JP2004083370A - 光ファイバ母材の連続線引き方法およびこれに用いられる光ファイバ母材 - Google Patents
光ファイバ母材の連続線引き方法およびこれに用いられる光ファイバ母材 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】光ファイバの生産性の向上をはかることを目的とする。また、線引き後の接合部近傍の非有効領域検出が容易な光ファイバ母材を提供する。
【解決手段】少なくとも一端側でコア1a,2aの端面がクラッド1b,2bに被覆された複数の光ファイバ母材1,2を長手方向に配列し、接合面3の少なくとも一方の側に、光ファイバ母材1,2中にコア1a,2aが存在しない領域を含むように、複数の光ファイバ母材1,2を接合する工程と、接合する工程で接続された光ファイバ母材100の一端を把持し、その他端を加熱溶融して線引きし、ガラスファイバ130を連続的に形成する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】少なくとも一端側でコア1a,2aの端面がクラッド1b,2bに被覆された複数の光ファイバ母材1,2を長手方向に配列し、接合面3の少なくとも一方の側に、光ファイバ母材1,2中にコア1a,2aが存在しない領域を含むように、複数の光ファイバ母材1,2を接合する工程と、接合する工程で接続された光ファイバ母材100の一端を把持し、その他端を加熱溶融して線引きし、ガラスファイバ130を連続的に形成する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの線引き方法および光ファイバ母材にかかり、特に、複数の光ファイバ母材を接続したものを線引きするに際し、接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出を容易にし、接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域を有効領域から識別するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの製造に際しては、通常、コアロッドの周りにジャケット(クラッド)をすす付けして焼結することによって形成した光ファイバ母材を線引きし、ガラスファイバを形成しながら、このガラスファイバの外周に被覆材料をコーティングし、この後、紫外線照射によりこの被覆材料を硬化させ、巻き取るという方法がとられている。
【0003】
この方法では、線引き開始に際して、光ファイバ母材の一端を溶融させながら引っ張り、製造ラインにかけてコーティングまで連続的に形成している。
【0004】
この場合、線引きを中断するということは、再度、低速での線引きを必要とする口出し作業から、線引き速度の安定化にいたるまでの工程をやり直す必要があり、さらなる時間と材料を要することになり、生産性を低下させる大きな問題となっている。
【0005】
そこで、近年、上述したように光ファイバを線引きして被覆する線引き被覆工程においては、生産性の向上のために中断なしで連続的に線引きを行なうべく、線引きに先立ち、複数の光ファイバ母材をあらかじめ接合しておくという方法がとられている。
【0006】
接合に際しては図11(a)および(b)に示すように、2本の光ファイバ母材101および102の接合端面側を、バーナ114で加熱して溶融せしめ、接合部103を形成し、線引き用光ファイバ母材としての接合体を形成するという方法がとられている。通常は、各光ファイバ母材101および102は、端面までコア101a、102aが形成されており、接合の仕方では、光ファイバ母材100全体として構造が均一であり、接合端面が光学的に識別しにくい。しかしながら接合部近傍は、光ファイバ中のコアが不連続であり、品質的には除去する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、この接合部近傍の非有効領域分は、光学特性的、強度的に品質を満たさないため、光ファイバを形成する際には、非有効領域として、除去する必要がある。
そこで、この非有効領域を、有効領域から識別するために、種々の方法が提案されている。
【0008】
例えば、先行母材の後端と後続母材の前端とを接続部の外径が、母材外径と異なるように接続し、接続部の識別を容易にする方法が提案されている。(特開平8−282860)
【0009】
また、図12に示すように、先行する光ファイバ母材101の後端と、後続する光ファイバ母材102の前端とを接続部103Sの外形が母材の外形よりも太くまたは細くなるようにして、加熱炉120を通過させ、線引きを行なうことによりガラスファイバ130を形成する方法も提案されている。(特開平8−119659)。
【0010】
これらの方法においては、特別に接続部103Sの外径が異なるように、加工を施さなければならず、生産性が低下する上、外径制御は困難であり、また、このような外径制御プロセスが、クラックの原因となりやすいという問題があった。
このように、従来の方法では、接合部近傍の非有効領域を検出するために特別に識別層を形成するなどの加工が必要であった。
【0011】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの生産性の向上をはかることを目的とする。
【0012】
また本発明は、線引き後の接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域検出が容易な光ファイバ母材を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の方法は、複数の光ファイバ母材を長手方向に配列し、接合面の少なくとも一方の側に、前記光ファイバ母材中にコアが存在しない領域を含むように、前記複数の光ファイバ母材を接合する工程と、前記接合する工程で接続された光ファイバ母材の一端を把持し、その他端を加熱溶融して線引きし、ガラスファイバを連続的に形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
かかる方法によれば、端面にコアが存在しないように形成した光ファイバ母材を用いることにより、接合部近傍の非有効領域近傍にコアの有無による外径変動又は線速変動を検出することができるため、特別な装置を要することなく、通常の工程を利用して短時間で容易に形成可能である。すなわちこの方法によれば、端面にコアが存在しないように形成した光ファイバ母材を他の光ファイバ母材とそのまま端面同士接合するのみで、特別な工程を経ることなく、接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出が容易に実行し得、信頼性の高い光ファイバを連続的に形成することが可能となる。
【0015】
望ましくは、前記接合する工程は、前記接合面の両側に、前記母材中にコアが存在しない領域を含むように、両端で、コアの端面がクラッドに被覆された複数の母材を、溶融させて接合する工程であることを特徴とする。
かかる方法によれば、1つの接合部近傍の非有効領域に、コアの不連続点に起因して、コア抜け点およびコア入り点で、少なくとも2つの外径変動または線速変動が検出されるため、確実に接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出を行なうことが可能となる。
【0016】
また望ましくは、前記線引きする工程は、コアの終端と、コアの先端とを検出する工程を含み、前記検出工程の検出結果に基づいて、ガラスファイバの有効領域を識別するようにしたことを特徴とする。
かかる構成によれば、外径変動の検出などの方法により、容易に非有効領域の検出し、この非有効領域の始端と終端とをメモリに記憶しておくことにより、制御性よく非有効領域を除去することが可能となる。
【0017】
望ましくは、前記検出する工程は、ガラスファイバの外径または線速に生じる変動を検出することにより、コアの終端と、コアの先端とを検出する工程を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、外径変動あるいは線速に生じる変動の検出により、容易に光ファイバの非有効領域の検出を行なうことが可能となる。
【0018】
また本発明では、一端を把持するとともに他端を溶融して線引きし、ガラスファイバを形成する方法において用いられる光ファイバ母材であって、複数の母材の接合体からなり、接合体が接合面の少なくとも一方の側で、前記母材中にコアが存在しない領域を含むことを特徴とする。
かかる光ファイバ母材を用いることにより、特別な工程を経ることなく極めて容易に非有効領域の検出を行なうことが可能となり、信頼性の高い光ファイバを提供することが可能となる。
【0019】
望ましくは、前記接合面の両側に前記母材中にコアが存在しない領域を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、1つの接合部近傍の非有効領域に、コアの不連続点に起因して、コア抜け点およびコア入り点で、少なくとも2つの外径変動または線速変動が検出されるため、確実に接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出を行なうことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
第1の実施の形態
本発明の実施の形態の製造方法に用いる光ファイバ母材の連続線引き工程に用いられる製造装置の要部拡大図および全体概要図を図1および図2に示す。ここでは、接合端側でコア1a,2aの端面がクラッド1b、2bに被覆された複数の光ファイバ母材1,2を長手方向に接合して形成した光ファイバ母材100を線引き用の母材として形成したことを特徴とするものである。
この方法では、接合面3の両側に、光ファイバ母材中にコア1a、2aが存在しない領域を含むように、前記複数の光ファイバ母材を接合し、この接合された光ファイバ母材の一端を把持し、その他端をヒータ120を具備した線引き炉110で加熱溶融して線引きし、ガラスファイバ130を連続的に形成するとともに、この接合部近傍の非有効領域3近傍におけるコアの有無による外径の変動を検出しコアの始端と終端とを検出する外径測定器140を具備し、接合部近傍の非有効領域を識別するようにしたことを特徴とする。
【0021】
この装置は、光ファイバ母材100を装着し、光ファイバ母材の下端を加熱して軟化させ、光ファイバを得るための線引き炉110と、この光ファイバを外径を測定するためのレーザ外径測定器140と、このレーザ外径測定器140の出力に基づいて線引き条件を制御する線引き制御部150と、樹脂コーティング部160と、ガイドローラ210と、キャプスタン220、巻き取りドラム240とを具備してなり、連続的に線引き、コーティングを行い、光ファイバを形成するための装置である。ここで線引き制御部150はメモリMを具備し、レーザ外径測定器140によって検出されたコアの不連続点に起因する外径変動(コアの始端および終端)を記憶しておくことにより、巻取りドラム240から取り出す際に、非有効領域を除去するようにすることも可能である。なおここでは線速測定機は図示しないが、外径測定器140の近傍など光ファイバ200に近接して配置されている。
【0022】
この装置では、コーティング部160は、液状樹脂171を充填してなる第1の樹脂コーティングダイス161と塗布された樹脂を硬化させるための第1の紫外線ランプ181と、液状樹脂172を充填してなる第1の樹脂コーティングダイス162と塗布された樹脂を硬化させるための第2の紫外線ランプ182とを具備しており、これら第1および第2の紫外線ランプ181、182は、それぞれ制御装置190により独立してオンオフを制御することができるように構成されている。
【0023】
ここで線引き炉110は、光ファイバ母材100の下端を加熱・軟化させるためのヒータ120を具備し、加熱・軟化させながら線引きを行なうものである。
【0024】
そして線引きされたガラスファイバ130の外径はレーザ外径測定器140で測定され、接合部近傍の非有効領域であるコアの不連続点(始端および終端)の存在に起因する外径変動を検出することにより、接合部近傍の非有効領域の通過を検出するようにしている。またこの測定結果は線引き制御部150に入力されて外径が通常125μmとなるようにヒータ120の加熱温度、母材送り込み速度、キャプスタン220による引取り速度や線引き速度が制御される。
またコーティング部160において、コーティングのなされた光ファイバ200をガイドローラ210、キャプスタン220、巻き取りドラム240ヘと導くように構成されている。
【0025】
次にこの装置を用いた光ファイバの製造工程について説明する。
まず、図5(a)に示すように、両端にコア1a,2aのない部分を有する外径70mmφの光ファイバ母材1,2を、端面を合わせ、バーナ114を用いて加熱溶融し接合面3を介して固着された光ファイバ母材100を形成する(図5(b))。ここでは、水素流量180リットル/分、酸素流量80リットル/分の割合でガスを流しながら酸水素バーナ114で20分間加熱して接続面を全て溶融した後に接合し、更に40分間加熱して接続肉盛を平坦にならすようにして接合を完了した。
【0026】
このようにして形成された光ファイバ母材100は、接合部3近傍の非有効領域近傍でコアの有無により、コアの始端および終端で外径に変動が形成される。
【0027】
ここでは、光ファイバ母材100が、線引き炉110に装着されると、ヒータ120によって光ファイバ母材100の下端を2000℃程度に加熱し、加熱軟化させて、線引きを開始し、徐々に線速を上げていく。この線引き開始と同時に、第2の紫外線ランプ182をオンし、紫外線照射を開始する。そして、第1および第2のダイス161、162で液状樹脂171,172を塗布するとともに第1および第2の紫外線ランプ181,182で硬化せしめる。なおここでは、第1及び第2のダイス及び第1及び第2の紫外線ランプを用いて、2層の樹脂被覆を行ったが、2種の液状樹脂を同一のダイスから押し出し塗布し、同時に紫外線照射を行うようにしてもよい。
【0028】
そして、加熱温度、母材送り込み速度、キャプスタン220による引取り速度や線引き速度を測定し、ファイバ径を安定化させながら、ガラスファイバ130表面に2層の樹脂からなる樹脂被膜190をコーティングした光ファイバ素線200を形成する。
【0029】
なお、コーティングの開始にあたり、最初にハード層である第2層樹脂である液状樹脂172の塗布を開始し、続いてソフト層である第1層樹脂である液状樹脂171の塗布を開始するようにダイスのゲートを開くようにすれば、第1層樹脂が粘着性を有しており、ローラなどに絡み付き易い場合にも良好な被覆を行なうことができる。
【0030】
このとき、光ファイバ素線200の被覆後の外径は例えば250μmである。次いで光ファイバ素線200をガイドローラ210で順次ガイドし、ドラム240に巻き取る。
【0031】
このようにして、光源の点灯タイミングにより光量の調整を行ない、線引き速度が安定化した後は、速度に対応して光量を調整すべく複数の光源の点灯を線引きを行い、光ファイバを形成する。ここで1本目の光ファイバ母材に相当する領域の終端部5000mと2本目の光ファイバ母材に相当する領域の始端部2000mを非有効領域として、切断除去した。
【0032】
このようにして形成された有効領域の光ファイバの断面図を図4に示す。この光ファイバはコア層とクラッド層とからなるガラスファイバ130に第1層樹脂191と第2層樹脂192とからなる樹脂被膜190が同心円状に形成され、偏肉も生じず、良好な樹脂被覆を行うことができた。
【0033】
この光ファイバ母材を用いたときの外径変動および線速変動の測定結果を図6(a)、(b)および図7(a)、(b)に示す。図6(a)はコア抜け点CR近傍の外径(ガラスファイバの外径)をファイバの進行方向に沿って測定した結果を示す図である。ここで用いた光ファイバ母材は、コアがある部分とない部分でのガラスの溶融粘度が異なりコアがない部分は固い材質となっている。従ってコアがない部分は固いため溶けにくく外径が細くなる。
上述したように、外径は、図6(a)に示すように、コア抜け点CRを過ぎると一旦外径Dはファイバの進行方向Fに沿って小さくなる。そして、ファイバの進行方向に沿って下降したのち急峻に上昇する。これは、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には変動しないが、コア抜け点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア抜け点すなわちコアの終端を検出することができる。
【0034】
また、このときの線速についても図6(b)に示すように、コア抜け点CRを越えると線速vはファイバの進行方向Fに沿って一旦減少し、のちに上昇する。この上昇は200m以上にわたり発生し、変動幅は50m/分以上であった。この場合も、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には線速が変動するわけではないが、コア抜け点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア抜け点すなわちコアの終端を検出することができる。
【0035】
また、外径は、図7(a)に示すように、コア入り点Caに入る前に外径Dはファイバの進行方向Fに沿って一旦上昇し急速に下降する。この下降点がコア入り点に相当する。そして線速の制御による上昇により、除々に元に戻る。これは、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には変動しないが、コア入り点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア入り点すなわちコアの始端を検出することができる。
【0036】
また、このときの線速についても図7(b)に示すように、コア入り点Caの前に線速vはファイバの進行方向Fに沿って一旦上昇し、のちに下降する。この下降は300m以上にわたり発生し、変動幅は50m/分以上であった。この場合も、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には線速が変動するわけではないが、コア抜け点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア入り点すなわちコアの始端を検出することができる。
【0037】
このようにして形成された有効領域の光ファイバの断面図を図4に示す。この光ファイバはコア層とクラッド層とからなるガラスファイバ130に第1層樹脂191と第2層樹脂192とからなる樹脂被膜190が同心円状に形成され、偏肉も生じず、良好な樹脂被覆を行うことができた。
【0038】
この方法によれば、2本の光ファイバ母材を接続して用いており、連続的に光ファイバを生産性良く形成することができた。
また、この方法によれば、特別に接合部近傍の非有効領域を識別するための識別層を形成したり、径大部などを形成したりする必要がなく、通常の接合を行なうのみで、コアの有無を利用して接合面近傍の非有効領域を検出することが可能であるため、光ファイバを容易かつ連続的に形成することができ、しかも線引き後に非有効領域を良好に検出することが可能である。
【0039】
また、線引き工程において終始接続面が独立しており、コアのある部分とない部分とで混じり合わないように維持することができた。
そして非有効領域を除去した後の光ファイバは、接続部周辺もMFDが変動せず安定であった。
更にまた接続部周辺も遮断波長が変動せず安定していることがわかった。
【0040】
なお、この例では、紫外線ランプのオンオフのタイミングを順次ずらして光量調整を行なうようにしたが、硬化装置に印加する電圧を変えるなどの方法により照射される紫外線光量を変化させるようにしてもよい。
【0041】
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
前記本発明の第1の実施の形態では、接合端側にのみコアのない部分を有する光ファイバ母材1,2を接合したが、この例では図8に示すように、光ファイバ母材については両端にコアのない部分を有するもの201と、接合端側にのみコアのない部分を有するもの202を用い、コアのない部分同士を接合したことを特徴とする。
【0042】
この光ファイバ母材によっても前記第1の実施の形態と同様に接合部近傍の非有効領域203ではコアの不連続性に起因して、外径に微小変動があり、接合部近傍の非有効領域203の検出が容易になされ得、連続線引きに際しても信頼性の高い光ファイバを形成することが可能となる。ここでもコアの不連続性に起因する外径変動は、外径変動または線速変動として検出可能である。
【0043】
第3の実施の形態
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
この例では図9に示すように、接合部近傍の非有効領域303では一方の側の光ファイバ母材302側にのみコアのない部分を有するようにして光ファイバ母材301,302同士を接合したことを特徴とする。
【0044】
この光ファイバ母材によっても前記第1の実施の形態と同様に接合部近傍の非有効領域の検出が容易になされ、連続線引きに際しても信頼性の高い光ファイバを形成することが可能となる。
この場合、終端部の本来非有効領域である部分を切除すればよいため無駄が少ないという効果も奏効し得る。ここでもコアの不連続性に起因する外径変動は、外径変動または線速変動として検出可能である。
【0045】
第4の実施の形態
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
本発明の第3の実施の形態では、接合部近傍の非有効領域303では一方の側の光ファイバ母材側301にのみコアのない部分を有する光ファイバ母材同士を接合した両端にコアのない部分を有する光ファイバ母材同士を接合したが、この例では図10に示すように、接合部近傍の非有効領域403では一方の側の光ファイバ母材側401にのみコアのない部分を有するようにして光ファイバ母材同士401,402を接合したことを特徴とする。
【0046】
この光ファイバ母材によっても前記第1の実施の形態と同様に接合部近傍の非有効領域の検出が容易になされ、連続線引きに際しても信頼性の高い光ファイバを形成することが可能となる。ここでもコアの不連続性に起因する外径変動は、外径変動または線速変動として検出可能である。
この場合、終端部の本来非有効領域である部分を切除すればよいため無駄が少ないという効果も奏効し得る。
なお、前記実施の形態では、2本の光ファイバ母材の接合体について説明したが、3本以上でも良いことはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、特別の工程を付加することなく安定して信頼性の高い連続線引きを行なうことが可能となり、長期にわたって安定して線引きを行なうことができるため、生産性が高いものとなる。
また本発明の光ファイバ母材によれば、短時間で加工性よく形成することができ、信頼性の高い光ファイバを生産性よく形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の方法を実現するための光ファイバ製造装置の要部を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の方法を実現するための光ファイバ製造装置のを示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材を示す断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の方法で形成された光ファイバを示す断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材の接合工程を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材のコア抜け点近傍の外径および線速の測定結果を示す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材のコア入り点近傍の外径および線速の測定結果を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態における光ファイバ母材を示す断面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態における光ファイバ母材を示す断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態における光ファイバ母材を示す断面図。
【図11】従来例の光ファイバ母材の接合工程を示す断面図。
【図12】従来例の光ファイバ母材の線引きを示す説明図。
【符号の説明】
100 光ファイバ母材
1 光ファイバ母材
2 光ファイバ母材
3 接合部近傍の非有効領域
160 樹脂コーティング部
181 第1の紫外線ランプ
182 第2の紫外線ランプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの線引き方法および光ファイバ母材にかかり、特に、複数の光ファイバ母材を接続したものを線引きするに際し、接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出を容易にし、接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域を有効領域から識別するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバの製造に際しては、通常、コアロッドの周りにジャケット(クラッド)をすす付けして焼結することによって形成した光ファイバ母材を線引きし、ガラスファイバを形成しながら、このガラスファイバの外周に被覆材料をコーティングし、この後、紫外線照射によりこの被覆材料を硬化させ、巻き取るという方法がとられている。
【0003】
この方法では、線引き開始に際して、光ファイバ母材の一端を溶融させながら引っ張り、製造ラインにかけてコーティングまで連続的に形成している。
【0004】
この場合、線引きを中断するということは、再度、低速での線引きを必要とする口出し作業から、線引き速度の安定化にいたるまでの工程をやり直す必要があり、さらなる時間と材料を要することになり、生産性を低下させる大きな問題となっている。
【0005】
そこで、近年、上述したように光ファイバを線引きして被覆する線引き被覆工程においては、生産性の向上のために中断なしで連続的に線引きを行なうべく、線引きに先立ち、複数の光ファイバ母材をあらかじめ接合しておくという方法がとられている。
【0006】
接合に際しては図11(a)および(b)に示すように、2本の光ファイバ母材101および102の接合端面側を、バーナ114で加熱して溶融せしめ、接合部103を形成し、線引き用光ファイバ母材としての接合体を形成するという方法がとられている。通常は、各光ファイバ母材101および102は、端面までコア101a、102aが形成されており、接合の仕方では、光ファイバ母材100全体として構造が均一であり、接合端面が光学的に識別しにくい。しかしながら接合部近傍は、光ファイバ中のコアが不連続であり、品質的には除去する必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、この接合部近傍の非有効領域分は、光学特性的、強度的に品質を満たさないため、光ファイバを形成する際には、非有効領域として、除去する必要がある。
そこで、この非有効領域を、有効領域から識別するために、種々の方法が提案されている。
【0008】
例えば、先行母材の後端と後続母材の前端とを接続部の外径が、母材外径と異なるように接続し、接続部の識別を容易にする方法が提案されている。(特開平8−282860)
【0009】
また、図12に示すように、先行する光ファイバ母材101の後端と、後続する光ファイバ母材102の前端とを接続部103Sの外形が母材の外形よりも太くまたは細くなるようにして、加熱炉120を通過させ、線引きを行なうことによりガラスファイバ130を形成する方法も提案されている。(特開平8−119659)。
【0010】
これらの方法においては、特別に接続部103Sの外径が異なるように、加工を施さなければならず、生産性が低下する上、外径制御は困難であり、また、このような外径制御プロセスが、クラックの原因となりやすいという問題があった。
このように、従来の方法では、接合部近傍の非有効領域を検出するために特別に識別層を形成するなどの加工が必要であった。
【0011】
本発明は、前記実情に鑑みてなされたもので、光ファイバの生産性の向上をはかることを目的とする。
【0012】
また本発明は、線引き後の接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域検出が容易な光ファイバ母材を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明の方法は、複数の光ファイバ母材を長手方向に配列し、接合面の少なくとも一方の側に、前記光ファイバ母材中にコアが存在しない領域を含むように、前記複数の光ファイバ母材を接合する工程と、前記接合する工程で接続された光ファイバ母材の一端を把持し、その他端を加熱溶融して線引きし、ガラスファイバを連続的に形成する工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
かかる方法によれば、端面にコアが存在しないように形成した光ファイバ母材を用いることにより、接合部近傍の非有効領域近傍にコアの有無による外径変動又は線速変動を検出することができるため、特別な装置を要することなく、通常の工程を利用して短時間で容易に形成可能である。すなわちこの方法によれば、端面にコアが存在しないように形成した光ファイバ母材を他の光ファイバ母材とそのまま端面同士接合するのみで、特別な工程を経ることなく、接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出が容易に実行し得、信頼性の高い光ファイバを連続的に形成することが可能となる。
【0015】
望ましくは、前記接合する工程は、前記接合面の両側に、前記母材中にコアが存在しない領域を含むように、両端で、コアの端面がクラッドに被覆された複数の母材を、溶融させて接合する工程であることを特徴とする。
かかる方法によれば、1つの接合部近傍の非有効領域に、コアの不連続点に起因して、コア抜け点およびコア入り点で、少なくとも2つの外径変動または線速変動が検出されるため、確実に接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出を行なうことが可能となる。
【0016】
また望ましくは、前記線引きする工程は、コアの終端と、コアの先端とを検出する工程を含み、前記検出工程の検出結果に基づいて、ガラスファイバの有効領域を識別するようにしたことを特徴とする。
かかる構成によれば、外径変動の検出などの方法により、容易に非有効領域の検出し、この非有効領域の始端と終端とをメモリに記憶しておくことにより、制御性よく非有効領域を除去することが可能となる。
【0017】
望ましくは、前記検出する工程は、ガラスファイバの外径または線速に生じる変動を検出することにより、コアの終端と、コアの先端とを検出する工程を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、外径変動あるいは線速に生じる変動の検出により、容易に光ファイバの非有効領域の検出を行なうことが可能となる。
【0018】
また本発明では、一端を把持するとともに他端を溶融して線引きし、ガラスファイバを形成する方法において用いられる光ファイバ母材であって、複数の母材の接合体からなり、接合体が接合面の少なくとも一方の側で、前記母材中にコアが存在しない領域を含むことを特徴とする。
かかる光ファイバ母材を用いることにより、特別な工程を経ることなく極めて容易に非有効領域の検出を行なうことが可能となり、信頼性の高い光ファイバを提供することが可能となる。
【0019】
望ましくは、前記接合面の両側に前記母材中にコアが存在しない領域を含むことを特徴とする。
かかる構成によれば、1つの接合部近傍の非有効領域に、コアの不連続点に起因して、コア抜け点およびコア入り点で、少なくとも2つの外径変動または線速変動が検出されるため、確実に接合部近傍の非有効領域近傍の非有効領域の検出を行なうことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
第1の実施の形態
本発明の実施の形態の製造方法に用いる光ファイバ母材の連続線引き工程に用いられる製造装置の要部拡大図および全体概要図を図1および図2に示す。ここでは、接合端側でコア1a,2aの端面がクラッド1b、2bに被覆された複数の光ファイバ母材1,2を長手方向に接合して形成した光ファイバ母材100を線引き用の母材として形成したことを特徴とするものである。
この方法では、接合面3の両側に、光ファイバ母材中にコア1a、2aが存在しない領域を含むように、前記複数の光ファイバ母材を接合し、この接合された光ファイバ母材の一端を把持し、その他端をヒータ120を具備した線引き炉110で加熱溶融して線引きし、ガラスファイバ130を連続的に形成するとともに、この接合部近傍の非有効領域3近傍におけるコアの有無による外径の変動を検出しコアの始端と終端とを検出する外径測定器140を具備し、接合部近傍の非有効領域を識別するようにしたことを特徴とする。
【0021】
この装置は、光ファイバ母材100を装着し、光ファイバ母材の下端を加熱して軟化させ、光ファイバを得るための線引き炉110と、この光ファイバを外径を測定するためのレーザ外径測定器140と、このレーザ外径測定器140の出力に基づいて線引き条件を制御する線引き制御部150と、樹脂コーティング部160と、ガイドローラ210と、キャプスタン220、巻き取りドラム240とを具備してなり、連続的に線引き、コーティングを行い、光ファイバを形成するための装置である。ここで線引き制御部150はメモリMを具備し、レーザ外径測定器140によって検出されたコアの不連続点に起因する外径変動(コアの始端および終端)を記憶しておくことにより、巻取りドラム240から取り出す際に、非有効領域を除去するようにすることも可能である。なおここでは線速測定機は図示しないが、外径測定器140の近傍など光ファイバ200に近接して配置されている。
【0022】
この装置では、コーティング部160は、液状樹脂171を充填してなる第1の樹脂コーティングダイス161と塗布された樹脂を硬化させるための第1の紫外線ランプ181と、液状樹脂172を充填してなる第1の樹脂コーティングダイス162と塗布された樹脂を硬化させるための第2の紫外線ランプ182とを具備しており、これら第1および第2の紫外線ランプ181、182は、それぞれ制御装置190により独立してオンオフを制御することができるように構成されている。
【0023】
ここで線引き炉110は、光ファイバ母材100の下端を加熱・軟化させるためのヒータ120を具備し、加熱・軟化させながら線引きを行なうものである。
【0024】
そして線引きされたガラスファイバ130の外径はレーザ外径測定器140で測定され、接合部近傍の非有効領域であるコアの不連続点(始端および終端)の存在に起因する外径変動を検出することにより、接合部近傍の非有効領域の通過を検出するようにしている。またこの測定結果は線引き制御部150に入力されて外径が通常125μmとなるようにヒータ120の加熱温度、母材送り込み速度、キャプスタン220による引取り速度や線引き速度が制御される。
またコーティング部160において、コーティングのなされた光ファイバ200をガイドローラ210、キャプスタン220、巻き取りドラム240ヘと導くように構成されている。
【0025】
次にこの装置を用いた光ファイバの製造工程について説明する。
まず、図5(a)に示すように、両端にコア1a,2aのない部分を有する外径70mmφの光ファイバ母材1,2を、端面を合わせ、バーナ114を用いて加熱溶融し接合面3を介して固着された光ファイバ母材100を形成する(図5(b))。ここでは、水素流量180リットル/分、酸素流量80リットル/分の割合でガスを流しながら酸水素バーナ114で20分間加熱して接続面を全て溶融した後に接合し、更に40分間加熱して接続肉盛を平坦にならすようにして接合を完了した。
【0026】
このようにして形成された光ファイバ母材100は、接合部3近傍の非有効領域近傍でコアの有無により、コアの始端および終端で外径に変動が形成される。
【0027】
ここでは、光ファイバ母材100が、線引き炉110に装着されると、ヒータ120によって光ファイバ母材100の下端を2000℃程度に加熱し、加熱軟化させて、線引きを開始し、徐々に線速を上げていく。この線引き開始と同時に、第2の紫外線ランプ182をオンし、紫外線照射を開始する。そして、第1および第2のダイス161、162で液状樹脂171,172を塗布するとともに第1および第2の紫外線ランプ181,182で硬化せしめる。なおここでは、第1及び第2のダイス及び第1及び第2の紫外線ランプを用いて、2層の樹脂被覆を行ったが、2種の液状樹脂を同一のダイスから押し出し塗布し、同時に紫外線照射を行うようにしてもよい。
【0028】
そして、加熱温度、母材送り込み速度、キャプスタン220による引取り速度や線引き速度を測定し、ファイバ径を安定化させながら、ガラスファイバ130表面に2層の樹脂からなる樹脂被膜190をコーティングした光ファイバ素線200を形成する。
【0029】
なお、コーティングの開始にあたり、最初にハード層である第2層樹脂である液状樹脂172の塗布を開始し、続いてソフト層である第1層樹脂である液状樹脂171の塗布を開始するようにダイスのゲートを開くようにすれば、第1層樹脂が粘着性を有しており、ローラなどに絡み付き易い場合にも良好な被覆を行なうことができる。
【0030】
このとき、光ファイバ素線200の被覆後の外径は例えば250μmである。次いで光ファイバ素線200をガイドローラ210で順次ガイドし、ドラム240に巻き取る。
【0031】
このようにして、光源の点灯タイミングにより光量の調整を行ない、線引き速度が安定化した後は、速度に対応して光量を調整すべく複数の光源の点灯を線引きを行い、光ファイバを形成する。ここで1本目の光ファイバ母材に相当する領域の終端部5000mと2本目の光ファイバ母材に相当する領域の始端部2000mを非有効領域として、切断除去した。
【0032】
このようにして形成された有効領域の光ファイバの断面図を図4に示す。この光ファイバはコア層とクラッド層とからなるガラスファイバ130に第1層樹脂191と第2層樹脂192とからなる樹脂被膜190が同心円状に形成され、偏肉も生じず、良好な樹脂被覆を行うことができた。
【0033】
この光ファイバ母材を用いたときの外径変動および線速変動の測定結果を図6(a)、(b)および図7(a)、(b)に示す。図6(a)はコア抜け点CR近傍の外径(ガラスファイバの外径)をファイバの進行方向に沿って測定した結果を示す図である。ここで用いた光ファイバ母材は、コアがある部分とない部分でのガラスの溶融粘度が異なりコアがない部分は固い材質となっている。従ってコアがない部分は固いため溶けにくく外径が細くなる。
上述したように、外径は、図6(a)に示すように、コア抜け点CRを過ぎると一旦外径Dはファイバの進行方向Fに沿って小さくなる。そして、ファイバの進行方向に沿って下降したのち急峻に上昇する。これは、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には変動しないが、コア抜け点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア抜け点すなわちコアの終端を検出することができる。
【0034】
また、このときの線速についても図6(b)に示すように、コア抜け点CRを越えると線速vはファイバの進行方向Fに沿って一旦減少し、のちに上昇する。この上昇は200m以上にわたり発生し、変動幅は50m/分以上であった。この場合も、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には線速が変動するわけではないが、コア抜け点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア抜け点すなわちコアの終端を検出することができる。
【0035】
また、外径は、図7(a)に示すように、コア入り点Caに入る前に外径Dはファイバの進行方向Fに沿って一旦上昇し急速に下降する。この下降点がコア入り点に相当する。そして線速の制御による上昇により、除々に元に戻る。これは、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には変動しないが、コア入り点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア入り点すなわちコアの始端を検出することができる。
【0036】
また、このときの線速についても図7(b)に示すように、コア入り点Caの前に線速vはファイバの進行方向Fに沿って一旦上昇し、のちに下降する。この下降は300m以上にわたり発生し、変動幅は50m/分以上であった。この場合も、外径検出器140の測定結果に基づいて線速が制御されるため、直接的には線速が変動するわけではないが、コア抜け点では特異なカーブを描く。従ってこの点を検出することにより、コア入り点すなわちコアの始端を検出することができる。
【0037】
このようにして形成された有効領域の光ファイバの断面図を図4に示す。この光ファイバはコア層とクラッド層とからなるガラスファイバ130に第1層樹脂191と第2層樹脂192とからなる樹脂被膜190が同心円状に形成され、偏肉も生じず、良好な樹脂被覆を行うことができた。
【0038】
この方法によれば、2本の光ファイバ母材を接続して用いており、連続的に光ファイバを生産性良く形成することができた。
また、この方法によれば、特別に接合部近傍の非有効領域を識別するための識別層を形成したり、径大部などを形成したりする必要がなく、通常の接合を行なうのみで、コアの有無を利用して接合面近傍の非有効領域を検出することが可能であるため、光ファイバを容易かつ連続的に形成することができ、しかも線引き後に非有効領域を良好に検出することが可能である。
【0039】
また、線引き工程において終始接続面が独立しており、コアのある部分とない部分とで混じり合わないように維持することができた。
そして非有効領域を除去した後の光ファイバは、接続部周辺もMFDが変動せず安定であった。
更にまた接続部周辺も遮断波長が変動せず安定していることがわかった。
【0040】
なお、この例では、紫外線ランプのオンオフのタイミングを順次ずらして光量調整を行なうようにしたが、硬化装置に印加する電圧を変えるなどの方法により照射される紫外線光量を変化させるようにしてもよい。
【0041】
第2の実施の形態
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
前記本発明の第1の実施の形態では、接合端側にのみコアのない部分を有する光ファイバ母材1,2を接合したが、この例では図8に示すように、光ファイバ母材については両端にコアのない部分を有するもの201と、接合端側にのみコアのない部分を有するもの202を用い、コアのない部分同士を接合したことを特徴とする。
【0042】
この光ファイバ母材によっても前記第1の実施の形態と同様に接合部近傍の非有効領域203ではコアの不連続性に起因して、外径に微小変動があり、接合部近傍の非有効領域203の検出が容易になされ得、連続線引きに際しても信頼性の高い光ファイバを形成することが可能となる。ここでもコアの不連続性に起因する外径変動は、外径変動または線速変動として検出可能である。
【0043】
第3の実施の形態
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
この例では図9に示すように、接合部近傍の非有効領域303では一方の側の光ファイバ母材302側にのみコアのない部分を有するようにして光ファイバ母材301,302同士を接合したことを特徴とする。
【0044】
この光ファイバ母材によっても前記第1の実施の形態と同様に接合部近傍の非有効領域の検出が容易になされ、連続線引きに際しても信頼性の高い光ファイバを形成することが可能となる。
この場合、終端部の本来非有効領域である部分を切除すればよいため無駄が少ないという効果も奏効し得る。ここでもコアの不連続性に起因する外径変動は、外径変動または線速変動として検出可能である。
【0045】
第4の実施の形態
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
本発明の第3の実施の形態では、接合部近傍の非有効領域303では一方の側の光ファイバ母材側301にのみコアのない部分を有する光ファイバ母材同士を接合した両端にコアのない部分を有する光ファイバ母材同士を接合したが、この例では図10に示すように、接合部近傍の非有効領域403では一方の側の光ファイバ母材側401にのみコアのない部分を有するようにして光ファイバ母材同士401,402を接合したことを特徴とする。
【0046】
この光ファイバ母材によっても前記第1の実施の形態と同様に接合部近傍の非有効領域の検出が容易になされ、連続線引きに際しても信頼性の高い光ファイバを形成することが可能となる。ここでもコアの不連続性に起因する外径変動は、外径変動または線速変動として検出可能である。
この場合、終端部の本来非有効領域である部分を切除すればよいため無駄が少ないという効果も奏効し得る。
なお、前記実施の形態では、2本の光ファイバ母材の接合体について説明したが、3本以上でも良いことはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、特別の工程を付加することなく安定して信頼性の高い連続線引きを行なうことが可能となり、長期にわたって安定して線引きを行なうことができるため、生産性が高いものとなる。
また本発明の光ファイバ母材によれば、短時間で加工性よく形成することができ、信頼性の高い光ファイバを生産性よく形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の方法を実現するための光ファイバ製造装置の要部を示す図。
【図2】本発明の第1の実施の形態の方法を実現するための光ファイバ製造装置のを示す図。
【図3】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材を示す断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態の方法で形成された光ファイバを示す断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材の接合工程を示す断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材のコア抜け点近傍の外径および線速の測定結果を示す図。
【図7】本発明の第1の実施の形態で用いられる光ファイバ母材のコア入り点近傍の外径および線速の測定結果を示す図。
【図8】本発明の第2の実施の形態における光ファイバ母材を示す断面図。
【図9】本発明の第3の実施の形態における光ファイバ母材を示す断面図。
【図10】本発明の第4の実施の形態における光ファイバ母材を示す断面図。
【図11】従来例の光ファイバ母材の接合工程を示す断面図。
【図12】従来例の光ファイバ母材の線引きを示す説明図。
【符号の説明】
100 光ファイバ母材
1 光ファイバ母材
2 光ファイバ母材
3 接合部近傍の非有効領域
160 樹脂コーティング部
181 第1の紫外線ランプ
182 第2の紫外線ランプ
Claims (6)
- 接合面の少なくとも一方の側に、前記光ファイバ母材中にコアが存在しない領域を含むように、複数の光ファイバ母材を長手方向に接合する工程と、
前記接合する工程で接続された光ファイバ母材の一端を把持し、その他端を加熱溶融して線引きし、ガラスファイバを連続的に形成する工程とを含むことを特徴とする光ファイバ母材の連続線引き方法。 - 前記接合する工程は、前記接合面の両側に、前記母材中にコアが存在しない領域を含むように、両端で、コアの端面がクラッドに被覆された複数の母材を、溶融させて接合する工程であることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバ母材の連続線引き方法。
- 前記線引きする工程は、コアの終端と、コアの先端とを検出する工程を含み、
前記検出工程の検出結果に基づいて、ガラスファイバの有効領域を識別するようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバ母材の連続線引き方法。 - 前記検出する工程は、ガラスファイバの外径または線速に生じる変動を検出することにより、コアの終端と、コアの先端とを検出する工程を含むことを特徴とする請求項3に記載の光ファイバ母材の連続線引き方法。
- 一端を把持するとともに他端を溶融して線引きし、ガラスファイバを形成する方法において用いられる光ファイバ母材であって、
複数の母材の接合体からなり、
前記接合体が接合面の少なくとも一方の側で、前記母材中にコアが存在しない領域を含むことを特徴とする光ファイバ母材。 - 前記接合面の両側に前記母材中にコアが存在しない領域を含むことを特徴とする請求項5に記載の光ファイバ母材。
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