JP2004090283A - 射出成形機の駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】進退部材の位置を保持するために駆動部に電流を供給し続ける必要がなく、射出成形機の消費電力を小さくすることができるようにする。
【解決手段】射出装置、可塑化移動装置、型締装置等の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って回転又は進退させられる進退部材と、駆動部と進退部材との間に配設され、駆動部を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、進退部材に伝達される反力によって発生させられた回転の入力を阻止する一方向回転入力機構とを有する。進退部材の位置を保持するために、駆動部を駆動状態に置く必要がなくなる。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、射出成形機においては、加熱シリンダ内において加熱され溶融させられた成形材料としての樹脂を、高圧で射出して金型装置のキャビティ空間に充填(てん)し、該キャビティ空間内において冷却して固化させることによって成形品を得ることができるようになっている。
【0003】
前記射出成形機は金型装置、型締装置及び射出装置を有し、前記型締装置は、固定プラテン及び可動プラテンを備え、型締用の駆動部によって可動プラテンを進退させることにより金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
【0004】
一方、前記射出装置は、樹脂を加熱して溶融させる加熱シリンダ、及び溶融させられた樹脂を射出する射出ノズルを備え、前記加熱シリンダ内にスクリューが回転自在に、かつ、進退自在に配設される。そして、該スクリューを、後端に配設された射出用の駆動部によって前進させることにより射出ノズルから樹脂が射出され、計量用の駆動部によって回転させることにより樹脂の計量が行われる。
【0005】
また、射出成形機においては、金型装置のキャビティ空間に可動子を臨ませて配設し、キャビティ空間内の樹脂を圧縮する成形品圧縮装置を有し、その場合、圧縮用の駆動部を駆動することによって可動子をキャビティ空間内において移動させ、成形品を圧縮することができる。また、射出成形機においては、射出ノズルを金型装置にノズルタッチさせるために可塑化移動装置を有し、可塑化移動用の駆動部を駆動することによって射出ノズルを所定のノズルタッチ力でノズルタッチさせて射出を行うことができる。
【0006】
図2は従来の射出装置の平面図、図3は従来の射出装置におけるスクリューに回転力が発生するメカニズムを説明する図である。
【0007】
図において、11は加熱シリンダであり、該加熱シリンダ11内には、進退部材としてのスクリュー12が回転自在に、かつ、進退(図3において左右方向に移動)自在に配設される。また、13は前記加熱シリンダ11の前端(図2において左端)に取り付けられた射出ノズルであり、該射出ノズル13に図示されないノズル口が形成される。そして、15は前記加熱シリンダ11の後端(図2において右端)の近傍の所定の位置に形成された樹脂供給口であり、該樹脂供給口15に図示されないホッパが取り付けられ、該ホッパにペレット状の樹脂30が収容される。
【0008】
前記スクリュー12は、スクリュー本体26、及び該スクリュー本体26の前端に取り付けられた図示されないスクリューヘッドを備え、スクリュー本体26の外周面にフライト23が螺(ら)旋状に形成され、該フライト23によって螺旋状の溝24が形成される。
【0009】
計量工程時に、前記スクリュー12を正方向に回転させると、ホッパから落下したペレット状の樹脂30が溝24内を前進(図3において左方に移動)させられ、加熱され、溶融させられる。それに伴って、スクリュー12が樹脂の圧力によって後退(図3において右方に移動)させられ、樹脂がスクリューヘッドの前方に蓄えられる。
【0010】
射出工程時に、前記スクリュー12を前進させると、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。このとき、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂が逆流しないように、スクリューヘッドの周囲に図示されない逆流防止装置が配設される。
【0011】
ところで、前記加熱シリンダ11の後端は前方射出サポート31に取り付けられ、該前方射出サポート31と所定の距離を置いて後方射出サポート32が配設される。また、前記前方射出サポート31と後方射出サポート32との間にガイドバー33が架設され、該ガイドバー33に沿ってプレッシャプレート34が進退(図2において左右方向に移動)自在に配設される。なお、前記前方射出サポート31及び後方射出サポート32は、図示されないボルトによって図示されないスライドベースに固定される。
【0012】
また、前記スクリュー12の後端に、ドライブシャフト35が一体的に取り付けられる。該ドライブシャフト35は、ベアリング36によってプレッシャプレート34に対して回転自在に、かつ、軸方向に移動不能に支持される。そして、スクリュー12を回転させるために、第1のモータとしての電動の計量用モータ41が配設され、該計量用モータ41とドライブシャフト35との間に、プーリ42、43及びタイミングベルト44から成る第1の伝動ユニットが配設される。したがって、前記計量用モータ41を駆動することによって、ドライブシャフト35を正方向又は逆方向に回転させ、スクリュー12を正方向又は逆方向に回転させることができる。
【0013】
また、前記プレッシャプレート34より後方(図2において右方)に、互いに螺合させられたボールねじ軸45及びボールナット46から成るボールねじ47が配設され、該ボールねじ47によって回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が構成される。そして、前記ボールねじ軸45はベアリング48によって後方射出サポート32に対して回転自在に支持され、前記ボールナット46はスクリュー12に作用する射出力及び反力を検出するための検出部としてのロードセル52を介してプレッシャプレート34に固定される。
【0014】
さらに、ドライブシャフト35を進退させるために、第2のモータとしての電動の射出用モータ53が配設され、該射出用モータ53とボールねじ軸45との間に、プーリ54、55及びタイミングベルト56から成る第2の伝動ユニットが配設される。したがって、前記射出用モータ53を駆動し、ボールねじ軸45を正方向又は逆方向に回転させることによって、ボールナット46及びプレッシャプレート34を移動させ、ドライブシャフト35を進退させるとともに、スクリュー12を進退させることができる。この場合、プレッシャプレート34を貫通してガイドバー33が延在させられるので、射出用モータ53を駆動することよって発生させられ、ボールナット46に作用する回転力はドライブシャフト35に伝達されない。すなわち、ボールナット46からプレッシャプレート34に作用する回転力は、ガイドバー33によって拘束され、前記ドライブシャフト35に伝達されない。なお、前記計量用モータ41及び射出用モータ53としてサーボモータが使用される。
【0015】
前記構成の射出装置において、計量工程時に、前記計量用モータ41を駆動し、スクリュー12を正方向に回転させると、ホッパから落下した樹脂30が樹脂供給口15を介して加熱シリンダ11内に進入し、溝24内を前進させられ、溶融させられた樹脂がスクリューヘッドの前方に蓄えられる。そして、それに伴って、スクリュー12が後退させられる。
【0016】
射出工程時に、前記射出用モータ53を駆動し、スクリュー12を前進させると、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、金型装置のキャビティ空間に充填される。
【0017】
ところで、前記射出工程においては、スクリュー12を前進させようとすると、樹脂供給口15を介して加熱シリンダ11内に進入したペレット状の樹脂30によって反力が発生させられる。そして、該反力の軸方向分力Fsは、スクリュー12を押し返そうとし、前記反力の径方向分力Frは、スクリュー12を逆方向に回転させようとする。
【0018】
そこで、前記計量用モータ41は、射出工程において、スクリュー12が回転させられないように、駆動され、駆動状態に置かれてスクリュー12の回転方向の位置を保持する。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の射出装置においては、射出工程においてスクリュー12の回転方向の位置を保持するために、計量用モータ41が駆動状態に置かれるので、計量用モータ41に電流を供給し続ける必要がある。その結果、射出装置の消費電力が大きくなってしまう。
【0020】
また、型締装置においては、射出工程において型締用の駆動部を駆動することによって可動プラテンを進退させ、型締力を保持する必要があるが、従来の型締装置においては、その保持を維持する場合、型締力によって発生する反力に対して型締用の駆動部を駆動し続ける必要がある。その結果、型締装置の消費電力が大きくなってしまう。
【0021】
さらに、成形品圧縮装置においては、型締工程において圧縮用の駆動部を駆動することによって可動子をキャビティ空間内に移動させ、成形品が設定した圧縮力に達した後はその圧縮力を保持する必要があるが、従来の成形品圧縮装置では、その保持を維持する場合、圧縮力によって発生する反力に対して成形品圧縮用の駆動部を駆動し続ける必要がある。その結果、成形品圧縮装置の消費電力が大きくなってしまう。
【0022】
また、可塑化移動装置においては、可塑化移動用の駆動装置を駆動することによって射出ノズルを金型装置に所定のノズルタッチ力でノズルタッチさせて射出を行うようになっているが、従来の可塑化移動装置においては、ノズルタッチ力を維持する場合、ノズルタッチ力によって発生する反力に対してブレーキ付きの可塑化移動用の駆動部が必要となったり、可塑化移動用の駆動部を駆動し続ける必要がある。その結果、可塑化移動装置が高価になったり、可塑化移動装置の消費電力が大きくなったりしてしまう。
【0023】
本発明は、前記従来の射出成形機の問題点を解決して、進退部材の位置を保持するために駆動部に電流を供給し続ける必要がなく、射出成形機の消費電力を小さくすることができる射出成形機の駆動装置を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の射出成形機の駆動装置においては、射出部材を駆動する射出装置の駆動部と、射出装置を進退させる可塑化移動装置の駆動部と、金型装置を駆動する型締装置の駆動部と、前記射出装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って回転又は進退させられる射出装置の進退部材と、前記可塑化移動装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って進退させられる可塑化移動装置の進退部材と、前記型締装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って進退させられる型締装置の進退部材と、前記射出部材、可塑化移動装置及び型締装置のうちの少なくとも一つにおいて、駆動部と進退部材との間に配設され、駆動部を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、前記進退部材に伝達される反力によって発生させられた回転の入力を阻止する一方向回転入力機構とを有する。
【0025】
本発明の他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記射出装置は、加熱シリンダ内に回転自在に、かつ、進退自在に配設され、前記進退部材を構成するスクリュー、該スクリューを回転させ、前記駆動部を構成する計量用モータ、及び該計量用モータの回転を前記スクリューに伝達する回転伝達機構を備える。そして、前記一方向回転入力機構は、前記スクリューと前記回転伝達機構との間、又は前記計量用モータと前記回転伝達機構との間に配設される。
【0026】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記計量用モータは射出工程時に駆動が停止させられる。
【0027】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記射出装置は、加熱シリンダ内に回転自在に、かつ、進退自在に配設され、前記進退部材を構成するスクリュー、該スクリューを進退させ、前記駆動部を構成する射出用モータ、及び該射出用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部を備える。そして、前記一方向回転入力機構は、前記射出用モータと前記運動方向変換部との間に配設される。
【0028】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記射出用モータと前記運動方向変換部との間に、前記射出用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を有する。そして、前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記射出用モータと前記回転伝達機構との間に配設される。
【0029】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記射出用モータは保圧工程時に駆動が停止させられる。
【0030】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記型締装置は、固定プラテン、該固定プラテンに対し進退自在に配設され、前記進退部材を構成する可動プラテン、該可動プラテンを進退させ、前記駆動部を構成する型締用モータ、及び該型締用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部を備える。そして、前記一方向回転入力機構は、前記型締用モータと前記運動方向変換部との間に配設される。
【0031】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記型締用モータと前記運動方向変換部との間に、前記型締用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を有する。そして、前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記型締用モータと前記回転伝達機構との間に配設される。
【0032】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記型締用モータは型締工程時の型締めを保持する際に駆動が停止させられる。
【0033】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記型締装置のプラテンに、金型、該金型内にキャビティ空間に臨ませて配設され、前記進退部材を構成する可動子、該可動子を進退させ、前記駆動部を構成する圧縮用モータ、及び該圧縮用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が配設される。そして、前記一方向回転入力機構は、前記圧縮用モータと前記運動方向変換部との間に配設される。
【0034】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記圧縮用モータと前記運動方向変換部との間に、前記圧縮用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を備える。そして、前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記圧縮用モータと前記回転伝達機構との間に配設される。
【0035】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、圧縮力を検出する圧縮力検出部を有する。そして、前記圧縮用モータは、圧縮力が設定値に達すると駆動が停止させられる。
【0036】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記可塑化移動装置は、前記射出装置を前記金型装置に向かって進退自在に支持した前記進退部材を構成する移動部材、該移動部材を進退させ、前記駆動部を構成する可塑化移動用モータ、及び該可塑化移動用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部を備える。そして、前記一方向回転入力機構は、前記可塑化移動用モータと前記運動方向変換部との間に配設される。
【0037】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、前記可塑化移動用モータと前記運動方向変換部との間に、前記可塑化移動用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を有する。そして、前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記可塑化移動用モータと前記回転伝達機構との間に配設される。
【0038】
本発明の更に他の射出成形機の駆動装置においては、さらに、ノズルタッチ力を検出するノズルタッチ力検出部を有する。そして、前記可塑化移動用モータは、ノズルタッチ力が閾値を超えると駆動が停止させられる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、射出成形機に配設された駆動装置について説明する。
【0040】
図1は本発明の第1の実施の形態における射出成形機の概略図、図4は本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達部の概略図、図5は本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達部の動作を示す第1の図、図6は本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達部の動作を示す第2の図である。
【0041】
図において、11はシリンダ部材としての加熱シリンダであり、該加熱シリンダ11内には、射出部材及び進退部材としての図示されないスクリューが回転自在に、かつ、進退自在に配設される。また、13は前記加熱シリンダ11の前端(図1において左端)に取り付けられた射出ノズルであり、該射出ノズル13に図示されないノズル口が形成される。そして、15は前記加熱シリンダ11の後端(図1において右端)の近傍の所定の位置に形成された樹脂供給口であり、該樹脂供給口15に図示されないホッパが取り付けられ、該ホッパに成形材料としてのペレット状の樹脂30(図3参照)が収容される。
【0042】
前記スクリューは、スクリュー本体、及び該スクリュー本体の前端に取り付けられたスクリューヘッドを備え、スクリュー本体の外周面にフライトが螺旋状に形成され、該フライトによって螺旋状の溝が形成される。
【0043】
計量工程時に、前記スクリューを正方向に回転させると、ホッパから落下したペレット状の樹脂30が溝内を前進させられ、加熱され、溶融させられる。それに伴って、スクリューが樹脂の圧力によって後退させられ、樹脂がスクリューヘッドの前方に蓄えられる。
【0044】
射出工程時に、前記スクリューを前進させると、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。このとき、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂が逆流しないように、スクリューヘッドの周囲に図示されない逆流防止装置が配設される。
【0045】
ところで、前記加熱シリンダ11の後端は前方射出サポート31に取り付けられ、該前方射出サポート31と所定の距離を置いて後方射出サポート32が配設される。また、前記前方射出サポート31と後方射出サポート32との間にガイドバー33が架設され、該ガイドバー33に沿って、スクリューを支持する支持部材としてのプレッシャプレート34が進退(図1において左右方向に移動)自在に配設される。なお、前記前方射出サポート31及び後方射出サポート32は、図示されないボルトによって図示されないスライドベースに固定される。
【0046】
また、前記スクリューの後端に、ドライブシャフト35が一体的に取り付けられる。該ドライブシャフト35は、ベアリング36によってプレッシャプレート34に対して回転自在に、かつ、軸方向に移動不能に支持される。そして、スクリューを回転させるために、計量用の駆動部としての電動の計量用モータ41が配設され、該計量用モータ41とスクリュー及びドライブシャフト35との間に、計量用モータ41を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、前記スクリューに伝達される反力によって発生させられた回転のプーリ42からの入力を阻止する一方向回転入力機構としての連結アッセンブリ61、並びにプーリ42、43及びタイミングベルト44から成る回転伝達機構としての第1の伝動ユニットが配設される。したがって、前記計量用モータ41を駆動することによって、ドライブシャフト35を正方向又は逆方向に回転させ、スクリューを正方向又は逆方向に回転させることができる。
【0047】
また、前記プレッシャプレート34より後方(図1において右方)に、互いに螺合させられた第1の変換要素としてのボールねじ軸45及び第2の変換要素としてのボールナット46から成るボールねじ47が配設され、該ボールねじ47によって回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が構成される。そして、前記ボールねじ軸45はベアリング48によって後方射出サポート32に対して回転自在に支持され、前記ボールナット46は射出力及び反力を検出するための検出部としてのロードセル52を介してプレッシャプレート34に固定される。
【0048】
なお、運動方向変換部としてボールねじ47に代えてローラねじを使用することもでき、その場合、該ローラねじは、第1の変換要素としてのローラねじ軸、及び該ローラねじ軸と螺合させられた第2の変換要素としてのローラナットから成る。
【0049】
さらに、ドライブシャフト35を進退させるために、射出用の駆動部としての電動の射出用モータ53が後方射出サポート32にブラケットB1を介して取り付けられ、該射出用モータ53とボールねじ軸45との間に、プーリ54、55及びタイミングベルト56から成る回転伝達機構としての第2の伝動ユニットが配設される。したがって、前記射出用モータ53を駆動し、ボールねじ軸45を正方向又は逆方向に回転させることによってボールナット46及びプレッシャプレート34を移動させ、ドライブシャフト35を進退させるとともに、スクリューを進退させることができる。この場合、プレッシャプレート34を貫通してガイドバー33が延在させられるので、射出用モータ53を駆動することよって発生させられ、ボールナット46に作用する回転力はドライブシャフト35に伝達されない。すなわち、ボールナット46からプレッシャプレート34に作用する回転力は、ガイドバー33によって拘束され、前記ドライブシャフト35に伝達されない。なお、前記計量用モータ41及び射出用モータ53としてサーボモータが使用される。
【0050】
次に、前記連結アッセンブリ61について図4〜6を参照して説明する。
【0051】
該連結アッセンブリ61は、本体部62、入力軸63、出力軸64、及び噛(し)合機構としてのクラッチ機構65を備え、本実施の形態において、前記本体部62はプレッシャプレート34にブラケットBを介して取り付けられ、入力軸63と前記計量用モータ41の図示されない出力軸とが連結され、出力軸64とプーリ42とが連結される。また、前記本体部62は、筒状部60、及び該筒状部60の両端に配設された図示されない円板状部から成り、前記クラッチ機構65は、本体部62によって包囲される。
【0052】
そして、前記クラッチ機構65は、本体部62に対して回転自在に配設され、前記入力軸63と連結された入力側の回転体としての入力部材66、本体部62に対して回転自在に配設され、出力軸64と連結された出力側の回転体としての出力部材69、並びに筒状部60、入力部材66及び出力部材69によって包囲される楔(くさび)体としてのころユニット71を備える。
【0053】
前記出力部材69は、多角形、本実施の形態においては、8角形の形状を有し、円周方向において8個の平坦(たん)部としての辺81、及び各辺81を連結する8個の突出部としての稜82を備え、各稜82より径方向内方に、各稜82に対応させて非係止部としての穴83が形成される。また、前記入力部材66は、前記各稜82より径方向外方に、各稜82に対応させて配設された噛合解除部材としての押圧片67、及び前記穴83に係止させて、穴83より径の小さい係止部としての伝動ピン68を備える。
【0054】
さらに、前記ころユニット71は、各辺81と筒状部60の内周面との間に配設された回転楔部材としての第1、第2のころ72、73、及び第1、第2のころ72、73間に第1、第2のころ72、73を互いに遠ざけるように配設された付勢部材としてのスプリング74を備える。
【0055】
前記構成の連結アッセンブリ61は、入力軸63及び出力軸64のどちらからも回転が伝達されない中立状態において、図5に示されるような状態を採り、各稜82及び押圧片67は同じ位相角度上に置かれ、伝動ピン68の外周面と穴83の内周面との間に、環状の均一な隙(すき)間85が形成され、第1、第2のころ72、73はスプリング74の付勢力によって、辺81と筒状部60の内周面との間に押し付けられ、かつ、第1、第2のころ72、73と隣接する各押圧片67との間に隙間86、87が形成される。
【0056】
この中立状態において、入力軸63及び入力部材66に、図5の矢印A方向の回転が伝達されると、出力部材69に対して入力部材66が時計回りに回転させられ、図6に示されるように、伝動ピン68が穴83内を移動して出力部材69に当接するとともに、押圧片67が第1のころ72に当接し、第1のころ72はスプリング74の付勢力に抗して第2のころ73側に移動させられる。その結果、ころユニット71による楔作用が解除されるので、出力部材69は本体部62に対して自由に回転することができるようになる。そして、出力軸64は入力軸63と同じ方向に回転させられる。このように、連結アッセンブリ61は入力軸63を介して回転が入力されるのを許容する。
【0057】
同様に、前記中立状態において、入力軸63及び入力部材66に、図5の矢印B方向の回転が伝達されると、出力部材69に対して入力部材66が反時計回りに回転させられ、伝動ピン68が穴83内を移動して出力部材69に当接するとともに、押圧片67が第2のころ73に当接し、第2のころ73はスプリング74の付勢力に抗して第1のころ72側に移動させられる。その結果、ころユニット71による楔作用が解除されるので、出力部材69は本体部62に対して自由に回転することができるようになる。そして、出力軸64は入力軸63と同じ方向に回転させられる。このように、連結アッセンブリ61は入力軸63を介して回転が入力されるのを許容する。
【0058】
これに対して、出力軸64及び出力部材69に、図5の矢印A方向の回転が伝達されると、伝動ピン68に対して出力部材69が時計回りに回転しようとするが、出力部材69と筒状部60との間に介在している第1、第2のころ72、73によって回転が阻止され、図5に示されるように、各押圧片67は第1、第2のころ72、73のどちらにも当接せず、隙間86、87が形成されたままになるので、第1、第2のころ72、73は、スプリング74の付勢力によって、辺81と筒状部60の内周面との間に押し付けられた状態を維持する。その結果、ころユニット71による楔作用は解除されず、入力部材66は本体部62に対して回転することができず、連結アッセンブリ61は出力軸64を介して回転が入力されるのを阻止する。
【0059】
同様に、出力軸64及び出力部材69に、図5の矢印B方向の回転が伝達されると、伝動ピン68に対して出力部材69が反時計回りに回転しようとするが、出力部材69と筒状部60との間に介在している第1、第2のころ72、73によって回転が阻止され、図5に示されるように、各押圧片67は第1、第2のころ72、73のどちらにも当接せず、隙間86、87が形成されたままになるので、第1、第2のころ72、73は、スプリング74の付勢力によって、辺81と筒状部60の内周面との間に押し付けられた状態を維持する。その結果、ころユニット71による楔作用は解除されず、入力部材66は本体部62に対して回転することができず、連結アッセンブリ61は出力軸64を介して回転が入力されるのを阻止する。
【0060】
次に、前記構成の射出装置の動作について説明する。
【0061】
まず、計量工程時に、図示されない制御部の計量処理手段が、計量処理を行い、前記計量用モータ41を駆動すると、計量用モータ41によって発生させられた回転は連結アッセンブリ61に入力され、連結アッセンブリ61から出力され、プーリ42、タイミングベルト44、プーリ43及びドライブシャフト35を介してスクリューに伝達され、スクリューを正方向に回転させる。このとき、ホッパから落下した樹脂が樹脂供給口15を介して加熱シリンダ11内に進入し、溝内を前進させられ、溶融させられた樹脂がスクリューヘッドの前方に蓄えられる。それに伴って、スクリューが樹脂の圧力によって後退させられる。
【0062】
次に、射出工程時に、前記制御部の射出処理手段は、射出処理を行い、前記計量用モータ41を停止させるとともに、前記射出用モータ53を駆動し、スクリューを前進させると、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、金型装置のキャビティ空間に充填される。
【0063】
ところで、前記射出工程においては、スクリューを前進させようとすると、樹脂供給口15を介して加熱シリンダ11内に進入したペレット状の樹脂30によって反力が発生させられ、スクリューに伝達される。前記反力の軸方向分力Fsは、スクリューを押し返そうとし、前記反力の径方向分力Frは、スクリューを逆方向に回転させようとする。
【0064】
そして、径方向分力Frがスクリューを逆方向に回転させようとすると、ドライブシャフト35、プーリ43、タイミングベルト44及びプーリ42を介して連結アッセンブリ61に回転が入力しようとするが、連結アッセンブリ61は、プーリ42からの回転の入力を阻止する。
【0065】
したがって、連結アッセンブリ61から計量用モータ41に逆方向の回転が伝達されないだけでなく、スクリューは逆方向に回転しないので、スクリューの回転方向の位置が保持される。
【0066】
このように、連結アッセンブリ61によってプーリ42からの回転の入力が阻止されるので、射出工程においてスクリューの回転方向の位置を保持するために、計量用モータ41を駆動状態に置く必要がなくなる。したがって、計量用モータ41に電流を供給し続ける必要がないので、射出成形機の消費電力を小さくすることができる。また、計量用モータ41の温度が上昇するのを防止することができる。
【0067】
そして、スクリューを回転させる必要があるとき以外は、計量用モータ41を非制御状態に置くことができるので、制御部による計量用モータ41の駆動制御を簡素化することができる。
【0068】
本実施の形態において、連結アッセンブリ61は、計量用モータ41の回転を伝達する回転伝達系において第1の伝動ユニットより上流側に配設されるが、第1の伝動ユニットより下流側に配設することもできる。
【0069】
ところで、本実施の形態においては、射出工程時に、前記射出用モータ53を駆動し、スクリューを前進させると、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、金型装置のキャビティ空間に充填されるが、充填された樹脂が冷却されることによって収縮すると、成形品にひけ、ショート等の成形不良が発生してしまう。そこで、射出工程が完了すると、保圧工程を開始し、該保圧工程において、前記射出用モータ53を駆動状態に置き、射出用モータ53に電流を供給し続けるようにしている。その結果、射出用モータ53における消費電力が大きくなってしまう。
【0070】
そこで、射出用モータ53における消費電力を小さくすることができるようにした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0071】
図7は本発明の第2の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【0072】
この場合、ドライブシャフト35を進退(図において左右方向に移動)させるために、射出用の駆動部としての電動の射出用モータ53が配設され、該射出用モータ53と第1の変換要素としてのボールねじ軸45との間に、プーリ54、55及びタイミングベルト56から成る回転伝達機構としての第2の伝動ユニット、及び射出用モータ53を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、射出部材及び進退部材としての図示されないスクリューに伝達される反力によって発生させられた回転のボールねじ軸45からの入力を阻止する一方向回転入力機構としての連結アッセンブリ61が配設される。したがって、前記射出用モータ53を駆動し、ボールねじ軸45を正方向又は逆方向に回転させることによって第2の変換要素としてのボールナット46及び支持部材としてのプレッシャプレート34を進退させ、ドライブシャフト35を進退させるとともに、進退部材としてのスクリューを進退させることができる。
【0073】
また、前記連結アッセンブリ61は、本体部62、入力軸63、出力軸64、及び噛合機構としてのクラッチ機構65(図5)を備え、本実施の形態において、前記本体部62は後方射出サポート32にブラケットBを介して取り付けられ、入力軸63とプーリ55とが連結され、出力軸64とボールねじ軸45とが連結される。
【0074】
したがって、射出工程時に、図示されない制御部の射出処理手段は、射出処理を行い、前記射出用モータ53を駆動すると、回転がプーリ54、タイミングベルト56及びプーリ55を介して連結アッセンブリ61に伝達され、更にボールねじ軸45に伝達されてボールねじ軸45を正方向に回転させる。そして、運動方向変換部としてのボールねじ47において運動方向が回転運動から直進運動に変換され、ボールナット46が前進(図において左方に移動)させられ、スクリューが前進させられる。したがって、スクリューヘッドの前方に蓄えられた樹脂は、射出ノズル13から射出され、図示されない金型装置のキャビティ空間に充填される。
【0075】
そして、スクリューが前進限位置に到達すると、保圧工程が開始され、前記制御部の保圧処理手段は、保圧処理を行い、キャビティ空間内の樹脂を所定の保圧力に保持する。要するに、保圧処理手段は、キャビティ空間内の樹脂を所定の保持力に保持するために、キャビティ空間内に樹脂が過充填された場合には、ロードセル52の検出値に従って射出用モータ53を逆回転させて前記所定の保持力になるように制御し、キャビティ空間内の樹脂が冷却によって収縮された場合には、ロードセル52の検出値に従って射出用モータ53を正回転させて前記所定の保持力になるように制御する。そして、キャビティ空間内の樹脂が所定の保持力に制御された場合には、前記射出用モータ53の駆動を停止させる。したがって、過充填された場合であっても樹脂が加熱シリンダ11側に戻され、また、充填された樹脂が冷却されることによって収縮しても、前記保圧力によってその分の樹脂がキャビティ空間に供給されるので、成形品にバリ、ひけ、ショート等の成形不良が発生するのを防止することができる。なお、本実施の形態においては、計量用モータ41はブラケットB2を介してプレッシャプレート34に取り付けられ、入力軸63にプーリ42が取り付けられる。
【0076】
ところで、前記射出用モータ53の駆動を停止させると、スクリューヘッドより前方の樹脂は、所定の反力でスクリューを押し返そうとし、前記反力は、ドライブシャフト35、プレッシャプレート34及び検出部としてのロードセル52を介してボールナット46に伝達され、ボールねじ47においてボールねじ軸45を逆方向に回転させようとする。その結果、連結アッセンブリ61に回転が入力しようとするが、連結アッセンブリ61は、ボールねじ軸45からの回転の入力を阻止する。
【0077】
したがって、連結アッセンブリ61から射出用モータ53に逆方向の回転が伝達されないだけでなく、スクリューは後退しないので、スクリューの位置、すなわち、スクリュー位置が保持され、保圧力が保持される。
【0078】
このように、連結アッセンブリ61によってボールねじ軸45からの回転の入力が阻止されるので、保圧工程において保圧力が所定の保持力に制御されている場合、射出用モータ53を駆動状態に置く必要がなくなる。また、樹脂の冷却及び収縮によって保圧力が変動した場合、変動分の補正の動作のみで保圧力の保持が可能になる。したがって、射出用モータ53に電流を供給し続ける必要がないので、消費電力を小さくすることができる。そして、射出用モータ53の温度が上昇するのを防止することができる。
【0079】
また、スクリューを前進又は後退させる必要があるとき以外は、射出用モータ53を非制御状態に置くことができるので、制御部による射出用モータ53の駆動制御を簡素化することができる。
【0080】
そして、保圧力によって発生する反力を射出用モータ53のトルクによって保持する必要がないので、射出用モータ53の容量を大きくする必要がない。その結果、射出用モータ53の慣性を小さくすることができ、射出用モータ53の応答性が高くなる。
【0081】
本実施の形態において、連結アッセンブリ61は、射出用モータ53の回転を伝達する回転伝達系において第2の伝動ユニットより下流側に配設されるが、第2の伝動ユニットより上流側に配設することもできる。
【0082】
次に、本発明を型締装置に適用した第3の実施の形態について説明する。
【0083】
図8は本発明の第3の実施の形態における射出成型機の概略図である。
【0084】
図において、110は第1のプラテンとしての固定プラテン、131は該固定プラテン110に取り付けられた第1の金型としての固定金型、112は該固定プラテン110と対向させて配設されたベースプレートとしてのトグルサポートであり、前記固定プラテン110とトグルサポート112との間にタイバー113が架設される。
【0085】
また、111は該タイバー113に沿って進退(図において左右方向に移動)自在に配設された第2のプラテンとしての可動プラテン、132は該可動プラテン111に取り付けられた第2の金型としての可動金型であり、前記タイバー113に沿って前記可動プラテン111を摺(しゅう)動させることによって、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きを行うことができる。そのために、前記トグルサポート112と可動プラテン111との間に型締機構としてのトグル機構115が配設され、該トグル機構115は型締用の駆動部としての型締用モータ125によって作動させられ、前記可動プラテン111を進退させる。なお、前記固定金型131及び可動金型132によって金型装置が構成され、固定プラテン110、可動プラテン111、トグルサポート112、トグル機構115、型締用モータ125等によって型締装置が構成される。
【0086】
前記トグル機構115は、前記トグルサポート112に対して揺動自在に支持されたトグルレバー118、該トグルレバー118と可動プラテン111とを連結し、トグルレバー118及び可動プラテン111に対して揺動自在に支持されたアーム119、型締力を発生させるために移動させられる進退部材及び移動部材としてのクロスヘッド121、並びに前記トグルレバー118とクロスヘッド121とを連結し、トグルレバー118及びクロスヘッド121に対して揺動自在に支持されたトグルレバー122から成る。また、前記型締用モータ125としてサーボモータが使用される。
【0087】
ところで、前記クロスヘッド121を進退させるために、クロスヘッド121に隣接させて、互いに螺合させられた第1の変換要素としてのボールねじ軸145及び第2の変換要素としてのボールナット146から成るボールねじ147が配設され、該ボールねじ147によって回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が構成される。そして、前記ボールねじ軸145はベアリング148によってトグルサポート112に対して回転自在に支持され、前記ボールナット146はクロスヘッド121に固定される。
【0088】
なお、運動方向変換部としてボールねじ147に代えてローラねじを使用することもでき、その場合、該ローラねじは、第1の変換要素としてのローラねじ軸、及び該ローラねじ軸と螺合させられた第2の変換要素としてのローラナットから成る。
【0089】
そして、前記型締用モータ125とボールねじ軸145との間に、型締用モータ125を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、クロスヘッド121に伝達される反力によって発生させられた回転のプーリ155からの入力を阻止する一方向回転入力機構としての連結アッセンブリ61、並びに、プーリ154、155及びタイミングベルト156から成る回転伝達機構としての伝動ユニットが配設される。
【0090】
したがって、前記型締用モータ125を駆動し、ボールねじ軸145を正方向又は逆方向に回転させることによってボールナット146及びクロスヘッド121を進退させ、トグル機構115を作動させ、可動プラテン111を進退させることができる。その結果、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。
【0091】
すなわち、前記型締め時において、型締装置は所定の型締力によって固定金型131に対して可動金型132を押し付け、固定金型131と可動金型132との間に図示されないキャビティ空間を形成する。そして、射出装置の射出ノズル13(図1)から溶融させられた樹脂が射出され、前記キャビティ空間に充填される。
【0092】
前記連結アッセンブリ61は、本体部62、入力軸63、出力軸64、及び噛合機構としてのクラッチ機構65(図5)を備え、本実施の形態において、前記本体部62はトグルサポート112にブラケットBを介して取り付けられ、入力軸63とプーリ155とが連結され、出力軸64とボールねじ軸145とが連結される。
【0093】
したがって、型閉じ時に、図示されない制御部の型閉じ処理手段は、型閉じ処理を行い、前記型締用モータ125を駆動すると、回転がプーリ154、タイミングベルト156及びプーリ155を介して連結アッセンブリ61に伝達され、更にボールねじ軸145に伝達されてボールねじ軸145を正方向に回転させる。そして、ボールねじ147において運動方向が回転運動から直進運動に変換され、ボールナット146が前進(図において右方に移動)させられ、クロスヘッド121が前進させられる。したがって、トグル機構115が作動させられ、可動プラテン111が前進させられて型閉じが行われる。
【0094】
続いて、型締用モータ125が更に駆動されて所定の型締力が発生させられ、該型締力によって可動金型132が固定金型131に押し付けられ、型締めが行われる。そして、型締力検出部としてのロードセル152等によって検出された型締力が設定値以上になると、前記型締め処理手段は、型締用モータ125の駆動を停止させて、型締力を保持する。
【0095】
ところで、前記型締用モータ125の駆動を停止させると、固定金型131は所定の反力で可動金型132を押し返そうとし、前記反力は、可動プラテン111、トグル機構115及びクロスヘッド121を介してボールナット146に伝達され、ボールねじ147においてボールねじ軸145を逆方向に回転させようとする。その結果、連結アッセンブリ61に回転が入力しようとするが、連結アッセンブリ61は、ボールねじ軸145からの回転の入力を阻止する。
【0096】
したがって、連結アッセンブリ61から型締用モータ125に逆方向の回転が伝達されないだけでなく、クロスヘッド121の位置が保持され、可動プラテン111は後退しないので、型締力が保持される。
【0097】
このように、連結アッセンブリ61によってボールねじ軸145からの回転の入力が阻止されるので、型締め時において型締力を保持するために、型締用モータ125を駆動状態に置く必要がなくなる。したがって、型締用モータ125に電流を供給し続ける必要がないので、消費電力を小さくすることができる。また、型締用モータ125の温度が上昇するのを防止することができる。
【0098】
また、可動プラテン111を進退させる必要があるとき以外は、型締用モータ125を非制御状態に置くことができるので、制御部による型締用モータ125の駆動制御を簡素化することができる。
【0099】
そして、型締力を型締用モータ125のトルクによって保持する必要がないので、型締用モータ125の容量を大きくする必要がない。その結果、型締用モータ125の慣性を小さくすることができ、型締用モータ125の応答性が高くなる。
【0100】
本実施の形態において、連結アッセンブリ61は、型締用モータ125の回転を伝達する回転伝達系において伝動ユニットより下流側に配設されるが、伝動ユニットより上流側に配設することもできる。
【0101】
次に、本発明を圧縮装置に適用した第4の実施の形態について説明する。
【0102】
図9は本発明の第4の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【0103】
この場合、11はシリンダ部材としての加熱シリンダ、13は加熱シリンダ11の前端(図において左端)に取り付けられた射出ノズル、110は第1のプラテンとしての固定プラテン、111は該固定プラテン110に対して進退(図において左右方向に移動)自在に配設された第2のプラテンとしての可動プラテン、131は前記固定プラテン110に取り付けられた第1の金型としての固定金型、132は前記可動プラテン111に取り付けられ、前記固定金型131に対して接離自在に配設された第2の金型としての可動金型である。前記固定金型131にはスプルー200が形成される。
【0104】
前記可動金型132は、前記固定金型131と対向させて配設された型板201、前記可動プラテン111に取り付けられた受け板202、及び前記型板201と受け板202との間に配設され、型板201と受け板202との間に所定の空間を形成するスペーサ203を備える。なお、固定金型131及び可動金型132によって金型装置が、固定プラテン110、可動プラテン111等によって型締装置が構成される。
【0105】
ところで、該型締装置を作動させることによって、金型装置の型閉じ、型締め及び型開きが行われる。すなわち、可動プラテン111が前進(図において右方に移動)させられ、型閉じ及び型締めが行われ、それに伴って、前記固定金型131と可動金型132との間にキャビティ空間Cが形成される。続いて、射出装置の射出ノズル13から成形材料としての樹脂が射出されると、樹脂はスプルー200を通り、キャビティ空間Cに充填され、該キャビティ空間C内の樹脂が、冷却され、成形品になる。
【0106】
ところで、前記樹脂がキャビティ空間Cに進入した後の所定のタイミングで、圧縮装置205が作動させられ、所定の圧縮力で樹脂が加圧され、圧縮される。そのために、前記型板201と受け板202との間に形成された前記空間に、固定金型131に対して進退自在に圧縮プレート213が配設され、該圧縮プレート213に可動子及び進退部材としての圧縮ピン212が取り付けられる。該圧縮ピン212は型板201を貫通して延び、前端(図において右端)がキャビティ空間Cに臨ませられる。そして、前記圧縮ピン212の周囲には、前端を型板201に、後端(図において左端)を圧縮プレート213に当接させて付勢部材としてのリターンスプリング214が配設され、前記圧縮ピン212を後方(図において左方)に向けて付勢する。
【0107】
また、前記圧縮プレート213の後方には、前端を圧縮プレート213の後端面(図において左端面)に当接させて圧縮ロッド215が進退自在に配設され、該圧縮ロッド215の後端に、圧縮力を検出する圧縮力検出部としてのロードセル217を介して、圧縮力を発生させるために移動させられる進退部材及び移動部材としてのクロスヘッド216が取り付けられる。
【0108】
そして、該クロスヘッド216を進退させるために、圧縮用の駆動部としての圧縮用モータ225が配設される。なお、該圧縮用モータ225としてサーボモータが使用される。
【0109】
ところで、前記クロスヘッド216を進退させるために、可動プラテン111の後端面に4本(図においては2本だけを示す。)の案内部材としてのガイドロッド231が後方に向けて延在させて取り付けられ、前記クロスヘッド216はガイドロッド231に沿って進退自在に配設される。また、前記ガイドロッド231における後端部(図において左端部)の所定の位置に、第1の支持部材としての支持プレート232が、該支持プレート232より後方に第2の支持部材としての支持プレート233が配設され、ガイドロッド231に取り付けられる。
【0110】
そして、クロスヘッド216と支持プレート232との間に、互いに螺合させられた第1の変換要素としてのボールねじ軸245及び第2の変換要素としてのボールナット246から成るボールねじ247が配設され、該ボールねじ247によって回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が構成される。そのために、前記ボールねじ軸245はベアリング248によって支持プレート232に対して回転自在に支持され、前記ボールナット246は取付部材234を介してクロスヘッド216に固定される。
【0111】
なお、運動方向変換部としてボールねじ247に代えてローラねじを使用することもでき、その場合、該ローラねじは、第1の変換要素としてのローラねじ軸、及び該ローラねじ軸と螺合させられた第2の変換要素としてのローラナットから成る。
【0112】
そして、前記圧縮用モータ225とボールねじ軸245との間に、プーリ254、255及びタイミングベルト256から成る回転伝達機構としての伝動ユニット、並びに圧縮用モータ225を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、クロスヘッド216に伝達される反力によって発生させられた回転のボールねじ軸245からの入力を阻止する一方向回転入力機構としての連結アッセンブリ61が配設される。
【0113】
したがって、図示されない制御部の圧縮処理手段は、圧縮処理を行い、前記圧縮用モータ225を駆動し、ボールねじ軸245を正方向又は逆方向に回転させることによってボールナット246及びクロスヘッド216を進退させ、更に圧縮ロッド215及び圧縮プレート213を介して圧縮ピン212を進退させる。その結果、圧縮ピン212を前進させることによって、キャビティ空間C内の樹脂を加圧し圧縮することができる。なお、前記圧縮用モータ225、プーリ254、255、タイミングベルト256、連結アッセンブリ61、ボールねじ247等によって圧縮負荷を発生させる圧縮負荷発生部が構成される。また、圧縮ピン212、圧縮プレート213、圧縮ロッド215、クロスヘッド216、連結アッセンブリ61、圧縮用モータ225等によって圧縮装置205が構成される。
【0114】
前記連結アッセンブリ61は、本体部62、入力軸63、出力軸64、及び噛合機構としてのクラッチ機構65(図5)を備え、本実施の形態において、前記本体部62は支持プレート233に図示されないブラケットを介して取り付けられ、入力軸63とプーリ255とが連結され、出力軸64とボールねじ軸245とが連結される。
【0115】
したがって、キャビティ空間Cに樹脂が充填された後の所定のタイミングで、前記圧縮用モータ225を駆動すると、回転がプーリ254、タイミングベルト256及びプーリ255を介して連結アッセンブリ61に伝達され、更にボールねじ軸245に伝達されてボールねじ軸245を正方向に回転させる。そして、ボールねじ247において運動方向が回転運動から直進運動に変換され、ボールナット246が前進させられ、クロスヘッド216が前進させられる。したがって、圧縮ピン212が前進させられ、樹脂が加圧され、圧縮される。
【0116】
次に、可動プラテン111が後退(図において左方に移動)させられ、型開きが行われる。このとき、成形品は可動金型131側に残るが、型開きが開始された後の所定のタイミングで図示されないエジェクタ装置が作動させられ、エジェクタピンが前進させられ、成形品が離型させられ、突き出される。
【0117】
ところで、前記圧縮用モータ225を駆動して、圧縮ピン212を前進させ、キャビティ空間C内の樹脂を圧縮すると、樹脂の反力が圧縮ピン212、圧縮プレート213及び圧縮ロッド215を介してロードセル217に伝達される。そこで、前記圧縮処理手段は、ロードセル217によって検出された圧縮力が設定値に達しているかどうかを判断し、圧縮力が設定値に達した場合に前記圧縮用モータ225の駆動を停止させる。このとき、前記反力は、更にクロスヘッド216及び取付部材234を介してボールナット246に伝達され、ボールねじ247においてボールねじ軸245を逆方向に回転させようとする。その結果、連結アッセンブリ61に回転を入力しようとするが、連結アッセンブリ61は、ボールねじ軸245からの回転の入力を阻止する。
【0118】
したがって、連結アッセンブリ61から圧縮用モータ225に逆方向の回転が伝達されないだけでなく、クロスヘッド216の位置が保持され、圧縮ピン212は後退しないので、圧縮力が保持される。また、樹脂の冷却及び収縮によって圧縮力が変動した場合、その変動分の補正の動作のみで圧縮力の保持が可能になる。
【0119】
このように、連結アッセンブリ61によってボールねじ軸245からの回転の入力が阻止されるので、圧縮力を保持するために圧縮用モータ225を駆動状態に置く必要がなくなる。したがって、圧縮用モータ225に電流を供給し続ける必要がないので、消費電力を小さくすることができる。そして、圧縮用モータ225の温度が上昇するのを防止することができる。
【0120】
また、圧縮ピン212を進退させる必要があるとき以外は、圧縮用モータ225を非制御状態に置くことができるので、制御部による圧縮用モータ225の駆動制御を簡素化することができる。
【0121】
そして、圧縮力を圧縮用モータ225のトルクによって保持する必要がないので、圧縮用モータ225の容量を大きくする必要がない。その結果、圧縮用モータ225の慣性を小さくすることができ、圧縮用モータ225の応答性が高くなる。
【0122】
本実施の形態において、連結アッセンブリ61は、圧縮用モータ225の回転を伝達する回転伝達系において伝動ユニットより下流側に配設されるが、伝動ユニットより上流側に配設することもできる。
【0123】
ところで、前記射出装置においては、射出ノズル13を固定金型131に所定のノズルタッチ力で当接させるようになっていて、そのために、可塑化移動装置が配設される。そして、該可塑化移動装置は、可塑化移動用モータとしてブレーキ付きのモータ又はサーボモータを備え、該可塑化移動用モータを駆動することによってノズルタッチを行うとともに、その後も、ブレーキを作動させたり、サーボモータを駆動し続けて、ノズルタッチ力を保持するようにしている。
【0124】
ところが、ブレーキ付きのモータにおいては、一つの成形サイクルで、型締力等に対向させてノズルタッチ力を変化させるようにした場合、ブレーキを多数回作動させる必要があり、ブレーキの寿命が短くなってしまう。
【0125】
また、サーボモータにおいては、ノズルタッチ力を保持するために、サーボモータを駆動し続ける必要があるので、サーボモータにおける消費電力が多くなってしまう。そこで、可塑化移動用モータにおける消費電力を小さくすることができるようにした本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0126】
図10は本発明の第5の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【0127】
図において、301は射出成形機フレーム、110は該射出成形機フレーム301に取り付けられた第1のプラテンとしての固定プラテン、111は該固定プラテン110と対向させて配設された第2のプラテンとしての可動プラテン、131は前記固定プラテン110に取り付けられた第1の金型としての固定金型、132は前記可動プラテン111に取り付けられ、前記固定金型131に対して接離自在に配設された第2の金型としての可動金型である。
【0128】
また、302は射出装置、303は該射出装置302を射出成形機フレーム301に対して進退(図において左右方向に移動)自在に支持し、かつ、ノズルタッチを行う可塑化移動装置である。
【0129】
前記射出装置302は、シリンダ部材としての加熱シリンダ11、該加熱シリンダ11の前端(図において左端)に取り付けられた射出ノズル13、前記加熱シリンダ11内において回転自在に、かつ、進退自在に配設された射出部材としての図示されないスクリュー、該スクリューを回転させたり、進退させたりするための駆動部ユニット314を備える。
【0130】
また、射出装置302を支持するとともに、射出装置302を進退させるために進退部材及び移動部材としてのスライドベース312が配設され、該スライドベース312を進退させるための可塑化移動用の駆動部としての可塑化移動用モータ325が配設される。
【0131】
ところで、前記スライドベース312を進退させるために、射出成形機フレーム301上に案内部材としてのレール316が配設され、スライドベース312の下端に配設されたスライダ317がレール316に載置される。また、前記射出成形機フレーム301上の射出装置302より後方(図において右方)の所定の箇所に、固定プレート326が取り付けられ、前記スライドベース312と固定プレート326との間に、ノズルタッチ力を蓄えるノズルタッチ力蓄積部331、並びに互いに螺合させられた第1の変換要素としてのボールねじ軸345及び第2の変換要素としてのボールナット346から成るボールねじ347が配設され、該ボールねじ347によって回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が構成される。そのために、前記ボールねじ軸345はベアリング348によって固定プレート326に対して回転自在に支持され、前記ボールナット346はノズルタッチ力蓄積部331に固定される。
【0132】
また、該ノズルタッチ力蓄積部331は、ボールナット346に取り付けられ、ボールねじ軸345を進退自在に案内する案内ロッド332、該案内ロッド332の周囲に配設され、前端をスライドベース312に当接させ、後端(図において右端)をボールナット346に当接され、該ボールナット346を後方に向けて付勢する付勢部材としてのスプリング333等を備える。
【0133】
なお、運動方向変換部としてボールねじ347に代えてローラねじを使用することもでき、その場合、該ローラねじは、第1の変換要素としてのローラねじ軸、及び該ローラねじ軸と螺合させられた第2の変換要素としてのローラナットから成る。
【0134】
そして、前記可塑化移動用モータ325とボールねじ軸345との間に、可塑化移動用モータ325を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、スライドベース312に伝達される反力によって発生させられた回転のボールねじ軸345からの入力を阻止する一方向回転入力機構としての連結アッセンブリ61が配設される。したがって、前記可塑化移動用モータ325を駆動し、ボールねじ軸345を正方向又は逆方向に回転させることによってボールナット346及びスライドベース312を進退させることができる。
【0135】
前記連結アッセンブリ61は、本体部62、入力軸63、出力軸64、及び噛合機構としてのクラッチ機構65(図5)を備え、本実施の形態において、前記本体部62は固定プレート326に取り付けられ、入力軸63と可塑化移動用モータ325とが連結され、出力軸64とボールねじ軸345とが連結される。
【0136】
なお、前記スライドベース312、可塑化移動用モータ325、連結アッセンブリ61、ノズルタッチ力蓄積部331、ボールねじ347等によって可塑化移動装置303が構成される。
【0137】
したがって、図示されない制御部の可塑化移動処理手段は、可塑化移動処理を行い、可塑化移動用モータ325を駆動し、ボールねじ軸345を正方向に回転させることによって、スライドベース312を前進(図において左方に移動)させ、射出ノズル13を固定金型131に当接させ、所定のノズルタッチ力でノズルタッチを行う。そして、前記可塑化移動処理手段は、前記可塑化移動用モータ325を更に駆動し、ボールねじ軸345を更に正方向に回転させると、ボールナット346がスプリング333の付勢力に抗して前進させられ、スプリング333の付勢力に対向するノズルタッチ力を保持することができる。
【0138】
ところで、前記可塑化移動用モータ325を駆動して、ボールナット346を前進させると、ノズルタッチ力蓄積部331において所定のノズルタッチ力が発生させられる。そして、前記スライドベース312の所定の箇所には、スライドベース312に対するボールナット346の位置を検出するノズルタッチ力検出部としての図示されない位置センサが配設され、該位置センサは、スプリング333の圧縮に伴って変化するボールナット346の位置を検出し、該位置に基づいてノズルタッチ力を検出する。
【0139】
そこで、前記可塑化移動処理手段は、位置センサによって検出されたノズルタッチ力が閾値を超えたかどうかを判断し、ノズルタッチ力が閾値を超えたときに前記可塑化移動用モータ325の駆動を停止させる。このとき、前記スプリング333による付勢力は、反力になってボールナット346に伝達され、ボールねじ347においてボールねじ軸345を逆方向に回転させようとする。その結果、連結アッセンブリ61に回転を入力しようとするが、連結アッセンブリ61は、ボールねじ軸345からの回転の入力を阻止する。
【0140】
したがって、連結アッセンブリ61から可塑化移動用モータ325に逆方向の回転が伝達されないだけでなく、スライドベース312の位置は保持され、後退しないので、ノズルタッチ力が保持される。
【0141】
このように、連結アッセンブリ61によってボールねじ軸345からの回転の入力が阻止されるので、ノズルタッチ力を保持するために可塑化移動用モータ325を駆動状態に置く必要がなくなる。したがって、可塑化移動用モータ325に電流を供給し続ける必要がないので、消費電力を小さくすることができる。そして、可塑化移動用モータ325の温度が上昇するのを防止することができる。
【0142】
また、スライドベース312を進退させる必要があるとき以外は、可塑化移動用モータ325を非制御状態に置くことができるので、制御部による可塑化移動用モータ325の駆動制御を簡素化することができる。
【0143】
そして、圧縮力を可塑化移動用モータ325のトルクによって保持する必要がないので、可塑化移動用モータ325の容量を大きくする必要がない。その結果、可塑化移動用モータ325の慣性を小さくすることができ、可塑化移動用モータ325の応答性が高くなる。
【0144】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0145】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、射出成形機の駆動装置においては、射出部材を駆動する射出装置の駆動部と、射出装置を進退させる可塑化移動装置の駆動部と、金型装置を駆動する型締装置の駆動部と、前記射出装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って回転又は進退させられる射出装置の進退部材と、前記可塑化移動装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って進退させられる可塑化移動装置の進退部材と、前記型締装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って進退させられる型締装置の進退部材と、前記射出部材、可塑化移動装置及び型締装置のうちの少なくとも一つにおいて、駆動部と進退部材との間に配設され、駆動部を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、前記進退部材に伝達される反力によって発生させられた回転の入力を阻止する一方向回転入力機構とを有する。
【0146】
この場合、前記駆動部と進退部材との間に一方向回転入力機構が配設され、該一方向回転入力機構は、前記駆動部を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、進退部材に伝達される反力によって発生させられた回転の入力を阻止する。
【0147】
したがって、進退部材の位置を保持するために、駆動部を駆動状態に置く必要がなくなる。その結果、駆動部に電流を供給し続ける必要がないので、射出成形機の消費電力を小さくすることができる。そして、駆動部の温度が上昇するのを防止することができる。
【0148】
また、進退部材を移動させる必要があるとき以外は、駆動部を非制御状態に置くことができるので、制御部による駆動部の駆動制御を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【図2】従来の射出装置の平面図である。
【図3】従来の射出装置におけるスクリューに回転力が発生するメカニズムを説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達部の概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達部の動作を示す第1の図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態における駆動力伝達部の動作を示す第2の図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【図9】本発明の第4の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態における射出成形機の概略図である。
【符号の説明】
41  計量用モータ
42、43、54、55、154、155、254、255  プーリ
44、56、156、256  タイミングベルト
47、147、247、347  ボールねじ
53  射出用モータ
61  連結アッセンブリ
110  固定プラテン
111  可動プラテン
112  トグルサポート
115  トグル機構
121、216  クロスヘッド
125  型締用モータ
205  圧縮装置
212  圧縮ピン
217  ロードセル
225  圧縮用モータ
302  射出装置
312  スライドベース
325  可塑化移動用モータ
C  キャビティ空間

Claims (15)

  1. (a)射出部材を駆動する射出装置の駆動部と、
    (b)射出装置を進退させる可塑化移動装置の駆動部と、
    (c)金型装置を駆動する型締装置の駆動部と、
    (d)前記射出装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って回転又は進退させられる射出装置の進退部材と、
    (e)前記可塑化移動装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って進退させられる可塑化移動装置の進退部材と、
    (f)前記型締装置の駆動部を駆動することによって回転が発生させられ、それに伴って進退させられる型締装置の進退部材と、
    (g)前記射出部材、可塑化移動装置及び型締装置のうちの少なくとも一つにおいて、駆動部と進退部材との間に配設され、駆動部を駆動するのに伴って発生させられた回転の入力を許容し、前記進退部材に伝達される反力によって発生させられた回転の入力を阻止する一方向回転入力機構とを有することを特徴とする射出成形機の駆動装置。
  2. (a)前記射出装置は、加熱シリンダ内に回転自在に、かつ、進退自在に配設され、前記進退部材を構成するスクリュー、該スクリューを回転させ、前記駆動部を構成する計量用モータ、及び該計量用モータの回転を前記スクリューに伝達する回転伝達機構を備え、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記スクリューと前記回転伝達機構との間、又は前記計量用モータと前記回転伝達機構との間に配設される請求項1に記載の射出成形機の駆動装置。
  3. 前記計量用モータは射出工程時に駆動が停止させられる請求項2に記載の射出成形機の駆動装置。
  4. (a)前記射出装置は、加熱シリンダ内に回転自在に、かつ、進退自在に配設され、前記進退部材を構成するスクリュー、該スクリューを進退させ、前記駆動部を構成する射出用モータ、及び該射出用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部を備え、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記射出用モータと前記運動方向変換部との間に配設される請求項1に記載の射出成形機の駆動装置。
  5. (a)前記射出用モータと前記運動方向変換部との間に、前記射出用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を有するとともに、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記射出用モータと前記回転伝達機構との間に配設される請求項4に記載の射出成形機の駆動装置。
  6. 前記射出用モータは保圧工程時に駆動が停止させられる請求項4又は5に記載の射出成形機の駆動装置。
  7. (a)前記型締装置は、固定プラテン、該固定プラテンに対し進退自在に配設され、前記進退部材を構成する可動プラテン、該可動プラテンを進退させ、前記駆動部を構成する型締用モータ、及び該型締用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部を備えるとともに、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記型締用モータと前記運動方向変換部との間に配設される請求項1に記載の射出成形機の駆動装置。
  8. (a)前記型締用モータと前記運動方向変換部との間に、前記型締用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を有するとともに、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記型締用モータと前記回転伝達機構との間に配設される請求項7に記載の射出成形機の駆動装置。
  9. 前記型締用モータは型締工程時の型締めを保持する際に駆動が停止させられる請求項7又は請求項8に記載の射出成形機の駆動装置。
  10. (a)前記型締装置のプラテンに、金型、該金型内にキャビティ空間に臨ませて配設され、前記進退部材を構成する可動子、該可動子を進退させ、前記駆動部を構成する圧縮用モータ、及び該圧縮用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部が配設され、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記圧縮用モータと前記運動方向変換部との間に配設される請求項1に記載の射出成形機の駆動装置。
  11. (a)前記圧縮用モータと前記運動方向変換部との間に、前記圧縮用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を備え、(b)前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記圧縮用モータと前記回転伝達機構との間に配設される請求項10に記載の射出成形機の駆動装置。
  12. (a)圧縮力を検出する圧縮力検出部を有するとともに、(b)前記圧縮用モータは、圧縮力が設定値に達すると駆動が停止させられる請求項10又は11に記載の射出成形機の駆動装置。
  13. (a)前記可塑化移動装置は、前記射出装置を前記金型装置に向かって進退自在に支持した前記進退部材を構成する移動部材、該移動部材を進退させ、前記駆動部を構成する可塑化移動用モータ、及び該可塑化移動用モータの回転の回転運動を直進運動に変換する運動方向変換部を備え、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記可塑化移動用モータと前記運動方向変換部との間に配設される請求項1に記載の射出成形機の駆動装置。
  14. (a)前記可塑化移動用モータと前記運動方向変換部との間に、前記可塑化移動用モータの回転を前記運動方向変換部に伝達する回転伝達機構を有するとともに、
    (b)前記一方向回転入力機構は、前記運動方向変換部と前記回転伝達機構との間、又は前記可塑化移動用モータと前記回転伝達機構との間に配設される請求項13に記載の射出成形機の駆動装置。
  15. (a)ノズルタッチ力を検出するノズルタッチ力検出部を有するとともに、
    (b)前記可塑化移動用モータは、ノズルタッチ力が閾値を超えると駆動が停止させられる請求項13又は14に記載の射出成形機の駆動装置。
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