JP2004058725A - バルブ保護構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セミトラクタのリヤフェンダ16の前方部分をサイドレール側から支持するフェンダサポート17に対し、該フェンダサポート17を挟んでリヤフェンダ16側と対峙するようにバルブ収容ボックス19を装着し、該バルブ収容ボックス19内に前記サイドレールの溝形内に配索される空圧系統のバルブを集めて収容する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブ保護構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図4及び図5は一般的なセミトラクタの一例を示すもので、この種のセミトラクタ1においては、キャブ2の後方にカプラ3を介しセミトレーラ4が連結されるようになっており、このセミトレーラ4の長さを極力大きくして輸送効率の向上を図る観点からホイールベース(前輪5の車軸と後輪6の車軸との間の距離)を非常に短く設計した車両となっている。
【0003】
このため、キャブ2の背面から後輪6までの間における左右のサイドレール7の外側には、エアタンク8、バッテリ9、燃料タンク10、スペアタイヤ11等といった様々な補機類が緊密な状態で効率良くレイアウトされて搭載されており、他方、左右のサイドレール7に挟まれた車両中心部には、変速機12等の駆動系が配置されるようになっている。
【0004】
また、キャブ2のエンジン13から排出される排気ガスが、一方のサイドレール7の下側を車両後方に向けて延び且つ後輪6の車軸を上方へ迂回して車両最後尾に到る排気管14により後方へ導かれて排出されるようになっており、該排気管14の途中には、排気の騒音対策として消音器15が装備されている。
【0005】
更に、後輪6の上側に配置されるリヤフェンダ16は、この位置の上方に何も車体構造が存在していないため、サイドレール7側から前後一組のフェンダサポート17,18を車幅方向外側に延ばして前記リヤフェンダ16の前後位置を夫々支持するようにしてある。
【0006】
そして、このようなセミトラクタ1におけるサイドレール7は、車幅方向内側に向け溝形を成すチャンネル材により構成されており、該サイドレール7の上下のフランジとウェブとにより囲まれた溝形内には、ブレーキの作動エアの空圧系統を構成する複数本のナイロンチューブがサイドレール7に沿い車両前後方向に配索されており、そのサイドレール7の長手方向における様々な位置に空圧系統のバルブが散在している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、斯かる従来構造においては、サイドレールの溝形内の限られた空間でバルブを避けながら多数のナイロンチューブを配索しなければならないため、そのバルブの配置箇所におけるナイロンチューブの配索空間の確保が難しいという問題があった。
【0008】
また、この種の空圧系統のバルブには、作動エアを排出するための排気ポートが付いているのが通常であるが、各バルブはサイドレールの溝形内で剥き出しの状態で装備されているので、冬期にサイドレールの溝形内に雪が堆積して凍結することでバルブの排気ポートが閉塞してしまう虞れがあり、特にバルブが電磁弁であるような場合には、路面からのスプラッシュや雪の堆積により金属部分が錆びて電気系統に断線が起こる虞れもあった。
【0009】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、セミトラクタにおけるサイドレールの溝形内を簡素化して空圧系統の配索空間を無理なく確保し且つバルブを凍結や錆から確実に保護し得るようにすることを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、セミトラクタのリヤフェンダの前方部分をサイドレール側から支持するフェンダサポートに対し、該フェンダサポートを挟んでリヤフェンダ側と対峙するようにバルブ収容ボックスを装着し、該バルブ収容ボックス内に前記サイドレールの溝形内に配索される空圧系統のバルブを集めて収容したことを特徴とするバルブ保護構造、に係るものである。
【0011】
而して、このようにすれば、空圧系統のバルブがバルブ収容ボックスにまとめて収容されることにより、サイドレールの溝形内からバルブが取り除かれてサイドレールの溝形内の簡素化が図られ、空圧系統の配索空間が無理なく確保されることになる。
【0012】
また、空圧系統のバルブがバルブ収容ボックス内に収容されて雪や雨、路面からのスプラッシュ等から隔絶されるので、バルブが凍結や錆から確実に保護されることになり、バルブの排気ポートの閉塞や電気系統の断線等の不具合が未然に回避される。
【0013】
尚、ホイルベースが短いために配置スペースの確保が困難なセミトラクタに関し、リヤフェンダの前方部分を支持するフェンダサポートの直前位置の余剰空間を有効利用することで、バルブ収容ボックスが効率良く配置されるようになっているので、他の補機類のレイアウトに殆ど影響を及ぼすことなくバルブ収容ボックスを配置することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1〜図3は本発明を実施する形態の一例を示すもので、本形態例のバルブ保護構造においては、図1に示す如く、リヤフェンダ16の前方部分(片側のリヤフェンダについてだけ図示している)をサイドレール7(図3参照)側から支持するフェンダサポート17に対し、該フェンダサポート17を挟んでリヤフェンダ16側と対峙するようにバルブ収容ボックス19を装着している。
【0016】
即ち、フェンダサポート17とリヤフェンダ16の前方部分との間を連結しているブラケット20の前方側端部にフランジ部21(図2参照)を形成し、該フランジ部21に対し前記バルブ収容ボックス19の背面をビスやボルト・ナット等を介して取り付けている。
【0017】
そして、図2に示す如く、バルブ収容ボックス19の内部には、サイドレール7(図3参照)の上下のフランジ7a,7bとウェブ7cとにより囲まれた溝形内に配索される空圧系統のバルブ22が集められて収容され、更には、図3に示す如く、空圧系統を成す複数本のナイロンチューブ23(エアチューブ)が束ねられて蛇腹ブーツ24を介しバルブ収容ボックス19内に水密に引き込まれており、その引き込まれた各ナイロンチューブ23が前記各バルブ22に対して接続されるようになっている。
【0018】
ここで、ナイロンチューブ23の束が通される蛇腹ブーツ24は、図1及び図2のバルブ収容ボックス19の車幅方向内側面に形成されている開口部25に装着されるようになっており、ナイロンチューブ23のバルブ収容ボックス19内への貫通箇所における水密性の確保と、開口部25周縁のエッジ部分に対するナイロンチューブ23の接触回避とを同時に果たすようにしてある。
【0019】
更に、前記バルブ収容ボックス19は、前記各ブラケット20のフランジ部21に対し取り付けられる背面を成して前記各バルブ22を担持するベースプレート26と、該ベースプレート26の前面側下方位置に装着されて各バルブ22の周囲を包囲する下部カバー27と、該下部カバー27の上部開口を被覆して水密に塞ぐように前記ベースプレート26の前面側上方位置に装着される上部カバー28とにより分割構成されており、適宜に上部カバー28だけを取り外して内部のバルブ22の点検整備を行い得るようにしてある。
【0020】
而して、このようにバルブ保護構造を構成すれば、空圧系統のバルブ22がフェンダサポート17直前のバルブ収容ボックス19にまとめて収容されることになるので、サイドレール7の溝形内からバルブ22が取り除かれてサイドレール7の溝形内の簡素化が図られ、空圧系統を成すナイロンチューブ23を配索するための空間がサイドレール7の溝形内に無理なく確保されることになる。
【0021】
また、空圧系統のバルブ22がバルブ収容ボックス19内に収容されて雪や雨、路面からのスプラッシュ等から隔絶されるので、バルブ22が凍結や錆から確実に保護されることになり、バルブ22の排気ポートの閉塞や電気系統の断線等の不具合が未然に回避される。
【0022】
従って、上記形態例によれば、サイドレール7の溝形内を簡素化して空圧系統の配索空間を無理なく確保することができ、しかも、各バルブ22を凍結や錆から確実に保護することができて該各バルブ22の健全性を長期間に亘り良好に維持することができる。
【0023】
また、ホイルベースが短いために配置スペースの確保が困難なセミトラクタ1(図4参照)に関し、リヤフェンダ16の前方部分を支持するフェンダサポート17の直前位置の余剰空間を有効利用することで、バルブ収容ボックス19を効率良く配置することができるので、他の補機類のレイアウトに殆ど影響を及ぼすことなくバルブ収容ボックス19を配置することができる。
【0024】
尚、本発明のバルブ保護構造は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0025】
【発明の効果】
上記した本発明のバルブ保護構造によれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0026】
(I)サイドレールの溝形内を簡素化して空圧系統の配索空間を無理なく確保することができ、しかも、各バルブを凍結や錆から確実に保護することができて該各バルブの健全性を長期間に亘り良好に維持することができる。
【0027】
(II)ホイルベースが短いために配置スペースの確保が困難なセミトラクタに関し、リヤフェンダの前方部分を支持するフェンダサポートの直前位置の余剰空間を有効利用することで、バルブ収容ボックスを効率良く配置することができるので、他の補機類のレイアウトに殆ど影響を及ぼすことなくバルブ収容ボックスを配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例を示す斜視図である。
【図2】図1の各構成要素を分解して示す斜視図である。
【図3】図1のバルブ収容ボックスを車両前方から見た正面図である。
【図4】一般的なセミトラクタの一例を示す側面図である。
【図5】図4のV−V方向の矢視図である。
【符号の説明】
1 セミトラクタ
7 サイドレール
16 リヤフェンダ
17 フェンダサポート
19 バルブ収容ボックス
22 バルブ
23 ナイロンチューブ(空圧系統)
Claims (1)
- セミトラクタのリヤフェンダの前方部分をサイドレール側から支持するフェンダサポートに対し、該フェンダサポートを挟んでリヤフェンダ側と対峙するようにバルブ収容ボックスを装着し、該バルブ収容ボックス内に前記サイドレールの溝形内に配索される空圧系統のバルブを集めて収容したことを特徴とするバルブ保護構造。
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