JP2004068593A - 掘削器具用コーナツースアダプタ構造 - Google Patents

Abstract

【課題】　掘削器具用コーナツースアダプタ構造を提供する。
【解決手段】　本発明は、作業ツースを器具バケットに取り付けるコーナアダプタに関する。コーナアダプタは、ノーズ部、底部ストラップおよび上部ストラップを含む。ノーズ部と底部ストラップは実質的に共通長手方向軸に沿って配列され、上部ストラップは、オフセット角度を定める長手方向軸に沿って配列される。コーナアダプタを側壁に係合させるためにカットアウト部とガセットが上部ストラップに提供される。
【選択図】　図１

Description

　本発明は、一般に掘削機械用のバケットに関し、より詳しくは、作業ツース（ｇｒｏｕｎｄ　ｅｎｇａｇｉｎｇ　ｔｏｏｔｈ）を掘削バケットに取り付けるコーナアダプタに関する。

　油圧掘削機、バックホウ、ホイールローダ等のような掘削機用のバケットは、カッティングエッジに配置した複数の作業ツースを含む。作業ツースは、一対のバケット側壁間に均等に間隔をおいて配置される。各ツースは、アダプタに着脱自在に取り付けられ、それらは次にバケットのカッティングエッジに溶接される。大部分のツースおよびアダプタは前方縁部から垂直外方に延在しているが、バケットのコーナに配置された数個のチップは、側壁を越えて外方に延在するように配置される。両コーナ部のツースが外方に傾けられることで、バケットの両側部を越えた部分を緩めるので、ドラッグを低減できる。

米国特許第５，９９２，０６２号明細書

　側壁を過ぎて外方に延在するチップおよびアダプタの一例は、エバンス（Ｅｖａｎｓ）らに付与された米国特許公報（特許文献１）に示される。示されるとおり、そのアダプタは、上部ストラップ、底部ストラップおよびノーズ部を含む。長手方向軸は、上部および底部ストラップのそれぞれで定められ、ノーズ部は他の長手方向軸を定める。各長手方向軸は互いに平行である。これらのコーナアダプタのジオメトリは、多数の合成角を含み、そこではノーズ部が上部および底部ストラップと連結する。これらの合成角により、工具費やアダプタの製造に伴うコストが増す。右コーナ、左コーナおよび中央のパターンから成る３つの異なるパターンがこれらの鋳造品を造るために必要となる。

　加えて、米国特許公報（特許文献１）で示されたコーナアダプタは、ベースエッジ上のバケットの側壁に形成されたノッチに位置決めされる。第１の溶接部は、上部および底部ストラップの周りに設けられて、アダプタをベースエッジに固定し、第２の溶接部は、上部ストラップと側壁のノッチの間に設けられる。この取付方法は、溶接部を切断トーチを用いて取り外さなければならないので、摩耗したコーナアダプタの交換が困難となる。第２の溶接部を取り外す際に、しばしば側壁を過度に損傷させてしまうことになる。ベースエッジと側壁の間のインターフェイスはまた、極めて高い応力を掘削作業中に受ける。

　コーナアダプタに関するさらなる問題は、アダプタをバケットに取り付けるために使用される溶接部の位置決めにある。溶接部は、典型的に、ストラップの肉厚が薄くなるようなところ、すなわち高応力集中を受ける好ましくない位置に位置決めされる。これによりアダプタが故障する可能性が増す。

　本発明は、１つ以上の上記課題を克服することに関する。

　本発明は、器具バケットで使用するコーナアダプタを提供する。コーナアダプタは、作業ツースを受けるように適合され、後端、上面、底面および第１の長手方向中心線を有するノーズ部を含む。上部および底部ストラップは、ノーズ部の前記後端から延在する。底部ストラップは、上面、底面、および上面と底面の間に延在する一対の側面を含む。第２の長手方向中心線は、底部ストラップの上面と底面の間で定められる。上部ストラップは、上面、底面、および上面と底面の間に延在する内部側面および外部側面を含む。第３の長手方向中心線は、内部側面と外部側面の間で定められ、角度は第１の中心線と第３の中心線の間で定められる。

　図１を参照するに、油圧掘削機またはバックホウに使用されるものと同様の器具バケット１０が例示される。前方１２から見たときの器具バケット１０は、垂直中心線１４の回りを中心にして定められ、左側側壁１６および右側側壁１８を含む一対の側壁１５を有する。対の側壁１５のそれぞれは、さらに前方縁部１２２を定める。ラッパー２２は、右側壁と左側壁１８、１６の間に配置される。ラッパー２２は、下部前方縁部２４、上部前方縁部２６および開口部２８を定める。ベースエッジ３２は、バケット１０の下部前方縁部２４に配置される。ベースエッジ３２は、バケット１０の前方縁部２４を保護し、補強する働きをする。

　複数のアダプタ３４はベースエッジ３２に沿って間隔を空けて配置され、取り付けられる。複数のアダプタ３４は、左コーナアダプタ３６、右コーナアダプタ３８、および左コーナアダプタ３６と右コーナアダプタ３８の間で間隔を空けて配置された１つまたはそれ以上の直線アダプタ４２を含む。アダプタ３４は、典型的に溶接によってバケットに取り付けられる。各アダプタ３４は、作業ツース（図示せず）を固定して受けるように構成される。

　左コーナアダプタ３６および右コーナアダプタ３８は、実質的に互いに鏡像である。左コーナアダプタ３６は、左作業ツースをバケット１０の垂直中心線１４から所定の角度延在させ、ゆえに左作業ツースを左側壁１６を越えて外方に延在させるように構成される。同様に、右コーナアダプタ３８も右側壁１８を越えて外方に延在する。

　図２を参照するに、右コーナアダプタ３８が例示される。以下の説明のために、左および右コーナアダプタ３６、３８が実質的に互いに鏡像であると理解して、総称用語「コーナアダプタ」４４を使用する。各アダプタ３４は、ノーズ部４６、底部ストラップ４８および上部ストラップ５２を含む。

　ノーズ部４６は、ベースエッジ３２から外方に延在するように構成された実質的に先の尖った部材である。ノーズ部４６は、前端面５４、後端部５６、上面５８、底面６２および一対の側壁６４を含む。上面および底面５８、６２は、それらが後端部５６から前端面５４に接近すると互いに向かって合流する。例示されるように、ボア６６は対の側壁６４の第１の壁７２から対の側壁６４の第２の壁７４に延在している。ボア６６は、はめ合いボアを有する作業ツースをアダプタ３４に取り付ける、維持装置（図示せず）を受けるように構成される。

　底部ストラップ４８は、底面６２に近接した、ノーズ部４６の後端部５６に連結され、そこから後方に延在する。底部ストラップ４８は、第１の側面７８、第１の側面７８の反対側の第２の側面（図示せず）、上面８４および底面８６を含む。

　上部ストラップ５２は、ノーズ部４６の上面５８に近接したノーズ部４６の後端部５６に連結され、そこから上方および後方に延在する。上部ストラップ５２は、第１の側面８８、第２の側面９２、上面９４および底面９６を含む。ギャップ９８は、上部ストラップ５２の底面９６と底部ストラップ４８の上面８４の間で定められる。ギャップ９８によって、上部ストラップ５２をベースエッジ３２の上面１０２の上に位置決めし、底部ストラップ４８をベースエッジ３２の底面１０４の下に位置決めすることが可能となる。半径部１０６は、ノーズ部４６に近い上部ストラップ５２の底面９６と底部ストラップ４８の上面８４との交点に定められる。複数のアンダーカット部１４２は、上部および底部ストラップ４８、５２に配置される。これらのアンダーカット部１４２は、アダプタ３４をバケット１０に取り付ける溶接ビードを堆積させる表面となる。

　図３を参照するに、アダプタは、底部ストラップ４８の上面８４に沿って、ノーズ部４６の後端部５６に沿って上方に、および上部ストラップ５２の底面９６に沿って後方に延在するキャビティ１０８を定める。キャビティ１０８は、バケット１０の使用中の上部および底部ストラップ４８、５２にも強度を与える補強部１１２を定めるように作用する。加えて、キャビティ１０８は、バケット１０のペイロードをも増加させるアダプタ３４の総重量を減少させる。

　カットアウト部１１４は、コーナアダプタ４４の上部ストラップ５２内にも定められる。カットアウト部１１４は、後方接面１１６、および上部ストラップ５２の第１の側面８８からオフセットした二次側壁１１８を含む。カットアウト部１１４によって、二次側壁１１８がバケット１０の右側壁１８に接触し、後方接面１１６がバケット１０の右側壁１８の前方縁部１２２に接触する状態でアダプタ３４を位置決めすることが可能となる。

　図４を参照するに、第１の長手方向中心線１２４は、対の側壁６４間の実質的に中間のノーズ部４６上に定められる。第２の長手方向中心線１２６は、第１の側面７８と第２の側面８２の間の実質的に中間の底部ストラップ４８上に定められる。第２の長手方向中心線１２６は、第１の長手方向中心線１２４と実質的に一直線に揃うように配列される。第３の長手方向中心線１２８は、二次側面１１８と第２の側面９２の間で上部ストラップ５２上に定められる。角度１３２は、第１の長手方向中心線１２４と第３の長手方向中心線１２８の間に定められる。

　角度１３２と上部ストラップ５２上のカットアウト部１１４との組合せによって、カットアウト部１１４と一直線に揃え、バケット１０の側壁１５と突き合わせた状態でのコーナアダプタ４４の取付けが可能となる。上部ストラップは、側壁１５とベースエッジ３２の交点においてバケット１０を補強するように作用するガセット１３４をも定める。このガセット１３４は、直線または湾曲した表面であっても良い。

　本発明のコーナアダプタ４４は、摩耗したアダプタ３４を交換する際のバケット１０の側壁１５への損傷を低減する。本発明のコーナアダプタ４４を取り外すには、側壁１５の内側に沿う、底部ストラップ４８の周りの溶接を除去する必要がある。しかしながら、従来のコーナアダプタ４４を取り外すには、側壁１５の内側および外側、および底部ストラップ４８の周りの溶接を除去する必要がある。溶接を除去するのに少ない熱で済むので、側壁１５への損傷の可能性も少なくなる。加えて、上部ストラップ５２上のガセットが、側壁１５とベースエッジ３２の交点においてバケット１０を補強するように作用する。

　本発明に関わる製造コストは、ノーズ部４６と底部ストラップ４８とを含む単一パターンにすることで低減される場合がある。上部ストラップ５２の可換パターンは、鋳造品を造り、製造コストを低減するために単一パターンと結合できる。上部ストラップ５２のパターンは、右パターン、左パターンおよび中央パターンを含む。

　本発明に伴う追加的利益は、バケット１０が掘削するために使用されると、ツースとコーナアダプタ４４に加わる下向きの力が上部ストラップ５２からベースエッジ３２および側壁１５のそれぞれに巧く分配されることである。

その上に取り付けられた本発明のコーナアダプタを用いた器具バケットの斜視図である。 コーナアダプタの右側の前方から見た右側コーナアダプタの斜視図である。 コーナアダプタの右側の後方から見た右側コーナアダプタの斜視図である。 右側コーナアダプタの平面図である。

符号の説明

　１０　器具バケット
　１２　前方
　１４　垂直中心線
　１５　側壁対
　１６　左側壁
　１８　右側壁
　２２　ラッパー
　２４　下部前方縁部（ラッパー）
　２６　上部前方縁部
　２８　開口部（ラッパー）
　３２　ベースエッジ
　３４　複数のアダプタ
　３６　左コーナアダプタ
　３８　右コーナアダプタ
　４２　直線アダプタ
　４４　コーナアダプタ
　４６　ノーズ部
　４８　底部ストラップ
　５２　上部ストラップ
　５４　前端面（ノーズ部）
　５６　後端部（ノーズ部）
　５８　上面（ノーズ部）
　６２　底面（ノーズ部）
　６４　側壁対（ノーズ）
　６６　ボア
　７２　第１の壁（側面対）
　７４　第２の壁（側面対）
　７８　第１の側面（底部ストラップ）
　８２　第２の側面（底部ストラップ）
　８４　上面（底部ストラップ）
　８６　底面（底部ストラップ）
　８８　第１の側面（上部ストラップ）
　９２　第２の側面（上部ストラップ）
　９４　上面（上部ストラップ）
　９６　底面（上部ストラップ）
　９８　ギャップ（上部ストラップから底部ストラップにかけて）
　１０２　上面（ベースエッジ）
　１０４　底面（ベースエッジ）
　１０６　半径部（上部ストラップと底部ストラップとの交点）
　１０８　キャビティ
　１１２　補強部
　１１４　カットアウト部（コーナアダプタ）
　１１６　後方接面（カットアウト）
　１１８　二次側面（カットアウト）、二次側壁
　１２２　前方縁部（バケット壁）
　１２４　第１の長手方向中心線（ノーズ）
　１２６　第２の長手方向中心線（ノーズ）
　１２８　第３の長手方向中心線（ノーズ）
　１３２　オフセット角度
　１３４　ガセット（バケット）
　１４２　アンダーカット（アダプタ）

Claims (9)

1. 　器具バケットで使用するコーナアダプタであって、
   　前端部、後端部、上面、底面および第１の長手方向中心線を有し、作業ツースを受けるように適合されたノーズ部と、
   　前記ノーズ部の前記後端部から延在し、上面、底面、および前記上面と底面の間に延在する一対の側面を有する底部ストラップであって、第２の長手方向中心線が前記対の側面間の実質的に中間に定められる、底部ストラップと、
   　前記ノーズ部の前記後端部から延在し、上面、底面、第１の側面、および前記上面と底面の間に延在する第２の側面を有する上部ストラップであって、第３の長手方向中心線が前記第１の側面と前記第２の側面の間で定められ、角度が前記第１の長手方向中心線と前記第３の長手方向中心線の間で定められる上部ストラップと
   を備えるコーナアダプタ。
2. 　前記角度は３〜６度の範囲内である、請求項１に記載のコーナアダプタ。
3. 　前記角度は２〜９度の範囲内である、請求項１に記載のコーナアダプタ。
4. 　カットアウト部は前記上部ストラップの前記第１の側面に定められ、前記カットアウト部は、前記器具バケットの側壁の内側表面と係合するように構成される、請求項１に記載のコーナアダプタ。
5. 　前記カットアウト部は後方接面を定め、前記コーナアダプタの前記後方接面は、前記バケットの側壁の前方縁部と突き合わすように構成される、請求項４に記載のコーナアダプタ。
6. 　器具バケットで使用するコーナアダプタであって、
   　第１の長手方向中心線を有するノーズ部と、
   　前記第１の中心線に対して第１の角度で前記ノーズ部から延在する底部ストラップと、
   　第２の角度で前記ノーズ部の前記後端部から延在する上部ストラップと
   を備えるコーナアダプタ。
7. 　前記第２の角度は３〜６度である、請求項６に記載のコーナアダプタ。
8. 　前記第１の角度は０度である、請求項６に記載のコーナアダプタ。
9. 　前記上部ストラップに定められたカットアウト部を含む、請求項６に記載のコーナアダプタ。

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