JP2004052125A - 立体構造緯編地 - Google Patents
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Abstract
【課題】クッション性に優れた立体構造緯編地を提供する。
【解決手段】表裏二層の緯編地と二層の緯編地を連結する連結糸から構成された立体構造緯編地であって、表裏二層の緯編地を構成する糸条が紡績糸であり、連結糸がモノフィラメント糸であることを特徴とする立体構造緯編地。
【選択図】 選択図なし。
【解決手段】表裏二層の緯編地と二層の緯編地を連結する連結糸から構成された立体構造緯編地であって、表裏二層の緯編地を構成する糸条が紡績糸であり、連結糸がモノフィラメント糸であることを特徴とする立体構造緯編地。
【選択図】 選択図なし。
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、立体構造緯編地に関する。詳しくは、クッション性に優れた立体構造緯編地であって、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー、家具、事務用等の座席シート用クッション材、寝具、ベッドパッド、マットレス、床ずれ防止マット、枕、座布団等のクッション材、衣料用等のスペーサー、保型材、緩衝材、保温材、シューズ用のアッパー材、中敷材、サポーター、プロテクター等に好適に用いられる立体構造緯編地に関する。
【0002】
【従来の技術】
表裏二層の編地と二層の編地を連結する連結糸とから構成された立体編物は、クッション性、通気性、保温性、体圧分散性等の機能を活かして、各種クッション材用途に利用されている。
これらの立体編物は、中間層を構成する連結糸にモノフィラメントを使用することにより、モノフィラメントの曲げ弾性を活用して立体編物の厚み方向にクッション性を付与している。立体編物のクッション性及び圧縮回復性を向上させる方法として、特開平11−269747号公報には、連結糸に弾性回復性の良好なモノフィラメントを用い、立体編物の圧縮回復性を良好にした立体編物が開示されている。
【0003】
しかしながら、ダブルラッセル編み機で編成された立体構造経編地に比較して、ダブル丸編み機で編成された立体構造緯編地は、連結糸にモノフィラメント糸を用いると、得られた立体構造緯編地は連結糸が大きく傾斜しており、そのため、モノフィラメントの曲げ弾性が活かされずにクッション性の付与が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる欠点を解決し、クッション性に優れた立体構造緯編地を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、立体編地の連結構造と組織、糸使い等の関連について検討した結果、表裏二層の緯編地に紡績糸を用いることにより本発明の目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、表裏二層の緯編地と二層の緯編地を連結する連結糸から構成された立体構造緯編地であって、表裏二層の緯編地を構成する糸条が紡績糸であり、連結糸がモノフィラメント糸であることを特徴とする立体構造緯編地である。
【0006】
本発明は、表裏二層の緯編地が紡績糸で構成されているものであるが、紡績糸としては、短繊維100%からなる紡績糸に加えて、短繊維と長繊維をサイロフィル等により複合紡績した紡績糸を包含する。
紡績糸を構成する繊維としては、公知の各種繊維を用いることができる。例えば綿、羊毛等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、アセテート繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等からなるポリエステル繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等の人造繊維が挙げられる。必要に応じて、同種又は異種繊維を、例えば、混紡、サイロスパン、サイロフィル、ホロースピンドル等の複合紡績により組み合わせて用いることができる。なかでも、沸水収縮率が15〜30%の高収縮糸と組み合わせた、例えば、アクリル繊維からなるハイバルキー糸が好ましい。
【0007】
紡績糸に用いられる繊維の単糸繊度は、好ましくは0.1〜5dtex、より好ましくは0.1〜3dtex、最も好ましくは0.5〜3dtexである。
紡績糸の太さとしては、好ましくはメートル番手で1/10Nm以上、より好ましくは1/15Nm以上、最も好ましくは1/20Nm以上、1/200Nm以下である。上限は、1/150Nm以下、さらには1/100Nm以下が一層好ましい。紡績糸の太さが1/10Nm未満では、製編性が低下する場合があり、1/200Nmを越えると、クッション性が低下することがある。
【0008】
表裏二層の緯編地の全てに紡績糸を用いるのが最も好ましいが、質量%で、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上が紡績糸で構成されたものである。所望に応じて、50%未満の範囲内で各種繊維で構成されるモノフィラメント糸やマルチフィラメント糸(原糸、嵩高加工糸)を機上で交編してもよい。
【0009】
連結糸としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等からなるポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等からなるモノラメント糸が用いられる。特に、弾性率が低く、伸長時の弾性回復率が高いポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸が好ましく、ポリトリメチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸が最も好ましい。このようなモノフィラメント糸を用いることにより、ソフトで、人体とのフィット性、形状追随性に優れたものとなる。
【0010】
連結糸の全てにモノフィラメント糸を用いるのが最も好ましいが、質量%で、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上がモノフィラメント糸で構成される。所望に応じて、50%未満の範囲内で各種繊維で構成される紡績糸やマルチフィラメント糸(原糸、嵩高加工糸)を混用してもよい。
【0011】
ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含むものである。したがって、第三成分として、他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
【0012】
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロン等と、ポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。ブレンドや複合紡糸におけるポリトリメチレンテレフタレートは50質量%以上である。
【0013】
複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等を、並列的又は偏芯的に配置した、サイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがある。特に、ポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせや、極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせが好ましく、特に、特開2000−239927号公報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり特に好ましい。
【0014】
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
【0015】
さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。特に、平均粒子径0.01〜5μm程度の酸化チタンや顔料の粒子を0.01〜5質量%含有させると平滑性が高く、紡糸性に優れたものとなる。
【0016】
繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型、その他の不定形等である。
【0017】
モノフィラメント糸の繊度は、好ましくは10dtex以上、より好ましくは50dtex以上、最も好ましくは55dtex以上、330dtex以下であり、その上限は275dtex以下、さらには220dtex以下が一層好ましい。繊度が10dtex未満では、クッション性が不十分となることがあり、330dtexを越えると連結糸が表裏二層の緯編地から突き出ることがある。
モノフィラメント糸の物性としては、強度が2.0cN/dtex以上であることが好ましく、2.6cN/dtex以上、5.0cN/dtex以下の範囲であることがより好ましい。伸度は35%以上であることが好ましく、35%以上、60%以下の範囲であることがより好ましい。
【0018】
モノフィラメント糸の製造方法は、公知の製法を採用すればよく、例えば、公知の複合紡糸口金により紡出した複合繊維モノフィラメント糸を、冷水浴中で冷却しつつ、所定の繊度まで細化し、未延伸モノフィラメント糸を製造する。この未延伸糸を所定の温度の温水浴中で第一延伸し、次いで、所定の温度のスチーム浴中で定長又は弛緩熱処理し、巻き取り機で巻き取る。モノフィラメント糸の沸水収縮率を調節するために、更に、所望の弛緩率で連続又は非連続で熱処理してもよい。例えば、弛緩率−10〜+15%程度で100〜180℃程度の温度で、連続又は非連続で熱処理する。
弛緩率とは、熱処理前のモノフィラメント糸の長さをL0、熱処理中の拘束長さをL1とした時に、次式で計算される。
弛緩率(%)={(L0−L1)/L0}×100
【0019】
本発明の立体構造緯編地は、ダブル丸編機、横編機で編成できる。表面と裏面の組織としては、平編の基本組織、又はタック編、浮編、片畦編、レース編、添糸編等の変化組織のいずれであってもよい。表裏面の編地の変化組織に針抜きを組み合わせてもよい。編機のゲージは、使用目的によって適宜選定すればよく、10〜40ゲージが、通常、使用される。
【0020】
連結糸は、表裏編地中にループ状の編み目を形成してもよく、表裏編地にタック組織状に引っかけた構造でもよい。要は、表裏編地を結び付けていればよく、必要に応じて、連結糸を傾斜して配置したり、トラス状やX状に交叉して配置してもよい。
連結糸の編密度は、5平方センチ内の連結糸の本数をN(本/6.45cm2)とし、連結糸のdtexをD(g/10×105cm)、連結糸の比重をρ(g/cm3)とした時、立体編地6.45cm2の中にある連結糸の総断面積(N・D/10×105・ρ)が、好ましくは0.03〜0.5cm2、より好ましくは0.05〜0.3cm2であると、立体編物が適度な弾性回復性、フィット性、形状追従性を持ち最適なものとなる。0.03cm2未満では、弾性回復性が、0.5cm2を越えた場合にフィット性及び形状追従性が低下しやすくなる。
【0021】
立体構造緯編地の厚さや目付は、必要に応じて適宜選定すればよく、例えば、厚みは、通常、1〜20mm、好ましくは2〜10mm、目付は、通常、80g/m2〜1200g/m2、好ましくは100〜1200g/m2である。
立体構造緯編地は、必要に応じて所望のサイズに裁断したり、裁断後の編地片を縫製又は熱成形により所望の形状にして用いてもよい。また布帛、および縫製品の一部に用いたものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。
本発明における評価方法は下記の通りである。
(1)クッション性
立体構造緯編地を垂直方向に手で押して、そのクッション性を官能評価する。
【0023】
【実施例1】
立体構造緯編地の表面と裏面を連結する糸条に、110dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を用いた。
表裏面の編地には、メートル番手1/36Nmのアクリル繊維紡績糸を用いて天竺組織にて編地を形成した。12ゲージ、37インチ径のダブル丸編機(福原精機(株)製)で編成し、目付490g/m2の立体構造緯編地を得た。
得られた立体構造緯編地の連結糸は、ほぼ垂直方向に連結しており、クッション性も優れたものであった。
【0024】
【比較例1】
実施例1において、表裏面の編地には252dtex/36fポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を用いて編地を形成した以外は実施例1同様に立体構造緯編地を得た。
得られた立体構造緯編地の連結糸は、大きく傾斜して連結されており、クッション性も実施例1対比大きく劣ったものであった。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、クッション性に優れた立体構造緯編地が得られる。
【発明の属する分野】
本発明は、立体構造緯編地に関する。詳しくは、クッション性に優れた立体構造緯編地であって、自動車、鉄道車両、航空機、チャイルドシート、ベビーカー、家具、事務用等の座席シート用クッション材、寝具、ベッドパッド、マットレス、床ずれ防止マット、枕、座布団等のクッション材、衣料用等のスペーサー、保型材、緩衝材、保温材、シューズ用のアッパー材、中敷材、サポーター、プロテクター等に好適に用いられる立体構造緯編地に関する。
【0002】
【従来の技術】
表裏二層の編地と二層の編地を連結する連結糸とから構成された立体編物は、クッション性、通気性、保温性、体圧分散性等の機能を活かして、各種クッション材用途に利用されている。
これらの立体編物は、中間層を構成する連結糸にモノフィラメントを使用することにより、モノフィラメントの曲げ弾性を活用して立体編物の厚み方向にクッション性を付与している。立体編物のクッション性及び圧縮回復性を向上させる方法として、特開平11−269747号公報には、連結糸に弾性回復性の良好なモノフィラメントを用い、立体編物の圧縮回復性を良好にした立体編物が開示されている。
【0003】
しかしながら、ダブルラッセル編み機で編成された立体構造経編地に比較して、ダブル丸編み機で編成された立体構造緯編地は、連結糸にモノフィラメント糸を用いると、得られた立体構造緯編地は連結糸が大きく傾斜しており、そのため、モノフィラメントの曲げ弾性が活かされずにクッション性の付与が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる欠点を解決し、クッション性に優れた立体構造緯編地を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、立体編地の連結構造と組織、糸使い等の関連について検討した結果、表裏二層の緯編地に紡績糸を用いることにより本発明の目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、表裏二層の緯編地と二層の緯編地を連結する連結糸から構成された立体構造緯編地であって、表裏二層の緯編地を構成する糸条が紡績糸であり、連結糸がモノフィラメント糸であることを特徴とする立体構造緯編地である。
【0006】
本発明は、表裏二層の緯編地が紡績糸で構成されているものであるが、紡績糸としては、短繊維100%からなる紡績糸に加えて、短繊維と長繊維をサイロフィル等により複合紡績した紡績糸を包含する。
紡績糸を構成する繊維としては、公知の各種繊維を用いることができる。例えば綿、羊毛等の天然繊維、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、アセテート繊維、ポリオレフィン繊維、アクリル繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等からなるポリエステル繊維、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等の人造繊維が挙げられる。必要に応じて、同種又は異種繊維を、例えば、混紡、サイロスパン、サイロフィル、ホロースピンドル等の複合紡績により組み合わせて用いることができる。なかでも、沸水収縮率が15〜30%の高収縮糸と組み合わせた、例えば、アクリル繊維からなるハイバルキー糸が好ましい。
【0007】
紡績糸に用いられる繊維の単糸繊度は、好ましくは0.1〜5dtex、より好ましくは0.1〜3dtex、最も好ましくは0.5〜3dtexである。
紡績糸の太さとしては、好ましくはメートル番手で1/10Nm以上、より好ましくは1/15Nm以上、最も好ましくは1/20Nm以上、1/200Nm以下である。上限は、1/150Nm以下、さらには1/100Nm以下が一層好ましい。紡績糸の太さが1/10Nm未満では、製編性が低下する場合があり、1/200Nmを越えると、クッション性が低下することがある。
【0008】
表裏二層の緯編地の全てに紡績糸を用いるのが最も好ましいが、質量%で、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上が紡績糸で構成されたものである。所望に応じて、50%未満の範囲内で各種繊維で構成されるモノフィラメント糸やマルチフィラメント糸(原糸、嵩高加工糸)を機上で交編してもよい。
【0009】
連結糸としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート等からなるポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等からなるモノラメント糸が用いられる。特に、弾性率が低く、伸長時の弾性回復率が高いポリブチレンテレフタレートやポリトリメチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸が好ましく、ポリトリメチレンテレフタレートからなるモノフィラメント糸が最も好ましい。このようなモノフィラメント糸を用いることにより、ソフトで、人体とのフィット性、形状追随性に優れたものとなる。
【0010】
連結糸の全てにモノフィラメント糸を用いるのが最も好ましいが、質量%で、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、最も好ましくは80%以上がモノフィラメント糸で構成される。所望に応じて、50%未満の範囲内で各種繊維で構成される紡績糸やマルチフィラメント糸(原糸、嵩高加工糸)を混用してもよい。
【0011】
ポリトリメチレンテレフタレート繊維は、トリメチレンテレフタレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル繊維をいい、トリメチレンテレフタレート単位を50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、最も好ましくは90モル%以上含むものである。したがって、第三成分として、他の酸成分及び/又はグリコール成分の合計量が、50モル%以下、好ましくは30モル%以下、より好ましくは20モル%以下、最も好ましくは10モル%以下の範囲で含有されたポリトリメチレンテレフタレートを包含する。
【0012】
ポリトリメチレンテレフタレートは、テレフタル酸又はその機能的誘導体と、トリメチレングリコール又はその機能的誘導体とを、触媒の存在下で、適当な反応条件下に結合せしめることにより合成される。この合成過程において、適当な一種又は二種以上の第三成分を添加して共重合ポリエステルとしてもよいし、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリトリメチレンテレフタレート以外のポリエステル、ナイロン等と、ポリトリメチレンテレフタレートを別個に合成した後、ブレンドしたり、複合紡糸(鞘芯、サイドバイサイド等)してもよい。ブレンドや複合紡糸におけるポリトリメチレンテレフタレートは50質量%以上である。
【0013】
複合紡糸に関しては、特公昭43−19108号公報、特開平11−189923号公報、特開2000−239927号公報、特開2000−256918号公報等に例示されるような、第一成分がポリトリメチレンテレフタレートであり、第二成分がポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン等を、並列的又は偏芯的に配置した、サイドバイサイド型又は偏芯シースコア型に複合紡糸したものがある。特に、ポリトリメチレンテレフタレートと共重合ポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせや、極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートの組み合わせが好ましく、特に、特開2000−239927号公報に例示されるような極限粘度の異なる二種類のポリトリメチレンテレフタレートを用い、低粘度側が高粘度側を包み込むように接合面形状が湾曲しているサイドバイサイド型に複合紡糸したものが、高度のストレッチ性と嵩高性を兼備するものであり特に好ましい。
【0014】
添加する第三成分としては、脂肪族ジカルボン酸(シュウ酸、アジピン酸等)、脂環族ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、芳香族ジカルボン酸(イソフタル酸、ソジウムスルホイソフタル酸等)、脂肪族グリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、テトラメチレングリコール等)、脂環族グリコール(シクロヘキサンジメタノール等)、芳香族を含む脂肪族グリコール(1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等)、ポリエーテルグリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)、脂肪族オキシカルボン酸(ω−オキシカプロン酸等)、芳香族オキシカルボン酸(P−オキシ安息香酸等)等がある。又、1個又は3個以上のエステル形成性官能基を有する化合物(安息香酸等又はグリセリン等)も重合体が実質的に線状である範囲内で使用できる。
【0015】
さらに二酸化チタン等の艶消剤、リン酸等の安定剤、ヒドロキシベンゾフェノン誘導体等の紫外線吸収剤、タルク等の結晶化核剤、アエロジル等の易滑剤、ヒンダードフェノール誘導体等の抗酸化剤、難燃剤、制電剤、顔料、蛍光増白剤、赤外線吸収剤、消泡剤等が含有されていてもよい。特に、平均粒子径0.01〜5μm程度の酸化チタンや顔料の粒子を0.01〜5質量%含有させると平滑性が高く、紡糸性に優れたものとなる。
【0016】
繊維の断面形状は、丸型、三角、L型、T型、Y型、W型、八葉型、偏平(扁平度1.3〜4程度のもので、W型、I型、ブ−メラン型、波型、串団子型、まゆ型、直方体型等がある)、ドッグボーン型等の多角形型、多葉型、中空型、その他の不定形等である。
【0017】
モノフィラメント糸の繊度は、好ましくは10dtex以上、より好ましくは50dtex以上、最も好ましくは55dtex以上、330dtex以下であり、その上限は275dtex以下、さらには220dtex以下が一層好ましい。繊度が10dtex未満では、クッション性が不十分となることがあり、330dtexを越えると連結糸が表裏二層の緯編地から突き出ることがある。
モノフィラメント糸の物性としては、強度が2.0cN/dtex以上であることが好ましく、2.6cN/dtex以上、5.0cN/dtex以下の範囲であることがより好ましい。伸度は35%以上であることが好ましく、35%以上、60%以下の範囲であることがより好ましい。
【0018】
モノフィラメント糸の製造方法は、公知の製法を採用すればよく、例えば、公知の複合紡糸口金により紡出した複合繊維モノフィラメント糸を、冷水浴中で冷却しつつ、所定の繊度まで細化し、未延伸モノフィラメント糸を製造する。この未延伸糸を所定の温度の温水浴中で第一延伸し、次いで、所定の温度のスチーム浴中で定長又は弛緩熱処理し、巻き取り機で巻き取る。モノフィラメント糸の沸水収縮率を調節するために、更に、所望の弛緩率で連続又は非連続で熱処理してもよい。例えば、弛緩率−10〜+15%程度で100〜180℃程度の温度で、連続又は非連続で熱処理する。
弛緩率とは、熱処理前のモノフィラメント糸の長さをL0、熱処理中の拘束長さをL1とした時に、次式で計算される。
弛緩率(%)={(L0−L1)/L0}×100
【0019】
本発明の立体構造緯編地は、ダブル丸編機、横編機で編成できる。表面と裏面の組織としては、平編の基本組織、又はタック編、浮編、片畦編、レース編、添糸編等の変化組織のいずれであってもよい。表裏面の編地の変化組織に針抜きを組み合わせてもよい。編機のゲージは、使用目的によって適宜選定すればよく、10〜40ゲージが、通常、使用される。
【0020】
連結糸は、表裏編地中にループ状の編み目を形成してもよく、表裏編地にタック組織状に引っかけた構造でもよい。要は、表裏編地を結び付けていればよく、必要に応じて、連結糸を傾斜して配置したり、トラス状やX状に交叉して配置してもよい。
連結糸の編密度は、5平方センチ内の連結糸の本数をN(本/6.45cm2)とし、連結糸のdtexをD(g/10×105cm)、連結糸の比重をρ(g/cm3)とした時、立体編地6.45cm2の中にある連結糸の総断面積(N・D/10×105・ρ)が、好ましくは0.03〜0.5cm2、より好ましくは0.05〜0.3cm2であると、立体編物が適度な弾性回復性、フィット性、形状追従性を持ち最適なものとなる。0.03cm2未満では、弾性回復性が、0.5cm2を越えた場合にフィット性及び形状追従性が低下しやすくなる。
【0021】
立体構造緯編地の厚さや目付は、必要に応じて適宜選定すればよく、例えば、厚みは、通常、1〜20mm、好ましくは2〜10mm、目付は、通常、80g/m2〜1200g/m2、好ましくは100〜1200g/m2である。
立体構造緯編地は、必要に応じて所望のサイズに裁断したり、裁断後の編地片を縫製又は熱成形により所望の形状にして用いてもよい。また布帛、および縫製品の一部に用いたものであってもよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例により、具体的に説明する。
本発明における評価方法は下記の通りである。
(1)クッション性
立体構造緯編地を垂直方向に手で押して、そのクッション性を官能評価する。
【0023】
【実施例1】
立体構造緯編地の表面と裏面を連結する糸条に、110dtexのポリトリメチレンテレフタレートモノフィラメント糸を用いた。
表裏面の編地には、メートル番手1/36Nmのアクリル繊維紡績糸を用いて天竺組織にて編地を形成した。12ゲージ、37インチ径のダブル丸編機(福原精機(株)製)で編成し、目付490g/m2の立体構造緯編地を得た。
得られた立体構造緯編地の連結糸は、ほぼ垂直方向に連結しており、クッション性も優れたものであった。
【0024】
【比較例1】
実施例1において、表裏面の編地には252dtex/36fポリエチレンテレフタレート仮撚加工糸を用いて編地を形成した以外は実施例1同様に立体構造緯編地を得た。
得られた立体構造緯編地の連結糸は、大きく傾斜して連結されており、クッション性も実施例1対比大きく劣ったものであった。
【0025】
【発明の効果】
本発明により、クッション性に優れた立体構造緯編地が得られる。
Claims (1)
- 表裏二層の緯編地と二層の緯編地を連結する連結糸から構成された立体構造緯編地であって、表裏二層の緯編地を構成する糸条が紡績糸であり、連結糸がモノフィラメント糸であることを特徴とする立体構造緯編地。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002207808A JP2004052125A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 立体構造緯編地 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002207808A JP2004052125A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 立体構造緯編地 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004052125A true JP2004052125A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31932119
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002207808A Pending JP2004052125A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 立体構造緯編地 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004052125A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014136774A1 (ja) | 2013-03-04 | 2014-09-12 | サントリー食品インターナショナル株式会社 | 緑茶飲料 |
JP2021524891A (ja) * | 2019-01-11 | 2021-09-16 | エルエスケー ファインテックス カンパニー リミテッド | 空気層を有する抗菌性多層編物及びその製造方法 |
-
2002
- 2002-07-17 JP JP2002207808A patent/JP2004052125A/ja active Pending
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