオブ粉末を還元した後、還元生成物を酸洗浄する。
【選択図】 なし
【解決手段】金属ニオブ粉末は、充実・球状の二次粒子からなり、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下である。金属ニオブ粉末の製造方法は、バインダーを添加することなく酸化ニオブ微粉末と水とを混合して懸濁液を作製し、次に該懸濁液を噴霧乾燥して二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製し、さらに該酸化ニオブ粉末を還元した後、還元生成物を酸洗浄する。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質コンデンサを製造する原料などに用いられる金属ニオブ粉末、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯機器の普及に伴い、電子機器に使用されるコンデンサは、小型で大容量のものが望まれている。コンデンサ用材料としてニオブとタンタルがある。
【0003】
タンタル固体電解質コンデンサは、単位容積当たりの容量が大きくしかも性能が良好なため、好んで使用されている。具体的には、タンタル固体電解質コンデンサの陽極体には、例えば、ふっ化タンタル酸カリを金属ナトリウムで還元して一次粒子からなる金属タンタル微粉末の焼結体が使用されている。当該タンタルコンデンサの容量を上げるためには、タンタル粉末焼結体の重量を増加させるか表面積を増加させる必要がある。焼結体の重量を増加させる方法は、コンデンサの形状が必然的に増大するので小型化の要求を満たさない。従って、タンタル粉末を微細化して表面積を増加させる方法が有力である。しかし、タンタル焼結体の細孔が小さくなり、また焼結段階で閉鎖孔が多くなり、後工程における陰極材の含浸が困難になる。
【0004】
一方、固体電解質コンデンサの容量を上げるために誘電率の大きい焼結体を用いるという観点から、ニオブはタンタルより誘電率が大きいので、ニオブの焼結体が検討されている。しかし、ニオブは、酸化しやすく、またその酸化物が安定である。従って、コンデンサ用材料としてニオブは、粉末が細かいほど、表面酸化により、酸素の量が増大して、漏れ電流が増加する。
【0005】
従来、微粉砕した一次粒子から二次粒子に造粒した金属タンタル粉末や金属ニオブ粉末をコンデンサの陽極体に使用して誘電率を大きくすることが提案されている(特開平3−232213号公報、特開2001−307963号公報など)。
【0006】
ニオブ固体電解質コンデンサのコンデンサ素子を作製するのに用いる金属ニオブ粉末は、例えば次のように製造する。すなわち、フッカニオブ酸カリウムを金属ナトリウムで還元し粉砕して一次粒子からなる金属ニオブ微粉末を作製する。次に、この微粉末を真空中で仮焼結して仮焼体とした後、粉砕する。さらに、適当な粒度分布になるように篩い分けして、二次粒子からなる金属ニオブ粉末とする。そして、この金属ニオブ粉末を円筒形や角形などの金型にプレス成形など成形した後、酸化被膜、二酸化マンガン層、カーボン層、銀ペースト層を形成してコンデンサ素子を作製する。
【0007】
しかしながら、従来の二次粒子からなる金属ニオブ粉末の製造方法には次の問題があった。
【0008】
(1)微細な一次粒子は表面積が大きいので、含有酸素量が高い。このような粉末を用いて製造された二次粒子からなる金属ニオブ粉末をコンデンサの陽極体に用いると、漏れ電流が増加するなどにより、満足すべきコンデンサ特性が得られない。
【0009】
(2)酸化しやすい一次粒子・二次粒子を扱うことから発火の危険が伴う。そのため、不活性ガス雰囲気中での取り扱いが必要となり、ひいてはコストが高くなる。
【0010】
(3)仮焼体を粉砕するときに、微粉が発生して歩留まりが低下する。
【0011】
(4)二次粒子の形状が悪く、該二次粒子からなる金属ニオブ粉末を金型成形するときに、金型への粉末の充填性が悪くて、充填量が十分に制御できない。粉末の充填量のバラツキは、ただちに容量などの電気特性のバラツキをもたらす。
【0012】
(5)成形体を焼結するときに、欠け・割れなどが生じやすい。
【0013】
(6)造粒物の強度を上げる目的で通常バインダーとして例えばポリビニールアルコール(PVA)が添加されるが、バインダーを用いると、後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製される酸化ニオブ粉末の粒子が充実球とならず、陥没球や穴開き球となる。このような陥没球や穴開き球をコンデンサ製造用の原料として使用すると、コンデンサ容量の低下・バラツキ増加などが起こりやすくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、金型成形するときに金型への充填性がよく、また成形体を焼結するときに欠け・割れなどが生じにくい、かつコンデンサ特性を向上させる形状の良い金属ニオブ粉末を提供すること、および歩留まり良く、低コストで該金属ニオブ粉末を製造する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属ニオブ粉末は、アスペクト比1.1以下の充実・球状の二次粒子からなり、BET比表面積が0.5〜10m2/g、BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下、好ましくは3100質量ppm・g/m2以下である。D50が30〜200μmであるのが好ましい。
【0016】
本発明の金属ニオブ粉末の製造方法は、BET比表面積が4m2/g以上、粒度が3μm以下、D50が0.5〜0.7μmの酸化ニオブ微粉末を調製する工程、該酸化ニオブ微粉末と水とをバインダー無添加で混合して、酸化ニオブ一次粒子が分散した懸濁液を作製する懸濁液作製工程、作製された懸濁液を噴霧乾燥して、充実球状の二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製する造粒工程、作製された酸化ニオブ粉末を焼成する酸化工程、得られた酸化物を還元する還元工程、および得られた還元生成物を酸洗浄する酸洗浄工程をからなる。噴霧乾燥は、スプレードライヤーで行うのが好ましい。酸化工程の焼成温度は1200〜1400℃であることが好ましい。また、還元工程は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの少なくとも1種の存在下、600〜1450℃で行うことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上記課題を達成するために、鋭意検討した。その結果、次のことを見出した。すなわち、
(1)従来の二次粒子からなる金属ニオブ粉末の金型への充填性が悪いのは、また該金属ニオブ粉末の焼結体に欠け・割れなどが生じるのは、二次粒子の形状が片状・塊状などでかつ不均一であるためである。
【0018】
(2)従来の二次粒子からなる金属ニオブ粉末をコンデンサの陽極体に用いると漏れ電流が増加するなど満足すべきコンデンサ特性が得られないのは、該金属ニオブ粉末の酸素含有量が大きな悪影響を及ぼしている。
【0019】
(3)二次粒子の形状を充実・球状とすることが有効である。
【0020】
(4)二次粒子の形状を球状とするための造粒法は、従来知られている中で、懸濁液を噴霧乾燥する方法が最適である。
【0021】
(5)二次粒子の強度を上げるために造粒の際に添加するバインダーが、二次粒子を充実とする妨げになる。
【0022】
本発明の金属ニオブ粉末は、アスペクト比1.1以下の充実・球状の二次粒子からなる。
【0023】
アスペクト比は、個々の粉末粒子について顕微鏡観察により求めた粒子径の最大長さと最小長さとの比の値を意味する。
【0024】
充実は、本来あるべきものが中にあって、空隙が生じていない意味である。充実でないと、コンデンサ容量の低下・バラツキ増加などが起こりやすくなる。
【0025】
球状以外の形状(例えば片状・塊状など)およびアスペクト比1.1より大きい球状では、重量制御性に劣る。すなわち、陽極体成形時に、充填性が不良で充填密度が低くなる。ひいては、焼結体に割れ・欠けが生じ、コンデンサ特性が、低下する。金属ニオブ粉末粒子(二次粒子)の表面は、一次粒子内および一次粒子同士の粒界に比べ焼成時の接合性(焼結性)が悪いが、その悪い表面の影響が、球状では、他の形状(例えば片状・塊状)に比べ最小限に抑えられる。しかし、均一な充実・球状の粒子は、一次粒子では得にくい。
【0026】
BET比表面積は、BET法で測定した比表面積を意味する。BET比表面積が0.5m2/g未満ではコンデンサの容量が低下する。一方、10m2/gを超えると酸素含有量が増大しやすくなる。
【0027】
単位BET比表面積当たりの酸素含有量が、4500質量ppm・g/m2以下、好ましくは3100質量ppm・g/m2以下と少ない。そのため、コンデンサ陽極体の漏れ電流を減少させることができる。
【0028】
D50は、累積粒度分布と粒径との関係で、累積粒度が50%となる粒径をいう。言い換えると、或る径以下の粉末粒子が含まれる割合と該或る径との関係において、該割合が50質量%となるときの該或る径を意味する。金属ニオブ粉末は、D50が30〜200μmであるのが流動性などの観点から望ましい。
【0029】
本発明の金属ニオブ粉末の製造方法は、原料の調製工程、懸濁液作製工程、造粒工程、還元工程および酸洗浄工程からなる。
【0030】
原料の調製工程では五酸化ニオブ微粉末が用意される。二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を還元する還元工程では還元生成物が約10容積%収縮する。そのため、酸化ニオブ粉末作製工程では、この収縮する分を見込んで酸化ニオブ粉末を作製する必要がある。原料として用いる酸化ニオブ微粉末は、懸濁液作製工程の効率および製造される金属ニオブ粉末の物性を勘案して、BET比表面積を4m2/g以上、粒度を3μm以下、D50を0.5〜0.7μmとする。
【0031】
懸濁液作製工程では、バインダーを添加することなく純水に懸濁する。BET比表面積が4m2/g以上、粒度が3μm以下、D50が0.5〜0.7μmの酸化ニオブ微粉末と水とを混合する。そして、酸化ニオブ一次粒子が分散した懸濁液を作製する。なお、粒度が3μm以下とは、粒子径3μm以下の粒子で酸化ニオブ微粉末が実質的に占められていることを意味する。
【0032】
バインダーを添加しないことにより、残留酸素が減少し、絶縁破壊性特性の低下を防止できる。懸濁液作製工程で酸化ニオブ微粉末と水とを混合するのは、酸化ニオブ微粉末を一次粒子に分散するためである。酸化ニオブ微粉末を一次粒子に分散するのは、後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製する二次粒子の形状を均一にするためである。従って、酸化ニオブ微粉末と水とを混合する装置としては、酸化ニオブ微粉末を一次粒子に分散できる装置であればよく、ボールミル、ビーズミル、マイコロイダーなどが挙げられる。
【0033】
バインダーを用いると、後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製される酸化ニオブ粉末の粒子が充実球とならず、陥没球や穴開き球となる。このような陥没球や穴開き球をコンデンサ製造用の原料として使用すると、コンデンサ容量の低下・バラツキ増加などが起こりやすくなる。後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製される酸化ニオブ粉末の粒子が陥没球や穴開き球となる原因は、次のように推測される。すなわち、懸濁液が表面張力で球状となり、表面から水分が蒸発し始め表面に乾燥膜ができ、乾燥膜を通して水分が移動蒸発する。その際、酸化ニオブ微粉末や酸化ニオブ粉末の粒子径が小さいため粒子間の空隙が狭く、水分の移動速度が遅い。そのため、バインダーが水分と共に乾燥膜面に移動し硬化する。その後、酸化ニオブ粉末粒子内に残った水が気化し、該粒子の一部から噴出する結果、陥没球や穴開き球になると推測される。
【0034】
懸濁液作製工程でPVAなどのバインダーを用いないことにより、作製される酸化ニオブ粉末粒子の残留炭素含有量が減少するので、コンデンサの絶縁破壊特性の低下を防ぐことができる。
【0035】
造粒工程では、懸濁液作製工程で作製された懸濁液を、バインダー無添加で、スプレードライヤーにより噴霧乾燥して、充実球状粉からなる酸化ニオブ粉末の二次粒子を作製する。二次粒子の粒度は、D50が30〜200μmであるのが流動性などの観点から望ましい。
【0036】
懸濁液を噴霧乾燥して、二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製するのは、この方法が粒子形状を球形にすることができるからである。
【0037】
スプレードライヤー以外の造粒方法の具体例は、(1)粉末を凝集後に解砕し篩い分けるメッシュ造粒法、(2)粉末を撹拌羽で撹拌混合しながら、バインダーを添加し造粒する撹拌混合造粒法、(3)粉末を圧縮空気で撹拌混合しながら、バインダーを添加し造粒する転動流動造粒乾燥法(以上、乾式法)、(4)粉末と水との懸濁液の噴霧、乾燥、コーティングを繰り返して造粒する流動層造粒法(湿式法)がある。しかし、本発明者らが実験したところ、これら他の造粒方法ではいずれも、球形の二次粒子が得られず、収率も低かった。
【0038】
従って、本発明粉末の製造方法では、金属ニオブの微粒子(一次粒子)を取り扱うことがない。また、粉砕や篩い分けなどの二次粒子の取り扱いを極力なくしている。つまり、酸化しやすい一次粒子・二次粒子の取り扱いが前記従来方法と違って、著しく少ない。そのため、発火の危険がなく、不活性ガス雰囲気中での取り扱いが不必要となり、コストが低減する。また、作業上の安全性が向上する。
【0039】
酸化工程では、前記充実球からなる酸化ニオブ粉末を1200〜1400℃で焼成する。焼成温度は粒子径によって決まる。
【0040】
還元工程では、酸化ニオブ粉末作製工程で作製された酸化ニオブ粉末を還元する。還元工程は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの少なくとも1種の存在下、600〜1450℃で行うのが好ましい。還元工程での還元温度は、用いる還元剤および原料酸化ニオブ粉末の粒子径に主に依存する。
【0041】
酸洗浄工程では、還元工程で得られた還元生成物を酸洗浄する。単位BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下、好ましくは3100質量ppm・g/m2以下になるように、還元工程および酸洗浄工程は、必要に応じて繰り返して行えばよい。その後は、例えば水洗、真空乾燥を行えばよい。
【0042】
【実施例】
[実施例1]
比表面積が5.1m2/g、粒度が3μm以下、D50が0.6μmの五酸化ニオブ微粉末(三井金属鉱業(株)製)300gおよび純水400gを、2リットルのジルコニア製ボールミルに装入した。そして、15時間混合分散して、五酸化ニオブ微粉末の懸濁液を作製した。
【0043】
作製した懸濁液を200℃のスプレードライヤー(大川原加工機(株)OD−25G)中にディスク回転数4000rpmで噴霧乾燥して、平均粒子径117μmの五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は充実・球状であった。これを表1に示す。
【0044】
作製した五酸化ニオブ粉末を大気中1225℃で焼成した後、1000℃でMg蒸気で還元した。得られた還元焼成物を塩酸で酸洗浄した。
【0045】
上記還元(800℃)および酸洗浄を再度行った後、水洗・真空乾燥し、金属ニオブ粉末を得た。
【0046】
得られた金属ニオブ粉末は、粒子外観が先の工程で得た五酸化ニオブ粉末と同様の充実・球状であった。また、アスペクト比が1.02、BET比表面積が1.6m2/g、酸素含有量が5000質量ppm、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3100質量ppm・g/m2であった。なお、アスペクト比は粉末粒子50個の各々について求めたアスペクト比を平均したものである。さらに、目開き63μmと180μmの篩を用いて篩い分けることにより、この粉末中における63〜180μmの粒子の収率を求めた結果、92質量%であった。これらの結果を表2に示す。
【0047】
得られた金属ニオブ粉末のD50は、80.6μmであった。
【0048】
この金属ニオブ粉末から次のようにして10個の陽極体を作製した。すなわち、金属ニオブ粉末0.1gを秤量し、プレス成形した。次に、1250℃、1×10−5Torrの真空中で1時間焼結した。さらに、0.6容積%、90℃のリン酸水溶液中で20V、4時間の化成処理を行って陽極体とした。どの陽極体にも、欠け・割れは見られなかった。
【0049】
20℃の36質量%硫酸中で14Vの直流電圧をこの陽極体に印加することにより、漏れ電流を測定した。3分印加後の漏れ電流は2.7μAであった。これを表2に示す。なお、これは3個の陽極体についての測定値の平均である。
【0050】
[実施例2]
ディスク回転数を5000rpmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ニオブ粉末を得て、陽極体を作製した。得られた金属ニオブ粉末のD50は、112.5μmであった。
【0051】
測定結果を表1および表2に示す。
【0052】
[実施例3]
ディスク回転数を14000rpmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ニオブ粉末を得て、陽極体を作製した。本実施例では、63〜180μmの分級は行わなかった。得られた金属ニオブ粉末のD50は、42.8μmであった。
【0053】
測定結果を表1および表2に示す。
【0054】
[実施例4]
2回目の還元を700℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、金属ニオブ粉末を得て、陽極体を作製した。得られた金属ニオブ粉末のBET比表面積は2.56m2/gであった。漏れ電流は4.6μAであったが、比表面積当たりに換算すると、実施例1と同等であった。
【0055】
測定結果を表1および表2に示す。
【0056】
[比較例1]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が1質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、実施例1と同様にして、この懸濁液を噴霧乾燥して五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は、陥没球状と穴開き球状とが混じっていた(表1)。
【0057】
[比較例2]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が0.5質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、実施例1と同様にして、この懸濁液を噴霧乾燥して五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は、陥没球状と穴開き球状とが混じっていた(表1)。
【0058】
[比較例3]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が0.5質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、150℃のスプレードライヤー(大川原加工機(株)OD−25G)中にディスク回転数4000rpmでこの懸濁液を噴霧乾燥して、五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は、陥没球状と穴開き球状とが混じっていた(表1)。
【0059】
[比較例4]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が3質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、80℃の流動層造粒装置内にこの懸濁液を噴霧し、噴霧、乾燥、コーティングを繰り返して、五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0060】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.33、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3800質量ppm・g/m2、収率が23質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が5.6μA(陽極体について)であった(表2)。
【0061】
[比較例5]
実施例1で用いたと同様の五酸化ニオブ微粉末900gを撹拌混合造粒機に装入し、次のようにして造粒した。すなわち、チョッパー回転数3000rpm、ミキサー回転数500rpmで5分間混合分散した後、ミキサー回転数を300rpmにすると共に4質量%PVA水溶液を少しずつ加えて造粒した。得られた五酸化ニオブ粉末を80℃で乾燥した。この粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0062】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.25、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3500質量ppm・g/m2、収率が22質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が5.7μA(陽極体について)であった(表2)。
【0063】
[比較例6]
実施例1で用いたと同様の五酸化ニオブ微粉末1000gを転動流動造粒乾燥機に装入し、次のようにして造粒した。すなわち、ローター回転数300rpmで70℃の圧縮空気を35m3/Hの割合で供給しながら、1.5質量%PVA水溶液を噴霧して造粒した。この五酸化ニオブ粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0064】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.46、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が4000質量ppm・g/m2、収率が21質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が7.2μA(陽極体について)であった(表2)。
【0065】
[比較例7]
実施例1で用いたと同様の五酸化ニオブ微粉末100gを直径100mmの金型に装入し、800kgf/cm2でプレス処理した。その後、得られた圧粉体をメノウ製乳鉢で解砕した。解砕した五酸化ニオブ粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0066】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.55、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3100質量ppm・g/m2、収率が44質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が3.9μA(陽極体について)であった(表2)。
【0067】
[従来例1]
ふっ化ニオブ酸カリを850℃で金属ナトリウムで還元し、酸洗・水洗して、一次粒子からなる金属ニオブ微粉末を作製した。次に、この微粉末を真空中、1200℃で1時間焼結して凝集させた。その後、凝集体をメノウ製乳鉢で解砕した。得られた解砕物を実施例1と同様にして篩い分けて、63〜180μmの粒子からなる金属ニオブ粉末を得た。
【0068】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、BET比表面積が1.5m2/g、酸素含有量が14000質量ppm、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が9300質量ppm・g/m2(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が8.6μA(陽極体について)であった(表2)。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
実施例1〜4では、金属ニオブ粉末の酸素含有量が低く抑えられ、収率も高い。また、陽極体の漏れ電流が比較例4〜7・従来例1のそれに比べて小さく、特に比較例4〜6・従来例1に比べると1/2以下である。さらに、PVAを加えないで噴霧乾燥することにより、充実・球状の金属ニオブ粉末が得られている。しかも、その球状は、アスペスト比から、より真球に近い。
【0072】
比較例1〜3のようにPVAを添加すると、その添加量が少なくても、また水分の蒸発速度を遅くするため乾燥温度を低くしても、酸化物粉末粒子の外観は、陥没球状や穴開き球状に変化がなく、充実・球状が得られない。
【0073】
流動層造粒法(比較例4)、撹拌混合造粒法(比較例5)、転動流動造粒乾燥法(比較例6)およびメッシュ造粒法(比較例7)により造粒を行うと、いずれも、球形の粒子形状が得られない(アスペクト比も大きい)。また、いずれも収率が低い。
【0074】
二次粒子からなる酸化ニオブ粉末から金属ニオブ粉末を製造した比較例4〜7では、単位BET比表面積当たりの酸素含有量は3100〜4000質量ppm・g/m2で大差がない。それにもかかわらず、漏れ電流にかなり相違が生じている。それは、粉末粒子の形状の相違のためにプレス成形時や焼結時における粉末粒子の接続性が相違したことによると考えられる。
【0075】
従来例1の金属ニオブ粉末は、金属ニオブ微粉末を造粒(焼結)の原料に用いて製造されたため、表面酸化して単位BET比表面積当たりの酸素含有量が高く、漏れ電流を著しく大きくしている。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、金型成形するときに金型への充填性がよく、また成形体を焼結するときに欠け・割れなどが生じにくい、かつコンデンサ特性を向上させる二次粒子からなる金属ニオブ粉末を提供することができる。また、歩留まり良く、低コストで、かつ作業上の安全性を向上させてこのような金属ニオブ粉末を製造する方法をも提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質コンデンサを製造する原料などに用いられる金属ニオブ粉末、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話やノート型パソコンなどの携帯機器の普及に伴い、電子機器に使用されるコンデンサは、小型で大容量のものが望まれている。コンデンサ用材料としてニオブとタンタルがある。
【0003】
タンタル固体電解質コンデンサは、単位容積当たりの容量が大きくしかも性能が良好なため、好んで使用されている。具体的には、タンタル固体電解質コンデンサの陽極体には、例えば、ふっ化タンタル酸カリを金属ナトリウムで還元して一次粒子からなる金属タンタル微粉末の焼結体が使用されている。当該タンタルコンデンサの容量を上げるためには、タンタル粉末焼結体の重量を増加させるか表面積を増加させる必要がある。焼結体の重量を増加させる方法は、コンデンサの形状が必然的に増大するので小型化の要求を満たさない。従って、タンタル粉末を微細化して表面積を増加させる方法が有力である。しかし、タンタル焼結体の細孔が小さくなり、また焼結段階で閉鎖孔が多くなり、後工程における陰極材の含浸が困難になる。
【0004】
一方、固体電解質コンデンサの容量を上げるために誘電率の大きい焼結体を用いるという観点から、ニオブはタンタルより誘電率が大きいので、ニオブの焼結体が検討されている。しかし、ニオブは、酸化しやすく、またその酸化物が安定である。従って、コンデンサ用材料としてニオブは、粉末が細かいほど、表面酸化により、酸素の量が増大して、漏れ電流が増加する。
【0005】
従来、微粉砕した一次粒子から二次粒子に造粒した金属タンタル粉末や金属ニオブ粉末をコンデンサの陽極体に使用して誘電率を大きくすることが提案されている(特開平3−232213号公報、特開2001−307963号公報など)。
【0006】
ニオブ固体電解質コンデンサのコンデンサ素子を作製するのに用いる金属ニオブ粉末は、例えば次のように製造する。すなわち、フッカニオブ酸カリウムを金属ナトリウムで還元し粉砕して一次粒子からなる金属ニオブ微粉末を作製する。次に、この微粉末を真空中で仮焼結して仮焼体とした後、粉砕する。さらに、適当な粒度分布になるように篩い分けして、二次粒子からなる金属ニオブ粉末とする。そして、この金属ニオブ粉末を円筒形や角形などの金型にプレス成形など成形した後、酸化被膜、二酸化マンガン層、カーボン層、銀ペースト層を形成してコンデンサ素子を作製する。
【0007】
しかしながら、従来の二次粒子からなる金属ニオブ粉末の製造方法には次の問題があった。
【0008】
(1)微細な一次粒子は表面積が大きいので、含有酸素量が高い。このような粉末を用いて製造された二次粒子からなる金属ニオブ粉末をコンデンサの陽極体に用いると、漏れ電流が増加するなどにより、満足すべきコンデンサ特性が得られない。
【0009】
(2)酸化しやすい一次粒子・二次粒子を扱うことから発火の危険が伴う。そのため、不活性ガス雰囲気中での取り扱いが必要となり、ひいてはコストが高くなる。
【0010】
(3)仮焼体を粉砕するときに、微粉が発生して歩留まりが低下する。
【0011】
(4)二次粒子の形状が悪く、該二次粒子からなる金属ニオブ粉末を金型成形するときに、金型への粉末の充填性が悪くて、充填量が十分に制御できない。粉末の充填量のバラツキは、ただちに容量などの電気特性のバラツキをもたらす。
【0012】
(5)成形体を焼結するときに、欠け・割れなどが生じやすい。
【0013】
(6)造粒物の強度を上げる目的で通常バインダーとして例えばポリビニールアルコール(PVA)が添加されるが、バインダーを用いると、後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製される酸化ニオブ粉末の粒子が充実球とならず、陥没球や穴開き球となる。このような陥没球や穴開き球をコンデンサ製造用の原料として使用すると、コンデンサ容量の低下・バラツキ増加などが起こりやすくなる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記事情に鑑み、金型成形するときに金型への充填性がよく、また成形体を焼結するときに欠け・割れなどが生じにくい、かつコンデンサ特性を向上させる形状の良い金属ニオブ粉末を提供すること、および歩留まり良く、低コストで該金属ニオブ粉末を製造する方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属ニオブ粉末は、アスペクト比1.1以下の充実・球状の二次粒子からなり、BET比表面積が0.5〜10m2/g、BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下、好ましくは3100質量ppm・g/m2以下である。D50が30〜200μmであるのが好ましい。
【0016】
本発明の金属ニオブ粉末の製造方法は、BET比表面積が4m2/g以上、粒度が3μm以下、D50が0.5〜0.7μmの酸化ニオブ微粉末を調製する工程、該酸化ニオブ微粉末と水とをバインダー無添加で混合して、酸化ニオブ一次粒子が分散した懸濁液を作製する懸濁液作製工程、作製された懸濁液を噴霧乾燥して、充実球状の二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製する造粒工程、作製された酸化ニオブ粉末を焼成する酸化工程、得られた酸化物を還元する還元工程、および得られた還元生成物を酸洗浄する酸洗浄工程をからなる。噴霧乾燥は、スプレードライヤーで行うのが好ましい。酸化工程の焼成温度は1200〜1400℃であることが好ましい。また、還元工程は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの少なくとも1種の存在下、600〜1450℃で行うことが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上記課題を達成するために、鋭意検討した。その結果、次のことを見出した。すなわち、
(1)従来の二次粒子からなる金属ニオブ粉末の金型への充填性が悪いのは、また該金属ニオブ粉末の焼結体に欠け・割れなどが生じるのは、二次粒子の形状が片状・塊状などでかつ不均一であるためである。
【0018】
(2)従来の二次粒子からなる金属ニオブ粉末をコンデンサの陽極体に用いると漏れ電流が増加するなど満足すべきコンデンサ特性が得られないのは、該金属ニオブ粉末の酸素含有量が大きな悪影響を及ぼしている。
【0019】
(3)二次粒子の形状を充実・球状とすることが有効である。
【0020】
(4)二次粒子の形状を球状とするための造粒法は、従来知られている中で、懸濁液を噴霧乾燥する方法が最適である。
【0021】
(5)二次粒子の強度を上げるために造粒の際に添加するバインダーが、二次粒子を充実とする妨げになる。
【0022】
本発明の金属ニオブ粉末は、アスペクト比1.1以下の充実・球状の二次粒子からなる。
【0023】
アスペクト比は、個々の粉末粒子について顕微鏡観察により求めた粒子径の最大長さと最小長さとの比の値を意味する。
【0024】
充実は、本来あるべきものが中にあって、空隙が生じていない意味である。充実でないと、コンデンサ容量の低下・バラツキ増加などが起こりやすくなる。
【0025】
球状以外の形状(例えば片状・塊状など)およびアスペクト比1.1より大きい球状では、重量制御性に劣る。すなわち、陽極体成形時に、充填性が不良で充填密度が低くなる。ひいては、焼結体に割れ・欠けが生じ、コンデンサ特性が、低下する。金属ニオブ粉末粒子(二次粒子)の表面は、一次粒子内および一次粒子同士の粒界に比べ焼成時の接合性(焼結性)が悪いが、その悪い表面の影響が、球状では、他の形状(例えば片状・塊状)に比べ最小限に抑えられる。しかし、均一な充実・球状の粒子は、一次粒子では得にくい。
【0026】
BET比表面積は、BET法で測定した比表面積を意味する。BET比表面積が0.5m2/g未満ではコンデンサの容量が低下する。一方、10m2/gを超えると酸素含有量が増大しやすくなる。
【0027】
単位BET比表面積当たりの酸素含有量が、4500質量ppm・g/m2以下、好ましくは3100質量ppm・g/m2以下と少ない。そのため、コンデンサ陽極体の漏れ電流を減少させることができる。
【0028】
D50は、累積粒度分布と粒径との関係で、累積粒度が50%となる粒径をいう。言い換えると、或る径以下の粉末粒子が含まれる割合と該或る径との関係において、該割合が50質量%となるときの該或る径を意味する。金属ニオブ粉末は、D50が30〜200μmであるのが流動性などの観点から望ましい。
【0029】
本発明の金属ニオブ粉末の製造方法は、原料の調製工程、懸濁液作製工程、造粒工程、還元工程および酸洗浄工程からなる。
【0030】
原料の調製工程では五酸化ニオブ微粉末が用意される。二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を還元する還元工程では還元生成物が約10容積%収縮する。そのため、酸化ニオブ粉末作製工程では、この収縮する分を見込んで酸化ニオブ粉末を作製する必要がある。原料として用いる酸化ニオブ微粉末は、懸濁液作製工程の効率および製造される金属ニオブ粉末の物性を勘案して、BET比表面積を4m2/g以上、粒度を3μm以下、D50を0.5〜0.7μmとする。
【0031】
懸濁液作製工程では、バインダーを添加することなく純水に懸濁する。BET比表面積が4m2/g以上、粒度が3μm以下、D50が0.5〜0.7μmの酸化ニオブ微粉末と水とを混合する。そして、酸化ニオブ一次粒子が分散した懸濁液を作製する。なお、粒度が3μm以下とは、粒子径3μm以下の粒子で酸化ニオブ微粉末が実質的に占められていることを意味する。
【0032】
バインダーを添加しないことにより、残留酸素が減少し、絶縁破壊性特性の低下を防止できる。懸濁液作製工程で酸化ニオブ微粉末と水とを混合するのは、酸化ニオブ微粉末を一次粒子に分散するためである。酸化ニオブ微粉末を一次粒子に分散するのは、後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製する二次粒子の形状を均一にするためである。従って、酸化ニオブ微粉末と水とを混合する装置としては、酸化ニオブ微粉末を一次粒子に分散できる装置であればよく、ボールミル、ビーズミル、マイコロイダーなどが挙げられる。
【0033】
バインダーを用いると、後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製される酸化ニオブ粉末の粒子が充実球とならず、陥没球や穴開き球となる。このような陥没球や穴開き球をコンデンサ製造用の原料として使用すると、コンデンサ容量の低下・バラツキ増加などが起こりやすくなる。後工程の酸化ニオブ粉末作製工程で作製される酸化ニオブ粉末の粒子が陥没球や穴開き球となる原因は、次のように推測される。すなわち、懸濁液が表面張力で球状となり、表面から水分が蒸発し始め表面に乾燥膜ができ、乾燥膜を通して水分が移動蒸発する。その際、酸化ニオブ微粉末や酸化ニオブ粉末の粒子径が小さいため粒子間の空隙が狭く、水分の移動速度が遅い。そのため、バインダーが水分と共に乾燥膜面に移動し硬化する。その後、酸化ニオブ粉末粒子内に残った水が気化し、該粒子の一部から噴出する結果、陥没球や穴開き球になると推測される。
【0034】
懸濁液作製工程でPVAなどのバインダーを用いないことにより、作製される酸化ニオブ粉末粒子の残留炭素含有量が減少するので、コンデンサの絶縁破壊特性の低下を防ぐことができる。
【0035】
造粒工程では、懸濁液作製工程で作製された懸濁液を、バインダー無添加で、スプレードライヤーにより噴霧乾燥して、充実球状粉からなる酸化ニオブ粉末の二次粒子を作製する。二次粒子の粒度は、D50が30〜200μmであるのが流動性などの観点から望ましい。
【0036】
懸濁液を噴霧乾燥して、二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製するのは、この方法が粒子形状を球形にすることができるからである。
【0037】
スプレードライヤー以外の造粒方法の具体例は、(1)粉末を凝集後に解砕し篩い分けるメッシュ造粒法、(2)粉末を撹拌羽で撹拌混合しながら、バインダーを添加し造粒する撹拌混合造粒法、(3)粉末を圧縮空気で撹拌混合しながら、バインダーを添加し造粒する転動流動造粒乾燥法(以上、乾式法)、(4)粉末と水との懸濁液の噴霧、乾燥、コーティングを繰り返して造粒する流動層造粒法(湿式法)がある。しかし、本発明者らが実験したところ、これら他の造粒方法ではいずれも、球形の二次粒子が得られず、収率も低かった。
【0038】
従って、本発明粉末の製造方法では、金属ニオブの微粒子(一次粒子)を取り扱うことがない。また、粉砕や篩い分けなどの二次粒子の取り扱いを極力なくしている。つまり、酸化しやすい一次粒子・二次粒子の取り扱いが前記従来方法と違って、著しく少ない。そのため、発火の危険がなく、不活性ガス雰囲気中での取り扱いが不必要となり、コストが低減する。また、作業上の安全性が向上する。
【0039】
酸化工程では、前記充実球からなる酸化ニオブ粉末を1200〜1400℃で焼成する。焼成温度は粒子径によって決まる。
【0040】
還元工程では、酸化ニオブ粉末作製工程で作製された酸化ニオブ粉末を還元する。還元工程は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの少なくとも1種の存在下、600〜1450℃で行うのが好ましい。還元工程での還元温度は、用いる還元剤および原料酸化ニオブ粉末の粒子径に主に依存する。
【0041】
酸洗浄工程では、還元工程で得られた還元生成物を酸洗浄する。単位BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下、好ましくは3100質量ppm・g/m2以下になるように、還元工程および酸洗浄工程は、必要に応じて繰り返して行えばよい。その後は、例えば水洗、真空乾燥を行えばよい。
【0042】
【実施例】
[実施例1]
比表面積が5.1m2/g、粒度が3μm以下、D50が0.6μmの五酸化ニオブ微粉末(三井金属鉱業(株)製)300gおよび純水400gを、2リットルのジルコニア製ボールミルに装入した。そして、15時間混合分散して、五酸化ニオブ微粉末の懸濁液を作製した。
【0043】
作製した懸濁液を200℃のスプレードライヤー(大川原加工機(株)OD−25G)中にディスク回転数4000rpmで噴霧乾燥して、平均粒子径117μmの五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は充実・球状であった。これを表1に示す。
【0044】
作製した五酸化ニオブ粉末を大気中1225℃で焼成した後、1000℃でMg蒸気で還元した。得られた還元焼成物を塩酸で酸洗浄した。
【0045】
上記還元(800℃)および酸洗浄を再度行った後、水洗・真空乾燥し、金属ニオブ粉末を得た。
【0046】
得られた金属ニオブ粉末は、粒子外観が先の工程で得た五酸化ニオブ粉末と同様の充実・球状であった。また、アスペクト比が1.02、BET比表面積が1.6m2/g、酸素含有量が5000質量ppm、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3100質量ppm・g/m2であった。なお、アスペクト比は粉末粒子50個の各々について求めたアスペクト比を平均したものである。さらに、目開き63μmと180μmの篩を用いて篩い分けることにより、この粉末中における63〜180μmの粒子の収率を求めた結果、92質量%であった。これらの結果を表2に示す。
【0047】
得られた金属ニオブ粉末のD50は、80.6μmであった。
【0048】
この金属ニオブ粉末から次のようにして10個の陽極体を作製した。すなわち、金属ニオブ粉末0.1gを秤量し、プレス成形した。次に、1250℃、1×10−5Torrの真空中で1時間焼結した。さらに、0.6容積%、90℃のリン酸水溶液中で20V、4時間の化成処理を行って陽極体とした。どの陽極体にも、欠け・割れは見られなかった。
【0049】
20℃の36質量%硫酸中で14Vの直流電圧をこの陽極体に印加することにより、漏れ電流を測定した。3分印加後の漏れ電流は2.7μAであった。これを表2に示す。なお、これは3個の陽極体についての測定値の平均である。
【0050】
[実施例2]
ディスク回転数を5000rpmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ニオブ粉末を得て、陽極体を作製した。得られた金属ニオブ粉末のD50は、112.5μmであった。
【0051】
測定結果を表1および表2に示す。
【0052】
[実施例3]
ディスク回転数を14000rpmとした以外は、実施例1と同様にして、金属ニオブ粉末を得て、陽極体を作製した。本実施例では、63〜180μmの分級は行わなかった。得られた金属ニオブ粉末のD50は、42.8μmであった。
【0053】
測定結果を表1および表2に示す。
【0054】
[実施例4]
2回目の還元を700℃で行ったこと以外は、実施例1と同様にして、金属ニオブ粉末を得て、陽極体を作製した。得られた金属ニオブ粉末のBET比表面積は2.56m2/gであった。漏れ電流は4.6μAであったが、比表面積当たりに換算すると、実施例1と同等であった。
【0055】
測定結果を表1および表2に示す。
【0056】
[比較例1]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が1質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、実施例1と同様にして、この懸濁液を噴霧乾燥して五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は、陥没球状と穴開き球状とが混じっていた(表1)。
【0057】
[比較例2]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が0.5質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、実施例1と同様にして、この懸濁液を噴霧乾燥して五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は、陥没球状と穴開き球状とが混じっていた(表1)。
【0058】
[比較例3]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が0.5質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、150℃のスプレードライヤー(大川原加工機(株)OD−25G)中にディスク回転数4000rpmでこの懸濁液を噴霧乾燥して、五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子外観は、陥没球状と穴開き球状とが混じっていた(表1)。
【0059】
[比較例4]
実施例1と同様にして作製した懸濁液に、濃度が3質量%となるように、PVA(クラレ製、205−C)を固形分で添加した。この後、80℃の流動層造粒装置内にこの懸濁液を噴霧し、噴霧、乾燥、コーティングを繰り返して、五酸化ニオブ粉末を作製した。この粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0060】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.33、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3800質量ppm・g/m2、収率が23質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が5.6μA(陽極体について)であった(表2)。
【0061】
[比較例5]
実施例1で用いたと同様の五酸化ニオブ微粉末900gを撹拌混合造粒機に装入し、次のようにして造粒した。すなわち、チョッパー回転数3000rpm、ミキサー回転数500rpmで5分間混合分散した後、ミキサー回転数を300rpmにすると共に4質量%PVA水溶液を少しずつ加えて造粒した。得られた五酸化ニオブ粉末を80℃で乾燥した。この粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0062】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.25、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3500質量ppm・g/m2、収率が22質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が5.7μA(陽極体について)であった(表2)。
【0063】
[比較例6]
実施例1で用いたと同様の五酸化ニオブ微粉末1000gを転動流動造粒乾燥機に装入し、次のようにして造粒した。すなわち、ローター回転数300rpmで70℃の圧縮空気を35m3/Hの割合で供給しながら、1.5質量%PVA水溶液を噴霧して造粒した。この五酸化ニオブ粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0064】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.46、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が4000質量ppm・g/m2、収率が21質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が7.2μA(陽極体について)であった(表2)。
【0065】
[比較例7]
実施例1で用いたと同様の五酸化ニオブ微粉末100gを直径100mmの金型に装入し、800kgf/cm2でプレス処理した。その後、得られた圧粉体をメノウ製乳鉢で解砕した。解砕した五酸化ニオブ粉末の粒子形状は、片状や塊状のものが多く見られた。
【0066】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、アスペクト比が1.55、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が3100質量ppm・g/m2、収率が44質量%(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が3.9μA(陽極体について)であった(表2)。
【0067】
[従来例1]
ふっ化ニオブ酸カリを850℃で金属ナトリウムで還元し、酸洗・水洗して、一次粒子からなる金属ニオブ微粉末を作製した。次に、この微粉末を真空中、1200℃で1時間焼結して凝集させた。その後、凝集体をメノウ製乳鉢で解砕した。得られた解砕物を実施例1と同様にして篩い分けて、63〜180μmの粒子からなる金属ニオブ粉末を得た。
【0068】
実施例1と同様にして、この五酸化ニオブ粉末の焼成・還元から陽極体の漏れ電流測定まで行った。その結果、BET比表面積が1.5m2/g、酸素含有量が14000質量ppm、単位BET比表面積当たりの酸素含有量が9300質量ppm・g/m2(以上、金属ニオブ粉末について)、および漏れ電流が8.6μA(陽極体について)であった(表2)。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
実施例1〜4では、金属ニオブ粉末の酸素含有量が低く抑えられ、収率も高い。また、陽極体の漏れ電流が比較例4〜7・従来例1のそれに比べて小さく、特に比較例4〜6・従来例1に比べると1/2以下である。さらに、PVAを加えないで噴霧乾燥することにより、充実・球状の金属ニオブ粉末が得られている。しかも、その球状は、アスペスト比から、より真球に近い。
【0072】
比較例1〜3のようにPVAを添加すると、その添加量が少なくても、また水分の蒸発速度を遅くするため乾燥温度を低くしても、酸化物粉末粒子の外観は、陥没球状や穴開き球状に変化がなく、充実・球状が得られない。
【0073】
流動層造粒法(比較例4)、撹拌混合造粒法(比較例5)、転動流動造粒乾燥法(比較例6)およびメッシュ造粒法(比較例7)により造粒を行うと、いずれも、球形の粒子形状が得られない(アスペクト比も大きい)。また、いずれも収率が低い。
【0074】
二次粒子からなる酸化ニオブ粉末から金属ニオブ粉末を製造した比較例4〜7では、単位BET比表面積当たりの酸素含有量は3100〜4000質量ppm・g/m2で大差がない。それにもかかわらず、漏れ電流にかなり相違が生じている。それは、粉末粒子の形状の相違のためにプレス成形時や焼結時における粉末粒子の接続性が相違したことによると考えられる。
【0075】
従来例1の金属ニオブ粉末は、金属ニオブ微粉末を造粒(焼結)の原料に用いて製造されたため、表面酸化して単位BET比表面積当たりの酸素含有量が高く、漏れ電流を著しく大きくしている。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、金型成形するときに金型への充填性がよく、また成形体を焼結するときに欠け・割れなどが生じにくい、かつコンデンサ特性を向上させる二次粒子からなる金属ニオブ粉末を提供することができる。また、歩留まり良く、低コストで、かつ作業上の安全性を向上させてこのような金属ニオブ粉末を製造する方法をも提供することができる。
Claims (6)
- アスペクト比1.1以下の充実・球状の二次粒子からなり、BET比表面積が0.5〜10m2/g、BET比表面積当たりの酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下であることを特徴とする金属ニオブ粉末。
- D50が30〜200μmであることを特徴とする請求項1に記載の金属ニオブ粉末。
- BET比表面積が4m2/g以上、粒度が3μm以下、D50が0.5〜0.7μmの酸化ニオブ微粉末を調製する工程、該酸化ニオブ微粉末と水とをバインダー無添加で混合して、酸化ニオブ一次粒子が分散した懸濁液を作製する懸濁液作製工程、作製された懸濁液を噴霧乾燥して、充実球状の二次粒子からなる酸化ニオブ粉末を作製する造粒工程、作製された酸化ニオブ粉末を焼成する酸化工程、得られた酸化物を還元する還元工程、および得られた還元生成物を酸洗浄する酸洗浄工程からなることを特徴とする金属ニオブ粉末の製造方法。
- 酸化工程の焼成温度は1200〜1400℃であることを特徴とする請求項3に記載の金属ニオブ粉末の製造方法。
- 還元工程は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属のうちの少なくとも1種の存在下、600〜1450℃で行うことを特徴とする請求項3に記載の金属ニオブ粉末の製造方法。
- 還元工程および酸洗浄工程は、金属ニオブ粉末の酸素含有量が4500質量ppm・g/m2以下になるまで繰り返して行うことを特徴とする請求項3に記載の金属ニオブ粉末の製造方法。
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EP2169086A1 (de) * | 2005-09-16 | 2010-03-31 | H.C. Starck GmbH | Reduktionsverfahren |
KR101952806B1 (ko) * | 2017-08-31 | 2019-02-28 | 주식회사포스코 | 금속지지체형 고체산화물 연료전지 및 그 제조방법 |
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2002
- 2002-09-02 JP JP2002256879A patent/JP2004091889A/ja active Pending
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