JP2004073759A - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面シートに与えられる液体を速やかに吸収できるようにするとともに、表面シートでの液体の拡散範囲を抑制でき、横漏れも防止しやすい吸収性物品を提供することを目的としている。
【解決手段】表面シート6は、親水性繊維20と撥水性繊維21とを含み、繊維どうしが接合されて各繊維が三次元方向に延びる骨格を形成し、前記繊維間に空隙22が形成されている。このため***液は表面シート6を前記空隙22内を通って透過しやすく、しかも前記空隙22の周囲には嵩方向に断続的に前記撥水性繊維21が存在するため前記空隙22を通過途中の***液が、前記親水性繊維20を伝ってシート方向に拡散しようとする液が前記撥水性繊維21によって弾かれるため、***液の拡散を従来に比べて抑制することができる。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、女性の経血またはおりもの吸収用、尿吸収用、またはペットが***する尿吸収用の吸収性物品に係り、特に、表面シートに与えられる***液を透過できるとともにその拡散を抑制でき前記経血やおりものなどの吸収に適した吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】
女性性器から***される経血等を吸収する生理用ナプキン、またはおりもの等を吸収するパンティライナーなどの吸収性物品の一般的な構造は、吸収層の表面が液透過性の表面シートで覆われたものとなっている。前記吸収層は、パルプなどの親水性の天然繊維で形成された不織布、または前記不織布内に高吸収性ポリマー(SAP)が混合されたものなどで形成されている。また前記表面シートは、親水処理された疎水性の化学繊維で形成された不織布、またはレーヨンなどの親水性の再生セルロース繊維と前記親水処理された化学繊維とで形成された不織布が使用されている。あるいは、コットンなどの親水性の天然繊維が含まれたものも存在している。
【0003】
この吸収性物品では、表面シートの表面に与えられた液体は、前記吸収層の親水性および毛細管作用により引き付けられて、表面シートを透過して前記吸収層に吸収されて保持される。
【0004】
しかし、前記表面シートは、親水処理された化学繊維、再生セルロース繊維または天然繊維で形成されて、表面シートの表面と内部の全域が親水性であるため、前記表面シート上に与えられた***液は、前記表面シート内を透過するのみならず、表面シートに沿って広い範囲にわたって平面的に拡散しやすい。その結果、表面シートが広い範囲で前記***液を保持することになって肌に湿潤感を与えやすく、また表面での***液の拡散範囲が広くなることによって、着用者に視覚的な嫌悪感を与える心配がある。
【0005】
また、特開平5−115504号公報には、***液吸収性物品用の表面材が開示されており、この表面材は、吸収性芯材に接する側である下側から、親水性繊維層、撥水性繊維層の順に積層されたもの、あるいは前記下側から、親水性繊維層、疎水性繊維層、および撥水性繊維層の順に積層されたものであり、肌当接面に前記撥水性繊維層が露出している。そして、前記撥水性繊維層から前記親水性繊維層まで、あるいは前記親水性繊維層の下に設けられた吸収芯材まで通じる複数の液透過孔が設けられている。
【0006】
前記公報に記載の発明は、それ以前の従来例である表面材として開孔フィルムを用いたものを改良したものである。すなわち、前記開孔フィルムを表面材として用いたものは、通気性が劣り、また開孔が大きいために表面側への液戻りの抑制効果が低いことに着目し、表面材の最表面を撥水性繊維層とすることにより、通気性を確保し、また液透過孔の周囲に親水性繊維層が位置しているために液の引き込み効果を高め、さらに液透過孔の周囲に親水性繊維層が位置しているため、吸収芯材に吸収された***液が前記液透過孔を通じて表面側へ液戻りするのを防止する効果が高くなるというものである。
【0007】
しかしながら、表面材の最表面は撥水性繊維層であるため、液の透過機能に関しては開孔フィルムの表面材と大きな相違が無く、撥水性繊維層が全域に存在しているために表面材自体が液透過機能を発揮できるものではない。よって、撥水性繊維層の表面に液残りが発生するのを避けることができず、これが身体に付着して身体に湿潤感を与えやすいものとなっている。また、表面材自体が液透過機能を有していないため、繰り返し与えられる***液を吸収芯材に迅速に導くためには、液透過孔の開孔面積や開孔面積率を大きくすることが必要であり、そのため表面材に体圧が作用したときに吸収芯材に吸収された***液が表面材の表面に戻りやすい欠点を有している。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、表面シート自体が液体を透過する機能を有する構造であり、しかも表面シートでの液体の拡散を抑制でき、***液を限られた範囲で受け止めて直ちに吸収できる吸収性物品を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、裏面シートと、液透過性の表面シートとの間に、中間層が設けられている吸収性物品において、
前記表面シートの少なくとも一部が、親水性繊維と撥水性繊維とが混合された液透過性の不織布で形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
前記表面シートを形成する不織布は、その内部に三次元的に延びる空隙が形成されているが、この空隙は周囲に主に親水性繊維が存在している部分と、周囲に主に疎水性繊維が存在している部分を有している。液体は主に前記親水性繊維が存在している空隙を伝わって伝達されていくが、主に前記撥水性繊維が存在している空隙において伝達が抑制される。その結果、表面シート内において液体は拡散を抑制されながら厚み方向へ透過していくようになる。
【0011】
前記不織布で表面シートが形成されていると、***液が表面シートに沿って拡散することなく表面シートを透過できるようになり、いわゆるスポット的な吸収機能が高くなる。したがって、表面シートにおいて経血などの***液を拡散することなく局部的に集中させて透過させることができるため、着用者の体の***部以外の部分が***液で汚れることが少なく、不快感を生じ難く、また身体の***部以外の領域に付着した***液を拭き取る手間を与えることが非常に少なくなる。さらに生理用ナプキンやおりもの吸収シートなどとして使用した場合に、表面で見える***液の拡散が少ないため、液で体が汚れるのではないか、液の横漏れが生じるのではないかなどの不安を着用者がおぼえることが少ない。
【0012】
前記のように無数の空隙を形成するためには、前記不織布は、前記繊維どうしが接合されて各繊維が三次元方向に延びる骨格を形成し、繊維間に空隙が形成されているものとして構成され、例えばエアースルー不織布が好ましく使用される。
【0013】
例えば、前記親水性繊維は、表面に親水性油剤が塗布された合成繊維、繊維内に親水性油剤が混合された合成繊維、天然繊維、再生セルロース繊維のいずれか1種以上が使用される。また、前記撥水性繊維は、表面に撥水性油剤が塗布された繊維、繊維内に撥水性油剤が混合された合成繊維、のいずれか一方または双方が使用される。
【0014】
すなわち、本明細書での「親水性繊維」とは、疎水性の化学繊維(合成繊維)に親水性油剤が塗布されたものまたは練り込まれるなどして混合されたもの、または天然繊維、あるいは再生セルロース繊維を意味する。また撥水性繊維は、疎水性の化学繊維(合成繊維)やその他の繊維に撥水性油剤が塗布されたもの、または前記合成繊維に撥水性油剤が練り込まれるなどして混合されたものを意味する。
【0015】
例えば、前記親水性繊維と撥水性繊維との質量比が、95:5〜50:50の範囲内であることが好ましく、前記範囲内であれば、表面シートが液透過能力を有し、しかも液体の拡散を防止できるものとなる。
【0016】
また、前記親水性繊維及び撥水性繊維の繊度が、1.1dtex〜6.6dtexの範囲内であると、前記のように周囲が親水性で液を引き付ける空隙と、液の伝達を抑制する周囲が撥水性の空隙を無数に三次元的に連続して形成することができる。
【0017】
また、前記不織布で形成された表面シートの目付けは、15g/m〜120g/mの範囲内であることが好ましい。
【0018】
さらに、前記不織布で形成された表面シートは、身体に向く第1の面と、前記中間層に向く第2の面とを有し、第1の面での撥水性繊維の占有率が、第2の面での撥水性繊維の占有率よりも高いものとしてもよい。
【0019】
この構造では、表面シートの第1の面よりも第2の面に、親水性繊維が位置する空隙が多く存在するようになり、表面シート内に第1の面から第2の面に向かって親水度が高くなる勾配を形成でき、厚み方向への液の伝達性、すなわち液の透過性を良好にできる。
【0020】
例えば、1枚の前記不織布で表面シートが形成されており、この不織布内で撥水性繊維の占有率が厚み内で相違しているものであり、あるいは複数枚の前記不織布が重ねられて前記表面シートが形成され、前記第1の面側に位置する不織布での撥水性繊維の占有率が、前記第2の面側に位置する不織布での撥水性繊維の占有率よりも高いものである。
【0021】
また、前記中間層は、親水性材料を有する吸収層と、親水性の繊維どうしが接合されて空隙を形成する三次元骨格構造を有し且つ前記吸収層よりも密度の低い液案内層とで形成されており、前記液案内層の表面に前記表面シートが接しているものが好ましい。
【0022】
この構成では、表面シートに与えられた液が、自重により表面シートを透過し、さらに液案内層内の空隙に沿って自重で降下して、吸収層に与えられるようになる。よって表面シートに繰り返して与えられる***液が迅速に液案内層へ抜け出るようになって、表面シートが***液で飽和するのを防止でき、繰り返して与えられる***液を迅速に引き込むことができるようになる。また表面シートと吸収層との距離が保たれるため、吸収層に吸収された液体が表面シートに逆戻りしにくくなる。また、密度の低い液案内層の上に表面シートが位置すると、吸収性物品に強い体圧が作用したときに表面シートが潰れにくく、よって表面シート内の前記空隙が液透過機能を常に発揮できるようになる。
【0023】
このような液の案内機能およびクッション機能を発揮できるためには、前記液案内層が、化学繊維で形成されたエアースルー不織布、または化学繊維を含むエアーレイド不織布であることが好ましい。
【0024】
あるいは、前記中間層は、親水性材料を有する吸収層であり、この吸収層の表面に前記表面シートが接しているものであってもよい。
【0025】
また、前記不織布で形成された表面シートに多数の液透過孔が形成されているものであってもよい。
【0026】
前記不織布に液透過孔を形成すると、液体がさらに不織布を透過しやすくなる。ただし、本発明では液透過孔を形成していなくても、液透過性の前記不織布を液体が局部的に透過しやすいものとなる。
【0027】
また本発明の吸収性物品は、縦方向に延びる中心線を含み横方向へ所定の幅寸法の範囲に、表面側へ***した中央吸収領域が設けられており、少なくともこの中央吸収領域に前記不織布で形成され表面シートが設けられているものとして構成できる。
【0028】
例えば、縦方向に延びる中心線から左右両側に所定距離離れた位置に、表面シートと吸収層とが凹状に加圧された圧着部が縦方向に連続して形成されており、前記圧着部で挟まれた領域が前記中央吸収領域とされているものである。
【0029】
また、中央吸収領域を***させる構造として、前記中間層の中央部を肉厚にすること、あるいは中間層として設けられる吸収層を中央部分が***するように変形させることなどで実現できる。
【0030】
このように、中央が***した吸収性物品は、生理用ナプキンとして用いたときに、***した中央吸収領域が女性の膣口に密着する密着型のものとして機能する。この密着型のものでは、膣口から排出された経血が表面シートに局部的に与えられ、この経血が前記不織布で形成された表面シートを局部的に透過して、中間層に与えられるものとなる。
【0031】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の吸収性物品の第1の実施の形態として生理用ナプキン1を肌当接面側である表面側を上にして示した斜視図、図2はその平面図、図3は図1に示す生理用ナプキン1の横方向中心線Ox−Oxでの断面をIII−III矢視方向から見た断面図、図4(A)は前記断面図の一部を拡大した拡大断面図、図4(B)は、図4(A)の一部をさらに拡大した拡大断面図、図5(A)は、表面シートを構成する繊維構造の一部を拡大し、それを模式図的に示した部分拡大斜視図、図5(B)は図5(A)をさらに拡大した部分拡大斜視図、図6(A)(B)は表面シートに親水性の勾配を付けた例を示す断面図、図7は前記生理用ナプキン1を着用したときの変形状態を示す断面図、図8は表面シートに形成された液透過孔の一例を示す拡大平面図である。
【0032】
図1に示す生理用ナプキン1の平面形状は縦長であり、縦方向に延びる右側縁部1aと左側縁部1bが直線形状であり、前縁部1cおよび後縁部1dは共に円弧形状である。図2に示すように、生理用ナプキン1は、横方向に二分する縦方向中心線Oy−Oyを介して左右対称形状であり、また縦方向に二分する横方向中心線Ox−Oxを介して前方半分と後方半分とが対称形状である。
【0033】
図3の断面図に示すように、この生理用ナプキン1は、裏面側に液不透過性の裏面シート2が位置し、装着者の肌に向けられる表面側に液透過性の表面シート6が現れている。前記裏面シート2と表面シート6との間には、中間層として、下層吸収体3および上層吸収体4から成る吸収層、および親水性の繊維で三次元骨格構造に形成された液案内層5が設けられている。
【0034】
この生理用ナプキン1には、所定面積の領域を囲む圧着部9が形成されている。図2に示すように、この圧着部9は一定の幅寸法Waを有して帯状に連続して延びている。この圧着部9は、縦方向中心線Oy−Oyから左右に所定距離開けた位置で縦方向に延びる右側圧着部9aおよび左側圧着部9b、横方向中心線Ox−Oxから前後に所定距離開けた位置で横方向に向けて形成された前方圧着部9cおよび後方圧着部9dを有している。右側圧着部9aと左側圧着部9bおよび前方圧着部9cと後方圧着部9dは、互いに連続しており、右側圧着部9aおよび左側圧着部9bは縦方向中心線Oy−Oyに向けて凸形状の曲線で、前方圧着部9cと後方圧着部9dは前後方向に向けて凸形状の曲線である。
【0035】
そして、前記圧着部9は、縦方向中心線Oy−Oyを介して左右対称形状であり、また横方向中心線Ox−Oxを介して前後に対称形状である。
【0036】
図2に示すように、前記下層吸収体3は、縦方向中心線Oy−Oyに凸側が向けられる曲線形状の右側縁部3aと左側縁部3b、および横方向中心線Ox−Oxにから離れる方向に凸側が向けられる曲線形状の前縁部3cと後縁部3dを有する広い面積のものである。前記上層吸収体4は、前記右側縁部3aと左側縁部3bと同じ向きの曲線形状である右側縁部4aと左側縁部4b、および前記前縁部3cと後縁部3dと同じ向きの曲線形状である前縁部4cと後縁部4dを有しており、その形状は前記圧着部9の平面形状のほぼ相似である。
【0037】
そして、前記上層吸収体4は前記圧着部9の外周の輪郭線9Bで囲まれる面積よりも広く、且つ前記下層吸収体3よりも小さい面積を有している。この実施の形態では、下層吸収体3の輪郭形状と上層吸収体4の輪郭形状が、縦方向中心線Oy−Oyを介して左右対称形状であり、また横方向中心線Ox−Oxを介して前後に対称形状である。
【0038】
前記圧着部9では、右側圧着部9a、左側圧着部9b、前方圧着部9cおよび後方圧着部9dの全範囲において、下層吸収体3と上層吸収体4とが凹状に加圧されている。そして、この圧着部9の内側の輪郭線9Aで囲まれる所定面積の範囲が中央吸収領域11であり、この中央吸収領域11は、装着者の肌に向けて***している。この生理用ナプキン1を装着すると前記中央吸収領域11が女性の膣口に密着できるようになる。ただし、前記圧着部9が縦方向に延びる右側圧着部9aと左側圧着部9bのみを有し、前方圧着部9cおよび後方圧着部9dを有しないものであって、前記右側圧着部9aと左側圧着部9bとで挟まれた領域が中央吸収領域11とされたものであってもよい。
【0039】
前記表面シート6は不織布で形成されており、繊維内に形成された空隙を通じて液体の透過機能を有し、しかも表面シート6の表面および内部において平面的な液体の拡散を抑制できる構造である。
【0040】
図5に示すように、前記表面シート6には、肌側に向けられる第1の面25と、中間層である前記液案内層5に向けられる第2の面26を有するシート状の繊維構造体であり、親水性繊維20と撥水性繊維21とが含まれている。図5では、親水性繊維20を白色で、撥水性繊維21にはハッチングを付して図示しているが、これは繊維の種別を理解しやすくしたためのものであり、実際は親水性繊維20と撥水性繊維21は共に外観が白色である。
【0041】
図5(A)に示すように、前記親水性繊維20と撥水性繊維21は、それぞれの繊維長が30〜70mm程度であり、親水性繊維20と撥水性繊維21とが混合されたウエッブがフォーミングされて、繊維どうしが接合された不織布である。
【0042】
前記親水性繊維20と撥水性繊維21は、三次元方向に延びて互いに交叉し部分的に交絡して、繊維どうしが接着されたもので、各繊維が三次元骨格構造を形成している。前記繊維間には、空隙22が形成されており、この空隙は三次方向へ迷路のように連続し、また表面シート6の第1の面25から第2の面26に向けて前記空隙22が連通して液透過経路が形成されている。
【0043】
前記親水性繊維20は化学繊維を使用でき、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の合成樹脂から1つの樹脂を選択して形成された疎水性で熱可塑性の合成繊維、あるいは芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)で、鞘部がポリエチレン(PE)の芯鞘型複合合成繊維、あるいは一方のサイドが前記ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)で、他方のサイドがポリエチレン(PE)のサイドバイサイド構造の複合合成繊維が用いられる。これら繊維に酸化チタンなどの無機フィラーを0.4質量%以上混入することにより、繊維を白色化することが可能である。この白色化した繊維を用いることにより、表面シート6を透過し上層吸収体4に吸収された経血などを表面側から目立ちにくいように隠蔽できるものとなる。また、酸化チタンを含有することで、表面シート6の滑りをよくすることができ、前記表面シート6の風合いがよくなる。
【0044】
そして前記合成繊維の表面に親水性油剤を塗布したもの、または繊維内に親水性油剤が練り込まれたものが、前記親水性繊維20として使用される。
【0045】
前記親水性油剤は、ウエッブを形成する以前の段階で、前記合成繊維の表面にスプレー等で吹き付けられることで塗布でき、または紡糸直後の前記合成繊維を前記親水性油剤に浸すことで塗布できる。また、原料となる樹脂材料に親水性油剤を混入してから溶融させて紡糸することで、前記親水性油剤を繊維の樹脂内に練り込むことができる。前記親水性油剤は、例えば界面活性剤であり、例えばノニオン系活性剤、アニオン系活性剤、カチオン系活性剤、または両性活性剤などを用いることができる。
【0046】
前記合成繊維に対する前記親水性油剤の塗布量または混合量は、合成繊維に親水性油剤が塗布されまたは混合された親水性繊維を100質量%としたときに、親水性油剤が0.2質量%〜1.0質量%の範囲内であることが好ましい。
【0047】
また前記親水性繊維20として、親水性の天然繊維であるコットンやパルプ、レーヨンに代表される再生セルロース繊維を用いることもできる。
【0048】
前記撥水性繊維21は、前記親水性繊維20と同種の各合成繊維に、酸化チタンが前記親水性繊維20と同じ率で混入されたものが使用され、その表面に撥水油剤が塗布され、または繊維内に撥水油剤が練り込まれたものが使用される。
【0049】
合成繊維に対する撥水油剤の塗布方法や混入方法、および撥水油剤の好ましい質量%などは、親水性繊維20に親水性油剤を塗布しまたは混合させるのと同じである。
【0050】
前記撥水性油剤としては、鎖状のポリジメチルシリコーンなどで代表されるシリコーン(Si)系オリゴマーや、パーフルオロアルキル基を含むアルコールのアクリル酸エステルポリマー、燐酸エステルなどで代表されるフッ素(F)系オリゴマーを挙げることができる。シリコーン系の撥水性油脂の方が、前記合成繊維への前記油剤の定着性が良好である点で好ましい。
【0051】
図5に示すように、繊維で三次元骨格が形成された前記表面シート6としてはエアースルー法で製造された不織布が好ましく使用される。このエアースルー法は、疎水性の合成繊維に親水性油剤が塗布されまたは練り込まれた前記親水性繊維20と、疎水性の合成繊維に撥水性油剤が塗布されまたは練り込まれた撥水性繊維21を混合したものをカード法でウエッブとなるようにフォーミングする。そして、130℃〜140℃の熱風内に前記ウエッブを100〜200m/minの速度で通過させ、親水性繊維20どうし、親水性繊維20と撥水性繊維21、または撥水性繊維21どうしの表面を熱融着させて接着させる。
【0052】
前記親水性繊維20と撥水性繊維21の質量比(親水性繊維の質量:撥水性繊維の質量)は95:5〜50:50の範囲内であることが好ましい。すなわち前記親水性繊維20は表面シート6を構成する繊維の少なくとも半分以上の質量比を占めることが好ましく、前記親水性繊維20の質量比が50%を下回ると、空隙22内において撥水性繊維21が支配的に位置する領域が増え、液体が前記空隙22内を浸透しにくくなる。そのため、前記表面シート6表面に***液が滞留しやすくなり、表面シート6の表面に残った経血などが肌に付着しやすくなって不快感を生じやすい。
【0053】
また、前記撥水性繊維21の質量比が5%未満であると、表面シート5の内部の空隙内に、親水性繊維20が支配的に位置する領域が増え、表面シート6内で液体が三次元方向に拡散しやすくなって、液体が表面シート6の面内に拡散しやすくなる。また、液体の厚み方向での透過性を良好にし、シート面方向での液体の拡散を抑制するためには、前記質量比が90:10〜60:40であることがさらに好ましく、最も好ましくは85:15〜75:25である。
【0054】
前記親水性繊維20および撥水性繊維21の繊度は、1.1dtex〜6.6dtexの範囲内であることが好ましい。前記繊維20,21の繊度が前記範囲内よりも大きいと、繊維間の空隙が大きくなりすぎて、毛細管作用が低下し液体が空隙22内を伝わりにくくなり、前記表面シート6の液体の透過性が低下する。また繊度が前記範囲よりも小さいと、前記空隙が狭すぎるものとなり液体が空隙内を浸透しにくくなる。また繊度が前記範囲よりも小さいと、表面シート6の三次元骨格構造の強度が低下して、表面シート6に外圧が作用したときに空隙22が潰れやすくなる。
【0055】
前記表面シート6の目付けは、15g/m〜120g/mの範囲内であることが好ましい。なお、表面シート6が複数枚の不織布の積層体で形成される場合も、その合計の目付けが前記範囲内であることが好ましい。前記未満であると表面強度を充分に得ることができず、湿潤状態で破れが生じるおそれがあり、また繊維量が少なすぎて、前記表面シート6を透過した***液が、体圧で液戻りする危険性がある。また前記範囲を超えると、表面シート6がごわごわしたものとなり着用中に違和感を生じるおそれがあり、また表面シート6下に設けられた液案内層5に***液が到達するのに時間がかかり、液体の浸透性が妨げられ前記表面シート6表面に***液が滞留しやすくなり好ましくない。なお前記目付けは、15g/m〜90g/mの範囲内であることがより好ましく、さらに好ましくは20g/m〜80g/mの範囲内である。
【0056】
また表面シート6の密度は0.12g/cm以下であることが好ましい。女性の生理時の経血などの***液は比較的粘度が高いため、密度が前記以内であると、前記経血などを透過しやすい空隙22が形成される。
【0057】
前記表面シート6に用いられる撥水性繊維21は、以下の試験方法で測定したときの耐水度が5〜60mmHOの範囲のものが好ましく、より好ましくは15〜45mmHOの範囲であり、さらに好ましくは20〜40mmHOの範囲である。
【0058】
この耐水度は、JIS L−1092(1992年)の「4.試験の種類」の「(1)耐水度試験」の中の「(1,1)A法(低水圧法)」の「(a)静水圧法」に基づいて測定するものであり、実際には「安田精機製作所株式会社製の織布耐水圧試験機(No.409−H)」により測定することができる。この測定は、蒸留水またはイオン交換水を用いて試験片の一方の側に静水圧を与え、試験片の裏側の3箇所から水が出たときの前記静水圧を測定するものである。
【0059】
前記耐水度を測定するための試験片として、同じ種類の繊維を開繊機で開繊し、開繊された繊維をローラカード機に2回通過させて、目付けが29±1g/mのウエッブをフォーミングし、このウエッブを140℃で10秒加熱し、繊維間を融着させて、2〜3mmの厚み範囲のエアースルー不織布を形成した。そしてこの試験片を5×5cmの大きさに切断して、前記耐水圧を測定してみた。
【0060】
まず、前記試験により、後に説明する実施例の表面シートAとBで使用されている親水性繊維のみを用いて前記耐水度を測定したところ、その測定値は0mmHOであった。また実施例の表面シートAに使用されている前記親水性繊維と同じ繊維で、親水油剤を塗布していない疎水性繊維のみを用いて前記耐水度を測定したところ、その測定値は5mmHOであった。シリコーン系の撥水油剤を塗布した繊維で、後の実施例の表面シートAに使用されている撥水性繊維のみを用いて前記耐水圧を測定したところ、その測定値は28mmHOであった。またフッ素系の撥水油剤を塗布した他の撥水性繊維のみを用いたものでは、20mmHOであり、シリコーン系の撥水油剤を塗布した他の撥水性繊維のみを用いたものでは40mmHOであった。
【0061】
表面シート6に使用される撥水性繊維の耐水度が前記好ましい範囲に満たないと、表面シート6の面内で液体の拡散を阻止する機能が低下し、また前記範囲を超えると経血などの比較的粘度の高い液体の透過性が好ましいものではなくなる。
【0062】
また、前記表面シート6として、親水性繊維20と撥水性繊維21との比率が、第1の面25側と第2の面26側で相違し、第1の面25側における撥水性繊維21の比率が、第2の面26側での撥水性繊維21の比率よりも多くしたものも好ましく使用される。このように構成すると、第1の面25側よりも第2の面26側において空隙22内の親水度が高くなり、第1の面25から第2の面にかけて親水度の勾配を形成することができる。その結果、第1の面25に与えられた液体が、空隙22内を通って第2の面26に向けて引かれやすくなり、液体が表面シート6を厚み方向へ透過しやすくなる。
【0063】
図6(A)(B)はこのように親水度に勾配をつけた表面シートの一例を断面図で示している。図6(A)に示す表面シート6Aは1枚の不織布で形成されており、第1の面25側に位置する半層6Dでの撥水性繊維の含有比率が、第2の面26側に位置する半層6Eでの撥水性繊維の含有比率よりも高くしたものである。この表面シート6は、前記好ましい質量比の範囲内で、親水性繊維20の比率を高くした下層の繊維ウエッブの上に、前記好ましい範囲内で撥水性繊維21の比率を前記下層よりも多くした繊維ウエッブを重ね、その状態でエアースルー法により熱で繊維間を融着することにより形成できる。
【0064】
図6(B)に示す表面シート6Bは、前記エアースルー法で製造された第1の不織布6Gの上に、同じくエアースルー法で製造された第2の不織布6Fが重ねられたものである。それぞれの不織布において親水性繊維20と撥水性繊維21の比率が前記の好ましい範囲に設定されており、しかも第2の不織布6Fに含まれる撥水性繊維21の含有比率を、第1の不織布6Gに含まれる撥水性繊維21の含有比率よりも高くしたものである。この場合に、第1の不織布6Gと第2の不織布6Fは、接合されることなく単純に重ねられたものであってもよいし、または第1の不織布6Gと第2の不織布6Fとが、積層界面において熱により部分的に接合されたものであってもよい。
【0065】
また、表面シート6を形成する不織布としては前記エアースルー法により形成されたものに限られず、繊維が三次元骨格を形成して内部に空隙22が形成される構造のものであればどのようなものであってもよい。
【0066】
例えば、前記撥水性繊維21と親水処理された合成繊維20とを混合したものや、前記撥水性繊維21と前記親水処理された合成繊維20にさらに天然繊維や再生セルロース繊維を混合したもの、あるいは前記撥水性繊維21に天然繊維や再生セルロース繊維を混合したものによって、カード式、エアレイド法などの乾式フォーミングでウエッブを形成した後に、ポイントボンド、ケミカルボンド、あるいはニードルパンチにより繊維どうしを接合または交絡させたものであってもよい。
【0067】
次に、中央吸収領域11の内部において、前記表面シート6の下に接する前記液案内層5としては、親水性の化学繊維どうしが接合されて三次元の骨格を成して空隙を有する構造の不織布が用いられる。空隙を有する液案内層5を用いることにより、表面シート6から液案内層5に透過した液体を、自重によって透過させて上層吸収体4に与えることができる。また、前記案内層5がクッション層として機能するようになり、体圧が作用したときに表面シート6の前記空隙22が潰れにくくなって、前記表面シート6が常に液透過機能を発揮できるようになる。
【0068】
前記構造の液案内層5としては、親水性の化学繊維で形成された液透過機能を有するエアースルー不織布や、液透過機能と共に液保持機能を有するエアーレイド不織布を挙げることができる。
【0069】
液案内層5を形成するエアースルー不織布は、芯部がポリプロピレン(PP)で鞘部がポリエチレン(PE)の偏芯タイプの芯鞘型複合合成繊維(例えば繊度が4.4dtex、繊維長が50mm)を135℃の熱風で1分間熱処理することにより形成されたもので、前記繊維には親水性油剤が塗布されたものが使用される。
【0070】
液案内層5として用いられる前記エアーレイド不織布は、前記親水性の天然繊維または再生セルロース繊維と、親水処理された熱可塑性樹脂繊維とを混合したものを空気中に浮かせ、スクリーン上に前記繊維を回収して積層した後、加熱処理を施し、前記熱可塑性樹脂繊維の表面を溶融させ、熱可塑性樹脂繊維と親水性繊維とを熱溶着させることで製造される。または前記熱融着の代りにバインダーで繊維間を接着したものであってもよい。例えば、親水性繊維としては、木材パルプ、レーヨン、アセテートレーヨン、パルプ以外の天然セルロース繊維、マーセル化パルプ、クロスリンクパルプなどが使用され、化学繊維として芯部がポリプロピレン(PP)で鞘部がポリエチレン(PE)の芯鞘繊維(例えば繊度が1.7dtex、繊維長が13mm)が用いられる。
【0071】
前記液案内層5の繊維密度は、前記上層吸収体4および表面シート6よりも低く、0.005〜0.1g/cmの範囲のものが使用される。密度が前記範囲未満であると、繊維間の空隙が少なくなりすぎて、表面シート6から上層吸収体4への経血の導きが悪くなる。また前記範囲を超えると、空隙が大きくなりすぎ、繊維の三次元方向に延びる骨格の強度が低下して、身体との圧力により嵩が潰れやすくなる。
【0072】
図3に示すように、前記液案内層5は、エアースルー不織布が2枚重ね以上に折り畳まれたものが用いられている。この実施の形態では、前記不織布が二箇所の折れ線で折り畳まれて3枚重ねものが使用されており、液案内層5の全体の厚みは、1.5mm〜6mmの範囲のものとなっている。
【0073】
前記液案内層5の平面形状は長方形であり、縦方向に延びる側縁5aと側縁5bとの間の幅寸法がW1で、横方向に延びる前縁5cと後縁5dとの間の長さ寸法がL1で示されている。図2に示すように、前記液案内層5の面積は、前記圧着部9の内側の輪郭線9Aで囲まれる面積よりも充分に小さくなっており、前記側縁5a、側縁5b、前縁5cおよび後縁5dのいずれも前記圧着部9よりも内側に離れており、前記圧着部9には掛かっていない。
【0074】
図1と図4(A)に示すように、前記中央吸収領域11では、表面シート6に多数の液透過孔15が規則的に配列して形成されている。図4(A)に示すように、前記液透過孔15は、表面シート6から液案内層5にかけて貫通して形成されている。
【0075】
前記液透過孔15は、針の付いたロールと、孔が設けられたロールとを噛み合わせ、前記ロール間に、表面シート6と液案内層5とが積層されたものを通過させることで形成することができる。または、前記ロール間に表面シート6を供給して、表面シート6のみに孔を形成してもよい。あるいは、前記液透過孔15は、針の付いたロールと、表面が滑らかなロール間に表面シート6を通過させ、その際に、どちらか一方のロールの回転速度を速めることで、前記表面シート6とロール間に摩擦を生じさせて形成することもできる。
【0076】
また表面シート6と液案内層5とを重ねた状態で、加熱した針を用いて開孔処理を行うことにより、液透過孔15の周囲で前記表面シート6に含まれる熱可塑性繊維と液案内層5とに含まれる熱可塑性繊維とが融着され、これにより表面シート6と液案内層5とが接合されるようになる。このようにすると、表面シート6と液案内層5との境界面に接着剤を塗布することが不要になり、表面シート6から液案内層5に液が透過するときに、接着剤による透過面積の減少が生じることがない。ただし、表面シート6のみに液透過孔15を開孔させたものを使用するときには、前記表面シート6と液案内層5とを接着剤で接着し、または熱エンボス加工で接合することもできる。
【0077】
前記液透過孔15は、図4(A)および図8に示すように、その表面での開孔径Hdが0.5〜3.0mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.8〜1.5mmである。また液透過孔15の、縦方向の配列ピッチHyは2〜5mm、横方向の配列ピッチHxが1〜4mmであることが好ましく、例えばHyがHxよりも長く、液透過孔15の配列は、図8に示すように各液透過孔15がX方向とY方向に互い違いに位置する関係に形成される。さらに複数の液透過孔15が配列している領域における前記液透過孔15の面積占有率は3〜15%の範囲内で選択することができる。
【0078】
前記中間層を形成する下層吸収体3と上層吸収体4とは互いに重ねられ、重ねられた吸収体の上面と下面とが親水性のティッシュでサンドされる。そして前記上層吸収体4の上面を覆う前記ティッシュと液案内層5とが、網状、櫛状またはスパイラル状に塗布されたホットメルト型接着剤によって接着される。また、下層吸収体3の下面を覆うティッシュと裏面シート2の境界面もホットメルト型接着剤で接着されている。
【0079】
前記圧着部9の外側の輪郭線9Bよりも外周側の、前記下層吸収体3と上層吸収体4が存在する領域が補助吸収領域12となっている。この補助吸収領域12では、前記輪郭線9Bのすぐ外周側に、下層吸収体3と上層吸収体4および表面シート6が重ねられた嵩高部12aが形成されており、それよりも外周側には、下層吸収体3が表面シート6で覆われた厚みの薄い領域12bが設けられている。そして、前記補助吸収領域12を超えた外周側では、前記下層吸収体3と上層吸収体4とを介在させることなく、裏面シート2と表面シート6とがホットメルト型接着剤によって接着されている。
【0080】
図1と図2に示すように、前記補助吸収領域12の嵩高部12aは前記圧着部9の外周の全周を囲むように形成され、また前記厚みの薄い領域12bは、前記嵩高部12aの外周の全周を囲むように形成されている。この実施の形態では、前記液透過孔15が中央吸収領域11内にのみ形成され、前記補助吸収領域12では、液透過孔15が形成されていない。ただし、前記補助吸収領域12においても前記液透過孔を形成することを妨げるものではない。
【0081】
上層吸収体4は、粉砕パルプ、マーセル化パルプ、クロスリンクパルプなどのパルプの積層体で目付けが例えば230g/mのもので形成される。下層吸収体3は、前記パルプに対して1.5〜2.0質量%の高吸収性ポリマーが含まれたもので、目付けおよび厚みが前記上層吸収体4の80%以下のもの、例えば目付けが160g/mのものが使用される。また、下層吸収体3には、図1に示すような格子状パターン16のエンボスが形成されている。
【0082】
前記上層吸収体4および下層吸収体3の密度は、0.1〜0.6g/cmの範囲が好ましい。前記範囲未満であると剛性が低くなりすぎて生理用ナプキン1の形態を保てず、身体に着用しているときに皺や縒れが発生するおそれがある。また前記範囲を超えると、剛直となって身体に違和感を与えやすくなる。
【0083】
前記圧着部9は、加熱ローラを用いたエンボス加工によって形成されたものであり、下層吸収体3、上層吸収体4および表面シート6が重ねられた状態で、下層吸収体3の外面に、表面がフラットなロールが当てられ、表面シート6の表面側にエンボスパターンの凸部を有する加熱ロールが当てられて、下層吸収体3、上層吸収体4および表面シート6が前記凸部に加圧され且つ加熱される。その結果、前記圧着部9では、図2に示すように幅寸法δが0.2〜1.5mmの部分で、各層に含まれている熱可塑性繊維が溶融してフィルム状の溶融部9Dが形成される。前記溶融部9Dの間には、フィルム状にはなっていないが、圧着部9以外の領域よりも高密度となった高密度部9Eが形成されている。前記溶融部9DのピッチPは例えば1〜5mmである。また圧着部9の幅寸法Waは2〜4mm程度である。
【0084】
裏面シート2は、液不透過性で且つ通気性のシートであり、微細な通気孔が形成されたポリエチレン(PE)フィルム、あるいはポリプロピレン(PP)フィルムなどである。例えば、前記プラスチックシートにCaCo、BaSo等の無機フィラーを混合させて延伸処理することにより、フィルムに微細な通気孔が適切に分散して形成され、通気性を向上させることができる。厚みは15〜50μm程度のものである。あるいは、不繊布に熱可塑性樹脂をラミネーションした材料であってもよい。
【0085】
図3に示すように、前記裏面シート2の外面には、感圧接着剤層7が、所定の横幅寸法で縦方向に連続して延びるように帯状に塗工されている。そして、使用前の状態では、前記感圧接着剤層7が離型シート(図示せず)で覆われて保護されている。
【0086】
前記実施の形態の生理用ナプキン1では、横方向中心線Ox−Oxでの幅寸法は80mm、縦方向中心線Oy−Oyでの長さ寸法は210mm程度である。そして、前記圧着部9で囲まれた中央吸収領域11は女性の膣口に密着できる面積を有していることが必要であり、幅寸法W2が25mm〜50mmの範囲、縦方向の寸法L2は50〜110mmの範囲である。また、就寝時などに着用するのに適したロングタイプでは、前記中央吸収領域11が肛門の後方領域まで延びていることが好ましく、この場合には中央吸収領域11の縦方向の寸法の上限は280mm程度である。
【0087】
この生理用ナプキン1を使用するときには、まず感圧接着剤層7を保護している離型シートを剥がして、感圧接着剤層7を介して、下着のクロッチ部28の内側に接着して使用する。
【0088】
下着および生理用ナプキン1を身体に着用した状態で、前記クロッチ部28および生理用ナプキン1が、両側から大腿部の締め付け力を受ける。前記生理用ナプキン1では、縦方向中心線Oy−Oyから横方向へ等距離の位置で縦方向に延びる右側圧着部9aおよび左側圧着部9bが形成されているため、前記締め付け力により、生理用ナプキン1は前記右側圧着部9aおよび左側圧着部9bの部分がヒンジとして機能して生理用ナプキン1は、このヒンジの部分を折り線として図7に示すように折り曲げられる。
【0089】
中央吸収領域11に設けられている液案内層5は圧着部9に掛かっておらず、圧着部9では、下層吸収体3と上層吸収体4とが存在しているだけである。よって、前記圧着部9と、圧着部9以外の領域との間の剛性差と厚み差を大きくでき、生理用ナプキン1は、右側圧着部9aと左側圧着部9bの位置で折り曲がりやすくなる。
【0090】
そして、大腿部からの締め付け力は、前記右側圧着部9aと左側圧着部9bから中央吸収領域11に作用し、中央吸収領域11の表面が身体に向けて突状に湾曲し、中央吸収領域11に位置する表面シート6の表面が女性の膣口に密着できるようになる。中央吸収領域11は、下層吸収体3、上層吸収体4および液案内層5を有して嵩高となっており、しかも液案内層5は密度の低い素材であるため、膣口への密着感触がソフトである。
【0091】
膣口から***される経血などの比較的粘度の高い***液は、主に中央吸収領域11において表面シート6に与えられる。前記***液は、前記表面シート6内の前記空隙22のうち、主に親水性繊維20で囲まれまたは挟まれている領域において前記親水性繊維20を伝わって、また空隙22内の毛細管作用により空隙22内を伝わって浸透していく。ただし、空隙22内には撥水性繊維21が現れている領域が存在しているため、この撥水性繊維21の撥水機能により、***液は表面シート6内において三次元方向への過剰な拡散が抑制される。
【0092】
よって、表面シート6内で、***液はその自重によって前記空隙22内を下向きに進行し、シートの厚み方向へ抜けるようにして透過し、表面シート6内においてシート面方向に***液が拡散されていくのが抑制される。そのため、***液は表面シート6に与えられた領域でスポット的に表面シート6を透過していくようになる。
【0093】
前記表面シート6の限られた領域内を下降した***液は、その下の液案内層5に与えられるが、この液案内層5は表面シート6よりも密度が低く、その内部に比較的大きな空隙が形成されているため、***液は液案内層5の空隙内を自重で落下しながら上層吸収体4に与えられる。液案内層5は、表面シート6を透過した液体を迅速に上層吸収体4に導くように機能するため、表面シート6が液体で飽和しにくくなり、***液が表面シート6に繰り返して与えられたときに、その***液は表面シート6を迅速に透過していくようになる。
【0094】
また身体が着座姿勢などのときに、身体の体重が表面シート6に作用するが、その下に位置する液案内層5がクッション層として作用するため、表面シート6の前記空隙22が潰れにくくなり、表面シート6が常に液体の透過機能を発揮できるようになる。
【0095】
またこの実施の形態では、図4(A)に示すように、表面シート6から液案内層5にかけて多数の液透過孔15が形成されているため、表面シート6の表面に与えられた液体は、前記表面シート6を構成する繊維20,21間に形成された前記空隙22内を伝わって透過するのみならず、前記液透過孔15を通過して液案内層5に導かれるようになる。このように、表面シート6自体の液透過機能と前記液透過孔15の液透過機能を併せ持つことによって、表面シート6に与えられた***液は、迅速に液案内層5に入り込むようになる。
【0096】
また、前記液案内層5は密度が低く、液案内層5内での液体の周囲への拡散が生じにくくなっている。そのため、膣口から***された経血などが中央吸収領域11内の限られた範囲を通過して上層吸収体3に与えられるようになり、生理用ナプキン1の表面側における***液の拡散領域を狭くできる。
【0097】
表面シート6および液案内層5を自重で透過した液体は、密度の高い上層吸収体4の親水作用および毛細管作用により直ちに吸引されて、上層吸収体4内で吸収されて保持される。さらに上層吸収体4内の***液は下層吸収体3で吸収されて保持される。中央吸収領域11では、上層吸収体4と表面シート6との間の距離が離れているため、上層吸収体4内で拡散している経血の色が表面側から目で確認しにくくなり、使用中の生理用ナプキン1の表面を着用者が目視したときに、心因的な不安を感じるのを防止しやすい。
【0098】
また前記圧着部9は、中央吸収領域11内に位置する上層吸収体4と下層吸収体3内で液体が周囲に拡散したときに***液の拡散を阻止するように機能するため、中央吸収領域11に供給された***液は、圧着部9を超えてその周囲の補助吸収領域12に伝達されにくくなる。
【0099】
このように上層吸収体4と下層吸収体3に吸収された保持された***液は圧着部9で囲まれた中央吸収領域11内で主に保持され、前記補助吸収領域12では、上層吸収体4と下層吸収体3に多量の***液が与えられにくくなっている。したがって、身体を伝わった経血などが前記圧着部9を超えて補助吸収領域12の表面に付着し、または多量の***液が中央吸収領域11に与えられ、この***液が表面シート6を伝わって、補助吸収領域12において表面シート6に付着したときに、その下に位置する上層吸収体4または下層吸収体3の親水作用および毛細管作用により前記***液は素早く吸収される。このときも、表面シート6では液体が前記空隙22内を伝わって上層吸収体4または下層吸収体3に引き込まれるようになり、表面シート6において***液がシート面内で拡散しにくくなる。
【0100】
補助吸収領域12においても、表面シート6の面内に***液が拡散しにくいため、補助吸収領域12が当たりやすい大***や大腿部に湿潤感を与えることが少ない。
【0101】
図9は本発明の第2の実施の形態の吸収性物品としての生理用ナプキン1Aを示す断面図である。
【0102】
この生理用ナプキン1Aでは、図3に示す生理用ナプキン1のように液案内層5が設けられておらず、裏面シート2と表面シート6の間に位置する中間層が前記下層吸収体3と上層吸収体4のみで形成されている。そして上層吸収体4の上が表面シート6Bで覆われている。この表面シート6Bは図6(B)に示したものと同じであり、2枚の不織布6Gと6Fが積層されたものであり、上側の不織布6Fが、下側の不織布6Gよりも撥水性繊維21の含有比率の多いものである。
【0103】
この生理用ナプキン1Aも、図1と図2に示した前記第1の実施の形態と同様に、下層吸収体3と上層吸収体4および表面シート6Bに圧着部9が形成されて、圧着部9で囲まれた中央吸収領域11Aと、圧着部9の外側に位置する補助吸収領域12Aとに区分されている。
【0104】
この実施の形態では、表面シート6Bの表面に与えられた***液が、前記空隙22内を伝わり、その下に位置する上層吸収体4の親水作用および毛細管作用により引き込まれる。前記のように表面シート6Bは、シート面内で***液が拡散しにくい構造であるため、中央吸収領域11Aの限られた領域にスポット的に与えられた***液は、その領域内で速やかに上層吸収体4内に吸収されるようになる。
【0105】
前記表面シート6Bは、第1の面25から第2の面26に向けて親水度の勾配を有しているため、表面シート6B内で***液が厚み方向へ導かれやすく、面内で拡散しにくいものとなっている。
【0106】
なお、図9に示す実施の形態において、図5に示すように1枚の不織布で形成された表面シート6を設けてもよいし、または図6(A)に示す表面シート6Aを設けてもよい。
【0107】
図9に示す実施の形態においても、少なくとも中央吸収領域11Aにおいて、表面シートに多数の液透過孔が形成されていることが好ましい。
【0108】
また、図9に示す実施形態の生理用ナプキン1Aにおいて、表面シートの下に位置する上層吸収体4として、繊維が三次元骨格構造を有し、繊維間に空隙を形成したものを用いることもできる。例えば、前記液案内層5として使用することのできるエアーレイド不織布と同様のものを上層吸収体4として用いると、上層吸収体4が嵩高でクッション性を有するものとなる。また上層吸収体4の内部の空隙内を***液が速やかに移動するため、中央吸収領域11Aにおいて、表面シート6Bに繰り返して与えられる***液が表面シート6Bを迅速に透過できるようになる。
【0109】
次に、図10は本発明の第3の実施の吸収性物品である生理用ナプキン1Bを示し、図11は本発明の第4の実施の形態の吸収性物品である生理用ナプキン1Cを示している。
【0110】
この両実施の形態は、圧着部のパターンおよび生理用ナプキンの外形が前記第1の実施の形態と相違している。ただし、それ以外の構成は、図1以下に示した第1の実施の形態および図9に示した第2の実施の形態に示すものを選択的に採用し得る。したがって、図10と図11において第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の構成については同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0111】
図10に示す第3の実施の形態の生理用ナプキン1Bは、肌側の表面に圧着部90を有している。
【0112】
この圧着部90は、図2に示した圧着部9とほぼ同じパターン形状の右側圧着部9aと左側圧着部9b、および前方圧着部9cと後方圧着部9dを有しており、これら圧着部9a,9b,9c,9dが中央吸収領域11を囲むように連続しており、この中央吸収領域11内に前記液案内層5が設けられている。
【0113】
前記圧着部90には、右側圧着部9aと前方圧着部9cとの境界からさらに前方に延びる前方延長圧着部9eが形成され、同様に左側圧着部9bと前方圧着部9cとの境界からさらに前方に延びる前方延長圧着部9fが形成されている。前記前方延長圧着部9eは右側圧着部9aの延長線上に位置し、前方延長圧着部9fも左側圧着部9bの延長線上に位置している。そして、前方延長圧着部9eと前方延長圧着部9fは、生理用ナプキンの前縁部1cに向かうにしたがって、縦方向中心線Oy−Oyから離れるように傾斜しており、前方延長圧着部9eと前方延長圧着部9fの前方の終端は、前記前縁部1cと右側縁部1aおよび左側縁部1bから離れた位置にある。
【0114】
また、後方領域では、右側圧着部9aと後方圧着部9dとの境界からさらに後方に延びる後方延長圧着部9gが形成され、左側圧着部9bと後方圧着部9dとの境界からさらに後方に延びる後方延長圧着部9hが形成されている。前記後方延長圧着部9gは右側圧着部9aの延長線上に位置し、後方延長圧着部9hも左側圧着部9bの延長線上に位置している。そして、後方延長圧着部9gと後方延長圧着部9hは、生理用ナプキンの後縁部1dに向かうにしたがって、縦方向中心線Oy−Oyから離れるように傾斜しており、後方延長圧着部9gと後方延長圧着部9hの後方での終端は、前記後縁部1dと右側縁部1aおよび左側縁部1bから離れた位置にある。
【0115】
前記パターンの圧着部90を有する生理用ナプキンでは、右側圧着部9a、左側圧着部9b、前方圧着部9cおよび後方圧着部9dで囲まれた中央吸収領域11、すなわち液案内層5が設けられた領域が、図7に示すように装着者側に凸状に変形し、前記中央吸収領域11が身体の***部に密着しやすくなっている。
【0116】
さらに前方圧着部9cよりも前方の領域では、前方延長圧着部9eと前方延長圧着部9fとが、前縁部1cに向かうにしたがって互いに離れるように対向して形成されている。そのため、前方延長圧着部9eと右側縁部1aとで挟まれた領域、および前方延長圧着部9fと左側縁部1bとで挟まれた領域が、前方延長圧着部9eと前方延長圧着部9fを曲げ起点として身体に向かう方向へ変形しやすくなる。したがって、身体の股間部の前方部分に生理用ナプキンがフィットしやすくなる。
【0117】
同様に後方領域においても、後方延長圧着部9gと右側縁部1aとで挟まれた領域、および後方延長圧着部9hと左側縁部1bとで挟まれた領域が、後方延長圧着部9gと後方延長圧着部9hを曲げ起点として身体に向かう方向へ変形しやすくなる。したがって、身体の臀部の形状に追従するように生理用ナプキンが変形して身体にフィットしやすくなる。
【0118】
また吸収性物品は、図1と図2および図10のような平面形状に限らず、右側縁部1aと左側縁部1bからウイング部が突出形成されたものであってもよい。
【0119】
図11は、前記ウイング部を形成した第4の実施の形態の生理用ナプキン1Cを示している。
【0120】
この生理用ナプキン1Cは、その両側縁部のほぼ中央部分から両側方へ延出する一対のウイング部21,21が設けられている。この生理用ナプキン1Cでは、裏面シート2の両側縁部が前記ウイング部21,21と同じ形状となっているが、表面シート6の右側縁部6aと左側縁部6bは、ウイング部21,21の基部までしか延びていない。そして左右両側部では、疎水性の不織布また撥水処理された不織布で形成された液不透過性のシート22,22が最表面に重ねられている。このシート22,22の内側の縁部22a,22aは、縦方向中心線Oy−Oyから一定距離開けた位置で、且つ前記圧着部9から離れた位置にあり、縁部22aと22aで挟まれた領域に表面シート6が露出している。
【0121】
そしてシート22,22は、両側方において表面シート6の上に接着され、またウイング部21,21では前記裏面シート2に接着されている。すなわち、前記ウイング部21,21は、裏面シート2と前記シート22とが接着されたものであり、この部分に液体が浸透できないようになっている。
【0122】
この生理用ナプキン1Cでは、補助吸収領域12のさらに両外側に、前記液不透過性のシート22,22が設けられているため、経血などの横漏れをさらに防止できるようになる。またウイング部21,21を、感圧接着剤層を介して下着のクロッチ部の外面に接着することにより、前記クロッチ部において、生理用ナプキン1Cをしっかり固定することができる。
【0123】
そして、両シート22,22の縁部22aと22aとで挟まれた領域に、図10に示す生理用ナプキン1Dと同様のパターンの圧着部190が形成されている。
【0124】
また、本発明は生理用ナプキンの形状として、縦方向の寸法が大きく、また中央吸収領域が縦長のロングタイプのものであってもよい。
【0125】
図12は、第5の実施の形態として、ロングタイプの生理用ナプキン1Dを示す平面図である。
【0126】
この生理用ナプキン1Dは、基本的な構造が前記生理用ナプキン1,1Aおよび1Bと同じであるが、全体の大きさおよび圧着部の平面パターンの形状のみが相違している。
【0127】
この生理用ナプキン1Dは縦方向の寸法が長く、また後方において全体の幅方向が広くなっており、股間部に着用したときに前記後方部分が臀部に密着できるようになっている。
【0128】
この生理用ナプキン1Dでは、裏面シート、下層吸収体3A、上層吸収体4A、液案内層5Aの縦方向の寸法が長くなっている。そして、圧着部190も縦方向に長いパターンとなっている。この縦長パターンの圧着部190は、中央吸収領域11Bを囲むように連続して形成された右側圧着部190a、左側圧着部190b、前方圧着部190cおよび後方圧着部190dを有している。また前方圧着部190cよりも前方には、一対の前方延長圧着部190e,190fが設けられている。この前方延長圧着部190e,190fは、前方に向かうにしたがって互いの間隔が広がるように傾斜して延びており、それぞれの前方延長圧着部190e,190fの前端部は、生理用ナプキンの縁部から離れた位置にある。
【0129】
さらに、右側圧着部190aよりも内側には短い内側圧着部190gが設けられており、左側圧着部190bよりも内側には同じく短い内側圧着部190hが設けられている。
【0130】
なお、図12に示すように前記圧着部190の各部分は所定の幅寸法を有しているが、この幅内において、図2に示す実施の形態と同様に、フィルム状の溶融部9Dと高密度部9Eが圧着部の線方向に沿って交互に形成されている。
【0131】
また、前記液案内層5Aは、前記中央吸収領域11Bにおいて縦方向に長い面積を有し、且つ圧着部190に掛からないようになっている。そして圧着部190の外周に補助吸収領域12Bが形成されている。
【0132】
この生理用ナプキン1Dでは、中央吸収領域11Bが縦方向に長くなっているため、この中央吸収領域11Bが膣口から臀部にかけてフィットできるようになっている。特に前記内側圧着部190g,190hが設けられていると、前記中央吸収領域11Bの前方領域と後方領域とが前記内側圧着部190g,190hを起点として折り曲がりやすくなるため、前方領域が膣口にフィットし、後方領域が臀部の溝内にフィットしやすくなる。このように中央吸収領域11Bが前後に折り曲がって身体にフィットしやすいため、中央吸収領域11Bに与えられた経血の臀部方向への拡散を防止でき、前記表面シートを用いたスポット吸収能力を有効に利用することができる。
【0133】
また生理用ナプキン1Dの前端部分では、前方延長圧着部190e,190fの部分で生理用ナプキンが折り曲がりやすいため、膣口よりも前方部分に生理用ナプキンがフィットしやすくなる。
【0134】
そして、中央吸収領域11Bに位置する液案内層5Aによって、表面シート6Aに与えられた経血をその下の上層吸収体4Aおよび下層吸収体3Aに導くことができるようになっている。
【0135】
なお、図12の実施の形態において、前方延長圧着部190e,190fと、内側圧着部190g,190hは特に設けられていなくてもよい。
【0136】
前記各実施の形態の生理用ナプキンでは、親水性繊維と撥水性繊維を混合させた表面シートを用いることにより、経血を中央部でスポット的に吸収することが可能であるため、肌側表面に沿って経血が周囲に拡散するのを防止できるようになっている。したがって、従来のような前記肌側表面に沿って経血が拡散したときの対策を省略し、あるいはその対策のための構造を簡略化することが可能である。
【0137】
例えば図1、図2、図10、図12の実施の形態のように、表面シートが肌側表面の全面に現れるものとし、図11に示すような不透液性のシート22,22を左右両側に配置しない構造であっても、左右両側方への経血の広がりや漏れを防止できる。また図11に示す不透液シート22,22を設けた場合も、このシート22,22の撥水性をさほど高くする必要がなく、またシート22,22として目付けの小さい材料を使用することができる。また、図1、図2、図10、図12の実施の形態のように左右にウイング部を有しないものであっても、横漏れを防止しやすい。また、図11に示す実施の形態のようにウイング部21,21を設けた場合も、このウイング部21,21の撥水性を高くしたり目付けの大きなものとする必要はない。
【0138】
また、肌側表面の中央部で経血をスポット吸収できるため、生理用ナプキンの後方への漏れを防止しやすい。したがって、生理用ナプキンの後方部に左右に広がるヒップガード部を設けなくても臀部への経血の漏れを低減できる。また図12に示すように縦長で左右に広がるヒップガード部を有する場合に、このヒップガード部を小さい面積のものや薄いものにできる。
【0139】
また前記各実施の形態は、圧着部9、90または190で挟まれた中央吸収領域11が表面側へ***しており、この部分が女性の局部に密着するものとなっている。この局部密着型の生理用ナプキンは、表面を膣口に密着させて経血を吸収するものであるが、前記実施の形態のように親水性繊維と撥水性繊維を混合させた表面シートを用いることにより、膣口に密着している部分の表面で経血が拡散するのを防止でき、着用者の体の局部以外の部分が経血で汚れることが少なく、不快感を生じ難く、また経血を拭き取る手間を与えることが非常に少なくなる。
【0140】
ただし、本発明の吸収性物品は、前記のような圧着部9,90または190が形成されておらず、***した中央吸収領域が形成されていない生理用ナプキンであってもよい。この場合も、表面での***液の拡散が生じにくい点で有効である。
【0141】
または、本発明は、薄型の吸収層、または薄型の親水性のクッション層の表面が前記表面シートで覆われたおりもの吸収シートとして構成することもできる。この場合もおりものなどの分泌物を拡散させることなく、スポット的に吸収することができる。
【0142】
【実施例】
以下本発明の吸収性物品の好ましい実施例と、その性能について比較例と対比して説明する。
【0143】
まず、前記実施例および比較例の吸収性物品に選択して使用される表面シート、液案内層、吸収層および裏面シートの材質について説明する。
【0144】
(表面シート)
(1)表面シートA
撥水性繊維21として、芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)で、鞘部がポリエチレン(PE)の繊度が2.2dtexで44mmの芯鞘型複合合成繊維で、断面での芯部と鞘部の面積比率は50:50であり、芯部に酸化チタンを繊維全体の0.5質量%含んだもので、表面に撥水性油剤を0.45±0.05質量%塗布したものを用いた。具体的には、東洋紡績株式会社製の「2.2T
44−ARH」を用いた。
【0145】
親水性繊維20として、芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)で、鞘部がポリエチレン(PE)の繊度が2.2dtexで44mmの芯鞘型複合合成繊維で、断面での芯部と鞘部の面積比率および酸化チタンの含有量が前記撥水性繊維と同じもので、表面に親水性油剤を0.35質量%塗布したものを用いた。
【0146】
前記撥水性繊維が20質量%、親水性繊維が80質量%の割合の繊維ウエッブをカード法で形成し、130℃〜140℃の熱風内を100〜120m/minの速度で通過させた1枚のエアースルー不織布を表面シートAとした。目付けを25g/mとした。
【0147】
(2)表面シートB
前記表面シートAと同じ撥水性繊維21と親水性繊維20を用いて、図6(B)に示すような2枚の不織布が重ねられた表面シートを形成した。
【0148】
それぞれの不織布の製造条件は、表面シートAと同じである。ただし、肌側に向けられる上層の不織布は、撥水性繊維21が20質量%、親水性繊維20が80質量%の割合で、目付けが14g/m、下側の不織布は、前記撥水性繊維21が15質量%、親水性繊維20が85質量%の割合で、目付けが11g/mとし、2枚の不織布の合計目付けを25g/mとした。
【0149】
(3)表面シートC
前記表面シートAで用いた親水性繊維20のみを用いて1枚の不織布を製造した。エアースルー法での製造条件は前記表面シートAと同じである。
前記不織布の目付けを25g/mとした。
【0150】
(液案内層)
(1)液案内層A
芯部がポリプロピレン(PP)で、鞘部がポリエチレン(PE)の繊度が4.4dtexで繊維長が51mmの芯鞘型複合合成繊維の表面に親水性油剤を0.3質量%塗布した親水性繊維を用いて、カード法でウエッブを形成し、さらにエアースルー法で、130℃〜140℃の熱風に前記ウエッブを100〜120m/minで通過させた不織布を形成した。不織布の目付けを20g/mとし、これを3枚重ねに折り畳んだものを液案内層Aとした。
【0151】
(2)液案内層B
芯部がポリエチレンテレフタレート(PET)で、鞘部がポリエチレン(PE)の繊度が3.3dtexで繊維長が51mmの芯鞘型複合合成繊維の表面に親水性油剤を0.3質量%塗布した親水性繊維を用いた。
【0152】
繊維長の平均が約3mmの針葉樹クラフトパルプと、前記親水性繊維と、アクリル酸バインダー(液体)とを、65質量%:25質量%:10質量%の割合として、エアレイド方式で目付けが60g/mのエアレイド不繊布を形成した。
【0153】
具体的には、前記パルプと親水性繊維とを混合したものを空気中に浮かせ、スクリーン上に前記繊維を回収して積層した後、前記バインダーを両表面に塗布した後に乾燥させたものである。
【0154】
(吸収層)
(1)吸収層A
繊維長の平均が約3mmの針葉樹クラフトパルプを目付け300g/mに、高吸収性ポリマーを目付けが10g/mで混合したものを、目付けが15g/mのティッシュで包んだ単層のものを吸収層Aとした。
【0155】
(2)吸収層B
繊維長の平均が約3mmの針葉樹クラフトパルプと、高吸収性ポリマーと、アクリル酸バインダーとを、70質量%:20質量%:10質量%の割合として、前記液案内層Bと同じ製造方法により200g/mのエアレイド不繊布を形成し、これを吸収層Bとした。
【0156】
(裏面シート)
ポリエチレン樹脂をTダイ法によって溶融押し出しして、坪量が20g/mの樹脂フィルムを裏面シートとした。裏面シートは以下の実施例と比較例において共通して使用されている。
【0157】
<実施例と比較例>
次に、上記の各部材を用いた実施例及び比較例の層構造について説明する。以下の実施例および比較例は、平面形状が図2に示すものと同様であるが、断面に現れる積層構造が相違している。いずれも圧着部9の形状が図1と図2に示す通りであり、中央吸収領域の縦方向の寸法L2を100mm、幅方向の寸法W2を28mmとした。
【0158】
(実施例1)
断面形状が図13に示す構造の生理用ナプキンを製造した。図13に示すように、裏面シート30の上に、吸収層31、液案内層32および表面シート33を積層したもので、前記表面シート33、液案内層32、吸収層31の3層に圧着部9を形成した。
【0159】
実施例1では、表面シート33として前記表面シートAを使用し、液案内層32として前記液案内層Aを使用し、吸収層31として前記吸収層Aを使用した。
【0160】
(実施例2)
断面形状が図14に示す生理用ナプキンを製造した。図14に示すものでは、裏面シート30の上に、吸収層31、液案内層32および表面シート33の順に積層されている。前記表面シート33と吸収層31の2層に圧着部9を形成し、液案内層32は圧着部9にかからないように中央吸収領域にのみ設けた。
【0161】
実施例2は、表面シート33として前記表面シートBを使用し、液案内層32として前記液案内層Aを使用し、吸収層31として前記吸収層Aを用いた。
【0162】
(実施例3)
図14に示す構造の生理用ナプキンで、表面シート33として表面シートAを用い、液案内層32として液案内層Aを用い、吸収層31として吸収層Aを用いた。
【0163】
(実施例4)
図15に示す断面形状の生理用ナプキンを製造した。この生理用ナプキンは、裏面シート30の上に、吸収層31、第1の液案内層35、第2の液案内層36および表面シート33の順に積層されている。圧着部9では、前記表面シート33と吸収層31が圧着され、前記第1の液案内層35と第2の液案内層36は前記圧着部9よりも内側に位置し、圧着部9にかかっていない。
【0164】
表面シート33は前記表面シートAで、第1の液案内層35は前記液案内層B、第2の液案内層36は前記液案内層A、吸収層31は前記吸収層Bをそれぞれ用いている。
【0165】
(実施例5)
図14に示す構造の生理用ナプキンで、表面シート33として前記表面シートA、液案内層32として前記液案内層A、吸収層31として前記吸収層Aを用いた。
【0166】
(比較例1)
図14に示す構造の生理用ナプキンで、表面シート33として前記表面シートC、液案内層32として前記液案内層A、吸収層31として前記吸収層Aを用いた。
【0167】
(液透過孔の形成)
実施例1、2、3及び比較例1の生理用ナプキンの前記圧着部9で囲まれた中央吸収領域に液透過孔15を形成した。前記液透過孔15は、表面シート33から液案内層32にかけて形成し、表面シートでの開孔径Hdを1.0mm、複数の液透過孔15が形成されている領域内での開孔面積率を8%とした。
【0168】
実施例4では、図16に示すように、圧着部9で囲まれた中央吸収領域において、幅寸法W3が20mmの範囲に液透過孔15を表面シート33から第2の液案内層36まで連通するように形成した。この液透過孔の開孔径と前記W3の幅内での液透過孔の開孔面積率を前記実施例1、2、3、および比較例1と同じとした。また、液透過孔15が形成されている領域の両側では、ドット状のエンボス37で表面シート33と第2の液案内層37および第1の液案内層35を凹状に加圧して互いに固定した。複数の前記エンボス37が点在している領域での前記エンボス37の占有面積率を2.7%とした。
【0169】
なお実施例5の吸収性物品には、前記液透過孔15および前記エンボス37を設けなかった。
【0170】
<吸収試験方法>
試験方法を図17に示す。平坦な試験台40の上に前記実施例1ないし5、比較例1の試験サンプル41を置き、オートビュレット42を使用して、人工経血43を90g/minの速さで3g、前記試験サンプル41の表面に滴下し、前記試験サンプルの表面から前記人工経血が見えなくなるまでの時間を1回目の吸収スピードとして測定した。
【0171】
次に上記1回目の測定してから30秒がたった後、前記人工経血を95g/minの速さで4g、前記試験サンプル41の同じ場所に滴下し、前記試験サンプルの表面から前記人工経血が見えなくなるまでの時間を2回目の吸収スピードとして測定した。
【0172】
次に、上記2回目の測定してから30秒がたった後、前記人工経血を90g/minの速さで3g、前記試験サンプル41の同じ場所に滴下し、前記試験サンプルの表面から前記人工経血が見えなくなるまでの時間を3回目の吸収スピードとして測定した。
【0173】
なお前記人工経血には、イオン交換水1リットルに対し、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩(NaCMC)を8g、グリセリンを80g、NaClを10g、NaHCOを34g混合して攪拌し、さらに赤色の顔料で着色したものを使用した。
【0174】
なお上記3回目の吸収スピードの測定後、目視で、各試験サンプルの表面シートに広がる人工経血の幅寸法および縦方向の寸法をものさしで測定し、人工経血の拡散状況を調べた。その実験結果を以下に示す。
【0175】
【表1】
Figure 2004073759
【0176】
表1に示すように、実施例1ないし5では、比較例1に比べて、表面シートに拡散した人工経血の幅寸法及び長さ寸法が小さく、また前記吸収性物品の人工経血に対する吸収スピードが速いことがわかった。
【0177】
実施例1ない5では、いずれも表面シートとして、撥水性繊維と親水性繊維とが所定の割合で混合されたエアースルー不繊布からなる表面シートAあるいは表面シートBを用いている。一方、比較例1では、親水性繊維のみからなるエアースルー不繊布の表面シートCを使用しているが、この実験から、表面シートとして、撥水性繊維と親水性繊維とが所定の割合で混合された表面シートを用いると、表面シートへの***液の拡散を適切に抑制できるとともに、前記***液の表面シートを透過するスピードを速めることができるとわかった。
【0178】
また実施例1ないし5、および比較例1はいずれも中央吸収領域の表面シート33に液透過孔15が設けられているのに対し、実施例5には、前記液透過孔15が設けられていないが、実施例5の評価結果から液透過孔15を設けなくても、前記表面シート33を親水性繊維と撥水性繊維とを混合して形成することで、比較例1に比べて、表面シートへの***液の拡散を適切に抑制できるとともに、前記***液の表面シートを透過するスピードを速めることができるとわかった。
【0179】
【発明の効果】
以上のように本発明では、表面シート上に与えられた***液を、迅速に引き込んで透過させることができるとともに、表面シートでの液の拡散を防止でき、横漏れを有効に防止できる。
【0180】
また、本発明の吸収性物品は、膣口から排出される***液が拡散することなくスポット的に吸収されるため、***液が吸収性物品の表面で拡散して、これが股間部での膣口以外の部分に再付着するような現象を防止でき、***液が身体に再付着することに起因する不快感が生じ難くなる。
【0181】
したがって、例えば、圧着部で挟まれた中央吸収領域が突状に形成されてその部分が膣口などに密着するタイプに適用した場合に、膣口に密着している前記中央吸収領域において***液がスポット的に吸収され、密着部の周囲に***液が拡散しにくくなり、密着型の利点を生かすことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の第1の実施の形態の生理用ナプキンを示す斜視図、
【図2】図1に示す生理用ナプキンの平面図、
【図3】図1と図2に示す生理用ナプキンの横方向中心線での断面図、
【図4】(A)は図3に示す断面図の中央吸収領域の拡大図、(B)は補助吸収領域の拡大図、
【図5】(A)は表面シートを構成する繊維構造を模式図的に示した部分拡大斜視図、(B)は、(A)をさらに拡大した部分拡大斜視図、
【図6】(A)(B)は厚み方向に親水性の勾配をもたせた表面シートの一例を示す断面図、
【図7】生理用ナプキンが身体に着用されたときの変形状態を示す断面図、
【図8】液透過孔の開孔状態を示す拡大平面図、
【図9】第2の実施の形態の生理用ナプキンを示す断面図、
【図10】第3の実施の形態の生理用ナプキンを示す断面図、
【図11】第4の実施の形態の生理用ナプキンを示す断面図、
【図12】第5の実施の形態の生理用ナプキンを示す断面図、
【図13】実施例1の吸収性物品の層構造を説明するための断面図、
【図14】実施例2、3、5及び比較例1の吸収性物品の層構造を説明するための断面図、
【図15】実施例4の吸収性物品の層構造を説明するための断面図、
【図16】実施例4の吸収性物品の液透過孔とエンボスの形成パターンを示す部分平面図、
【図17】吸収試験方法の説明図、
【符号の説明】
1、1A、1B、1C、1D生理用ナプキン
2、30 裏面シート
3 下層吸収体
4 上層吸収体
5、32 液案内層
6、6A、6B、33 表面シート
9、90、190 圧着部
11 中央吸収領域
15 液透過孔
20 親水性繊維
21 撥水性繊維
22 空隙
35 第1の液案内層
36 第2の液案内層
37 エンボス

Claims (16)

  1. 裏面シートと、液透過性の表面シートとの間に、中間層が設けられている吸収性物品において、
    前記表面シートの少なくとも一部が、親水性繊維と撥水性繊維とが混合された液透過性の不織布で形成されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記不織布は、前記繊維どうしが接合されて各繊維が三次元方向に延びる骨格を形成し、繊維間に空隙が形成されているものである請求項1記載の吸収性物品。
  3. 前記親水性繊維は、表面に親水性油剤が塗布された合成繊維、繊維内に親水性油剤が混合された合成繊維、天然繊維、再生セルロース繊維のいずれか1種以上である請求項1または2記載の吸収性物品。
  4. 前記撥水性繊維は、表面に撥水性油剤が塗布された繊維、繊維内に撥水性油剤が混合された合成繊維、のいずれか一方または双方である請求項1ないし3のいずれかに記載の吸収性物品。
  5. 前記親水性繊維と撥水性繊維との質量比が、95:5〜50:50の範囲内である請求項1ないし4のいずれかに記載の吸収性物品。
  6. 前記親水性繊維および撥水性繊維の繊度が、1.1dtex〜6.6dtexの範囲内である請求項1ないし5のいずれかに記載の吸収性物品。
  7. 前記不織布で形成された表面シートの目付けが、15g/m〜120g/mの範囲内である請求項1ないし6のいずれかに記載の吸収性物品。
  8. 前記不織布で形成された表面シートは、身体に向く第1の面と、前記中間層に向く第2の面とを有し、第1の面での撥水性繊維の占有率が、第2の面での撥水性繊維の占有率よりも高い請求項1ないし7のいずれかに記載の吸収性物品。
  9. 1枚の前記不織布で前記表面シートが形成されており、この1枚の不織布内で撥水性繊維の占有率が厚み内で相違している請求項8記載の吸収性物品。
  10. 複数枚の前記不織布が重ねられて前記表面シートが形成されており、前記第1の面側に位置する不織布での撥水性繊維の占有率が、前記第2の面側に位置する不織布での撥水性繊維の占有率よりも高い請求項8記載の吸収性物品。
  11. 前記中間層は、親水性材料を有する吸収層と、親水性の繊維どうしが接合されて空隙を形成する三次元骨格構造を有し且つ前記吸収層よりも密度の低い液案内層とで形成されており、前記液案内層の表面に前記不織布で形成された表面シートが接している請求項1ないし10のいずれかに記載の吸収性物品。
  12. 前記液案内層は、化学繊維で形成されたエアースルー不織布、または化学繊維を含むエアーレイド不織布である請求項11記載の吸収性物品。
  13. 前記中間層は、親水性材料を有する吸収層であり、この吸収層の表面に、前記不織布で形成された表面シートが接している請求項1ないし10のいずれかに記載の吸収性物品。
  14. 前記不織布で形成された表面シートに、多数の液透過孔が形成されている請求項1ないし13のいずれかに記載の吸収性物品。
  15. 縦方向に延びる中心線を含み横方向へ所定の幅寸法の範囲に、表面側へ***した中央吸収領域が設けられており、少なくともこの中央吸収領域に前記不織布で形成され表面シートが設けられている請求項1ないし14のいずれかに記載の吸収性物品。
  16. 縦方向に延びる中心線から左右両側に所定距離離れた位置に、表面シートと吸収層とが凹状に加圧された圧着部が縦方向に連続して形成されており、前記圧着部で挟まれた領域が前記中央吸収領域とされている請求項15記載の吸収性物品。
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