JP2004085605A - カラートナー - Google Patents

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Abstract

【課題】非磁性一成分現像装置に使用した場合であっても、ブレードへの融着がみられず、かつ非オフセット域が広く、透過性にも優れたカラートナーを提供すること。
【解決手段】各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマーの混合物及びワックスを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られるテトラヒドロフラン不溶分が35%以下のハイブリッド樹脂を結着樹脂として含有してなるカラートナーであって、前記ワックスが、融点70〜90℃、かつ針入度5〜9のポリエチレンワックス又はフィッシャートロプシュワックスであるカラートナー。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるカラートナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、フルカラー画像形成装置の小型化に対する要求にともない、キャリアが不要な非磁性1成分現像装置が好ましく用いられている。しかし、非磁性1成分現像装置では、トナーがブレードにより強く押圧されるため、ブレードへのトナー融着が発生しやすい。
【0003】
さらに、カラートナーでは透明性の観点から、シャープメルトかつ低温定着可能なトナーが求められており、トナー融着と相反する特性の調整が重要な課題となっている。
【0004】
また、低温定着性に優れたトナーは高温オフセットを発生しやすく、定着ロールにオイルを塗布することで対処可能であるが、装置が大型化するため、装置のオイルレス化も強く望まれている。
【0005】
このような状況下で、結着樹脂やワックスの物性規定により両者の相溶性を調整したトナー、例えば、
軟化点が90〜120℃の線型ポリエステルとカルナバワックスを用いたフルカラートナー(特開平8−220808号公報)、
互いに相溶する軟化点の異なる樹脂とワックスからなるカラートナー(特開平9−106105号公報)、
ポリエステルとワックスの溶融粘度を規定したカラートナー(特開平9−304964号公報)、
結着樹脂とワックスの酸価を規定したイエロートナー(特開平10−268572号公報)、
軟化点が90〜120℃のポリエステルとライスワックス、カルナバワックス及びシリコーンオイルを含有したカラートナー(特開平10−293425号公報)、
互いに非相溶性で海島状の相分離構造を有する、2種以上の樹脂とワックスとを含有したカラートナー(特開2002−82488号公報)
等が報告されており、それなりの効果は得られているものの、さらなる向上が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非磁性一成分現像装置に使用した場合であっても、ブレードへの融着がみられず、かつ非オフセット域が広く、透過性にも優れたカラートナーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマーの混合物及びワックスを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られるテトラヒドロフラン不溶分が35%以下のハイブリッド樹脂を結着樹脂として含有してなるカラートナーであって、前記ワックスが、融点70〜90℃、かつ針入度5〜9のポリエチレンワックス又はフィッシャートロプシュワックスであるカラートナーに関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のカラートナーに含有されているハイブリッド樹脂は、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマー、好ましくは縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーの混合物、及びワックスを混合し、該二つの重合反応を、好ましくは同一反応容器中で行わせることにより得られる。
【0009】
縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、これらの中ではポリエステルが好ましい。
【0010】
ポリエステルの原料モノマーとしては、2価以上の多価アルコールと2価以上の多価カルボン酸化合物が挙げられる。
【0011】
2価の多価アルコールとしては、例えばポリオキシプロピレン(2.2) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.0) −2,2 −ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、1,2 −プロピレングリコール、1,4 −ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0012】
3価以上の多価アルコールとしては、例えばソルビトール、ペンタエリスリトール、グリセロール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0013】
本発明において、これらの2価以上の多価アルコールは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0014】
また、2価のカルボン酸化合物としては、例えばマレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸等のジカルボン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基または炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、及びこれらの酸の無水物、もしくは低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。好ましくは、マレイン酸、フマル酸、テレフタル酸、炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸が用いられる。
【0015】
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、例えば1,2,4 −ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7 −ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸及びこれらの酸無水物、低級アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらのうち、トリメリット酸及びその酸無水物が安価で、反応制御が容易であるため、好ましく用いられる。
【0016】
本発明において、これらの2価以上の多価カルボン酸化合物は単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0017】
ポリエステルを形成する際には、ジブチル錫オキシド等のエステル化触媒を適宜使用することができる。
【0018】
また、ポリエステル・ポリアミド又はポリアミド中のアミド成分を形成するために用いる原料モノマーとしては、公知の各種ポリアミン、アミノカルボン酸類、アミノアルコール等が挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミン及びε−カプロラクタムである。
【0019】
なお、以上の原料モノマーには、通常開環重合モノマーに分類されるものも含まれているが、これらは、他のモノマーの縮合反応で生成する水等の存在により加水分解して縮合に供されるため、広義には縮重合系樹脂の原料モノマーに含まれると考えられる。
【0020】
付加重合系樹脂の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニル系樹脂等が挙げられる。
【0021】
ビニル系樹脂の原料モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン化合物;エチレン、プロピレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン類;ブタジエン等のジオレフィン類;塩化ビニル等のハロビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)アクリル酸のアルキル(炭素数1〜18)エステル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のエチレン性モノカルボン酸のエステル;ビニルメチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニリデンクロリド等のビニリデンハロゲン化物;N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等が挙げられ、スチレン及び/又は(メタ)アクリル酸のアルキルエステルが、50重量%以上、好ましくは80〜100重量%含有されていることが望ましい。
【0022】
なお、ビニル系樹脂の原料モノマーを重合させる際には、重合開始剤、架橋剤等を必要に応じて使用してもよい。
【0023】
本発明においては、縮重合系樹脂の付加重合系樹脂に対する重量比、即ち縮重合系樹脂の原料モノマーの付加重合系樹脂の原料モノマーに対する重量比は、連続相が縮重合系樹脂であることが好ましいことから、50/50〜95/5が好ましく、60/40〜95/5がより好ましい。
【0024】
本発明におけるハイブリッド樹脂には、二つの重合系樹脂の原料モノマーに加えてさらに、二つの重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物(両反応性化合物)が用いられているのが好ましい。両反応性化合物は、分子内に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、第1級アミノ基および第2級アミノ基からなる群より選ばれた少なくとも1種の官能基と、エチレン性不飽和結合とを有する化合物であることが好ましく、このような両反応性化合物を用いることにより、分散相となる樹脂の分散性を向上させることができる。両反応性化合物の具体例としては、例えば、アクリル酸、フマル酸、メタクリル酸、シトラコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられ、これらのなかではアクリル酸、メタクリル酸及びフマル酸が好ましい。
【0025】
両反応性化合物の使用量は、縮重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して0.3〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましい。なお、両反応性化合物は、単独の反応系ではそれ自体縮重合系樹脂又は付加重合系樹脂のいずれかの原料モノマーとして用いることができるものの、両反応性化合物は、本発明ではその性能の特異性から、縮重合系樹脂モノマー、付加重合系樹脂モノマーとは別のモノマーとして扱う。従って、縮重合系原料モノマーと付加重合系原料モノマーの重量比においても、両反応性化合物はいずれのモノマーにも含まれない。
【0026】
本発明におけるワックスは、融点70〜90℃、かつ針入度5〜9のポリエチレンワックス又はフィッシャートロプシュワックスである。このように、低融点かつ針入度が大きい、即ち柔らかいワックスは、通常、耐久性等の観点から積極的に用いられないが、本発明では、分子中に疎水性の異なる樹脂成分を有するハイブリッド樹脂と組み合わせることにより、樹脂に対するワックスの相溶性が向上する。さらに、ハイブリッド樹脂の製造時にワックスを原料モノマーとともに反応容器に添加し、原料モノマーを重合させているため、一般に困難と考えられている低融点ワックスの高分散も可能となる。これにより、本発明のトナーは、非オフセット域を広げることができ、かつ、耐久性及び透明性にも優れる。
【0027】
ポリエチレンワックスとしては、酸価が3mgKOH/g以下のものが好ましい。
【0028】
フィッシャートロプシュワックスは、石炭より合成石油を炭化水素合成法により製造する際に副生成物として得られるワックスで、市販品としては、サゾール社製のサゾールワックスが挙げられる。また、これとは別に、天然ガスを出発原料として得られるフィッシャートロプシュワックスもあり、かかるワックスは、低分子量成分の含有量が少なく、耐熱性に優れている。フィッシャートロプシュワックスの酸価は、3mgKOH/g以下が好ましい。
【0029】
ポリエチレンワックス及びフィッシャートロプシュワックスの融点は、非オフセット域の広さ、耐久性及び透明性の観点から、70〜90℃であり、好ましくは75〜85℃である。
【0030】
また、ポリエチレンワックス及びフィッシャートロプシュワックスの針入度は、非オフセット域の広さ、耐久性及び透明性の観点から、5〜9であり、好ましくは6〜9である。
【0031】
ワックスの使用量は、二つの重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、1〜25重量部が好ましく、1〜15重量部がより好ましく、5〜15重量部が特に好ましい。
【0032】
本発明において、ハイブリッド樹脂は、以上の原料モノマー混合物及びワックス、さらに必要に応じて両反応性化合物を用いて、該二つの重合反応を行わせることにより得ることができるものであるが、重合反応の進行及び完結が時間的に同時である必要はなく、それぞれの反応機構に応じて反応温度及び時間を適当に選択し、反応を進行、完結させればよい。
【0033】
例えば、本発明におけるハイブリッド樹脂の製造方法では、縮重合系樹脂の原料モノマー、付加重合系樹脂の原料モノマー、両反応性化合物、ワックス等を混合し、まず、主として50〜180℃でラジカル重合反応により縮重合反応が可能な官能基を有する付加重合系樹脂成分を得、次いで反応温度を190〜270℃に上昇させた後、主として縮重合反応により縮重合系樹脂成分を形成させることが好ましい。
【0034】
ハイブリッド樹脂のテトラヒドロフラン不溶分(THF不溶分)は、非オフセット域の広さ及び透明性の観点から、35%以下であり、好ましくは3〜30%、より好ましくは5〜25%である。THF不溶分は、3価以上の多価モノマーの量や反応率等により調整することができる。
【0035】
ハイブリッド樹脂の軟化点は、特定ワックスの分散性向上の観点から、120〜160℃が好ましく、130〜150℃がより好ましい。
【0036】
なお、本発明においては、非オフセット域をさらに広げるために、軟化点が85℃以上120℃未満、より好ましくは100〜115℃の低軟化点樹脂が結着樹脂としてさらに含有されているのが好ましい。
【0037】
低軟化点樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられるが、ハイブリッド樹脂が有する二つの重合系樹脂成分の一方、特に極性の高い樹脂成分と同じであるのが好ましく、ポリエステルであるのがより好ましい。
【0038】
ハイブリッド樹脂の低軟化点樹脂に対する重量比は、20/80〜90/10が好ましく、40/60〜80/20がより好ましい。
【0039】
さらに、本発明のトナーには、ハイブリッド樹脂に内添されているワックスとは別のワックスが結着樹脂とともに含有、例えば外添されていてもよく、着色剤、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
【0040】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、プリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB 、ローダミン−B ベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が用いることができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
【0041】
本発明のトナーは、混練粉砕法、乳化転送法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたトナーであってもよいが、生産性や着色剤の分散性の観点から、混練粉砕法による粉砕トナーが好ましい。混練粉砕法による粉砕トナーの場合、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等の原料をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することが出来る。トナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。
【0042】
本発明のトナーは、磁性体微粉末を含有するものであるときには、単独で現像剤として用いられ、また磁性体微粉末を含有しないものであるときは、非磁性一成分系現像用トナーとして、またはキャリアと混合して二成分系の現像剤として用いることができる。特に、本発明のトナーは耐久性に優れるため、ブレードへのトナー融着の防止が課題となる非磁性一成分現像方式のレーザープリンターにも好適に用いることができる。
【0043】
さらに、本発明のカラートナーは、ワックスが適度に分散しており、耐オフセット性に優れているため、オイル供給装置を備えていないヒートロール定着装置を有する印字装置にも好適に使用することができ、フルカラートナーとしても好適に使用することができる。ここで、オイル供給装置とは、オイルタンクを有し、定量的にオイルをヒートロール表面に塗布する機構を有する装置の他、オイルを予め含浸させたロールをヒートロールに接触させるような機構を有する装置等を含む。
【0044】
【実施例】
〔樹脂の軟化点〕
高化式フローテスター(島津製作所製、CFT−500D)を用い、試料の半分が流出する温度を軟化点とする(試料:1g、昇温速度:6℃/分、荷重:1.96MPa、ノズル:1mmφ×1mm)。
【0045】
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0046】
〔樹脂の酸価〕
JIS  K0070の方法により測定する。
【0047】
〔樹脂のTHF不溶分〕
樹脂試料を微粉砕し、42メッシュ(目開き:355μm)の篩を通過した試料粉体5.0g採取し、濾過助剤ラジオライト(#700)5.0gとともに150ml容の容器に入れ、この容器内にTHF100gを注入し、ボールミル架台に載せて5時間にわたって回転させる。
一方、加圧濾過器内に直径7cmの濾紙(No.2)を置き、その上にラジオライトを均一にプレコートし、少量のTHFを加えて濾紙を濾過器に密着させた後、前記容器内の内容物を濾過器内に流し込む。さらに100mlのTHFにより充分に洗浄して濾過器に流し込み、容器の器壁に付着物が残留しないようにする。
その後、濾過器の上蓋を閉じ、濾過を行う。濾過は4kg/cm3 以下の加圧下で行い、THF流出が止まった後、THF100mlで洗浄後、更に加圧濾過を行う。
以上の操作終了後、濾紙及びその上の残渣ならびにラジオライトの全てをアルミホイルに載せて真空乾燥器に入れ、温度85℃、圧力100mmHGで10時間乾燥させ得られた乾固物の重量を測定し、不溶分の重量比率を計算する。
【0048】
〔ワックスの融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、昇温速度10℃/minで測定した際に発生する吸熱ピークにおける、ピークトップ温度を融点とする。
【0049】
〔ワックスの針入度〕
JIS  K  2235−6.3−93の方法により測定する(温度条件は25℃とする)。
【0050】
樹脂製造例1
スチレン332g、アクリル酸2−エチルヘキシル83g、アクリル酸(両反応性化合物)8g及びジクミルパーオキサイド(重合開始剤)42gの混合物を、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物700g、テレフタル酸166g、イソドデセニル無水コハク酸107g及びトリメリット酸115g、酸化ジブチル錫(エステル化触媒)20g及びポリエチレンワックス(融点:80℃、針入度:8、酸価:1mgKOH/g以下)152gに、窒素雰囲気下、160℃で1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま、さらに2時間反応後、230℃に昇温し、さらに減圧下で反応させて、ワックス含有樹脂として樹脂Aを得た。樹脂Aの軟化点は143.2℃、ガラス転移点は65.5℃、酸価は26.2mgKOH/g、THF不溶分は23.2%であった。
【0051】
樹脂製造例2
テレフタル酸の使用量を133g、イソドデセニル無水コハク酸の使用量を161gにそれぞれ変更した以外は、樹脂製造例1と同様にして、樹脂Bを得た。樹脂Bの軟化点は145.8℃、ガラス転移点は62.2℃、酸価は34.2mgKOH/g、THF不溶分は28.2%であった。
【0052】
樹脂製造例3
ポリエチレンワックスの代わりに、フィッシャートロプシュワックス(融点:82℃、針入度:7、酸価:1mgKOH/g以下)152gを使用した以外は、樹脂製造例1と同様にして、樹脂Cを得た。樹脂Cの各物性は、樹脂Aとほぼ同様であった。
【0053】
樹脂製造例4
ポリエチレンワックスの代わりに、カルナバワックス(融点:86℃、針入度:1)152gを使用した以外は、樹脂製造例1と同様にして、樹脂Dを得た。樹脂Dの各物性は、樹脂Aとほぼ同様であった。
【0054】
樹脂製造例5
ポリエチレンワックスの代わりに、フィッシャートロプシュワックス(融点:94℃、針入度:1、酸価:1mgKOH/g以下)152gを使用した以外は、樹脂製造例1と同様にして、樹脂Eを得た。樹脂Eの各物性は、樹脂Aとほぼ同様であった。
【0055】
樹脂製造例6
ポリエチレンワックスの代わりに、ポリプロピレンワックス(融点:147℃、針入度:1)152gを使用した以外は、樹脂製造例1と同様にして、樹脂Fを得た。樹脂Fの各物性は、樹脂Aとほぼ同様であった。
【0056】
樹脂製造例7
テレフタル酸の使用量を83g、イソドデセニルコハク酸の使用量を161g、トリメリット酸の使用量を173gにそれぞれ変更し、ポリエチレンワックスの代わりにフィッシャートロプシュワックス(融点:82℃、針入度:7、酸価:1mgKOH/g以下)152gを使用した以外は、樹脂製造例1と同様にして、樹脂Gを得た。樹脂Gの軟化点は146.2℃、ガラス転移点は60.3℃、酸価は38.8mgKOH/g、THF不溶分は38.9%であった。
【0057】
樹脂製造例8
ポリエチレンワックスを使用しなかった以外は、樹脂製造例2と同様にして、ワックスを含有していない樹脂Hを得た。樹脂Hの各物性は、樹脂Bとほぼ同様であった。
【0058】
樹脂製造例9
ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2.2モル付加物700g、テレフタル酸249g、イソドデセニル無水コハク酸107g及びトリメリット酸19gを、窒素雰囲気下、230℃で反応させて樹脂Iを得た。樹脂Iの軟化点は107.5℃、ガラス転移点は62.3℃、酸価は10.2mgKOH/gであった。
【0059】
実施例1〜4、比較例1〜5
表1に示す結着樹脂100重量部、着色剤(ピグメント・ブルー15:3)3重量部及び荷電制御剤「ボントロン E−84」(オリエント化学工業社製)1重量部、さらに比較例5のみポリエチレンワックス(融点:80℃、針入度:8、酸価:1mgKOH/g以下)10重量部をヘンシェルミキサーにて混合した後、二軸押出機で溶融混練し、冷却した。さらに、粉砕、分級工程を経て、体積平均粒径10μmの粉体を得た。
【0060】
得られた粉体100重量部に対して、疎水性シリカ「アエロジル R−972」(日本アエロジル社製)1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナーを得た。
【0061】
試験例1
市販の非磁性一成分現像方式のフルカラー電子写真記録装置にトナーを実装し、定着速度を100mm/secに設定し、オイル塗布装置を除去したものを用いて画像出しを行い、以下の方法により非オフセット域等の評価を行なった。結果を表1に示す。
【0062】
〔非オフセット域〕
定着装置中のヒートローラ温度を可変にし、ヒートローラ温度を100〜240℃の範囲で昇温してコピー試験を行い、各温度でトナーのヒートローラ表面上への付着を肉眼により観察し、非オフセット域を求めた。
【0063】
〔耐久性〕
印字率5%で約6500枚の連続印刷を行い、ブレードにトナーが融着したことに起因する画像上の白スジが発生することか否かを目視にて判断することにより耐久性を評価した。
【0064】
〔透過性〕
画像電子学会チャートNo22のコピーをOHPで投影し、波長400nm〜70nmの範囲における分光透過率を測定し、その最大透過率と最小透過率の差が70%以上を「○」、50%以上70%未満を「△」、50%未満を「×」とした。
【0065】
【表1】
Figure 2004085605
【0066】
以上の結果より、比較例1〜5のトナーと対比して、実施例1〜4のトナーは、耐オフセット性に優れ、非磁性一成分現像装置による耐刷においても、トナー融着を生じることのない、透過性に優れたカラートナーであること分かる。
【0067】
【発明の効果】
本発明により、非磁性一成分現像装置に使用した場合であっても、ブレードへの融着がみられず、かつ非オフセット域が広く、透過性にも優れたカラートナーが提供される。

Claims (5)

  1. 各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマーの混合物及びワックスを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られるテトラヒドロフラン不溶分が35%以下のハイブリッド樹脂を結着樹脂として含有してなるカラートナーであって、前記ワックスが、融点70〜90℃、かつ針入度5〜9のポリエチレンワックス又はフィッシャートロプシュワックスであるカラートナー。
  2. ワックスの量が、二つの重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、1〜25重量部である請求項1記載のカラートナー。
  3. ハイブリッド樹脂の軟化点が120〜160℃であり、さらに、軟化点が85℃以上120℃未満の低軟化点樹脂を結着樹脂として含有してなる請求項1又は2記載のカラートナー。
  4. 二つの重合系樹脂の原料モノマーが、縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーである請求項1〜3いずれか記載のカラートナー。
  5. ハイブリッド樹脂の低軟化点樹脂に対する重量比が20/80〜90/10である請求項3又は4記載のカラートナー。
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