JP2004079331A - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電灯に始動電圧を印加する出力トランスの小型化が図れる放電灯点灯装置を提供することにある。
【解決手段】インバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられた複数のフィラメントを予熱する予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】インバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられた複数のフィラメントを予熱する予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、3灯以上の放電灯を直列点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の放電灯点灯装置としては、特開平8−330082に開示されたものがあり、図8はその回路図である。このものは、直流電源回路1と、インバータ回路3と、チョークコイルL1と、フィラメントを有する放電灯La1、La2、La3と、放電灯La1、La2、La3が直列に接続されこの放電灯La3とインバータ回路3との間に接続されたコンデンサ19と、3灯の直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントf1a、f3bの間に接続されたコンデンサ23と、チョークコイルL1の2次側に設けられた予熱巻線NL1、NL2と、予熱巻線NL1と直列に接続された個別の放電灯のフィラメントf1b、f2aとの間に接続されたコンデンサCL1と、予熱巻線NL2と直列に接続された個別の放電灯のフィラメントf2b、f3aとの間に接続されたコンデンサCL2と、を備えて構成されている。
【0003】
この放電灯点灯装置の動作を説明すると、このものは、交流電源ACより供給される交流電圧を直流電源回路1にて直流電圧Vdcに変換する。そして、この直流電圧Vdcをインバータ回路3により高周波の電圧に変換する。さらに、この高周波の電圧は、チョークコイルL1、放電灯La1のフィラメントf1a、コンデンサ23、放電灯La3のフィラメントf3b、コンデンサ19、に戻る閉ループで電圧を印加する。これによりチョークコイルL1とコンデンサ23とで共振が発生し、この共振によりコンデンサ23に所定の高周波の電圧が印加され、ひいては放電灯La1、La2、La3にも電圧が印加される。このときチョークコイルL1からフィラメントf1a、コンデンサ23、フィラメントf3bさらにコンデンサ19に戻る閉ループで電流が流れ、両端に位置する端のフィラメントf1a、f3bが予熱される。また、これによりチョークコイルL1に電流が流れ、この2次側に設けられた予熱巻線NL1、NL2に電圧が発生する。この電圧は、コンデンサCL1、CL2を介して直列に接続された個別の放電灯のフィラメントつまりf1b、f2aとf2b、f3aとに印加され、各々のフィラメントが予熱され、放電灯La1〜La3は、始動しやすくなり点灯する。そして、点灯後は、チョークコイルL1が、所謂、バラストとして働き、所定のランプ電流が放電灯に流れる。
【0004】
さらに、この放電灯点灯装置を応用したものとして、図9に示したものが考えられる。このものは、図8で示したもののチョークコイルL1の構成を変えたもの、つまり、チョークコイルL1を出力トランスOTに変更したものである。出力トランスOTは、リーケージトランスであり、インバータ回路3の出力側に接続された1次巻線N1と、この1次巻線N1とは絶縁され放電灯La1、La2、La3に電力を供給するために設けた2次巻線N2と、これとは別に設けた複数の巻線N3〜N5、N60と、により構成されている。ここで、巻線N3、N4は、前述した図8で示した予熱巻線NL1、NL2と同じ働きをするものである。また、巻線N5は、インバータ回路3を制御するための制御電源を供給するために、巻線N60は、放電灯L1、L2、L3の寿命末期などの異常状態を検出するために、各々、設けたものである。なお、その他の図8に示した従来例と同一の構成部材には同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0005】
また、この放電灯点灯装置の動作は、出力トランスOTの1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比により、インバータ回路3の出力電圧が所定の比率で変わること、さらに、所謂、バラストとして、リーケージトランスによるインダクタンスを用いており、これにより所定のランプ電流が放電灯に流れる。まお、その他の動作は、前述した従来例と同一であり、説明を省略する。
【0006】
なお、この方法によると、出力トランスOTの1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比を変えることにより、出力トランスOTの2次側の出力電圧を自由に設定することができ、放電灯を直列に接続した場合の、始動電圧を容易に確保することができる。
【0007】
なお、抵抗26〜30は、放電灯La1〜La3の外れを検出するために設けられたものである。具体的には、所定の直流電圧Vdcから、抵抗26、放電灯La1のフィラメントf1a、抵抗27、放電灯La1のフィラメントf1b、放電灯La2のフィラメントf2a、抵抗28、放電灯La2のフィラメントf2b、放電灯La3のフィラメントf3a、抵抗29、放電灯La3のフィラメントf3b、抵抗30を介して検出回路に電圧が出力されることで、放電灯La1〜La3が装着されていることを検出している。そして放電灯が一つでも装着されていない場合は、所定の直流電圧Vdcの電圧が途中で遮断され、検出回路には電圧が出力されない。
【0008】
前述したものでは、放電灯を直列に接続することにより、並列に接続したときのように、放電灯個々にバラストを設ける必要がなく、回路を小型化できる。さらに、バラストから発生する熱も、所定のランプ電流を流すバラストが1個で済むため、これを複数設けた場合と比べて、少なくできる点で好都合である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した放電灯点灯装置では、放電灯を全て直列に接続しているため、放電灯を始動させるたの電圧を大きくする必要がある。例えば、放電灯1本で250Vの始動電圧が必要な場合、これを3本直列に接続すると、350〜60V程度の始動電圧が必要となり、これに対応するために、前述した、出力トランスOTの1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比を大きくする必要があった。これのために出力トランスOTの2次巻線の巻数を増やす必要があるが、これは、出力トランスOTが大型化する要因になっていた。また、2次巻線としては、巻線N2〜N5、N60の5種類を2次側に巻く必要があり、各々の巻線間の絶縁処理が必要となり、また、巻き位置、巻数、線種などの管理も必要となり巻線の複雑化、大型化を招くものとなり、改善の余地があった。
【0010】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、直列に接続した放電灯に始動電圧を印加する出力トランスの小型化が図れる放電灯点灯装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の放電灯点灯装置は、直流電圧を高周波の電圧に変換して出力するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、前記出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項1において、前記基準予熱巻線より回路を制御するための電力、又は、放電灯の異常を検出するための信号の少なくとも一方を得るものであることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項2において、前記基準予熱巻線は、同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部がインバータ回路のグラウンドに接続され、両端部がコンデンサに接続されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項1乃至請求項3いずれかにおいて、直列に接続された放電灯が偶数の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯間のフィラメントに接続し、直列に接続された放電灯が奇数灯の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯のいずれか片側のフィラメントに接続したことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項4において、放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランスの2次巻線の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサを、前記基準予熱巻線の両端の各々にインピーダンス素子を介して接続されたフィラメントと、直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントのいずれか片側の端のフィラメントと、の間に接続したことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項5において、前記主シーケンスコンデンサは、直列接続された放電灯が奇数灯の場合は、両端に位置する端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントに接続したことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項5又は6において、前記主シーケンスコンデンサの両端に接続された放電灯の灯数Nより1少ない数のシーケンスコンデンサを、1つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメント間に、2つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメント間に、・・N−1灯目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯をN−1灯分介したフィラメント間に、接続したことを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記出力トランスは、漏れインダクタンスを有するリーケージトランスとしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。図1は放電灯点灯装置の回路図である。このものは、直流電源回路1と、電圧変換回路2と、インバータ回路3と、出力トランス4と、直列に接続された放電灯La1、La2、La3と、出力トランス4の2次側回路5と、制御回路6と、を備えて構成している。
【0020】
直流電源回路1は、フィルター回路1aと、整流回路1bと、により構成している。フィルター回路1aは、商用の交流電源ACからの雑音を整流平滑回路1b以降の回路に侵入するのを防止したり、あるいは逆に、インバータ回路3からの雑音が電源側に漏れるのを防止するもので、コンデンサ101と、フィルター102と、を備えている。整流回路1bは、交流電源ACからの交流電圧を脈流電圧に変換するもので、整流回路103と、コンデンサ104と、を備えている。
【0021】
電圧変換回路2は、直流電源回路1からの脈流電圧を他の直流電圧Vdcに変えるものであり、ここでは、昇圧チョッパ回路を用いている。この電圧変換回路2は、チョークコイル12と、スイッチング素子13と、ダイオード14と、電解コンデンサ15と、抵抗105、106と、を備えて構成している。
【0022】
インバータ回路3は、電圧変換回路2からの直流電圧Vdcを高周波でかつ矩形波の電圧に変換するものであり、平滑コンデンサ15の両端に直列に接続されたスイッチング素子16、17と、スイッチング素子16、17の接続点と出力トランス4の間に接続されたコンデンサ31と、抵抗107〜110と、を備えて構成している。
【0023】
出力トランス4は、漏れインダクタンスをもつリーケージトランスであり、インバータ回路3のスイッチング素子16の両端にコンデンサ31を介して接続された1次巻線N1と、この1次巻線N1とは絶縁された2次巻線N2と、これとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線N3、N4と、を備えて構成している。
【0024】
放電灯La1、La2、La3は、フィラメント有する、例えばFL20WやFL40Wなどの直管蛍光灯であり、3灯が直列に接続されている。ここで放電灯La1のフィラメントをf1aとf1b、放電灯La2のフィラメントをf2aとf2b、放電灯La3のフィラメントをf3aとf3b、としており、フィラメントf1bとf2a、f2bとf3aが、各々直列に接続されている。
【0025】
2次側回路5は、出力トランス4と放電灯La1、La2、La3の間に接続されたコンデンサ19〜22と、放電灯La1、La2、La3と並列に接続されたコンデンサ23と、主シーケンスコンデンサ24と、シーケンスコンデンサ25と、インバータ回路3からシーケンスコンデンサ25とフィラメントf1aとの接続点の間に接続された抵抗26と、放電灯La1、La2、La3の各々に並列に接続された、放電灯La1のインピーダンスよりも十分に大きい抵抗27と、放電灯La2のインピーダンスよりも十分に大きい抵抗28と、放電灯La3のインピーダンスよりも十分に大きい抵抗29と、を備えて構成している。
【0026】
制御回路6は、放電灯が外れたことを検出するために設けた放電灯外れ検出回路6aと、放電灯の寿命末期などにインバ−タ回路3に過剰なストレスが印加されることを防ぐために設けた放電灯異常検出回路6bと、制御回路に電力を供給するするために設けた制御電源回路6cと、電圧変換回路2のスイッチング素子13およびインバータ回路3のスイッチング素子16、17とを駆動する制御用のIC回路6dと、を備えて構成している。放電灯外れ検出回路6aは、抵抗30、40と、コンデンサ113と、ダイオード111と、定電圧ダイオード112と、を備えている。放電灯異常検出回路6bは、定電圧ダイオード36と、抵抗38、39と、コンデンサ37と、を備えている。また、制御電源回路6cは、抵抗33と、定電圧ダイオード114と、電解コンデンサ32と、を備えている。
【0027】
ここで重要なことは、出力トランス4の予熱巻線を、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成したことである。
【0028】
具体的には、別個の放電灯のフィラメント、つまり放電灯La1のフィラメントf1bと放電灯La2のフィラメントf2a、を直列に接続し、この直列に接続したフィラメントf1b、f2aにインピーダンス素子、つまりコンデンサ20、を介して接続されたフィラメントf1b、f2aを予熱する絶縁型予熱巻線N3を設けたことである。
さらに、別個の放電灯のフィラメント、つまり放電灯La2のフィラメントf2bと放電灯La3のフィラメントf3a、を直列に接続し、この直列に接続したフィラメントf2b、f3aの両端の各々にインピーダンス素子、つまりコンデンサ21、22を介して接続されたフィラメントf2b、f3aを予熱する基準予熱巻線N4を設けたことである。
【0029】
ここで基準予熱巻線N4は、直列に接続された放電灯が奇数のため、中央に位置する放電灯La2の片側のフィラメントf2bに接続されている。さらに、基準予熱巻線N4は、巻き始めから巻き終わりまでが同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部をインバータ回路のグラウンドに接続している。そして、基準予熱巻線N4のコンデンサ21側には、ダイオード35のカソードを、基準予熱巻線N4のコンデンサ22側には、ダイオード34のカソードを接続している。そしてダイオード34、35のアノード同士を接続して制御回路6の放電灯異常検出回路6bと制御電源回路6cの入力部に接続している。これにより、基準予熱巻線N4は、放電灯異常検出回路6bには異常検出信号を、制御電源回路6cには電力を、供給している。
【0030】
さらに、放電灯La1、La2に並列に接続され、始動時に出力トランス4の2次巻線N2より放電灯La1、La2、La3に加わる電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサ24を、基準予熱巻線N4の両端の各々にコンデンサ21を介して接続されたフィラメントf2bと、直列に接続された放電灯La1、La2、La3の両端に位置する端のフィラメントf1aと、の間に接続している。なお、この主シーケンスコンデンサ24の接続箇所は、基準予熱巻線N4の両端の各々にコンデンサ21、22を介して接続されたフィラメントf2b、f3aと、両端に位置する端のフィラメンf1a、f3bのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントf1aとフィラメントf2bとの間になっている。さらに、主シーケンスコンデンサ24以外のシーケンスコンデンサ25を一端が主シーケンスコンデンサ24の接続された端のフィラメントf1aに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメントf1bとの間に接続しているのである。
【0031】
次に、この放電灯点灯装置の動作を説明する。交流電源ACを投入すると、交流電圧が直流電源回路1に印加される。直流電源回路1は、これを脈流電圧に変換し、電圧変換回路2に脈流電圧を出力する。電圧変換回路2は、脈流電圧を所定の値に昇圧した直流電圧Vdcに変換する。そして、この直流電圧Vdcが、インバータ回路3と制御用のIC回路6dに印加されインバータ回路3が起動する。インバータ回路3が起動すると、直流電圧Vdcが高周波の電圧に変換され、スイッチング素子16のドレインとソース間に発生する。この高周波の電圧は、コンデンサ31を介して出力トランス4の1次巻線N1に印加され、この結果、出力トランス4の2次巻線N2に電圧が発生する。
出力トランス4の2次巻線N2に発生した電圧は、コンデンサ19、放電灯La1のフィラメントf1a、コンデンサ23、放電灯La3のフィラメントf3b、に戻る閉ループで印加される。これにより出力トランス4の2次巻線N2とコンデンサ23とで共振が発生し、この共振によりコンデンサ23に所定の高周波の電圧が印加され、ひいては放電灯La1、La2、La3にも電圧が印加される。
【0032】
このとき出力トランス4の2次巻線N2からコンデンサ19、フィラメントf1a、コンデンサ23、フィラメントf3bに戻る閉ループで電流が流れ、両端の端のフィラメントf1a、f3bが予熱される。また、このとき絶縁型予熱巻線N3、基準予熱巻線N4にも電圧が発生し、コンデンサ20、及びコンデンサ21、22を介して直列に接続された個別の放電灯のフィラメントつまりf1b、f2aとf2b、f3aとに印加される。これにより各々のフィラメントが予熱され、放電灯La1、La2、La3は、始動しやすくなり、放電灯La1、La2、La3が点灯する。
【0033】
ここで、放電灯La1、La2、La3が点灯するまでを詳しく述べると以下のようになる。まず、主シーケンスコンデンサ24とシーケンスコンデンサ25により、(放電灯La3のインピーダンス>放電灯La1、La2と主シーケンスコンデンサコンデンサ24、シーケンスコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、前述したコンデンサ23に印加された所定の電圧は、放電灯La3側に、より大きく分配される。これにより、まず最初に放電灯La3が点灯する。
【0034】
放電灯La3が点灯すると、放電灯La3のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くが主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に印加される。このとき、(放電灯La2のインピーダンス>放電灯La1とシーケンスコンデンサコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に発生した電圧は、放電灯La2側に、より大きく分配さる。これにより、放電灯La2が点灯する。放電灯La2が点灯すると、放電灯La2のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くがシーケンスコンデンサコンデンサ25の両端に印加され、放電灯La1が点灯し、全ての放電灯が点灯する。
【0035】
そして、点灯後は、出力トランス4の2次巻線N2が、所謂、バラストとして働き、所定のランプ電流が各放電灯に流れる。なお、コンデンサ20及びコンデンサ21、22は、絶縁型予熱巻線N3及び基準予熱巻線N4に過電流が流れることを防止するためのものである。
【0036】
次に、基準予熱巻線N4のフィラメント予熱以外の動作を説明する。まず、基準予熱巻線N4は、これに発生した電圧を制御回路6の制御電源回路6cに印加し、これに電力を供給している。具体的には、基準予熱巻線N4に発生した電圧は、ダイオード34、35を介して全波整流され、この全波整流された電圧が抵抗33を介して電界コンデンサ32に充電される。そして、制御電源回路6cは、電界コンデンサ32を電源として制御用のIC回路6dに電力を供給している。
【0037】
さらに、出力トランス4の基準予熱巻線N4に発生した電圧は、制御回路6の放電灯異常検出回路6bにも印加され、放電灯の寿命末期などの異常を検出している。具体的には、ダイオード34、35を介して基準予熱巻線N4に発生した電圧を全波整流し、この全波整流した電圧を定電圧ダイオード36に印加している。そして、この電圧が、定電圧ダイオードのツェナー電位を超えたときに、抵抗38を介して、コンデンサ37に電流が流れる。このとき電圧は、抵抗38、39により分圧され、この分圧された電圧が制御用のIC回路6dに印加される。制御用のIC回路6dでは、この電圧値を検出し、放電灯が異常か否かを判定し、異常の場合は、インバータ回路3の出力を停止する又は低減するなどの動作をさせて、回路の保護を行っている。なお、ここでは、出力トランス4にリーケージトランスを用いたため、放電灯La1〜La3に印加される電圧波形と、ほぼ相似した波形が、基準予熱巻線N4に発生するようになっており、より高精度な放電灯の異常検出が可能となる。
【0038】
なお、放電灯の始動電圧については、出力トランス4の2次巻線N2、すなわち放電灯を点灯させるために電圧を供給する巻線の接地をとる場所で変わることが知られている。しかし、このものでは、出力トランス4の2次巻線N2以外の巻線、すなわち基準予熱巻線N4をインバータ回路3のグランドと接続することにより、接続しないものと比較して、放電灯の始動電圧を約10%程度下げることができる。
【0039】
なお、放電灯La1、La2、La3の外れを検出するために設けられた抵抗26、27、28、29、30の動作は、従来の技術で説明したものと同じであり、説明を省略する。
【0040】
この実施の形態によると、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続されたフィラメントを予熱する基準予熱巻線N4を設けたことにより、放電灯を始動するための二次電圧を低減することができ、出力トランス4の2次巻線N2の巻数を減らすことが可能となる。また、基準予熱巻線N4からは、回路を制御するための電力及び放電灯の異常を検出するための信号を得ることができるので、このための専用の巻線を設ける必要がなくなる。従って、直列に接続した放電灯に始動電圧を印加する出力トランス4の小型化を図ることができる。
【0041】
なお、インバータ回路3は、スイッチング素子を2個用いたハーフブリッジ式の回路で説明したが、スイッチング素子を1個にしたものでハーフブリッジ式よりは昇圧度合いの大きい1石式や、出力トランス4を形成しやすいプッシュプル式などの回路方式であってもよい。
【0042】
また、電圧変換回路2は、昇圧チョッパ式の回路で説明したが、降圧チョッパ式のものや、図2の回路図に示したような、ハーフブリッジ式のインバータ回路3と兼用された、所謂、高周波充電方式のものであってもよい。特に、高周波充電方式の回路では、昇圧チョッパ式のものに比べ安価なものにできる。なお、図2の回路図ものは、図1の回路図ものと同一の構成部材には、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0043】
また、出力トランス4は、コンデンサ31を介してスイッチング素子16のドレイン・ソース間に接続されているが、コンデンサ31を介してスイッチング素子17のドレイン・ソース間に接続されても良い。
【0044】
さらに、出力トランス4は、漏れインダクタンスをもつリーケージトランスで説明したが、漏れインダクタンスををもたない、通常の出力トランスを用いて、この出力トランスの2次巻線にチョークコールを直列に接続したものであってもよい。
【0045】
次に、第1の実施の形態の応用例を説明する。図3は、第1の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、前述した、基準予熱巻線N4の構成を変え、巻線N5を追加したものである。図において、基準予熱巻線N4は、巻線の巻き始めがインバータ回路のグラウンドに接続され、巻線の巻き終わりがダイオード34のカソードに接続されている。また、巻線N5は、制御回路6の制御電源回路6cに電力を供給するためのものであり、1次側と磁気結合させている。なお、その他の第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0046】
このように構成された放電灯点灯装置は、基準予熱巻線N4の電圧を半波整流された電圧として検出し、異常検出信号として用いることができる。このときの異常検出信号は、基準予熱巻線N4に発生した電圧のピーク値の上下を検出することができ、第1の実施の形態で示したもののと比べ、その振幅が異なる。
【0047】
この応用例によると、基準予熱巻線N4の構造が簡素化でき、さらに、これに付随するダイオードの数を少なくできる。また、異常検出信号を基準予熱巻線N4に発生した電圧のピーク値の上下として検出することができるので、より精度のよい放電灯の異常検出が可能となる。また、1次側と磁気結合させた巻線N5を追加したことにより、2次側の電圧変動にあまり影響を受けずに制御回路6の制御電源回路6cに電力を供給することができる。
【0048】
なお、コンデンサ22は、コンデンサ22と抵抗29との接続点がグランドに対して所定の電位を確保できるように設けられたもので、これにより放電灯外れ検出回路6aの動作を確実に行うことができる。なお、このことは第1の実施の形態で説明した図1の回路構成のものにおいても同じである。
【0049】
図4は、第2の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、前述した第1の応用例の基準予熱巻線N4から、異常検出信号と制御電源回路6cへの電力を得、巻線N5を無くしたものである。なお、その他の第1の応用例と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。この応用例によると、出力トランス4の構造を第1の応用例よりも簡素化できる。
【0050】
図5は、第3の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、前述した第1の応用例の絶縁型予熱巻線N3と基準予熱巻線N4を1次側と磁気結合させ、巻線N5を2次側と磁気結合させたものである。そして、基準予熱巻線N4から制御電源回路6cへの電力を、巻線N5から異常検出信号を、得たものである。なお、その他の第1の応用例と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。この応用例によると、絶縁型予熱巻線N3と基準予熱巻線N4の出力電圧が安定したものとなる。
【0051】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図6を用いて説明する。図6は放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。このものは、第1の実施の形態をもとに、放電灯の数を4灯に変え、所定の部品を追加したものである。
【0052】
図において、追加した部品は、放電灯La4と、これに並列に接続されたシーケンスコンデンサ55と、抵抗56と、絶縁型予熱巻線N6と、絶縁型予熱巻線N6とフィラメントの間に接続されたコンデンサ57である。
【0053】
ここで重要なことは、直列に接続された放電灯が偶数のため、基準予熱巻線N4を、中央に位置する放電灯、つまり、La2とLa3との間のフィラメントf2b、f3aに接続したことである。そして、放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランス4の2次巻線N2の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサ24を、基準予熱巻線N4の両端の各々にコンデンサ21を介して接続されたフィラメントf2bと、直列に接続された放電灯La1、La2、La3、La4の両端に位置する端のフィラメントf1aと、の間に接続したことである。なお、ここでは、主シーケンスコンデンサ24の容量は、シーケンスコンデンサ55の容量より大きくしている。
次に、この放電灯点灯装置の動作を説明する。出力トランス4の2次巻線N2に電圧が発生するまでは、第1の実施の形態で説明したものと同じであるのでこれ以降の動作を説明する。出力トランス4の2次巻線N2に発生した電圧は、放電灯La1のフィラメントf1a、コンデンサ23、放電灯La4のフィラメントf4b、コンデンサ19、に戻る閉ループで印加される。これにより出力トランス4の2次巻線N2とコンデンサ23とで共振が発生し、この共振によりコンデンサ23に所定の高周波の電圧が印加され、ひいては放電灯La1、La2、La3、La4にも電圧が印加される。
【0054】
このとき出力トランス4の2次巻線N2からフィラメントf1a、コンデンサ23、フィラメントf4b、コンデンサ19に戻る閉ループで電流が流れ、両端の端のフィラメントf1a、f4bが予熱される。このとき絶縁型予熱巻線N3、N6、基準予熱巻線N4にも電圧が発生し、各々の巻線に接続されたコンデンサを介して各々のフィラメントが予熱される。これにより放電灯La1、La2、La3、La4は、始動しやすくなり、放電灯La1、La2、La3、La4が点灯する。
【0055】
ここで、放電灯La1、La2、La3,La4が点灯するまでを詳しく述べると以下のようになる。まず、主シーケンスコンデンサ24とシーケンスコンデンサ55により、(放電灯La3のインピーダンス>放電灯La4とシーケンスコンデンサコンデンサ55との合成インピーダンス>放電灯La1、La2と主シーケンスコンデンサコンデンサ24、シーケンスコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、前述したコンデンサ23に印加された所定の電圧は、放電灯La3側に、より大きく分配さる。これにより、まず最初に放電灯La3が点灯する。
放電灯La3が点灯すると、放電灯La3のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くが主シーケンスコンデンサコンデンサ24とシーケンスコンデンサ55の両端に印加される。このとき、(放電灯La4とシーケンスコンデンサコンデンサ55との合成インピーダンス>放電灯La1、La2と主シーケンスコンデンサコンデンサ24、シーケンスコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、放電灯La4側に、より大きく分配さる。これにより、放電灯La4が点灯する。放電灯La4が点灯すると、放電灯La4のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くが主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に印加される。このとき、(放電灯La2のインピーダンス>放電灯La1とシーケンスコンデンサコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に発生した電圧は、放電灯La2側に、より大きく分配さる。これにより、放電灯La2が点灯する。放電灯La2が点灯すると、放電灯La2のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くがシーケンスコンデンサコンデンサ25の両端に印加され、放電灯La1が点灯し、全ての放電灯が点灯する。
【0056】
そして、点灯後は、出力トランス4の2次巻線N2が、所謂、バラストとして働き、所定のランプ電流が各放電灯に流れる。なお、その他の、絶縁型予熱巻線N3、N6、基準予熱巻線N4の動作については、第1の実施の形態で説明したものと同じである。
【0057】
この実施の形態によると、直列に接続された放電灯がシーケンスコンデンサにより始動しやすくなるので、出力トランス4の2次巻線N2の出力電圧をより低く設定することができ、出力トランス4の小型化を図ることができる。
【0058】
なお、図7は、第2の実施の形態の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、第2の実施の形態をもとに、放電灯の数を5灯に変え、所定の部品を追加したものである。図において、追加した部品は、放電灯La5と、放電灯La2と並列に接続されたシーケンスコンデンサ58と、放電灯La2と並列に接続された抵抗59と、放電灯La2のフィラメントf2bに接続された絶縁型予熱巻線N7と、絶縁型予熱巻線N7とフィラメントの間に接続されたコンデンサ60である。
【0059】
このものは、直列接続された放電灯が奇数灯のため、基準予熱巻線N4から接続する主シーケンスコンデンサ24を、両端に位置する2つの端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントつまりf1aに接続している。さらに、主シーケンスコンデンサ24と並列に接続された放電灯の灯数3より1少ない2つのシーケンスコンデンサ25、28を、1つ目のシーケンスコンデンサ25は、一端が主シーケンスコンデンサ24の接続された端のフィラメントf1aに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメントf1b間に、2つ目のシーケンスコンデンサ58は、一端が主シーケンスコンデンサ24の接続された端のフィラメントf1aに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメントf2b間に、接続している。なお、その他の第2の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0060】
この実施の形態によると、直列に接続された放電灯がシーケンスコンデンサにより始動しやすくなるので、出力トランス4の2次巻線N2の出力電圧をより低く設定することができ、出力トランス4の小型化を図ることができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、直流電圧を高周波の電圧に変換して出力するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、前記出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成したことにより、放電灯を始動するための2次電圧を低減することができ、放電灯に始動電圧を印加する出力トランスの2次巻線の巻数を減らすことが可能となるので出力トランスの小型化を図ることができる。
【0062】
請求項2記載の発明にあっては、前記基準予熱巻線より回路を制御するための電力、又は、放電灯の異常を検出するための信号の少なくとも一方を得るものであるようにしたことにより、専用の巻線を出力トランス設ける必要がなくるので請求項1に記載の効果をさらに高めることができる。
【0063】
請求項3記載の発明にあっては、前記基準予熱巻線は、同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部がインバータ回路のグラウンドに接続され、両端部がコンデンサに接続されたことにより、請求項2に記載の効果を奏するうえに、より安定的な出力を得ることができる。
【0064】
請求項4記載の発明にあっては、直列に接続された放電灯が偶数の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯間のフィラメントに接続し、直列に接続された放電灯が奇数灯の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯のいずれか片側のフィラメントに接続したことにより、請求項1乃至3に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0065】
請求項5記載の発明にあっては、放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランスの2次巻線の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサを、前記基準予熱巻線の両端の各々にインピーダンス素子を介して接続されたフィラメントと、直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントのいずれか片側の端のフィラメントと、の間に接続したことにより、請求項4に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0066】
請求項6記載の発明にあっては、前記主シーケンスコンデンサは、直列接続された放電灯が奇数灯の場合は、両端に位置する端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントに接続したことにより、請求項5に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0067】
請求項7記載の発明にあっては、前記主シーケンスコンデンサの両端に接続された放電灯の灯数Nより1少ない数のシーケンスコンデンサを、1つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメント間に、2つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメント間に、・・N−1灯目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯をN−1灯分介したフィラメント間に、接続したことにより、請求項5又は6に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0068】
請求項8記載の発明にあっては、前記出力トランスは、漏れインダクタンスを有するリーケージトランスとしたことにより、請求項1乃至7に記載の効果を奏するうえに、巻線の出力を放電灯の異常検出信号として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放電灯点灯装置の回路図である。
【図2】同上の放電灯点灯装置の電圧変換回路を変更した回路図である。
【図3】同上の放電灯点灯装置の第1の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図4】同上の放電灯点灯装置の第2の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図5】同上の放電灯点灯装置の第3の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る放電灯点灯装置のインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図7】同上の放電灯点灯装置の第1の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図8】第1の従来例に係る放電灯点灯装置の回路図である。
【図9】第2の従来例に係る放電灯点灯装置の回路図である。
【符号の説明】
1 直流電源回路
2 電圧変換回路
3 インバータ回路
4 出力トランス
N2 2次巻線
N3 絶縁型予熱巻線
N4 基準予熱巻線
N5 巻線
N6 絶縁型予熱巻線
N7 絶縁型予熱巻線
6 制御回路
6a 放電灯外れ検出回路
6b 放電灯異常検出回路
6c 制御電源回路
19 コンデンサ
24 主シーケンスコンデンサ
25 シーケンスコンデンサ
55 シーケンスコンデンサ
58 シーケンスコンデンサ
La1 第1の放電灯
La2 第2の放電灯
La3 第3の放電灯
【発明の属する技術分野】
本発明は、3灯以上の放電灯を直列点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の放電灯点灯装置としては、特開平8−330082に開示されたものがあり、図8はその回路図である。このものは、直流電源回路1と、インバータ回路3と、チョークコイルL1と、フィラメントを有する放電灯La1、La2、La3と、放電灯La1、La2、La3が直列に接続されこの放電灯La3とインバータ回路3との間に接続されたコンデンサ19と、3灯の直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントf1a、f3bの間に接続されたコンデンサ23と、チョークコイルL1の2次側に設けられた予熱巻線NL1、NL2と、予熱巻線NL1と直列に接続された個別の放電灯のフィラメントf1b、f2aとの間に接続されたコンデンサCL1と、予熱巻線NL2と直列に接続された個別の放電灯のフィラメントf2b、f3aとの間に接続されたコンデンサCL2と、を備えて構成されている。
【0003】
この放電灯点灯装置の動作を説明すると、このものは、交流電源ACより供給される交流電圧を直流電源回路1にて直流電圧Vdcに変換する。そして、この直流電圧Vdcをインバータ回路3により高周波の電圧に変換する。さらに、この高周波の電圧は、チョークコイルL1、放電灯La1のフィラメントf1a、コンデンサ23、放電灯La3のフィラメントf3b、コンデンサ19、に戻る閉ループで電圧を印加する。これによりチョークコイルL1とコンデンサ23とで共振が発生し、この共振によりコンデンサ23に所定の高周波の電圧が印加され、ひいては放電灯La1、La2、La3にも電圧が印加される。このときチョークコイルL1からフィラメントf1a、コンデンサ23、フィラメントf3bさらにコンデンサ19に戻る閉ループで電流が流れ、両端に位置する端のフィラメントf1a、f3bが予熱される。また、これによりチョークコイルL1に電流が流れ、この2次側に設けられた予熱巻線NL1、NL2に電圧が発生する。この電圧は、コンデンサCL1、CL2を介して直列に接続された個別の放電灯のフィラメントつまりf1b、f2aとf2b、f3aとに印加され、各々のフィラメントが予熱され、放電灯La1〜La3は、始動しやすくなり点灯する。そして、点灯後は、チョークコイルL1が、所謂、バラストとして働き、所定のランプ電流が放電灯に流れる。
【0004】
さらに、この放電灯点灯装置を応用したものとして、図9に示したものが考えられる。このものは、図8で示したもののチョークコイルL1の構成を変えたもの、つまり、チョークコイルL1を出力トランスOTに変更したものである。出力トランスOTは、リーケージトランスであり、インバータ回路3の出力側に接続された1次巻線N1と、この1次巻線N1とは絶縁され放電灯La1、La2、La3に電力を供給するために設けた2次巻線N2と、これとは別に設けた複数の巻線N3〜N5、N60と、により構成されている。ここで、巻線N3、N4は、前述した図8で示した予熱巻線NL1、NL2と同じ働きをするものである。また、巻線N5は、インバータ回路3を制御するための制御電源を供給するために、巻線N60は、放電灯L1、L2、L3の寿命末期などの異常状態を検出するために、各々、設けたものである。なお、その他の図8に示した従来例と同一の構成部材には同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0005】
また、この放電灯点灯装置の動作は、出力トランスOTの1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比により、インバータ回路3の出力電圧が所定の比率で変わること、さらに、所謂、バラストとして、リーケージトランスによるインダクタンスを用いており、これにより所定のランプ電流が放電灯に流れる。まお、その他の動作は、前述した従来例と同一であり、説明を省略する。
【0006】
なお、この方法によると、出力トランスOTの1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比を変えることにより、出力トランスOTの2次側の出力電圧を自由に設定することができ、放電灯を直列に接続した場合の、始動電圧を容易に確保することができる。
【0007】
なお、抵抗26〜30は、放電灯La1〜La3の外れを検出するために設けられたものである。具体的には、所定の直流電圧Vdcから、抵抗26、放電灯La1のフィラメントf1a、抵抗27、放電灯La1のフィラメントf1b、放電灯La2のフィラメントf2a、抵抗28、放電灯La2のフィラメントf2b、放電灯La3のフィラメントf3a、抵抗29、放電灯La3のフィラメントf3b、抵抗30を介して検出回路に電圧が出力されることで、放電灯La1〜La3が装着されていることを検出している。そして放電灯が一つでも装着されていない場合は、所定の直流電圧Vdcの電圧が途中で遮断され、検出回路には電圧が出力されない。
【0008】
前述したものでは、放電灯を直列に接続することにより、並列に接続したときのように、放電灯個々にバラストを設ける必要がなく、回路を小型化できる。さらに、バラストから発生する熱も、所定のランプ電流を流すバラストが1個で済むため、これを複数設けた場合と比べて、少なくできる点で好都合である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記した放電灯点灯装置では、放電灯を全て直列に接続しているため、放電灯を始動させるたの電圧を大きくする必要がある。例えば、放電灯1本で250Vの始動電圧が必要な場合、これを3本直列に接続すると、350〜60V程度の始動電圧が必要となり、これに対応するために、前述した、出力トランスOTの1次巻線N1と2次巻線N2の巻数比を大きくする必要があった。これのために出力トランスOTの2次巻線の巻数を増やす必要があるが、これは、出力トランスOTが大型化する要因になっていた。また、2次巻線としては、巻線N2〜N5、N60の5種類を2次側に巻く必要があり、各々の巻線間の絶縁処理が必要となり、また、巻き位置、巻数、線種などの管理も必要となり巻線の複雑化、大型化を招くものとなり、改善の余地があった。
【0010】
本発明は、上記事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、直列に接続した放電灯に始動電圧を印加する出力トランスの小型化が図れる放電灯点灯装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明の放電灯点灯装置は、直流電圧を高周波の電圧に変換して出力するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、前記出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成されたことを特徴とする。
【0012】
請求項2に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項1において、前記基準予熱巻線より回路を制御するための電力、又は、放電灯の異常を検出するための信号の少なくとも一方を得るものであることを特徴とする。
【0013】
請求項3に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項2において、前記基準予熱巻線は、同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部がインバータ回路のグラウンドに接続され、両端部がコンデンサに接続されたことを特徴とする。
【0014】
請求項4に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項1乃至請求項3いずれかにおいて、直列に接続された放電灯が偶数の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯間のフィラメントに接続し、直列に接続された放電灯が奇数灯の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯のいずれか片側のフィラメントに接続したことを特徴とする。
【0015】
請求項5に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項4において、放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランスの2次巻線の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサを、前記基準予熱巻線の両端の各々にインピーダンス素子を介して接続されたフィラメントと、直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントのいずれか片側の端のフィラメントと、の間に接続したことを特徴とする。
【0016】
請求項6に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項5において、前記主シーケンスコンデンサは、直列接続された放電灯が奇数灯の場合は、両端に位置する端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントに接続したことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項5又は6において、前記主シーケンスコンデンサの両端に接続された放電灯の灯数Nより1少ない数のシーケンスコンデンサを、1つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメント間に、2つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメント間に、・・N−1灯目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯をN−1灯分介したフィラメント間に、接続したことを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明の放電灯点灯装置は、請求項1乃至7のいずれかにおいて、前記出力トランスは、漏れインダクタンスを有するリーケージトランスとしたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1を用いて説明する。図1は放電灯点灯装置の回路図である。このものは、直流電源回路1と、電圧変換回路2と、インバータ回路3と、出力トランス4と、直列に接続された放電灯La1、La2、La3と、出力トランス4の2次側回路5と、制御回路6と、を備えて構成している。
【0020】
直流電源回路1は、フィルター回路1aと、整流回路1bと、により構成している。フィルター回路1aは、商用の交流電源ACからの雑音を整流平滑回路1b以降の回路に侵入するのを防止したり、あるいは逆に、インバータ回路3からの雑音が電源側に漏れるのを防止するもので、コンデンサ101と、フィルター102と、を備えている。整流回路1bは、交流電源ACからの交流電圧を脈流電圧に変換するもので、整流回路103と、コンデンサ104と、を備えている。
【0021】
電圧変換回路2は、直流電源回路1からの脈流電圧を他の直流電圧Vdcに変えるものであり、ここでは、昇圧チョッパ回路を用いている。この電圧変換回路2は、チョークコイル12と、スイッチング素子13と、ダイオード14と、電解コンデンサ15と、抵抗105、106と、を備えて構成している。
【0022】
インバータ回路3は、電圧変換回路2からの直流電圧Vdcを高周波でかつ矩形波の電圧に変換するものであり、平滑コンデンサ15の両端に直列に接続されたスイッチング素子16、17と、スイッチング素子16、17の接続点と出力トランス4の間に接続されたコンデンサ31と、抵抗107〜110と、を備えて構成している。
【0023】
出力トランス4は、漏れインダクタンスをもつリーケージトランスであり、インバータ回路3のスイッチング素子16の両端にコンデンサ31を介して接続された1次巻線N1と、この1次巻線N1とは絶縁された2次巻線N2と、これとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線N3、N4と、を備えて構成している。
【0024】
放電灯La1、La2、La3は、フィラメント有する、例えばFL20WやFL40Wなどの直管蛍光灯であり、3灯が直列に接続されている。ここで放電灯La1のフィラメントをf1aとf1b、放電灯La2のフィラメントをf2aとf2b、放電灯La3のフィラメントをf3aとf3b、としており、フィラメントf1bとf2a、f2bとf3aが、各々直列に接続されている。
【0025】
2次側回路5は、出力トランス4と放電灯La1、La2、La3の間に接続されたコンデンサ19〜22と、放電灯La1、La2、La3と並列に接続されたコンデンサ23と、主シーケンスコンデンサ24と、シーケンスコンデンサ25と、インバータ回路3からシーケンスコンデンサ25とフィラメントf1aとの接続点の間に接続された抵抗26と、放電灯La1、La2、La3の各々に並列に接続された、放電灯La1のインピーダンスよりも十分に大きい抵抗27と、放電灯La2のインピーダンスよりも十分に大きい抵抗28と、放電灯La3のインピーダンスよりも十分に大きい抵抗29と、を備えて構成している。
【0026】
制御回路6は、放電灯が外れたことを検出するために設けた放電灯外れ検出回路6aと、放電灯の寿命末期などにインバ−タ回路3に過剰なストレスが印加されることを防ぐために設けた放電灯異常検出回路6bと、制御回路に電力を供給するするために設けた制御電源回路6cと、電圧変換回路2のスイッチング素子13およびインバータ回路3のスイッチング素子16、17とを駆動する制御用のIC回路6dと、を備えて構成している。放電灯外れ検出回路6aは、抵抗30、40と、コンデンサ113と、ダイオード111と、定電圧ダイオード112と、を備えている。放電灯異常検出回路6bは、定電圧ダイオード36と、抵抗38、39と、コンデンサ37と、を備えている。また、制御電源回路6cは、抵抗33と、定電圧ダイオード114と、電解コンデンサ32と、を備えている。
【0027】
ここで重要なことは、出力トランス4の予熱巻線を、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成したことである。
【0028】
具体的には、別個の放電灯のフィラメント、つまり放電灯La1のフィラメントf1bと放電灯La2のフィラメントf2a、を直列に接続し、この直列に接続したフィラメントf1b、f2aにインピーダンス素子、つまりコンデンサ20、を介して接続されたフィラメントf1b、f2aを予熱する絶縁型予熱巻線N3を設けたことである。
さらに、別個の放電灯のフィラメント、つまり放電灯La2のフィラメントf2bと放電灯La3のフィラメントf3a、を直列に接続し、この直列に接続したフィラメントf2b、f3aの両端の各々にインピーダンス素子、つまりコンデンサ21、22を介して接続されたフィラメントf2b、f3aを予熱する基準予熱巻線N4を設けたことである。
【0029】
ここで基準予熱巻線N4は、直列に接続された放電灯が奇数のため、中央に位置する放電灯La2の片側のフィラメントf2bに接続されている。さらに、基準予熱巻線N4は、巻き始めから巻き終わりまでが同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部をインバータ回路のグラウンドに接続している。そして、基準予熱巻線N4のコンデンサ21側には、ダイオード35のカソードを、基準予熱巻線N4のコンデンサ22側には、ダイオード34のカソードを接続している。そしてダイオード34、35のアノード同士を接続して制御回路6の放電灯異常検出回路6bと制御電源回路6cの入力部に接続している。これにより、基準予熱巻線N4は、放電灯異常検出回路6bには異常検出信号を、制御電源回路6cには電力を、供給している。
【0030】
さらに、放電灯La1、La2に並列に接続され、始動時に出力トランス4の2次巻線N2より放電灯La1、La2、La3に加わる電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサ24を、基準予熱巻線N4の両端の各々にコンデンサ21を介して接続されたフィラメントf2bと、直列に接続された放電灯La1、La2、La3の両端に位置する端のフィラメントf1aと、の間に接続している。なお、この主シーケンスコンデンサ24の接続箇所は、基準予熱巻線N4の両端の各々にコンデンサ21、22を介して接続されたフィラメントf2b、f3aと、両端に位置する端のフィラメンf1a、f3bのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントf1aとフィラメントf2bとの間になっている。さらに、主シーケンスコンデンサ24以外のシーケンスコンデンサ25を一端が主シーケンスコンデンサ24の接続された端のフィラメントf1aに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメントf1bとの間に接続しているのである。
【0031】
次に、この放電灯点灯装置の動作を説明する。交流電源ACを投入すると、交流電圧が直流電源回路1に印加される。直流電源回路1は、これを脈流電圧に変換し、電圧変換回路2に脈流電圧を出力する。電圧変換回路2は、脈流電圧を所定の値に昇圧した直流電圧Vdcに変換する。そして、この直流電圧Vdcが、インバータ回路3と制御用のIC回路6dに印加されインバータ回路3が起動する。インバータ回路3が起動すると、直流電圧Vdcが高周波の電圧に変換され、スイッチング素子16のドレインとソース間に発生する。この高周波の電圧は、コンデンサ31を介して出力トランス4の1次巻線N1に印加され、この結果、出力トランス4の2次巻線N2に電圧が発生する。
出力トランス4の2次巻線N2に発生した電圧は、コンデンサ19、放電灯La1のフィラメントf1a、コンデンサ23、放電灯La3のフィラメントf3b、に戻る閉ループで印加される。これにより出力トランス4の2次巻線N2とコンデンサ23とで共振が発生し、この共振によりコンデンサ23に所定の高周波の電圧が印加され、ひいては放電灯La1、La2、La3にも電圧が印加される。
【0032】
このとき出力トランス4の2次巻線N2からコンデンサ19、フィラメントf1a、コンデンサ23、フィラメントf3bに戻る閉ループで電流が流れ、両端の端のフィラメントf1a、f3bが予熱される。また、このとき絶縁型予熱巻線N3、基準予熱巻線N4にも電圧が発生し、コンデンサ20、及びコンデンサ21、22を介して直列に接続された個別の放電灯のフィラメントつまりf1b、f2aとf2b、f3aとに印加される。これにより各々のフィラメントが予熱され、放電灯La1、La2、La3は、始動しやすくなり、放電灯La1、La2、La3が点灯する。
【0033】
ここで、放電灯La1、La2、La3が点灯するまでを詳しく述べると以下のようになる。まず、主シーケンスコンデンサ24とシーケンスコンデンサ25により、(放電灯La3のインピーダンス>放電灯La1、La2と主シーケンスコンデンサコンデンサ24、シーケンスコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、前述したコンデンサ23に印加された所定の電圧は、放電灯La3側に、より大きく分配される。これにより、まず最初に放電灯La3が点灯する。
【0034】
放電灯La3が点灯すると、放電灯La3のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くが主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に印加される。このとき、(放電灯La2のインピーダンス>放電灯La1とシーケンスコンデンサコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に発生した電圧は、放電灯La2側に、より大きく分配さる。これにより、放電灯La2が点灯する。放電灯La2が点灯すると、放電灯La2のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くがシーケンスコンデンサコンデンサ25の両端に印加され、放電灯La1が点灯し、全ての放電灯が点灯する。
【0035】
そして、点灯後は、出力トランス4の2次巻線N2が、所謂、バラストとして働き、所定のランプ電流が各放電灯に流れる。なお、コンデンサ20及びコンデンサ21、22は、絶縁型予熱巻線N3及び基準予熱巻線N4に過電流が流れることを防止するためのものである。
【0036】
次に、基準予熱巻線N4のフィラメント予熱以外の動作を説明する。まず、基準予熱巻線N4は、これに発生した電圧を制御回路6の制御電源回路6cに印加し、これに電力を供給している。具体的には、基準予熱巻線N4に発生した電圧は、ダイオード34、35を介して全波整流され、この全波整流された電圧が抵抗33を介して電界コンデンサ32に充電される。そして、制御電源回路6cは、電界コンデンサ32を電源として制御用のIC回路6dに電力を供給している。
【0037】
さらに、出力トランス4の基準予熱巻線N4に発生した電圧は、制御回路6の放電灯異常検出回路6bにも印加され、放電灯の寿命末期などの異常を検出している。具体的には、ダイオード34、35を介して基準予熱巻線N4に発生した電圧を全波整流し、この全波整流した電圧を定電圧ダイオード36に印加している。そして、この電圧が、定電圧ダイオードのツェナー電位を超えたときに、抵抗38を介して、コンデンサ37に電流が流れる。このとき電圧は、抵抗38、39により分圧され、この分圧された電圧が制御用のIC回路6dに印加される。制御用のIC回路6dでは、この電圧値を検出し、放電灯が異常か否かを判定し、異常の場合は、インバータ回路3の出力を停止する又は低減するなどの動作をさせて、回路の保護を行っている。なお、ここでは、出力トランス4にリーケージトランスを用いたため、放電灯La1〜La3に印加される電圧波形と、ほぼ相似した波形が、基準予熱巻線N4に発生するようになっており、より高精度な放電灯の異常検出が可能となる。
【0038】
なお、放電灯の始動電圧については、出力トランス4の2次巻線N2、すなわち放電灯を点灯させるために電圧を供給する巻線の接地をとる場所で変わることが知られている。しかし、このものでは、出力トランス4の2次巻線N2以外の巻線、すなわち基準予熱巻線N4をインバータ回路3のグランドと接続することにより、接続しないものと比較して、放電灯の始動電圧を約10%程度下げることができる。
【0039】
なお、放電灯La1、La2、La3の外れを検出するために設けられた抵抗26、27、28、29、30の動作は、従来の技術で説明したものと同じであり、説明を省略する。
【0040】
この実施の形態によると、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続されたフィラメントを予熱する基準予熱巻線N4を設けたことにより、放電灯を始動するための二次電圧を低減することができ、出力トランス4の2次巻線N2の巻数を減らすことが可能となる。また、基準予熱巻線N4からは、回路を制御するための電力及び放電灯の異常を検出するための信号を得ることができるので、このための専用の巻線を設ける必要がなくなる。従って、直列に接続した放電灯に始動電圧を印加する出力トランス4の小型化を図ることができる。
【0041】
なお、インバータ回路3は、スイッチング素子を2個用いたハーフブリッジ式の回路で説明したが、スイッチング素子を1個にしたものでハーフブリッジ式よりは昇圧度合いの大きい1石式や、出力トランス4を形成しやすいプッシュプル式などの回路方式であってもよい。
【0042】
また、電圧変換回路2は、昇圧チョッパ式の回路で説明したが、降圧チョッパ式のものや、図2の回路図に示したような、ハーフブリッジ式のインバータ回路3と兼用された、所謂、高周波充電方式のものであってもよい。特に、高周波充電方式の回路では、昇圧チョッパ式のものに比べ安価なものにできる。なお、図2の回路図ものは、図1の回路図ものと同一の構成部材には、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0043】
また、出力トランス4は、コンデンサ31を介してスイッチング素子16のドレイン・ソース間に接続されているが、コンデンサ31を介してスイッチング素子17のドレイン・ソース間に接続されても良い。
【0044】
さらに、出力トランス4は、漏れインダクタンスをもつリーケージトランスで説明したが、漏れインダクタンスををもたない、通常の出力トランスを用いて、この出力トランスの2次巻線にチョークコールを直列に接続したものであってもよい。
【0045】
次に、第1の実施の形態の応用例を説明する。図3は、第1の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、前述した、基準予熱巻線N4の構成を変え、巻線N5を追加したものである。図において、基準予熱巻線N4は、巻線の巻き始めがインバータ回路のグラウンドに接続され、巻線の巻き終わりがダイオード34のカソードに接続されている。また、巻線N5は、制御回路6の制御電源回路6cに電力を供給するためのものであり、1次側と磁気結合させている。なお、その他の第1の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0046】
このように構成された放電灯点灯装置は、基準予熱巻線N4の電圧を半波整流された電圧として検出し、異常検出信号として用いることができる。このときの異常検出信号は、基準予熱巻線N4に発生した電圧のピーク値の上下を検出することができ、第1の実施の形態で示したもののと比べ、その振幅が異なる。
【0047】
この応用例によると、基準予熱巻線N4の構造が簡素化でき、さらに、これに付随するダイオードの数を少なくできる。また、異常検出信号を基準予熱巻線N4に発生した電圧のピーク値の上下として検出することができるので、より精度のよい放電灯の異常検出が可能となる。また、1次側と磁気結合させた巻線N5を追加したことにより、2次側の電圧変動にあまり影響を受けずに制御回路6の制御電源回路6cに電力を供給することができる。
【0048】
なお、コンデンサ22は、コンデンサ22と抵抗29との接続点がグランドに対して所定の電位を確保できるように設けられたもので、これにより放電灯外れ検出回路6aの動作を確実に行うことができる。なお、このことは第1の実施の形態で説明した図1の回路構成のものにおいても同じである。
【0049】
図4は、第2の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、前述した第1の応用例の基準予熱巻線N4から、異常検出信号と制御電源回路6cへの電力を得、巻線N5を無くしたものである。なお、その他の第1の応用例と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。この応用例によると、出力トランス4の構造を第1の応用例よりも簡素化できる。
【0050】
図5は、第3の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、前述した第1の応用例の絶縁型予熱巻線N3と基準予熱巻線N4を1次側と磁気結合させ、巻線N5を2次側と磁気結合させたものである。そして、基準予熱巻線N4から制御電源回路6cへの電力を、巻線N5から異常検出信号を、得たものである。なお、その他の第1の応用例と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。この応用例によると、絶縁型予熱巻線N3と基準予熱巻線N4の出力電圧が安定したものとなる。
【0051】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態を図6を用いて説明する。図6は放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。このものは、第1の実施の形態をもとに、放電灯の数を4灯に変え、所定の部品を追加したものである。
【0052】
図において、追加した部品は、放電灯La4と、これに並列に接続されたシーケンスコンデンサ55と、抵抗56と、絶縁型予熱巻線N6と、絶縁型予熱巻線N6とフィラメントの間に接続されたコンデンサ57である。
【0053】
ここで重要なことは、直列に接続された放電灯が偶数のため、基準予熱巻線N4を、中央に位置する放電灯、つまり、La2とLa3との間のフィラメントf2b、f3aに接続したことである。そして、放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランス4の2次巻線N2の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサ24を、基準予熱巻線N4の両端の各々にコンデンサ21を介して接続されたフィラメントf2bと、直列に接続された放電灯La1、La2、La3、La4の両端に位置する端のフィラメントf1aと、の間に接続したことである。なお、ここでは、主シーケンスコンデンサ24の容量は、シーケンスコンデンサ55の容量より大きくしている。
次に、この放電灯点灯装置の動作を説明する。出力トランス4の2次巻線N2に電圧が発生するまでは、第1の実施の形態で説明したものと同じであるのでこれ以降の動作を説明する。出力トランス4の2次巻線N2に発生した電圧は、放電灯La1のフィラメントf1a、コンデンサ23、放電灯La4のフィラメントf4b、コンデンサ19、に戻る閉ループで印加される。これにより出力トランス4の2次巻線N2とコンデンサ23とで共振が発生し、この共振によりコンデンサ23に所定の高周波の電圧が印加され、ひいては放電灯La1、La2、La3、La4にも電圧が印加される。
【0054】
このとき出力トランス4の2次巻線N2からフィラメントf1a、コンデンサ23、フィラメントf4b、コンデンサ19に戻る閉ループで電流が流れ、両端の端のフィラメントf1a、f4bが予熱される。このとき絶縁型予熱巻線N3、N6、基準予熱巻線N4にも電圧が発生し、各々の巻線に接続されたコンデンサを介して各々のフィラメントが予熱される。これにより放電灯La1、La2、La3、La4は、始動しやすくなり、放電灯La1、La2、La3、La4が点灯する。
【0055】
ここで、放電灯La1、La2、La3,La4が点灯するまでを詳しく述べると以下のようになる。まず、主シーケンスコンデンサ24とシーケンスコンデンサ55により、(放電灯La3のインピーダンス>放電灯La4とシーケンスコンデンサコンデンサ55との合成インピーダンス>放電灯La1、La2と主シーケンスコンデンサコンデンサ24、シーケンスコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、前述したコンデンサ23に印加された所定の電圧は、放電灯La3側に、より大きく分配さる。これにより、まず最初に放電灯La3が点灯する。
放電灯La3が点灯すると、放電灯La3のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くが主シーケンスコンデンサコンデンサ24とシーケンスコンデンサ55の両端に印加される。このとき、(放電灯La4とシーケンスコンデンサコンデンサ55との合成インピーダンス>放電灯La1、La2と主シーケンスコンデンサコンデンサ24、シーケンスコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、放電灯La4側に、より大きく分配さる。これにより、放電灯La4が点灯する。放電灯La4が点灯すると、放電灯La4のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くが主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に印加される。このとき、(放電灯La2のインピーダンス>放電灯La1とシーケンスコンデンサコンデンサ25との合成インピーダンス)となるので、主シーケンスコンデンサコンデンサ24の両端に発生した電圧は、放電灯La2側に、より大きく分配さる。これにより、放電灯La2が点灯する。放電灯La2が点灯すると、放電灯La2のインピーダンスが下がり、この両端の電圧が点灯前に比べ大きく下がるため、コンデンサ23に印加された所定の電圧は、多くがシーケンスコンデンサコンデンサ25の両端に印加され、放電灯La1が点灯し、全ての放電灯が点灯する。
【0056】
そして、点灯後は、出力トランス4の2次巻線N2が、所謂、バラストとして働き、所定のランプ電流が各放電灯に流れる。なお、その他の、絶縁型予熱巻線N3、N6、基準予熱巻線N4の動作については、第1の実施の形態で説明したものと同じである。
【0057】
この実施の形態によると、直列に接続された放電灯がシーケンスコンデンサにより始動しやすくなるので、出力トランス4の2次巻線N2の出力電圧をより低く設定することができ、出力トランス4の小型化を図ることができる。
【0058】
なお、図7は、第2の実施の形態の応用例で、放電灯点灯装置のインバータ回路3から負荷側を見た回路図を示す。この応用例は、第2の実施の形態をもとに、放電灯の数を5灯に変え、所定の部品を追加したものである。図において、追加した部品は、放電灯La5と、放電灯La2と並列に接続されたシーケンスコンデンサ58と、放電灯La2と並列に接続された抵抗59と、放電灯La2のフィラメントf2bに接続された絶縁型予熱巻線N7と、絶縁型予熱巻線N7とフィラメントの間に接続されたコンデンサ60である。
【0059】
このものは、直列接続された放電灯が奇数灯のため、基準予熱巻線N4から接続する主シーケンスコンデンサ24を、両端に位置する2つの端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントつまりf1aに接続している。さらに、主シーケンスコンデンサ24と並列に接続された放電灯の灯数3より1少ない2つのシーケンスコンデンサ25、28を、1つ目のシーケンスコンデンサ25は、一端が主シーケンスコンデンサ24の接続された端のフィラメントf1aに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメントf1b間に、2つ目のシーケンスコンデンサ58は、一端が主シーケンスコンデンサ24の接続された端のフィラメントf1aに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメントf2b間に、接続している。なお、その他の第2の実施の形態と同一の構成部材には、同一符号を付すことにより説明を省略する。
【0060】
この実施の形態によると、直列に接続された放電灯がシーケンスコンデンサにより始動しやすくなるので、出力トランス4の2次巻線N2の出力電圧をより低く設定することができ、出力トランス4の小型化を図ることができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、直流電圧を高周波の電圧に変換して出力するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、前記出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成したことにより、放電灯を始動するための2次電圧を低減することができ、放電灯に始動電圧を印加する出力トランスの2次巻線の巻数を減らすことが可能となるので出力トランスの小型化を図ることができる。
【0062】
請求項2記載の発明にあっては、前記基準予熱巻線より回路を制御するための電力、又は、放電灯の異常を検出するための信号の少なくとも一方を得るものであるようにしたことにより、専用の巻線を出力トランス設ける必要がなくるので請求項1に記載の効果をさらに高めることができる。
【0063】
請求項3記載の発明にあっては、前記基準予熱巻線は、同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部がインバータ回路のグラウンドに接続され、両端部がコンデンサに接続されたことにより、請求項2に記載の効果を奏するうえに、より安定的な出力を得ることができる。
【0064】
請求項4記載の発明にあっては、直列に接続された放電灯が偶数の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯間のフィラメントに接続し、直列に接続された放電灯が奇数灯の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯のいずれか片側のフィラメントに接続したことにより、請求項1乃至3に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0065】
請求項5記載の発明にあっては、放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランスの2次巻線の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサを、前記基準予熱巻線の両端の各々にインピーダンス素子を介して接続されたフィラメントと、直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントのいずれか片側の端のフィラメントと、の間に接続したことにより、請求項4に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0066】
請求項6記載の発明にあっては、前記主シーケンスコンデンサは、直列接続された放電灯が奇数灯の場合は、両端に位置する端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントに接続したことにより、請求項5に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0067】
請求項7記載の発明にあっては、前記主シーケンスコンデンサの両端に接続された放電灯の灯数Nより1少ない数のシーケンスコンデンサを、1つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメント間に、2つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメント間に、・・N−1灯目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯をN−1灯分介したフィラメント間に、接続したことにより、請求項5又は6に記載の効果を奏するうえに、放電灯を始動性しやすくできるので、より出力トランスの小型化を図ることができる。
【0068】
請求項8記載の発明にあっては、前記出力トランスは、漏れインダクタンスを有するリーケージトランスとしたことにより、請求項1乃至7に記載の効果を奏するうえに、巻線の出力を放電灯の異常検出信号として使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る放電灯点灯装置の回路図である。
【図2】同上の放電灯点灯装置の電圧変換回路を変更した回路図である。
【図3】同上の放電灯点灯装置の第1の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図4】同上の放電灯点灯装置の第2の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図5】同上の放電灯点灯装置の第3の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る放電灯点灯装置のインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図7】同上の放電灯点灯装置の第1の応用例を示すインバータ回路から負荷側を見た回路図である。
【図8】第1の従来例に係る放電灯点灯装置の回路図である。
【図9】第2の従来例に係る放電灯点灯装置の回路図である。
【符号の説明】
1 直流電源回路
2 電圧変換回路
3 インバータ回路
4 出力トランス
N2 2次巻線
N3 絶縁型予熱巻線
N4 基準予熱巻線
N5 巻線
N6 絶縁型予熱巻線
N7 絶縁型予熱巻線
6 制御回路
6a 放電灯外れ検出回路
6b 放電灯異常検出回路
6c 制御電源回路
19 コンデンサ
24 主シーケンスコンデンサ
25 シーケンスコンデンサ
55 シーケンスコンデンサ
58 シーケンスコンデンサ
La1 第1の放電灯
La2 第2の放電灯
La3 第3の放電灯
Claims (8)
- 直流電圧を高周波の電圧に変換して出力するインバータ回路と、このインバータ回路の出力側に接続された1次巻線とこの1次巻線とは絶縁された2次巻線とこれとは別に設けられたフィラメントを予熱する複数の予熱巻線とを有する出力トランスと、この出力トランスの2次巻線にコンデンサを介して3灯以上が直列に接続されるフィラメントを有する放電灯と、を備えた放電灯点灯装置において、前記出力トランスの予熱巻線は、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントにインピーダンス素子を介して接続された絶縁型予熱巻線と、別個の放電灯のフィラメントを直列に接続し、この直列に接続したフィラメントの両端の各々にインピーダンス素子を介して接続され、巻線の一部がインバータ回路のグラウンドに接続された基準予熱巻線と、により構成されたことを特徴とする放電灯点灯装置。
- 前記基準予熱巻線より回路を制御するための電力、又は、放電灯の異常を検出するための信号の少なくとも一方を得ものであることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記基準予熱巻線は、同一方向に巻かれた巻線で、その略中間部がインバータ回路のグラウンドに接続され、両端部がコンデンサに接続されたことを特徴とする請求項2記載の放電灯点灯装置。
- 直列に接続された放電灯が偶数の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯間のフィラメントに接続し、直列に接続された放電灯が奇数灯の場合は、前記基準予熱巻線を中央に位置する放電灯のいずれか片側のフィラメントに接続したことを特徴とする請求項1乃至3記載の放電灯点灯装置。
- 放電灯と並列に接続され、始動時に放電灯に加わる出力トランスの2次巻線の電圧の割合を変え得る主シーケンスコンデンサを、前記基準予熱巻線の両端の各々にインピーダンス素子を介して接続されたフィラメントと、直列に接続された放電灯の両端に位置する端のフィラメントのいずれか片側の端のフィラメントと、の間に接続したことを特徴とする請求項4記載の放電灯点灯装置。
- 前記主シーケンスコンデンサは、直列接続された放電灯が奇数灯の場合は、両端に位置する端のフィラメントのうち、介する放電灯が多い側の端のフィラメントに接続したことを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記主シーケンスコンデンサの両端に接続された放電灯の灯数Nより1少ない数のシーケンスコンデンサを、1つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を1灯分介したフィラメント間に、2つ目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯を2灯分介したフィラメント間に、・・N−1灯目のシーケンスコンデンサは、一端が前記主シーケンスコンデンサの接続された端のフィラメントに、他端が放電灯をN−1灯分介したフィラメント間に、接続したことを特徴とする請求項5又は6記載の放電灯点灯装置。
- 前記出力トランスは、漏れインダクタンスを有するリーケージトランスとしたことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の放電灯点灯装置。
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