JP2004051437A - 改質器の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】改質器の運転時に、燃料および酸化剤を供給する期間t1と、燃料の供給を停止する期間t2とを交互に設ける。期間t2で、酸化剤分圧を向上させ、析出炭素を酸化除去することにより、低温運転時でも析出炭素の被毒により低下した触媒活性を回復させることができ、燃料から水素への転化率の平均値を向上させることができる。酸化剤分圧の増大に代えて、期間t2で改質器を加熱するなど、析出炭素を除去するための種々の操作を適用可能である。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器の運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、水素と酸素の電気化学反応によって発電する燃料電池がエネルギ源として注目されている。燃料電池に供給される水素は、例えば、炭化水素系燃料からの改質によって生成される。改質反応としては、水蒸気を酸化剤として用いる水蒸気改質反応、酸素を酸化剤として用いる部分酸化反応などが挙げられる。
【0003】
改質器には、改質反応を促進するための触媒が担持されている。改質を行うと、反応条件によっては、炭化水素系燃料中の炭素が析出し、この触媒を被毒し、反応の効率を低下させることがある。図5は被毒による活性の低下を示すグラフである。転化率とは、改質された燃料の割合である。この例では、約5時間程度の運転で、転化率が約50%にまで低下することが分かる。かかる被毒は、ガソリンを燃料として用いた時に生じやすい。
【0004】
炭素の析出は、低温で生じやすいため、従来、改質器は比較的高温で運転されていた。例えば、ガソリンの改質では、運転温度は、約700℃程度であった。また、被毒された触媒の活性を向上するため、多量の空気を供給し析出炭素を燃焼除去するメンテナンスが定期的に必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
改質器の運転温度が高い場合、改質器を用いたシステムを構成する際に、種々のデメリットが生じる。例えば、シフト反応用の反応器、改質ガスから水素を抽出する水素分離膜、燃料電池など、動作温度の低いユニットを改質器の下流に設ける場合には、改質ガスの温度を低下させるための熱交換機を改質器の下流に配置する必要がある。また、高温で動作する改質器をシステムに搭載する際には、改質器周辺の耐熱性を十分に考慮する必要がある。従って、改質器の運転温度は、可能な限り低減することが好ましい。
【0006】
しかし、改質器の運転温度を低下させた場合には、炭素析出による触媒活性低下の問題が生じる。触媒活性は、メンテナンスによりある程度回復させることが可能ではあるが、メンテナンスの間隔が開いた場合には、析出した炭素の分解縮合が進み、非常に除去し難くなることが知られている。また、メンテナンスの間隔が開くほど、被毒された状態での運転期間が長くなるため、改質器の平均的な改質効率は低下する。一方、頻繁なメンテナンスはシステムとしての利便性を大きく損ねることになる。
【0007】
このように従来の改質器では、運転温度の低下と、触媒活性の維持とを両立させることが困難であった。かかる課題は、特にガソリンを改質燃料として用いる場合に顕著であるが、その他の改質反応でも同様の課題が生じ得た。本発明は、これらの課題に鑑み、触媒活性を維持しつつ改質器の運転温度の低下を実現することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
本発明では、炭化水素系燃料から水素リッチガスを生成する改質器を次の方法で運転することにより、上述の目的を達成する。第1の運転方法では、改質器には、炭化水素系燃料および所定の酸化剤を供給して改質反応を行わせるとともに、改質時に改質器内に析出した析出炭素を除去するための除去操作を、改質器の運転中に間欠的に行う。改質器の運転中とは、改質器内で水素リッチガスが生成されている期間、または改質器内に炭化水素系燃料が残留している期間を意味する。間欠的とは、運転中における所定のタイミングで繰り返し行うことを意味し、除去操作を行う期間、および除去操作と除去操作の間隔は必ずしも一定である必要はない。本発明の運転方法によれば、水素リッチガスを生成しながら、析出炭素を除去することができ、触媒の平均活性を向上することができる。除去操作を行っている際、水素リッチガスの生成量は変動しても差し支えない。この結果、炭素析出による極端な弊害を受けることなく、運転温度の低下を図ることも可能となる。
【0009】
析出炭素の除去は、例えば、改質器の運転温度を、析出炭素を除去できる程度に上昇させることにより行うことができる。運転温度の上昇は、改質器に供給される炭化水素系燃料または酸化剤を加熱してもよいし、改質器自体にヒータを設けて加熱してもよい。
【0010】
析出炭素の除去は、酸化剤の分圧を相対的に高めることによって行ってもよい。酸化剤の分圧を高めることにより、改質器内では、析出炭素が一酸化炭素または二酸化炭素に酸化される反応が促進される。
【0011】
本発明は、第2の運転方法として、改質反応に適量の炭化水素系燃料および酸化剤を改質器に供給する工程と、酸化剤の分圧を相対的に高める工程とを、所定の時間密度比で交互に実施するものとしてもよい。時間密度比は、固定である必要はなく、改質ガスの要求生成量、燃料の供給量などに応じて、変動させてもよい。
【0012】
第1の運転方法、第2の運転方法のそれぞれにおいて、酸化剤の分圧を相対的に高めるためには、炭化水素系燃料の供給量を低減するものとしてもよいし、酸化剤の供給量を増加するものとしてもよい。炭化水素系燃料の供給量を低減しつつ、酸化剤の供給量を増加してもよい。酸化剤としては、例えば、水蒸気、酸素、およびアルコールや過酸化水素などの含酸素燃料を単独または組み合わせて用いることができる。供給量の低減には、供給の停止も含まれる。供給量の増加には、新規に供給を開始することも含まれる。
【0013】
本発明の運転方法は、改質器で部分酸化反応のみを行う場合に適用することも可能であるが、水蒸気改質を行う場合に特に有用性が高い。水蒸気改質のみを行うものとしてもよいし、水蒸気改質と部分酸化反応とを併用するものとしてもよい。水蒸気改質は、吸熱反応であるため、本発明の運転方法を適用すれば、析出炭素の除去で生じた発熱を水蒸気改質に有効利用することができる。
【0014】
また、本発明の運転方法を適用する改質器は、酸素貯蔵能力を有する担体に担持された触媒を備えることが好ましい。かかる担体としては、例えば、セリア−ジルコニアが挙げられる。かかる担体は、析出炭素の除去時に供給された酸素を保持し、改質反応時に放出することができる。放出された酸素は、炭素の酸化に寄与するから、改質反応時に炭素の析出を抑制することができる。
【0015】
本発明における炭化水素系燃料は、アルコール、アルデヒドなど種々の燃料を用いることが可能である。本発明は、炭化水素、特に高級炭化水素であるガソリンを用いる場合に、有用性が高い。炭化水素は、炭素を析出しやすいからである。
【0016】
本発明は、上述した運転方法としての構成の他、かかる運転を実現する改質装置として構成することもできる。また、改質器を備えた燃料電池などのシステムとして構成してもよいし、かかるシステムの運転方法として構成してもよい。
【0017】
析出炭素の他、燃料中に含まれる種々の不純物による被毒を抑制するために本発明を適用することができる。例えば、改質反応を行わせるとともに、改質時に改質器内の触媒を被毒した不純物を除去するための除去操作を、改質器の運転中に間欠的に行うよう改質器を運転してもよい。対象となる不純物としては、硫黄化合物、窒素化合物が含まれる。これらの化合物を除去するための操作としては、炭素の場合と同様、酸化剤分圧を高める方法、燃料の分圧を下げる方法、水素分圧を上げて還元除去する方法、改質器の温度を高めて脱離除去する方法などを採ることができる。別の運転方法として、改質反応に適量の炭化水素系燃料および酸化剤を改質器に供給する工程と、酸化剤の分圧を相対的に高める工程とを、所定の時間密度比で交互に実施するものとしてもよい。それぞれの運転方法において、析出炭素の除去で説明したのと同様の種々の特徴的要素を適用することも可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】
A.装置構成:
図1は実施例としての改質装置の構成を示す説明図である。燃料電池30に供給される水素ガスを生成する装置としての例を示した。燃料電池30は、水素ガスと空気中の酸素との電気化学反応によって発電する。改質装置で生成される水素ガスは、燃料電池以外の水素消費系に供給するものとしてもよい。
【0019】
改質装置の構成を上流側から順に説明する。改質に用いられる燃料は、噴射器10によって、混合部11に噴射される。本実施例では、ガソリンを燃料とした。燃料は、この他、アルコール、アルデヒドなど種々の炭化水素系燃料を用いることができる。
【0020】
混合部11には、酸化剤としての空気および水蒸気が、加熱部16で加熱された後、供給される。混合部11は、燃料と酸化剤とを混合し、改質器12に送出する。
【0021】
改質器12は、改質反応を行う反応器である。内部には、改質反応を促進するための触媒が担持されている。かかる触媒としては、銅−亜鉛系の卑金属系触媒、白金系の貴金属系触媒などが知られている。本実施例では、触媒を担持する担体として、CeO2、CeO2−ZrO2など酸素貯蔵能力を有する物質を用いた。こうすることで、改質器12の内部に酸素が過剰に存在する時には、担体が酸素を保持することができ、この酸素を水蒸気改質時に放出することで、炭素の析出を抑制することができる。酸素貯蔵能力を有しない物質を担体として用いることも可能である。
【0022】
改質器12の内部では、部分酸化反応と水蒸気改質反応とが行われる。部分酸化反応とは、燃料と空気から水素を生成する発熱反応である。水蒸気改質反応とは、燃料と水蒸気から水素を生成する吸熱反応である。それぞれ、一酸化炭素や二酸化炭素が併せて生成される。本明細書では、改質器12で生成されたガスを改質ガスと称する。改質器12で、部分酸化反応のみ、または水蒸気改質反応のみを行うものとしてもよい。
【0023】
改質ガスは、熱交換機13で冷却された後、シフト反応部14に送出される。シフト反応部14は、一酸化炭素と水蒸気から水素を生成するシフト反応を行うための反応器である。シフト反応部14で生成されたガスは、水素分離部15に送出される。水素分離部15は、水素のみを選択的に透過する水素分離膜を備えている。水素分離部15で分離された水素は、燃料電池30に供給され、その他のガスは、排気される。図示した構成は、例示に過ぎず、シフト反応部14、水素分離部15を省略した構成を採ることも可能である。
【0024】
改質装置の運転は、制御部20によって制御される。制御部20は、内部にCPU、RAM、ROM等を備えたマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記録されたソフトウェアに従って、改質装置の運転を制御する。この制御を実現するために、制御部20には、種々の信号が入出力されるが、ここでは本実施例における制御に関連する部分のみを図示した。制御部20の制御対象としては、噴射器10、バルブ22、23が含まれ、それぞれ改質器12に供給される燃料、酸化剤、およびシフト反応部14に供給される水蒸気の量を制御する。また、制御部20は、加熱部16を制御することにより、改質器12に供給される酸化剤の温度を調整することもできる。
【0025】
B.運転制御:
図2は運転制御処理のフローチャートである。制御部20が所定のタイミングで繰り返し実行する処理である。
【0026】
制御部20は、まず要求水素量を入力する(ステップS10)。要求水素量は、燃料電池30に要求される発電量をパラメータとして入力してもよい。制御部20は、この要求水素量に基づいて、燃料および酸化剤の供給量を設定する(ステップS12)。例えば、要求水素量とこれらの設定量とを予め対応づけたマップを利用して設定する方法を採ることができる。
【0027】
燃料、酸化剤の供給量は、要求水素量以外のパラメータを考慮してもよい。かかるパラメータとしては、例えば、改質器12の温度が挙げられる。改質器12の温度が低く未暖機と判断される場合には、水蒸気の供給を停止するか供給量を低減し、発熱反応である部分酸化反応を主として行うようにしてもよい。
【0028】
燃料等の供給量を設定すると、制御部20は、除去操作の実行周期を設定する(ステップS14)。除去操作とは、改質中に触媒を被毒した析出炭素を除去するための操作である。本実施例では、酸化剤の分圧を周期的に増大させることにより、析出炭素を酸化除去するものとした。
【0029】
図中に、除去操作の実行周期の設定方法を例示した。燃料の供給を行う期間t1と、燃料の供給を停止する期間t2とを設定することにより、実行周期が設定される。期間t2では、酸化剤のみが供給されるため、酸化剤分圧が増大し、析出炭素の除去が行われることになる。期間t1と期間t2との時間密度(以下、デューティと称する)は、改質器12に供給される平均の燃料量に影響を与えるため、ステップS12で設定された供給量に応じて定まる。デューティを維持したまま、周期Tを変更することにより、期間t2における除去操作が行われる周期が併せて変更される。
【0030】
除去操作の実行周期は、種々のパラメータに応じて設定可能である。例えば、改質器12の温度、改質器12での水素の生成効率をパラメータとすることができる。後者は、改質器12に供給された燃料と、改質器12で生成される水素量との比などに基づいて設定することができる。除去操作は、後述する通り、改質器12の平均的な活性を向上する作用を有している。上述のパラメータと除去操作の実行周期との関係を実験または解析に基づいて予めマップ等の形で用意しておくことにより、平均的な活性を向上可能な実行周期を設定することができる。
【0031】
実行周期は、必ずしもこれらのパラメータに応じて設定する必要はなく、予め固定としてもよい。また、本実施例では、燃料、酸化剤の供給量を設定した後(ステップS12)、実行周期を設定する(ステップS14)ものとしたが、上述のパラメータを考慮して、実行周期およびデューティを併せて設定する方法を採ることもできる。周期Tを十分短く設定することにより、除去操作時に発生した熱を、水蒸気改質に有効活用することができる利点も生じる。
【0032】
以上の処理により設定された種々の制御量に従って、制御部20は改質装置の運転を制御する(ステップS16)。この結果、改質装置は、燃料を供給して改質反応を主として行う期間と、析出炭素を除去する除去操作が主として行われる期間とが交互に表れる状態で運転される。
【0033】
C.除去操作による効果:
図3は除去操作による触媒活性の向上効果を示す説明図である。転化率の時間変化を示した。実線が、本実施例による運転制御処理を適用した場合、即ち析出炭素の除去操作を施した場合を示している。破線は比較例として除去操作を施さない場合を示しており、図5に示した曲線を模式的に示したものである。この場合、平均の転化率E2は、低い値となる。
【0034】
本実施例の運転方法によれば、析出炭素によって転化率が若干、低下した頃に、除去操作が行われ、触媒活性が回復する。従って、図示する通り、転化率は、ほぼ周期Tでのこぎり刃状に変化する。図中に除去操作の実行周期との関係を示した。転化率が低下している期間が、燃料供給の期間t1に概ね相当する。転化率が回復する期間が、除去操作の期間t2に概ね相当する。このように転化率が比較的高い状態で、除去操作を繰り返し実行することにより、平均の転化率E1を高い値に維持することができる。
【0035】
図4は本実施例における改質効率を示すグラフである。除去操作の周期を変えた場合の改質効率を計測した実験結果である。縦軸は、未反応の燃料濃度である。値が小さいほど、転化率が高いことを意味する。横軸は、図2に示した実行周期Tである。
【0036】
実験は、混合気350℃、酸素と炭素との比(O/C)が0.5の運転条件下で行った。実線は、水蒸気と炭素との比(S/C)が2.0の条件に対する結果である。破線は、水蒸気と炭素との比(S/C)が1.5の条件に対する結果である。
【0037】
実験結果によれば、周期T=0、即ち除去操作を行わず連続的に改質反応を行わせた場合に比較して、領域A、即ち一定周期で除去操作を行った場合には、未反応の燃料濃度が極端に低減していることが分かる。これは、除去操作によって触媒の活性が向上していることを意味する。かかる効果が領域A、即ち周期Tが約400ms以上の範囲で表れたのは、実験に用いた噴射器10の応答性に依存する。つまり、領域Aよりも短周期での除去操作が指定された場合には、噴射器10の応答性が制御信号に追随できず、実質的に連続運転に近い状態になっているからである。
【0038】
次に、実線と破線とを比較すると、周期Tが約600ms以上の範囲では、未反応の燃料濃度がほぼ同等の値となっていることが分かる。これは、改質反応に供給する水蒸気の量を低減しても、十分な量の水素が生成可能であることを意味する。
【0039】
また、この実験は、混合気350℃の条件下で行われたものである。これは、従来、ガソリン改質が行われていた温度、約700℃に比較すると非常に低い。実験結果によれば、本発明の制御により、かかる低温下でも反応の効率を十分に高めることができることが分かる。
【0040】
以上で説明した通り、本実施例の運転方法によれば、析出炭素により触媒活性の低下を抑制し、改質効率を向上することができる。
【0041】
D.変形例:
本発明は、上記実施例に限定されず、以下に例示する種々の変形例を採ることができる。
【0042】
実施例では、燃料の供給を停止することで、酸化剤の分圧増加を図った(図2)。これに対し、除去操作では、燃料の供給は維持したまま、酸化剤の供給量を増大させてもよい。例えば、空気の供給量のみを増加させてもよいし、水蒸気のみを増加させてもよい。また、酸化剤としても作用し得るアルコール、過酸化水素などの含酸素燃料を改質器12に新たに供給することによって、酸化剤分圧を高めてもよい。
【0043】
除去操作は、酸化剤の分圧増加に代えて、改質器12を温度上昇させてもよい。温度上昇させることで、析出炭素を燃焼除去することができる。温度上昇は、改質器12を直接加熱してもよいし、加熱部16による酸化剤の加熱量を増大させてもよい。
【0044】
実施例で例示した除去操作も含め、上述の種々の除去操作を組み合わせて用いたり、改質器12の温度、水素生成効率などのパラメータに基づいて使い分けたりしてもよい。
【0045】
除去操作の除去対象は、析出炭素に限らず、燃料に含まれる種々の不純物であってもよい。例えば、硫黄化合物、窒素化合物などが対象として挙げられる。例えば、実施例と同様、燃料の供給を停止して、酸化剤分圧を上昇させることにより除去するものとしてもよいし、上述した種々の変形例の方法を適用してもよい。更に、水素分圧を増加させてこれらの不純物を還元除去する方法を採ってもよい。
【0046】
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例としての改質装置の構成を示す説明図である。
【図2】運転制御処理のフローチャートである。
【図3】除去操作による触媒活性の向上効果を示す説明図である。
【図4】本実施例における改質効率を示すグラフである。
【図5】被毒による活性の低下を示すグラフである。
【符号の説明】
10…噴射器
11…混合部
12…改質器
13…熱交換機
14…シフト反応部
15…水素分離部
16…加熱部
20…制御部
22、23…バルブ
30…燃料電池
Claims (12)
- 炭化水素系燃料から水素リッチガスを生成する改質器の運転方法であって、
前記改質器に、前記炭化水素系燃料および所定の酸化剤を供給して改質反応を行わせる工程と、
改質時に該改質器内に析出した析出炭素を除去するための除去操作を、前記改質器の運転中に間欠的に行う工程とを備える運転方法。 - 請求項1記載の運転方法であって、
前記除去操作として、前記改質器の運転温度を、前記析出炭素を除去できる程度に上昇させる運転方法。 - 請求項1記載の運転方法であって、
前記除去操作として、前記酸化剤の分圧を相対的に高める運転方法。 - 炭化水素系燃料から水素リッチガスを生成する改質器の運転方法であって、
(a) 前記改質器に、前記改質反応に適量の前記炭化水素系燃料および所定の酸化剤を供給する工程と、
(b) 前記酸化剤の分圧を相対的に高める工程とを備え、
前記工程(a)と工程(b)とを所定の時間密度比で交互に実施する運転方法。 - 請求項1または4記載の運転方法であって、
前記炭化水素系燃料の供給量を低減することにより、前記酸化剤の分圧を相対的に高める運転方法。 - 請求項1または4記載の運転方法であって、
前記酸化剤の供給量を増加することにより、前記酸化剤の分圧を相対的に高める運転方法。 - 請求項1〜6いずれか記載の運転方法であって、
前記酸化剤には、少なくとも水蒸気が含まれ、
前記改質器での反応には、少なくとも水蒸気改質反応が含まれる運転方法。 - 請求項1〜7いずれか記載の運転方法であって、
前記改質器は、酸素貯蔵能力を有する担体に担持された触媒を備える運転方法。 - 請求項1〜8いずれか記載の運転方法であって、
前記炭化水素系燃料は、ガソリンである運転方法。 - 触媒を被毒する不純物を含有した所定の燃料から水素リッチガスを生成する改質器の運転方法であって、
前記改質器に、前記燃料および所定の酸化剤を供給して改質反応を行わせる工程と、
改質時に該改質器内の触媒を被毒した前記不純物を除去するための除去操作を、前記改質器の運転中に間欠的に行う工程とを備える運転方法。 - 炭化水素系燃料から水素リッチガスを生成する改質装置であって、
改質反応を行うための改質器と、
前記改質器に、前記炭化水素系燃料および所定の酸化剤を供給する供給部と、
改質時に該改質器内に析出した析出炭素を除去するための除去操作を前記改質器の運転中に間欠的に行う除去部とを備える改質装置。 - 炭化水素系燃料から水素リッチガスを生成する改質装置であって、
改質反応を行うための改質器と、
前記改質器に、前記炭化水素系燃料および所定の酸化剤を供給する供給部と、
前記改質反応に適量の状態と、酸化剤の分圧を相対的に高めた状態とが所定の時間密度比で交互に切り替わるよう、前記炭化水素系燃料および酸化剤の供給量を制御する制御部とを備える改質装置。
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