JP2004070874A - 硬貨判別方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬貨の表面パターンを光学的に検出して、硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを、確実に判別することができる硬貨判別方法を提供する。
【解決手段】硬貨の表面の反射光を光電的に検出して、硬貨の表面の検出パターンデータを生成し、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、基準明部パターンデータおよび基準暗部パターンデータに基づき、検出パターンデータから、明部パターンデータ、暗部パターンデータを抽出し、各パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルのデータ信号強度平均値を各々算出するとともに、明、暗両平均値の差を算出して、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、しきい値以上のときは、硬貨の表面が汚損されていないと判別する硬貨判別方法。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬貨判別方法および装置に関するものであり、さらに詳細には、装置を大型化させることなく、硬貨の表面パターンを光学的に検出して、硬貨が受け入れ可能か否か、硬貨の金種および硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを、確実に判別することができる硬貨判別方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
硬貨が受け入れ可能か否か、すなわち、硬貨の真偽および流通硬貨か否かならびに硬貨の金種を判別するとともに、硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを判別する硬貨判別装置が知られている。
【0003】
特開2000−306135号公報は、硬貨の表面パターンを光学的に検出して、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するとともに、カラーセンサを用いて、硬貨の表面のカラー画像データを生成して、硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを判別する硬貨判別装置を提案している。
【0004】
すなわち、特開2000−306135号公報に開示された硬貨判別装置においては、硬貨の一方の面に、第一の光源から光を照射し、第一の受光手段によって、反射光を検出して、硬貨の一方の面のパターンデータを生成するとともに、硬貨の他方の面に、第二の光源から光を照射し、第二の受光手段によって、反射光を検出して、硬貨の他方の面のパターンデータを生成し、生成された硬貨の両面のパターンデータを、金種毎の硬貨の基準パターンデータと比較して、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別し、さらに、硬貨の一方の面に、第一の白色光源から白色光を照射し、第一のカラーセンサによって、反射光を検出して、硬貨の一方の面のカラー画像データを生成するとともに、硬貨の他方の面に、第二の白色光源から白色光を照射し、第二のカラーセンサにより、反射光を検出して、硬貨の他方の面のカラー画像データを生成し、生成された硬貨の両面のカラー画像データを、硬貨の両面のパターンデータに基づいて、判別された金種の硬貨の基準カラー画像データと比較して、硬貨が硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを判別するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように、硬貨の両面のパターンデータを、金種毎の硬貨の基準パターンデータと比較して、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別し、さらに、硬貨の両面のカラー画像データを、硬貨の両面のパターンデータに基づいて、判別された金種の硬貨の基準カラー画像データと比較して、硬貨が硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを判別する場合には、第一の光源、第二の光源、第一の白色光源および第二の白色光源ならび第一の受光手段、第二の受光手段、第一のカラーセンサおよび第二のカラーセンサを、硬貨の搬送通路に沿って、配置しなければならず、硬貨判別装置が大型化するという問題があった。
【0006】
したがって、本発明は、装置を大型化させることなく、硬貨の表面パターンを光学的に検出して、硬貨が受け入れ可能か否か、硬貨の金種および硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを、確実に判別することができる硬貨判別方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明のかかる目的は、硬貨の表面に光を照射し、前記硬貨の表面によって反射された光を光電的に検出して、前記硬貨の表面の検出パターンデータを生成し、対応する金種の硬貨の基準パターンデータを、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、生成されたデータ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータに基づき、前記検出パターンデータから、前記基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、前記検出パターンデータから、前記基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、前記明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、前記暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差を算出して、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差が、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別することを特徴とする硬貨判別方法によって達成される。
【0008】
本発明者の研究によれば、硬貨のエッジ部分により反射された光はその強度が大きいが、長期間にわたって、流通し、汚損された硬貨の場合には、エッジ部分が磨耗するため、汚損されていない硬貨に比して、明部データ信号強度平均値が低くなり、その一方で、硬貨の平坦な部分から反射された光の強度は、一般に低いが、長期間にわたり、流通し、汚損された硬貨の場合には、硬貨の平坦な部分に形成された傷や硬貨の平坦な部分に付着した汚れによって、光が乱反射されるため、汚損されていない硬貨に比して、暗部データ信号強度平均値が高くなることが確認されており、したがって、汚損レベルの高い硬貨ほど、明部データ信号強度平均値が低くなり、その一方で、汚損レベルの高い硬貨ほど、暗部データ信号強度平均値が高くなるから、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値に基づいて、きわめて高精度で、硬貨が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になるが、本発明によれば、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差を算出して、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差が、しきい値以上のときは、硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、しきい値未満のときに、硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するように構成されているから、きわめて高精度で、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0009】
また、本発明によれば、硬貨の表面に光を照射し、硬貨の表面によって反射された光を光電的に検出して、硬貨の表面の検出パターンデータを生成することによって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別する場合には、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するために用いた硬貨の表面のパターンデータに基づいて、硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができるから、装置を大型化させることなく、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種ならびに硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0010】
本発明の好ましい実施態様においては、さらに、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を算出して、対応する金種のアルゴリズムにしたがって、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を評価して、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されている。
【0011】
本発明者の研究によれば、白銅系の材料、黄銅系の材料あるいは青銅系の材料からなる硬貨の場合には、汚損レベルの低い硬貨は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が大きく、汚損レベルの高い硬貨ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が小さくなることが確認され、一方、アルミニウムからなる硬貨の場合には、汚損レベルの低い硬貨は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が小さく、汚損レベルの低い硬貨ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が大きくなることが確認されているから、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を、硬貨の金種ごとに定めたしきい値と比較することによって、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができ、したがって、本発明の好ましい実施態様によれば、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差に基づいて、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、さらに、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との和を算出して、対応する金種のアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との和を評価して、硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されているから、精度良く、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、さらに、前記検出パターンデータと前記基準パターンデータとをパターンマッチングによって、比較し、前記検出パターンデータと前記基準パターンデータとのパターンの一致の程度を検出し、前記検出パターンデータと前記基準パターンデータとのパターンの一致の程度が、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するように構成されている。
【0013】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差に基づいて、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、さらに、検出パターンデータと基準パターンデータとをパターンマッチングによって、比較し、検出パターンデータと基準パターンデータとのパターンの一致の程度を検出し、検出パターンデータと基準パターンデータとのパターンの一致の程度が、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、しきい値以上のときは、硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、しきい値未満のときに、硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するように構成されているから、精度良く、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0014】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記硬貨が、白銅系材料、黄銅系材料または青銅系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、前記硬貨が、アルミニウム系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面が、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するように構成されている。
【0015】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記検出パターンデータおよび前記基準パターンデータが、rθ座標系に展開されている。
【0016】
本発明の前記目的はまた、硬貨の下面を支持する硬貨通路部材と、前記硬貨通路部材の上方に設けられ、前記硬貨通路部材との間に、硬貨通路を形成し、前記硬貨通路部材との間で、硬貨を挟持して搬送可能な第一の搬送ベルトと、第一の搬送ベルトによって、前記前記硬貨通路部材上を搬送されている硬貨の下面に向けて、前記硬貨通路部材に形成された第一の透明通路部を介して、光を発する第一の光源と、前記第一の光源から発せられ、前記硬貨の下面により反射された光を、前記第一の透明通路部を介して、光電的に受光し、前記硬貨の下面の検出パターンデータを生成する第一の受光手段と、硬貨の下面を支持する第二の搬送ベルトと、前記第二の搬送ベルトの上方に設けられ、その下面と前記第二の搬送ベルトとの間に、前記硬貨通路を形成し、その下面と前記第二の搬送ベルトとの間で、硬貨を挟持して搬送可能な硬貨通路形成部材と、前記第二の搬送ベルトによって支持されつつ、搬送されている硬貨の上面に向けて、前記硬貨通路形成部材に形成された第二の透明通路部を介して、光を発する第二の光源と、前記第二の光源から発せられ、前記硬貨の上面により反射された光を、前記第二の透明通路部を介して、光電的に受光し、前記硬貨の上面の検出パターンデータを生成する第二の受光手段と、前記第一の受光手段により生成された前記硬貨の下面の検出パターンデータを記憶する第一のパターンデータ記憶手段と、前記第二の受光手段により生成された前記硬貨の上面の検出パターンデータを記憶する第二のパターンデータ記憶手段と、金種毎の硬貨の基準パターンデータを記憶する基準パターンデータ記憶手段と、金種毎の硬貨の基準汚損レベルデータを記憶する基準汚損レベルデータ記憶手段と、前記第一のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の下面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較するとともに、前記第二のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の上面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較して、前記硬貨が受け入れ可能か否かおよび前記硬貨の金種を判別する金種判別手段と、前記第一のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の下面の検出パターンデータおよび前記第二のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の上面の検出パターンデータに基づき、前記硬貨が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別する汚損レベル判別手段を備え、前記汚損レベル判別手段が、前記金種判別手段が判別した金種の硬貨の表裏面の基準パターンデータを、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、生成されたデータ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータに基づき、前記硬貨の下面の検出パターンデータから、硬貨の下面の前記基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、前記硬貨の下面の前記検出パターンデータから、硬貨の下面の前記基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、前記明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、前記暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差を算出して、前記基準汚損レベルデータ記憶手段に記憶されている各金種の表面および裏面についてのしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の下面のしきい値と比較し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差が、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の下面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、前記硬貨の上面の検出パターンデータから、硬貨の上面の前記基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、前記硬貨の上面の前記検出パターンデータから、硬貨の上面の前記基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、前記明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、前記暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差を算出して、前記基準汚損レベルデータ記憶手段に記憶されている各金種の表面および裏面についてのしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の上面のしきい値と比較し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差が、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の上面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するように構成されたことを特徴とする硬貨判別装置によって達成される。
【0017】
本発明者の研究によれば、硬貨のエッジ部分により反射された光はその強度が大きいが、長期間にわたって、流通し、汚損された硬貨の場合には、エッジ部分が磨耗するため、汚損されていない硬貨に比して、明部データ信号強度平均値が低くなり、その一方で、硬貨の平坦な部分から反射された光の強度は、一般に低いが、長期間にわたり、流通し、汚損された硬貨の場合には、硬貨の平坦な部分に形成された傷や硬貨の平坦な部分に付着した汚れによって、光が乱反射されるため、汚損されていない硬貨に比して、暗部データ信号強度平均値が高くなることが確認されており、したがって、汚損レベルの高い硬貨ほど、明部データ信号強度平均値が低くなり、その一方で、汚損レベルの高い硬貨ほど、暗部データ信号強度平均値が高くなるから、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値に基づいて、きわめて高精度で、硬貨が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になるが、本発明によれば、汚損レベル判別手段が、金種判別手段が判別した金種の硬貨の表裏面の基準パターンデータを、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、生成されたデータ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータに基づき、硬貨の下面の検出パターンデータから、硬貨の下面の基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、硬貨の下面の検出パターンデータから、硬貨の下面の基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差を算出して、基準汚損レベルデータ記憶手段に記憶されている各金種の表面および裏面についてのしきい値のうち、金種判別手段によって判別された金種の硬貨の下面のしきい値と比較し、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差が、しきい値以上のときは、硬貨の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、しきい値未満のときに、硬貨の下面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、硬貨の上面の検出パターンデータから、硬貨の上面の基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、硬貨の上面の検出パターンデータから、硬貨の上面の基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差を算出して、基準汚損レベルデータ記憶手段に記憶されている各金種の表面および裏面についてのしきい値のうち、金種判別手段によって判別された金種の硬貨の上面のしきい値と比較し、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差が、しきい値以上のときは、硬貨の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、しきい値未満のときに、硬貨の上面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するように構成されているから、きわめて高精度で、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0018】
また、本発明によれば、第一の光源および第一の受光手段と、第二の光源および第二の受光手段を設けるだけで、硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができるから、装置を大型化させることなく、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種ならびに硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0019】
本発明の好ましい実施態様においては、前記基準パターンデータ記憶手段が、前記基準明部パターンデータおよび前記基準暗部パターンデータを記憶するように構成されている。
【0020】
本発明の好ましい実施態様によれば、あらかじめ、基準明部パターンデータおよび基準暗部パターンデータが生成されて、基準パターンデータ記憶手段に記憶されているから、演算時間を短縮することが可能になり、効率的に、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0021】
本発明の別の好ましい実施態様においては、前記汚損レベル判別手段が、前記基準パターンデータ記憶手段に記憶されている前記金種判別手段が判別した金種の硬貨の下面の前記基準明部パターンデータおよび前記基準暗部パターンデータならびに硬貨の上面の前記基準明部パターンデータおよび前記基準暗部パターンデータを生成するように構成されている。
【0022】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記汚損レベル判別手段が、さらに、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を算出して、対応する金種のアルゴリズムにしたがって、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を評価して、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成され、前記基準汚損レベルデータ記憶手段が、前記アルゴリズムを、硬貨の金種毎に記憶するように構成されている。
【0023】
本発明者の研究によれば、白銅系の材料、黄銅系の材料あるいは青銅系の材料からなる硬貨の場合には、汚損レベルの低い硬貨は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が大きく、汚損レベルの高い硬貨ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が小さくなることが確認され、一方、アルミニウムからなる硬貨の場合には、汚損レベルの低い硬貨は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が小さく、汚損レベルの低い硬貨ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が大きくなることが確認されているから、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を、硬貨の金種ごとに定めたしきい値と比較することによって、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができ、したがって、本発明のさらに好ましい実施態様によれば、汚損レベル判別手段が、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差に基づいて、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、さらに、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との和を算出して、対応する金種のアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との和を評価して、硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成され、基準汚損レベルデータ記憶手段が、アルゴリズムを、硬貨の金種毎に記憶するように構成されているから、精度良く、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0024】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記汚損レベル判別手段が、さらに、前記金種判別手段によって実行された前記硬貨の下面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとのパターンマッチングの一致の程度を、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の下面のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときは、前記硬貨の下面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、前記金種判別手段によって実行された前記硬貨の上面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとのパターンマッチングの一致の程度を、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の上面のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の上面の汚損レベルが所定レベル以上であると判別するとともに、前記しきい値未満のときは、前記硬貨の上面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されるとともに、前記基準汚損レベルデータ記憶手段が、各金種の表面および裏面につき定められた前記しきい値を記憶するように構成されている。
【0025】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、汚損レベル判別手段は、明部データ信号強度平均値と、暗部データ信号強度平均値との差に基づいて、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、さらに、金種判別手段によって実行された硬貨の下面の検出パターンデータと基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の基準パターンデータとのパターンマッチングの一致の程度を、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値のうち、金種判別手段によって判別された金種の硬貨の下面のしきい値と比較し、しきい値以上のときは、硬貨の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、しきい値未満のときは、硬貨の下面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、金種判別手段によって実行された硬貨の上面の検出パターンデータと基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の基準パターンデータとのパターンマッチングの一致の程度を、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値のうち、金種判別手段によって判別された金種の硬貨の上面のしきい値と比較し、しきい値以上のときは、硬貨の上面の汚損レベルが所定レベル以上であると判別するとともに、しきい値未満のときは、硬貨の上面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されるとともに、基準汚損レベルデータ記憶手段が、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値を記憶するように構成されているから、精度良く、硬貨が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0026】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記アルゴリズムが、硬貨が、白銅系材料、黄銅系材料または青銅系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、前記硬貨が、アルミニウム系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面が、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するように決定されている。
【0027】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記金種判別手段が、rθ座標系に展開された前記基準パターンデータと、rθ座標系に展開された検出パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較することによって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するように構成されている。
【0028】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、硬貨判別装置は、さらに、前記検出パターンデータにエッジ強調処理を施すデータ処理手段を備え、前記金種判別手段が、前記基準パターンデータと、エッジ強調処理が施された前記検出パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較することによって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するように構成されている。
【0029】
本発明のさらに好ましい実施態様によれば、硬貨判別装置は、さらに、検出パターンデータにエッジ強調処理を施すデータ処理手段を備え、金種判別手段が、基準パターンデータと、エッジ強調処理が施された検出パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較することによって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するように構成されているから、基準パターンデータと検出パターンデータのパターンマッチングの精度を大幅に向上させることが可能になり、したがって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を、より高精度で、判別することが可能になるとともに、硬貨が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを、より高精度で、判別することが可能になる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好ましい実施態様につき、詳細に説明を加える。
【0031】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる硬貨判別装置の略縦方向断面図である。
【0032】
図1に示されるように、硬貨1が搬送される硬貨通路2は、硬貨1の全搬送方向に延びる硬貨通路部材3を備えている。硬貨判別装置は、第一のパターンデータ検出ユニット4と第二のパターンデータ検出ユニット5とを備え、第一のパターンデータ検出ユニット4の部分においては、下方に位置した硬貨通路部材3と上方に位置したエンドレス状の丸ベルトにより構成された搬送ベルト6とによって、硬貨通路2が形成され、第二のパターンデータ検出ユニット5の部分においては、硬貨通路部材3に形成された開口部7aから、硬貨通路部材3の上方に突出するように設けられ、エンドレス状のベルトにより構成された搬送ベルト7と搬送ベルト7の上方に設けられた硬貨1の搬送方向に延びる硬貨通路形成部材8とによって、硬貨通路2が形成されている。
【0033】
図1に示されるように、第一のパターンデータ検出ユニット4が設けられた硬貨通路部材3の部分には、光が透過可能なガラス、アクリル樹脂などからなる透明材料により形成された第一の透明通路部9が形成され、硬貨通路形成部材7には、光が透過可能なガラス、アクリル樹脂などからなる透明材料により形成された第二の透明通路部10が設けられている。
【0034】
図2は、第一の透明通路部9の略平面図である。
【0035】
図1および図2に示されるように、硬貨1は、硬貨通路2の上方に位置する搬送ベルト6により、一対のガイドレール11、11に沿って、矢印Aの方向に、硬貨通路2内を第一の透明通路部9に送られる。硬貨1の搬送方向に対して、第一の透明通路部9の上流側には、硬貨通路2の幅方向に、硬貨1の磁気的性質を検出する一対の磁気センサ12、12が設けられている。第一の透明通路部9の部分では、硬貨1は、搬送ベルト6により第一の透明通路部3の上面に押し付けられつつ、搬送されるように構成されている。第一の透明通路部9の下方には、第一の透明通路部9を通過する硬貨1に光を照射する複数の発光素子20を備えた第一の発光手段21が設けられており、さらに、その下方には、第一の発光手段21から発せられ、硬貨1により反射された光を受光し、画像データを生成する第一の画像データ生成手段22が設けられている。第一の発光手段21および第一の画像データ生成手段22によって、第一のパターンデータ検出ユニット4が構成されている。
【0036】
第一の発光手段21は、図2に示されるように、第一の透明通路部3の中心部を中心とした円上に配置された多数のLEDなどの発光素子20を備えており、各発光素子20は、光軸が、水平方向に対して、小さな角度をなし、第一の透明通路部9の中心部を中心とした円の中心軸上の所定の点を向くように配置されており、第一の透明通路部9上を通過する硬貨1に、浅い角度で光を照射可能なようになっている。
【0037】
第一の画像データ生成手段22は、光軸が、第一の透明通路部3の中心部を中心とした円の中心軸と一致するように配置されたレンズ系23と、レンズ系23の下方に設けられ、その焦点が、第一の透明通路部3の上表面に位置するように配置されており、発光素子20から発せられ、硬貨1の表面により反射された光を光電的に検出するモノクロタイプのセンサ24と、センサ24によって光電的に検出されて得られた硬貨1の下面の画像データをディジタル信号に変換して、硬貨1の下面のディジタル化された画像データを生成するA/Dコンバータ(図示せず)を備えている。センサ24としては、二次元CCDセンサが用いられている。
【0038】
第一の画像データ生成手段22の直下流側には、硬貨通路2の幅方向に、発光素子25と受光素子26とからなる二組のタイミングセンサ27、27が設けられており、発光素子25から発せられた光が、第一の透明通路部9を介して、受光素子26により受光可能に、かつ、受光素子26が発光素子25から発せられた光を受光しないときに、タイミング信号を出力するように構成されている。タイミングセンサ27は、発光素子25から発せられた光が、第一の透明通路部9の表面上を搬送される硬貨1によって遮られて、受光素子26に受光されず、タイミング信号が出力されるときに、硬貨1の中心が第一の透明通路部9の中心と合致する位置にあるように、第一の画像データ生成手段22に対して、配置されている。
【0039】
図1に示されるように、硬貨1は、第一の透明通路部3およびその下流部までは、硬貨通路2の上方に設けられた搬送ベルト6によって、硬貨通路部材3の上面に押圧されつつ、搬送され、第一の透明通路部3の下流部において、その下面が、硬貨通路部材3に形成された開口部7aから、硬貨通路部材3の上方に突出するように設けられた搬送ベルト7によって支持され、搬送ベルト6と搬送ベルト7によって挟持されて、硬貨通路2内を搬送される。
【0040】
図1に示されるように、硬貨1は、搬送ベルト6の終端部の直上流部で、その上面が硬貨通路形成部材8によって支持され、搬送ベルト7によって、硬貨通路形成部材8の下面に押圧されつつ、硬貨通路2内を搬送され、第二のパターンデータ検出ユニット5に送られる。搬送ベルト7が、硬貨1の自重によって、下方に撓むことを防止するため、複数のバックアップローラ7a、7bが設けられている。
【0041】
第二のパターンデータ検出ユニット5は、第二の透明通路部10の上方に設けられており、第二の透明通路部10を通過する硬貨1に光を照射する複数の発光素子30を備えた第二の発光手段31と、第二の透明通路部10の上方に設けられ、第二の発光手段31から発せられ、硬貨1により反射された光を受光し、画像データを生成する第二の画像データ生成手段32を備えている。第二の発光手段31は、第二の透明通路部10の上方に設けられ、下方に向けて、光を照射する点を除き、第一の発光手段21と同様に構成され、第二の透明通路部10の中心部を中心とした円上に配置された多数のLEDなどの発光素子30を備えており、各発光素子30は、光軸が、水平方向に対して、小さな角度をなし、第二の透明通路部10の中心部を中心とした円の中心軸上の所定の点を向くように、配置されており、第二の透明通路部10の下面を通過する硬貨1に、浅い角度で光を照射可能なようになっている。
【0042】
第二の画像データ生成手段32は、光軸が、第二の透明通路部10の中心部を中心とした円の中心軸と一致するように配置されたレンズ系33と、このレンズ系33の上方に設けられ、その焦点が、第二の透明通路部10上を通過する硬貨1の上表面に位置するように配置されており、発光素子30から発せられ、硬貨1の表面により反射された光を光電的に検出するモノクロタイプのセンサ34と、センサ34により、光電的に検出されて得られた硬貨1の上面の画像データをディジタル信号に変換して、硬貨1の上面のディジタル化された画像データを生成するA/Dコンバータ(図示せず)を備えている。センサ34としては、二次元CCDセンサが用いられている。
【0043】
第二の画像データ生成手段32の直下流側には、発光素子35と受光素子36とからなる二組のタイミングセンサ37、37が設けられており、発光素子35から発せられた光が、第二の透明通路部10を介して、受光素子36により、受光可能に、かつ、受光素子36が発光素子35から発せられた光を受光しないときに、タイミング信号を出力するように構成されている。タイミングセンサ37は、発光素子35から発せられた光が、第二の透明通路部10の下面を搬送される硬貨1によって遮られて、受光素子36に受光されず、タイミング信号が出力されるときに、硬貨1の中心が透明通路部10の中心と合致する位置にあるように、第二の画像データ生成手段32に対して、配置されている。
【0044】
図1に示されるように、硬貨通路形成部材8の下流端部の直上流部から、硬貨通路2の下流側に延びる搬送ベルト39が設けられ、第二の透明通路部10を通過後に、硬貨1は、搬送ベルト7と搬送ベルト39に挟持され、さらに、搬送ベルト39と硬貨通路部材3によって挟持されて、硬貨通路2内を、下流側に向けて、搬送されるように構成されている。
【0045】
図3は、本発明の好ましい実施態様にかかる硬貨判別装置の検出系、制御系、判別系を示すブロックダイアグラムである。
【0046】
図3において、硬貨判別装置の検出系は、硬貨1が第一の透明通路部9に達したことを検出する2組のタイミングセンサ27、27および硬貨1が第二の透明通路部10に達したことを検出する2組のタイミングセンサ37、37を備えている。
【0047】
図3において、硬貨判別装置の制御系は、タイミングセンサ27、27からタイミング信号を受けたときに、第一の発光手段21に、発光信号を出力して、光を発せさせ、第一の透明通路部9の上表面に位置する硬貨1に光を照射させ、タイミングセンサ37、37からタイミング信号を受けたときに、第二の発光手段31に、発光信号を出力して、光を発せさせ、第二の透明通路部10の下表面に位置する硬貨1に光を照射させる発光制御手段40と、タイミングセンサ27、27からタイミング信号を受けたときに、第一の画像データ生成手段22のセンサ24に、硬貨1の表面により反射された光の検出を開始させ、タイミングセンサ37、37からタイミング信号を受けたときに、第二の画像データ生成手段32のセンサ34に、硬貨1の表面により反射された光の検出を開始させる画像読み取り制御手段41とを備えている。
【0048】
図3において、硬貨判別装置の判別系は、各金種の硬貨1の磁気的性質を示す磁気データを記憶している第一の基準データメモリ45と、各金種の硬貨1の径に関する基準径データを記憶する第二の基準データメモリ46と、rθ座標系に展開された各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを記憶する基準パターンデータ記憶手段47と、各金種の硬貨1の基準汚損レベルデータを記憶する基準汚損データ記憶手段48と、磁気センサ12、12からの検出信号に基づいて、第一の基準データメモリ45にアクセスし、第一の基準データメモリ45に記憶されている各金種毎の磁気的性質を示す磁気データと磁気センサ12、12から入力された硬貨1の磁気データとを比較して、硬貨1の金種を判別し、第一の判別信号を出力する第一の判別手段50と、第一の判別手段50から出力された第一の判別信号、第二の基準データメモリ46に記憶されている各金種の硬貨1の径に関する基準径データおよびセンサ24により光電的に検出され、A/Dコンバータ28によってディジタル化された硬貨1の下面の画像パターンデータに基づいて、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別するとともに、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている各金種の硬貨1の基準汚損レベルデータに基づき、硬貨1の下面が所定レベルを越えて汚損しているか否かを判別する第二の判別手段51と、第一の判別手段50から出力された第一の判別信号、第二の基準データメモリ46に記憶されている各金種の硬貨1の径に関する基準径データおよびセンサ34によって光電的に検出され、A/Dコンバータ38によってディジタル化された硬貨1の上面の画像パターンデータに基づき、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別するとともに、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている各金種の硬貨1の基準汚損レベルデータに基づき、硬貨1の上面が所定レベルを越えて汚損しているか否かを判別する第三の判別手段52と、第二の判別手段51および第三の判別手段52の判別結果に基づき、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を最終的に判別する硬貨判別手段54を備えている。
【0049】
本実施態様においては、第一の判別手段50からの第一の判別信号は、発光制御手段40に出力され、発光制御手段40は、第一の判別手段50からの第一の判別信号にしたがい、第一の判別手段50の判別した硬貨1の金種に基づき、発光素子20および発光素子30の発光量を制御するように構成されている。
【0050】
図4は、第二の判別手段51のブロックダイアグラムである。
【0051】
図4に示されるように、第二の判別手段51は、センサ24により、光電的に検出され、A/Dコンバータ28によって、ディジタル化された硬貨1の下面の画像パターンデータを、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開して記憶する画像パターンデータメモリ60と、第二の基準データメモリ46にアクセスし、第二の基準データメモリ46に記憶されている各金種の硬貨1の径に関する基準径データと、画像パターンデータメモリ60から読み出した硬貨1の下面の画像パターンデータとを比較して、硬貨1の径に基づき、硬貨1の金種を判別し、第一の金種判別信号を出力する第一の金種判別部61と、第一の判別手段50から入力された第一の判別信号と第一の金種判別部61から入力された第一の金種判別信号とに基づいて、硬貨1の金種を判別し、第二の金種判別信号を出力する第二の金種判別部62と、画像パターンデータメモリ60に展開された硬貨1の下面の画像パターンデータの中心座標を求める中心座標決定手段63と、中心座標決定手段63により算出された画像パターンデータの中心座標に基づき、硬貨1の下面の画像パターンデータを、極座標系、すなわち、rθ座標系に、座標変換して、変換パターンデータを生成して、記憶するパターンデータ変換手段64と、パターンデータ変換手段64によって、rθ座標系に、座標変換された変換パターンデータに、エッジ強調処理を施すデータ処理手段65と、第二の金種判別部62から入力された第二の金種判別信号に基づき、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶された各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、第二の金種判別部62が判別した金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを読み出して、読み出した硬貨1の表裏面の基準パターンデータと、データ処理手段65によって、エッジ強調処理された変換パターンデータとを比較し、変換パターンデータと、基準パターンデータとの一致の程度にしたがって、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別し、金種決定信号、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータおよび硬貨1の表裏面のうち、いずれの面のパターンデータに基づいて、金種を決定したかを特定する硬貨面特定信号を出力する金種決定部66と、硬貨1の上面が所定レベルを越えて汚損されているか否かを判別する第一の汚損レベル判別手段67とを備えている。
【0052】
図5は、第三の判別手段52のブロックダイアグラムである。
【0053】
図5に示されるように、第三の判別手段52は、センサ34により、光電的に検出され、A/Dコンバータ38によって、ディジタル化された硬貨1の上面の画像パターンデータを、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開して記憶する画像パターンデータメモリ70と、第二の基準データメモリ46にアクセスし、第二の基準データメモリ46に記憶されている各金種の硬貨1の径に関する基準径データと、画像パターンデータメモリ70から読み出した硬貨1の上面の画像パターンデータとを比較して、硬貨1の径に基づき、硬貨1の金種を判別し、第一の金種判別信号を出力する第一の金種判別部71と、第一の判別手段50から入力された第一の判別信号と第一の金種判別部71から入力された第一の金種判別信号とに基づいて、硬貨1の金種を判別し、第二の金種判別信号を出力する第二の金種判別部72と、画像パターンデータメモリ70に展開された硬貨1の上面の画像パターンデータの中心座標を求める中心座標決定手段73と、中心座標決定手段73により算出された画像パターンデータの中心座標に基づき、硬貨1の上面の画像パターンデータを、極座標系、すなわち、rθ座標系に、座標変換して、変換パターンデータを生成して、記憶するパターンデータ変換手段74と、パターンデータ変換手段74によって、rθ座標系に、座標変換された変換パターンデータに、エッジ強調処理を施すデータ処理手段75と、第二の金種判別部72から入力された第二の金種判別信号に基づき、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶された各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、第二の金種判別部73が判別した金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを読み出して、読み出した硬貨1の表裏面の基準パターンデータと、データ処理手段75によって、エッジ強調処理された変換パターンデータとを比較し、変換パターンデータと、基準パターンデータとの一致の程度にしたがって、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別し、金種決定信号、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータおよび硬貨1の表裏面のうち、いずれの面のパターンデータに基づいて、金種を決定したかを特定する硬貨面特定信号を出力する金種決定部76と、硬貨1の上面が所定レベルを越えて汚損されているか否かを判別する第二の汚損レベル判別手段77とを備えている。
【0054】
図6は、第一の汚損レベル判別手段67のブロックダイアグラムである。
【0055】
図6に示されるように、第一の汚損レベル判別手段67は、金種決定部66から入力された金種決定信号に基づいて、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶されている各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを読み出して、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように、基準パターンデータを二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成し、基準明部パターンデータを明部パターンデータ抽出部81に出力するとともに、基準暗部パターンデータを暗部パターンデータ抽出部82に出力する二値化パターンデータ生成部80と、二値化パターンデータ生成部80から入力された基準明部パターンデータに基づいて、パターンデータ変換手段64に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出する明部パターンデータ抽出部81と、二値化パターンデータ生成部80から入力された基準暗部パターンデータに基づいて、第二の判別手段51のパターンデータ変換手段64に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出する暗部パターンデータ抽出部82と、明部パターンデータ抽出部81によって抽出された明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出する第一の平均値算出部83と、暗部パターンデータ抽出部82によって抽出された暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出する第二の平均値算出部84と、第一の平均値算出部83によって算出された明部データ信号強度平均値と、第二の平均値算出部84によって算出された暗部データ信号強度平均値との差を求め、金種決定部66から入力された金種決定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種ごとのしきい値の中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1のしきい値T1jを選択して、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と比較し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1j以上のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1j未満のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えていると判別して、第一の汚損レベル判別信号を出力する第一の汚損レベル判別部85と、第一の平均値算出部83によって算出された明部データ信号強度平均値と、第二の平均値算出部84によって算出された暗部データ信号強度平均値との和を求め、金種決定部66から入力された金種決定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種ごとのアルゴリズムの中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1のアルゴリズムを選択して、選択されたアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を評価し、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えているか否かを判別して、第二の汚損レベル判別信号を出力する第二の汚損レベル判別部86と、金種決定部66から入力された金種決定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種ごとのしきい値の中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1のしきい値T2jを選択し、金種決定部66により、変換パターンデータと、基準パターンデータとが比較されて、決定された変換パターンデータと、基準パターンデータとの一致の程度がしきい値T2j以上のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、変換パターンデータと、基準パターンデータとの一致の程度がしきい値T2j未満のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えていると判別して、第三の汚損レベル判別信号を出力する第三の汚損レベル判別部87と、第一の汚損レベル判別部85から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部86から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部87から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づいて、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えているか否かを決定する汚損レベル決定部88を備えている。
【0056】
図7は、第二の汚損レベル判別手段77のブロックダイアグラムである。
【0057】
図7に示されるように、第二の汚損レベル判別手段77は、金種決定部76から入力された金種決定信号に基づいて、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶されている各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを読み出して、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように、基準パターンデータを二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成し、基準明部パターンデータを明部パターンデータ抽出部91に出力するとともに、基準暗部パターンデータを暗部パターンデータ抽出部92に出力する二値化パターンデータ生成部90と、二値化パターンデータ生成部90から入力された基準明部パターンデータに基づいて、パターンデータ変換手段74に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出する明部パターンデータ抽出部91と、二値化パターンデータ生成部90から入力された基準暗部パターンデータに基づいて、第二の判別手段51のパターンデータ変換手段74に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出する暗部パターンデータ抽出部92と、明部パターンデータ抽出部91によって抽出された明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出する第一の平均値算出部93と、暗部パターンデータ抽出部92によって抽出された暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出する第二の平均値算出部94と、第一の平均値算出部93によって算出された明部データ信号強度平均値と、第二の平均値算出部94によって算出された暗部データ信号強度平均値との差を求め、金種決定部76から入力された金種決定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種ごとのしきい値の中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1のしきい値T1kを選択して、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と比較し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1k以上のときは、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1k未満のときは、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えていると判別して、第一の汚損レベル判別信号を出力する第一の汚損レベル判別部95と、第一の平均値算出部93によって算出された明部データ信号強度平均値と、第二の平均値算出部94によって算出された暗部データ信号強度平均値との和を求め、金種決定部76から入力された金種決定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種ごとのアルゴリズムの中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1のアルゴリズムを選択して、選択されたアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を評価し、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えているか否かを判別して、第二の汚損レベル判別信号を出力する第二の汚損レベル判別部96と、金種決定部76から入力された金種決定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種ごとのしきい値の中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1のしきい値T2kを選択して、金種決定部76により、変換パターンデータと、基準パターンデータとが比較されて、決定された変換パターンデータと、基準パターンデータとの一致の程度がしきい値T2k以上のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、変換パターンデータと、基準パターンデータとの一致の程度がしきい値T2k未満のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えていると判別して、第三の汚損レベル判別信号を出力する第三の汚損レベル判別部97と、第一の汚損レベル判別部95から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部96から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部97から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づいて、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えているか否かを決定する汚損レベル決定部98を備えている。
【0058】
以上のように構成された本発明の実施態様にかかる硬貨判別装置は、以下のようにして、硬貨1が受け入れ可能か否か、硬貨1が所定レベルを越えて汚損しているか否かおよび硬貨1の金種を判別する。
【0059】
硬貨1は、搬送ベルト6により、硬貨通路部材3の上面に押圧されつつ、一対のガイドレール11、11に沿って、矢印Aの方向に、硬貨通路2内を送られ、一対の磁気センサ12、12により、その磁気的性質が検出され、検出信号が、第一の判別手段50に出力される。
【0060】
第一の判別手段50は、磁気センサ12、12から検出信号が入力されると、第一の基準データメモリ45にアクセスして、第一の基準データメモリ45に記憶されている各金種毎の磁気的性質を示す磁気データを読み出し、磁気センサ12、12から入力された硬貨1の磁気データと比較して、硬貨1の金種を判別し、金種判別信号を、第二の判別手段51、第三の判別手段52および発光制御手段40に出力する。
【0061】
さらに、硬貨1が、搬送ベルト6によって、硬貨通路2内を第一の透明通路部9に送られ、タイミングセンサ27の発光素子25から発せられた光を遮り、受光素子26が発光素子25からの光を受光しなくなると、タイミングセンサ27からタイミング信号が発光制御手段40および画像読み取り制御手段41に出力される。
【0062】
発光制御手段40は、タイミングセンサ27からタイミング信号が入力されると、第一の判別手段50から入力された金種判別信号に基づいて、第一の発光手段21に発光信号を出力して、発光素子20から、第一の透明通路部9上に位置している硬貨1の下側表面に向けて、第一の判別手段50により判別された硬貨1の金種に応じた光量の光を発光させる。
【0063】
ここに、第一の判別手段50による硬貨1の金種の判別結果に基づいて、発光素子20の発光量を制御しているのは、硬貨1の材質により、反射量が異なり、つねに、同一の光量の光を硬貨1に照射するときは、精度良く、硬貨1の画像パターンを検出することができないからである。
【0064】
すなわち、白銅やアルミニウムなどの光の反射率の高い材料からなる硬貨の場合には、照射する光の光量が高いと、センサ24により、検出される光量が全体として多くなって、飽和し、硬貨1の表面からの反射光を検出することにより、硬貨1の表面のパターンに応じた画像パターンデータを精度良く生成することが困難になり、他方、銅や黄銅など光の反射率の小さい材料からなる硬貨の場合には、照射する光の光量が低いときは、反射光の光量が小さすぎて、硬貨1の表面パターンを精度良く検出することができないので、第一の判別手段50により判別された金種の硬貨1が、白銅やアルミニウムなどの光の反射率の高い材料からなる場合には、発光制御手段40は、発光素子9が、強度の小さい光を発光するように、第一の発光手段21に発光信号を出力し、他方、第一の判別手段50によって判別された金種の硬貨1が、銅や黄銅など光の反射率の小さい材料からなる場合には、発光素子20が、強度の大きい光を発光するように、発光制御手段40が構成されている。
【0065】
また、画像読み取り制御手段41は、タイミングセンサ27からタイミング信号が入力されると、第一の画像データ生成手段22のセンサ24に、発光素子20から発せられ、硬貨1の下側表面によって反射された光の検出を開始させる。
【0066】
第一の発光手段21は、第一の透明通路部9上を通過する硬貨1に、浅い角度で光を照射可能に配置されているので、硬貨1の下面の凹凸パターンにしたがって、光は反射される。
【0067】
硬貨1の下面からの反射光は、レンズ系23により、センサ24に導かれて、センサ24により光電的に検出され、硬貨1の下面の画像パターンデータがセンサ24によって生成される。
【0068】
センサ24により生成された硬貨1の下面の画像パターンデータは、A/Dコンバータ28によって、ディジタル化されて、ディジタル化された画像パターンデータは、第二の判別手段51の画像パターンデータメモリ60内に、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開されて記憶される。
【0069】
第二の判別手段51の画像パターンデータメモリ60に、硬貨1の下面の画像パターンデータが記憶されると、第二の判別手段51の第一の金種判別部61が、第二の基準データメモリ46にアクセスして、硬貨1の径に関する基準径データを読み出すとともに、画像パターンデータメモリ60に記憶された画像パターンデータを読み出して、比較し、硬貨1の金種を判別して、第一の金種判別信号を第二の金種判別部62に出力する。
【0070】
ここに、金種が異なっていても、径がわずかしか違わない硬貨があり、わずかに径の大きい硬貨が摩耗した場合などには、径がほとんど一致することがあるから、径を検出することによっては、正確に、硬貨1の金種を判別し得ない場合がある。本実施態様においては、第一の判別手段50により、硬貨1の磁気的性質に基づき、硬貨1の金種を判別して、第一の判別信号を第二の金種判別部62に出力するとともに、第二の判別手段51の第一の金種判別部61により、硬貨の径に基づいて、硬貨1の金種を判別し、第一の金種判別信号を第二の金種判別部62に出力して、これらの判別信号に基づき、第一の判別手段50および第二の判別手段51の第一の金種判別部61により判別された硬貨1の金種が一致しないときは、受け入れ不能な硬貨であると判別するように構成されているので、第二の判別手段51の第一の金種判別部61が、硬貨1の径に基づいて、硬貨1の金種を一つに決めて、第一の金種判別信号を生成し、第二の金種判別部62に出力する場合には、硬貨1が受け入れ可能な硬貨であるにもかかわらず、第二の金種判別部62において、硬貨1が受け入れ不能と判別されるおそれがある。
【0071】
そこで、本実施態様においては、第二の判別手段51の第一の金種判別部61は、検出された硬貨1の径に基づき、最も径が近い金種および二番目に径が近い金種の二つの金種を選択して、第一の金種判別信号を、第二の金種判別部62に出力するように構成されている。
【0072】
こうして、第一の判別手段50から入力された第一の判別信号および第二の判別手段51の第一の金種判別部61から入力された第一の金種判別信号に基づいて、第二の判別手段51の第2金種判別部62は、第一の判別手段50の判別結果と第二の判別手段51の第一の金種判別部61の判別結果が一致していると判定したときは、第二の判別手段51の金種決定部66に、第二の金種判別信号を出力し、第一の判別手段50の判別結果と第二の判別手段51の第一の金種判別部61の判別結果が一致していないと判定したときは、硬貨1は、偽貨あるいは外国硬貨であって、受け入れ不能であると判別して、硬貨判別手段54に受け入れ不能硬貨検出信号を出力する。
【0073】
他方、中心座標決定部63は、画像パターンデータメモリ60内に、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開されて記憶された画像パターンデータの中心座標を決定して、パターンデータ変換手段64に出力する。
【0074】
図8は、中心座標決定部63によって実行されるパターンデータの中心座標の算出方法を示す概念図である。
【0075】
図8において、画像パターンデータメモリ60には、センサ24により生成された硬貨1のパターンデータが、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開されて、記憶されており、中心座標決定部63は、まず、画像パターンデータメモリ60に展開されて、記憶されたパターンデータのy座標がy0である境界データa1、a2のx座標x1、x2を求めて、境界データa1、a2の中央のデータa0のx座標xc=(x1+x2)/2を求める。
【0076】
次いで、中心座標決定部63は、仮想的に、データa0から、境界データa1、a2を結ぶ直線に直交する直線を引き、この直線とパターンデータとが交わる境界データb1、b2のy座標y1、y2を求めて、境界データb1、b2の中央のデータOのy座標yc=(y1+y2)/2を求める。
【0077】
こうして得られたデータOの座標(xc、yc)は、xy座標系に、展開された硬貨1のパターンデータの中心座標となり、データOは、xy座標系に、展開された硬貨1のパターンデータのデータ中心となる。
【0078】
図9は、センサ24により生成され、画像パターンデータメモリ60に展開されて、記憶された硬貨1のパターンデータの一例を示すものである。
【0079】
パターンデータ変換手段64は、中心座標決定部63から入力された硬貨1のパターンデータの中心座標(xc、yc)に基づいて、画像パターンデータメモリ60内に、xy座標系に、展開されて記憶されたパターンデータを、rθ座標系に、座標変換する。
【0080】
図10は、中心座標決定部63によって算出された硬貨1のパターンデータの中心座標(xc、yc)に基づいて、パターンデータ変換手段64により、図9に示されたパターンデータが、rθ座標系に、座標変換されて、生成された変換パターンデータの例を示すものである。図10において、縦軸は、xy座標系におけるデータ中心Oからのの距離rであり、横軸は、データ中心Oまわりの角度θである。
【0081】
こうして、パターンデータ変換手段64により、rθ座標系に、座標変換されて、生成された変換パターンデータは、パターンデータ変換手段64に記憶される。
【0082】
次いで、データ処理手段65によって、パターンデータ変換手段64に記憶された変換パターンデータが読み出され、変換パターンデータにエッジ強調処理が施されて、金種決定部66に出力される。
【0083】
データ処理手段65から、エッジ強調処理が施された変換パターンデータが入力されると、金種決定部66は、第二の金種判別部62から入力された第二の金種判別信号に基づき、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶された各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、第二の金種判別部62が判別した金種の硬貨1の裏面の基準パターンデータを読み出す。
【0084】
図11は、rθ座標系に、展開された硬貨1の基準パターンデータの例を示すものであり、図10に示された変換パターンデータと対応するものである。
【0085】
図10に示された変換パターンデータは、中心座標決定部63により算出された硬貨1のパターンデータの中心座標(xc、yc)に基づき、パターンデータ変換手段64によって、xy座標系のパターンデータが、rθ座標系に、座標変換されて、得られたものであるから、縦座標軸、すなわち、r座標軸のゼロ点は、図11の基準パターンデータのゼロ点と一致しているが、判別すべき硬貨1の位置は、基準パターンデータを生成したときの硬貨1に対して、回転方向にオフセットしているのが通常であるので、θ値が同一でも、図10の変換パターンデータと、図11の基準パターンデータとは、硬貨1の異なる部分のデータであるのが一般である。
【0086】
したがって、図10の変換パターンデータと、図11の基準パターンデータとを、そのまま、比較しても、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別することはできず、θ軸方向の変換パターンデータのゼロ点が、θ軸方向の基準パターンデータの横軸のゼロ点と一致するように、変換パターンデータを補正した上で、両者を比較することが必要である。
【0087】
そこで、金種決定部66は、図10に示された変換パターンデータのデータ中心から所定の距離r0のパターンデータ値、すなわち、縦座標値が所定の値r0に等しいパターンデータ値を360度の範囲にわたって、読み取るとともに、図11に示された基準パターンデータのデータ中心から所定の距離r0のパターンデータ値、すなわち、縦座標値が所定の値r0に等しいパターンデータ値を360度の範囲にわたって読み取って、両者を比較し、硬貨1の周方向のオフセットに起因した変換パターンデータのずれを補正する。
【0088】
図12は、データ中心から所定の距離r0の図10に示された変換パターンデータを360度の範囲にわたって、読み取ったパターンデータ値を示すグラフであり、図13は、データ中心から所定の距離r0の図11に示された基準パターンデータを360度の範囲にわたり、読み取ったパターンデータ値を示すグラフである。図12および図13において、縦軸は、データ値であり、横軸は、角度θである。
【0089】
ここに、硬貨1は、一対のガイドレール11、11によってガイドされつつ、硬貨通路2内を送られるので、硬貨1の中心は、第一の透明通路部9上の一定の位置を通過するが、硬貨1の位置は、基準パターンデータを生成したときの硬貨1の位置に対して、回転方向にオフセットしているのが通常であるから、θ値が同一でも、図10の変換パターンデータの値と、図11の基準パターンデータの値とは、硬貨1の異なる部分のデータであるので、比較をおこなう前に、θ軸方向の変換パターンデータのゼロ点が、θ軸方向の基準パターンデータのゼロ点と一致するように、変換パターンデータを補正することが必要である。
【0090】
そこで、金種決定部66は、図12の変換パターンデータ値が最大となるθ値θ1および図13の基準パターンデータ値が最大となるθ値θ2を、それぞれ求め、θ1がθ2に等しくなるように、図10に示された変換パターンデータを展開し直す。図14は、こうして展開し直された変換パターンデータを示している。
【0091】
金種決定部66は、以上のようにして、データ処理手段65によって、エッジ強調処理が施され、図14に示されるように、展開し直された変換パターンデータを、図11に示される基準パターンデータと比較し、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度にしたがって、硬貨1が、第二の金種判別部62により、判別された金種の硬貨であるか、あるいは、受け入れ不能な硬貨であるかを決定する。
【0092】
しかしながら、硬貨1を、つねに、一方の面が上を向くように、搬送することはできないから、硬貨1が、その裏面が上を向くように、搬送されている場合には、展開し直された変換パターンデータは、第二の判別手段51の第二の金種判別部62によって判別された金種の裏面の基準パターンデータとは一致しない。したがって、展開し直された変換パターンデータが、第二の判別手段51の第二の金種判別部62から入力された第二の金種判別信号にしたがって、選択した金種の裏面の基準パターンデータと一致しないからといって、偽貨、外国硬貨などの受け入れ不能な硬貨であると判別するときは、硬貨の判別精度を低下させることになる。
【0093】
そこで、本実施態様においては、まず、変換パターンデータを、第二の金種判別部62によって判別された金種の裏面の基準パターンデータと比較し、一致しないときは、同様な方法により、変換パターンデータを、その金種の表面の基準パターンデータと比較して、硬貨1が、第二の金種判別部62により仮に決定された金種と等しい金種の硬貨か、偽貨、外国硬貨などの受け入れ不能硬貨かを判別するようにしている。
【0094】
その結果、硬貨1が受け入れ不能硬貨であると判別したときは、第二の判別手段51の金種決定部66は、硬貨判別手段54に受け入れ不能硬貨検出信号を出力する。
【0095】
一方、硬貨1が、第二の判別手段51の第二の金種判別部62により判別された金種と等しい金種の硬貨であると判別したときは、金種決定信号を、硬貨判別手段54に出力し、さらに、金種決定信号および変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータとともに、硬貨1の表裏面のうち、いずれの面のパターンデータに基づいて、金種を決定したかを特定する硬貨面特定信号、変換パターンデータ値が最大となるθ値θ1、基準パターンデータ値が最大となるθ値θ2、または、θ軸方向のオフセット値(θ1−θ2)もしくは(θ2−θ1)を、第一の汚損レベル判別手段67に出力する。
【0096】
金種決定部66から出力された金種決定信号および硬貨面特定信号は、第一の汚損レベル判別手段67の二値化パターンデータ生成部80、第一の汚損レベル判別部85および第二の汚損レベル判別部86に入力され、金種決定部66から出力された金種決定信号、パターンマッチングデータおよび硬貨面特定信号は、第三の汚損レベル判別部87に入力される。
【0097】
金種決定信号および硬貨面特定信号は、第一の汚損レベル判別手段67の二値化パターンデータ生成部80に入力され、二値化パターンデータ生成部80は、金種決定信号および硬貨面特定信号を受けると、金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に、展開されて、記憶されている各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の硬貨面特定信号によって特定された面の基準パターンデータを読み出して、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように、基準パターンデータを二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成し、基準明部パターンデータを明部パターンデータ抽出部81に出力するとともに、基準暗部パターンデータを暗部パターンデータ抽出部82に出力する。
【0098】
明部パターンデータ抽出部81は、二値化パターンデータ生成部80から、基準明部パターンデータを受けると、基準明部パターンデータに基づいて、パターンデータ変換手段64に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、θ軸方向のオフセット値(θ1−θ2)あるいは(θ2−θ1)を考慮して、基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出し、第一の平均値算出部83に、明部パターンデータを出力する。
【0099】
第一の平均値算出部83は、明部パターンデータ抽出部81から、明部パターンデータを受けると、明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出し、第一の汚損レベル判別部85および第二の汚損レベル判別部86に出力する。
【0100】
一方、暗部パターンデータ抽出部82は、二値化パターンデータ生成部80から、基準暗部パターンデータを受け取ると、基準暗部パターンデータに基づいて、パターンデータ変換手段64に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、θ軸方向のオフセット値(θ1−θ2)あるいは(θ2−θ1)を考慮して、基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、第二の平均値算出部84に、暗部パターンデータを出力する。
【0101】
第二の平均値算出部84は、暗部パターンデータ抽出部82から、暗部パターンデータを受け取ると、暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、第一の汚損レベル判別部85および第二の汚損レベル判別部86に出力する。
【0102】
第一の平均値算出部83から、明部データ信号強度平均値が入力され、第二の平均値算出部84から、暗部データ信号強度平均値が入力されると、第一の汚損レベル判別部85は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差を求め、金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのしきい値の中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の対応する面のしきい値T1jを選択して、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と比較する。
【0103】
本発明者の研究によれば、硬貨1のエッジ部分により反射された光はその強度が大きいが、長期間にわたって、流通し、汚損された硬貨1の場合には、エッジ部分が磨耗するため、汚損されていない硬貨1に比して、明部データ信号強度平均値が低くなり、その一方で、硬貨1の平坦な部分から反射された光の強度は、一般に低いが、長期間にわたり、流通し、汚損された硬貨1の場合には、硬貨1の平坦な部分に形成された傷や硬貨1の平坦な部分に付着した汚れによって、光が乱反射されるため、汚損されていない硬貨1に比して、暗部データ信号強度平均値が高くなることが確認されている。
【0104】
したがって、汚損レベルの低い硬貨1は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差が大きく、汚損レベルの高い硬貨1ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差が小さくなるから、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのしきい値の中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の対応する面のしきい値T1jを選択し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と、しきい値T1jとを比較することによって、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを、精度良く、判別することができる。
【0105】
明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と、基準汚損データ記憶手段48から読み出したしきい値T1jと比較した結果、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1j以上であると判定したときは、第一の汚損レベル判別部85は、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、第一の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部88に出力する。
【0106】
これに対し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1j未満であると判定したときは、第一の汚損レベル判別部85は、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、第一の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部88に出力する。
【0107】
一方、第一の平均値算出部83から、明部データ信号強度平均値が入力され、第二の平均値算出部84から、暗部データ信号強度平均値が入力されると、第二の汚損レベル判別部86は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を求め、金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのアルゴリズムの中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の対応する面のアルゴリズムを選択して、選択されたアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を評価する。
【0108】
すなわち、本発明者の研究によれば、白銅系の材料、黄銅系の材料あるいは青銅系の材料からなる硬貨1の場合には、硬貨1が汚損された結果、硬貨1の平坦な部分に形成された傷や硬貨1の平坦な部分に付着した汚れによって、光が乱反射されることに起因する暗部データ信号強度平均値の増大よりも、硬貨1のエッジ部分が磨耗することに起因する明部データ信号強度平均値の減少の方が大きいため、汚損レベルの低い硬貨1は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が大きく、汚損レベルの高い硬貨1ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が小さくなることが確認されており、したがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を、硬貨1の金種および面ごとに定めたしきい値と比較することによって、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができる。
【0109】
したがって、白銅系の材料、黄銅系の材料あるいは青銅系の材料からなる金種の硬貨1については、金種および面ごとのしきい値T3iと、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が、しきい値T3i以上のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が、しきい値T3i未満のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別すべき旨のアルゴリズムが、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている。
【0110】
これに対して、本発明者の研究によれば、アルミニウムからなる硬貨1の場合には、硬貨1が汚損された結果、硬貨1のエッジ部分が磨耗することに起因する明部データ信号強度平均値の減少よりも、硬貨1の平坦な部分に形成された傷や硬貨1の平坦な部分に付着した汚れによって、光が乱反射されることに起因する暗部データ信号強度平均値の増大の方が大きいため、汚損レベルの低い硬貨1は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が小さく、汚損レベルの高い硬貨1ほど、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が大きくなることが確認されており、したがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を、硬貨1の金種および面ごとに定めたしきい値と比較することによって、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができる。
【0111】
したがって、アルミニウムからなる金種の硬貨1については、金種および面ごとのしきい値T4iと、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が、しきい値T4i以上のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和が、しきい値T3i未満のときは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別すべき旨のアルゴリズムが、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている。
【0112】
金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのアルゴリズムの中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の対応する面のアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を評価し、硬貨1の下面の汚損レベルを判別すると、第二の汚損レベル判別部86は、第二の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部88に出力する。
【0113】
金種決定部66から出力された金種決定信号および硬貨面特定信号は、第三の汚損レベル判別部87にも入力され、金種決定信号および硬貨面特定信号を受けると、第三の汚損レベル判別部87は、金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づき、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのしきい値の中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の対応する面のしきい値T2jを選択し、選択したしきい値T2jと、金種決定部66から入力された変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータとを比較する。
【0114】
一般に、汚損された硬貨1の場合には、硬貨1のエッジ部分および表面が磨耗された結果、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度が低く、硬貨1の汚損レベルが高いほど、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度が低くなるから、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータを、硬貨1の金種および面ごとに定めたしきい値T2jと比較することによって、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができる。
【0115】
パターンマッチングデータと、基準汚損データ記憶手段48から読み出したしきい値T2jと比較した結果、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータがしきい値T2j以上であると判定したときは、第三の汚損レベル判別部87は、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、第三の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部88に出力する。
【0116】
これに対して、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータがしきい値T2j未満であると判定したときは、第三の汚損レベル判別部87は、硬貨1の下面の汚損レベルが、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、第三の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部88に出力する。
【0117】
最後に、第一の汚損レベル判別部85から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部86から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部87から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、汚損レベル判別部88によって、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えているか否かが決定される。
【0118】
すなわち、第一の汚損レベル判別部85から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部86から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部87から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部85、第二の汚損レベル判別部86および第三の汚損レベル判別部87が、いずれも、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別していると判定したときは、汚損レベル判別部88は、最終的に、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別する。
【0119】
一方、第一の汚損レベル判別部85から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部86から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部87から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部85、第二の汚損レベル判別部86および第三の汚損レベル判別部87がいずれも、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別していると判定したときは、汚損レベル判別部88は、最終的に、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、硬貨判別手段54に、汚損硬貨検出信号を出力する。
【0120】
これに対して、第一の汚損レベル判別部85から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部86から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部87から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部85、第二の汚損レベル判別部86および第三の汚損レベル判別部87の判別結果が一致していないと判定したときは、一般に、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差に基づく判別結果が最も信頼性が高いから、汚損レベル判別部88は、第一の汚損レベル判別部85の判別結果にしたがって、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると、最終的に判別し、あるいは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると最終的に判別して、硬貨判別手段54に、汚損硬貨検出信号を出力する。
【0121】
さらに、硬貨1が、硬貨通路2内を第二の透明通路部10に送られ、タイミングセンサ37の発光素子35から発せられた光を遮って、受光素子36が発光素子35からの光を受光しなくなると、タイミングセンサ37から、タイミング信号が発光制御手段40および画像読み取り制御手段41に出力される。
【0122】
発光制御手段40は、タイミングセンサ27からタイミング信号が入力されると、第一の判別手段50から入力された金種判別信号に基づいて、第二の発光手段31に発光信号を出力して、発光素子30から、第二の透明通路部10上に位置している硬貨1の上側表面に向けて、第一の判別手段50により判別された硬貨1の金種に応じた光量の光を発光させる。
【0123】
ここに、第一の判別手段50による硬貨1の金種の判別結果に基づいて、発光素子30の発光量を制御しているのは、硬貨1の材質により、反射量が異なり、つねに、同一の光量の光を硬貨1に照射するときは、精度良く、硬貨1の画像パターンを検出することができないからである。
【0124】
さらに、画像読み取り制御手段41は、タイミングセンサ37からタイミング信号が入力されると、第二の画像データ生成手段32のセンサ34に、発光素子30から発せられ、硬貨1の上側表面によって、反射された光の検出を開始させる。
【0125】
第二の発光手段31は、第二の透明通路部10上を通過する硬貨1に、浅い角度で光を照射可能に配置されているので、硬貨1の上面の凹凸パターンにしたがって、光は反射される。
【0126】
硬貨1の上面からの反射光は、レンズ系33により、センサ34に導かれて、センサ34により光電的に検出され、硬貨1の上面の画像パターンデータがセンサ34によって生成される。
【0127】
センサ34によって生成された硬貨1の上面の画像パターンデータは、A/Dコンバータ38によって、ディジタル化され、ディジタル化された画像パターンデータは、第三の判別手段52の画像パターンデータメモリ70内に、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開されて記憶される。
【0128】
第三の判別手段52の画像パターンデータメモリ70に、硬貨1の上面の画像パターンデータが記憶されると、第三の判別手段52の第一の金種判別部71が、第二の基準データメモリ46にアクセスして、硬貨1の径に関する基準径データを読み出すとともに、画像パターンデータメモリ70に記憶された画像パターンデータを読み出して、比較し、硬貨1の金種を判別して、第一の金種判別信号を第二の金種判別部72に出力する。
【0129】
本実施態様においては、第三の判別手段52の第一の金種判別部71は、検出された硬貨1の径に基づき、最も径が近い金種および二番目に径が近い金種の二つの金種を選択して、第一の金種判別信号を、第二の金種判別部72に出力するように構成されている。
【0130】
こうして、第一の判別手段50から入力された第一の判別信号および第三の判別手段52の第一の金種判別部71から入力された第一の金種判別信号に基づいて、第三の判別手段52の第2金種判別部72は、第一の判別手段50の判別結果と第三の判別手段52の第一の金種判別部71の判別結果が一致していると判定したときは、第三の判別手段52の金種決定部76に、第二の金種判別信号を出力し、第一の判別手段50の判別結果と第三の判別手段52の第一の金種判別部71の判別結果が一致していないと判定したときは、硬貨1は、偽貨や外国硬貨などの受け入れ不能であると判別して、硬貨判別手段54に受け入れ不能硬貨検出信号を出力する。
【0131】
他方、中心座標決定部73は、画像パターンデータメモリ70内に、直交座標系、すなわち、xy座標系に、展開されて記憶された画像パターンデータの中心座標を決定して、パターンデータ変換手段74に出力する。
【0132】
パターンデータ変換手段74は、中心座標決定部73から入力された硬貨1のパターンデータの中心座標(xc、yc)に基づいて、画像パターンデータメモリ70内に、xy座標系に、展開されて記憶されたパターンデータを、rθ座標系に、座標変換する。
【0133】
こうして、パターンデータ変換手段74により、rθ座標系に、座標変換されて、生成された変換パターンデータは、パターンデータ変換手段74に記憶される。
【0134】
次いで、データ処理手段75によって、パターンデータ変換手段74に記憶された変換パターンデータが読み出され、変換パターンデータにエッジ強調処理が施されて、金種決定部76に出力される。
【0135】
データ処理手段75から、エッジ強調処理が施された変換パターンデータが入力されると、金種決定部76は、第二の金種判別部72から入力された第二の金種判別信号に基づき、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶された各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、第二の金種判別部72が判別した金種の硬貨1の表面の基準パターンデータを読み出す。
【0136】
第三の判別手段52の金種決定部76は、第二の判別手段51の金種決定部66と全く同様にして、エッジ強調処理が施された変換パターンデータのθ軸方向のずれを補正した上で、変換パターンデータを展開し直し、基準パターンデータとパターンマッチングすることによって、硬貨1が、第二の金種判別部72により、判別された金種の硬貨であるか、あるいは、受け入れ不能な硬貨であるかを決定する。
【0137】
その結果、変換パターンデータが、第二の金種判別部72によって判別された金種の表面の基準パターンデータと一致しないと判定したときは、第二の判別手段51の金種決定部66と同様に、第三の判別手段52の金種決定部76は、さらに、変換パターンデータを、その金種の裏面の基準パターンデータと比較して、硬貨1が、第二の金種判別部72により仮に決定された金種と等しい金種の硬貨か、偽貨、外国硬貨などの受け入れ不能硬貨かを判別する。
【0138】
その結果、硬貨1が受け入れ不能硬貨であると判別したときは、第三の判別手段52の金種決定部76は、硬貨判別手段54に受け入れ不能硬貨検出信号を出力する。
【0139】
一方、硬貨1が、第三の判別手段52の第二の金種判別部72により判別された金種と等しい金種の硬貨であると判別したときは、金種決定信号を、硬貨判別手段54に出力し、さらに、金種決定信号および変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータとともに、硬貨1の表裏面のうち、いずれの面のパターンデータに基づいて、金種を決定したかを特定する硬貨面特定信号を、第二の汚損レベル判別手段77に出力する。
【0140】
金種決定部76から出力された金種決定信号および硬貨面特定信号は、第二の汚損レベル判別手段77の二値化パターンデータ生成部90、第一の汚損レベル判別部95および第二の汚損レベル判別部96に入力され、金種決定部76から出力された金種決定信号、パターンマッチングデータおよび硬貨面特定信号は、第二の汚損レベル判別手段77の第三の汚損レベル判別部97に入力される。
【0141】
金種決定信号および硬貨面特定信号は、第二の汚損レベル判別手段77の二値化パターンデータ生成部90に入力され、二値化パターンデータ生成部90は、金種決定信号および硬貨面特定信号を受けると、金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に、展開されて、記憶されている各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の硬貨面特定信号によって特定された面の基準パターンデータを読み出して、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように、基準パターンデータを二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成し、基準明部パターンデータを明部パターンデータ抽出部91に出力するとともに、基準暗部パターンデータを暗部パターンデータ抽出部92に出力する。
【0142】
明部パターンデータ抽出部91は、二値化パターンデータ生成部90から、基準明部パターンデータを受けると、基準明部パターンデータに基づいて、パターンデータ変換手段74に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、θ軸方向のオフセット値(θ1−θ2)あるいは(θ2−θ1)を考慮して、基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出し、第一の平均値算出部93に、明部パターンデータを出力する。
【0143】
第一の平均値算出部93は、明部パターンデータ抽出部91から、明部パターンデータを受けると、明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出し、第一の汚損レベル判別部95および第二の汚損レベル判別部96に出力する。
【0144】
一方、暗部パターンデータ抽出部92は、二値化パターンデータ生成部90から、基準暗部パターンデータを受け取ると、基準暗部パターンデータに基づいて、パターンデータ変換手段74に、rθ座標系に展開されて、記憶されている変換パターンデータから、θ軸方向のオフセット値(θ1−θ2)あるいは(θ2−θ1)を考慮して、基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、第二の平均値算出部94に、暗部パターンデータを出力する。
【0145】
第二の平均値算出部94は、暗部パターンデータ抽出部92から、暗部パターンデータを受け取ると、暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、第一の汚損レベル判別部95および第二の汚損レベル判別部96に出力する。
【0146】
第一の平均値算出部93から、明部データ信号強度平均値が入力され、第二の平均値算出部94から、暗部データ信号強度平均値が入力されると、第一の汚損レベル判別部95は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差を求め、金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのしきい値の中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の対応する面のしきい値T1kを選択して、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と比較する。
【0147】
その結果、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1k以上であると判定したときは、第一の汚損レベル判別部95は、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、第一の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部98に出力する。
【0148】
これに対し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差がしきい値T1k未満であると判定したときは、第一の汚損レベル判別部95は、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、第一の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部98に出力する。
【0149】
一方、第一の平均値算出部93から、明部データ信号強度平均値が入力され、第二の平均値算出部94から、暗部データ信号強度平均値が入力されると、第二の汚損レベル判別部96は、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を求め、金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのアルゴリズムの中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の対応する面のアルゴリズムを選択して、選択されたアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を評価する。
【0150】
金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのアルゴリズムの中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の対応する面のアルゴリズムを選択し、選択したアルゴリズムにしたがって、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和を評価し、硬貨1の上面の汚損レベルを判別すると、第二の汚損レベル判別部96は、第二の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部98に出力する。
【0151】
金種決定部76から出力された金種決定信号および硬貨面特定信号は、第三の汚損レベル判別部97にも入力され、金種決定信号および硬貨面特定信号を受けると、第三の汚損レベル判別部97は、金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づき、基準汚損データ記憶手段48に記憶されている硬貨1の金種および面ごとのしきい値の中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の対応する面のしきい値T2kを選択し、選択したしきい値T2kと、金種決定部76から入力された変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータとを比較する。
【0152】
その結果、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータがしきい値T2k以上であると判定したときは、第三の汚損レベル判別部97は、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別し、第三の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部98に出力する。
【0153】
これに対して、変換パターンデータと基準パターンデータとの一致の程度を示すパターンマッチングデータがしきい値T2k未満であると判定したときは、第三の汚損レベル判別部97は、硬貨1の上面の汚損レベルが、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、第三の汚損レベル判別信号を、汚損レベル決定部98に出力する。
【0154】
最後に、第一の汚損レベル判別部95から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部96から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部97から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、汚損レベル判別部98によって、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えているか否かが決定される。
【0155】
すなわち、第一の汚損レベル判別部95から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部96から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部97から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部95、第二の汚損レベル判別部96および第三の汚損レベル判別部97が、いずれも、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別していると判定したときは、汚損レベル判別部98は、最終的に、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別する。
【0156】
一方、第一の汚損レベル判別部95から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部96から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部97から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部95、第二の汚損レベル判別部96および第三の汚損レベル判別部97がいずれも、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別していると判定したときは、汚損レベル判別部98は、最終的に、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、硬貨判別手段54に汚損硬貨検出信号を出力する。
【0157】
これに対して、第一の汚損レベル判別部95から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部96から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部97から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部95、第二の汚損レベル判別部96および第三の汚損レベル判別部87の判別結果が一致していないと判定したときは、一般に、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差に基づく判別結果が最も信頼性が高いから、汚損レベル判別部98は、第一の汚損レベル判別部95の判別結果にしたがって、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると、最終的に判別し、あるいは、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると最終的に判別して、硬貨判別手段54に汚損硬貨検出信号を出力する。
【0158】
硬貨判別手段54は、第二の判別手段51の金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号ならびに第三の判別手段53の金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づき、第二の判別手段51によって判別された硬貨1の金種と、第三の判別手段52によって判別された硬貨1の金種とが一致し、かつ、第二の判別手段51によって判別された硬貨1の面がその金種の硬貨1の一方の面で、第三の判別手段52によって判別された硬貨1の面がその金種の硬貨1の他方の面であると判定したときは、硬貨1は、第二の判別手段51および第三の判別手段52によって判別された金種の受け入れ可能な硬貨であると、最終的に判定する。
【0159】
これに対して、第二の判別手段51の金種決定部66から、受け入れ不能硬貨検出信号が入力されているとき、第三の判別手段52の金種決定部76から、受け入れ不能硬貨検出信号が入力されているとき、第二の判別手段51の金種決定部66から入力された金種決定信号および第三の判別手段52の金種決定部76から入力された金種決定信号に基づき、第二の判別手段51によって判別された硬貨1の金種と、第三の判別手段52によって判別された硬貨1の金種とが一致しないと判定したとき、あるいは、第二の判別手段51の金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号ならびに第三の判別手段52の金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づき、第二の判別手段51によって判別された硬貨1の金種と、第三の判別手段52によって判別された硬貨1の金種とが一致しているが、第二の判別手段51によって判別された硬貨1の面がその金種の硬貨1の一方の面で、第三の判別手段52によって判別された硬貨1の面がその金種の硬貨1の他方の面ではないと判別したときは、硬貨判別手段54は、硬貨1は、偽貨や外国硬貨などの受け入れ不能な硬貨であると判定し、表示手段(図示せず)に、受け入れ不能硬貨検出信号を出力して、偽貨や外国硬貨などの受け入れ不能な硬貨が検出された旨を表示させる。
【0160】
さらに、第一の汚損レベル判別手段67の汚損レベル決定部88から、汚損硬貨検出信号が入力されているとき、あるいは、第二の汚損レベル判別手段77の汚損レベル決定部98から、汚損硬貨検出信号が入力されているときは、硬貨判別手段54は、硬貨1は、汚損レベルが所定レベルを越えた汚損硬貨であると判定し、表示手段(図示せず)に、汚損硬貨検出信号を出力して、汚損レベルが所定レベルを越えた汚損硬貨が検出された旨を表示させる。
【0161】
こうして、受け入れ不能な硬貨と判別された硬貨あるいは汚損レベルが所定レベルを越えた汚損硬貨であると判別された硬貨は選別され、受け入れ可能と判別された硬貨とは、別個の回収される。
【0162】
本実施態様によれば、発光素子20から発せられ、硬貨1の一方の面によって反射された光を、センサ24によって、光電的に検出して、第一の画像データ生成手段22により生成された硬貨1の一方の面のパターンデータおよび発光素子30から発せられ、硬貨1の他方の面によって反射された光を、センサ34によって、光電的に検出して、第二の画像データ生成手段32により生成された硬貨1の他方の面のパターンデータに基づいて、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別するとともに、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されいるから、装置を大型化させることなく、第一の発光手段21および第一の画像データ生成手段22によって構成された第一のパターンデータ検出ユニット4と、第二の発光手段31および第二の画像データ生成手段32によって構成された第二のパターンデータ検出ユニット5とを、硬貨通路2に沿って、配置するだけで、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別するとともに、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することができ、硬貨判別装置を小型化することが可能になる。
【0163】
さらに、本実施態様によれば、汚損レベルの高い硬貨1ほど、明部データ信号強度平均値が低くなり、その一方で、汚損レベルの高い硬貨1ほど、暗部データ信号強度平均値が高くなるという新規な知見に基づき、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差と、しきい値T1jとを比較することによって、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されているから、精度良く、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することが可能になる。
【0164】
また、本実施態様によれば、データ処理手段65、75によって、rθ座標系に、座標変換された変換パターンデータに、エッジ強調処理を施し、rθ座標系に、座標変換された基準パターンデータと比較して、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別しているから、精度良く、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別することが可能になる。
【0165】
さらに、本実施態様によれば、硬貨1の両面のパターンに基づいて、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別するとともに、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別しているから、精度良く、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種を判別することが可能になり、また、硬貨1の一方の面が、所定レベルを越えて、汚損されている場合にも、確実に、汚損硬貨を判別することが可能になる。
【0166】
図15は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる硬貨判別装置の略縦方向断面図である。
【0167】
図15に示されるように、本実施態様にかかる硬貨判別装置は、第二のパターンデータ検出ユニット5の上流側の部分から下流側の部分にわたって、硬貨通路部材3が切断されており、その部分に、硬貨通路部材3の上面よりも上方に位置する搬送ベルト7が設けられている。したがって、硬貨通路部材の上面により、その下面が支持されつつ、搬送ベルト6によって搬送されて来た硬貨1は、その下面が、搬送ベルト7によって支持され、第二のパターンデータ検出ユニット5の部分に搬送されるように構成されている。
【0168】
第二のパターンデータ検出ユニット5によって、硬貨1の上面のパターンデータが検出されると、硬貨1は、搬送ベルト39によって、硬貨通路部材3の上面に押圧されつつ、硬貨通路2内を、さらに下流側に向けて、送られる。
【0169】
本実施態様においては、第一のパターンデータ検出ユニット4の部分においては、硬貨1は、搬送ベルト6によって、硬貨通路部材3に形成された第一の透明通路部9の上面に押圧されつつ、搬送されている状態で、硬貨通路部材3の下方に配置された発光素子20から、第一の透明通路部9を介して、光を照射され、硬貨1の下面からの反射光が、センサ24によって、光電的に検出されて、硬貨1の下面のパターンデータが生成され、さらに、硬貨1は、硬貨通路部材3から、搬送ベルト7に受け渡され、搬送ベルト7によって、その下面が支持されて、搬送ベルト7の上方に設けられ、硬貨通路形成部材8の下面に押圧されつつ、搬送されている状態で、硬貨通路形成部材8の上方に配置された発光素子30から、硬貨通路形成部材8に形成された第二の透明通路部10を介して、光を照射されて、硬貨1の上面からの反射光が、センサ34によって、光電的に検出されて、硬貨1の上面のパターンデータが生成されている。したがって、本実施態様によれば、硬貨1を搬送しながら、所望のように、硬貨1の両面の光学パターンを検出して、得られた硬貨1の両面のパターンデータに基づいて、硬貨1が受け入れ可能か否かおよび硬貨1の金種ならびに硬貨1の汚損レベルを判別することが可能になる。
【0170】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0171】
たとえば、前記実施態様においては、第一の汚損レベル判別部85から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部86から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部87から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部85、第二の汚損レベル判別部86および第三の汚損レベル判別部87の判別結果が一致していないと判定したときは、汚損レベル判別部88は、第一の汚損レベル判別部85の判別結果にしたがって、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると、最終的に判別し、あるいは、硬貨1の下面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると最終的に判別して、硬貨判別手段54に、汚損硬貨検出信号を出力し、第一の汚損レベル判別部95から入力された第一の汚損レベル判別信号、第二の汚損レベル判別部96から入力された第二の汚損レベル判別信号および第三の汚損レベル判別部97から入力された第三の汚損レベル判別信号に基づき、第一の汚損レベル判別部95、第二の汚損レベル判別部96および第三の汚損レベル判別部87の判別結果が一致していないと判定したときは、汚損レベル判別部98は、第一の汚損レベル判別部95の判別結果にしたがって、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると、最終的に判別し、あるいは、硬貨1の上面の汚損レベルが所定レベルを越えて、汚損されていると最終的に判別して、硬貨判別手段54に汚損硬貨検出信号を出力するように構成されているが、それぞれの判別結果に、重み係数を乗じて、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差に基づく判別結果、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和に基づく判別結果およびパターンマッチングデータに基づく判別結果にしたがって、総合的に、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するようにしてもよい。
【0172】
また、前記実施態様においては、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和およびパターンマッチングデータに基づいて、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されているが、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和およびパターンマッチングデータの3つのファクターに基づいて、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成することは必ずしも必要でなく、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和およびパターンマッチングデータのうちの1または2つのファクターに基づいて、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成することもできる。
【0173】
さらに、前記実施態様においては、第一の汚損レベル判別手段67が、金種決定部66から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶されている各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、金種決定部66が決定した金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを読み出して、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように、基準パターンデータを二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成し、基準明部パターンデータを明部パターンデータ抽出部81に出力するとともに、基準暗部パターンデータを暗部パターンデータ抽出部82に出力する二値化パターンデータ生成部80を備え、第二の汚損レベル判別手段77が、金種決定部76から入力された金種決定信号および硬貨面特定信号に基づいて、基準パターンデータ記憶手段47に、rθ座標系に展開されて、記憶されている各金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータの中から、金種決定部76が決定した金種の硬貨1の表裏面の基準パターンデータを読み出して、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように、基準パターンデータを二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成し、基準明部パターンデータを明部パターンデータ抽出部91に出力するとともに、基準暗部パターンデータを暗部パターンデータ抽出部92に出力する二値化パターンデータ生成部90を備えているが、あらかじめ、各金種の硬貨の表裏面の基準パターンデータを、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、データ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータを生成して、基準パターンデータ記憶手段47に記憶させ、第一の汚損レベル判別手段67の明部パターンデータ抽出部81および暗部パターンデータ抽出部82ならびに第二の汚損レベル判別手段77の明部パターンデータ抽出部81および暗部パターンデータ抽出部92が、それぞれ、基準パターンデータ記憶手段47に記憶されている基準明部パターンデータおよび基準暗部パターンデータを読み出して、明部パターンデータおよび暗部パターンデータを抽出するように構成することもできる。このように構成することによって、演算時間を短縮させて、判別の効率化を図ることが可能になる。
【0174】
また、前記実施態様においては、モノクロタイプのセンサ24およびモノクロタイプのセンサ34を用いて、硬貨1の表裏面のパターンデータを生成しているが、モノクロタイプのセンサ24およびモノクロタイプのセンサ34に代えて、カラーセンサを用いて、カラーパターンデータを生成し、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との差、明部データ信号強度平均値と暗部データ信号強度平均値との和およびパターンマッチングデータに基づいて、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているかを判別するとともに、硬貨1の表裏面のカラーパターンデータ中のRデータ、GデータおよびBデータに基づき、硬貨1の表裏面の色度データおよび明度データを算出し、基準色度データおよび基準明度データと比較して、硬貨1が所定レベルを越えて、汚損されているかを判別するように構成することもできる。
【0175】
さらに、本明細書において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が、ソフトウエアによって実現される場合も包含する。また、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0176】
【発明の効果】
本発明によれば、装置を大型化させることなく、硬貨の表面パターンを光学的に検出して、硬貨が受け入れ可能か否か、硬貨の金種および硬貨が所定レベルを越えて汚損しているか否かを、確実に判別することができる硬貨判別方法および装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の好ましい実施態様にかかる硬貨判別装置の略縦方向断面図である。
【図2】図2は、第一の透明通路部の略平面図である。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施態様にかかる硬貨判別装置の検出系、制御系、判別系を示すブロックダイアグラムである。
【図4】図4は、第二の判別手段のブロックダイアグラムである。
【図5】図5は、第三の判別手段のブロックダイアグラムである。
【図6】図6は、第一の汚損レベル判別手段のブロックダイアグラムである。
【図7】図7は、第二の汚損レベル判別手段のブロックダイアグラムである。
【図8】図8は、中心座標決定部によって実行されるパターンデータの中心座標の算出方法を示す概念図である。
【図9】図9は、センサにより生成され、画像パターンデータメモリに展開されて、記憶された硬貨のパターンデータの一例を示す図面である。
【図10】図10は、パターンデータ変換手段によって、図9に示されたパターンデータが、rθ座標系に、座標変換されて、生成された変換パターンデータの例を示す図面である。
【図11】図11は、rθ座標系に、展開された硬貨の基準パターンデータの例を示す図面である。
【図12】図12は、データ中心から所定の距離r0の図10に示された変換パターンデータを360度の範囲にわたって、読み取ったパターンデータ値を示すグラフである。
【図13】図13は、データ中心から所定の距離r0の図13に示された基準パターンデータを360度の範囲にわたって、読み取ったパターンデータ値を示すグラフである。
【図14】図14は、展開し直された変換パターンデータを示す図面である。
【図15】図15は、本発明の別の好ましい実施態様にかかる硬貨判別装置の略縦方向断面図である。
【符号の説明】
1 硬貨
2  硬貨通路
3  硬貨通路部材
4  第一のパターンデータ検出ユニット
5  第二のパターンデータ検出ユニット
6  搬送ベルト
7  搬送ベルト
7a  開口部
7b、7c  バックアップローラ
8  硬貨通路形成部材
9  第一の透明通路部
10  第二の透明通路部
11  ガイドレール
12  磁気センサ
20  発光素子
21  第一の発光手段
22  第一の画像データ生成手段
23  レンズ系
24  センサ
25  発光素子
26  受光素子
27  タイミングセンサ
28  A/Dコンバータ
30  発光素子
31  第二の発光手段
32  第二の画像データ生成手段
33  レンズ系
34  センサ
35  発光素子
36  受光素子
37  タイミングセンサ
38  A/Dコンバータ
39  搬送ベルト
40  発光制御手段
41  画像読み取り制御手段
45  第一の基準データメモリ
46  第二の基準データメモリ
47 基準パターンデータ記憶手段
48 基準汚損データ記憶手段
50 第一の判別手段
51 第二の判別手段
52 第三の判別手段
54 硬貨判別手段
60 画像パターンデータメモリ
61 第一の金種判別部
62 第二の金種判別部
63 中心座標決定手段
64 パターンデータ変換手段
65 データ処理手段
66 金種決定手段
67 第一の汚損レベル判別手段
70 画像パターンデータメモリ
71 第一の金種判別部
72 第二の金種判別部
73 中心座標決定手段
74 パターンデータ変換手段
75 データ処理手段
76 金種決定手段
77 第二の汚損レベル判別手段
80 二値化パターンデータ生成部
81 明部パターンデータ抽出部
82 暗部パターンデータ抽出部
83 第一の平均値算出部
84 第二の平均値算出部
85 第一の汚損レベル判別部
86 第二の汚損レベル判別部
87 第三の汚損レベル判別部
88 汚損レベル決定部
90 二値化パターンデータ生成部
91 明部パターンデータ抽出部
92 暗部パターンデータ抽出部
93 第一の平均値算出部
94 第二の平均値算出部
95 第一の汚損レベル判別部
96 第二の汚損レベル判別部
97 第三の汚損レベル判別部
98 汚損レベル決定部

Claims (13)

  1. 硬貨の表面に光を照射し、前記硬貨の表面によって反射された光を光電的に検出して、前記硬貨の表面の検出パターンデータを生成し、対応する金種の硬貨の基準パターンデータを、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、生成されたデータ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータに基づき、前記検出パターンデータから、前記基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、前記検出パターンデータから、前記基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、前記明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、前記暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差を算出して、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差が、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別することを特徴とする硬貨判別方法。
  2. さらに、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を算出して、対応する金種のアルゴリズムにしたがって、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を評価して、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別することを特徴とする請求項1に記載の硬貨判別方法。
  3. さらに、前記検出パターンデータと前記基準パターンデータとをパターンマッチングによって、比較し、前記検出パターンデータと前記基準パターンデータとのパターンの一致の程度を検出し、前記検出パターンデータと前記基準パターンデータとのパターンの一致の程度が、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別することを特徴とする請求項1または2に記載の硬貨判別方法。
  4. 前記硬貨が、白銅系材料、黄銅系材料または青銅系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、前記硬貨が、アルミニウム系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面が、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別することを特徴とする請求項2または3に記載の硬貨判別方法。
  5. 前記検出パターンデータおよび前記基準パターンデータが、rθ座標系に展開されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の硬貨判別方法。
  6. 硬貨の下面を支持する硬貨通路部材と、前記硬貨通路部材の上方に設けられ、前記硬貨通路部材との間に、硬貨通路を形成し、前記硬貨通路部材との間で、硬貨を挟持して搬送可能な第一の搬送ベルトと、第一の搬送ベルトによって、前記前記硬貨通路部材上を搬送されている硬貨の下面に向けて、前記硬貨通路部材に形成された第一の透明通路部を介して、光を発する第一の光源と、前記第一の光源から発せられ、前記硬貨の下面により反射された光を、前記第一の透明通路部を介して、光電的に受光し、前記硬貨の下面の検出パターンデータを生成する第一の受光手段と、硬貨の下面を支持する第二の搬送ベルトと、前記第二の搬送ベルトの上方に設けられ、その下面と前記第二の搬送ベルトとの間に、前記硬貨通路を形成し、その下面と前記第二の搬送ベルトとの間で、硬貨を挟持して搬送可能な硬貨通路形成部材と、前記第二の搬送ベルトによって支持されつつ、搬送されている硬貨の上面に向けて、前記硬貨通路形成部材に形成された第二の透明通路部を介して、光を発する第二の光源と、前記第二の光源から発せられ、前記硬貨の上面により反射された光を、前記第二の透明通路部を介して、光電的に受光し、前記硬貨の上面の検出パターンデータを生成する第二の受光手段と、前記第一の受光手段により生成された前記硬貨の下面の検出パターンデータを記憶する第一のパターンデータ記憶手段と、前記第二の受光手段により生成された前記硬貨の上面の検出パターンデータを記憶する第二のパターンデータ記憶手段と、金種毎の硬貨の基準パターンデータを記憶する基準パターンデータ記憶手段と、金種毎の硬貨の基準汚損レベルデータを記憶する基準汚損レベルデータ記憶手段と、前記第一のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の下面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較するとともに、前記第二のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の上面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較して、前記硬貨が受け入れ可能か否かおよび前記硬貨の金種を判別する金種判別手段と、前記第一のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の下面の検出パターンデータおよび前記第二のパターンデータ記憶手段に記憶された前記硬貨の上面の検出パターンデータに基づき、前記硬貨が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別する汚損レベル判別手段を備え、前記汚損レベル判別手段が、前記金種判別手段が判別した金種の硬貨の表裏面の基準パターンデータを、所定強度信号レベル以上の信号強度レベルを有する画素データが「1」に、所定信号強度レベル未満の信号強度レベルを有する画素データが「0」になるように二値化して、生成されたデータ「1」の画素データからなる基準明部パターンデータおよびデータ「0」の画素データからなる基準暗部パターンデータに基づき、前記硬貨の下面の検出パターンデータから、硬貨の下面の前記基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、前記硬貨の下面の前記検出パターンデータから、硬貨の下面の前記基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、前記明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、前記暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差を算出して、前記基準汚損レベルデータ記憶手段に記憶されている各金種の表面および裏面についてのしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の下面のしきい値と比較し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差が、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の下面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、前記硬貨の上面の検出パターンデータから、硬貨の上面の前記基準明部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる明部パターンデータを抽出するとともに、前記硬貨の上面の前記検出パターンデータから、硬貨の上面の前記基準暗部パターンデータに含まれている画素に対応する画素からなる暗部パターンデータを抽出し、前記明部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、明部データ信号強度平均値を算出するとともに、前記暗部パターンデータに含まれた画素の信号強度レベルを平均して、暗部データ信号強度平均値を算出し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差を算出して、前記基準汚損レベルデータ記憶手段に記憶されている各金種の表面および裏面についてのしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の上面のしきい値と比較し、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との差が、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の上面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の上面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するように構成されたことを特徴とする硬貨判別装置。
  7. 前記基準パターンデータ記憶手段が、前記基準明部パターンデータおよび前記基準暗部パターンデータを記憶するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の硬貨判別装置。
  8. 前記汚損レベル判別手段が、前記基準パターンデータ記憶手段に記憶されている前記金種判別手段が判別した金種の硬貨の下面の前記基準明部パターンデータおよび前記基準暗部パターンデータならびに硬貨の上面の前記基準明部パターンデータおよび前記基準暗部パターンデータを生成するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の硬貨判別装置。
  9. 前記汚損レベル判別手段が、さらに、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を算出して、対応する金種のアルゴリズムにしたがって、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を評価して、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成され、前記基準汚損レベルデータ記憶手段が、前記アルゴリズムを、硬貨の金種毎に記憶するように構成されたことを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の硬貨判別装置。
  10. 前記汚損レベル判別手段が、さらに、前記金種判別手段によって実行された前記硬貨の下面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとのパターンマッチングの一致の程度を、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の下面のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の下面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときは、前記硬貨の下面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別し、前記金種判別手段によって実行された前記硬貨の上面の検出パターンデータと前記基準パターンデータ記憶手段に記憶された硬貨の金種毎の前記基準パターンデータとのパターンマッチングの一致の程度を、各金種の表面および裏面につき定められたしきい値のうち、前記金種判別手段によって判別された金種の硬貨の上面のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときは、前記硬貨の上面の汚損レベルが所定レベル以上であると判別するとともに、前記しきい値未満のときは、前記硬貨の上面が、所定レベルを越えて、汚損されているか否かを判別するように構成されるとともに、前記基準汚損レベルデータ記憶手段が、各金種の表面および裏面につき定められた前記しきい値を記憶するように構成されたことを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の硬貨判別装置。
  11. 前記アルゴリズムが、硬貨が、白銅系材料、黄銅系材料または青銅系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別し、前記硬貨が、アルミニウム系材料によって形成されている場合は、前記明部データ信号強度平均値と、前記暗部データ信号強度平均値との和を、金種毎に定められたしきい値のうち、対応する金種の硬貨のしきい値と比較し、前記しきい値以上のときに、前記硬貨の表面が、前記硬貨の表面が、所定レベルを越えて、汚損されていると判別するとともに、前記しきい値未満のときに、前記硬貨の表面の汚損レベルが所定レベル以下であると判別するように決定されたことを特徴とする請求項9または10に記載の硬貨判別装置。
  12. 前記金種判別手段が、rθ座標系に展開された前記基準パターンデータと、rθ座標系に展開された検出パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較することによって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するように構成されたことを特徴とする請求項6ないし11のいずれか1項に記載の硬貨判別装置。
  13. さらに、前記検出パターンデータにエッジ強調処理を施すデータ処理手段を備え、前記金種判別手段が、前記基準パターンデータと、エッジ強調処理が施された前記検出パターンデータとを、パターンマッチングによって、比較することによって、硬貨が受け入れ可能か否かおよび硬貨の金種を判別するように構成されたことを特徴とする請求項6ないし12のいずれか1項に記載の硬貨判別装置。
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