JP2004051550A - ファンデーション組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を提供する。
【解決手段】シリコーン油を含有するファンデーション組成物において、樹枝状酸化チタンと、金属石鹸処理酸化鉄配合することにより、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得ることができた。
【選択図】 なし
【解決手段】シリコーン油を含有するファンデーション組成物において、樹枝状酸化チタンと、金属石鹸処理酸化鉄配合することにより、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得ることができた。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン油を配合したファンデーション組成物は、伸びが軽くさらっとした良好な使用感を有し、しかも化粧持ち改善効果を発揮するため、広く上市されている。しかしながら、油性成分としてシリコーン油を含有するファンデーション組成物において、肌色に着色するために酸化鉄顔料を配合すると、酸化鉄表面が親水性であるのに対し、シリコーン油が高い疎水性を有していることから酸化鉄顔料がシリコーン油になじまずに凝集してしまい、色縞,色むらが発生する、という問題が生じた。そこで、酸化鉄顔料表面をシリコーン油で処理して配合することが試みられている。シリコーン油で処理した酸化鉄を配合すると、色縞,色むらは解消されたが、塗布直後の色調と、塗布後時間が経過したときの色調が変化する、という問題点が新たに生じた。
【0003】
また、紫外線はシワやたるみといった老化の原因となることが明らかになるにつれ、ファンデーション組成物に、紫外線防御効果を付与することが一般的と成りつつある。ファンデーションに紫外線防御効果を付与するためには、オキシベンゾンなどの紫外線吸収剤を配合するか、もしくは微粒子酸化チタン,微粒子酸化亜鉛,微粒子酸化ジルコニウムなどの微粒子紫外線吸収粉体を配合する必要がある。しかしながら、オキシベンゾンなどの紫外線吸収剤を配合する場合、皮膚感作性を有したり、皮膚刺激の原因となり得るため、紫外線吸収剤単独で充分な紫外線防御効果を発揮する量を配合することは困難である。また微粒子酸化チタンなどの微粒子状紫外線吸収粉体は、低濃度の配合では充分な紫外線防御効果を得ることは困難であり、逆に高濃度に配合すると、凝集して塗布色が白くなる、という問題点があった。係る問題点を解決するために、樹枝状酸化チタンを日焼け止め化粧料に配合することが提案されている(特開平7−138021)。樹枝状酸化チタンを配合することにより、紫外線遮蔽能を有するファンデーションを得ることはできるが、外観色と塗布色のギャップが大きくなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記のような問題点を解決し、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するにあたり、種々検討を行ったところ、シリコーン油を含有するファンデーション組成物において、樹枝状酸化チタンと、金属石鹸処理酸化鉄配合することにより、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
本発明において使用するシリコーン油としては、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されず、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油、ジメチルポリシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油等が挙げられる。
【0008】
シリコーン油のファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね0.1〜90重量%配合することができる。
【0009】
本発明で用いる樹枝状酸化チタンは、針状乃至棒状の構成粒子が集合・結合して束状の形状物を形成し、さらにそれら束状のものが放射状に結合して単一粒子を形成しているもので、樹枝状の形状を示している。かかる形状を有する樹枝状の酸化チタンの長さは0.2〜0.5μm、太さは0.05〜1μm、比表面積は10〜130m2/gである。ここで、長さは、個々の単一粒子の最長部分を示し、かつその太さは該最長部分を構成する束状物の短軸方向における最大径を示すものである。本発明において係る樹枝状酸化チタンは、そのまま用いてもよいが、酸化アルミニウム,酸化ケイ素,酸化ジルコニウム等の金属酸化物で表面を被覆したものを用いることにより、耐候性などを一層向上させることができる。またさらにシリコーン化合物,炭化水素,エステル油,金属石鹸,脂肪酸,フッ素化合物などで表面を被覆することにより、分散性を向上させることができる。
【0010】
かかる樹枝状酸化チタンのファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね1.0〜50重量%配合することができる。
【0011】
本発明で用いる金属石鹸処理酸化鉄は、ベンガラ,黄酸化鉄,黒酸化鉄などの酸化鉄顔料の表面に脂肪酸の多価金属塩である金属石鹸を被覆したものを用いる。金属石鹸としては、特に脂肪酸の炭素数が12〜18のものが好ましく、またそれらの塩としては、例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられ、就中、特にアルミニウム塩が好ましい。従って金属石鹸の好ましいものとしては、ステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム,ミリスチン酸アルミニウム,ジミリチン酸アルミニウム等が例示される。酸化鉄顔料の表面に金属石鹸を被覆する方法としては、特に限定されず、金属石鹸をイソパラフィン,イソプロピルアルコールなどの揮発性溶媒に溶解し、酸化鉄顔料と混合した後、揮発性溶媒を揮散させることによって調製することができる。また単に酸化鉄と金属石鹸を混合するだけでも、被覆することができる。酸化鉄顔料表面への金属石鹸の被覆量は、酸化鉄顔料100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
【0012】
金属石鹸処理酸化鉄のファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね0.5〜10重量%配合することができる。
【0013】
本発明のファンデーション組成物には、さらに紫外線防御効果を高めるために、紫外線吸収剤を配合することが好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム,ジヒドロキジシメトキシベンゾフェノン,ジヒドロキジシメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム,2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,パラアミノ安息香酸グリセリル,パラジメチルアミノ安息香酸アミル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチル,パラメトキシ桂皮酸イソプロピル,パラメトキシ桂皮酸オクチル,パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル,パラメトキシ桂皮酸ナトリウム,パラメトキシ桂皮酸カリウム,パラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のパラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル,サリチル酸フェニル,サリチル酸ホモメンチル,サリチル酸ジプロピレングリコール,サリチル酸エチレングリコール,サリチル酸ミリスチル,サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル等が例示される。
【0014】
紫外線吸収剤のファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね0.1〜10重量%配合することができる。
【0015】
本発明のファンデーション組成物には上記の必須成分に加え、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配合し得る。例えばワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分;オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド等の流動油分;水溶性および油溶性ポリマー;非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤;デキストリン脂肪酸エステル等のゲル化剤;無機および有機顔料、有機染料等の色剤;防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、皮膜剤、香料、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などは本発明の目的、効果を損なわない質的、量的範囲内で配合可能である。
【0016】
本発明のファンデーション組成物としては、ツーウェイファンデーション,ケーキ,パウダーファンデーション,白粉,油性固形状ファンデーション,油性乳液状ファンデーション,油性クリーム状ファンデーション,油性液状ファンデーション,水中油乳化型クリーム状ファンデーション,水中油乳化型乳液状ファンデーション,油中水乳化型クリーム状ファンデーション,油中水乳化型乳液状ファンデーション,油中水乳化型液状ファンデーション等の剤型で提供される。これらは、上記成分から定法に従って調製することができる。
【0017】
【実施例】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。
【0018】
[実施例1] パウダリーファンデーション
(1)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理タルク 28.6(重量%)
(2)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理マイカ 30.0
(3)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理カオリン 5.0
(4)ステアリン酸アルミニウム処理樹枝状酸化チタン 10.0
(5)ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン 8.0
(6)雲母チタン 3.0
(7)ジミリスチン酸アルミニウム処理ベンガラ 1.0
(8)ジミリスチン酸アルミニウム処理黄酸化鉄 3.0
(9)ジミリスチン酸アルミニウム処理黒酸化鉄 0.2
(10)ジメチルポリシロキサン 6.0
(11)ワセリン 1.0
(12)パラメトキシ安息香酸オクチル 4.0
(13)d−δ−トコフェロール 0.1
(14)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
製法:(1)〜(9)の粉体相をブレンダーで混合する。予め混合,溶解した(10)〜(14)の油相を粉体相に添加して、ブレンダーで混練した後、アトマイザーにて粉砕する。ふるいを通して金皿にプレス成形する。
【0019】
製法:(1)〜(8)の粉体相をブレンダーで混合する。予め混合,溶解した(9)〜(13)の油相を粉体相に添加して、ブレンダーで混練した後、アトマイザーにて粉砕する。ふるいを通して金皿にプレス成形する。
【0020】
製法:(1)〜(7)の粉体相をブレンダーで混合する。予め加熱,溶解した(8)〜(15)の油相に粉体相に添加して混練した後、容器に流し込み、冷却する。
【0021】
製法:(11)〜(14)の成分を70℃に加熱して,混合,溶解した後、(1)〜(7)の顔料を添加して、ホモミキサーにて均一に分散させる。さらに、70℃に加熱,溶解した(8)〜(10)の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後、撹拌しながら冷却する。
【0022】
製法:(14)〜(16)の成分を70℃に加熱して,混合,溶解した後、(1)〜(8)の顔料を添加して、ホモミキサーにて均一に分散させる。さらに、70℃に加熱,溶解した(9)〜(13)の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後、撹拌しながら冷却する。
【0023】
[実施例6及び比較例1,比較例2] 油中水乳化型ファンデーション
表1に示す処方にて油中水乳化型ファンデーションを、1〜13の成分をホモミキサーにて充分撹拌し、14,15の成分を添加して、再度ホモミキサーにて乳化することによって調製した。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例6及び比較例1,比較例2を用いて、使用感評価及び、紫外線防御ファクター(SPF)の測定を行った。
【0026】
使用感評価は、伸び(軽い,普通,重い),べたつき(ない,普通,ある),外観色と塗布色のギャップ(ない,少しある,ある),塗布後の色変化(ない,少しある,ある),化粧持ち(良好,普通,悪い)の5項目について、官能評価専門員5名による合議により行った。またSPFは、紫外線防御効果SPFアナライザー(Optometrics社製、SPF290)を用いてSPFを測定することにより評価した。以上の結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
表2に示したとおり、本発明の実施例6においては、全ての項目において良好な使用感を示し、高いSPFとなっていた。しかしながら、樹枝状酸化チタンを通常微粒子酸化チタンに代替した比較例1においては、外観色と塗布色のギャップが大きく、SPFが低下した。また金属石鹸処理酸化鉄をシリコーン処理酸化鉄に代替した比較例2では、SPFは高かったものの、塗布後の色変化が認められた。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得ることができた。
【発明の属する技術分野】
この発明は、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーン油を配合したファンデーション組成物は、伸びが軽くさらっとした良好な使用感を有し、しかも化粧持ち改善効果を発揮するため、広く上市されている。しかしながら、油性成分としてシリコーン油を含有するファンデーション組成物において、肌色に着色するために酸化鉄顔料を配合すると、酸化鉄表面が親水性であるのに対し、シリコーン油が高い疎水性を有していることから酸化鉄顔料がシリコーン油になじまずに凝集してしまい、色縞,色むらが発生する、という問題が生じた。そこで、酸化鉄顔料表面をシリコーン油で処理して配合することが試みられている。シリコーン油で処理した酸化鉄を配合すると、色縞,色むらは解消されたが、塗布直後の色調と、塗布後時間が経過したときの色調が変化する、という問題点が新たに生じた。
【0003】
また、紫外線はシワやたるみといった老化の原因となることが明らかになるにつれ、ファンデーション組成物に、紫外線防御効果を付与することが一般的と成りつつある。ファンデーションに紫外線防御効果を付与するためには、オキシベンゾンなどの紫外線吸収剤を配合するか、もしくは微粒子酸化チタン,微粒子酸化亜鉛,微粒子酸化ジルコニウムなどの微粒子紫外線吸収粉体を配合する必要がある。しかしながら、オキシベンゾンなどの紫外線吸収剤を配合する場合、皮膚感作性を有したり、皮膚刺激の原因となり得るため、紫外線吸収剤単独で充分な紫外線防御効果を発揮する量を配合することは困難である。また微粒子酸化チタンなどの微粒子状紫外線吸収粉体は、低濃度の配合では充分な紫外線防御効果を得ることは困難であり、逆に高濃度に配合すると、凝集して塗布色が白くなる、という問題点があった。係る問題点を解決するために、樹枝状酸化チタンを日焼け止め化粧料に配合することが提案されている(特開平7−138021)。樹枝状酸化チタンを配合することにより、紫外線遮蔽能を有するファンデーションを得ることはできるが、外観色と塗布色のギャップが大きくなるという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、上記のような問題点を解決し、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得ることを目的とした。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するにあたり、種々検討を行ったところ、シリコーン油を含有するファンデーション組成物において、樹枝状酸化チタンと、金属石鹸処理酸化鉄配合することにより、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を説明する。
【0007】
本発明において使用するシリコーン油としては、通常化粧料に配合し得るものであれば特に限定されず、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン等の環状シリコーン油、ジメチルポリシロキサン,メチルハイドロジェンポリシロキサン,メチルフェニルポリシロキサン等の鎖状シリコーン油等が挙げられる。
【0008】
シリコーン油のファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね0.1〜90重量%配合することができる。
【0009】
本発明で用いる樹枝状酸化チタンは、針状乃至棒状の構成粒子が集合・結合して束状の形状物を形成し、さらにそれら束状のものが放射状に結合して単一粒子を形成しているもので、樹枝状の形状を示している。かかる形状を有する樹枝状の酸化チタンの長さは0.2〜0.5μm、太さは0.05〜1μm、比表面積は10〜130m2/gである。ここで、長さは、個々の単一粒子の最長部分を示し、かつその太さは該最長部分を構成する束状物の短軸方向における最大径を示すものである。本発明において係る樹枝状酸化チタンは、そのまま用いてもよいが、酸化アルミニウム,酸化ケイ素,酸化ジルコニウム等の金属酸化物で表面を被覆したものを用いることにより、耐候性などを一層向上させることができる。またさらにシリコーン化合物,炭化水素,エステル油,金属石鹸,脂肪酸,フッ素化合物などで表面を被覆することにより、分散性を向上させることができる。
【0010】
かかる樹枝状酸化チタンのファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね1.0〜50重量%配合することができる。
【0011】
本発明で用いる金属石鹸処理酸化鉄は、ベンガラ,黄酸化鉄,黒酸化鉄などの酸化鉄顔料の表面に脂肪酸の多価金属塩である金属石鹸を被覆したものを用いる。金属石鹸としては、特に脂肪酸の炭素数が12〜18のものが好ましく、またそれらの塩としては、例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム等が挙げられ、就中、特にアルミニウム塩が好ましい。従って金属石鹸の好ましいものとしては、ステアリン酸アルミニウム、ジステアリン酸アルミニウム、オレイン酸アルミニウム、パルミチン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム,ミリスチン酸アルミニウム,ジミリチン酸アルミニウム等が例示される。酸化鉄顔料の表面に金属石鹸を被覆する方法としては、特に限定されず、金属石鹸をイソパラフィン,イソプロピルアルコールなどの揮発性溶媒に溶解し、酸化鉄顔料と混合した後、揮発性溶媒を揮散させることによって調製することができる。また単に酸化鉄と金属石鹸を混合するだけでも、被覆することができる。酸化鉄顔料表面への金属石鹸の被覆量は、酸化鉄顔料100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
【0012】
金属石鹸処理酸化鉄のファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね0.5〜10重量%配合することができる。
【0013】
本発明のファンデーション組成物には、さらに紫外線防御効果を高めるために、紫外線吸収剤を配合することが好ましい。かかる紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム,ジヒドロキジシメトキシベンゾフェノン,ジヒドロキジシメトキシベンゾフェノン−スルホン酸ナトリウム,2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸,パラアミノ安息香酸エチル,パラアミノ安息香酸グリセリル,パラジメチルアミノ安息香酸アミル,パラジメチルアミノ安息香酸オクチル等のパラアミノ安息香酸誘導体、パラメトキシ桂皮酸エチル,パラメトキシ桂皮酸イソプロピル,パラメトキシ桂皮酸オクチル,パラメトキシ桂皮酸2−エトキシエチル,パラメトキシ桂皮酸ナトリウム,パラメトキシ桂皮酸カリウム,パラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のパラメトキシ桂皮酸誘導体、サリチル酸オクチル,サリチル酸フェニル,サリチル酸ホモメンチル,サリチル酸ジプロピレングリコール,サリチル酸エチレングリコール,サリチル酸ミリスチル,サリチル酸メチル等のサリチル酸誘導体、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、アントラニル酸メチル等が例示される。
【0014】
紫外線吸収剤のファンデーション組成物への配合量は、特に限定されるものではなく、ファンデーションの剤型などによって異なるが、概ね0.1〜10重量%配合することができる。
【0015】
本発明のファンデーション組成物には上記の必須成分に加え、必要に応じて通常の化粧料に配合される成分を配合し得る。例えばワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形・半固形油分;オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド等の流動油分;水溶性および油溶性ポリマー;非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン等の界面活性剤;デキストリン脂肪酸エステル等のゲル化剤;無機および有機顔料、有機染料等の色剤;防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、皮膜剤、香料、保湿剤、血行促進剤、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤などは本発明の目的、効果を損なわない質的、量的範囲内で配合可能である。
【0016】
本発明のファンデーション組成物としては、ツーウェイファンデーション,ケーキ,パウダーファンデーション,白粉,油性固形状ファンデーション,油性乳液状ファンデーション,油性クリーム状ファンデーション,油性液状ファンデーション,水中油乳化型クリーム状ファンデーション,水中油乳化型乳液状ファンデーション,油中水乳化型クリーム状ファンデーション,油中水乳化型乳液状ファンデーション,油中水乳化型液状ファンデーション等の剤型で提供される。これらは、上記成分から定法に従って調製することができる。
【0017】
【実施例】
さらに実施例により、本発明の特徴について詳細に説明する。
【0018】
[実施例1] パウダリーファンデーション
(1)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理タルク 28.6(重量%)
(2)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理マイカ 30.0
(3)メチルハイドロジェンポリシロキサン処理カオリン 5.0
(4)ステアリン酸アルミニウム処理樹枝状酸化チタン 10.0
(5)ステアリン酸アルミニウム処理酸化チタン 8.0
(6)雲母チタン 3.0
(7)ジミリスチン酸アルミニウム処理ベンガラ 1.0
(8)ジミリスチン酸アルミニウム処理黄酸化鉄 3.0
(9)ジミリスチン酸アルミニウム処理黒酸化鉄 0.2
(10)ジメチルポリシロキサン 6.0
(11)ワセリン 1.0
(12)パラメトキシ安息香酸オクチル 4.0
(13)d−δ−トコフェロール 0.1
(14)パラオキシ安息香酸ブチル 0.1
製法:(1)〜(9)の粉体相をブレンダーで混合する。予め混合,溶解した(10)〜(14)の油相を粉体相に添加して、ブレンダーで混練した後、アトマイザーにて粉砕する。ふるいを通して金皿にプレス成形する。
【0019】
製法:(1)〜(8)の粉体相をブレンダーで混合する。予め混合,溶解した(9)〜(13)の油相を粉体相に添加して、ブレンダーで混練した後、アトマイザーにて粉砕する。ふるいを通して金皿にプレス成形する。
【0020】
製法:(1)〜(7)の粉体相をブレンダーで混合する。予め加熱,溶解した(8)〜(15)の油相に粉体相に添加して混練した後、容器に流し込み、冷却する。
【0021】
製法:(11)〜(14)の成分を70℃に加熱して,混合,溶解した後、(1)〜(7)の顔料を添加して、ホモミキサーにて均一に分散させる。さらに、70℃に加熱,溶解した(8)〜(10)の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後、撹拌しながら冷却する。
【0022】
製法:(14)〜(16)の成分を70℃に加熱して,混合,溶解した後、(1)〜(8)の顔料を添加して、ホモミキサーにて均一に分散させる。さらに、70℃に加熱,溶解した(9)〜(13)の成分を添加して、ホモミキサーにて乳化後、撹拌しながら冷却する。
【0023】
[実施例6及び比較例1,比較例2] 油中水乳化型ファンデーション
表1に示す処方にて油中水乳化型ファンデーションを、1〜13の成分をホモミキサーにて充分撹拌し、14,15の成分を添加して、再度ホモミキサーにて乳化することによって調製した。
【0024】
【表1】
【0025】
実施例6及び比較例1,比較例2を用いて、使用感評価及び、紫外線防御ファクター(SPF)の測定を行った。
【0026】
使用感評価は、伸び(軽い,普通,重い),べたつき(ない,普通,ある),外観色と塗布色のギャップ(ない,少しある,ある),塗布後の色変化(ない,少しある,ある),化粧持ち(良好,普通,悪い)の5項目について、官能評価専門員5名による合議により行った。またSPFは、紫外線防御効果SPFアナライザー(Optometrics社製、SPF290)を用いてSPFを測定することにより評価した。以上の結果を表2に示す。
【0027】
【表2】
【0028】
表2に示したとおり、本発明の実施例6においては、全ての項目において良好な使用感を示し、高いSPFとなっていた。しかしながら、樹枝状酸化チタンを通常微粒子酸化チタンに代替した比較例1においては、外観色と塗布色のギャップが大きく、SPFが低下した。また金属石鹸処理酸化鉄をシリコーン処理酸化鉄に代替した比較例2では、SPFは高かったものの、塗布後の色変化が認められた。
【0029】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により、使用感及び化粧持ちが良好で、高い日焼け止め効果を発揮するにも係わらず、外観色と塗布色のギャップが小さく、かつ塗布後の色変化が少ないファンデーション組成物を得ることができた。
Claims (2)
- シリコーン油と、樹枝状酸化チタンと、金属石鹸処理酸化鉄を含有する、ファンデーション組成物。
- 紫外線吸収剤を含有する、請求項1に記載のファンデーション組成物。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2005232092A (ja) * | 2004-02-20 | 2005-09-02 | Kao Corp | 乳化ファンデーション |
JP2009269881A (ja) * | 2008-05-09 | 2009-11-19 | Noevir Co Ltd | 油中水乳化型メイクアップ化粧料 |
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WO2017006488A1 (ja) * | 2015-07-09 | 2017-01-12 | 株式会社 資生堂 | 水中油型乳化化粧料 |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002211411A patent/JP2004051550A/ja active Pending
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