JP2004072901A - Dcブラシレスモータのロータ角度検出装置 - Google Patents

Dcブラシレスモータのロータ角度検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位置検出センサを用いることなくDCブラシレスモータのロータ角度を精度良く検出するロータ角度検出装置を提供する。
【解決手段】角度検出部25は、余弦参照値と正弦参照値とを用いてモータのロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)との位相差(θ−θ^)を表す第1の位相差データを算出し、該第1の位相差データに所定のオフセットを加えた第2の位相差データが表す位相差(θ−θ^)を解消するように構成したオブザーバにより、ロータ角度を検出する。角度検出部25は、モータのトルク指令値(trq_c)の変更により推定位相差/実位相差の相関グラフが正又は負方向にシフト(Y→Yp,Y→Ym)したときは、それに応じてオフセット値を変更する(ofb→ofp,ofb→ofm)。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、突極型のDCブラシレスモータのロータ角度を検出するロータ角度検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
DCブラシレスモータに所望のトルクを発生させるためには、磁極を有するロータの電気角(以下、ロータ角度という)に対応した適切な位相で電機子に電圧を印加する必要がある。そして、ロータ角度を検出する位置検出センサを省いてDCブラシレスモータと駆動装置のコストダウンを図るべく、位置検出センサを用いずにロータ角度を検出する種々の方法が提案されている。
【0003】
本願発明者らも、先の出願(特願2001−288303)において、位置検出センサを用いずにロータ角度を検出するロータ角度検出装置を提案している。かかるロータ角度検出装置においては、突極型のDCブラシレスモータの3相の電機子に印加する駆動電圧に高周波電圧を重畳したときに、該3相の電子機のうちの第1相に流れる電流の検出値及び第2相に流れる電流の検出値と、該高周波電圧に応じた高周波成分とを用いて、該モータのロータ角度の2倍角の正弦値に応じた正弦参照値と該2倍角の余弦値に応じた余弦参照値とを算出する。
【0004】
そして、前記正弦参照値と前記余弦参照値とを用いてDCブラシレスモータのロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)との位相差(θ−θ^)を表す第1の位相差データを算出し、該第1の位相差データが表す該位相差(θ−θ^)に一定のオフセット値を加えた第2の位相差データが表す該位相差(θ−θ^)を解消するように構成したオブザーバを用いて前記ロータ角度を算出することによって、前記ロータ角度の検出誤差を減少させて前記ロータ角度の検出精度を高めている。
【0005】
しかし、本願発明者らは、その後の検討により、上述したオブザーバを用いて前記モータのロータ角度を検出したときに、該ロータ角度の検出誤差が増大する場合があることを知見した。そして、このように前記モータのロータ角度の検出誤差が増大すると、検出されたロータ角度に基づいて前記モータの電機子に印加する駆動電圧の位相を決定したときに、実際のロータ角度の変化に対する該駆動電圧の制御系の応答性が悪化し、前記モータの脱調等が生じる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記背景を鑑みてなされたものであり、位置検出センサを用いることなくDCブラシレスモータのロータ角度を精度良く検出するロータ角度検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであり、突極型のDCブラシレスモータの3相の電機子に駆動電圧又は回生電圧を印加する電圧印加手段と、該駆動電圧又は該回生電圧に高周波電圧を重畳する高周波重畳手段と、該3相の電機子のうちの第1相の電機子に流れる電流を検出する第1電流検出手段と、該3相の電機子のうちの第2相の電機子に流れる電流を検出する第2電流検出手段と、前記高周波重畳手段により前記駆動電圧又は前記回生電圧に前記高周波電圧が重畳されたときに前記第1電流検出手段により検出される第1電流値及び前記第2電流検出手段により検出される第2電流値と、前記高周波電圧に応じた高周波成分とを用いて、前記モータのロータ角度の2倍角の正弦値に応じた正弦参照値と該2倍角の余弦値に応じた余弦参照値とを抽出する参照値抽出手段と、前記正弦参照値と前記余弦参照値とを用いて前記モータのロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)との位相差(θ−θ^)を表す第1の位相差データを算出し、該第1の位相差データに所定のオフセット値を加えた第2の位相差データが表す前記位相差(θ−θ^)を解消するように構成したオブザーバにより、前記ロータ角度を算出するロータ角度算出手段とを備えたDCブラシレスモータのロータ角度検出装置の改良に関する。
【0008】
上記目的を達成するために各種検討を重ねた結果、本願発明者らは、実際の前記ロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)との位相差(実位相差)に対する、前記正弦参照値と前記余弦参照値とを用いて算出される前記第1の位相差データにより表される前記位相差(推定位相差)の乖離度合が、前記モータが発生するトルク(駆動トルク及び回生トルク)の大きさに応じて変化することを知見した。
【0009】
そこで、本発明は、所定のトルク指令値に応じた駆動トルク又は回生トルクが前記モータに生じるように、前記電圧印加手段により前記モータの電機子に印加される駆動電圧又は回生電圧を制御するトルク制御手段を備え、前記ロータ角度算出手段は、前記トルク指令値に応じて、前記オフセット値を決定することを特徴とする。
【0010】
かかる本発明によれば、前記トルク指令値に応じて前記オフセット値を決定することにより、前記モータが発生する駆動トルク又は回生トルクの大きさに応じて変化する実際の前記ロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)との位相差(実位相差)に対する、前記正弦参照値と前記余弦参照値とを用いて算出される前記第1の位相差データにより表される前記位相差(推定位相差)の乖離度合を減少させることができる。そのため、前記モータが発生するトルクの大きさの変化による影響を抑制して、前記ロータ角度算出手段による前記モータのロータ角度の検出精度を高めることができる。
【0011】
また、前記ロータ角度算出手段は、前記トルク指令値が変更されたときに、変更前のトルク指令値に応じたオフセット値から変更後のトルク指令値に応じたオフセット値に向けて、前記オフセット値を連続的に変化させることを特徴とする。
【0012】
かかる本発明によれば、前記トルク指令値が変更されたときに、前記ロータ角度算出手段は前記オフセット値を連続的に変化させて、前記オフセット値を徐々に漸変させる。この場合、前記トルク指令値が変更されて、変更前のトルク指令値に応じたトルクから変更後のトルク指令値に応じたトルクへと、前記モータの発生するトルクが過渡的に変化する過程において、前記モータが発生するトルクの変化に従って前記オフセット値が設定される。そのため、前記トルク指令値が変更されたときの前記ロータ角度算出手段による前記モータのロータ角度の検出精度を高めることができる。
【0013】
また、詳細は後述するが、前記モータの発生するトルクの絶対値が大きくなるほど、前記実位相差に対する前記推定位相差の乖離度合が大きくなる。そこで、前記ロータ角度算出手段により、前記トルク指令値の絶対値が大きいほど前記オフセット値の絶対値が大きくなるように、前記オフセット値を決定することによって、前記モータのロータ角度をより精度良く検知することができる。
【0014】
また、前記参照値抽出手段は、次式(5)と(6)により前記正弦参照値と前記余弦参照値を抽出し、前記ロータ角度算出手段は、前記第1の位相差データとして次式(7)により算出したΔθを用い、前記第2の位相差データとして次式(8)により算出したΔθを用いたことを特徴とする。
【0015】
【数5】
Figure 2004072901
【0016】
【数6】
Figure 2004072901
【0017】
【数7】
Figure 2004072901
【0018】
【数8】
Figure 2004072901
但し、上記式(5)〜(8)において、Vs:前記正弦参照値、Vc:前記余弦参照値、Iu:前記第1電流値、Iw:前記第2電流値、ω:前記高周波電圧の角速度、Δθ:前記第1の位相差データ、Δθ:前記第2の位相差データ、offset:前記オフセット値。
【0019】
かかる本発明によれば、前記参照値算出手段によって上記式(5),(6)により算出された前記正弦参照値(Vs)と前記余弦参照値(Vc)とを用いて、上記式(7),(8)により前記オブザーバの構成に必要となる前記第1の位相差データ(Δθ)と前記第2の位相差データ(Δθ)を算出することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について図1〜図5を参照して説明する。図1はDCブラシレスモータの構成図、図2は図1に示したDCブラシレスモータの作動を制御するモータコントローラの制御ブロック図、図3はoffset値を加えた位相差データを用いたときの効果を示したグラフ、図4はDCブラシレスモータのトルク指令値に応じてoffset値を決定した場合の効果を示したグラフ、図5はトルク指令値が変更された場合のoffset値の設定方法の説明図である。
【0021】
図2に示したモータコントローラ10は、図1に示した突極型のDCブラシレスモータ1(以下、モータ1という)の電機子3,4,5に流れる電流をフィードバック制御して、モータ1が発生するトルク(駆動トルク及び回生トルク)を制御するものであり、モータ1をロータ2の界磁極の磁束方向であるq軸上にあるq軸電機子と該q軸と直交するd軸上にあるd軸電機子とを有するdq座標系による等価回路に変換して扱う。
【0022】
そして、モータコントローラ10は、外部から与えられるモータ1に対するトルク指令値(trq_c)に応じて決定されるd軸電機子に流れる電流(以下、d軸電流という)の指令値であるId_cとq軸電機子に流れる電流(以下、q軸電流という)の指令値であるIq_cとが、実際にモータ1の3相の電機子に流れる電流の検出値から3相/dq変換により算出したd軸電流の検出値であるId_sとq軸電流の検出値であるIq_sとに、それぞれ一致するように、モータ1の3相の電機子に印加する電圧を制御する。
【0023】
これにより、モータ1からトルク指令(trq_c)に応じたトルクが発生するように、d軸電流とq軸電流が制御される。なお、このようにトルク指令値(trq_c)に応じてモータ1の3相の電機子に印加する電圧を制御するモータコントローラ10の機能が、本発明のトルク制御手段に相当する。
【0024】
モータコントローラ10は、トルク指令値(trq_c)に応じて、d軸電流の指令値Id_cとq軸電流の指令値Iq_cとを決定する電流指令値決定部15、d軸電機子に印加する電圧(以下、d軸電圧という)の指令値であるVd_cとq軸電機子に印加する電圧(以下、q軸電圧という)の指令値であるVq_cとを、U,V,Wの3相の電機子に印加する電圧の指示値であるVU_c,VV_c,VW_cに変換するdq/3相変換部20、dq/3相変換部20から出力されるVU_c,VV_c,VW_cに、それぞれ高周波電圧vu,vv,vwを重畳する高周波重畳部21(本発明の高周波重畳手段に相当する)、及び該高周波電圧が重畳されたVU_c,VV_c,VW_cに応じた電圧VU,VV,VWをモータ1のU,V,Wの各相の電機子にそれぞれ印加するパワードライブユニット22(本発明の電圧印加手段に相当する)を備える。
【0025】
さらに、モータコントローラ10は、モータ1のU相(本発明の第1相に相当する)の電機子に流れる電流を検出するU相電流センサ23(本発明の第1電流検出手段に相当する)、モータ1のW相(本発明の第2相に相当する)の電機子に流れる電流を検出するW相電流センサ24(本発明の第2電流検出手段に相当する)、U相電流センサ23の検出電流値Iu_sとW相電流センサ24の検出電流値Iw_sとを用いてモータ1のロータ角度θ(図1参照)を検出する角度検出部25、Iu_sとIw_sとを用いてId_sとIq_sとを算出する3相/dq変換部26、及びd軸とq軸間で干渉し合う速度起電力の影響を打消す処理を行なう非干渉演算部27を備える。
【0026】
モータコントローラ10は、d軸電流の指令値Id_cと検出値Id_sとを第1減算器28で減算し、その減算結果に第1のPI演算部29でPI(比例積分)処理を施し、第1加算器30で非干渉成分を加算して、Id_cとId_sとの偏差に応じたd軸電圧の指令値Vd_cを生成する。
【0027】
また、モータコントローラ10は、同様にして、q軸電流の指令値Iq_cと検出値Iq_sとを第2減算器31で減算し、その減算結果に第2のPI演算部32でPI処理を施し、第2加算器33で非干渉成分を加算して、Iq_cとIq_sとの偏差に応じたq軸電圧の指令値Vq_cを生成する。
【0028】
そして、モータコントローラ10は、d軸電圧の指令値Vd_cとq軸電圧の指令値Vq_cとをdq/3相変換部20に入力する。これにより、パワードライブユニット22を介して、d軸電流の指令値Id_cと検出値Id_sとの偏差、及びq軸電流の指令値Iq_cと検出値Iq_sとの偏差を解消するように、モータ1の電機子に3相電圧VU,VV,VWが印加され、トルク指令値(trq_c)に応じたトルクが発生するように、モータ1の電機子に流れる電流が制御される。
【0029】
なお、トルク指令値(trq_c)が正であるときはモータ1は駆動トルクを発生し、トルク指令値(trq_c)が負であるときにはモータ1は回生トルクを発生する。そして、モータ1が発生する駆動トルク及び回生トルクはd軸電流の大きさに依存し、また、モータ1の内部損失はd軸電流とq軸電流の大きさに依存する。
【0030】
そのため、電流指令値決定部15は、トルク指令値(trq_c)に応じてd軸電流の指令値(Id_c)を決定すると共に、トルク指令値(trq_c)が負(回生トルク)のときは、モータ1の発電電力がモータ1の内部損失で相殺されるようにq軸電流の指令値(Iq_c)を決定する。
【0031】
次に、3相/dq変換部26は、U相電流センサ23の検出電流値Iu_sと、W相電流センサ24の検出電流値Iw_sと、ロータ角度θとからd軸電流の検出値Id_sとq軸電流の検出値Iq_sとを、以下の式(9)と式(10)から算出するため、モータコントローラ10はロータ角度θを検出する必要がある。
【0032】
【数9】
Figure 2004072901
【0033】
【数10】
Figure 2004072901
そして、モータコントローラ10は、レゾルバ等の位置検出センサを用いずに、dq/3相変換部20から出力されるU,V,W相に印加する電圧の指令値VU_c,VV_c,VW_cに対して、高周波重畳部21から出力される高周波電圧vu,vv,vw(以下の式(11)で表される)をそれぞれ重畳することによってロータ角度θを検出する。
【0034】
【数11】
Figure 2004072901
すなわち、第3加算器34でVU_cにvuを加算し、第4加算器35でVV_cにvvを加算し、第5加算器36でVW_cにvwを加算する。そして、角度検出部25は、高周波電圧vu,vv,vwを重畳したときに、U相電流センサ23により検出される電流値Iu_sとW相電流センサ24により検出される電流値Iw_sとを用いて、ロータ角度θを検出する。
【0035】
なお、角度検出部25は、本発明の参照値抽出手段とロータ角度算出手段の機能を含み、角度検出部25、パワードライブユニット22、高周波重畳部21、U相電流センサ23、W相電流センサ24、及び上述したトルク指令値(trq_c)に応じてモータ1の3相の電機子に印加する電圧を制御するモータコントローラ10の機能とにより、本発明のDCブラシレスモータのロータ角度検出装置が構成される。以下、高周波重畳部21と角度検出部25とによるロータ角度θの検出処理について説明する。
【0036】
角度検出部25は、上述した式(5)と式(6)のIuとIwに、U相電流センサ23により検出された電流値Iu_sとW相電流センサ24により検出された電流値Iw_sをそれぞれ代入し、式(5)と式(6)のωに高周波重畳部21により重畳された高周波電圧vu,vv,vwの角速度ωを代入して、以下の式(12)と式(13)により、ロータ角度θの2倍角の正弦参照値Vsと余弦参照値Vcとを算出する。
【0037】
【数12】
Figure 2004072901
【0038】
【数13】
Figure 2004072901
なお、式(12)と式(13)におけるωtについてのsin,cos成分が本発明の重畳した高周波電圧に応じた高周波成分に該当する。また、式(12)と式(13)における演算ゲインKは、以下の式(14)で示した形となる。
【0039】
【数14】
Figure 2004072901
但し、l:モータ1の各相の自己インダクタンスの直流分、Δl:lの変動分、m:各相間の相互インダクタンスの直流分。
【0040】
なお、上記式(12)と式(13)では、積分期間を0〜2π/ωとして、IuとIwの直流成分(Iudc,Iwdc)に関する積分値が0になるようにしたが、IuとIwが直流成分を含まず、以下の式(15),(16)の形で表される場合には、以下の式(17),(18)に示したように、積分期間を0〜π/ωとしても正弦参照値Vsと余弦参照値Vcを算出することができる。
【0041】
【数15】
Figure 2004072901
【0042】
【数16】
Figure 2004072901
【0043】
【数17】
Figure 2004072901
【0044】
【数18】
Figure 2004072901
そして、以下の式(19)の関係式から、ロータ角度の推定値θ^と実際値θとの位相差(θ−θ^)に応じた位相差データとして以下の式(20)に示すΔθ1(本発明の第1の位相差データに相当する)を算出し、該位相差(θ−θ^)を解消するように構成した以下の式(21)で表されるオブザーバによりロータ角度を算出することによって、高周波成分の大きさ(√(Vs+Vc))の変動に伴うゲインの変動を抑制してロータ角度算出の安定性を高めることができる。
【0045】
【数19】
Figure 2004072901
【0046】
【数20】
Figure 2004072901
【0047】
【数21】
Figure 2004072901
但し、K1,K2:演算ゲイン。
【0048】
また、角度検出部25の演算能力が低く、上記式(20)の平方根演算に要する時間が問題となる場合は、以下の式(22)に示す近似を行ってもよい。
【0049】
【数22】
Figure 2004072901
ここで、このように上記式(20)又は式(22)により算出した位相差データΔθ1を用いて構成したオブザーバによりロータ角度を検出したときに、ロータ角度の検出精度が悪化する場合がある。そして、ロータ角度の検出精度が悪化すると、検出されたロータ角度に基づいてモータ1に印加する駆動電圧(VU,VV,VW)を制御した場合に、モータ1の出力トルクのボトム値が低下し、出力トルクの脈動が大きくなる場合がある。
【0050】
そして、このように出力トルクの脈動が生じる原因は、ロータ角度の推定値θ^と実際値θとの実際の位相差(以下、実位相差という)と、上記式(20)又は上記式(22)により算出される位相差の推定値(以下、位相差推定値という)とが乖離することにあると考えられる。
【0051】
図3(a)は、実位相差と推定位相差とが乖離する様子を示したグラフであり、縦軸を推定位相差、横軸を実位相差に設定している。実位相差と推定位相差との相関グラフが、図中Xで示した理想曲線である場合は、推定位相差を零とすることにより実位相差も零となるため、ロータ角度の検出誤差は生じない。
【0052】
しかし、実際には、実位相差と推定位相差との相関グラフは、図中Yで示した態様となり、この場合には、推定位相差を零に収束させてもE1分の誤差が生じる。そして、この誤差によりロータ角度の検出値が実際のロータ角度からずれ、これにより上述したモータ1の出力トルクの脈動が生じると考えられる。
【0053】
そこで、以下の式(23)に示すように、上記式(20)により算出した位相差データΔθ1にoffset値を加えた位相差データΔθ2(本発明の第2の位相差データに相当する)を用いて構成したオブザーバによりロータ角度を算出し、強制的にロータ角度の検出値をずらすことによって、ロータ角度の検出誤差を減少させることができる。
【0054】
【数23】
Figure 2004072901
図3(a)においては、offset値としてofbを加えており、この場合は、推定位相差を零に収束させたときの誤差がE1からE2に減少している。
【0055】
しかし、図3(a)に示した推定位相差/実位相差の相関グラフYは、図3(b)に示したように、モータ1の発生するトルクの大きさに応じて変化する。すなわち、モータ1の駆動時においては、モータ1が発生する駆動トルクが小さくなると推定位相差/実位相差の相関グラフは図中上方(推定位相差軸の正方向)にシフトし(Y→Yp)、また、モータ1に発生する駆動トルクが大きくなると推定位相差/実位相差の相関グラフは図中下方(推定位相差軸の負方向)にシフトする(Y→Ym)。
【0056】
そして、推定位相差/実位相差の相関グラフが正方向にシフトすると、推定位相差/実位相差の相関グラフYpと推定位相差=ofbのラインが交差しなくなって、ロータ角度の検出が不安定となり、モータ1の脱調が生じ易くなるという不都合がある。
【0057】
一方、推定位相差/実位相差の相関グラフが負方向にシフトすると、推定位相差を零に収束させたときの誤差がE2からE2+E3に増大し、上述したモータ1の出力トルクの脈動が生じ易くなるという不都合がある。
【0058】
そこで、角度検出部25は、図4に示したように、トルク指令値(trq_c,≒モータ1の実際の出力トルク)が大きくなって推定位相差/実位相差の相関グラフが負方向にシフトしたとき(Y→Ym)は、それに応じてoffset値を大きく設定する(ofb→ofm)。
【0059】
また、モータ1のトルク指令値(trq_c)が小さくなって推定位相差/実位相差の相関グラフが正方向にシフトしたとき(Y→Yp)には、角度検出部25は、それに応じてoffset値を小さく設定する(ofb→ofp)。
【0060】
このように、トルク指令値(trq_c,≒モータ1の実際の出力トルク)の大きさに応じてoffset値を設定することによって、モータ1の出力トルクが変化した場合であっても、角度検出部25は、ロータ角度の検出誤差が増大することを抑制してロータ角度を精度良く検出することができる。そして、これにより、モータ1の出力トルクの脈動や脱調が生じることを抑制することができる。
【0061】
また、モータ1の回生時は、トルク指令値(trq_c)が負となり、モータ1に発生する回生トルクの応じた推定位相差/実位相差の相関グラフのシフト方向は、モータ1の駆動時と逆になる。すなわち、モータ1に生じる回生トルクが大きくなるほど、推定位相差/実位相差の相関グラフは、推定位相差軸の正方向にシフトする。
【0062】
そこで、角度検出部25は、図5(a)に示したデータマップに従って、トルク指令(trq_c)が正(駆動トルク)であるときは、トルク指令値(trq_c)の絶対値が大きくなるほどoffset値(offset)が負方向に大きくなるように設定し、トルク指令値(trq_c)が負(回生トルク)であるときには、トルク指令値(trq_c)の絶対値が大きくなるほどoffset値(offset)が正方向に大きくなるように設定する。
【0063】
また、トルク指令値(trq_c)が変更されたときに、offset値(offset)を変更前のトルク指令値に応じたoffset値から変更後のトルク指令値に応じたoffset値に直ちに変更すると、モータ1の実際の出力トルクが、変更前のトルク指令値に応じた出力トルクから変更後のトルク指令値に応じた出力トルクに移行する過程においては、モータコントローラ10による制御の応答遅れにより、トルク指令値(trq_c)に応じたトルクとモータ1の実際の出力トルクの間にずれが生じる。
【0064】
そのため、offset値を、直ちに変更すると、モータ1の実際の出力トルクに応じたoffset値が設定されないこととなって、ロータ角度の検出誤差が大きくなる。
【0065】
そこで、角度検出部25は、図5(b)に示したように、トルク指令値(trq_c)が変更されたときにoffset値(offset)を連続的に変化させる。図5(b)は、縦軸をoffset値(offset)、横軸を時間(t)とした時系列グラフであり、時刻t1でトルク指令値(trq_c)がtq1からtq2に変更された例を示している。
【0066】
時刻t1でトルク指令値(trq_c)が変更されたとき、角度検出部25は、offset値(offset)をtq1に応じたoffset値であるof1から、tq2に応じたoffset値であるof2に向かって、モータコントローラ10の制御応答性に基づいて決定した間隔T1(t1〜t2)をもって連続的に変化させる。
【0067】
これにより、実際のモータ1の出力トルクの変化に応じてoffset値(offset)が徐々に漸変するため、ロータ角度の検出精度を高めることができる。そして、このようにして検出されたロータ角度に基づいて、dq/3相変換部20及び3相/dq変換部26による処理を行うことにより、モータ1の出力トルクの脈動や脱調が生じることを抑制することができる。
【0068】
なお、offset値(offset)を連続的に変化させる方法としては、例えば、トルク指令値(trq_c)に平滑フィルタを施して、平滑後のトルク指令値に応じて図5(a)のマップデータによりoffset値(offset)を決定する方法や、トルク指令値(trq_c)に応じて図5(a)のマップデータにより決定されたoffset値(offset)に平滑フィルタを施したものを、上記式(23)におけるoffset値(offset)とする方法を用いることができる。
【0069】
また、本実施の形態では、角度検出部25は、前記式(12),(13)において、時間に応じて変化する高周波成分に対して積分演算を行うことにより、ロータ角度θの2倍角の正弦参照値Vsと余弦参照値Vcを算出したが、ローパスフィルタを施して正弦参照値と余弦参照値を出力するように処理してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】DCブラシレスモータの構造図。
【図2】図1に示したDCブラシレスモータの作動を制御するモータコントローラの制御ブロック図。
【図3】offset値を加えた位相差データを用いたときの効果を示したグラフ。
【図4】DCブラシレスモータのトルク指令値に応じてoffset値を決定した場合の効果を示したグラフ。
【図5】トルク指令値が変更された場合のoffset値の設定方法の説明図である。
【符号の説明】
1…DCブラシレスモータ、2…ロータ、3…U相の電機子、4…V相の電機子、5…W相の電機子、10…モータコントローラ、15…電流指令値決定部、20…dq/3相変換部、21…高周波重畳部、22…パワードライブユニット、23…U相電流センサ、24…W相電流センサ、25…角度検出部、26…3相/dq変換部、27…非干渉演算部

Claims (4)

  1. 突極型のDCブラシレスモータの3相の電機子に駆動電圧又は回生電圧を印加する電圧印加手段と、該駆動電圧又は該回生電圧に高周波電圧を重畳する高周波重畳手段と、該3相の電機子のうちの第1相の電機子に流れる電流を検出する第1電流検出手段と、該3相の電機子のうちの第2相の電機子に流れる電流を検出する第2電流検出手段と、
    前記高周波重畳手段により前記駆動電圧又は前記回生電圧に前記高周波電圧が重畳されたときに前記第1電流検出手段により検出される第1電流値及び前記第2電流検出手段により検出される第2電流値と、前記高周波電圧に応じた高周波成分とを用いて、前記モータのロータ角度の2倍角の正弦値に応じた正弦参照値と該2倍角の余弦値に応じた余弦参照値とを抽出する参照値抽出手段と、
    前記正弦参照値と前記余弦参照値とを用いて前記モータのロータ角度の推定値(θ^)と実際値(θ)との位相差(θ−θ^)を表す第1の位相差データを算出し、該第1の位相差データに所定のオフセット値を加えた第2の位相差データが表す前記位相差(θ−θ^)を解消するように構成したオブザーバにより、前記ロータ角度を算出するロータ角度算出手段とを備えたDCブラシレスモータのロータ角度検出装置において、
    所定のトルク指令値に応じた駆動トルク又は回生トルクが前記モータに生じるように、前記電圧印加手段により前記モータの電機子に印加される駆動電圧又は回生電圧を制御するトルク制御手段を備え、
    前記ロータ角度算出手段は、前記トルク指令値に応じて、前記オフセット値を決定することを特徴とするDCブラシレスモータのロータ角度検出装置。
  2. 前記ロータ角度算出手段は、前記トルク指令値が変更されたときに、変更前のトルク指令値に応じたオフセット値から変更後のトルク指令値に応じたオフセット値に向けて、前記オフセット値を連続的に変化させることを特徴とする請求項1記載のDCブラシレスモータのロータ角度検出装置。
  3. 前記ロータ角度算出手段は、前記トルク指令値の絶対値が大きいほど前記オフセット値の絶対値が大きくなるように、前記オフセット値を決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のDCブラシレスモータのロータ角度検出装置。
  4. 前記参照値抽出手段は、次式(1)と(2)により前記正弦参照値と前記余弦参照値を抽出し、
    前記ロータ角度算出手段は、前記第1の位相差データとして次式(3)により算出したΔθを用い、前記第2の位相差データとして次式(4)により算出したΔθを用いたことを特徴とする請求項1記載のDCブラシレスモータのロータ角度検出装置。
    Figure 2004072901
    Figure 2004072901
    Figure 2004072901
    Figure 2004072901
    但し、上記式(1)〜(4)において、Vs:前記正弦参照値、Vc:前記余弦参照値、Iu:前記第1電流値、Iw:前記第2電流値、ω:前記高周波電圧の角速度、Δθ:前記第1の位相差データ、Δθ:前記第2の位相差データ、offset:前記オフセット値。
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