JP2004056256A - デジタルアナログ変換器及びデジタルアナログ変換方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】雑音成分等の抑制が容易なデジタルアナログ変換器を提供する。
【解決手段】分解能設定部5により、所定周期Ts内において互いに相違した時間分解能を示すn個の基準信号Cn−1〜C0を生成する。分散パルス生成部6において、変換すべきデジタルデータB(bn−1,…,b0)の各ビットbn−1〜b0に対応付けて基準信号Cn−1〜C0を選択し、選択した基準信号を周期Tsに合わせて合成することで変換信号Soを生成し、D/A変換した信号として出力する。ここで、各基準信号Cn−1〜C0は、所定の時間幅Δτに設定された矩形波PLを所定周期Ts内において時間的に均等に分散させた形状の信号とし、更に同じ時点で矩形波PLが重複して生じることがないように排他的に配列させた信号とする。そして、デジタルデータBの各ビットbn−1〜b0に対応付けて選択した基準信号を合成することで、所定周期Ts内において複数の矩形波PLが時間的に均等な密度で配列された形状となる変換信号Soを生成する。
【選択図】 図2
【解決手段】分解能設定部5により、所定周期Ts内において互いに相違した時間分解能を示すn個の基準信号Cn−1〜C0を生成する。分散パルス生成部6において、変換すべきデジタルデータB(bn−1,…,b0)の各ビットbn−1〜b0に対応付けて基準信号Cn−1〜C0を選択し、選択した基準信号を周期Tsに合わせて合成することで変換信号Soを生成し、D/A変換した信号として出力する。ここで、各基準信号Cn−1〜C0は、所定の時間幅Δτに設定された矩形波PLを所定周期Ts内において時間的に均等に分散させた形状の信号とし、更に同じ時点で矩形波PLが重複して生じることがないように排他的に配列させた信号とする。そして、デジタルデータBの各ビットbn−1〜b0に対応付けて選択した基準信号を合成することで、所定周期Ts内において複数の矩形波PLが時間的に均等な密度で配列された形状となる変換信号Soを生成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルアナログ変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルデータをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換器(以下「D/A変換器」という)として、1ビットD/A変換器と呼ばれるD/A変換器が知られている。
【0003】
このD/A変換器は、デジタルデータをパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)信号に変換し、そのPWM信号をローパスフィルタ等で平滑化させることで、最終的にアナログ信号を生成させる。
【0004】
図1(a)は、従来の一般に知られた1ビットD/A変換器の構成を示しており、N進カウンタ1と、M進カウンタ2と、RSフリップフロップ回路3とを備えて構成されている。
【0005】
N進カウンタ1は、所定周波数fcのクロックCKをN個計数する毎にリセットスタートを繰り返す、バイナリカウンタで形成されている。
【0006】
M進カウンタ2は、プリセッタブルバイナリカウンタで形成され、デジタルデータDataがプリセットされると、そのデジタルデータDataの値に相当する回数だけクロックCKを計数する。
【0007】
また、N進カウンタ1の最大計数値NとM進カウンタ2の最大計数値Mとの関係がM≦Nに設定されており、M≧2mの関係を満足するmビットのバイナリデータ等がデジタルデータDataとしてM進カウンタ2にプリセッとされる。
【0008】
したがって、デジタルデータDataがM進カウンタ2にプリセットされて、N進カウンタ1とM進カウンタ2が同時に計数動作を開始すると、M進カウンタ2は、N進カウンタ1がクロックCKをN個計数し終えるまでに、デジタルデータDataの値に相当する計数動作を完了するようになっている。
【0009】
RSフリップフロップ回路3は、セット入力端子Sとリセット入力端子R及び出力端子Qを有し、N進カウンタ1とM進カウンタ2との出力に応じてセットとリセットの動作を行う。そして、セットとリセットの動作に応じて、出力端子QからPWM信号Spwmを出力し、ローパスフィルタ4に供給すると共にM進カウンタ2をリセットスタートさせるための制御信号として、M進カウンタ2へも供給するようになっている。
【0010】
ここで仮に、デジタルデータDataが音楽や音声等のアナログ信号を所定のサンプリング周波数fsでサンプリングすることによって生成されたmビットずつのバイナリデータ列であって、そのデジタルデータDataに基づいて元のアナログ信号Soutに復元するような場合には、M進カウンタ2に個々のデジタルデータDataをプリセットするための周期Tsと、サンプリング周波数fsと、クロックCKの周波数fcが、いわゆるサンプリング定理を満足すべく決められている。
【0011】
例えば、クロックCKの周波数fcはサンプリング周波数fsのN倍の周波数(N×fs)、周期Tsはサンプリング周波数fsの逆数(1/fs)に相当する周期に決められている。
【0012】
かかる構成を有する1ビットD/A変換器によると、図1(b)に例示するように、周期Ts毎にプリセットされる各デジタルデータDataの値に応じてデューティ比の変化するPWM信号Spwmを生成する。
【0013】
すなわち、N進カウンタ1は、各周期TsにおいてクロックCKに基づく計数動作を行い、各周期Tsの開始時点でRSフリップフロップ回路3をセットすることにより、PWM信号Spwmを論理“H”に反転させる。
【0014】
一方、M進カウンタ2は、PWM信号Spwmが論理“H”となるのに伴ってクロックCKに基づく計数動作を開始(リセットスタート)する。そして、デジタルデータDataの値に相当する回数分の計数動作を行って、RSフリップフロップ回路3をリセットすることにより、PWM信号Spwmを論理“H”から“L”に反転させる。
【0015】
したがって、PWM信号SpwmはデジタルデータDataの値に相当する期間τにおいて論理“H”、残余の期間(Ts−τ)において論理“L”となり、各周期Tsにおけるデューティ比が各デジタルデータDataの値に応じて変化することにより、D/A変換を実現している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のPWM変調を利用したD/A変換器は、各デジタルデータDataの値に応じてPWM信号Spwmのデューティ比を変化させ、それによって各周期TsにおけるPWM信号Spwmの交流エネルギーを変化させることで、ローパスフィルタ4等に通した場合に、各周期Tsの交流エネルギーに応じて振幅の変化するアナログ信号Soutを生成することが可能となっている。
【0017】
ところが、既述したように、論理“H”となる期間τは周期Tsの前半側、論理“L”となる期間(Ts−τ)は周期Tsの後半側に夫々別れて偏在することから、PWM信号Spwmの交流エネルギーは期間τに集中する。
【0018】
このため、PWM信号Spwmの交流分の基本周波数は、周期Tsの逆数(1/Ts)に相当する周波数にほぼ固定することになり、デジタルデータDataの値に応じてデューティ比が変化しても、その交流分の基本周波数は変化しない。更にPWM信号Spwmは矩形波であることから、図1(c)の周波数特性にて例示するように、その基本周波数の整数倍の周波数位置に高調波ノイズh1,h2,h3…等が発生する。
【0019】
そして、特定の周波数位置に固定して生じる高調波ノイズh1,h2,h3…等は、アナログ信号Soutを生成するのに必要な周波数帯域に近い周波数位置に生じることから、アナログ信号Soutを生成するのに必要な周波数帯域と、高調波ノイズh1,h2,h3…等の不要成分とを峻別するためのローパスフィルタ等を設計することが難しく、リップルその他の雑音を嫌う例えば制御回路や通信機器等に従来のD/A変換器を利用した場合、雑音対策が難しい等の問題があった。
【0020】
具体的な場合を例示すれば、高調波ノイズh1,h2,h3…等の不要成分を峻別して除去し得るローパスフィルタ4を設計しようとすると、高域のカットオフ周波数特性が急峻な高次のローパスフィルタが必要となる。ところが、位相遅れと利得等の関係を考慮しつつ、安定性を確保し得る高次のローパスフィルタを設計等することは一般に困難を伴う。
【0021】
一方、図1(c)中の周波数特性G(f)で示すような安定性を重視した低次のローパスフィルタを用いたのでは、高調波ノイズh1,h2,h3…等を十分除去することができず、アナログ信号Soutにリップル等が混入することとなって、上述の制御回路や通信機器等に悪影響を及ぼす等の問題を生じる。
【0022】
本発明は、こうした従来の課題に鑑みてなされたものであり、新規な構成及び機能を有するデジタルアナログ変換器を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデジタルアナログ変換器は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換器であって、前記デジタルデータの値に相当する複数個の信号波形から成る信号列を有する変換信号を生成することによりデジタルアナログ変換を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器において、前記複数個の信号波形を前記所定周期内において時間的に均等に生じさせることを特徴とする。
【0025】
請求項3に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項1又は2に記載のデジタルアナログ変換器において、前記複数個の各信号波形は、予め決められた時間幅を有することを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載のデジタルアナログ変換器は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換器であって、所定周期内において時間分解能の異なる複数の基準信号を生成する第1の手段と、前記複数の基準信号を前記デジタルデータの値に応じた組み合わせで選択し、選択した基準信号を前記所定周期に合わせて合成することで、前記デジタルデータの値に相当する信号列を有する変換信号を生成する第2の手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項4に記載のデジタルアナログ変換器において、前記時間分解能の異なる複数の基準信号は夫々、前記周期内において時間的に均等に分散された複数の信号波形から成ることを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項5に記載のデジタルアナログ変換器において、前記時間的に分散された複数個の各信号波形は、予め決められた時間幅を有することを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載のデジタルアナログ変換方法は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換方法であって、前記デジタルデータの値に相当する複数個の信号波形から成る信号列を有する変換信号を生成することによりデジタルアナログ変換を行うことを特徴とする。 請求項8に記載のデジタルアナログ変換方法は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換方法であって、所定周期内において時間分解能の異なる複数の基準信号を生成する第1の工程と、前記複数の基準信号を前記デジタルデータの値に応じた組み合わせで選択し、選択した基準信号を前記所定周期に合わせて合成することで、前記デジタルデータの値に相当する信号列を有する変換信号を生成する第2の工程とを備えることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は本実施形態のデジタルアナログ変換器の構成及び機能を示す図である。
【0031】
図2(a)において、本デジタルアナログ変換器(D/A変換器)は、D/A変換すべきデジタルデータBが供給されると、そのデジタルデータBの値に相当する複数個の信号から成る信号列を有する変換信号Soを生成することによりデジタルアナログ変換を行う構成となっている。
【0032】
かかる変換信号Soを生成すべく、分解能設定部5と分散パルス生成部6を有して構成されている。
【0033】
分解能設定部5は、予め設定される所定の周期Ts内において、互いに相違した時間分解能を示すn個(nは、予め決められる適宜の自然数)の基準信号Cn−1〜C0を生成して出力する。
【0034】
すなわち、最も高い分解能を表す時間幅を単位時間幅Δτとし、この単位時間幅Δτ及びその単位時間幅Δτを2の自然数倍すると得られる合計n通りの時間幅Δτ,2×Δτ,4×Δτ,……,2n−1×Δτを夫々の時間分解能として示すn通りの基準信号Cn−1,……,C2,C1,C0を出力する。
【0035】
更に、これらn個の夫々異なった時間分解能を示すために、単位時間幅Δτ以下の時間幅を有するパルス状の矩形波PLを、周期Ts内において2n−1個ずつ時間的に均等させて生じさせることで、夫々の基準信号Cn−1〜C0を生成する。
【0036】
つまり、最も高い分解能を示す基準信号Cn−1は、2n−1個の矩形波PLが周期Ts内において時間的に均等に配列された形状の波形であり、2番目に高い分解能を示す基準信号Cn−2は、2n−2個の矩形波PLが周期Ts内において時間的に均等に配列された形状の波形であり、以下同様にして、最も低い分解能を示す基準信号C0は、20個(別言すると、1個)の矩形波PLが周期Ts内において時間的に均等に配列された形状の波形として生成される。
【0037】
これにより、分解能設定部5は、一例としてn=4とした場合、図2(b)のタイミングチャートに示すような夫々の矩形波PLが同じ時点で重複して生じることがないように排他的に配列した波形より成る、4通り(n=4)の基準信号Cn−1〜C0(つまり、C3〜C0 )を周期Tsに同期して繰り返し出力する。
【0038】
すなわち、基準信号Cn−1(つまりC3)において論理“H”の矩形波PLが生じる時点では、残余の基準信号Cn−2〜C0(つまりC2〜C0 )の何れも論理“H”の矩形波PLが生じることはなく、また、基準信号Cn−2(つまりC2)において論理“H”の矩形波PLが生じる時点では、残余の基準信号Cn−3〜C0(つまりC1〜C0 )の何れも論理“H”の矩形波PLが生じることがなく、以下同様に、基準信号Cn−1〜C0(つまりC3〜C0 )の全てにおいて夫々の矩形波PLが周期Ts内の同じ時点で重複することなく必ず排他的に生じるようになっている。
【0039】
そして、上述したように夫々の矩形波PLの発生位置が、周期Ts内において時間的に均等となるように決められている。
【0040】
なお、図2(b)は、後述するバイナリデータBが4ビット(n=4)であって、その4ビットのバイナリデータBをデジタルアナログ変換する場合を例示したものである。一般的に述べれるならば、分解能設定部5は、デジタルアナログ変換すべきバイナリデータBのビット数nに応じて、n通りの基準信号Cn−1〜C0を生成し、更に夫々の基準信号Cn−1〜C0に生じる矩形波PLが同じ時点で重複して生じることがないように排他的に配列した波形となるように生成して出力する。
【0041】
そして、こうした波形からなる基準信号Cn−1〜C0を生成するため、分解能設定部5は、集積回路装置(IC)やトランジスタ等の電子素子を用いた所謂ハードウェア回路で形成されたり、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)等によるプロプラム処理によって実現されている。
【0042】
分散パルス生成部6は、変換すべきデジタルデータBが入力されると、上述の基準信号Cn−1〜C0を選択的に組み合わせて合成することで、デジタルデータBの値に相当するパルス列から成る変換信号Soを周期Tsにおいて出力する。
【0043】
より具体的に述べると、デジタルデータBが、B(bn−1,bn−2,…,b1,b0)で表されるnビットのバイナリデータであった場合、最上位ビットbn−1から最下位ビットb0までの各ビットbn−1〜b0に対応付けて基準信号Cn−1〜C0を選択する。
【0044】
つまり、ビットbn−1が“1”であれば基準信号Cn−1を選択し、ビットbn−1が“0”であれば基準信号Cn−1を選択しない。
【0045】
また、ビットbn−2が“1”であれば基準信号Cn−2を選択し、ビットbn−2が“0”であれば基準信号Cn−2を選択しないようにし、以下同様に、残余の各ビットbn−3〜b0と基準信号Cn−3〜C0との対応関係についても、夫々のビットが“1”か“0”かで基準信号Cn−3〜C0を取捨選択する。
【0046】
そして、基準信号Cn−1〜C0のうち、選択した基準信号を周期Tsに合わせて合成(加算)することで、デジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b1,b0)の値に相当する個数の矩形波PLを有する変換信号Soを生成し、その変換信号SoをD/A変換した信号として出力する。
【0047】
例えば、図2(b)を参照して説明した4通りの基準信号Cn−1,Cn−2,…,C1,C0に基づいて、4ビット(n=4)のデジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b1,b0)をデジタルアナログ変換する場合には、デジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b1,b0)の値が10進数の「2」であった場合、別言すればビットb1のみが“1”であって、残余のビットb3,b2,b0は全て“0”であった場合には、基準信号C1のみを選択することにより、図3(a)中に例示するような波形となる変換信号So1を生成して出力する。
【0048】
また、上述のデジタルデータBの値が、10進数の「3」であった場合、別言すればビットb1とb0が“1”であって、残余のビットb3,b2は全て“0”であった場合には、基準信号C1とC0を選択して合成することにより、図3(a)中に例示するような波形となる変換信号So2を生成して出力する。
【0049】
また、上述のデジタルデータBの値が、10進数の「4」であった場合、別言すればビットb2が“1”であって、残余のビットb3,b1,b0は全て“0”であった場合には、基準信号C3を選択することで、図3(a)中に例示するような波形となる変換信号So3を生成して出力する。
【0050】
このように、入力されるデジタルデータBの値に応じて基準信号Cn−1〜C0を取捨選択し、選択した基準信号を合成することで、D/A変換した変換信号Soを出力する。
【0051】
そして、変換すべきデジタルデータBが周期Tsに同期した複数個のデジタルデータ列として入力されると、各周期Tsにおいて各デジタルデータBの値に応じて基準信号Cn−1〜C0を取捨選択して合成することにより、デジタルデータ列を周期Tsに同期した変換信号Soとして連続的に出力する。
【0052】
そして、例えば周期Tsの逆数(1/Ts)に相当するカットオフ周波数を有するローパスフィルタに変換信号Soを供給すると、変換信号Soを平滑化させ、周期Ts内の矩形波PLの個数に相当するエネルギーに比例して振幅の変化するアナログ信号を最終的に生成させることができる。
【0053】
このように本実施形態のデジタルアナログ変換器は、従来のPWM信号を出力するD/A変換器とは異なり、デジタルデータBの値に相当する個数の矩形波PLを、D/A変換すべき周期Ts内において時間的に均等に分散配置させて、変換信号Soを生成する。
【0054】
したがって、変換信号Soの矩形波PLは、D/A変換すべき各周期Ts内において均等な密度で分散することから、交流分のエネルギーを周期Ts内の特定期間内に偏在させないようになっている。このため、変換信号Soの周期Ts内における交流分の基本周波数fは、従来のD/A変換器で生成されるPWM信号の基本周波数fsよりも高くなる。
【0055】
更に、変換信号Soに内在する高調波の周波数も、PWM信号の高調波の周波数よりも高くなる。
【0056】
つまり、従来のD/A変換器で生成されるPWM信号は、デューティ比で決められる論理“H”と“L”となる期間が周期Ts内において1つずつ偏在することから、その高調波は周期Tsの逆数(1/Ts)に相当する固定された基本周波数fsに近い周波数位置、別言すれば低い周波数位置に生じることになるのに対して、本実施形態のD/A変換器では、既述した時間分解能に基づいて時間幅が設定される矩形波PLの個数(別言すれば、周期To内の矩形波PLの密度)に基づいて、交流分の基本周波数fが決まることから、周期Tsの逆数(1/fs)に相当する基本周波数fsよりも離れた高い周波数位置に生じることになる。
【0057】
このため、例えばローパスフィルタによって高調波等の不要な成分を除去して、最終的にアナログ信号を生成するような一般的に行われている利用形態にあっては、図3(b)に示すように、アナログ信号を生成するのに必要な成分を取り出すための通過帯域と、高調波h1,h2,h3…等の生じる周波数帯域とが離れているため、その通過帯域を設定するための高域カットオフ周波数の周波数位置を容易に設定することができる。その結果、例えば回路設計等を行う際の自由度を向上させることができる等の効果が得られる。
【0058】
また、遮断特性が急峻な例えば高次のローパスフィルタ等を設計しなくとも、図3(b)に示すように、高調波h1,h2,h3…等を除去し得る安定な通過周波数特性G(f)を有するローパスフィルタを適用することで、リップル等を十分に抑制したアナログ信号を生成することが可能となる。つまり、リップル等の雑音を嫌う制御回路や通信機器等に本D/A変換器を利用した場合、雑音対策が容易となるという効果が得られる。
【0059】
なお、説明の便宜上、バイナリデータとしてのデジタルデータBをD/A変換するものとして説明したが、特にバイナリデータに限定されるものではない。
【0060】
例えば10進数の値を示すデジタルデータBが分散パルス生成部6に入力されると、そのデジタルデータBをバイナリデータに変換し、その変換したバイナリデータの各ビットが“1”か“0”かに応じて各基準信号Cn−1〜C0を取捨選択するようにしてもよい。
【0061】
また、特にバイナリデータに変換しなければならないというものではなく、要は、入力されるデジタルデータBの値に相当する基準信号の組み合わせを、基準信号Cn−1〜C0の中から取捨選択する構成とすればよい。
【0062】
【実施例】
次に、より具体的な実施例を図4〜図8を参照して説明する。
【0063】
なお、図4〜図6は本実施例のD/A変換器の構成等を示す図、図7及び図8は、本D/A変換器の作用等を説明するための図である。
【0064】
図4において、本D/A変換器は、N進カウンタ7とデコーダ回路8とを備えて構成された上述の分解能設定部5に相当する回路と、反転回路(インバータ)E0〜En−1と論理積ゲート(ANDゲート)H0〜Hn−1とを備えて構成された上述の分散パルス生成部6に相当する回路を有して形成されている。
【0065】
そして、nビット(nは任意の自然数)のバイナリデータより成るデジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b2,b1,b0)をデジタルアナログ変換し、変換結果としての変換信号Soを出力する。
【0066】
分解能設定部5は、上述のようにN進カウンタ7とデコーダ回路8を備えて構成されている。
【0067】
ここで、N進カウンタ7は、予め可変調節された所定周波数fcのクロックCKに同期して計数動作し、最下位置ビット(LSB)Q0から最下位置ビット(MSB)Qn−1までのn個のビット出力を計数信号Q0〜Qn−1として並列出力する。
【0068】
また、図5のタイミングチャートにて例示するように、N進カウンタ7は、その最大計数値Nを可変設定することが可能な可変カウンタで形成されており、予め可変設定された10進数で表される最大計数値Nに相当する分のクロックCKを計数すると、その最大計数値Nの計数期間を1周期Tsとして、0からNまでの計数動作を周期Tsに同期して繰り返す。
【0069】
デコーダ回路8は、図6(a)に示す回路構成となっており、インバータE0〜En−1とANDゲートH0〜Hn−1とによって、上述のn個のビット出力である計数信号Q0〜Qn−1を所定の組み合わせで論理演算することにより、図6(b)で表されているように、n通りの分解能を示す基準信号C0〜Cn−1を生成して出力する。
【0070】
すなわち、インバータEn−1は、計数信号Q0のみを論理反転させ、残余の計数信号Q1〜Qn−1をドントケアー(Don’t Care)として扱う、すなわち記号「*」で表される計数信号Q1〜Qn−1をドントケアーとして扱うことで、最も時間分解能の高い矩形波から成る基準信号Cn−1を出力する。これにより、上述のクロックCKをN進カウンタ7が2個計数する毎に、基準信号Cn−1は1回論理反転する矩形波状の信号となる。
【0071】
インバータEn−2とANDゲートHn−2は、計数信号Q0とQ1が夫々論理“1”と“0”になるときだけ、論理“H”となる基準信号Cn−2を出力する。つまり、上述のクロックCKをN進カウンタ7が4個計数する毎に、基準信号Cn−1は1回論理反転する矩形波状の信号となる。
【0072】
インバータEn−3とANDゲートHn−3は、計数信号Q0とQ1が共に論理“1”で、且つ計数信号Q2が論理“0”になるときだけ、論理“H”となる基準信号Cn−2を出力する。つまり、上述のクロックCKをN進カウンタ7が8個計数する毎に、基準信号Cn−1は1回の割合で論理“H”となる。
【0073】
以下同様にして、最後の段に設けられたインバータE0とANDゲートH0が、計数信号Qn−1が論理“0”、残余の計数信号Qn−2〜Q0が全て論理“1”となるときだけ、論理“H”となる基準信号C0を出力する。
【0074】
このようにデコーダ回路8は、計数信号Q0〜Qn−1を組み合わせてデコードすることにより、図7中に示すようなクロックCKに同期した矩形波PLを含んだn通りの基準信号C0〜Cn−1を出力する。
【0075】
そして、図7から解るように、基準信号C0〜Cn−1中の夫々の矩形波PLは同じ時点で重複して論理“H”となることはなく、必ず排他的に生じるようになっている。
【0076】
更に、基準信号C0〜Cn−1中の夫々の矩形波PLは周期Ts内において時間的に均等に現れ、更に各基準信号C0〜Cn−1中に生じる所定時間幅Δτの矩形波PLの個数に応じて、周期Ts内における分解能を表すようになっている。
【0077】
つまり、基準信号C0に含まれる矩形波PLの個数が最も少ないことから、基準信号C0による分解能が最も低く、基準信号Cn−1に含まれる矩形波PLの個数が最も多いことから、基準信号Cn−1による分解能が最も高くなる。そして、基準信号C1〜Cn−2による分解能は、基準信号C0とCn−1の間の夫々異なった分解能を表す。
【0078】
再び図4において、分散パルス生成部6に相当する複数個のANDゲートK0〜Kn−1と論理和ゲートORは、D/A変換すべき対象であるnビットのバイナリデータBとn通りの基準信号C0〜Cn−1とを論理演算することで、変換信号Soを生成して出力する。
【0079】
ここで、ANDゲートK0〜Kn−1は、D/A変換すべき対象であるnビットのバイナリデータBとn通りの基準信号C0〜Cn−1との論理積を求め、論理和ゲートORは、ANDゲートK0〜Kn−1の全出力の論理和を求めて、その結果を変換信号Soとして出力する。
【0080】
なお、本実施例の分散パルス生成部6は、バイナリデータBの最上位ビットbn−1と最大の分解能を表す基準信号Cn−1との論理積を求め、また、バイナリデータBの次のビットbn−2と次の分解能を表す基準信号Cn−2との論理積を求め、以下同様にして、最下位ビットb0と最も分解能の小さい基準信号C0との論理積を求めることで、バイナリデータB(bn−1〜b0)の各ビットに割り当てられている論理値に対応する分解能の信号を生成する。
【0081】
つまり、図7に模式的に示すように、ANDゲートK0〜Kn−1は、バイナリデータB(bn−1〜b0)のうち、論理“1”となったビットに対応する基準信号をCn−2〜C1のうちから選択し、そして論理和ゲートORが、選択された各分解能の基準信号を論理和演算する。
【0082】
これにより、バイナリデータB(bn−1〜b0)の値に相当する個数の矩形波PLを有し、その個数によって周期Tsにおける時間分解能を表す変換信号Soを出力する。
【0083】
次に、図8(a)〜(d)に示す変換信号Soの波形例を参照して、本実施例に係るD/A変換器の動作例を説明する。
【0084】
なお、一具体例として、4ビット(n=4)のバイナリデータBをD/A変換すべく、可変設定が可能なN進カウンタ7を15進カウンタに設定したときの動作について説明する。
【0085】
図8(a)に示す変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「3」の場合(つまり、バイナリ(0,0,1,1)の場合)の波形を示している。
【0086】
また、図8(b)に例示する変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「5」の場合(つまり、バイナリ(0,1,0,1)の場合)の波形を示している。
【0087】
また、図8(c)に例示する変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「9」の場合(つまり、バイナリ(1,0,0,1)の場合)の波形を示している。
【0088】
また、図8(d)に例示する変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「12」の場合(つまり、バイナリ(1,1,0,0)の場合)の波形を示している。
【0089】
そして、N進カウンタ7がクロックCKを15個(N=15)計数してリセットスタートを繰り返す周期Tsに同期させて、バイナリデータBの系列を順次供給すると、周期Ts毎に各バイナリデータBの値に応じて変化する変換信号Soが連続的に生成される。
【0090】
また、この変換信号Soをローパスフィルタ等に供給して平滑化させると、最終的にアナログ信号を生成させることができる。
【0091】
このように、本実施例のD/A変換器によれば、変換すべきデータBの値に対応して、予め決められた時間幅の矩形波PLの数を設定し、それらの矩形波PLを周期Ts内において均等な密度で生じさせることで変換信号Soを生成するので、周期Tsにおける変換信号Soの交流分のエネルギーは、周期Tsの逆数(1/Ts)に相当する周波数fsに固定しない。
【0092】
つまり、周期Tsにおける変換信号Soの交流分の基本周波数fは、上述の周波数fsよりも高い周波数位置に生じることとなる。
【0093】
更に、周波数fsよりも高い基本周波数fに比例した周波数位置に高調波が生じるようになる。
【0094】
このため、例えば一般的な利用形態として、上述の周波数fsをサンプリング周波数とし、オーディオデータ等のデータBをD/A変換するような形態で本D/A変換器を使用することとすると、アナログ信号を生成するのに必要な周波数fs以下の帯域と、周波数fsより高い周波数位置に生じる高調波等の不要成分とを峻別するためのローパスフィルタ等の設計が容易となる。
【0095】
つまり、図3(b)に示したように、アナログ信号を生成するのに必要な周波数fs以下の帯域と、高調波等の不要成分が生じる周波数fsより高い周波数位置とが離れるので、高次のローパスフィルタ等であってもそのカットオフ周波数を容易に設定することが可能となる等の効果が得られる。
【0096】
より詳細に本効果が得られる点について説明すると、従来のPWM信号Spwmを利用したD/A変換器では、周期Ts内におけるPWM信号Spwmの交流分の基本周波数は固定となって変化しないのに対し、本実施例のD/A変換器では、変換信号Soの周期Ts内における矩形波PLの個数が増えるのに伴って、周期Ts内における矩形波PLの密度が上がるので、変換信号Soの周期Ts内における交流分の基本周波数fは、周期Tsの逆数(1/Ts)の周波数fsよりも高い周波数となる。
【0097】
したがって、変換信号Soの交流分の基本周波数fは、上述のPWM信号Spwmにおける基本周波数fsよりも離れた高い周波数となり、更に高調波等の不要な周波数成分は基本周波数fの整数倍の高い周波数位置に生じることになる。
【0098】
このため、既述したような高調波等の不要な周波数成分を除去すべく、変換信号Soをローパスフィルタ等に通すこととする場合には、そのローパスフィルタを容易に設計することができる等の効果や、設計の自由度を向上させることができる等の効果が得られる。
【0099】
また、通信機器や各種制御機器等に本D/A変換器を適用する場合、それらの機器で要求される仕様条件は様々であるが、例えば従来技術として説明したPWM信号を使用するD/A変換器と同様のリップルの発生を許容できる機器に適用する場合には、従来のD/A変換器に比して本D/A変換器の方が明らかにローパスフィルタ等の設計条件を緩和することが可能である。
【0100】
また、リップル等の発生を嫌う通信機器や各種制御機器等において従来のD/A変換器を利用し、リップル等の発生を抑制すべく例えば遮断周波数特性の急峻な高次のローパスフィルタを利用していた場合、本D/A変換器に代えることで、より高品位のアナログ信号を生成することができるという効果が得られる。つまり、本D/A変換器に代えることで、既存の通信機器や各種制御機器等の性能向上を図ることが可能となる。
【0101】
また、より具体的な効果を例示すれば、ラジオ受信機やテレビジョン受信機若しくは携帯電話の受信機等に内蔵されているデジタルチューナにおける同調制御回路や自動利得可変回路(AGC)から出力されるデジタルデータをD/A変換する場合、それら同調制御回路の局発(同調周波数)や自動利得可変回路のバイアスを所定条件に設定すると、基本周波数fが高くなる最適な範囲を利用することができ、更に基本周波数fが高くなるのに伴って高調波成分もより高い周波数となることから、ノイズ等の影響を抑制することが可能なラジオ受信機やテレビジョン受信機若しくは携帯電話の受信機等を実現することができる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態及び実施例のD/A変換器によれば、デジタルデータBに相当する個数の矩形波PLを、D/A変換すべき周期Ts内において時間的に均等に分散配置させて変換信号Soを生成するので、変換信号Soの周期Ts内における交流分の基本周波数fを周期Tsの逆数(1/fs)の周波数fsよりも高くすることができ、また高調波等の周波数位置も基本周波数fが高くなるのに伴って高くすることができる。
【0103】
このため、上述した各種の効果を発揮することができ、また新規な特性を発揮するものであることから、かかる特性を生かした様々な利用形態に貢献することができるものである。
【0104】
なお、図2に示した本実施形態の構成はあくまでも好適な一形態を示したものであり、上述した機能と同一又は相当する機能を他の構成で実現するようにしてもよい。また、上述の実施例についても好適な具体例を示したものであり、他の構成で実現するようにしてもよい。
【0105】
また、実施形態並びに実施例では、各基準信号Cn−1〜C0をパルス状の矩形波PLによって形成するものとしているが、必ずしもその信号波形PLを矩形波にしなければならないというものではない。要は、離散的な信号波形であれば、矩形波以外の波形としてもよい。
【0106】
また、その離散的な信号波形が所定周期Ts内において、時間的に完璧に分散していなければならないというものではなく、実利用に際して要求される仕様条件等を満足する範囲内で変更してもよい。
【0107】
また、上述の実施例では、いわゆるディスクリート等の電子回路として形成する場合を述べたが、これに限定されるものではなく、演算機能を有するマイクロプロセッサ(MPU)を有するパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器において、上述の実施例の機能に相当するデジタルアナログ変換用プログラムを実行させることでD/A変換することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の1ビットD/A変換器の構成及び作用を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るD/A変換器の構成及び作用を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るD/A変換器の作用を更に説明するための図である。
【図4】本実施例のD/A変換器の構成を説明するための図である。
【図5】本実施例のD/A変換器の作用を説明するための図である。
【図6】本実施例のD/A変換器の構成及び作用を更に説明するための図である。
【図7】本実施例のD/A変換器の作用を更に説明するための図である。
【図8】本実施例のD/A変換器でD/A変換される変換信号の波形例を示す図である。
【符号の説明】
5…分解能設定部
6…分散パルス生成部
7…N進カウンタ
8…デコーダ回路
E0〜En−1…インバータ
K0〜Kn−1,H0〜Hn−2…論理積ゲート
OR…論理和ゲート
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルアナログ変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルデータをアナログ信号に変換するデジタルアナログ変換器(以下「D/A変換器」という)として、1ビットD/A変換器と呼ばれるD/A変換器が知られている。
【0003】
このD/A変換器は、デジタルデータをパルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)信号に変換し、そのPWM信号をローパスフィルタ等で平滑化させることで、最終的にアナログ信号を生成させる。
【0004】
図1(a)は、従来の一般に知られた1ビットD/A変換器の構成を示しており、N進カウンタ1と、M進カウンタ2と、RSフリップフロップ回路3とを備えて構成されている。
【0005】
N進カウンタ1は、所定周波数fcのクロックCKをN個計数する毎にリセットスタートを繰り返す、バイナリカウンタで形成されている。
【0006】
M進カウンタ2は、プリセッタブルバイナリカウンタで形成され、デジタルデータDataがプリセットされると、そのデジタルデータDataの値に相当する回数だけクロックCKを計数する。
【0007】
また、N進カウンタ1の最大計数値NとM進カウンタ2の最大計数値Mとの関係がM≦Nに設定されており、M≧2mの関係を満足するmビットのバイナリデータ等がデジタルデータDataとしてM進カウンタ2にプリセッとされる。
【0008】
したがって、デジタルデータDataがM進カウンタ2にプリセットされて、N進カウンタ1とM進カウンタ2が同時に計数動作を開始すると、M進カウンタ2は、N進カウンタ1がクロックCKをN個計数し終えるまでに、デジタルデータDataの値に相当する計数動作を完了するようになっている。
【0009】
RSフリップフロップ回路3は、セット入力端子Sとリセット入力端子R及び出力端子Qを有し、N進カウンタ1とM進カウンタ2との出力に応じてセットとリセットの動作を行う。そして、セットとリセットの動作に応じて、出力端子QからPWM信号Spwmを出力し、ローパスフィルタ4に供給すると共にM進カウンタ2をリセットスタートさせるための制御信号として、M進カウンタ2へも供給するようになっている。
【0010】
ここで仮に、デジタルデータDataが音楽や音声等のアナログ信号を所定のサンプリング周波数fsでサンプリングすることによって生成されたmビットずつのバイナリデータ列であって、そのデジタルデータDataに基づいて元のアナログ信号Soutに復元するような場合には、M進カウンタ2に個々のデジタルデータDataをプリセットするための周期Tsと、サンプリング周波数fsと、クロックCKの周波数fcが、いわゆるサンプリング定理を満足すべく決められている。
【0011】
例えば、クロックCKの周波数fcはサンプリング周波数fsのN倍の周波数(N×fs)、周期Tsはサンプリング周波数fsの逆数(1/fs)に相当する周期に決められている。
【0012】
かかる構成を有する1ビットD/A変換器によると、図1(b)に例示するように、周期Ts毎にプリセットされる各デジタルデータDataの値に応じてデューティ比の変化するPWM信号Spwmを生成する。
【0013】
すなわち、N進カウンタ1は、各周期TsにおいてクロックCKに基づく計数動作を行い、各周期Tsの開始時点でRSフリップフロップ回路3をセットすることにより、PWM信号Spwmを論理“H”に反転させる。
【0014】
一方、M進カウンタ2は、PWM信号Spwmが論理“H”となるのに伴ってクロックCKに基づく計数動作を開始(リセットスタート)する。そして、デジタルデータDataの値に相当する回数分の計数動作を行って、RSフリップフロップ回路3をリセットすることにより、PWM信号Spwmを論理“H”から“L”に反転させる。
【0015】
したがって、PWM信号SpwmはデジタルデータDataの値に相当する期間τにおいて論理“H”、残余の期間(Ts−τ)において論理“L”となり、各周期Tsにおけるデューティ比が各デジタルデータDataの値に応じて変化することにより、D/A変換を実現している。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のPWM変調を利用したD/A変換器は、各デジタルデータDataの値に応じてPWM信号Spwmのデューティ比を変化させ、それによって各周期TsにおけるPWM信号Spwmの交流エネルギーを変化させることで、ローパスフィルタ4等に通した場合に、各周期Tsの交流エネルギーに応じて振幅の変化するアナログ信号Soutを生成することが可能となっている。
【0017】
ところが、既述したように、論理“H”となる期間τは周期Tsの前半側、論理“L”となる期間(Ts−τ)は周期Tsの後半側に夫々別れて偏在することから、PWM信号Spwmの交流エネルギーは期間τに集中する。
【0018】
このため、PWM信号Spwmの交流分の基本周波数は、周期Tsの逆数(1/Ts)に相当する周波数にほぼ固定することになり、デジタルデータDataの値に応じてデューティ比が変化しても、その交流分の基本周波数は変化しない。更にPWM信号Spwmは矩形波であることから、図1(c)の周波数特性にて例示するように、その基本周波数の整数倍の周波数位置に高調波ノイズh1,h2,h3…等が発生する。
【0019】
そして、特定の周波数位置に固定して生じる高調波ノイズh1,h2,h3…等は、アナログ信号Soutを生成するのに必要な周波数帯域に近い周波数位置に生じることから、アナログ信号Soutを生成するのに必要な周波数帯域と、高調波ノイズh1,h2,h3…等の不要成分とを峻別するためのローパスフィルタ等を設計することが難しく、リップルその他の雑音を嫌う例えば制御回路や通信機器等に従来のD/A変換器を利用した場合、雑音対策が難しい等の問題があった。
【0020】
具体的な場合を例示すれば、高調波ノイズh1,h2,h3…等の不要成分を峻別して除去し得るローパスフィルタ4を設計しようとすると、高域のカットオフ周波数特性が急峻な高次のローパスフィルタが必要となる。ところが、位相遅れと利得等の関係を考慮しつつ、安定性を確保し得る高次のローパスフィルタを設計等することは一般に困難を伴う。
【0021】
一方、図1(c)中の周波数特性G(f)で示すような安定性を重視した低次のローパスフィルタを用いたのでは、高調波ノイズh1,h2,h3…等を十分除去することができず、アナログ信号Soutにリップル等が混入することとなって、上述の制御回路や通信機器等に悪影響を及ぼす等の問題を生じる。
【0022】
本発明は、こうした従来の課題に鑑みてなされたものであり、新規な構成及び機能を有するデジタルアナログ変換器を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のデジタルアナログ変換器は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換器であって、前記デジタルデータの値に相当する複数個の信号波形から成る信号列を有する変換信号を生成することによりデジタルアナログ変換を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項1に記載のデジタルアナログ変換器において、前記複数個の信号波形を前記所定周期内において時間的に均等に生じさせることを特徴とする。
【0025】
請求項3に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項1又は2に記載のデジタルアナログ変換器において、前記複数個の各信号波形は、予め決められた時間幅を有することを特徴とする。
【0026】
請求項4に記載のデジタルアナログ変換器は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換器であって、所定周期内において時間分解能の異なる複数の基準信号を生成する第1の手段と、前記複数の基準信号を前記デジタルデータの値に応じた組み合わせで選択し、選択した基準信号を前記所定周期に合わせて合成することで、前記デジタルデータの値に相当する信号列を有する変換信号を生成する第2の手段と、を備えることを特徴とする。
【0027】
請求項5に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項4に記載のデジタルアナログ変換器において、前記時間分解能の異なる複数の基準信号は夫々、前記周期内において時間的に均等に分散された複数の信号波形から成ることを特徴とする。
【0028】
請求項6に記載のデジタルアナログ変換器は、請求項5に記載のデジタルアナログ変換器において、前記時間的に分散された複数個の各信号波形は、予め決められた時間幅を有することを特徴とする。
【0029】
請求項7に記載のデジタルアナログ変換方法は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換方法であって、前記デジタルデータの値に相当する複数個の信号波形から成る信号列を有する変換信号を生成することによりデジタルアナログ変換を行うことを特徴とする。 請求項8に記載のデジタルアナログ変換方法は、所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換方法であって、所定周期内において時間分解能の異なる複数の基準信号を生成する第1の工程と、前記複数の基準信号を前記デジタルデータの値に応じた組み合わせで選択し、選択した基準信号を前記所定周期に合わせて合成することで、前記デジタルデータの値に相当する信号列を有する変換信号を生成する第2の工程とを備えることを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図2及び図3を参照して説明する。なお、図2は本実施形態のデジタルアナログ変換器の構成及び機能を示す図である。
【0031】
図2(a)において、本デジタルアナログ変換器(D/A変換器)は、D/A変換すべきデジタルデータBが供給されると、そのデジタルデータBの値に相当する複数個の信号から成る信号列を有する変換信号Soを生成することによりデジタルアナログ変換を行う構成となっている。
【0032】
かかる変換信号Soを生成すべく、分解能設定部5と分散パルス生成部6を有して構成されている。
【0033】
分解能設定部5は、予め設定される所定の周期Ts内において、互いに相違した時間分解能を示すn個(nは、予め決められる適宜の自然数)の基準信号Cn−1〜C0を生成して出力する。
【0034】
すなわち、最も高い分解能を表す時間幅を単位時間幅Δτとし、この単位時間幅Δτ及びその単位時間幅Δτを2の自然数倍すると得られる合計n通りの時間幅Δτ,2×Δτ,4×Δτ,……,2n−1×Δτを夫々の時間分解能として示すn通りの基準信号Cn−1,……,C2,C1,C0を出力する。
【0035】
更に、これらn個の夫々異なった時間分解能を示すために、単位時間幅Δτ以下の時間幅を有するパルス状の矩形波PLを、周期Ts内において2n−1個ずつ時間的に均等させて生じさせることで、夫々の基準信号Cn−1〜C0を生成する。
【0036】
つまり、最も高い分解能を示す基準信号Cn−1は、2n−1個の矩形波PLが周期Ts内において時間的に均等に配列された形状の波形であり、2番目に高い分解能を示す基準信号Cn−2は、2n−2個の矩形波PLが周期Ts内において時間的に均等に配列された形状の波形であり、以下同様にして、最も低い分解能を示す基準信号C0は、20個(別言すると、1個)の矩形波PLが周期Ts内において時間的に均等に配列された形状の波形として生成される。
【0037】
これにより、分解能設定部5は、一例としてn=4とした場合、図2(b)のタイミングチャートに示すような夫々の矩形波PLが同じ時点で重複して生じることがないように排他的に配列した波形より成る、4通り(n=4)の基準信号Cn−1〜C0(つまり、C3〜C0 )を周期Tsに同期して繰り返し出力する。
【0038】
すなわち、基準信号Cn−1(つまりC3)において論理“H”の矩形波PLが生じる時点では、残余の基準信号Cn−2〜C0(つまりC2〜C0 )の何れも論理“H”の矩形波PLが生じることはなく、また、基準信号Cn−2(つまりC2)において論理“H”の矩形波PLが生じる時点では、残余の基準信号Cn−3〜C0(つまりC1〜C0 )の何れも論理“H”の矩形波PLが生じることがなく、以下同様に、基準信号Cn−1〜C0(つまりC3〜C0 )の全てにおいて夫々の矩形波PLが周期Ts内の同じ時点で重複することなく必ず排他的に生じるようになっている。
【0039】
そして、上述したように夫々の矩形波PLの発生位置が、周期Ts内において時間的に均等となるように決められている。
【0040】
なお、図2(b)は、後述するバイナリデータBが4ビット(n=4)であって、その4ビットのバイナリデータBをデジタルアナログ変換する場合を例示したものである。一般的に述べれるならば、分解能設定部5は、デジタルアナログ変換すべきバイナリデータBのビット数nに応じて、n通りの基準信号Cn−1〜C0を生成し、更に夫々の基準信号Cn−1〜C0に生じる矩形波PLが同じ時点で重複して生じることがないように排他的に配列した波形となるように生成して出力する。
【0041】
そして、こうした波形からなる基準信号Cn−1〜C0を生成するため、分解能設定部5は、集積回路装置(IC)やトランジスタ等の電子素子を用いた所謂ハードウェア回路で形成されたり、所定のコンピュータプログラムを実行するマイクロプロセッサ(MPU)等によるプロプラム処理によって実現されている。
【0042】
分散パルス生成部6は、変換すべきデジタルデータBが入力されると、上述の基準信号Cn−1〜C0を選択的に組み合わせて合成することで、デジタルデータBの値に相当するパルス列から成る変換信号Soを周期Tsにおいて出力する。
【0043】
より具体的に述べると、デジタルデータBが、B(bn−1,bn−2,…,b1,b0)で表されるnビットのバイナリデータであった場合、最上位ビットbn−1から最下位ビットb0までの各ビットbn−1〜b0に対応付けて基準信号Cn−1〜C0を選択する。
【0044】
つまり、ビットbn−1が“1”であれば基準信号Cn−1を選択し、ビットbn−1が“0”であれば基準信号Cn−1を選択しない。
【0045】
また、ビットbn−2が“1”であれば基準信号Cn−2を選択し、ビットbn−2が“0”であれば基準信号Cn−2を選択しないようにし、以下同様に、残余の各ビットbn−3〜b0と基準信号Cn−3〜C0との対応関係についても、夫々のビットが“1”か“0”かで基準信号Cn−3〜C0を取捨選択する。
【0046】
そして、基準信号Cn−1〜C0のうち、選択した基準信号を周期Tsに合わせて合成(加算)することで、デジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b1,b0)の値に相当する個数の矩形波PLを有する変換信号Soを生成し、その変換信号SoをD/A変換した信号として出力する。
【0047】
例えば、図2(b)を参照して説明した4通りの基準信号Cn−1,Cn−2,…,C1,C0に基づいて、4ビット(n=4)のデジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b1,b0)をデジタルアナログ変換する場合には、デジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b1,b0)の値が10進数の「2」であった場合、別言すればビットb1のみが“1”であって、残余のビットb3,b2,b0は全て“0”であった場合には、基準信号C1のみを選択することにより、図3(a)中に例示するような波形となる変換信号So1を生成して出力する。
【0048】
また、上述のデジタルデータBの値が、10進数の「3」であった場合、別言すればビットb1とb0が“1”であって、残余のビットb3,b2は全て“0”であった場合には、基準信号C1とC0を選択して合成することにより、図3(a)中に例示するような波形となる変換信号So2を生成して出力する。
【0049】
また、上述のデジタルデータBの値が、10進数の「4」であった場合、別言すればビットb2が“1”であって、残余のビットb3,b1,b0は全て“0”であった場合には、基準信号C3を選択することで、図3(a)中に例示するような波形となる変換信号So3を生成して出力する。
【0050】
このように、入力されるデジタルデータBの値に応じて基準信号Cn−1〜C0を取捨選択し、選択した基準信号を合成することで、D/A変換した変換信号Soを出力する。
【0051】
そして、変換すべきデジタルデータBが周期Tsに同期した複数個のデジタルデータ列として入力されると、各周期Tsにおいて各デジタルデータBの値に応じて基準信号Cn−1〜C0を取捨選択して合成することにより、デジタルデータ列を周期Tsに同期した変換信号Soとして連続的に出力する。
【0052】
そして、例えば周期Tsの逆数(1/Ts)に相当するカットオフ周波数を有するローパスフィルタに変換信号Soを供給すると、変換信号Soを平滑化させ、周期Ts内の矩形波PLの個数に相当するエネルギーに比例して振幅の変化するアナログ信号を最終的に生成させることができる。
【0053】
このように本実施形態のデジタルアナログ変換器は、従来のPWM信号を出力するD/A変換器とは異なり、デジタルデータBの値に相当する個数の矩形波PLを、D/A変換すべき周期Ts内において時間的に均等に分散配置させて、変換信号Soを生成する。
【0054】
したがって、変換信号Soの矩形波PLは、D/A変換すべき各周期Ts内において均等な密度で分散することから、交流分のエネルギーを周期Ts内の特定期間内に偏在させないようになっている。このため、変換信号Soの周期Ts内における交流分の基本周波数fは、従来のD/A変換器で生成されるPWM信号の基本周波数fsよりも高くなる。
【0055】
更に、変換信号Soに内在する高調波の周波数も、PWM信号の高調波の周波数よりも高くなる。
【0056】
つまり、従来のD/A変換器で生成されるPWM信号は、デューティ比で決められる論理“H”と“L”となる期間が周期Ts内において1つずつ偏在することから、その高調波は周期Tsの逆数(1/Ts)に相当する固定された基本周波数fsに近い周波数位置、別言すれば低い周波数位置に生じることになるのに対して、本実施形態のD/A変換器では、既述した時間分解能に基づいて時間幅が設定される矩形波PLの個数(別言すれば、周期To内の矩形波PLの密度)に基づいて、交流分の基本周波数fが決まることから、周期Tsの逆数(1/fs)に相当する基本周波数fsよりも離れた高い周波数位置に生じることになる。
【0057】
このため、例えばローパスフィルタによって高調波等の不要な成分を除去して、最終的にアナログ信号を生成するような一般的に行われている利用形態にあっては、図3(b)に示すように、アナログ信号を生成するのに必要な成分を取り出すための通過帯域と、高調波h1,h2,h3…等の生じる周波数帯域とが離れているため、その通過帯域を設定するための高域カットオフ周波数の周波数位置を容易に設定することができる。その結果、例えば回路設計等を行う際の自由度を向上させることができる等の効果が得られる。
【0058】
また、遮断特性が急峻な例えば高次のローパスフィルタ等を設計しなくとも、図3(b)に示すように、高調波h1,h2,h3…等を除去し得る安定な通過周波数特性G(f)を有するローパスフィルタを適用することで、リップル等を十分に抑制したアナログ信号を生成することが可能となる。つまり、リップル等の雑音を嫌う制御回路や通信機器等に本D/A変換器を利用した場合、雑音対策が容易となるという効果が得られる。
【0059】
なお、説明の便宜上、バイナリデータとしてのデジタルデータBをD/A変換するものとして説明したが、特にバイナリデータに限定されるものではない。
【0060】
例えば10進数の値を示すデジタルデータBが分散パルス生成部6に入力されると、そのデジタルデータBをバイナリデータに変換し、その変換したバイナリデータの各ビットが“1”か“0”かに応じて各基準信号Cn−1〜C0を取捨選択するようにしてもよい。
【0061】
また、特にバイナリデータに変換しなければならないというものではなく、要は、入力されるデジタルデータBの値に相当する基準信号の組み合わせを、基準信号Cn−1〜C0の中から取捨選択する構成とすればよい。
【0062】
【実施例】
次に、より具体的な実施例を図4〜図8を参照して説明する。
【0063】
なお、図4〜図6は本実施例のD/A変換器の構成等を示す図、図7及び図8は、本D/A変換器の作用等を説明するための図である。
【0064】
図4において、本D/A変換器は、N進カウンタ7とデコーダ回路8とを備えて構成された上述の分解能設定部5に相当する回路と、反転回路(インバータ)E0〜En−1と論理積ゲート(ANDゲート)H0〜Hn−1とを備えて構成された上述の分散パルス生成部6に相当する回路を有して形成されている。
【0065】
そして、nビット(nは任意の自然数)のバイナリデータより成るデジタルデータB(bn−1,bn−2,…,b2,b1,b0)をデジタルアナログ変換し、変換結果としての変換信号Soを出力する。
【0066】
分解能設定部5は、上述のようにN進カウンタ7とデコーダ回路8を備えて構成されている。
【0067】
ここで、N進カウンタ7は、予め可変調節された所定周波数fcのクロックCKに同期して計数動作し、最下位置ビット(LSB)Q0から最下位置ビット(MSB)Qn−1までのn個のビット出力を計数信号Q0〜Qn−1として並列出力する。
【0068】
また、図5のタイミングチャートにて例示するように、N進カウンタ7は、その最大計数値Nを可変設定することが可能な可変カウンタで形成されており、予め可変設定された10進数で表される最大計数値Nに相当する分のクロックCKを計数すると、その最大計数値Nの計数期間を1周期Tsとして、0からNまでの計数動作を周期Tsに同期して繰り返す。
【0069】
デコーダ回路8は、図6(a)に示す回路構成となっており、インバータE0〜En−1とANDゲートH0〜Hn−1とによって、上述のn個のビット出力である計数信号Q0〜Qn−1を所定の組み合わせで論理演算することにより、図6(b)で表されているように、n通りの分解能を示す基準信号C0〜Cn−1を生成して出力する。
【0070】
すなわち、インバータEn−1は、計数信号Q0のみを論理反転させ、残余の計数信号Q1〜Qn−1をドントケアー(Don’t Care)として扱う、すなわち記号「*」で表される計数信号Q1〜Qn−1をドントケアーとして扱うことで、最も時間分解能の高い矩形波から成る基準信号Cn−1を出力する。これにより、上述のクロックCKをN進カウンタ7が2個計数する毎に、基準信号Cn−1は1回論理反転する矩形波状の信号となる。
【0071】
インバータEn−2とANDゲートHn−2は、計数信号Q0とQ1が夫々論理“1”と“0”になるときだけ、論理“H”となる基準信号Cn−2を出力する。つまり、上述のクロックCKをN進カウンタ7が4個計数する毎に、基準信号Cn−1は1回論理反転する矩形波状の信号となる。
【0072】
インバータEn−3とANDゲートHn−3は、計数信号Q0とQ1が共に論理“1”で、且つ計数信号Q2が論理“0”になるときだけ、論理“H”となる基準信号Cn−2を出力する。つまり、上述のクロックCKをN進カウンタ7が8個計数する毎に、基準信号Cn−1は1回の割合で論理“H”となる。
【0073】
以下同様にして、最後の段に設けられたインバータE0とANDゲートH0が、計数信号Qn−1が論理“0”、残余の計数信号Qn−2〜Q0が全て論理“1”となるときだけ、論理“H”となる基準信号C0を出力する。
【0074】
このようにデコーダ回路8は、計数信号Q0〜Qn−1を組み合わせてデコードすることにより、図7中に示すようなクロックCKに同期した矩形波PLを含んだn通りの基準信号C0〜Cn−1を出力する。
【0075】
そして、図7から解るように、基準信号C0〜Cn−1中の夫々の矩形波PLは同じ時点で重複して論理“H”となることはなく、必ず排他的に生じるようになっている。
【0076】
更に、基準信号C0〜Cn−1中の夫々の矩形波PLは周期Ts内において時間的に均等に現れ、更に各基準信号C0〜Cn−1中に生じる所定時間幅Δτの矩形波PLの個数に応じて、周期Ts内における分解能を表すようになっている。
【0077】
つまり、基準信号C0に含まれる矩形波PLの個数が最も少ないことから、基準信号C0による分解能が最も低く、基準信号Cn−1に含まれる矩形波PLの個数が最も多いことから、基準信号Cn−1による分解能が最も高くなる。そして、基準信号C1〜Cn−2による分解能は、基準信号C0とCn−1の間の夫々異なった分解能を表す。
【0078】
再び図4において、分散パルス生成部6に相当する複数個のANDゲートK0〜Kn−1と論理和ゲートORは、D/A変換すべき対象であるnビットのバイナリデータBとn通りの基準信号C0〜Cn−1とを論理演算することで、変換信号Soを生成して出力する。
【0079】
ここで、ANDゲートK0〜Kn−1は、D/A変換すべき対象であるnビットのバイナリデータBとn通りの基準信号C0〜Cn−1との論理積を求め、論理和ゲートORは、ANDゲートK0〜Kn−1の全出力の論理和を求めて、その結果を変換信号Soとして出力する。
【0080】
なお、本実施例の分散パルス生成部6は、バイナリデータBの最上位ビットbn−1と最大の分解能を表す基準信号Cn−1との論理積を求め、また、バイナリデータBの次のビットbn−2と次の分解能を表す基準信号Cn−2との論理積を求め、以下同様にして、最下位ビットb0と最も分解能の小さい基準信号C0との論理積を求めることで、バイナリデータB(bn−1〜b0)の各ビットに割り当てられている論理値に対応する分解能の信号を生成する。
【0081】
つまり、図7に模式的に示すように、ANDゲートK0〜Kn−1は、バイナリデータB(bn−1〜b0)のうち、論理“1”となったビットに対応する基準信号をCn−2〜C1のうちから選択し、そして論理和ゲートORが、選択された各分解能の基準信号を論理和演算する。
【0082】
これにより、バイナリデータB(bn−1〜b0)の値に相当する個数の矩形波PLを有し、その個数によって周期Tsにおける時間分解能を表す変換信号Soを出力する。
【0083】
次に、図8(a)〜(d)に示す変換信号Soの波形例を参照して、本実施例に係るD/A変換器の動作例を説明する。
【0084】
なお、一具体例として、4ビット(n=4)のバイナリデータBをD/A変換すべく、可変設定が可能なN進カウンタ7を15進カウンタに設定したときの動作について説明する。
【0085】
図8(a)に示す変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「3」の場合(つまり、バイナリ(0,0,1,1)の場合)の波形を示している。
【0086】
また、図8(b)に例示する変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「5」の場合(つまり、バイナリ(0,1,0,1)の場合)の波形を示している。
【0087】
また、図8(c)に例示する変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「9」の場合(つまり、バイナリ(1,0,0,1)の場合)の波形を示している。
【0088】
また、図8(d)に例示する変換信号Soは、バイナリデータBが10進数の「12」の場合(つまり、バイナリ(1,1,0,0)の場合)の波形を示している。
【0089】
そして、N進カウンタ7がクロックCKを15個(N=15)計数してリセットスタートを繰り返す周期Tsに同期させて、バイナリデータBの系列を順次供給すると、周期Ts毎に各バイナリデータBの値に応じて変化する変換信号Soが連続的に生成される。
【0090】
また、この変換信号Soをローパスフィルタ等に供給して平滑化させると、最終的にアナログ信号を生成させることができる。
【0091】
このように、本実施例のD/A変換器によれば、変換すべきデータBの値に対応して、予め決められた時間幅の矩形波PLの数を設定し、それらの矩形波PLを周期Ts内において均等な密度で生じさせることで変換信号Soを生成するので、周期Tsにおける変換信号Soの交流分のエネルギーは、周期Tsの逆数(1/Ts)に相当する周波数fsに固定しない。
【0092】
つまり、周期Tsにおける変換信号Soの交流分の基本周波数fは、上述の周波数fsよりも高い周波数位置に生じることとなる。
【0093】
更に、周波数fsよりも高い基本周波数fに比例した周波数位置に高調波が生じるようになる。
【0094】
このため、例えば一般的な利用形態として、上述の周波数fsをサンプリング周波数とし、オーディオデータ等のデータBをD/A変換するような形態で本D/A変換器を使用することとすると、アナログ信号を生成するのに必要な周波数fs以下の帯域と、周波数fsより高い周波数位置に生じる高調波等の不要成分とを峻別するためのローパスフィルタ等の設計が容易となる。
【0095】
つまり、図3(b)に示したように、アナログ信号を生成するのに必要な周波数fs以下の帯域と、高調波等の不要成分が生じる周波数fsより高い周波数位置とが離れるので、高次のローパスフィルタ等であってもそのカットオフ周波数を容易に設定することが可能となる等の効果が得られる。
【0096】
より詳細に本効果が得られる点について説明すると、従来のPWM信号Spwmを利用したD/A変換器では、周期Ts内におけるPWM信号Spwmの交流分の基本周波数は固定となって変化しないのに対し、本実施例のD/A変換器では、変換信号Soの周期Ts内における矩形波PLの個数が増えるのに伴って、周期Ts内における矩形波PLの密度が上がるので、変換信号Soの周期Ts内における交流分の基本周波数fは、周期Tsの逆数(1/Ts)の周波数fsよりも高い周波数となる。
【0097】
したがって、変換信号Soの交流分の基本周波数fは、上述のPWM信号Spwmにおける基本周波数fsよりも離れた高い周波数となり、更に高調波等の不要な周波数成分は基本周波数fの整数倍の高い周波数位置に生じることになる。
【0098】
このため、既述したような高調波等の不要な周波数成分を除去すべく、変換信号Soをローパスフィルタ等に通すこととする場合には、そのローパスフィルタを容易に設計することができる等の効果や、設計の自由度を向上させることができる等の効果が得られる。
【0099】
また、通信機器や各種制御機器等に本D/A変換器を適用する場合、それらの機器で要求される仕様条件は様々であるが、例えば従来技術として説明したPWM信号を使用するD/A変換器と同様のリップルの発生を許容できる機器に適用する場合には、従来のD/A変換器に比して本D/A変換器の方が明らかにローパスフィルタ等の設計条件を緩和することが可能である。
【0100】
また、リップル等の発生を嫌う通信機器や各種制御機器等において従来のD/A変換器を利用し、リップル等の発生を抑制すべく例えば遮断周波数特性の急峻な高次のローパスフィルタを利用していた場合、本D/A変換器に代えることで、より高品位のアナログ信号を生成することができるという効果が得られる。つまり、本D/A変換器に代えることで、既存の通信機器や各種制御機器等の性能向上を図ることが可能となる。
【0101】
また、より具体的な効果を例示すれば、ラジオ受信機やテレビジョン受信機若しくは携帯電話の受信機等に内蔵されているデジタルチューナにおける同調制御回路や自動利得可変回路(AGC)から出力されるデジタルデータをD/A変換する場合、それら同調制御回路の局発(同調周波数)や自動利得可変回路のバイアスを所定条件に設定すると、基本周波数fが高くなる最適な範囲を利用することができ、更に基本周波数fが高くなるのに伴って高調波成分もより高い周波数となることから、ノイズ等の影響を抑制することが可能なラジオ受信機やテレビジョン受信機若しくは携帯電話の受信機等を実現することができる。
【0102】
以上説明したように、本実施形態及び実施例のD/A変換器によれば、デジタルデータBに相当する個数の矩形波PLを、D/A変換すべき周期Ts内において時間的に均等に分散配置させて変換信号Soを生成するので、変換信号Soの周期Ts内における交流分の基本周波数fを周期Tsの逆数(1/fs)の周波数fsよりも高くすることができ、また高調波等の周波数位置も基本周波数fが高くなるのに伴って高くすることができる。
【0103】
このため、上述した各種の効果を発揮することができ、また新規な特性を発揮するものであることから、かかる特性を生かした様々な利用形態に貢献することができるものである。
【0104】
なお、図2に示した本実施形態の構成はあくまでも好適な一形態を示したものであり、上述した機能と同一又は相当する機能を他の構成で実現するようにしてもよい。また、上述の実施例についても好適な具体例を示したものであり、他の構成で実現するようにしてもよい。
【0105】
また、実施形態並びに実施例では、各基準信号Cn−1〜C0をパルス状の矩形波PLによって形成するものとしているが、必ずしもその信号波形PLを矩形波にしなければならないというものではない。要は、離散的な信号波形であれば、矩形波以外の波形としてもよい。
【0106】
また、その離散的な信号波形が所定周期Ts内において、時間的に完璧に分散していなければならないというものではなく、実利用に際して要求される仕様条件等を満足する範囲内で変更してもよい。
【0107】
また、上述の実施例では、いわゆるディスクリート等の電子回路として形成する場合を述べたが、これに限定されるものではなく、演算機能を有するマイクロプロセッサ(MPU)を有するパーソナルコンピュータ(PC)等の電子機器において、上述の実施例の機能に相当するデジタルアナログ変換用プログラムを実行させることでD/A変換することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の1ビットD/A変換器の構成及び作用を説明するための図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るD/A変換器の構成及び作用を説明するための図である。
【図3】本発明の実施の形態に係るD/A変換器の作用を更に説明するための図である。
【図4】本実施例のD/A変換器の構成を説明するための図である。
【図5】本実施例のD/A変換器の作用を説明するための図である。
【図6】本実施例のD/A変換器の構成及び作用を更に説明するための図である。
【図7】本実施例のD/A変換器の作用を更に説明するための図である。
【図8】本実施例のD/A変換器でD/A変換される変換信号の波形例を示す図である。
【符号の説明】
5…分解能設定部
6…分散パルス生成部
7…N進カウンタ
8…デコーダ回路
E0〜En−1…インバータ
K0〜Kn−1,H0〜Hn−2…論理積ゲート
OR…論理和ゲート
Claims (8)
- 所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換器であって、
前記デジタルデータの値に相当する複数個の信号波形から成る信号列を有する変換信号を生成することによりデジタルアナログ変換を行うことを特徴とするデジタルアナログ変換器。 - 前記複数個の信号波形を前記所定周期内において時間的に均等に生じさせることを特徴とする請求項1に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記複数個の各信号波形は、予め決められた時間幅を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタルアナログ変換器。
- 所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換器であって、
所定周期内において時間分解能の異なる複数の基準信号を生成する第1の手段と、
前記複数の基準信号を前記デジタルデータの値に応じた組み合わせで選択し、選択した基準信号を前記所定周期に合わせて合成することで、前記デジタルデータの値に相当する信号列を有する変換信号を生成する第2の手段と、を備えることを特徴とするデジタルアナログ変換器。 - 前記時間分解能の異なる複数の基準信号は夫々、前記周期内において時間的に均等に分散された複数の信号波形から成ることを特徴とする請求項4に記載のデジタルアナログ変換器。
- 前記時間的に分散された複数個の各信号波形は、予め決められた時間幅を有することを特徴とする請求項5に記載のデジタルアナログ変換器。
- 所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換方法であって、
前記デジタルデータの値に相当する複数個の信号波形から成る信号列を有する変換信号を生成することによりデジタルアナログ変換を行うことを特徴とするデジタルアナログ変換方法。 - 所定周期に同期して供給されるデジタルデータをデジタルアナログ変換するデジタルアナログ変換方法であって、
所定周期内において時間分解能の異なる複数の基準信号を生成する第1の工程と、
前記複数の基準信号を前記デジタルデータの値に応じた組み合わせで選択し、選択した基準信号を前記所定周期に合わせて合成することで、前記デジタルデータの値に相当する信号列を有する変換信号を生成する第2の工程と、を備えることを特徴とするデジタルアナログ変換方法。
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JP2002208026A JP2004056256A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | デジタルアナログ変換器及びデジタルアナログ変換方法 |
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JP2015082833A (ja) * | 2013-10-24 | 2015-04-27 | 富士電機株式会社 | パルス信号生成装置 |
-
2002
- 2002-07-17 JP JP2002208026A patent/JP2004056256A/ja active Pending
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