JP2004091099A - 巻芯用紙管及びその製造方法 - Google Patents

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Kenichi Hirakawa
平川 研一
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Abstract

【課題】表面の高い平滑度を容易に実現でき、かつリサイクル処理に優れた巻芯用紙管を提供する。
【解決手段】巻芯用紙管は、筒状の熱収縮フィルム3aを熱収縮させることによって原料紙管3の表面に密着させてなるものであり、前記原料紙管2は、その軸方向に対して非垂直方向に延在する複数本の溝4が、当該外表面21の少なくとも一部に設けられている。複数本の溝4は、原料紙管の軸方向に延在し、互いに平行かつ等間隔に設けられていることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶パネルに用いられる偏光フィルムやオーディオ・ビデオテープ用の磁気フィルムなどの薄膜フィルム又は新聞紙などの製紙の巻芯用シームレス紙管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、薄膜フイルムや新聞紙などの捲装物を巻き付ける巻芯用紙管としては、マンドレルに帯状原紙をらせん状に巻き付けて製造されるスパイラル紙管が一般的である。
【0003】
スパイラル紙管70は、図8複数枚の所定の幅を有する複数の帯状原紙72〜75の裏面に接着剤を塗布し、マンドレルにらせん状に巻回して各紙層を接着して製造される。このスパイラル紙管に薄膜フィルムなどを巻き付けると、その収縮力で紙管表面に強力な押圧力が加わり、紙管表面に凹凸77が生じ、いわゆる巻き締まり変形が発生することがある。特に、図9に示すように、帯状原紙の重なり部分71においては、紙管表面76にらせん状に延在する凹凸77が生じやすい。この紙管表面の凹凸77は、巻きはじめの薄膜フィルムに巻きつけ跡を生じさせ、この部分の薄膜フィルムが不良部分になるという問題の原因になる。
【0004】
この問題を解決するために、薄膜フィルム巻取り用などのスパイラル紙管には、紙管表面の平滑性を向上させるために、紙管表面を研磨処理しての凹凸を削り取ったり、紙管表面に樹脂層を設けて表面を平滑化するなどの種々の後処理が施されたシームレス紙管が広く用いられている。
【0005】
例えば、特開平8−12197号公報には、紙管表面に合成樹脂パテ層を形成し、表面の凹部を埋め込むことによって、紙管表面を平滑にする技術が開示されている。
【0006】
しかし、この紙管は、原料紙管表面に合成樹脂のパテを直接埋め込むため、紙管のリサイクル処理において問題を有する。すなわち、紙管を紙材料としてリサイクルするためには、紙管表面に接着されている合成樹脂層を削り取って当該樹脂層が剥離した紙管にするための工程が必要となる。また、半流動性の合成樹脂を塗布した後に、表面が平滑になるように合成樹脂パテを成形・研磨する必要があるため、紙管表面の平滑度を得ることが容易ではない。また、近年の科学技術の発展に伴い、フィルムも極薄化し、巻きつけ跡がつきやすくなってきているため、求められる紙管表面の平滑度のレベルは高まるばかりである。
【0007】
また、特開2000−272031号公報には、原料紙管に筒状の熱収縮フィルムを被せ、このフィルムを熱収縮させて原料紙管表面に密着させることにより紙管表面からの非発塵性を向上させたり、紙管表面の平滑度を高めて巻き取られるフィルムに巻きつけ跡を発生させないようにする技術が開示されている。
【0008】
この紙管は、原料紙管に熱収縮フィルムを収縮密着させており、両者が接着されているものではないため、熱収縮フィルム層を切断することにより簡単にこれを取り除くことができる。したがって、リサイクル処理において、処理工程を容易にすることができる。
【0009】
しかし、この紙管は、原料紙管の凹凸が熱収縮フィルムを通して直接紙管表面に出るという問題を有する。具体的には、帯状原紙の重なり部分の凹凸を削除したとしても原料紙管は粗面であるため、さらに表面を高精度に滑らかする必要がある。一方、あまりに表面を研磨すると、紙粉が発生しやすくなるため、この紙粉がフィルムと原料紙管との間に閉じ込められ、表面に凸部を作る原因にもなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、表面の高い平滑度を容易に実現でき、かつリサイクル処理に優れた巻芯用紙管を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の巻芯用紙管を提供する。
【0012】
巻芯用紙管は、筒状の熱収縮フィルムを熱収縮させることによって原料紙管の表面に密着させて構成されるものである。そして、前記原料紙管は、その軸方向に対して非垂直方向に延在する複数本の溝が、当該外表面の少なくとも一部に設けられている。溝は、直線溝であっても曲線溝であってもよい。
【0013】
上記構成において、原料紙管の外表面に設けられる溝は、原料紙管の軸方向に対して、非直角方向に延在し、例えば、直線溝の場合は、軸方向に平行に延在するものやらせん状に伸びるものがあげられる。溝は、複数設けられており、それぞれの溝は、平行かつ等間隔に設けられていることが好ましい。また、溝は、軸方向に対してはすべての部分において設けられている必要はないが、原料紙管の周方向に対しては全周にわたって設けられていることが好ましい。原料紙管に溝を設けるには、例えば、切刃を原料紙管の外表面に所定の圧力で押しつけるようにすることが好ましい。
【0014】
上記構成の巻芯用紙管は表面を平滑にすることができる。この理由は明確ではないが、以下の作用によるものであると考えられる。すなわち、原料紙管の外表面に溝を設けると、溝の凹みとともに溝の周囲にバリが発生し、溝に沿って延在する微小な凸部が生じる。熱収縮フィルムの収縮時において、熱収縮フィルムが原料紙管の周方向に収縮するため、隣り合う凸部間に存在する熱収縮フィルムは、均一に収縮し、原料紙管が元々有していた表面の凹凸の影響を受けにくくなる。すなわち、溝に沿って規則的に形成される2つの凸部間に位置する熱収縮フィルムは、周方向に収縮する際に凸部間において、収縮方向の張力が均一に加わり、平滑に収縮することができる。よって、熱収縮フィルムが均一に収縮するため、巻芯用紙管は、全体としてその外表面を平滑化することができる。
【0015】
また、外表面に設けられた溝によって、原料紙管と熱収縮フィルムとの間のすべりを防止することができ、巻芯用紙管に巻き取られた捲装物の巻締りにより熱収縮フィルムがずれたりしわになったりすることを防止することもできる。
【0016】
本発明の巻芯用紙管によれば、筒状の熱収縮フィルムの収縮時において、熱収縮フィルムが原料紙管の表面に規則的に設けられた凸部に接触して均一に張力が加わるため、熱収縮フィルムを平滑に収縮させることができる。また、溝により熱収縮フィルムと原料紙管との間のすべりを防止することができ、巻締りによる熱収縮フィルムのしわの発生などを防止することができる。
【0017】
本発明の巻芯用紙管は、具体的には以下のように種々の態様で構成することができる。
【0018】
好ましくは、複数本の溝は、前記原料紙管の軸方向に延在している。
【0019】
上述のように、熱収縮フィルムは周方向に収縮するため、溝が周方向と垂直な軸方向に延在することにより、熱収縮フィルムの収縮をより平滑にすることができる。また、捲装物による巻締りの力は周方向に働くため、巻締りの力に垂直な軸方向の溝が設けられていることにより熱収縮フィルムのすべりを効果的に防止することができる。
【0020】
好ましくは、前記原料紙管は、その最外層部を一部ずつ重なるように原紙が巻き取られることによって作成された紙管であって、前記重なりによって生じた凸部を削除した後に、前記複数本の溝を設けて構成される。
【0021】
上記構成において、前記原料紙管は、その最外層部を一部ずつ重なるように原紙が巻き取られることによって作成された紙管は、原紙の重なり部分にらせん状に延在する凸部を有しているため、この状態で熱収縮フィルムを収縮させると、平滑に熱収縮させることが困難となる。したがって、この凸部を削り落とすために外表面を研磨することが好ましい。一方、研磨に先立って溝を設けると、溝の周囲に規則的に形成される凸部を損傷し、熱収縮フィルムの収縮時において、熱収縮が均一に行なわれなくなる可能性がある。よって、上記構成によれば、熱収縮を均一に行わせることができ、外表面を平滑にすることができる。
【0022】
好ましくは、前記原料紙管は、含水率が10%以下である。
【0023】
上記構成において、原紙をらせん状に巻きまわして製造される原料紙管は、製造直後はおおむね25%程度の含水率を有しており、周囲の湿度などに応じて含水率が変化する。一般に含水率が低くなると、スパイラル紙管は小径化するという性質を有する。このため、熱収縮させ完成品とした後に原料紙管の含水率が少なくなると、原料紙管と熱収縮フィルムとの間に隙間が生じる。この隙間により、熱収縮フィルムの原料紙管への密着力が弱まり、熱収縮フィルムのすべりによって、しわが生じやすくなる。したがって、あらかじめ原料紙管の含水率を10%以下にすることにより、巻芯用紙管の含水率の変化に伴う小径化を防止し、熱収縮フィルムのしわの発生を防止することができる。
【0024】
好ましくは、前記筒状の熱収縮フィルムは、前記原料紙管の外径寸法の103〜150%の大きさの外径寸法を有している。
【0025】
本発明にかかる巻芯用紙管を製造するためには、原料紙管に筒状の熱収縮フィルムを被せた後に熱収縮させることが必要となる。したがって、熱収縮フィルムの外径寸法が原料紙管の外径寸法に比べて小さい場合は、熱収縮フィルムを被せにくく、製造工程を容易にすることが困難となる。一方、熱収縮フィルムの外径寸法が原料紙管の外径寸法に比べて顕著に大きくなると、熱収縮フィルムを原料紙管に密着させるために、フィルムの収縮量が大きくなり、収縮時にしわになりやすいという問題を有する。したがって、上記構成においては、熱収縮フィルムの外径寸法を原料紙管の外径寸法の103〜150%、好ましくは105〜120%程度の大きさにすることによって、製造を容易にすることができると共に、収縮時のしわの発生を防止することができる。
【0026】
また、本発明は、以下の巻芯用紙管の製造方法を提供する。
【0027】
巻芯用紙管の製造方法は、原料紙管に筒状の熱収縮フィルムを被せ、当該熱収縮フィルムを収縮させて熱収縮フィルムを原料紙管の表面に密着させてなる巻芯用紙管の製造方法であり、前記熱収縮フィルムを収縮させるステップは、筒状の熱収縮フィルムを被せた前記原料紙管が軸方向に移動可能に挿入できる寸法を有する内腔を備えたリング状で、熱風を吹出す熱風吹出口がその内周面全周にわたって設けられている熱風送風機を用い、前記熱風吹出口から熱風を吹き出させた状態で筒状の熱収縮フィルムを被せた前記原料紙管が、前記熱風送風機の内腔を通過することによりなされる。
【0028】
上記方法において、巻芯用紙管は、原料紙管に筒状の熱収縮フィルムを被せるステップと、熱風を当てることにより熱収縮フィルムを収縮させるステップとで構成される。そして、熱収縮フィルムを収縮させるステップにおいては、以下の構成の熱風送風機を用いる。
【0029】
熱風送風機は、リング状をしており、その内腔は熱収縮フィルムを被せた原料紙管が軸方向に移動可能に挿入できる寸法を有する。リング状の本体の内周面には、例えばスリット状の熱風吹出口が全周にわたって設けられている。熱風吹出口は、原料紙管の外周面に対して、原料紙管の移動方向に10〜40度傾斜して設けられていることが好ましい。熱風吹出口から熱風を吹出した状態で、熱収縮フィルムを被せた原料紙管がリング状の本体の内腔を通過させることにより、熱収縮フィルムは、周方向には均一に、軸方向には端から順次収縮するため、原料紙管と熱収縮フィルムの間に存在する空気を端に追い込むことができ、空気溜りを作ることなく原料紙管に密着させることができる。なお、この熱風送風機は、原料紙管の表面に溝を付していない巻芯用紙管の製造においても、好適に用いることができる。
【0030】
上記方法によれば、熱収縮フィルムの収縮工程において、熱収縮フィルムと原料紙管との間の空気溜りをなくすことができるため、フィルムにしわを発生させることがなく、巻芯用紙管の表面を平滑にすることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る巻芯用紙管について、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は、本発明にかかる巻芯用紙管の構成を示す概略図である。巻芯用紙管1は、原料紙管2に熱収縮フィルム3が被覆したものである。原料紙管2は、図8に示すように、最外層の帯状原紙をその一部が重なるようにらせん状に巻きつけた円筒形のスパイラル紙管を用いている。原料紙管2としては、研磨処理され、帯状原紙が重なり合って生じたらせん状に延在する凸部(図9、符号71参照)を削り取り、表面を平滑化したものであって、さらに、含水率を10%以下、好ましくは6%程度にするために乾燥処理を行ったものが用いられる。具体的には、シームレス紙管として広く一般的に用いられているものを乾燥処理したものなどが好適に使用できる。
【0033】
原料紙管2の外表面には、軸方向に直線状に延在する複数の溝4が設けられている。溝4は、原料紙管の外表面全体にわたって等間隔かつ平行に設けられる。溝4は、後述するように、切刃を原料紙管の外表面に所定の圧力で押しつけることにより設けられる。
【0034】
図2は、熱収縮フィルムを付していない状態の原料紙管の表面の拡大斜視図である。図2に示すように、原料紙管の外表面に等間隔かつ並行に設けられた複数の溝は、そのピッチMが1〜2mm程度になるようにすることが好ましい。本実施形態では、ピッチMが1.5mmとなるように溝4を設けている。
【0035】
また、図3に示すように、溝4の深さNは、おおむね0.2〜1.0mm程度になるようにすることが好ましい。本実施形態では、溝4の深さは0.3mmとなるように、溝4を設けている。
【0036】
このように、外表面に複数の溝4が設けられた原料紙管2に、筒状の熱収縮フィルムを被せ、収縮させることによって、原料紙管2の外表面に熱収縮フィルム層3を形成させる。熱収縮フィルムは、その厚みが50〜120μmのポリエチレンテレフタレート(PET)のフィルムが好適に用いられる。本実施形態では、引張り強さなどの理由により、厚さ100μmのPET製の熱収縮フィルムを用いている。熱収縮フィルムは厚いものを用いると、原料紙管2の表面の凹凸を吸収しやすくなる。
【0037】
本実施形態にかかる巻芯用紙管1は、外表面が平滑になるという効果を有する。これは熱収縮フィルム収縮させる工程において、以下に説明するような作用がはたらくためであると考えられる。この作用について図3を用いて説明する。図3は、熱収縮フィルムの収縮途中にある巻芯用紙管の要部断面拡大図である。
【0038】
原料紙管2の外表面21に溝4を設けると、溝4の凹みとともに溝の周囲に沿ってバリが発生し、原料紙管2の外表面21が連続する面から突き出した微小な凸部41が生じる。
【0039】
一方、熱収縮フィルムを収縮させる段階において、このフィルムは、軸方向に比べて周方向への収縮の割合が大きく、均一に過熱することにより均一に収縮する。そして、収縮がある程度進むと、図3に示すように、溝4に沿って生じた微小な凸部41に接触する。この凸部は互いに平行かつ直線状のものとして連続して存在するため、隣り合う2つの凸部41に接触したフィルム3は、矢印50及び51に示すように、この間で互いに均一な張力が加わり、均一に収縮し、原料紙管が元々有していた表面の凹凸の影響を受けにくくなる。さらに、収縮が進むと、フィルム3が原料紙管2の外表面21方向に付勢される力が大きくなり、溝4に沿って生じた凸部41は押しつぶされ、フィルムが十分に収縮されると、フィルム3の外表面31に凸部が浮き出ることがない。
【0040】
熱収縮フィルムが収縮することによって形成されるフィルム層は、原料紙管と接着させていないため、リサイクル時においては、熱収縮フィルムを切断することにより、これを簡単に除去することができる。したがって、リサイクルにおける処理を容易にすることができる。
【0041】
また、外表面に設けられた溝4によって、熱収縮フィルム層3がずれることがなく、捲装物の巻締りによって熱収縮フィルムにしわが発生することを防止することができる。また、外表面を熱収縮フィルムによって被覆されているため、紙粉の発生を防止することもできる。
【0042】
次に、本実施形態にかかる巻芯用紙管の製造方法について説明する。
【0043】
本実施形態にかかる巻芯用紙管は、原料紙管の乾燥、溝の形成、熱収縮フィルムの被覆及び収縮の各ステップを経て製造される。
【0044】
本実施形態では、原料紙管として、大和川紙工株式会社製のシームレス紙管(径φ96)を用いる。このシームレス紙管は、フィルムの巻芯用として用いられるものであり、表面の凹凸を研磨処理により削り落とし、表面に樹脂コーティングしたものである。
【0045】
まず、原料紙管として用いられるシームレス紙管を乾燥機に投入して、含水率が6%台になるまで乾燥する。すなわち、マンドレルによって帯状原紙をはりあわせた直後の紙管は、概ね含水率が25%であるといわれている。この紙管は放置することによって、内部の水分が蒸発して含水率が小さくなることが一般であるが、本実施形態では、これを乾燥機による強制乾燥で、含水率6%台にする。
【0046】
次に、乾燥工程を終えた原料紙管の外表面に軸方向に伸びる溝を形成する。図4は、溝の形成工程を説明するための図である。溝は、切刃を原料紙管の外表面に所定の圧力で押しつけるようにすることにより形成される。具体的には、原料紙管2の外表面にローラー形状の溝切機10を所定の圧力で押し付ける。ローラーには、複数の切刃42が平行に等間隔で設けられており、これを押しつけた状態で、原料紙管2を矢印52に示す方向に回転させると、原料紙管の外表面の全周にわたって溝4が形成される。原料紙管2がローラーの幅よりも長い場合は、矢印53に示す方向に溝切機10を移動させ、同様の作業を繰り返すことにより、原料紙管の外表面全体に溝を形成することができる。その後、好ましくは、原料紙管の表面をバキューム処理し、表面のごみや紙粉等を取り除く。
【0047】
なお、原料紙管の外表面に形成される溝は、軸方向に伸びる溝に限られず、図5(a)に示すように、軸方向に対して斜めに延在する溝4aであってもよい。また、図5(b)に示すように、原料紙管の外表面全体に形成されていなくてもよい。ただし、軸方向には溝4bが形成される領域22と形成されない領域23が存在してもよいが、原料紙管の周方向に対しては全周にわたって設けられていることが好ましい。
【0048】
次いで、溝を形成した原料紙管2に筒状の熱収縮フィルム3aを被せる。図6は、熱収縮フィルムの被覆工程を説明する概略図である。本実施形態では、原料紙管の外径寸法Aに対して、105%の径寸法Bを有する熱収縮フィルムを用いる。熱収縮フィルムの径寸法Bは、原料紙管の外径寸法Aに対して概ね103〜150%、好ましくは105〜120%、さらに好ましくは105〜110%であることが望ましい。これより小さい場合は、原料紙管2に被せる作業が困難になる一方、これより大きい場合は、フィルムの収縮量が大きくなり、収縮時にしわになりやすい。
【0049】
熱収縮フィルム3aを被覆した後、熱風により熱収縮フィルムを収縮させる。熱収縮フィルムの収縮には、リング状の熱風送風機を用いる。図7は、熱収縮フィルムの収縮工程を説明する概略図である。すなわち、円筒状の風防12の外面にリング状の熱風送風機13を取りつけ、熱収縮フィルム3aを被覆した原料紙管をその軸方向に送ることにより、端部より順番に熱収縮フィルムを収縮させる。
【0050】
円筒状の風防12及びこれに取りつけられたリング状の熱風送風機13は、それぞれ、熱収縮フィルム3aを被覆した原料紙管が通過できる程度の寸法を有する内腔15を備えている。また、熱風送風機13の内周面には、全周にわたって熱風を吹出すスリット状の熱風吹出口14が設けられている。熱風吹出口14は、原料紙管の外周面に対して、原料紙管の移動方向に10〜40度傾斜して設けられている。本実施形態においては、熱風吹出口14は15度の傾きを有している。このように熱風吹出口を斜めに設けることで、外部からの空気が風防の内腔15に流入することを防ぎ、内腔15内の温度を一定に保つことができる。
【0051】
原料紙管は、風防12の入口16から軸方向に挿入され、矢印55に示す方向に移動して、出口17から排出される。内腔15内では、熱風吹出口14からは熱収縮フィルムを収縮できる程度の温度を有した熱風が、全周方向から矢印56に示すように斜め向きに吹出している。熱風によって、熱収縮フィルムは、全周方向には均一に収縮すると共に、収縮位置3bが端から順次軸方向に移動する。したがって、熱収縮フィルム3aと原料紙管2との間に空気溜りを形成することなく、しっかりと熱収縮フィルム層3を密着させることができる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態にかかる巻芯用紙管は、原料紙管の表面に溝が形成されているため、熱収縮フィルムを均一に収縮させることができる。さらに、収縮工程においては、紙管の端から順次全周方向から熱風を吹き付けることによって、熱収縮フィルムと原料紙管の間に空気溜りの発生を防止することができる。したがって、熱収縮フィルムの外表面を滑らかにすることができ、極薄フィルムや新聞紙などの捲装物に巻きつけ跡を生じさせることがない。
【0053】
熱収縮フィルムが収縮することによって形成されるフィルム層は、原料紙管と接着させていないため、リサイクル時においては、熱収縮フィルムを切断することにより、これを簡単に除去することができる。したがって、リサイクル工程を容易にすることができる。
【0054】
さらに、原料紙管の表面に設けられた溝によって、捲装物の巻締りによって熱収縮フィルムがずれることを防止できる。また、外表面を熱収縮フィルムによって被覆されているため、紙粉が発生することもない。
【0055】
また、熱収縮フィルムを形成する前に、乾燥工程を行っているため、完成後に自然乾燥による含水率の低下に伴う原料紙管の小径化を防止することができ、熱収縮フィルムのずれなどを防止することができる。
【0056】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる巻芯用紙管の構成を示す概略図である。
【図2】熱収縮フィルムを付していない状態の原料紙管の表面の拡大斜視図である。
【図3】熱収縮フィルムの収縮途中にある巻芯用紙管の要部断面拡大図である。
【図4】溝の形成工程を説明するための図である。
【図5】溝の円在方向及び形成位置についての原料紙管の変形例である。
【図6】熱収縮フィルムの被覆工程を説明する概略図である。
【図7】熱収縮フィルムの収縮工程を説明する概略図である。
【図8】従来のスパイラル紙管の製造工程を示す概略図である。
【図9】従来のスパイラル紙管の構成を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 巻芯用紙管
2 原料紙管
3 熱収縮フィルム層
3a 筒状の熱収縮フィルム
4 溝
10 溝切機
12 風防
13 熱風送風機
14 熱風吹出し口
15 内腔
16 入口
17 出口

Claims (9)

  1. 筒状の熱収縮フィルムを熱収縮させることによって原料紙管の表面に密着させてなる巻芯用紙管であって、
    前記原料紙管は、その軸方向に対して非垂直方向に延在する複数本の溝が、当該外表面の少なくとも一部に設けられていることを特徴とする巻芯用紙管。
  2. 前記複数本の溝は、互いに平行かつ等間隔に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の巻芯用紙管。
  3. 前記複数本の溝は、前記原料紙管の軸方向に延在していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の巻芯用紙管。
  4. 前記原料紙管は、その最外層部を一部ずつ重なるように原紙が巻き取られることによって作成された紙管であって、前記重なりによって生じた凸部を削除した後に、前記複数本の溝を設けてなることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の巻芯用紙管。
  5. 前記原料紙管は、含水率が10%以下であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の巻芯用紙管。
  6. 前記筒状の熱収縮フィルムは、前記原料紙管の外径寸法の103〜150%の大きさの外径寸法を有していることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の巻芯用紙管。
  7. 前記筒状の熱収縮フィルムは、その厚みが50〜120μmのポリエチレンテレフタレートのフィルムで構成されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の巻芯用紙管。
  8. 原料紙管に筒状の熱収縮フィルムを被せ、当該熱収縮フィルムを収縮させて熱収縮フィルムを原料紙管の表面に密着させてなる巻芯用紙管の製造方法であって、
    前記熱収縮フィルムを収縮させるステップは、筒状の熱収縮フィルムを被せた前記原料紙管が軸方向に移動可能に挿入できる寸法を有する内腔を備えたリング状で、熱風を吹出す熱風吹出口がその内周面全周にわたって設けられている熱風送風機を用い、前記熱風吹出口から熱風を吹き出させた状態で筒状の熱収縮フィルムを被せた前記原料紙管が、前記熱風送風機の内腔を通過することによりなされることを特徴とする巻芯用紙管の製造方法。
  9. 前記熱風送風機の熱風吹出口は、前記原料紙管の外周面に対して、前記原料紙管の移動方向に10〜40度傾斜して設けられていることを特徴とする、請求項8に記載の巻芯用紙管の製造方法。
JP2002253309A 2002-08-30 2002-08-30 巻芯用紙管及びその製造方法 Pending JP2004091099A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5033260B1 (ja) * 2011-12-26 2012-09-26 エーアールシー株式会社 ラベルロール体
KR101815871B1 (ko) * 2015-11-16 2018-01-19 조재현 지관용 필름지 압착장치 및 그 압착방법
US10752464B2 (en) 2015-08-04 2020-08-25 Nine Ip Limited Fabric roll up core for carrying sheet material
CN112850370A (zh) * 2020-12-31 2021-05-28 上海恩捷新材料科技有限公司 一种锂电池隔膜收卷装置及工艺

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