JP2004082691A - 調湿部材及び部屋 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無機多孔質体と有機物のエマルジョンとを含むコート剤の硬化物が基材表面に吸放湿層を形成している部材において、吸放湿性能が30g/m2 以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2以上である。
【選択図】 なし。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間湿度を適正に調整して、防露性、防カビ性を付与し、快適空間を確保しうる優れた自律的調湿機能を有する機能性部材、及びこれを配置した部屋に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の居住環境は、断熱性の向上や暖房設備の充実に伴い、快適性を増しつつあるものの、断熱材や暖房器などによる人工的な環境制御では、断熱材の外側に内部結露が発生し、腐朽菌などが増殖し壁材の強度を劣化させ、その結果、震災に対し充分な強度を保持し得なくなる場合がある。また、ダニやカビの繁殖に伴うアレルギー問題も発生している。さらに、エネルギー消費も今後、増大していき、コスト的な面の他、地球環境問題からも空調設備の負荷を軽減する必要がある。
【0003】
上記の断熱材や暖房器などによる人工的な環境制御は、高温多湿または低温低湿な日本の環境条件を快適に過ごすために温度制御を行おうとするものであるが、湿度制御を行うだけでも快適な環境を実現できる。このようなことから、内装材自体に調湿機能を持たせ、空調設備や電力などを必要とせずに室内の湿度調整を行い、防露性、防黴性を得ることができる調湿部材の開発が行われている。
【0004】
近年、調湿部材の開発は多数行われており、ボード状、タイル状の建材としては、例えば、ケイ酸カルシウム建材(例えば、特許文献1参照)、珪藻土建材(例えば、特許文献2参照)、ゼオライト建材(例えば、特許文献3参照)、アロフェン系建材(例えば、特許文献4参照)などが挙げられる。
また、調湿シートとしては、高吸収性高分子物質を用いたシート(例えば、特許文献5、6参照)、ゼオライト、珪藻土などの無機系吸放湿材料を用いたシート(例えば、特許文献7、8、9、10参照)などが開示されている。
また、空間の調湿方法として、吸放湿性能に優れた粒状硬化体を配置する方法(例えば、特許文献11参照)や、焼成された調湿建材を施工することで空間の調湿を行う方法(例えば、特許文献12参照)が提案されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−293367号公報
【特許文献2】
特開平4−354514号公報
【特許文献3】
特開平3−93632号公報
【特許文献4】
特許第3041348号公報
【特許文献5】
特開昭62−231740号公報
【特許文献6】
特開平10−128892号公報
【特許文献7】
特公平1−26731号公報
【特許文献8】
特開平11−58625号公報
【特許文献9】
特開平11−207853号公報
【特許文献10】
特開2001−336094号公報
【特許文献11】
特開平2003−2727号公報
【特許文献12】
特開2000−344588号公報
【0006】
吸湿作用は微多孔質材料の細孔への水蒸気の吸着によって行われる。細孔におけるガスの凝縮による液状化とその液体のガス化は、その細孔径に依存して起き、このような状態変化の起きる細孔半径は、ケルビンの毛管凝集理論に基づくケルビン半径と呼ばれ、以下のケルビン式で定まる。
lnP/P0=−2γV1/rmRT
ケルビン式より明らかなように、細孔径の大きさによって吸着量が増大する湿度の位置が決まる。住環境において快適とされる相対湿度の範囲は、約50〜70%であるとされていることから、前記のケルビンの毛管凝集理論式より、細孔のケルビン半径が約2〜6nmであれば、理想的に快適とされる相対湿度の範囲内で自律的に湿度制御を行うことができる。
また、相対湿度50〜70%の範囲は、カビの繁殖防止、細菌の増殖防止などに適しているといわれるほか、切手、衣類、書籍、楽器、絵画などの保存においても最適であるといわれているため、そのような目的でも同様に本発明が適応できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1〜4に記載の調湿建材はいずれもタイル状、ボード状であり、かつその厚みで吸放湿量を高くするという方法が取られている。したがって、単位体積あたりの吸放湿能力は必ずしも十分ではなかった。また、室内の空気環境を快適に調整するためには調湿機能層を厚くする必要があり、結果的にかなりの重量となってしまう。従って、室内への施工性に問題があり、また天井や壁の上部などへの施工は落下の危険性があったため、施工部位、施工面積が制限されてしまうという課題があった。
【0008】
特許文献5、6記載の高吸収性高分子物質を用いたシートでは、一旦吸収した水分を完全に再放出できなかったり、吸水により膨潤したり、或いはカビが発生しやすいという問題があった。
【0009】
特許文献7〜10記載の無機系吸放湿材料を用いたシートでは、無機系吸放湿材料の基材上への接着に、ガラス転移温度の高いエマルジョンを用いているため、シートとしての可とう性が不十分であったり、また天然の従来より吸放湿性能があるといわれる材料を用いており、空間を最適に調湿するための細孔径の設計が十分になされていなかったため、単位体積あたりの吸放湿性能が十分ではなかった。また、吸放湿性能を高めるために厚膜化した場合には、可とう性を損ねる結果となり、シートとして不適切であるため実現が困難であるという問題があった。
【0010】
そこで本発明では、単位体積あたりの吸放湿性能が高められ、薄膜でも優れた調湿効果を発揮でき、施工性に優れた調湿部材を安価に生産効率よく提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明では、無機多孔質体と有機物のエマルジョンとを含むコート剤の硬化物が基材表面に吸放湿層を形成している部材において、吸放湿性能が30g/m2 以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2 以上であることを特徴とする調湿部材を提供する。
ここで、吸放湿性能とは、サンプルを23℃、33%R.H.の恒温恒湿槽中で平衡にさせ、次にサンプルを23℃、93%R.H.の恒温恒湿槽中に入れて、吸湿量を24時間にわたって測定し、そして再び23℃、33%R.H.の恒温恒湿槽中に入れて放湿量を測定したときの、放湿量の値を、単位面積あたりの重量に換算して算出した値を意味する。
単位膜厚あたりの吸放湿性能を向上させることにより、施工性に優れた調湿部材を安価に生産効率よく提供することが可能となる。
【0012】
本発明の好ましい態様においては、吸放湿性能は30g/m2 以上であるようにし、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2 以上であるようにする。
そうすることで、薄い吸放湿層でもって、空間に存在する水蒸気を吸放湿して空間を調湿する性能が発揮されるため、施工性に優れた調湿部材を安価に生産効率よく提供することが可能となる。
【0013】
本発明のさらに好ましい態様においては、吸放湿性能は70g/m2 以上であるようにする。
そうすることで、施工面積を少なくした場合、例えば、天井面のみへの施工を行った場合においても良好な調湿性能が発揮される。
【0014】
必要な吸放湿能力は、次のとおり計算した。
23℃、93%R.H.の空間には、約19g/m3 の水蒸気が存在する。特に窓面などでは、この水蒸気が冷やされることにより、結露として発生する。従って、吸放湿性能は、この量の水蒸気を吸放湿するに十分な性能が必要である。機能性部材の施工面積と室内容積の比である気積比が0.7である場合、単位面積あたりの吸放湿性能が30g/m2 以上であれば、21g/m3 の吸放湿性能となり、気積比が0.3である場合、吸放湿性能が70g/m2 以上であれば、21g/m3 の吸放湿性能と計算される。必要な吸放湿性能は、気温や使用状況によって多少前後するが、後述の空間評価における結果からも、申し分ない範囲であると考えられる。
ここで、一般的な6畳間において、気積比は天井面が約0.4であり、壁面の長辺側の面が0.4、短辺側の面が0.3程度である。従って、気積比0.3とは短辺側の面のみに施工した場合に相当し、天井面と短辺側の面に施工した場合は、気積比が約0.7程度となる。
【0015】
本発明の好ましい態様としては、前記コート剤が、前記混合物中の無機多孔質体含有量が、有機物のエマルジョンの乾燥物100体積部に対し300〜1000体積部とする。
上記混合物を基材に塗布・乾燥することにより、隣接する無機多孔質粒子の結合部が点状に分布し、粒子間に空隙を形成した状態で固定された硬化物が得られ、単位体積当たりの吸放湿量が非常に大きい塗膜となる。なお上記被膜は、前記混合物を基材に塗布後、乾燥するのみで形成できるので、製造コストが少なくて済む。
【0016】
本発明のさらに好ましい態様としては、前記コート剤が、平均直径3〜12nmの細孔径を有し、細孔容積が0.3ml/g以上の無機多孔質体と、ガラス転移温度が−50℃以上の有機物のエマルジョンとを含むこととする。
そうすることにより、住環境において快適とされる約50〜70%の相対湿度の範囲に自律的に調整可能な塗膜が外観良く形成できる。
【0017】
本発明のさらに好ましい態様においては、前記有機物のエマルジョンのガラス転移温度が15〜−50℃であるようにする。
そうすることにより、乾燥硬化後の被膜中のエマルジョンは、粒子形状をある程度保持したまま固定され、前述した高い吸放湿性能、強度、撥水性能などが得られる。なお、ガラス転移温度が15℃未満であることによりクラックが発生しにくい。
【0018】
本発明の一態様においては、可とう性を有する基材の表面に、無機多孔質体と有機物のエマルジョンとを含むコート剤の硬化物が基材表面に吸放湿層を形成しているシートにおいて、吸放湿性能が30g/m2以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2 以上であり、シート重量が500g/m2以下であるようにする。
シートの場合には、天井面への施工も多く、重量が軽い方が施工性の面から好ましい。特に内装用壁紙として使用される場合においては、幅90cm、長さ30mい上のロールで、重量を15kg以下にすることが業界の通例とされている。本発明のシートでは、単位体積あたりの吸放湿性能が優れているため、十分な調湿性能を発揮しつつ、業界標準までの軽量化が可能となる。
【0019】
本発明の好ましい態様としては、前記コート剤中の無機多孔質体含有量が、有機物のエマルジョンの乾燥物100体積部に対し300〜700体積部とする。可とう性を有するシート状の部材では、薄く、高性能で施工時の折り曲げに強い被膜が望まれる。上記コート剤の硬化物が可とう性を有する基材に被覆すると、前述した隣接する無機多孔質粒子の結合部が点状に分布し、粒子間に空隙を形成した状態で固定された硬化物が得られ、単位体積当たりの吸放湿量および塗膜強度において高い性能を有することが可能となる。特に塗膜強度に関しては、180度の折り曲げにも耐えうるシートが成形された。
【0020】
本発明の好ましい態様としては、前記コート剤が、平均直径3〜12nmの細孔径を有し、細孔容積が0.3ml/g以上の無機多孔質体と、ガラス転移温度が−50℃以上の有機物のエマルジョンとを含むこととする。
そうすることにより、住環境において快適とされる約50〜70%の相対湿度の範囲に自律的に調整可能な可とう性のあるシートが外観良く形成できる。
【0021】
本発明のさらに好ましい態様においては、前記有機物のエマルジョンのガラス転移温度が−5℃〜−50℃であるようにする。
そうすることにより、乾燥硬化後の被膜中のエマルジョンは、粒子形状をある程度保持したまま固定され、前述した高い吸放湿性能、強度、撥水性能などが得られる。なお、ガラス転移温度が−5℃未満であることにより十分な耐折り曲げ性が得られる。
【0022】
本発明の好ましい態様においては、前記無機多孔質体の平均粒径が60μm以下であるようにする。
好ましくは、基材の吸水性や空隙率、塗膜の厚さによって無機多孔質体の粒径を使い分ける。例えば、基材を不織布基材のように空隙率の大きいものにする際には、平均粒径30μm以下の無機多孔質体が望ましく、一方、空隙率が低い基材に塗工する場合には、平均粒径30μm〜60μmの無機多孔質体を使用すると、申し分ない外観の塗膜が得られる。なお、平均粒径が60μmより大きいと、表面に凹凸が発生し外観を損ねる。
【0023】
本発明の好ましい態様においては、前記有機物のエマルジョン中の粒子の粒径は前記無機多孔質体の粒径よりも小さく、かつ、平均粒径0.2μm以上であるようにする。
エマルジョンの吸水性能は、水溶性成分が島状に存在した時に出来る吸水スポットによるところがあり、エマルジョンの粒子の粒径が0.2μm未満であると、エマルジョンが密になり、隣接するエマルジョン同士が融着をはじめ、吸水スポットが減少してしまう。さらに、無機多孔質体の周囲をエマルジョンが密に取り囲む形になり、無機多孔体への透湿経路を塞ぐことになる。従って、この場合、吸放湿性能を低下させることになる。
さらに好ましい態様においては、エマルジョンの粒子の粒径は1μm未満であるのが好ましい。有機物のエマルジョン中の粒子の粒径が大きすぎると、無機多孔質体の充填率が下がり、そのために吸放湿性能を低下させることもあるからである。
ここでエマルジョン中の粒子の粒径はレーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(セイシン企業製レーザーマイクロンサイザーLMS−30)により計測する。
【0024】
本発明の好ましい態様においては、前記無機多孔質体が略球状の粒子であるようにする。
流動性の良い略球状粒子を用いることにより、膜内での無機多孔質体の充填率が増し、吸放湿性能を向上させることが出来る。
【0025】
本発明の好ましい態様においては、本発明の調湿部材が、建物の室内側の最表層部に、室内空気と接するように配置されているようにする。
そうすることで、室内で発生した水蒸気を速やかに調湿部材が吸放湿することで、空間の相対湿度を速やかに調整することが可能となる。
【0026】
本発明の好ましい態様においては、本発明の調湿部材の施工面積と室内容積の比である気積比が0.3(m2/m3)以上であるようにする。
空間を調湿するためには、調湿部材が広範囲にわたって施工されていることが望ましく、気積比が0.3以上であれば、空間を調湿するのに十分な施工面積が得られ、より好ましくは気積比が0.7(m2/m3)以上である。
そうすることで、十分な施工面積が得られ、空間を調湿する効果が良好に発揮される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明について、詳述する。
本発明において、無機多孔質体は、例えば、アルミナ−シリカ系共沈キセロゲル多孔体、シリカゲル、γ−アルミナ多孔体、メソポーラスゼオライト、多孔質ガラス、アパタイト、珪藻土、セピオライト、アロフェン、イモゴライト、活性白土、多孔質シリカから選ばれた少なくとも一種が利用できる。
また、その細孔径は平均直径3〜12nmであり、細孔容積が0.3ml/g以上とする。ここで、細孔の平均直径および細孔容積は、比表面積/細孔分布測定装置(アサップ2000,マイクロメリティックス社製)を使用し、脱着等温線を用いてBarrett Joyner Halenda法により計測する。また、無機多孔質体の平均粒径は60μm以下であるのが好ましい。ここで、無機多孔質体の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(セイシン企業製レーザーマイクロンサイザーLMS−30)により計測する。
【0028】
上記物質のうち、アルミナ−シリカ系共沈キセロゲル多孔体は、次のように製造することが出来る。すなわち、硝酸アルミニウム9水和物とオルト珪酸テトラエチルを所定のSiO2/Al2O3比になるようにエタノールに溶かし、またこのとき、必要に応じて所定量の水を加えて溶液を調整する。この溶液を3時間攪拌した後、25%アンモニア水を瞬時に加え、共沈・ゲル化させ、ロータリーエバポレーターを用いて急速乾燥し、この乾燥ゲルを300℃で4時間焼成し、アルミナ−シリカ系共沈キセロゲル多孔体を得ることが出来る。
【0029】
γ−アルミナ多孔体は、例えば、カオリン鉱物および/またはアルミナ−シリカ系の共沈ゲルを仮焼後、アルカリまたはフッ酸にて処理することにより得ることが出来る。
カオリン鉱物は、一般式:nSiO2・Al2O3・mH2Oで表されるが、このようなカオリン鉱物として、具体的には例えば、カオリナイト(2SiO2・Al2O3・2H2O)、ディッカイト(2SiO2・Al2O3・2H2O)、ナクライト(2SiO2・Al2O3・2H2O)、ハロイサイト(2SiO2・Al2O3・4H2O)、アロフェン(1〜2SiO2・Al2O3・5H2O)、イモゴライト(SiO2・Al2O3・nH2Oなどが挙げられる。このカオリン鉱物を加熱すると、カオリン鉱物→メタカオリン→スピネル相(γ−アルミナ)+非晶質シリカ→ムライト+クリストバライトへと相変化する。
このようにカオリン鉱物をスピネル相と非晶質シリカとに相分離させるには、通常、900〜1200℃、好ましくは950〜1000℃の温度で100時間以下、好ましくは1〜24時間程度加熱すればよい。
例えば、カオリン鉱物としてジョージア産カオリナイトあるいは中国産ハロイサイトを用いる場合には、950〜1000℃程度の温度で1〜24時間程度保持し、スピネル相と非晶質シリカとに相分離された熱処理物を調製することが好ましい。なお、中国産ハロイサイト等のカオリン鉱物を相分離させる熱処理温度が1200℃よりも高くなると、γ−アルミナと非晶質シリカが反応してムライトが生成するため、γ−アルミナが消失する。一方、カオリン鉱物の熱処理温度が900℃よりも低いと、スピネル相と非晶質シリカへの相分離が生じない。
上記熱処理物をアルカリまたはフッ酸にて処理してγ−アルミナ多孔体を製造する。アルカリまたはフッ酸にて処理する際には、熱処理物1g当たりアルカリとして濃度1〜5モル/l程度のKOH溶液を用いる場合には、通常200℃以下、好ましくは25〜200℃、さらに好ましくは50〜90℃の温度で、通常100時間以下、好ましくは1分〜100時間、さらに好ましくは5分〜100時間、特に好ましくは30分〜5時間程度保持することが望ましい。
【0030】
カオリン鉱物の熱処理物をアルカリまたはフッ酸にて処理すると、非晶質シリカなどのアルカリ可溶成分を選択的に溶解、除去させ、多孔質化させることができる。
上記アルカリとしては、強アルカリ性を示すものであればよく、LiOH,NaOH,KOH,Mg(OH)2,Ca(OH)2等が例示される。
このようにして得られたγ−アルミナ多孔体は、通常、2〜4nm付近に細孔径の揃った鋭いピークを示し、比表面積は100〜350m2/g程度と高く、全細孔容積も0.5〜0.9ml/gと大きく、高温下においても高い比表面積を保持できる。
【0031】
有機物のエマルジョンは、例えば、アクリルエマルジョン、アクリルスチレンエマルジョン、アクリルシリコーンエマルジョン、エチレン酢酸ビニルエマルジョン、シリコーンエマルジョン、酢酸ビニルアクリルエマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、酢酸ビニルベオバエマルジョン、ウレタンアクリル複合エマルジョン、シリカ変性アクリル共重合エマルジョン、スチレンアクリルウレタン複合エマルジョン、エチレン酢酸ビニルアクリル複合エマルジョン、酢酸ビニルマレート共重合エマルジョン、エチレン−ビニルエステル系共重合体水性エマルジョン、フッ素エマルジョンなどが挙げられ、このうち少なくとも一種が利用できる。これら有機物のエマルジョンは、特に優れたバインダー機能を有し、塗膜のひび割れを防ぐばかりではなく、紙のような可とう性のある基材に塗布した場合には、可塑剤などを配合しなくても柔軟性があるシートが得られる。
【0032】
基材としては、例えば、各種の金属基材、無機質基材、プラスチック基材、木質系基材等の他、紙、合成樹脂シート、織布、不織布、ガラス繊維シート、金属繊維・ガラス繊維複合シート、難燃裏打紙等、可とう性のある基材も挙げられる。
【0033】
基材として紙のように吸放湿性乃至透水性のあるものを使用する場合、吸放湿層で吸着された水分が基材を通ってその裏面(例えば壁の内部)に浸透することがある。場合によっては、裏面に浸透した水分の為に裏面そのものが湿気を帯びたり、反りを生じたり、あるいはカビや錆を生じるなどの不都合を生じることがある。そこでこの現象を防止する必要のある時には基材基材の表面(吸放湿性樹脂層側)、裏面、あるいは表裏両面に防湿・防水層を形成しておくことが好ましい。防湿・防水材としてはポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、シリカ蒸着テレフタレートなどがある。この防湿・防水層は、吸放湿シートまたはそれを吸放湿層を塗布した基材に接着剤で張り合わせたり、溶融押し出し法などで塗工することによって形成する。
【0034】
本発明の機能性部材は、その用途として、壁、床、天井などの建築物内装材が代表的であるが、その他、自動車、電車、船舶、航空機などの乗り物の内装材、扉、襖、窓枠、手すりなどの建具、箪笥、キッチンなどの家具、間仕切り、容器などにも利用される。
【0035】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
無機多孔質体の物性測定は下記の方法で行った。
BET比表面積および細孔径,細孔容積測定:各試料の比表面積測定を窒素吸着によるBET法で、細孔径分布の解析を脱離側等温線を用いてBarrettJoyner Halenda法により行なった。測定には、比表面積/細孔分布測定装置(アサップ2000,マイクロメリティックス社製)を用いた。測定に際しては、試料約0.2gを用いた。脱気は、110℃で10− 3torr未満になるまで10時間行なった。
【0036】
無機多孔質体の平均粒子径の測定:レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(セイシン企業製レーザーマイクロンサイザーLMS−30)を用いた。
無機多孔質体のかさ密度の測定:タップ密度測定器(セイシン企業製タップデンサーKYT−4000)を用いた。
有機物のエマルジョンの乾燥物のかさ密度の測定:有機物のエマルジョン分散液を乾燥させ、その乾燥物をアルキメデス法により、かさ密度を測定した。その際、溶媒は灯油を用い、再溶解しないように測定した。
【0037】
実施例1
[調湿部材サンプルの作製]
基材として、坪量65gの壁紙原紙を用いた。
無機多孔質体は、活性アルミナ[水沢化学工業(株)製の商品名NEOBEAD−GB,比表面積200m2/g,平均細孔半径;5nm、細孔容積;0.48ml/g、平均粒子径;50μm、かさ密度680g/L]を用いた。
有機物のエマルジョンとして、アクリルエマルジョン[大日本インキ化学工業(株)製の商品名ボンコート3625,エマルジョン中の粒子の粒径;0.25μm,有効成分59.5wt%、乾燥物のかさ密度1200g/L]を用いた。
表1に示す配合をそれぞれの配合比に沿って、混錬機に添加し、混錬し、コート剤Aを得た。
コーティングはコンマコーターで、乾燥後の吸放湿層の厚みが150μmとなるように製膜し、調湿シートAを作製した。
【0038】
【表1】
【0039】
実施例2
乾燥後の吸放湿層の厚みが300μmとなるように製膜した以外は実施例1と同様にして、調湿シートBを作製した。
【0040】
比較例1
市販の珪藻土壁紙(製品厚さ;0.6mm)を比較に用いた。
【0041】
比較例2
市販の多孔質セラミックス建材(製品厚さ;5.5mm)を比較に用いた。
【0042】
実施例3
図1に示した6畳間の試験小屋を、大型恒温恒湿試験室の中に設置し、窓をのぞく壁、天井の全面に調湿シートAを施工した。気積比は1.2(m2/m3)であった。
【0043】
実施例4
調湿シートBを実施例3と同様の試験小屋の天井面のみに施工した。気積比は0.4(m2/m3)であった。
【0044】
比較例3
比較例1の珪藻土壁紙を、実施例3と同様の試験小屋に、実施例3と同様に施工した。気積比は1.2(m2/m3)であった。
【0045】
比較例4
比較例2の多孔質セラミックス建材を実施例3と同様の試験小屋に、図2のとおり腰壁部にのみ施工した。気積比は0.2(m2/m3)であった。
【0046】
(参考例)フィールド試験
木造住宅の6畳間に実施例1の調湿シートAと、比較例1の珪藻土壁紙を気積比約1.3(m2/m3)で施工した。
測定はおのおの6日間実施し、温湿度データの採取を行うとともに、朝6:30に窓の結露状態を目視で確認した。試験期間は、2002年2月27日〜3月10日で、途中張り替えのために期間を要した。
【0047】
[評価方法]
(1) 吸放湿性能の測定
先ず、測定サンプルを23℃、33%R.H.の恒温恒湿槽中で平衡にさせ、次にサンプルを23℃、93%R.H.の恒温恒湿槽中に入れて、吸湿量を24時間にわたって測定し、そして再び23℃、33%R.H.の恒温恒湿槽中に入れて放湿量を測定する。このときの放湿量の値を、単位面積あたりの重量に換算して吸放湿性能を算出した。
(2) 大型恒温恒湿試験室内の試験小屋での試験(実施例3,4)
図1の試験小屋を大型恒温恒湿試験室の中に設置し、初期温湿度を23℃、65%R.H.として1日平衡させた。
その後、4℃/1hのスピードで大型恒温恒湿試験室の温度を15℃まで下げたときの、室内の温湿度データと窓面への結露発生状況について観察した。
また、結露発生量についても、乾燥させた布で結露を丁寧に拭き取り、その重量から結露発生量を測定した。
尚、この初期の温湿度、温度変化のスピードは実環境での2002年2月27日〜3月10日の間、実環境のデータを測定し、その間の平均的な条件を採用した。
【0048】
[実験結果]
吸放湿特性の測定結果
表2に評価結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2から明らかなように、実施例1の調湿シートAは吸放湿量53.4g/m2 、100μmあたりでも35.6g/m2 と優れた調湿性能を有していた。
実施例2の調湿シートBは、実施例1の吸放湿層の厚みを倍として作製したものであり、吸放湿量101.4g/m2 、100μmあたりでも33.8g/m2 と優れた調湿性能を有していた。
比較例1の市販珪藻土壁紙は、吸放湿量は12.7g/m2と小さく、100μmあたりでも8.4g/m2 と小さく明らかに性能不足である。
比較例2の多孔質セラミックスは吸放湿量は143.1g/m2 と優れているが、100μmあたりでは2.6g/m2 であり、厚みによって性能を得ていたことが分かる。また、比較例2は多孔質セラミックスを焼成したものであり、本発明の目的とする、施工性に優れた調湿部材を安価に提供できるものではない。
【0051】
表3、図3に参考例のフィールド試験の結果を示す。
【0052】
【表3】
【0053】
比較例1を施工した期間中には結露の発生が5日間認められたが、実施例1を施工した期間中には結露は発生しなかった。また、図1に示した温湿度データから、比較例1を施工した期間中には明け方に窓面の相対湿度が90%を超えることが有り、このような場合に結露が発生している。
【0054】
表4に大型恒温恒湿試験室での試験において、部屋中央部における相対湿度の最高値と窓面への結露発生状況、結露発生量について示した。
【0055】
【表4】
【0056】
表4から明らかなように、調湿シートAを全面に施工した実施例3、調湿シートBを天井面のみに施工した実施例4では、結露はまったく見られなかった。
珪藻土壁紙を全面に施工した比較例3では、結露の発生が顕著であり、窓面には4.2gもの結露水が付着していた。
多孔質セラミックスを施工した比較例4では、施工面積が小さいため、空間を調湿するのに十分な性能が発揮されず、窓面への結露の発生が顕著であり、その結露量は0.6gであった。
比較例3、4では室内中央での相対湿度が70%を超えており、快適な空間とは言えず、またこのように多量の水蒸気を含んだ空気は、外気により冷やされた窓面で結露することとなる。
一方で実施例3、4の調湿シートを施工した場合は室内中央での相対湿度が70%を下回っており、快適な空間を維持している。
【0057】
【発明の効果】
本発明によれば、単位体積あたりの吸放湿性能が高められ、薄膜でも優れた調湿効果を発揮でき、施工性に優れた調湿部材を安価に生産効率よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3、4、比較例3、4で用いた試験小屋である。
【図2】比較例4の施工図である。
【図3】フィールド試験における温湿度データである。
【符号の説明】
1:試験小屋、2:窓、3:温湿度計、4:比較例4の施工箇所
Claims (16)
- 無機多孔質体と有機物のエマルジョンとを含むコート剤の硬化物が基材表面に吸放湿層を形成している部材において、吸放湿性能が30g/m2 以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2以上であることを特徴とする調湿部材。
- 請求項1に記載の調湿部材であって、吸放湿性能が70g/m2 以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2以上であることを特徴とする調湿部材。
- 請求項1、2に記載の調湿部材において、前記コート剤中の無機多孔質体含有量が、有機物のエマルジョンの乾燥物100体積部に対し300〜1000体積部であることを特徴とする調湿部材。
- 請求項1〜3いずれか1項に記載の調湿部材において、前記コート剤が、平均直径3〜12nmの細孔径を有し、細孔容積が0.3ml/g以上の無機多孔質体と、ガラス転移温度が−50℃以上の有機物のエマルジョンとを含むことを特徴とする調湿部材。
- 請求項1〜4いずれか1項に記載の調湿部材において、前記有機物のエマルジョンのガラス転移温度が15℃〜−50℃であることを特徴とする調湿部材。
- 可とう性を有する基材の表面に、無機多孔質体と有機物のエマルジョンとを含むコート剤の硬化物が基材表面に吸放湿層を形成しているシートにおいて、吸放湿性能が30g/m2以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2以上であり、シート重量が500g/m2以下であることを特徴とする調湿部材。
- 請求項6に記載の調湿シートであって、吸放湿性能が70g/m2以上であり、かつ膜厚み100μmあたりの吸放湿性能が15g/m2以上であり、シート重量が500g/m2以下であることを特徴とする調湿シート。
- 請求項6、7に記載の調湿シートにおいて、前記コート剤中の無機多孔質体含有量が、有機物のエマルジョンの乾燥物100体積部に対し300〜700体積部であることを特徴とする調湿シート。
- 請求項6〜8いずれか1項に記載の調湿シートにおいて、前記コート剤が、平均直径3〜12nmの細孔径を有し、細孔容積が0.3ml/g以上の無機多孔質体と、ガラス転移温度が−50℃以上の有機物のエマルジョンとを含むことを特徴とする調湿シート。
- 請求項6〜9いずれか1項に記載の調湿シートにおいて、前記有機物のエマルジョンのガラス転移温度が−5℃〜−50℃であることを特徴とする調湿シート。
- 前記無機多孔質体の平均粒径が60μm以下であることを特徴とする請求項1〜10いずれか1項に記載の機能性部材。
- 前記有機物のエマルジョン中の粒子の粒径は前記無機多孔質体の粒径よりも小さく、かつ、平均粒径0.2μm以上であることを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の機能性部材。
- 前記無機多孔質体が略球状の粒子であることを特徴とする請求項1〜12いずれか1項に記載の機能性部材。
- 請求項1〜13に記載の機能性部材が、建物の室内側の最表層部に、室内空気と接するように配置されていることを特徴とする部屋。
- 機能性部材の施工面積と室内容積の比である気積比が0.3(m2/m3)以上であることを特徴とする請求項14に記載の部屋。
- 機能性部材の施工面積と室内容積の比である気積比が0.7(m2/m3)以上であることを特徴とする請求項14に記載の部屋。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005321164A (ja) * | 2004-05-11 | 2005-11-17 | Toyobo Co Ltd | 温熱環境シミュレーション装置 |
JP2007063779A (ja) * | 2005-08-29 | 2007-03-15 | Panahome Corp | 表装仕上げシートおよび表装仕上げ建材 |
JP2010202308A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Mitsubishi Electric Corp | エレベーターのかご室 |
-
2003
- 2003-03-26 JP JP2003085562A patent/JP2004082691A/ja active Pending
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