JP2004057340A - 血栓部画像抽出方法、画像処理装置およびx線ctシステム - Google Patents

血栓部画像抽出方法、画像処理装置およびx線ctシステム Download PDF

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Abstract

【課題】動脈瘤の血栓の大きさを、画像処理技術を用いて、簡易に、しかも高い確度で測定できる血栓部画像抽出方法、画像処理装置およびX線CTシステムを実現する。
【解決手段】血管と直交する垂直断層面内の血管を含む近傍領域を抽出し(ステップS404)、この近傍領域に平滑化処理を行い(ステップS405)、平滑化された近傍領域から領域拡張処理により血栓部の近似領域を抽出し(ステップS408)、この血栓部の近似領域から円弧処理により、円弧領域を抽出する(ステップS409)こととしているので、領域拡張処理を用いて血栓部の近似領域を抽出し、この近似領域から確度の高い円弧状の血栓領域を抽出し、ひいては、血栓面積の評価および血栓面積の時間的変化等の定量的評価を行うことを実現させる。
【選択図】   図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、造影剤を用いて撮像を行うX線CT装置の画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、動脈瘤の撮影目的で、血管造影剤を用いたX線CT撮影が行われる。動脈瘤は、血管と、この血管壁に付着し、ゼリー(jelly)状に血液が固まった血栓部分とからなる。ここで、動脈瘤の経過を予測する上で、動脈瘤部の血管径と、血栓の大きさの情報を得ることが重要である。造影剤を用いた撮影では、動脈瘤の血管部分は、血中の造影剤により鮮明に描出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術によれば血管壁に付着した血栓部分は、造影効果がなく、周辺組織からの識別に困難が伴っていた。すなわち、血栓部分には、造影剤が流入しないので造影効果は見られなかった。
【0004】
特に、識別しにくい血栓部分の情報を、画像処理技術により抽出し、計測する試みもなされている。しかし、血栓部分には、濃度斑と呼ばれる明るさの濃淡が存在し、画像処理技術を用いた血栓部分の計測を妨げる要因となっている。
【0005】
これらのことから、動脈瘤の血栓の大きさを、画像処理技術を用いて、簡易に、しかも高い確度で測定できる血栓部画像抽出方法、画像処理装置およびX線CTシステムをいかに実現するかが重要となる。
【0006】
この発明は、上述した従来技術による課題を解決するためになされたものであり、動脈瘤の血栓の大きさを、画像処理技術を用いて、簡易に、しかも高い確度で測定できる、血栓部画像抽出方法、画像処理装置およびX線CTシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、第1の観点の発明にかかる血栓部画像抽出方法は、X線CT装置により被検体の複数の断層画像情報を取得し、前記断層画像情報から血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成し、前記垂直断層画像情報の画像から前記血管を含む前記血管の近傍領域を抽出し、前記近傍領域の画像を平滑化し、前記平滑化された画像から前記血管に付着する血栓部の近似領域を抽出し、前記血栓領域の辺縁を円弧状に確定すること、を特徴とする。
【0008】
この第1の観点の発明によれば、X線CT装置により被検体の複数の断層画像情報を取得し、この断層画像情報から血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成し、この垂直断層画像情報の画像から血管を含む血管の近傍領域を抽出し、この近傍領域の画像を平滑化し、この平滑化された画像から血管に付着する血栓部の近似領域を抽出し、この近似領域の辺縁を円弧状に確定することとしているので、血栓部に存在する濃度斑を平滑化し、血栓部の近似領域を抽出し、この抽出部分の辺縁をさらに円弧状に確定して確度の高い血栓領域を抽出することができ、ひいては、血栓面積の評価および血栓面積の時間的変化等の定量的評価を行うことができる。
【0009】
また、第2の観点の発明にかかる画像処理装置は、X線CT装置から被検体の複数の断層画像情報を取得し、前記断層画像情報から血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成する画像処理装置であって、前記垂直断層画像情報の画像から前記血管を含む前記血管の近傍領域を抽出する抽出手段と、前記近傍領域の画像を平滑化する平滑化手段と、前記平滑化された画像から、指定範囲の画素値を有する領域を抽出する領域拡張手段と、前記近似領域の辺縁を円弧状に確定する確定手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
この第2の観点による発明によれば、抽出手段により、垂直断層画像情報から血管を含む血管の近傍領域を抽出し、平均化手段により、近傍領域の画像を平滑化し、領域拡張手段により、指定範囲の画素値を有する領域を抽出し、確定手段により、血栓領域の辺縁を円弧状に確定することとしているので、血栓部分に存在する濃度斑を平滑化し、血栓部の近似領域を抽出し、この近似領域の辺縁をさらに円弧状に確定して確度の高い血栓領域を抽出することができ、ひいては、血栓面積の評価および血栓面積の時間的変化等の定量的評価を行うことができる。
【0011】
また、第3の観点の発明にかかる画像処理装置は、前記抽出手段に、閾値を越える画素値、あるいは閾値を越えない画素値の画像領域を抽出する閾値手段を備えることを特徴とする。
【0012】
この第3の観点の発明によれば、抽出手段は、閾値手段により、閾値を越える画素値、あるいは閾値を越えない画素値の画像領域を抽出することとしているので、画像情報から骨部領域および背景領域を抽出して、軟部組織部分のみからなる画像情報を生成することができる。
【0013】
また、第4の観点の発明にかかる画像処理装置は、前記抽出手段に、関心領域を設定する関心領域設定手段を備えることを特徴とする。
この第4の観点の発明によれば、抽出手段は、関心領域設定手段により、関心領域を設定することとしているので、軟部組織から、血管を含む血管の近傍領域の抽出を行うことができる。
【0014】
また、第5の観点の発明にかかる画像処理装置は、前記関心領域設定手段に、前記関心領域の範囲を記憶し、前記垂直断層画像情報の断層画像に近接する複数の断層画像に前記範囲を設定する再設定手段を備えることを特徴とする。
【0015】
この第5の観点の発明によれば、関心領域設定手段は、再設定手段により、関心領域の範囲を記憶し、垂直断層画像情報の断層画像に近接する複数の断層画像に前記範囲を設定することとしているので、近接する断層画像ごとに関心領域を設定する手間を省くことができる。
【0016】
また、第6の観点の発明にかかる画像処理装置は、前記平滑化手段に、前記血栓領域の濃度斑を平滑するマスク領域の大きさを有する空間フィルタを備えること特徴とする。
【0017】
この第6の観点の発明によれば、平滑化手段は、空間フィルタに、血栓領域の濃度斑を平滑するマスク領域の大きさを有することとしているので、血栓領域の濃度斑を平滑することができる。
【0018】
また、第7の観点の発明にかかる画像処理装置は、前記空間フィルタに、マスク領域の大きさを変更する変更手段を備えることを特徴とする。
この第7の観点の発明によれば、空間フィルタは、変更手段により、マスク領域の大きさを変更することとしているので、血栓領域の濃度斑に個人差が存在する場合にも、濃度斑を平滑することができる。
【0019】
また、第8の観点の発明にかかる画像処理装置は、前記確定手段により、前記辺縁を円弧で近似することを特徴とする。
この第8の観点の発明によれば、確定手段は、辺縁を円弧で近似することとしているので、概ね円形をなす血管周囲の血栓領域を、高い確度で抽出することができる。
【0020】
また、第9の観点の発明にかかるX線CTシステムは、X線ビームを被検体に照射して、前記被検体の投影データを収集し、前記投影データの画像再構成により前記被検体の断層画像情報を取得するX線CT装置と、前記X線CT装置の前記断層画像情報を転送する転送手段と、前記転送手段により転送された前記断層画像情報から、血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成する画像処理装置と、を備えるX線CTシステムであって、前記画像処理装置は、前記垂直断層画像情報の画像から前記血管を含む前記血管の近傍領域を抽出する抽出手段と、前記近傍領域の画像を平滑化する平滑化手段と、前記平滑化された画像から、指定範囲の画素値を有する領域を抽出する領域拡張手段と、前記血栓領域の辺縁を円弧状に確定する確定手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】
この第9の観点の発明によれば、画像処理装置は、抽出手段により、垂直断層画像情報の画像から血管を含む血管の近傍領域を抽出し、平滑化手段により、近傍領域の画像を平滑化し、領域拡張手段により、平滑化された画像から、指定範囲の画素値を有する領域を抽出し、確定手段により、血栓領域の辺縁を円弧状に確定することとしているので、血栓部分に存在する濃度斑を平滑化し、血栓部の近似領域を抽出し、この近似領域の辺縁をさらに円弧状に確定して、確度の高い血栓領域を抽出することができ、ひいては、血栓面積の評価および血栓面積の時間的変化等の定量的評価を行うことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる血栓部画像抽出方法、画像処理装置およびX線CTシステムの好適な実施の形態について説明する。なお、これにより本発明が限定されるものではない。
【0023】
まず、本実施の形態にかかる画像処理装置およびX線CTシステムの全体構成について説明する。図1は、X線CT装置のブロック(block)図を示す。図1に示すように、本装置は、走査ガントリ(gantry)2および操作コンソール(console)6を備えている。
【0024】
走査ガントリ2はX線管20を有する。X線管20から放射された図示しないX線は、コリメータ(collimator)22により、例えば扇状のX線ビーム(beam)すなわちファンビーム(fanbeam)X線となるように成形され、検出器アレイ(array)24に照射される。
【0025】
検出器アレイ24は、ファンビームX線の広がり方向にアレイ状に配列された複数のX線検出素子を有する。検出器アレイ24は、複数のX線検出素子をアレイ状に配列した、多チャンネル(channel)のX線検出器となっている。
【0026】
複数の検出器アレイ24は、全体として、円筒凹面状に湾曲したX線入射面を形成する。検出器アレイ24は、例えばシンチレータ(scintillator)とフォトダイオード(photo diode)の組み合わせによって構成される。なお、これに限られず、例えばカドミウム・テルル(CdTe)等を利用した半導体X線検出素子またはXeガス(gas)を用いる電離箱型のX線検出素子であっても良い。X線管20、コリメータ22および検出器アレイ24は、X線照射・検出装置を構成する。
【0027】
検出器アレイ24にはデータ収集部26が接続されている。データ収集部26は、検出器アレイ24の個々のX線検出素子の検出データを収集する。X線管20からのX線の照射は、X線コントローラ(controller)28によって制御される。なお、X線管20とX線コントローラ28との接続関係およびコリメータ22とコリメータコントローラ30との接続関係については図示を省略する。コリメータ22は、コリメータコントローラ30によって制御される。
【0028】
以上の、X線管20からコリメータコントローラ30までのものが、走査ガントリ2の回転部34に搭載されている。ここで、被検体1は、回転部34の中心に位置するボア(bore)29内のクレードル(cradle)31上に、横臥状態で載置される。回転部34は、回転コントローラ36により制御されつつ回転し、X線管20からX線を***し、検出器アレイ24において被検体1の透過X線を検出する。なお、回転部34と回転コントローラ36との接続関係については図示を省略する。
【0029】
操作コンソール6は画像再構成部60を有する。画像再構成部60は、例えばコンピュータ等によって構成される。画像再構成部60には、制御インタフェース(interface)62が接続されている。制御インタフェース62には、走査ガントリ2が接続されている。画像再構成部60は制御インタフェース62を通じて走査ガントリ2を制御する。
【0030】
走査ガントリ2内のデータ収集部26、X線コントローラ28、コリメータコントローラ30および回転コントローラ36が制御インタフェース62を通じて制御される。なお、それら各部と制御インタフェース62との個別の接続については図示を省略する。
【0031】
画像再構成部60には、また、データ収集バッファ(buffer)64が接続されている。データ収集バッファ64には、走査ガントリ2のデータ収集部26が接続されている。データ収集部26で収集されたデータがデータ収集バッファ64を通じて画像再構成部60に入力される。
【0032】
画像再構成部60は、データ収集バッファ64を通じて収集した透過X線信号すなわち投影データを用いて画像再構成を行う。画像再構成部60には、また、記憶部66が接続されている。記憶部66は、データ収集バッファ64に収集された投影データや再構成された断層画像情報および本装置の機能を実現するためのプログラム(program)等を記憶する。
【0033】
画像再構成部60には、また、表示装置68と操作装置70がそれぞれ接続されている。表示装置68は、画像再構成部60から出力される断層画像情報やその他の情報を表示する。操作装置70は、オペレータによって操作され、各種の指示や情報等を画像再構成部60に入力する。オペレータは表示装置68および操作装置70を使用してインタラクティブ(interactive)に本装置を操作する。
【0034】
画像処理装置40は、記憶部44を介して、図示しない通信手段により、操作コンソール6の記憶部66と接続されている。画像処理装置40は、操作コンソール6とは独立したコンソール上に配設されており、記憶部66に蓄積された再構成された断層画像情報等を、記憶部44に転送し、画像処理部41で画像処理を行う。ここで、画像処理部41は、例えばコンピュータ等によって構成される。
【0035】
画像処理部41には、また、表示装置42と操作装置43がそれぞれ接続されている。表示装置42は、画像処理部41から出力される断層画像情報やその他の情報を表示する。操作装置43は、オペレータによって操作され、各種の指示や情報等を画像処理部41に入力する。オペレータは表示装置42および操作装置43を使用してインタラクティブに本装置を操作する。
【0036】
図2は、画像処理装置40の機能ブロック図である。画像処理装置40は、操作コンソール6からの断層画像情報200を有し、さらに、垂直断層画像情報生成手段210、抽出手段をなす関心領域設定手段220、閾値手段231、領域拡張手段232および確定手段240、画像処理手段をなす平滑化手段230および血栓部評価手段250、等の機能を有する。
【0037】
断層画像情報200は、記憶部66から記憶部44転送された、被検体1の連続したアキシャル(axial)断面の断層画像情報である。ここで、垂直断層画像情報生成手段210は、断層画像情報200から、断層画像中の血管の血流方向と垂直に交わる垂直断層画像を算出し、生成する。これにより、この垂直断層画像内の血管では、常に血流がこの垂直断層面と垂直をなす方向に流れ、血管断面は、概ね円形となる。
【0038】
関心領域設定手段220は、後述する画像の演算処理を行う際に、演算処理を実施する画像領域を設定するものである。この設定では、表示装置42に表示された断層画像上に関心領域(ROI;Region OF Interestとも称される)を設定し、この領域内の画素に対して各種の演算を実施する。この関心領域は、円形の領域を有し、断層画像上の位置および大きさは、円の中心および半径を、操作装置43から入力することにより決定される。なお、再設定手段は、この設定された関心領域を記憶部44に保存し、異なる断層画像上に同一の関心領域を設定する。
【0039】
閾値手段231は、画像処理装置40の操作装置43から閾値を入力し、この閾値を越えるあるいは越えない画素値を判別し、この画素値が存在する関心領域を抽出し、表示装置42に表示する。閾値手段231は、断層画面の中で画素値が大きく異なる領域を識別するのに有効に用いられる。一方、断層画面の中で画素値の異なりが小さい領域を閾値手段231で識別する際には、ノイズ(noise)その他の理由により、境界領域が確定せず、的確な領域の識別を行うには困難が伴う場合がある。なお、閾値手段231は、抽出された関心領域の境界情報を出力する。
【0040】
平滑化手段230は、指定された画像領域の画像情報に平滑化を施すもので、断層画像情報のある画素を中心にマスク(mask)と呼ばれる近傍領域を設定し、このマスク内のすべての画素値を加算あるいは重み付け加算して、新たな画素値とする。このマスクの大きさは、後述する血栓部の画像に生じる濃度斑を平滑化する大きさに実験的に決められ、概ね3×3の画素マトリクス(matrix)の大きさを有する。また、平滑化手段230は、被検体1の個人差を考慮し、オペレータが画像処理装置40の操作装置43から、画素マトリクスの大きさを変更する変更手段も有する。
【0041】
領域拡張手段232は、関心領域内にある画像の画素値が、オペレータが指定した上限および下限の範囲内にある画素を抽出し、画像領域の抽出を行う。領域拡張手段232では、画素値が、ある上限および下限を有する有限の範囲内にある、中間的なCT値を有する組織部分のみを、抽出領域が画像領域内で分離することなく抽出するのに用いられる。一方、不均一な組織、例えば多くの濃度斑が存在する血栓部の様な場合には、組織の画素値が大きな範囲に渡って点在するため、組織部分のみを抽出するには困難が伴う。
【0042】
確定手段240は、表示装置42の断層画面上に設定された閉じた境界領域に対して、円弧近似を行い、例えば境界領域との偏差が最小となる円形の境界を生成する。これにより、閉じた境界領域に最も適合する円形領域を抽出することができる。
【0043】
血栓部評価手段250は、抽出された血栓部領域に基づいて、血栓部領域の面積、あるいは血栓部領域に含まれる血管部分の面積との比率、さらには、時系列的に取得された血栓部領域の面積から、血栓部の時間的変化等の定量的情報の算出を行う。
【0044】
次に、本実施の形態にかかる画像処理部41の動作について説明する前に、操作コンソール6および走査ガントリ2による画像収集について概要を説明する。まず、図3のフローチャートを用いて、X線CTシステムによる被検体の撮像を示す。オペレータは、被検体1を図1に示した走査ガントリ2のクレードル31上に載置する(ステップS301)。そして、オペレータは、被検体1に造影剤を投与する(ステップS302)。この際、造影剤は、主としてヨード(iodin)系のものが、例えば経静脈的に投与される。
【0045】
その後、オペレータは、被検体の撮像を行い(ステップS303)、被検体の投影データを取得する。そして、画像再構成部60において、投影データから、被検体の断層画像情報を生成し、記憶部66に保存する。そして、記憶部66の断層画像情報を、図示しない転送手段により、画像処理部41の記憶部44に転送する(ステップS304)。その後、画像処理部41は、転送された断層画像情報に、血栓部抽出処理を行い(ステップS305)、本処理を終了する。
【0046】
つづいて、図4のフローチャートを用いて、画像処理部41による血栓部抽出処理を、具体的に説明する。オペレータは、操作コンソール6から転送された断層画像情報200から、断層画像内に描出された患部、すなわち動脈瘤が存在する近傍の血管と直交する垂直断層面の画像情報を垂直断層画像生成手段210により生成する(ステップS401)。図5(A)に、X線CT装置を用いて腹部を撮像した際の、腹部大動脈の垂直断層画像の一例を示した。垂直断層画像では、腹部大動脈の血管は、概ね円形に描出される。
【0047】
その後、オペレータは、垂直断層画像から、骨部領域および背景領域を、閾値手段231により選別し、血管およびその周囲に存在する血栓部を含む軟部組織のみの関心領域を抽出する(ステップS402)。図5(B)に軟部組織のみからなる関心領域を図示した。背景および脊椎の骨部分が、関心領域から除外される。
【0048】
その後、オペレータは、軟部組織のみの関心領域から血管領域を抽出する(ステップS403)。造影剤の投与により、血管領域は、高いCT値で描出されるので閾値手段231で抽出することができる。また、造影剤の効果は、一過性であるため、所定時間経過後の垂直断面の画像情報の差分を取ることにより、血管領域のみを抽出することも容易にできる。なお、この抽出により、後述する血管領域を省いた近傍領域の平滑化および血栓部のみの抽出が円滑に行われる。
【0049】
その後、オペレータは、ステップS403で抽出された血管領域を含む周囲に、近傍領域を関心領域設定手段220により設定する(ステップS404)。この設定では、血管周囲に付着した血栓部を充分に含むように、他方、ステップS402で抽出された軟部組織の関心領域に含まれるような大きさの円形の関心領域が設定される。図5(C)に軟部組織内の腹部大動脈周囲に設定された近傍領域を図示した。
【0050】
図6に、この近傍領域のみを拡大して示した。この近傍領域は、図6(A)に示すように、血管、血栓部および軟部組織よりなる。血管周囲に存在する血栓部には、図6(A)中の黒点で示したような濃度斑が存在する。また、血管内部には、血流部が存在するが、ステップS403の血管領域の抽出により、近傍領域から除外される。
【0051】
その後、オペレータは、ステッS404で設定された近傍領域に対して、平滑化手段230を用いて、平滑化を行う(ステップS405)。この平滑化により、血栓部領域に存在する濃度斑は、平滑化され、概ね均一な画像情報となる。このため、閾値手段231あるいは領域拡張手段232を実施することができる。図6(B)に平滑化された関心領域を模式的に示した。血栓部の濃度斑は、平滑化により消滅し、周囲の軟部組織に近似した一様な画素領域となる。
【0052】
その後、オペレータは、平滑化された血栓部とその周辺組織の境界が区別できるかどうかを判定し(ステップS406)、区別できる場合には(ステップS406否定)、閾値手段231の閾値を設定し、周辺組織の除去を行う(ステップS407)。また、区別できない場合には(ステップS406肯定)、ステップS407を実行せず次のステップに進む。
【0053】
その後、オペレータは、平滑化された関心領域に対して、領域拡張手段232を用いて、血栓部の近似領域のみの抽出を行う(ステップS408)。これにより、血栓部の近似領域が抽出される。図6(C)に、領域拡張手段232により抽出された血栓部の近似領域を模式的に示した。ステップS405で行った平滑化処理等の理由により、この近似領域の辺縁部は、周囲の軟部組織との境界が確定せず、ばらついた状態となる。
【0054】
その後、オペレータは、近似領域の辺縁の境界に対して、確定手段240を用いて、円弧近似を行い(ステップS409)、円形の血栓部領域を確定する。図6(D)に、確定手段240により抽出された円形の血栓部領域を模式的に示した。円弧近似を行う根拠は、血管の周囲に付着する血栓部の断面は、円形をなすという、実験的および経験的な事実に基づいている。
【0055】
その後、近傍に存在する異なる垂直断層面から血栓部の抽出を行うかどうかを判定し(ステップS410)、血栓部の抽出を行う場合には(ステップS410肯定)、ステップS401で生成された垂直断層面の中から近傍に存在する垂直断層面を選択し、表示する(ステップS411)。そして、ステップS404に移行し、表示画像に関心領域を設定する。この際、再設定手段を用いて、既に設定した関心領域をそのまま用いることも出来る。
【0056】
また、血栓部の抽出を行わない場合には(ステップS410否定)、血栓部の抽出処理を終了し、取得された血栓部情報から血栓部の評価を行う(ステップS412)。この血栓部の評価では、抽出された血栓部領域の面積あるいは血管部領域との面積比等が算出される。さらに、時系列をもって採取された血栓部領域の面積変化、手術前および手術後の血栓部領域の変化等も算出される。
【0057】
上述してきたように、本実施の形態では、血管と直交する垂直断層面内の血管を含む近傍領域を抽出し、この近傍領域に平滑化処理を行い、平滑化された関心領域から領域拡張処理により血栓部の近似領域を抽出し、この血栓部の近似領域から円弧処理により、円弧領域を抽出することとしているので、領域拡張処理を用いて血栓部の近似領域を抽出し、この近似領域から確度の高い円弧状の血栓領域を抽出し、ひいては、血栓面積の評価および血栓面積の時間的変化等の定量的評価を行うことができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、X線CT装置により被検体の複数の断層画像情報を取得し、この断層画像情報から血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成し、この垂直断層画像情報の画像から血管を含む血管の近傍領域を抽出し、この近傍領域の画像を平滑化し、領域拡張手段により、この平滑化された画像から、血管に付着する血栓部の近似領域を抽出し、この近似領域の辺縁を円弧状に確定することとしているので、血栓部に存在する濃度斑を平滑化し、血栓部の近似領域を抽出し、この抽出部分の辺縁をさらに円弧状に確定して、確度の高い血栓領域を抽出することができ、ひいては、血栓面積の評価および血栓面積の時間的変化等の定量的評価を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】X線CTシステムの全体構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態の画像処理装置の機能ブロック図である。
【図3】実施の形態の断層画像情報の取得を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態の血栓部抽出処理を示すフローチャートである。
【図5】実施の形態の垂直断層画像からの近傍領域の抽出を示す図である。
【図6】実施の形態の近傍領域の画像処理を示す模式図である。
【符号の説明】
1 被検体
2 走査ガントリ
6 操作コンソール
20 X線管
22 コリメータ
24 検出器アレイ
26 データ収集部
28 X線コントローラ
30 コリメータコントローラ
31 クレードル
34 回転部
36 回転コントローラ
40 画像処理装置
41 画像処理部
42 表示装置
43 操作装置
44 記憶部
60 画像再構成部
62 制御インタフェース
64 データ収集バッファ
66 記憶部
68 表示装置
70 操作装置
200 断層画像情報
210 断層画像生成手段
210 垂直断層画像生成手段
220 関心領域設定手段
230 平滑化手段
231 閾値手段
232 領域拡張手段
240 確定手段
250 血栓部評価手段

Claims (9)

  1. X線CT装置により被検体の複数の断層画像情報を取得し、前記断層画像情報から血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成し、
    前記垂直断層画像情報の画像から前記血管を含む前記血管の近傍領域を抽出し、
    前記近傍領域の画像を平滑化し、
    前記平滑化された画像から前記血管に付着する血栓部の近似領域を抽出し、
    前記近似領域の辺縁を円弧状に確定すること、
    を特徴とする血栓部画像抽出方法。
  2. X線CT装置から被検体の複数の断層画像情報を取得し、前記断層画像情報から血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成する画像処理装置であって、
    前記垂直断層画像情報の画像から前記血管を含む前記血管の近傍領域を抽出する抽出手段と、
    前記近傍領域の画像を平滑化する平滑化手段と、
    前記平滑化された画像から、指定範囲の画素値を有する領域を抽出する領域拡張手段と、
    前記近似領域の辺縁を円弧状に確定する確定手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記抽出手段は、閾値を越える画素値、あるいは閾値を越えない画素値の画像領域を抽出する閾値手段を備えることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記抽出手段は、関心領域を設定する関心領域設定手段を備えることを特徴とする請求項2ないし3のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  5. 前記関心領域設定手段は、前記関心領域の範囲を記憶し、前記垂直断層画像情報の断層画像に近接する複数の断層画像に前記範囲を設定する再設定手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  6. 前記平滑化手段は、前記血栓領域の濃度斑を平滑するマスク領域の大きさを有する空間フィルタを備えること特徴とする請求項2ないし5のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  7. 前記空間フィルタは、マスク領域の大きさを変更する変更手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記確定手段は、前記辺縁を円弧で近似することを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載の画像処理装置。
  9. X線ビームを被検体に照射して、前記被検体の投影データを収集し、前記投影データの画像再構成により前記被検体の断層画像情報を取得するX線CT装置と、
    前記X線CT装置の前記断層画像情報を転送する転送手段と、
    前記転送手段により転送された前記断層画像情報から、血管中の血流方向と垂直に交わる複数の垂直断層画像情報を生成する画像処理装置と、
    を備えるX線CTシステムであって、
    前記画像処理装置は、前記垂直断層画像情報の画像から前記血管を含む前記血管の近傍領域を抽出する抽出手段と、前記近傍領域の画像を平滑化する平滑化手段と、前記平滑化された画像から、指定範囲の画素値を有する領域を抽出する領域拡張手段と、前記血栓領域の辺縁を円弧状に確定する確定手段と、
    を備えることを特徴とするX線CTシステム。
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