JP2004069729A - 光点式表示器 - Google Patents

Abstract

【課題】建築工事中の建物のガラス面などに着脱自在に取り付けて、暗い環境下でも「ガラス危険」等の注意を喚起することができるとともに、工事完了後の建物にも好適に使用することができる美観を備えた光点式表示器の提供を目的とする。
【解決手段】光点式表示器１は、透光性を有する導光板２の表面に微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、側面に配設した光源４からの光を反射ドットで反射させることにより導光板の表示面側に反射ドットの配列を光の点からなる文字、図形、記号等の表示体として表示する。導光板２には、窓、壁面、天井等の各種構造体に着脱自在に止着させるための吸盤からなる止着部材５を備える。
【選択図】　図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透光性を有する導光板の表面に微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、その側面からの光を反射ドットで反射させ表示面側に反射ドットの配列を光の点からなる表示体として表示する光点式表示器に係り、特に工事中の建物のガラス面や天井等に取り付けて暗がりで注意を喚起する等の目的に好適に使用することができる光点式表示器に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、建築工事中のビル、マンション、住宅などにあっては、透明なガラス部分を何もないと誤認してぶつかってけがをしたり、ガラスを破損したりする虞があることから、このような事故を防ぐためにはガラス面に「ガラス危険」等の注意書きをペイントしたり、注意書きを表示した紙片を貼ったり、ガラス全面にカバーシートを貼着して不透明にしたりすることが行われている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した「ガラス危険」の注意書きをペイントしたり、紙片やカバーシートを貼ったりする従来の方法では、ガラス面を汚損することにもなり、後で清掃する手間を考えると好ましくなく、また夜間など暗くなるとその注意書きも見えなくなって注意を喚起する作用も発揮できないものであった。さらに、これらは工事中は一時的に使用できるものの、工事完了後の建物にも恒常的に使用することができるほどの美観を有する注意書きや掲示体は存在しなかった。
【０００４】
そこで本発明は、建築工事中の建物のガラス面などに着脱自在に取り付けて、暗い環境下でも「ガラス危険」等の注意を喚起することができるとともに、工事完了後の建物にも好適に使用することができる美観を備えた光点式表示器の提供を目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光点式表示器は、透光性を有する導光板の表面に微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、側面に配設した光源からの光を上記反射ドット群で反射させることにより上記導光板の表示面側に反射ドット群からなる文字、図形、記号等の表示体として表示するとともに、上記導光板には窓、壁面、天井等の各種構造体に止着するための止着部材を備えてなることを特徴とするものである。
【０００６】
また、光源への電源供給手段として太陽電池を備えてなることを特徴とするものである。
【０００７】
また、導光板の相対向する２面に反射ドット群を形成し、この反射ドット群に光源からの光を反射させ上記相対向する２面のうち一方面に形成した反射ドット群からなる文字、図形、記号等の表示体を他方面側に、かつ他方面に形成した反射ドット群からなる文字、図形、記号等の表示体を一方面側に表示することを特徴とするものである。
【０００８】
また、止着部材は各種構造体に対し着脱自在としたことを特徴とするものである。
【０００９】
【発明の実施の形態】
図１及び図２は、本発明の光点式表示器の第１の実施例を示しており、光点式表示器１は、アクリル等の合成樹脂からなる透光性を有する導光板２の下側面３に、複数個のＬＥＤからなる光源４を配置するとともに、導光板２の四隅にはこれをガラス面や外壁等の構造体に着脱自在に止着させるための吸盤からなる止着部材５を設けている。６は、導光板２の下側面３を除く３方の端面に貼着し光源４からの光を反射して無駄なく利用するための反射テープ、７は光源４に電源を供給するＡＣアダプター、８は止着部材５の着脱操作をするために導光板２を貫通する把手である。尚、光源４の電源にＡＣアダプター７を使用するだけでなく、電池を内蔵させる構成としてもよく、さらに光源４部分に光源４を適宜に点滅させる制御回路を備えることにより、注意喚起効果と省エネルギー効果を発揮させてもよいものである。
【００１０】
導光板２は、その下側面３と連設する導光板２の裏面９（図１の奥側）に、図２に示す表示体となる多数の微小な凹部からなる円と長方形から構成される「進入禁止」の図形からなる反射ドット群１０を形成するとともに、下側面３から入射する光源４からの光を反射ドット群１０で反射し、これを導光板２の表示面１１側に光の表示体として表示する。また表示面１１には、表示体となる多数の微小な凹部からなる「矢印」の図形からなる反射ドット群１２を形成するとともに、下側面３から入射する光源４からの光を反射ドット群１２で反射し、これを導光板２の裏面９側に光の表示体として表示する。すなわち、本発明の光点式表示器１を図２に示すごとくガラス１３に取り付けた場合に、建物外には「進入禁止」の図形が表示されるとともに、建物内には「矢印」の図形が表示される。尚、例えば建物の外に向けてのみ表示する場合には、導光板２の裏面９にだけ反射ドット群１０を形成すればよい。
【００１１】
このような構成の光点式表示器は、僅かな光源で表示を行えて駆動回路を簡単にすることができることから大型化が容易であり、また一部の光源が消灯した場合でも表示内容に欠陥が生じることのない使いやすいものであるとともに、ローコスト、高品質、かつ省エネルギーに対応した優れたものである。
【００１２】
本発明の光点式表示器１を製造するに際しては、まず導光板２の表示面・裏面にレーザー加工、エッチング、切削加工、樹脂成形等により、図４のごとき表示面・裏面と平行な面で切断した横断面形状が円、若しくは楕円で深くなるほど幅径が小さくなる椀形状若しくは錐体形状の凹部からなる反射ドット１４を、図３に示すような配列で形成する。この反射ドット１４の配列を、光源４側から見て１列ごとに反射ドット１４が互い違いになるように配置することで、反射ドットと反射ドットの隙間に無駄に光を透過させることなく、配列の全域に亘って効率よく反射ドット１４に光を反射させることができ、また反射ドットと反射ドットとの間の非点灯部分が線状にならずに輝度むらのない均等な明るさの表示が得られる。
【００１３】
反射ドット１４の寸法・配列の一例としては、横断面の直径が３００μｍで、深さが２００μｍで、横方向のピッチが５００μｍ、縦方向のピッチが５００μｍとするものである。この反射ドット１４を導光板２に形成する手段としては、レーザー加工、エッチング、切削加工、樹脂成形等があるが、反射ドットの幅径やピッチを自在に制御することができることからして、レーザー加工が最も適している。また、反射ドットの横断面形状は、円、楕円以外にも長円、ひょうたん形、繭形等の短軸と長軸を有する椀形状、錐体形状、鍋底形状等であっても同様の効果を発揮し得るものである。また、反射ドット１４の寸法については、光源４が消灯時に反射ドット群が視認されない（即ち、透明に見える）ようにするためには上述したごとく小さくしたほうがよく、また逆に光源４が消灯しても反射ドット群が外光を反射することで白濁化して視認できるようにするためには反射ドットを大きめに形成したり、凹面を粗面にしたりするものである。
【００１４】
図５は、本発明の光点式表示器の第２の実施例を示しており、本実施例の光点式表示器１５にあっては、天井等から垂下して取り付けるべく、導光板１６に吸盤を備える代わりに吊り下げ具からなる止着部材１７を備えるものである。この光点式表示器１５にあっても、前述した第１の実施例と同様に導光板１６の相対向する両面に反射ドット群を形成することで２方向から見た場合に異なる表示体を表すことができる。ただし、この光点式表示器１５では、中空に配置させることから光源４に電源を供給するＡＣアダプター７を用いずに、電池を内蔵させる構成とする方がより好適である。
【００１５】
図６は、本発明の光点式表示器の第３の実施例を示しており、この実施例の光点式表示器１８にあっては、導光板１９の裏面に太陽光を光電変換により電気エネルギーに変換する太陽電池２０を配設し、また太陽電池２０の起電力を充電する二次電池２１を備えるとともに、光源４の点灯を制御するための制御手段２２を設けている。また本実施例にあっては、太陽電池２０が不透明であることから、反射ドット群は導光板１９の裏面にのみ形成しており、それ以外の構成は前述した第１の実施例と同様である。そして、昼間は透明なガラス１３と導光板１９を通して太陽光が太陽電池２０を照射し、これにより発生した起電力を二次電池２１に充電するとともに、充電された二次電池２１から光源４へ通電して反射ドット群の表示体を明るく表示させるものである。尚、明るい昼間の間は光源４を消灯し、外光を反射ドット群に反射させて表示体を白濁化して表示させるとともに、制御手段２２に設けた明るさセンサー（図示せず）が反射ドット群の表示体が見えにくくなる明るさを検出して二次電池２１から光源４へ通電させる構成としてもよいものである。また、太陽電池を導光板１９の裏面以外に配設する場合には導光板１９の両面に反射ドット群を形成してもよいものである。
【００１６】
尚、反射ドット群による表示体の例としては、上述した進入禁止や矢印の図形以外にも、「ガラス注意」、「キケン」、「前面注意」「進入禁止」、「歩行注意」、「頭上注意」、「非常口」などの文字も使用できる。さらに、特に図示しないが、反射ドット群からなる表示体を形成した導光板と光源との対を複数並設させ、それぞれ単独若しくは組み合わせて各光源を点灯させることで、複数の表示を行わせることも可能となるものである。
【００１７】
【発明の効果】
以上詳述した如く、本発明の光点式表示器によれば、透光性を有する導光板の表面に微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、側面に配設した光源からの光を上記反射ドットで反射させることにより上記導光板の表示面側に反射ドットの配列を光の点からなる文字、図形、記号等の表示体として表示するとともに、上記導光板には窓、壁面、天井等の各種構造体に止着するための止着部材を備えることで、建築工事中の建物のガラス面などに着脱自在に取り付けて、昼間のみならず暗い環境下でも「ガラス危険」等の注意を喚起することができるとともに、工事完了後の建物にも好適に使用することができるほどに美観を有するものである。
【００１８】
また、光源への電源供給手段として太陽電池を備えることで、光点式表示器を建築工事中の建物のガラス面などに着脱自在に取り付けて、昼間のみならず暗い環境下でも「ガラス危険」等の注意を喚起することができるとともに、建物の屋外に面するガラス面、壁面等のＡＣ電源の供給が困難な場所であっても表示器として好適に使用することができるものである。
【００１９】
また、導光板の相対向する２面に反射ドット群を形成し、この反射ドット群に光源からの光を反射させ上記相対向する２面のうち一方面に形成した反射ドット群からなる字、図形、記号等の表示体を他方面側に、かつ他方面に形成した反射ドット群からなる字、図形、記号等の表示体を一方面側に表示することで、１つの導光板でその一方面と他方面側にそれぞれ異なる表示体を表示させることができるので、表示器を小型化することができきわめて便宜である。
【００２０】
また、止着部材を各種構造体に対し着脱自在とすることで、従来困難であったガラスなどの構造体に対しても光点式表示器を容易に取り付け、取り外しが行えて便宜である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の光点式表示器の第１の実施例を示す分解斜視図である。
【図２】本発明の光点式表示器の第１の実施例の使用状態を示す断面図である。
【図３】本発明の光点式表示器の反射ドットの配列を示す説明図である。
【図４】本発明の光点式表示器の反射ドットを示す説明図である。
【図５】本発明の光点式表示器の第２の実施例の使用状態を示す斜視図である。
【図６】本発明の光点式表示器の第３の実施例の使用状態を示す断面図である。
【符号の説明】
１　光点式表示器
２　導光板
３　側面
４　光源
５　止着部材
６　反射テープ
７　ＡＣアダプター
８　把手
９　裏面
１０　反射ドット群
１１　表示面
１２　反射ドット群
１３　反射ドット
１４　ガラス
１５　光点式表示器
１６　導光板
１７　止着部材
１８　光点式表示器
１９　導光板
２０　太陽電池
２１　二次電池
２２　制御手段

Claims (4)

1. 透光性を有する導光板の表面に微小な凹部からなる反射ドットを複数形成し、側面に配設した光源からの光を上記反射ドット群で反射させることにより上記導光板の表示面側に反射ドット群からなる文字、図形、記号等の表示体として表示するとともに、上記導光板には窓、壁面、天井等の各種構造体に止着するための止着部材を備えてなることを特徴とする光点式表示器。
2. 光源への電源供給手段として太陽電池を備えてなることを特徴とする請求項１記載の光点式表示器。
3. 導光板の相対向する２面に反射ドット群を形成し、この反射ドット群に光源からの光を反射させ上記相対向する２面のうち一方面に形成した反射ドット群からなる文字、図形、記号等の表示体を他方面側に、かつ他方面に形成した反射ドット群からなる文字、図形、記号等の表示体を一方面側に表示することを特徴とする請求項１記載の光点式表示器。
4. 止着部材は各種構造体に対し着脱自在としたことを特徴とする請求項１記載の光点式表示器。

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