JP2017113512A - 吸収性物品 - Google Patents

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Junichi Noguchi
順一 野口
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明乃 大槻
久実 藤川
Kumi Fujikawa
久実 藤川
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Abstract

【課題】本発明は、液状***物が裏面シートを介して滲出するのを抑制することができるとともに、通気性にも優れた吸収性物品を提供するものである。
【解決手段】本発明の吸収性物品(1)は、不織布からなる表面シート(2)と、疎水性不織布からなる裏面シート(3)と、これらのシートの間に位置する中間シート(4)と、を備え、前記中間シート(4)が、疎水性不織布からなり、且つ、4900Paの荷重による厚み減少率が前記表面シート(2)の厚みの減少率よりも小さい。
【選択図】図1

Description

本発明は、パンティーライナー、軽失禁パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
パンティーライナー、軽失禁パッド、生理用ナプキン等の吸収性物品では、長年積み重ねられてきた技術開発により吸収性能等の基本的性能が向上し、以前と比較して、尿や経血などの***物を吸収した後に、漏れ等が生じることが少なくなってきており、現在は、更なる高機能化、例えば、柔軟性やクッション性に優れること、肌着に近い着用感を有することなどが求められている。
例えば、特許文献1には、不織布で形成された表面シートと、裏面シートと、前記表面シートと前記裏面シートとの間に位置するクッション層とを少なくとも有する吸収性物品において、前記表面シートは、凸領域と凹領域とが所定のピッチで交互に繰り返されように立体賦型された三次元立体構造を有するとともに、49paの圧力が与えられた状態での厚みが0.5〜5mmであり、前記クッション層は、49paの圧力が与えられた状態での厚みが前記表面シートの厚み以上であるとともに、圧縮特性値が前記表面シートよりも低いことを特徴とする吸収性物品が開示されている。この特許文献1に開示された吸収性物品は、表面シートの下に設けられるクッション層が、表面シートよりも厚く、また、表面シートよりも軟質なものであるため、表面シートに形成された凸領域と凹領域の段差が潰れにくくなり、薄型でありながら、常にソフトな外観と良好な接触感触を得ることができるとされている。
特開2003−339761号公報
しかしながら、特許文献1に開示された吸収性物品のように、表面シートの下に潰れやすいクッション層が設けられていると、吸収性物品の着用者の体圧等によって前記吸収性物品の厚さ方向に圧力が掛かったときに、クッション層が優先的に潰れて、表面シートと裏面シートとの間の距離が狭まるため、表面シート上に供給される尿などの液状***物が、裏面シートに到達しやすくなり、場合によっては、液状***物が裏面シートを介して吸収性物品の裏面側(非肌面側)へ滲出し、着用者の下着等を汚してしまう虞があった。
また、このような液状***物の滲出を防ぐために、裏面シートを樹脂フィルム等の液不透過性シートにより形成すると、このような裏面シートは一般に通気性が低いため、着用者の肌面と吸収性物品との間に湿気が籠って、蒸れが生じやすくなり、着用者に不快感を与える虞があった。
そこで、本発明は、液状***物が裏面シートを介して滲出するのを抑制することができるとともに、通気性にも優れた吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の一態様(態様1)は、不織布からなる表面シートと、疎水性不織布からなる裏面シートと、これらのシートの間に位置する中間シートと、を備えた吸収性物品であって、前記中間シートが、疎水性不織布からなり、且つ、4900Paの荷重による厚み減少率が前記表面シートの厚みの減少率よりも小さい、吸収性物品である。
この態様1の吸収性物品は、中間シート及び裏面シートがそれぞれ疎水性不織布によって構成されているため、これらのシートに尿や経血などの液状***物が吸収・保持されにくく(液溜まりが生じにくく)、液状***物は、表面シート又は該表面シートと前記中間シートとの間において保持されやすくなっている。
そして、この態様1の吸収性物品においては、中間シートの4900Paの荷重(以下、「4900Paの荷重」を単に「特定荷重」ということがある。)による厚み減少率が表面シートの厚みの減少率よりも小さい(すなわち、中間シートが、相対的に表面シートよりも潰れにくい)ため、吸収性物品の着用者の体圧等によって前記吸収性物品の厚さ方向に圧力が掛かったとしても、中間シートよりも表面シートの方が優先的に潰れて前記圧力を緩衝し、中間シートの厚みが減少しにくくなっている。このように表面シートと裏面シートとが接近しにくくなっていると、表面シートと裏面シートとが疎水性不織布からなる中間シートを介して一定程度離間した状態を確保することができるため、表面シート又は該表面シートと中間シートの間に保持された液状***物(以下、単に「表面シート等に保持された液状***物」ということがある。)が裏面シートへ到達しにくくなり、結果的に、液状***物が裏面シートを介して吸収性物品の裏面側へ滲出しにくくなる(以下、「液状***物が、裏面シートを介して吸収性物品の裏面側へ滲出すること」を、単に「液状***物の滲出」ということがある。)。
一方で、この態様1の吸収性物品は、裏面シートが疎水性不織布によって構成されているため、当該裏面シートを介して通気を行いやすく、吸収性物品として優れた通気性を発揮することができる。
したがって、この態様1の吸収性物品は、液状***物の滲出を抑制しつつ、優れた通気性を発揮することができる。
また、本発明の別の態様(態様2)では、前記態様1の吸収性物品において、前記中間シートは、熱融着性繊維を含み且つ該熱融着性繊維同士が接合した複数の接合部を有し、前記表面シートは、熱融着性繊維を含まない又は前記中間シートよりも熱融着性繊維の含有量が少ない。
この態様2の吸収性物品は、中間シートが、熱融着性繊維を含むことによって(より具体的には、熱融着性繊維によって接合部(融着部)が複数箇所に形成されることによって)剛性が高くなり、潰れにくくなっているのに対し、表面シートは、熱融着性繊維を含まないか、含んでも中間シートよりも少ない含有量(質量割合)で含むものであり、熱融着性繊維によって形成される接合部(融着部)が、表面シートを構成する不織布内に存在しないか又は中間シートを構成する不織布内における接合部(融着部)よりも少ないため、表面シートの剛性が中間シートの剛性よりも低くなっている(すなわち、中間シートが、相対的に表面シートよりも更に潰れにくくなっている)。
したがって、この態様2の吸収性物品は、表面シート等に保持された液状***物と裏面シートとを、中間シートを介して、より確実に離間させることができるため、液状***物が裏面シートへ更に到達しにくくなり、結果的に、液状***物が裏面シートを介して吸収性物品の裏面側へ更に滲出しにくくなる。
更に本発明の別の態様(態様3)では、前記態様1又は2の吸収性物品において、前記表面シートを構成する不織布が、親水性繊維を50質量%以上の質量割合で含むものである。
この態様3の吸収性物品は、表面シートを構成する不織布が親水性繊維を50質量%以上含むものであるため、当該表面シートにおいて液状***物を更に吸収・保持しやすくなっている。
したがって、この態様3の吸収性物品は、特に、液状***物が表面シートと中間シートとの間に保持されるような場合と比して、液状***物と裏面シートとを、より確実に離間させることができるため、液状***物の滲出をより一層生じにくくすることができる。
更に本発明の別の態様(態様4)では、前記態様1〜3のいずれかの吸収性物品において、前記表面シートと前記中間シートとの間には、第1接着層が配置され、前記中間シートと前記裏面シートとの間には、第2接着層が配置されていて、さらに、前記第1接着層及び前記第2接着層は、それぞれの配置パターンが前記吸収性物品の厚さ方向に重ならないようにして配置されている。
この態様4の吸収性物品は、表面シートと中間シートとの間、及び中間シートと裏面シートとの間が、それぞれ第1接着層及び前記第2接着層を介して接合されていて、これら各シート間における位置ずれや変形が生じにくくなっているため、上述の液状***物の滲出を抑制するという効果を、より安定して発揮することができる。
さらに、表面シート及び中間シートの間の第1接着層と、中間シート及び裏面シートの間の第2接着層とは、それぞれの配置パターンが前記吸収性物品の厚さ方向に重ならないようにして配置されているため、着用者の体圧等によって吸収性物品の厚さ方向に過大な圧力が掛かって、中間シートが一時的に潰れるような場合でも、上述の各接着層(すなわち、第1接着層と第2接着層)が接触して接合してしまうようなことが起こりにくく、上述の過大な圧力が取り除かれたときに、中間シートの厚みが回復しやすくなっている。
したがって、この態様4の吸収性物品は、上述の液状***物の滲出を、より安定的且つ持続的に抑制することができる。
更に本発明の別の態様(態様5)では、前記態様1〜3のいずれかの吸収性物品において、前記表面シートと前記中間シートとの間に、吸収体が配置されている。
この態様5の吸収性物品は、表面シートと中間シートとの間に、吸収体が配置されているため、液状***物が表面シートを透過したとしても、吸収体において液状***物を吸収・保持することができる。
したがって、この態様5の吸収性物品は、液状***物が中間シートや裏面シートに、より一層到達しにくくなっているため、上述の液状***物の滲出を更に確実に抑制することができる。
更に本発明の別の態様(態様6)では、前記態様1〜5のいずれかの吸収性物品において、前記表面シートが、肌面側に突出する凸部と非肌面側に窪む凹部とを含む凹凸構造を有するものである。
この態様6の吸収性物品は、表面シートが上述の凹凸構造を有していて、着用者の肌面と表面シートとの間(特に、着用者の肌面と前記凹部との間)に、通気可能な空隙が形成されやすくなっているため、更に優れた通気性を発揮することができる。
また、表面シートがこのような凹凸構造を有していると、良好な肌触りを得ることもできる。
更に本発明の別の態様(態様7)では、前記態様6の吸収性物品において、前記凸部は、前記表面シートの非肌面側の表面が面する空洞部を有している。
この態様7の吸収性物品は、前記凸部の内部が空洞であり、表面シートが更に潰れやすい構造を有しているため、表面シート等に保持された液状***物と裏面シートとを、中間シートを介して更に確実に離間させることができるため、上述の液状***物の滲出を、より確実に抑制することができる。
更に本発明の別の態様(態様8)では、前記態様1〜7のいずれかの吸収性物品において、前記裏面シートを構成する前記疎水性不織布が、1dtex以下の繊度を有する繊維によって構成された極細繊維層を含むものである。
この態様8の吸収性物品は、裏面シートを構成する前記疎水性不織布が、1dtex以下の繊度を有する繊維によって構成された極細繊維層を含むものであり、当該極細繊維層は通気性を保持しつつ、液体(液状***物)の透過を抑制することができるため、前記裏面シートにおいて、通気性を阻害せずに、液状***物の滲出をより生じにくくすることができる。
更に本発明の別の態様(態様9)では、前記態様1〜8のいずれかの吸収性物品において、前記裏面シートを構成する前記疎水性不織布が、SMS不織布である。
この態様9の吸収性物品は、裏面シートを構成する前記疎水性不織布がスパンボンド/メルトブローン/スパンボンドの3層構造からなるSMS不織布であり、当該SMS不織布は、通気性と、(特に、スパンボンド層による)一定の強度とを兼ね備えつつ、(特に、極細繊維層であるメルトブローン層によって)液状***物の透過を効果的に抑制することができるため、前記裏面シートにおいて、通気性と一定の強度とを確保しつつ、液状***物の滲出をより効果的に且つ安定的に抑制することができる。
本発明によれば、液状***物が裏面シートを介して滲出するのを抑制することができるとともに、通気性にも優れた吸収性物品を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るパンティーライナー1の部分破断斜視図である。 図2は、本発明の一実施形態に係るパンティーライナー1の図1におけるII−II線に沿った部分断面図である。 図3は、本発明の一実施形態に係るパンティーライナー1に、表面シート側から圧力が掛かったときの状態を模式的に示す、図2に対応する部分断面図である。 図4は、本発明の別の実施形態に係るパンティーライナー1’の図2に対応する部分断面図である。
以下、本発明の吸収性物品の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本明細書においては、特に断りのない限り、「展開した状態で水平面上に置いた対象物(例えば、吸収性物品、吸収体等)を、垂直方向の上方側(対象物が吸収性物品の場合は表面シート側)から対象物の厚さ方向に見ること」を、単に「平面視」という。
また、本明細書において用いられる各種方向等については、特に断りのない限り、以下のとおりである。
本明細書において、「幅方向W」は、「平面視における縦長の対象物の長さの短い方向(短手方向)」を指し、「長手方向L」は、「平面視における縦長の対象物の長さの長い方向」を指し、「厚さ方向T」は、「展開した状態で水平面上に置いた対象物に対して垂直方向」を指し、これらの幅方向W、長手方向L及び厚さ方向Tは、それぞれ互いに直交する関係にある。
さらに、本明細書では、特に断りのない限り、吸収性物品の厚さ方向Tにおいて、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に近位側」を「肌面側」といい、「吸収性物品の着用時に、着用者の肌面に対して相対的に遠位側」を「非肌面側」という。なお、本明細書においては、「非肌面側」を「裏面側」ということがある。
図1は、本発明の一実施形態に係るパンティーライナー1(吸収性物品)の部分破断斜視図であり、図2は、パンティーライナー1の図1におけるII−II線に沿った部分断面図である。また、図3は、パンティーライナー1に、表面シート側から圧力が掛かったときの状態を模式的に示す、図2に対応する部分断面図である。
本発明の一実施形態に係るパンティーライナー1は、平面視にて、外形形状が長手方向Lに長い形状を有し、さらに、前記長手方向Lの略中央部分の外縁が幅方向Wに僅かに括れた略小判形の縦長の形状を有している。なお、本発明において、吸収性物品の外形形状は、特に限定されず、長手方向Lの長さ寸法が幅方向Wの幅寸法よりも長い縦長の形状のものであれば、各種用途等に応じて任意の形状(例えば、長方形、楕円形、瓢箪形など)を採用することができる。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係るパンティーライナー1は、厚さ方向Tにおいて、着用者の肌面側に位置する、凹凸構造を備えた不織布からなる表面シート2と、着用者の非肌面側に位置する、疎水性不織布からなる裏面シート3と、これらのシートの間に位置する、疎水性不織布からなる中間シート4と、を備えている。なお、本実施形態においては、表面シート2と中間シート4との間及び中間シート4と裏面シート3との間は、それぞれ後述するホットメルト型接着剤による第1接着層A及び第2接着層Aを介して接合されている。
また、図2に示すように、裏面シート3の非肌面側の表面には、幅方向Wに連続的に延びる粘着剤層6が、長手方向Lに沿って複数本並ぶように(いわゆる、ストライプ状に)配置された着衣固定用粘着部を備えていて、さらに、該着衣固定用粘着部の非肌面側の表面には、使用前の着衣固定用粘着部を保護するための剥離シート5が配置されている。なお、粘着剤層を形成する粘着剤は、吸収性物品を着用者の着衣(例えば、下着等)に固定し得るものであれば特に限定されず、例えば、スチレン系ポリマー等を含む任意の粘着剤を用いることができる。また、着衣固定用粘着部における粘着剤層の配置パターンは、特に限定されず、粘着剤層は、幅方向Wに間欠的に延びていてもよく、また、長手方向Lに延びていてもよい。
なお、パンティーライナー1は、着用する際に、上述の剥離シート5を剥がして、パンティーライナー1を、裏面シート3の非肌面側の表面に配置された着衣固定用粘着部によって着用者の着衣7(例えば、下着)の内側の表面に固定し、表面シート2が着用者の肌面に対向するようにして着用される。そして、着用者から尿などの液状***物が排出されると、液状***物は、パンティーライナー1の表面シート2の肌面側の表面に供給されて、当該表面シート2において吸収、保持されることとなるが、液状***物の量が多い場合などは、一部の液状***物が表面シート2を透過して、表面シート2と疎水性不織布からなる中間シート4との間に保持されることとなる。
そして、本実施形態に係るパンティーライナー1においては、疎水性不織布からなる中間シート4は、4900Paの荷重による厚み減少率が表面シート2の厚みの減少率よりも小さくなっている。このような中間シート4を備えていることにより、パンティーライナー1は、着用者の体圧等によって表面シート2側から圧力が掛かったとしても、中間シート4よりも表面シート2の方が優先的に潰れて前記圧力を緩衝し、中間シート4の厚みが保持されるため、表面シート2と裏面シート3とが中間シート4を介して一定程度離間した状態を確保することができる。その結果、表面シート2等に保持された液状***物が裏面シート3へ到達しにくくなるため、液状***物が裏面シート3を介してパンティーライナー1の非肌面側へ滲出しにくくなる。
一方で、パンティーライナー1は、裏面シート3が疎水性不織布によって構成されているため、当該裏面シート3を介して通気を行いやすく、優れた通気性を発揮することができる。
以下、本発明の吸収性物品を構成する各種部材について、更に詳細に説明する。
<表面シート>
本実施形態に係るパンティーライナー1において、表面シート2は、図1及び図2に示すように、着用者の肌面に直に接触し得る、パンティーライナー1の厚さ方向Tにおける肌面側の位置に配置されていて、一定の吸水性及び液保持性を有する不織布によって構成されている。
表面シートを構成する不織布は、4900Paの荷重(特定荷重)による厚み減少率が、後述する中間シートの同特定荷重による厚み減少率よりも大きいもの(すなわち、中間シートよりも潰れやすいもの)であれば、特に限定されず、例えば、スパンレース不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、及びこれらの組み合わせ(例えば、SMS不織布等)などの任意の不織布を用いることができる。中でも、柔らかさ等に優れ、上述の所定の厚み減少率を有する不織布が得られやすいという点から、スパンレース不織布を用いることが好ましい。
さらに、不織布を構成する繊維は、吸水性や液保持性等の点から親水性繊維を用いることが好ましく、更に具体的には、コットン、粉砕パルプ等のセルロース繊維;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース繊維;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース繊維;親水化処理を施した熱可塑性樹脂繊維や複合繊維などを好適に用いることができる。中でも、吸水性や液保持性、柔らかさ等に優れ、後述する所定の厚み減少率を有する不織布が得られやすいという点から、セルロース繊維や再生セルロース繊維、半合成セルロース繊維等のセルロース系繊維を用いることが好ましく、特に、コットン、レーヨン又はこれらを組み合わせた混合繊維を用いることが好ましい。
また、吸収性物品が尿などの液状***物を吸収・保持することができる吸収体を備えている場合や対象とする液状***物の量が少ないと想定される場合などにおいては、表面シートを構成する不織布は、上述の親水性繊維のほかに、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系繊維;熱融着性繊維などの疎水性の熱可塑性樹脂繊維を含んでいてもよいが、表面シートを構成する不織布は、親水性繊維を50質量%以上の質量割合で含んでいることが好ましい。表面シートを構成する不織布が親水性繊維を50質量%以上の質量割合で含んでいると、当該表面シートにおいて一定以上の吸収性能を確保することができるため、このような表面シートを備えた吸収性物品は、特に、液状***物が表面シートと中間シートとの間に保持される場合と比して、表面シートに保持された液状***物と裏面シートとを、より確実に離間させることができるため、液状***物の滲出をより一層生じにくくすることができる。
上述のとおり、表面シートを構成する不織布は、親水性繊維のほかに、シート強度を向上させる等のために、熱融着性繊維を含んでいてもよいが、特に、後述する中間シートが熱融着性繊維を含んでいるような場合は、表面シートを構成する不織布は、熱融着性繊維を含まないか、或いは、含んでいても中間シートの熱融着性繊維の含有量(質量割合)よりも少ない含有量(質量割合)で含んでいることが好ましい。表面シートを構成する不織布が、熱融着性繊維を含まないか、或いは、含んでいても中間シートの熱融着性繊維の含有量よりも少ない含有量で含んでいると、熱融着性繊維同士の融着によって形成される接合部(融着部)が、表面シートを構成する不織布内に存在しないか、或いは、存在していても中間シートを構成する疎水性不織布内の接合部(融着部)の数よりも少ない数で存在することになるため、表面シートの剛性が中間シートの剛性よりも低くなる(すなわち、表面シートが、相対的に中間シートよりも更に潰れやすくなる)。
したがって、このような表面シートを備えた吸収性物品は、表面シート等に保持された液状***物と裏面シートとを、中間シートを介して、より確実に離間させることができるため、液状***物が裏面シートへ更に到達しにくくなり、結果的に、液状***物が裏面シートを介して吸収性物品の非肌面側へ更に滲出しにくくなる。
本発明において、表面シートの坪量は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、吸水性や液保持性、荷重下における潰れやすさ等を考慮した任意の坪量を採用することができる。そのような坪量としては、例えば、10g/m2〜100g/m2の範囲内の坪量が挙げられ、好ましくは20g/m2〜50g/m2の範囲内である。なお、坪量は、JIS L 1906の5.2に従って測定することができる。
さらに、表面シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.001mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、吸水性や液保持性、クッション性、肌触りなどの点から、好ましくは0.01mm〜3.0mmの範囲内であり、更に好ましくは0.1mm〜1.0mmの範囲内である。
また、表面シートの上記特定荷重下における厚みは、当該特定荷重下における厚み減少率が後述する中間シートの同特定荷重下における厚み減少率よりも大きい限り、特に限定されず、例えば、表面シートが、コットン又はレーヨンを主体する、坪量が30g/mのスパンレース不織布によって構成されている場合、上記特定荷重下における厚みは0.26mm程度となる。
ここで、表面シート及び後述する中間シートの、厚み(すなわち、特定荷重を掛ける前の厚み)、特定荷重下における厚み及び厚み減少率は、次の測定方法に従って測定することができる。なお、表面シート及び中間シート以外の各種部材(例えば、裏面シート等)の厚みについても、次の測定方法に従って同様に測定することができる。
[各種厚み及び厚み減少率の測定方法]
(1)測定対象のシートから、所定サイズ(例えば、100mm×100mm)のサンプルシートを切り出す。
(2)切り出したサンプルシートを、カトーテック(株)の自動化圧縮試験機「KES FB−3A」にセットして、当該試験機の測定端子によるサンプルシートへの圧力が49Paのときの厚み(mm)を測定し、この測定された厚み(mm)をサンプルシートの厚み(すなわち、特定荷重を掛ける前の厚み)とする。
(3)同様にして、前記試験機の測定端子によるサンプルシートへの圧力が4900Paのときの厚み(mm)を測定し、この測定された厚み(mm)をサンプルシートの特定荷重下における厚みとする。
(4)上記のようにして測定された特定荷重下における厚み(mm)を、荷重を掛ける前の厚み(mm)で除算し、百分率(%)に換算することにより、特定荷重による厚み減少率(%)を算出する。
また、本発明の吸収性物品において、表面シートの構造は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、肌面側及び非肌面側の両面が共に略平坦な構造を有していてもよいが、表面シートは、肌面側に突出する複数の凸部と非肌面側に窪む複数の凹部とを含む凹凸構造を有していることが好ましく、さらに、前記凸部は、表面シートの非肌面側の表面が面する空洞部を有していることが好ましい。表面シートが上述のような凹凸構造を有していると、着用者の肌面と表面シートとの間(特に、着用者の肌面と前記凹部との間)に、通気可能な空隙が形成されるため、吸収性物品に、更に優れた通気性を付与することができる。なお、表面シートがこのような凹凸構造を有していると、吸収性物品に、更に良好な肌触りを付与することができ、また、表面積が増大することで吸収量を向上させることもできる。
さらに、上述の凹凸構造において、前記凸部が、表面シートの非肌面側の表面が面する空洞部を有していると(すなわち、前記凸部の内部が空洞であると)、当該凸部は、剛性が低く、潰れやすいため、表面シートを中間シートよりも更に潰れやすく構成することができる。これにより、着用者の体圧等によって吸収性物品の厚さ方向に圧力が掛かったとしても、図3に示すように、中間シートよりも表面シートの方が優先的に潰れて前記圧力を緩衝しやすく、中間シートの厚みがより確実に保持される(すなわち、表面シート等に保持された液状***物と裏面シートとを、中間シートを介して、より確実に離間させることができる)ため、液状***物の滲出を、より確実に抑制することができる。
上述の凹凸構造において、凸部のピッチ(すなわち、隣り合う2つの凸部の頂部中心同士の間隔(mm))についても、特に制限されず、例えば、0.5mm〜5.0mmの範囲内のピッチを採用することができるが、クッション性や肌触り等の観点から、好ましくは1.0mm〜4.0mmの範囲内である。なお、この凸部のピッチは、無加圧状態における表面シートの平面写真又は平面画像に基づいて、隣り合う2つの凸部の頂部中心同士の間隔(mm)として測定することができる。
また、上述の凹凸構造における凸部及び凹部の構造や形状は、特に制限されず、例えば、凸部が長手方向及び/又は幅方向に延びる凸条であり、凹部が隣接する2本の凸条の間に位置する溝部である構造(例えば、畝溝構造や、図1及び図2に示すような断面が波形となる凹凸構造等)や、凸部及び凹部の平面視形状が円形又は矩形である構造などの任意の凹凸構造を採用することができる。
なお、表面シートが図1及び図2に示すような断面が波形となる凹凸構造を有する場合、当該表面シートは、前記凹凸構造の凹部の非肌面側の表面において中間シート又は後述する吸収体と接合される。表面シートと、中間シート又は吸収体とを接合する手段は、特に制限されず、例えば、後述するホットメルト型接着剤やヒートシール等の熱融着法を採用することができる。
表面シートに凹凸構造を形成する方法は、特に限定されず、例えば、特開2008−25079号公報、特開2008−23326号公報、特開2009−30218号公報等に開示されているような、繊維ウェブに連続的に気体(通常はエア)を吹き付けることによって畝溝状の凹凸構造を形成する方法や、真空成形を利用する方法、ギア延伸を利用する方法、熱伸長性繊維の熱伸長及び/又は熱収縮性繊維の熱収縮を利用する方法などの任意の方法を採用することができる。
本発明において、表面シートを構成する不織布は、親水化処理が施されていてもよい。この親水化処理の方法としては、特に限定されないが、例えば、不織布表面に親水化剤をコーティングする方法、不織布を構成する繊維の表面に親水化剤をコーティングする方法、不織布を構成する繊維の原料となる樹脂に親水化剤を含有させる方法などが挙げられる。
<中間シート>
本実施形態に係るパンティーライナー1において、中間シート4は、図1及び図2に示すように、パンティーライナー1の厚さ方向Tにおいて表面シート2と裏面シート3との間に位置するように配置されていて、表面シート2と裏面シート3とが厚さ方向Tに離間した状態を形成するように機能する、疎水性不織布によって構成されている。中間シート4がこのような疎水性不織布によって構成されていると、表面シート2を透過した液状***物が、中間シート4に吸収・保持されにくく、当該液状***物は、表面シート2と中間シート4との間や表面シート2において保持されやすくなるため、液状***物と裏面シート3とが中間シート4を介して離間した状態を形成しやすくなる。
なお、中間シートを構成する疎水性不織布の疎水性の程度は、疎水性不織布の表面に水を滴下したときに、滴下した水を吸収しない程度の疎水性であれば足りるが、疎水性不織布の表面に水を滴下したときに、滴下した水が疎水性不織布の表面で弾かれて水滴を形成する程度の疎水性(いわゆる、撥水性)であることが好ましい。中間シートがこのような撥水性を有する不織布によって構成されていると、表面シートを透過した液状***物が、中間シートにおいて更に吸収・保持されにくくなっているため、当該液状***物は、表面シートと中間シートとの間や表面シートにおいて更に保持されやすくなり、液状***物と裏面シートとが中間シートを介して離間した状態を、より一層形成しやすくなる。
さらに、本発明において、中間シートは、4900Paの荷重による厚み減少率が表面シートの同荷重による厚み減少率よりも小さくなっている(すなわち、表面シートよりも潰れにくくなっている)。このような中間シートを備えることにより、本発明の吸収性物品は、着用者の体圧等によって吸収性物品の厚さ方向に圧力が掛かったとしても、中間シートよりも表面シートの方が優先的に潰れて前記圧力を緩衝し、中間シートの厚みが保持されるため、表面シートと裏面シートとが中間シートを介して吸収性物品の厚さ方向Tに一定程度離間した状態を確保することができる。その結果、表面シート等に保持された液状***物が裏面シートへ到達しにくくなるため、液状***物が裏面シートを介して吸収性物品の非肌面側へ滲出しにくくなる。
本発明において、中間シートを構成する疎水性不織布は、上記特定荷重下における厚み減少率が、上述の表面シートの同特定荷重下における厚み減少率よりも小さいものであれば特に限定されず、例えば、上述の表面シートと同様の種類の不織布を用いることができるが、液状***物が透過しにくく、上述の所定の厚み減少率を有する不織布が得られやすいという点から、エアスルー不織布を用いることが好ましい。
また、本発明において、中間シートは、疎水性不織布を単独で用いた単層構造の疎水性不織布から構成されていても、2枚以上の疎水性不織布を用いた積層構造の疎水性積層不織布から構成されていてもよい。中間シートが疎水性積層不織布によって構成されていると、当該疎水性積層不織布の積層数を調節することで、表面シートと裏面シートとの間の距離を任意に調節することができ、また、各層ごとに所定の作用(例えば、保水作用、圧力緩衝作用等)を割り振ることもできる。
さらに、疎水性不織布を構成する繊維は、疎水性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系繊維;複合繊維などの疎水性の熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。また、中間シートを構成する疎水性不織布は、剛性を向上させるために、熱融着性繊維を含んでいてもよいが、特に、上述の表面シートが熱融着性繊維を含んでいるような場合は、中間シートを構成する疎水性不織布は、表面シートの熱融着性繊維の含有量(質量割合)よりも多い含有量(質量割合)で熱融着性繊維を含んでいることが好ましい。中間シートを構成する疎水性不織布が、熱融着性繊維を、表面シートの熱融着性繊維の含有量よりも多い含有量で含んでいると、中間シートを構成する疎水性不織布内の、熱融着性繊維同士の融着によって形成される接合部(融着部)が、表面シートを構成する不織布内の接合部(融着部)の数よりも多くなるため、中間シートの剛性が表面シートの剛性よりも高くなる(すなわち、中間シートが、相対的に表面シートよりも更に潰れにくくなる)。
本発明において、中間シートの坪量は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、荷重下における潰れにくさ等を考慮した任意の坪量を採用することができる。そのような坪量としては、例えば、20g/m2〜200g/m2の範囲内の坪量が挙げられ、好ましくは30g/m2〜100g/m2の範囲内である。なお、中間シートが上述の疎水性積層不織布からなる場合は、当該疎水性積層不織布を構成する各層の坪量の合計坪量が、上述の範囲内にあればよい。
さらに、中間シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.01mm〜8.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、荷重下における潰れにくさなどの点から、好ましくは0.05mm〜5.0mmの範囲内であり、更に好ましくは0.1mm〜3.0mmの範囲内である。なお、中間シートが上述の疎水性積層不織布からなる場合は、当該疎水性積層不織布を構成する各層の厚みの合計厚みが、上述の範囲内にあればよい。
また、中間シートの上記特定荷重下における厚みは、当該特定荷重下における厚み減少率が上述の表面シートの同特定荷重下における厚み減少率よりも小さい限り、特に限定されず、例えば、中間シートが、坪量40g/mのスパンレース不織布を2枚重ねてなる疎水性積層不織布によって構成されている場合、上記特定荷重下における厚みは0.39mm程度となる。
<裏面シート>
本実施形態に係るパンティーライナー1において、裏面シート3は、図1及び図2に示すように、パンティーライナー1の厚さ方向Tにおける非肌面側の位置に配置されていて、通気性を備えつつも、着用者から排出された尿や経血等の液状***物の透過を防ぐように機能する、疎水性不織布によって構成されている。裏面シートがこのような疎水性不織布によって構成されていると、表面シートを透過した液状***物が、更に中間シートを透過したとしても、当該液状***物は、裏面シートに吸収・保持されにくく、また、裏面シートを透過しにくいため、上述の液状***物の滲出をより生じにくくすることができる。さらに、裏面シートが疎水性不織布によって構成されていると、当該裏面シートを介して通気を行いやすく、吸収性物品として優れた通気性を発揮することができる。
なお、裏面シートを構成する疎水性不織布の疎水性の程度は、上述の中間シートと同様であり、疎水性不織布の表面に水を滴下したときに、滴下した水を吸収しない程度の疎水性であれば足りるが、疎水性不織布の表面に水を滴下したときに、滴下した水が疎水性不織布の表面で弾かれて水滴を形成する程度の疎水性(いわゆる、撥水性)であることが好ましい。裏面シートがこのような撥水性を有する不織布によって構成されていると、表面シート及び中間シートを透過した液状***物が、裏面シートを更に透過しにくくなるため、上述の液状***物の滲出をより一層生じにくくすることができる。
本発明において、裏面シートを構成する疎水性不織布は、通気性を備えつつ、液状***物の透過を防ぐように機能し得るものであれば特に限定されず、例えば、スパンボンド不織布、ポイントボンド不織布、メルトブローン不織布、SMS不織布などの任意の不織布を用いることができるが、このような不織布の中でも、1dtex以下の繊度を有する繊維によって構成された極細繊維層を含む不織布を用いることが好ましい。裏面シートを構成する疎水性不織布が、このような極細繊維層を含むものであると、当該極細繊維層は、特に通気性を保持しつつ、液体(液状***物)の透過を抑制しやすいため、裏面シートにおいて、通気性を阻害せずに、液状***物の滲出を更に生じにくくすることができる。なお、極細繊維層を構成する繊維の繊度の下限値は、特に制限されないが、例えば0.1dtex程度である。
さらに、上述の不織布の中でも、SMS不織布を用いることが特に好ましい。SMS不織布は、スパンボンド/メルトブローン/スパンボンドの3層構造からなる積層不織布であり、当該SMS不織布は、通気性と、(特に、スパンボンド層による)一定の強度とを兼ね備えつつ、(特に、極細繊維層であるメルトブローン層によって)液状***物の滲出をより効果的に抑制することができる不織布であるため、このような不織布を、裏面シートを構成する疎水性不織布として用いると、裏面シートにおいて、通気性と一定の強度とを確保しつつ、液状***物の滲出をより効果的に且つ安定的に抑制することができる。
また、裏面シートを構成する疎水性不織布の構成繊維は、疎水性を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系繊維;複合繊維などの疎水性の熱可塑性樹脂繊維を用いることができる。
本発明において、裏面シートの坪量は、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、通気性や液不透過性等を考慮した任意の坪量を採用することができる。そのような坪量としては、例えば、8g/m2〜60g/m2の範囲内の坪量が挙げられ、好ましくは15g/m2〜50g/m2の範囲内である。
さらに、裏面シートの厚みについても、本発明の効果を阻害しない限り特に制限されず、例えば、0.01mm〜5.0mmの範囲内の厚みを採用することができるが、通気性や液不透過性などの点から、好ましくは0.05mm〜3.0mmの範囲内である。
<接着層>
上述の実施形態において、パンティーライナー1は、表面シート2、中間シート4及び裏面シート3が、各シート間(すなわち、表面シート2と中間シート4との間、及び中間シート4と裏面シート3との間)のそれぞれに配置された、ホットメルト型接着剤による第1接着層A及び第2接着層Aを介して、互いに接合されている。なお、本発明において、上述の各シート間を接合する手段は、特に制限されず、上述のホットメルト型接着剤のほかに、ヒートシール等の熱融着法などの任意の接合手段を採用することができるが、接合の際にシート(特に、中間シート)の厚みの減少を伴わない点から、上述の実施形態のようなホットメルト型接着剤を用いることが好ましい。なお、上述の実施形態においては、第1接着層A及び第2接着層Aにおける接着剤の配置パターンは、いずれも長手方向Lに延びる複数本のスパイラル状の配置パターンであるが、本発明においては、このような配置パターンに限定されず、長手方向及び/又は幅方向に延びる複数本の、オメガ状、波線状、ジグザグ状、ストライプ状、帯状等の任意の配置パターンを採用することができる。
このように、表面シートと中間シートとの間、及び中間シートと裏面シートとの間が、それぞれ第1接着層及び第2接着層を介して接合されていると、これら各シート間における位置ずれや変形が生じにくいため、本発明の液状***物の滲出を抑制するという効果を、より安定して発揮することができる。
さらに、本発明においては、表面シート及び中間シートの間の第1接着層と、中間シート及び裏面シートの間の第2接着層は、それぞれの配置パターンが吸収性物品の厚さ方向に重ならない(すなわち、平面視にて第1接着層の配置パターンと第2接着層の配置パターンが重ならない)ようにして配置されていることが好ましい。ホットメルト型接着剤は、室温(25℃)においても一定の粘着性を有しているため、上述の第1接着層と第2接着層が、吸収性物品の厚さ方向に重なるような配置パターンでそれぞれ配置されていると、着用者の体圧等によって吸収性物品の厚さ方向に過大な圧力が掛かって、中間シートが一時的に潰れるようなときに、各接着層(すなわち、第1接着層と第2接着層)が接触して接合してしまい、表面シートと裏面シートの間の距離が近接した状態のまま保持される(すなわち、液状***物が滲出しやすくなる)虞があった。しかしながら、上述の第1接着層と第2接着層が、吸収性物品の厚さ方向に重ならない配置パターンでそれぞれ配置されていると、着用者の体圧等によって吸収性物品の厚さ方向に過大な圧力が掛かって、中間シートが一時的に潰れるような場合でも、上述の各接着層(すなわち、第1接着層と前記第2接着層)が接触して接合してしまうようなことが起こりにくく、上述の過大な圧力が取り除かれたときに、中間シートの厚みが回復しやすくなる(すなわち、表面シートと裏面シートとが離間した状態を回復しやすくなる)ため、上述の液状***物の滲出を、より安定的且つ持続的に抑制することができる。
なお、本明細書において、上述の第1接着層と第2接着層が吸収性物品の厚さ方向に重ならない配置パターンとは、第1接着層の配置パターンと第2接着層の配置パターンとが、吸収性物品の厚さ方向に完全に重ならない態様のほか、各配置パターンが吸収性物品の厚さ方向に部分的に重なる態様も含む。すなわち、吸収性物品の厚さ方向に過大な圧力が掛かったときに、上述の第1接着層と第2接着層とが接合しない程度であれば、上述の第1接着層の配置パターンと第2接着層の配置パターンとが、吸収性物品の厚さ方向に部分的に重なっていても、上記と同様の効果を得ることができる。
また、第1接着層の配置パターンと第2接着層の配置パターンは、吸収性物品の平面視にて、少なくとも液状***物が供給され得る部分(例えば、吸収性物品の長手方向における中央部分等)においては、それぞれの配置パターンが吸収性物品の厚さ方向に重なっていないことが好ましいものの、吸収性物品の平面視にて、液状***物が供給されにくい部分(例えば、吸収性物品の長手方向における両端部分等)などにおいては、それぞれの配置パターンが吸収性物品の厚さ方向に重なっていてもよい。
<吸収体>
本発明の吸収性物品は、表面シートと中間シートとの間の位置に、液状***物を吸収・保持することのできる吸収体が配置されていてもよい。図4は、本発明の別の実施形態に係るパンティーライナー1’の図2に対応する部分断面図である。この図4に示す実施形態のように、表面シート2と中間シート4との間に吸収体8が配置されていると、液状***物が表面シート2を透過したとしても、吸収体8において液状***物をより確実に吸収・保持することができるため、液状***物が中間シート4や裏面シート3に、より一層到達しにくくなり、上述の液状***物の滲出を更に確実に抑制することができる。
本発明の吸収性物品において、吸収体は、液状***物を吸収・保持することのできるものであれば特に限定されず、当分野において公知の任意の吸収体を用いることができる。そのような吸収体の例としては、吸収性材料によって構成される吸収コアを、親水性を有するティッシュ等のコアラップシートで覆ったものなどが挙げられる。吸収コアを構成する吸収性材料としては、例えば、親水性繊維や高吸収性ポリマーなどが挙げられ、更に具体的には、粉砕パルプ、コットン等のセルロース繊維;レーヨン、フィブリルレーヨン等の再生セルロース繊維;アセテート、トリアセテート等の半合成セルロース繊維;アクリル酸ナトリウムコポリマー等の高吸収性ポリマーからなる粒状物、及びこれら2種以上の任意の組み合わせなどが挙げられる。
上述したように、本発明の吸収性物品は、それぞれ特定の表面シート、中間シート及び裏面シートによって構成されているため、着用者から排出された尿などの液状***物が裏面シートを介して非肌面側へ滲出するのを抑制することができるとともに、前記裏面シートを介して通気を行いやすく、優れた通気性を発揮することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態のパンティーライナーのほかに、例えば、生理用ナプキン、(軽)失禁パッド等の様々な吸収性物品に適用することができる。また、本発明の吸収性物品は、上述した実施形態に制限されることなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜組み合わせや変更等が可能である。なお、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数は、当該序数が付された事項を区別するためのものであり、各事項の順序や優先度、重要度等を意味するものではない。
1、1’ パンティーライナー(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 中間シート
5 剥離シート
6 粘着剤層
7 着衣
8 吸収体
第1接着層
第2接着層

Claims (9)

  1. 不織布からなる表面シートと、疎水性不織布からなる裏面シートと、これらのシートの間に位置する中間シートと、を備えた吸収性物品であって、
    前記中間シートは、疎水性不織布からなり、且つ、4900Paの荷重による厚み減少率が前記表面シートの厚みの減少率よりも小さい、
    前記吸収性物品。
  2. 前記中間シートは、熱融着性繊維を含み且つ該熱融着性繊維同士が接合した複数の接合部を有し、前記表面シートは、熱融着性繊維を含まない又は前記中間シートよりも熱融着性繊維の含有量が少ない、請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記表面シートを構成する不織布が、親水性繊維を50質量%以上の質量割合で含む、請求項1又は2に記載の吸収性物品。
  4. 前記表面シートと前記中間シートとの間には、第1接着層が配置されており、前記中間シートと前記裏面シートとの間には、第2接着層が配置されており、
    前記第1接着層及び前記第2接着層は、それぞれの配置パターンが前記吸収性物品の厚さ方向に重ならないようにして配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  5. 前記表面シートと前記中間シートとの間に、吸収体が配置されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記表面シートが、肌面側に突出する凸部と非肌面側に窪む凹部とを含む凹凸構造を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記凸部は、前記表面シートの非肌面側の表面が面する空洞部を有する、請求項6に記載の吸収性物品。
  8. 前記裏面シートを構成する前記疎水性不織布が、1dtex以下の繊度を有する繊維によって構成された極細繊維層を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. 前記裏面シートを構成する前記疎水性不織布が、SMS不織布である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
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