JP2004046156A - 補償器を備えたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを使用する投影ディスプレイ - Google Patents

補償器を備えたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを使用する投影ディスプレイ Download PDF

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Abstract

【課題】高コントラストの出力を与える投影装置を提供する。
【解決手段】投影表示装置は、光ビームを形成する光源を含む。前偏光子は、光ビームを偏光させて偏光ビームを提供する。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、偏光ビームを受け、第一の偏光を有する偏光ビームを透過させ、第二の偏光を有する偏光ビームを反射する。反射性空間光変調器は、第一の偏光を有する偏光ビームを選択的に変調し画像データをコード化して変調ビームを形成し、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターへ反射する。補償器は、変調ビームの傾斜スキュー光線を調節する。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、補償された変調ビームを反射し、平面で回転してコントラストを最適化する。偏光検光子は、補償された変調ビームから反対の偏光状態の残余光を取り除く。画像形成光学部品は、補償された変調ビームから画像を形成する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的に、画像形成のための液晶デバイスを用いるディジタル投影装置に、より詳しくは、液晶ディスプレイ(LCD)及びピクセルの黒(オフ)状態における漏出光を最小にするための偏光補償器と組み合わせてわずかに回転したワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを使用することによって、高いレベルのコントラストを達成するための装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフィルム投影機に対する適切な置換として考慮されるために、ディジタル投影システムは、画像品質に対する要求の厳しい要件を満たさなければならない。特に、従来の映画の質の投影機に対する競合的な代替品を提供するために、ディジタル投影システムは、高い解像度、広い色域、高い明るさ(>10,000スクリーンルーメン)、及び1,000:1を超えるフレームの連続的なシステムのコントラスト比を提供することを必要とする。加えて、ディジタルシステムは、従来のフィルムに基づいたシステムを強要することからの切り換えをするために、画像品質の定常性、画像データの防御性、低い設備の価値、及び維持費用、並びに低いデータ分配費用もまた提供しなければならない。
【0003】
ディジタル映画投影に対する最も有望な解決策は、画像形成デバイスとして二つのタイプの空間光変調器の一つを用いる。第一のタイプの空間光変調器は、Texas Instruments,Inc.,Dallas,TXによって開発された、ディジタルマイクロミラーデバイス(DMD)である。DMDデバイスは、例えば、特許文献1及び特許文献2を含む、多くの特許に記載されている。DMDを用いる投影装置に関する光学設計は、特許文献3及び特許文献4を含む、多くの特許に開示されている。DMDに基づいた投影機が、必要な光の処理量、コントラスト比、及び色域を提供するいくらかの能力を実証するが、高い構成部品及びシステムの費用のみならず現行の解像度の限界(1024x768ピクセル)は、高品質のディジタル映画投影に関するDMDの許容可能性を制限してきた。
【0004】
ディジタル投影に使用される第二のタイプの空間光変調器は、液晶デバイス(LCD)である。LCDは、各々の対応するピクセルに対する入射光の偏光状態を選択的に変調することによって、ピクセルのアレイとして画像を形成する。高い解像度で、大きなエリアのLCDを、DMDよりも容易に作製することができる。LCDは、ディジタル映画投影システムにおいて使用される実現性のある代替の変調器技術である。LCD空間光変調器を利用する電子投影装置の例の間には、特許文献5及び特許文献6に開示されているものがある。数年前に、JVCは、(2,000x1280ピクセルを提供する)高解像度、(1000:1を超過する)高いフレームの連続的なコントラスト、及び(公称で、12,000ルーメンまでの)高い光の処理量の可能なLCDに基づいた投影機を実証した。このシステムは、陰極線管(CRT)によって駆動されるか又は扱われる三つの垂直に整列した(VA)(ホメオトロピックとも呼ばれる)LCD(色毎に一つ)を利用した。このシステムが、LCDに基づいたディジタル映画投影機に対する可能性を実証した一方で、システムの複雑さ及び全体的な信頼度は、関心のあるままである。加えて、その特定の原型のシステムは、ディジタル映画投影市場における広い商業化に関して、それを許容し難くする高い単位費用を有した。
【0005】
またJVCは、CRTによって間接的にというよりもむしろ、シリコンバックプレーン(LCOS)を介して直接扱われる新しい系統の垂直に整列したLCDを開発してきた。これらの新しいデバイスが有望である一方で、それらは、ディジタル映画の上演に対する期待を十分に満たすために、まだ実証されてない。TVCのLCDデバイスは、特許文献7及び特許文献8に部分的に記載されている。大抵のツイストネマチック又はコレステリックLCDとは対照的に、垂直に整列したLCDSは、(2,000:1を超過する)はるかにより高い変調コントラスト比を提供することを約束する。スクリーンで1,000:1又はそれより良好なフレームの連続的なコントラストを得るために、全システムが、>1000:1のコントラストを生成しなければならず、LCD及び任意の必要な偏光光学部品の両方が、各々個別に〜2,000:1のコントラストを提供しなければならないことに注意することは有益である。特に、コリメートされたレーザービームを変調するとき、偏光が補償された垂直に整列したLCDが、>20,000:1のコントラストを提供することができる一方で、これらの同じ変調器は、適切な偏光の補償無しで、同じコリメートされたレーザービームを変調するとき、500:1又はそれ以下のコントラストを示してもよい。また、変調のコントラストは、入射光のスペクトルの帯域幅及び角度幅(F#)にも依存し、帯域幅を増加させるか又はF#を減少させると、コントラストは一般的に落ちる。熱的に誘導された応力複屈折のような、残余の脱偏光又は誤った方向に向く偏光の効果によって、LCD内の変調コントラストもまた減少させることができる。このような効果を、理想的に観察された“鉄十字”の偏光コントラストパターンが縮退パターンを帯びる、デバイスの遠視野で観察することができる。
【0006】
ディジタル投影技術における当業者に明白であるように、LCD基づいた電子投影システムによって提供された光学性能は、大部分が、LCD自体の特性によって、及びLCD投影を支持する偏光光学部品によって明確に定められる。偏光ビームスプリッター、前偏光子、及び偏光子/検光子構成部品のような、偏光分離光学部品の性能は、高いコントラスト比を得るために特別に重要なものである。また、これらの偏光光学構成部品を投影ディスプレイの変調光学システム内で組み合わせる正確な様式は、最終的な結果として生じるコントラストに顕著な影響力を有し得る。
【0007】
多くの投影システムで使用される、最も一般的な従来の偏光ビームスプリッターの解決策は、特許文献9に開示されている伝統的なMacNeilleプリズムである。このデバイスを、(300:1の程度の)良好な消光率を提供するために示してきた。しかしながら、この標準的なプリズムは、ある限定された範囲の角度(数度)にわたる入射光でのみ良好に動作する。MacNeilleプリズムの設計が、一つの偏光状態のみに対して良好な消光率を提供するので、この光が、キセノン又は金属のハロゲン化物のアークランプからのような、偏光してない白色光源からであるとき、このデバイスを使用する設計は、入射する光の半分を有効に放棄しなければならない。
【0008】
MacNeilleの設計に基づいて、従来のガラスの偏光ビームスプリッターの設計は、作製又は熱的に誘導された応力複屈折を含む、限定された方向特性を超える他の限定を有する。偏光コントラストの性能を低下させ得る、これらの効果は、中間レンジの電子投影の用途に許容可能である場合もあるが、映画投影の用途に対して許容可能ではない。熱応力の問題は、特許文献10に開示されている、偏光構成部品における使用のために特別に設計された、より適切な低い光弾性光学ガラスの使用で改善されてきた。残念ながら、高い作製費用及び不確実な利用可能性は、この解決策の有用性を限定する。これらの問題の結果として、およそ800:1のコントラストと共に500−5,000ルーメンで動作する、低乃至中間レンジの電子投影システムに関して働く、従来のMacNeilleに基づいたガラスのビームスプリッターの設計は、ディジタル映画投影に対して不足になる。
【0009】
LCDに基づいたディジタル映画投影システムの要求を満たすために、他の偏光ビームスプリッター技術が提案されてきた。例えば、特許文献11に開示されているビームスプリッターは、2,000:1を超過する理論的な透過した及び反射された消光率を有する。このプリズムは、六個のLCDシステムを備えた両方の偏光を使用する可能性を提示し、それによってシステムの光の効率を高める。しかしながら、大きさの制約及び極端に厳しいコーティングの公差は、このビームスプリッターの設計を使用する投影装置の商業化に著しい障害を与える。
【0010】
代わりに、液体が充填されたビームスプリッター(例えば、特許文献12参照)が、高コントラストの用途に必要とされる高い消光率を提供するために示されてきたと共に高強度の光の条件下でいくつかの利点を有する。しかしながら、これらのデバイスは、感温性を含むいくつかの動作上の問題を有し、製造することが高価であり、埃又は含有された泡無しで作製されなければならない。漏出の危険性は、これらのデバイスに別の潜在的な欠点を与える。
【0011】
ワイヤーグリッド偏光子は、長年の間存在していたと共に、主として、無線周波数及び遠赤外の光学的用途で使用された。可視のスペクトルの光によるワイヤーグリッド偏光子の使用は、大部分は、デバイスの性能又は製造の制約により、限定されてきた。例えば、特許文献13は、高い光の効率を有するが非常に低いコントラスト(6.3:1)を有する、虚像の表示装置におけるワイヤーグリッドビームスプリッターの使用を開示する。可視のスペクトルに関する第二のワイヤーグリッド偏光子は、特許文献14に開示されている。特許文献14で議論されたデバイスが、偏光の分離を提供する一方で、コントラスト比は、映画の投影に不適切であり、設計は、本質的に、むしろ狭い波長帯域に限定される。
【0012】
最近、特許文献15、特許文献16、及び特許文献17に開示されているように、高品質ワイヤーグリッド偏光子及びビームスプリッターが、可視のスペクトルにおける広帯域の使用のために開発されてきた。これらの新しいデバイスは、Orem,UT.のMoxtek Inc.から商業的に入手可能である。特許文献15及び特許文献16に記載されているデバイスを含む、既存のワイヤーグリッド偏光子が、ディジタル映画投影に要求される高いコントラストを得るために必要とされる必要な性能特性の全てを示さなくてもよい一方で、これらのデバイスは、多くの利点を有する。標準的な偏光子に対して比較したとき、ワイヤーグリッド偏光デバイスは、相対的に高い消光率及び高い効率を示す。加えて、これらのワイヤーグリッドデバイスのコントラストの性能は、また、より広い角度の許容性(NA又は開口数)及び標準的な偏光デバイスよりも熱的に誘導された応力複屈折に関して少ない機会でより確固とした熱性能を有する。さらに、ワイヤーグリッド偏光子は、光の強度、温度、及び振動のような苛酷な環境の条件に対して丈夫である。一般的にこれらの商業的に入手可能なワイヤーグリッドデバイスが、可視のスペクトルにわたって良好に作動する一方で、偏光の応答における本質的な青色の低下は、青色のチャネルが、要求の厳しい用途に対して赤色及び緑色と調和させるために、追加のコントラストの強調を要求する場合もあることを意味し得る。
【0013】
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター(PBS)デバイスは、いくつかのディジタル投影装置内で用いられてきた。例えば、特許文献16は、投影ディスプレイの用途に対する広帯域のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの使用を開示する。特許文献18は、ディジタル画像投影システムにおいて偏光子及び検光子の両方として機能するワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを開示する。特許文献18は、非常に低い実効F#のものを、コントラストのいくらかの損失と共にであるが、ワイヤーグリッドPBSを使用して達成することができることを述べている。特に、特許文献18は、ワイヤーグリッド偏光子の方向特性をどのようにして高めることができるかも、特に低いF#で動作する明るい光学システムに対して光の漏出を減少させると共にコントラストを押し上げるために、ワイヤーグリッドデバイス及びLCDと組み合わせて偏光の補償をどのように使用してもよいかをも議論しない。
【0014】
本発明の装置及び方法に対して特に関心及び関連のあるのは、ワイヤーグリッド偏光子もワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターもどちらも、個々に、1,000:1又はそれより良好な所望の投影システムのフレームの連続的なコントラストを達成するために、特に小さいF#(<F/3.5)で、目標となる偏光の消光率の性能(公称で>2,000:1)を提供しないことを強調しなければならない。むしろ、これらの構成部品の両方は、最良の条件下で〜1,200:1より低いコントラストを提供する。性能は、有意に、青色スペクトルでさらに低下する。従って、(LCDを除外する)システムの光学的な部分に対する所望の2,000:1のコントラストの目標を達成するために、投影ディスプレイの変調光学システム内と組み合わせて、おそらくワイヤーグリッド偏光デバイスを含む、様々な偏光デバイスを利用することが必要である。しかしながら、LCD、カラーの光学部品、及び投影レンズと組み合わせて、ワイヤーグリッド偏光子及び偏光補償器を含む、偏光光学部品の最適化された構成を設計する問題点は、一般に電子投影用か又は特にディジタル映画投影用かいずれかで、完全に扱われてこなかった。さらに、先行技術は、コントラストを押し上げるための偏光補償器をさらに有する、LCD及びワイヤーグリッドデバイスの両方を使用する投影ディスプレイ用の変調光学システムを設計する方法を記載してない。
【0015】
一般的にLCD及び特に垂直に整列したLCDの偏光性能を高めるために開発された偏光補償器の多数の例がある。最適化されたシステムにおいて、補償器は、組み合わせでLCD及び偏光光学部品の性能を高めるために同時に設計される。これらの補償器は、典型的には、光ビームの他の部分で偏光状態に影響を及ぼすことなく、通過する光ビームの(ある一定の空間及び角度エリア内の)部分で偏光状態に影響を及ぼすために、空間的に異なる様式で構築される、角度的に変動する複屈折を提供する。第一の例として、特許文献19は、制限された厚さをもつ垂直に整列したLCDに対して設計された複屈折の補償を開示する。別の例として、特許文献20は、シートの偏光子/検光子の組みの間に提供された少なくとも二つの一軸性又は二つの二軸性の遅延器を含む補償器を備えた垂直に整列したLCDを開示する。加えて、特許文献21は、LCDのダーク状態がゼロでない電圧(バイアス電圧)を有する、交差したシートの偏光子を備えたパッケージで使用される、LCDにおける光学的な複屈折の誤差を補正する二軸性フィルム補償器の使用を開示する。
【0016】
補償器は、フィルム、光学的な接着剤、及び他の材料の一つ又はそれ以上の層を含む、複雑な構造であり得る。特許文献22は、必要に応じて、A−プレート、C−プレート、及びO−プレートの組み合わせを使用する、補償器が多層の構築物を有する、ツイストネマチックLCDと共に使用可能な補償デバイスを開示する。
【0017】
また、組み合わせで垂直に整列されたLCD及び偏光光学部品の両方を補正する偏光補償器を設計することができる。先に議論したこれらの先行技術の補償器の特許のほとんどは、LCDが、シートの偏光子との組み合わせで使用されると共にLCDの偏光の誤差のみを補正することを仮定する。しかしながら、また偏光補償器は、明らかに、従来のPolaroidタイプの色素シート偏光子からの非均一な偏光効果を補正するために開発されてきた。1929年にE.H.Landによって開発された色素シート偏光子は、二色性又は光の偏光の選択的な異方性吸収によって機能する。色素シート偏光子用の補償器は、非特許文献1に記載されており、A−プレート及びC−プレートの構築物の組み合わせを使用する。同様に、特許文献23は、従来のMacNeilleプリズムタイプの偏光ビームスプリッターを備えたLCDを使用する投影機装置における使用のために構築された補償器を開示する。この補償器は、プリズムを補償するための1/4波長板及び固有のLCDの残余の複屈折効果に対する追加の0.02λの補償を含む。
【0018】
この先行技術の材料が、様々な条件下で使用される偏光補償器の設計を広く詳述する一方で、ワイヤーグリッド偏光子及び垂直に整列したLCDとの使用のために明らかに開発されて最適化された補償器は、先行技術に開示されてない。高い明るさレベルを達成するために、光学システムが、それがより大きな斜角で入射光を集めることができるように、高い開口数(>〜0.13)を有することは、最も有利である。高い明るさ及び高いコントラスト比を維持する矛盾する目標は、偏光構成部品に対して重大な設計の問題を与える。オフ状態における光の漏出は、高いコントラストレベルを達成するために、最小でなければならない。しかし、光の漏出は、高い明るさを達成するために要求される斜角における入射光に対して最も表明される。
【0019】
しかしながら、同一出願人に譲渡された同時継続の米国特許出願第10/040,663号に開示されるように、偏光補償器は、ワイヤーグリッド偏光子及び偏光ビームスプリッター用に開発されて最適化されてきた。特に、この出願は、垂直に整列したLCD及び垂直に整列したLCD用の補償器と共に働くワイヤーグリッドデバイス用の補償器のみならずワイヤーグリッドデバイス用に設計された補償器を記載している。ワイヤーグリッド偏光子、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター、垂直に整列したLCD、及びカスタマイズされた偏光補償器を含む変調光学システムが、(小さいFの)広い範囲の入射角にわたって1,000:1の目標を超過する偏光コントラストを提供することができることを示してきた。
【0020】
しかしながら、このようなシステムで使用される偏光補償器の作製は、補償器の設計に依存して、遅延特性の特定の値及び配向が要求されると共に既存の材料の組み合わせから組み立てられると、困難であり得る。典型的に、これらの材料は、ポリカルボナート又はアセタートのような、薄いフィルムのシートであり、その光学的な遅延特性は、材料の特性及びフィルムの作製方法の両方に依存する。次に、光学的な屈折率の調和を提供するために光学的な接着剤の介在する層と共に、ガラスプレート間にこれらのフィルムの適切な組み合わせを積層することによって、補償器を組み立てることができる。組み立てられた補償器は、埃及び泡の両方がないと共に大きな熱(光)の負荷の下にある一方で矛盾の無い空間的に均一な遅延特性を提供しなければならない。代わりに、公称の目標の遅延特性を備えた補償層を、ガラス基板に直接スピンコートすることができ、それによって、補償器デバイスの構築を潜在的に単純化する。しかしながら、異なる特性を備えた多数の遅延層を要求する補償器の構築は、まだ困難であり得る。さらに、(前述した0.02λのもののような)固有の残余の複屈折を補正するために要求される最適な遅延特性は、デバイスからデバイスへと著しく変動し得る。理想的には、しかしおそらく実際的ではないが、これは、デバイスからデバイスへとコントラストを最大にすることは、適切に最適化された補償器を備えた各々のLCDを調和させることを要求するであろうことを暗示する。
【0021】
偏光子及びLCDの両方の偏光の応答を最大にする丈夫な均一な偏光補償器を提供する際におけるこれらの様々な困難が与えられると、これらの補償器の使用を単純化する変調光学システムに対する設計が改善であることは明白である。一般的に、先行技術は、コントラストを押し上げるための偏光補償器をさらに有する、LCD及びワイヤーグリッド偏光デバイスの両方を使用する投影ディスプレイ用の変調光学システムを設計すると共に最適化する方法を記載していない。
【0022】
【特許文献1】
米国特許第4,441,791号明細書
【特許文献2】
米国特許第5,600,383号明細書
【特許文献3】
米国特許第5,914,818号明細書
【特許文献4】
米国特許第6,089,717号明細書
【特許文献5】
米国特許第5,808,795号明細書
【特許文献6】
米国特許第5,918,961号明細書
【特許文献7】
米国特許第5,652,667号明細書
【特許文献8】
米国特許第5,978,056号明細書
【特許文献9】
米国特許第2,403,731号明細書
【特許文献10】
米国特許第5,969,861号明細書
【特許文献11】
米国特許第5,912,762号明細書
【特許文献12】
米国特許第5,844,722号明細書
【特許文献13】
米国特許第5,383,053号明細書
【特許文献14】
米国特許第5,748,368号明細書
【特許文献15】
米国特許第6,122,103号明細書
【特許文献16】
米国特許第6,243,199号明細書
【特許文献17】
米国特許第6,288,840号明細書
【特許文献18】
米国特許第6,234,634号明細書
【特許文献19】
米国特許第4,701,028号明細書
【特許文献20】
米国特許第5,039,185号明細書
【特許文献21】
米国特許第5,298,199号明細書
【特許文献22】
米国特許第5,619,352号明細書
【特許文献23】
米国特許第5,576,854号明細書
【非特許文献1】
J.Chen,K.H.Kim,J.J.Kyu,J.H.Souk,J.R.Kelly,P.J.Bos,“Optimum Film Compensation Modes for TN and VA LCDs”,SID 98 Digest,pages 315−318.
【発明が解決しようとする課題】
従って、高コントラストの出力を提供するために、組み合わせでワイヤーグリッド偏光デバイス、垂直に整列したLCD、及び偏光補償器を使用する、改善された投影装置に対する要求があることを理解することができる。特に、この発明は、投影ディスプレイシステム、印刷システム内で又は、遅延特性を導入するために、ワイヤーグリッド偏光子をわずかに回転させる、他の用途に関して使用することができ、よってLCD及び偏光補償器の性能を調整することができる、又は偏光補償器の設計及び構築を単純化することができる、又は、与えられたシステムの設計の詳細に依存するような、偏光補償器に関する代用品を提供することができる、変調光学システムを記載することになる。
【0023】
【課題を解決するための手段】
簡潔に、本発明の一つの態様に従って、表示装置は、光のビームを形成するための光源を含む。前偏光子は、光の偏光したビームを提供するために光のビームを偏光させる。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、光の偏光したビームを受けると共に第一の偏光を有する光の偏光したビームを透過させ、第二の偏光を有する光の偏光したビームを反射させる。反射性の空間光変調器は、変調されたビームを形成するためにその上に画像データをコード化するために第一の偏光を有する光の偏光したビームを選択的に変調すると共に、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターへ変調されたビームを後方に反射する。補償器は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及び変調されたビームの傾斜した及びスキュー光線を状態調節するための反射性の空間光変調器の間に位置する。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、補償された変調されたビームを反射すると共に、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを、コントラストを最適化するために平面内で回転させる。偏光検光子は、補償された変調されたビームから反対の偏光状態の残余の光を取り除く。画像形成光学部品は、補償された変調されたビームから画像を形成する。
【0024】
本発明並びにその目的及び利点は、以下に与える好適な実施例の詳細な説明でより明らかになると思われる。
【0025】
【発明の実施の形態】
明細書が、本発明の主題を特に指摘すると共に明確に請求する請求項と共に結論する一方で、本発明を、添付する図面と併せて考慮するとき、以下の説明からより良好に理解すると思われることを信じる。
【0026】
本説明は、特に、本発明に従う装置の一部を形成する、又はその装置とより直接的に協働する素子に向けられる。具体的に示してない又は記載してない素子が、当業者に周知の様々な形態をとってもよいことを理解することができる。
【0027】
図1を参照して、同一出願人に譲渡された同時継続の日本国特許出願第2002−76565号に記載するような、ディジタル投影装置10における光学構成部品の配置を概略の形態で示す。照明光学部品20及び前偏光子45は、本質的に均一化されると共に偏光させられる照明を提供するために、光源15からの光を予め状態調節する。照明光学部品20は、積分棒又はフライアイ積分器組み立て品のような均一化する光学部品、及び集光するリレー光学部品の組み立て品を含む。除去された代替の偏光状態の光が、名目上、光源へ後方に反射する一方で、この光は、引き続き、偏光ビームスプリッターへ向けられる所望の偏光状態の光と共に、前偏光子45によって偏光させられる。前偏光子45は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター50、偏光を交替させる空間光変調器55、及び偏光検光子60もまた含む、変調光学システム40の一部である。名目上、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター50は、システムの外へ代替の偏光状態を有する残余の入射光を反射する一方で、好適な偏光状態を有する入射光を透過させる。次に変調された光ビームとして反射される、光に二次元画像をコード化するために、入射光は、名目上は液晶ディスプレイ(LCD)である、空間光変調器55によって変調される。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター50は、一つの偏光状態を有する変調された光ビームからの光を反射し、代替の偏光状態を有する光を透過させる。次に、投影光学部品70は、名目上投影スクリーンである、ディスプレイの表面75へ反射された変調された光ビームを向ける。
【0028】
典型的には、光源15によって放出された可視光は、三つのカラーチャネル(赤色、緑色、青色)に分割され、ここで各々のチャネルにおける光は、それ自身の空間光変調器55を含む、それ自身の変調光学システム40と相互作用する。これらのチャネルを、再結合プリズム65によるディスプレイ表面75への投影のために、再結合することができる。
【0029】
ディジタル投影装置10及び変調光学システム40の設計を、両方とも、これらのシステム内で使用されるワイヤーグリッド偏光子の特性のより深い議論からより良好に理解することができる。図2は、基本的な先行技術のワイヤーグリッド偏光子を図説し、先行技術及び本発明の一連の実例となる例で使用することになる用語を定義する。ワイヤーグリッド偏光子100は、誘電体基板120によって支持された非常に多数の並列の導電性素子(ワイヤー)110及び溝115で構成される。このデバイスは、(p)で表示される格子の間隔又は導体のピッチ若しくは周期、(W)で表示される個々の導体の幅、及び、(t)で表示される導体の厚さによって特徴付けられる。ワイヤーグリッド偏光子は、ピッチ(p)、導体又はワイヤーの幅(w)、及び導体又はワイヤーの厚さ(t)が、全て入射光の波長(λ)より小さいように、サブ波長の構造を使用する。ほとんどの設計に対して、ワイヤーの厚さ(t)が、実際に波長を超えることができる一方で、それは、事実と違う。光源132によって生成された光のビーム130は、導電性素子に直交する入射の平面で法線から角度θでワイヤーグリッド偏光子100に入射する。ワイヤーグリッド偏光子100は、このビームを、正反射の回折されなかった出て行く光ビーム、反射された光ビーム140及び透過した光ビーム150、に分割する。使用されるS及びP偏光に対する定義は、P偏光した光が、導電性素子と直交するその偏光ベクトルを有する一方で、S偏光した光が、導電性素子と平行なその偏光ベクトルをもつ光であることである。一般的に、ワイヤーグリッド偏光子は、グリッドに対して平行なその電場ベクトル(“S”偏光)をもつ光を反射すると共にグリッドに垂直なその電場ベクトル(“P”偏光)をもつ光を透過させることになる。ワイヤーグリッド偏光子100は、それが透過における(異常光線を透過させる)E−タイプの偏光子及び反射における(常光線を反射させる)O−タイプの偏光子であるという点で、幾分普通でない偏光デバイスである。
【0030】
このようなデバイスを垂直入射(θ=0度)で使用するとき、反射された光ビーム140は、一般的に、光源132へ再び向けられ、デバイスは、偏光子と呼ばれる。しかしながら、このようなデバイスを、非垂直入射(典型的には、30°<θ<60°)で使用するとき、光の照明するビーム130、反射された光ビーム140、及び透過した光ビーム150は、別個の分離可能な経路をたどり、デバイスは、偏光ビームスプリッターと呼ばれる。ワイヤのピッチ(p)、ワイヤの幅(w)、ワイヤのデューティサイクル(w/p)、及びワイヤの厚さ(t)に対するワイヤーグリッドデバイスの詳細な設計を、偏光子又は偏光ビームスプリッターとしての使用のために、異なって最適化してもよい。偏光を変更する空間光変調器と共に設計するとき、ディジタル投影装置10及び変調光学システム40の両方は、ワイヤーグリッドタイプのデバイス以外の偏光検光子及び偏光ビームスプリッターを使用してもよいことが、理解されるはずである。例えば、偏光ビームスプリッターは、MacNeilleタイプのガラスプリズムであってもよいか、又は偏光子は、色素/ポリマーを主材料としたシート偏光子のいずれかであってもよい。しかしながら、この議論のために、そのことは投影機用の全ての構成には要求されないが、偏光ビームスプリッター50、前偏光子45、及び偏光検光子60は、全て一般的にワイヤーグリッドデバイスであると仮定される。
【0031】
変調光学システム200で使用されるような、これらの偏光子の好適な空間的な関係を、図3で図説する。変調光学システム200は、図1の変調光学システム40の拡張されたより詳細なバージョンである。変調光学システム200の基本的な構造及び動作は、先に引用した同一出願人に譲渡された同時継続の日本国特許出願第2002−76565号に記載されている。電子投影システム(又は印刷機システム)の一部分である、変調光学システム200は、前偏光子230、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240、及び補償器260を通じて、コンデンサー225によって空間光変調器210(LCD)に集束される、入射する照明光ビーム220を含む。変調された画像を生ずる光ビーム290は、空間光変調器210の表面から反射され、補償器260を透過し、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240から反射され、次に偏光検光子270を透過する。変調光学システム200を出た後、変調画像を生ずる光ビーム290は、光軸275に沿って進み、スクリーンへ(又は感光媒体へ)その進路で再結合プリズム280及び投影レンズ285を透過する。再度、前偏光子230及び偏光検光子270は、両方ともワイヤーグリッド偏光デバイスであると仮定される。フルカラー投影システムは、再結合プリズム280を通じて再度組み立てられたカラービームと共に、色(赤色、緑色、及び青色)毎に一つの変調光学システム200を用いるであろう。いくつかのレンズ素子を含んでもよい、コンデンサー225は、源の光を、空間光変調器210の活動エリアを名目上満たす名目上均一な光の長方形に整形された領域に変換する、より広範囲な照明システムの一部である。
【0032】
先行技術のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを利用する変調光学システム200において、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240は、一つの表面に位置したサブ波長ワイヤー250を備えた誘電体基板245からなる(ワイヤーの目盛りは、大いに誇張されている)。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240は、投影レンズシステム285への反射のために配置され、それによって、傾斜したプレートを通じた透過によって誘導された非点収差及びコマ収差を回避する。最も単純に、補償器260は、空間光変調器210の表面に起因する幾何学的欠陥及び複屈折効果を補償するために必要とされた少量の遅延特性を提供する波長板である。例えば、米国特許第5,576,854号(Smith等)で議論されているように、補償器260は、LCD偏光層の残余の幾何学的欠陥、及びLCDパッケージ内の反対の電極基板内における残余の熱的に誘導された複屈折によって引き起こされる偏光の誤差を補正するために0.02λの遅延特性(A−プレート)を提供してもよい。ディジタル映画よりも少ない要求の厳しい用途において、補償器260は、自由選択であると判明する場合もある。
【0033】
ディジタル映画に使用されるような、変調光学システム200の構築は、システムの仕様及び利用可能なワイヤーグリッド偏光デバイスの限定の両方によって明確に定められる。特に、ディジタル映画は、高いフレームの連続的なシステムのコントラスト(1,000:1又はそれより良好)を提供するために電子投影機を要求する。これを達成するために、変調光学システム200の空間光変調器210(LCD)を除く、偏光光学構成部品は、〜2,000:1の合計の光学システムのコントラスト(C)を提供しなければならない。偏光光学部品に対する実際の目標のコントラストは、もちろん、LCDの性能に依存する。このように、LCDが、たった〜1500:1のコントラストを提供するとすれば、偏光光学部品は、〜3,000:1のコントラストを提供しなければならない。ディジタル映画に対しては、垂直に整列した(VA)分子を備えたLCDは、それらの高い本質的なコントラストにより好適である。特に、LCD及び偏光光学部品の両方のコントラストの性能は、典型的には、入射ビームの開口数を増加させるとともに減少する。残念ながら、今日の技術で、それ自体によって偏光光学部品に対する2,000:1の目標のコントラストを満たすために、ちょうど単一のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を使用することは、十分ではない。この理由のために、変調光学システム200は、目標の偏光性能を提供するために、ワイヤーグリッド前偏光子230及びワイヤーグリッド偏光検光子270もまた使用する。
【0034】
変調光学システム200の構築及び動作を、その偏光性能に対して、さらに大いに詳しく理解することができる。好ましくは、変調光学システムに“P”偏光した光を透過させるために、前偏光子23を配向させる。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を、偏光子230のサブ波長ワイヤーと名目上平行に配向させたそのサブ波長のワイヤーパターンと共に配向させる(即ち、二つのデバイスは、交差しない)。このように、透過した“P”光は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を通じた透過によって、さらに変更される(コントラストが高められる)。次に、透過した光ビームは、補償器260を通過し、印加された制御電圧に従ってピクセルのベースに対するピクセルにおける入射光の偏光状態を変更する、名目上は反射性LCDである、空間光変調器210に遭遇する。白色及び黒色の間における中間のコード値は、“オン”状態の量を減少させ、“オフ”状態の光の量を増加させる。偏光を回転させておいた“オン”状態の光は、ワイヤーグリッドビームスプリッター240に対する“S”偏光状態にある。このように、“S”状態の光は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240から反射し、引き続き偏光検光子270を透過し、投影レンズ285によってスクリーンへ向けられる。(LCD及び補償器の寄与を無視する)変調光学システム200に対する全体的なコントラスト(C)を、
1/C=1/(CT1*CT2)+1/(CR2*CT3
によって近似することができ、ここで、CT1は、ワイヤーグリッド前偏光子230の透過したコントラストであり、CT2及びCR2は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240に対する透過した又は反射したコントラスト比であり、CT3は、ワイヤーグリッド偏光検光子270に対する透過したコントラストである。このシステムにおいて、全体的なコントラストは、大部分が、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240から“S” 偏光状態の光に対する低い反射されたコントラスト比CR2によって決定される。検光子のコントラストCT3は、低いCR2の値(〜30:1)を補償するためにかなり高いことを必要とする。透過したコントラストCT1及びCT2が、特に高いことを必要としないのに対して、それぞれのコントラストの値は、スペクトルにわたって適度に均一であることが条件とされる。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240から反射すると共にワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240に対して“S”偏光を有する“オン”状態の光が、それ自体の構造に対してこの“P”状態の光と同じ光を見るように、偏光検光子270を配向させる。従って、偏光検光子270は、所望の“オン”状態のビームに付随する任意の代替の偏光漏出光を取り除く。例として、550nmの緑色光に対して、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びワイヤーグリッド前偏光子230の組み合わせは、スクリーンで、たった〜25:1のフレームの連続的な光学的コントラスト比を提供する。しかしながら、これらの偏光子が、ワイヤーグリッド偏光検光子270で補完されるとき、理論的な全体的なシステムのコントラストCsは、〜2900:1まで押し上げられる。
【0035】
変調光学システム200は、照明光学部品(コンデンサー225)及び光源(図3参照)へというよりもむしろ、空間光変調器210へ面するサブ波長ワイヤー250を備えた表面で配向させたワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240で最も良好に構築される。この配向を使用するとき、全体的なコントラスト(C)が〜2,900:1である一方で、代替の配向(光源への表面におけるワイヤー)を使用するとき、正味のコントラストは、〜250:1まで急激に落ちる。(注:空間光変調器210(LCD)は、この試験のために鏡及び四分の一波長板によって交換される。)コントラストにおけるこの低下は、ガラスそれ自体の本質的な品質により得るガラス基板における応力複屈折、又は光の吸収から熱的に誘導された応力複屈折によって引き起こされる。空間光変調器210に面するサブ波長ワイヤー250と共に位置決めされたガラス基板245と共に、好適な配向において、変調された画像を生ずる光ビーム290は、基板及びそれの中の任意の応力複屈折に遭遇することなく、ワイヤーから反射し、よって高いコントラストを維持する。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240のサブ波長ワイヤー250を、(頁の平面内で)“水平に”というよりもむしろ(示すように“頁の中へ”)“垂直に”配向させるとき、変調光学システム200は、最も高いコントラスト及び光の効率を提供する。
【0036】
ディジタル映画の投影機を築くために、様々な光学部品、ワイヤーグリッドデバイス、及びLCDの限定を取り扱う一方で、35−55フィートのワイドスクリーンを照明するシステムで輝度(10,000−15,000ルーメン)及びコントラスト(1,000:1+)を同時に最大にすることが必要である。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及びLCDに入射する光の許容角度(開口数)を増加させることによって輝度を最大にすることができる。モデル化は、LCDに基づいたディジタル映画投影機が、潜在的に要求されるF/2.0乃至F/2.3のシステムの集光能力で、スクリーンの輝度の目標を満たすために、F/3.0以下で動作することを必要とすることになることを提案する。しかしながら、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターに入射する源の光のより広い角度は、他の偏光状態からの漏出光を増加させると共によって利用可能なコントラストを減少させることになる。測定は、〜F/2.3における(ワイヤーグリッド前偏光子230、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240、VA LCD、及びワイヤーグリッド偏光検光子270を含む)変調光学システム200に対するコントラストが、システムが偏光補償器なしに組み立てられるとき、たった〜500:1であることを示してきた。
【0037】
特に、図4に示すように、補償されてないシステムのコントラスト300をF#に対してプロットする場合、空間光変調器210に使用されるVA LCDと共に、しかし補償器260無しに、組み立てられた変調光学システムに対するF/2.3における測定されたコントラストは、たった〜490:1である。さらに、この一つの特定のVA−LCD(デバイス“A”)と共に測定された、補償されてないシステムのコントラスト300は、F/10の外で低い(たった〜630:1)ままである。
【0038】
偏光のコントラストを、変調光学システム200内における非常に多くの寄与物によって低下させることができる一方で、このコントラストの損失もまたいくつかの方法で証明することができる。図6aは、iso−コントラストプロットとしての角度空間で見ることができると共に“鉄十字”として知られる、交差した偏光子に対する偏光のコントラストプロフィールを図説する。鉄十字パターン320は、検光子のグリッドと平行及び垂直な方向にピークの消滅、スキュー光線に対する減少した消滅、四つの軸外の四分円における傾斜した光線を実証する。ほとんどの既存の偏光子と比較したとき、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターが、優れた角度性能を有すると、これらのデバイスは、一般的にスキュー光線の問題を有さないと、従って、さらなる偏光の補償を要求しないと考えられてきた。これは、部分的には、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターが、反射におけるO−タイプの偏光子及び透過におけるE−タイプの偏光子として機能し、従って、変調光学システム200におけるような透過及び反射の両方で使用したとき、部分的に自己補償するためである。
【0039】
また、図6aの“鉄十字”の図説は、それが分子の整列に対して垂直から無視できる内部の傾斜角度を有すると仮定して、交差した偏光子を通じて見るように、理想的なVA LCDの名目上の偏光の応答を表す。残念ながら、コントラストは、また、大きい傾斜角度、オフ状態用のバイアス電圧、熱的に誘導された応力、及び大きい入射角度(大きなNA)のような、VA−LCD内の様々な微妙な効果によっても低下し得る。これらの効果は、鉄十字パターン320が保持される一方でコントラストを一般的に減少させることを引き起こし得るか、又は、鉄十字パターン320を(例えば、図6bに示す“ベースボール”パターン325のような)別の消滅パターンへ変形することを引き起こし得る。例えば、3−4nmのVA LCD内の残余のXY遅延特性は、デバイスが、鉄十字パターン320よりもむしろベースボールパターン325を出力することを引き起こし得る。iso−コントラストが、鉄十字パターンからますます外れると、合計の積分されたコントラストは、典型的には同様に落ちる。また、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240からのコントラストの低下は、ワイヤーの表面の配向、ワイヤーの回転、及び大きい入射角のような効果から、類似の方法で鉄十字パターン320を低下させ得る。
【0040】
これは、偏光した光が変調光学システム200をどのように横切るかを考慮することによって、より良好に理解され得る。図5aは、LCD210の一部分に関して、変調光学システム内のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240によって反射された又はワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を透過した光に対する光の偏光状態を表す透視図を示す。前偏光したビーム350は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を透過する。図5aに示すように、透過したビーム355の電場の偏光は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240のワイヤーグリッドに垂直なベクトルにある。戻る変調されたビーム360は、LCD210におけるピクセルから反射され、ここで“S”偏光した光は、画像データであり、“P”偏光した光は、除去することができる。理想的には、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240は、変調された透過した光370として望まれない“p”光の100%を透過する。しかしながら、小さい漏出光365は、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240から反射され、“s”変調されたビーム360を伴い、減少したコントラスト(“p”に対する“s”の比)を引き起こす。漏出光365の大きさを、ワイヤーグリッド偏光検光子270によってさらに減少させる。変調されたビーム360に対して、ワイヤーグリッドビームスプリッターは、ある程度まで典型的な交差した偏光子の構成を含む、透過における前偏光子及び反射における偏光検光子として作用する。
【0041】
偏光のコントラストのいくらかの損失が、軸でコリメートされた光に起こる一方で、それら効果は、傾斜した及びスキュー光線に関してより劇的である。これをより良好に理解するために、図5bが、(LCD210、前偏光子230、又は検光子270のような)表面に垂直に入射する類似の非正反射のビームに対する幾何学を示す一方で、図5aは、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の45°傾斜した表面に入射する大きいNAの非正反射のビームに対するビームの幾何学の図説を含む。垂直に入射する場合に関して、角度の極の掃引が、限定される(F/2.0に対して0−15°)一方で、入射するビームは、0−180°の方位の掃引によって記載される。傾斜した光線は、局所的な光軸275を含む平面にある、交差した偏光子によって定義される軸(方位角0°及び180°、90°及び270°)の外側における四つの四分円に届くそれらの光線である。スキュー光線は、局所的な光軸275を含まない平面にある光線である。45°傾斜した表面への入射の場合に関して、角度の極の掃引が、光軸に対して〜0−15°を覆うか又はワイヤーグリッド表面に対して〜30−60°の掃引である一方で、入射するビームは、再度、0−180°の方位の掃引によって定義される。これらの傾斜した及びスキュー光線は、鉄十字パターン320の四つの四分円で観察された減少したコントラストを説明するものである。例えば、交差した座標軸から45度に位置した四つの四分円におけるコントラストが、300:1又はそれ以下に低下する一方で、軸に沿ったピークコントラストは、1,000:1を超えることができる。
【0042】
先に注意したように、部分的にワイヤーグリッド前偏光子230、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240、垂直に整列したLCD210、及びワイヤーグリッド偏光検光子270を含む変調光学システム200は、名目上、仕様以下である、F/2.3で緑色においてたった〜500:1のコントラストを提供する。しかしながら、一つの解決索として、適切な補償器の使用を通じて、仕様を満たすと共に超えるために、システムのコントラストを高めることができる。
【0043】
補償器及び偏光子は、多数の屈折率を有する、複屈折材料から構築される。比較として、(ガラスのような)等方性の媒体は、単一の屈折率を有し、(液晶のような)一軸性の媒体は、二つの屈折率を有する。光学材料は、三つまでの主屈折率を有してもよい。全ての三つの異なる屈折率をもつ材料は、二軸性と呼ばれ、図7aに示すような、それの主屈折率nx、ny、nz及び三つの配向の角度によって一義的に指定される。図7bは、それぞれ、x、y、z軸と整列したnx、ny、及びnzの軸をもつ二軸性フィルムを示す。二つの等しい主屈折率をもつ材料は、一軸性材料と呼ばれる(図7c参照)。これらの二つの等しい屈折率は、正常な屈折率であり、nと呼ばれる。他の異なる屈折率は、異常な屈折率と呼ばれる。また、nの軸は、補償器の光軸とも呼ばれる。一軸性材料は、n、n及び補償器の光軸の配向を記載する二つの角度によって一義的に特徴付けられる。全ての三つの主屈折率が等しいとき、材料は、等方的と呼ばれる。
【0044】
光は、一軸性又は二軸性の材料を通じて伝わるとき、その電場の偏光方向に依存する、変動する有効屈折率に遭遇し、結果として、位相差(Δφ)が、電場の二つの固有モード間に導入される。この位相差は、光の伝播方向と共に変動し、よって光の透過は、一軸性又は二軸性の材料が二つの交差した偏光子の間に置かれるとき、角度と共に変動する。これらの位相差Δφは、光軸に沿う又は平行以外の経路に沿って伝わる光線に対する局所的な偏光の配向の変更に転換する。特に、補償器は、一般的に、傾斜した及びスキュー光線の両方もまた含む、大きい極の角度における光線に対して局所的な偏光の配向を変更する又は状態調節する。液晶材料は、典型的には、一軸性材料である。それが、液晶ディスプレイにおけるような二つの基板の間にはさまれるとき、それの光軸は、一般的に、基板におけるその固着及び厚さにわたって印加された電圧に依存して、厚さにわたって変化する。
【0045】
補償器は、液晶又は他の光学部品によって導入された角度に依存する位相差を相殺する方法で、角度に依存する位相差を導入するために設計される、一つ又はそれ以上の一軸性及び/又は二軸性フィルムで構築される。当技術において周知であるように、フィルムの平面に垂直なその光軸をもつ一軸性のフィルムが、図7dに示すようにC−プレートと呼ばれる一方で、フィルムの平面に平行なそれの光軸をもつ一軸性フィルムは、図7cに示すようなA−プレートと呼ばれる。代わりに、C−プレートが、ビームの伝播方向に光軸に沿ってZ複屈折を提供する一方で、A−プレートを、補償器の平面でXY複屈折(XY遅延特性をもつ異方性の媒体)を提供するように、記載することができる。nよりも大きいnをもつ一軸性材料は、正に複屈折と呼ばれる。同様に、nよりも小さいnをもつ一軸性材料は、負に複屈折と呼ばれる。A−プレート及びC−プレートの両方は、それらのn及びnに依存して、正又は負であり得る。より高級な多層の補償器400は、図7eにおけるように、その光軸、又はその厚さにわたって変動する三つの主屈折率を有し、ここで補償フィルムのスタック(複屈折層410a、410b、及び410c)は、完全な補償器を組み立てるために、基板420と共に使用される。スタックの補償の詳細な議論されたものを、米国特許第5,619,352号(Koch等)に見出すことができる。当技術において周知であるように、A−プレートを、ポリビニルアルコール又はポリカルボナートのような延伸した重合体フィルムで作ることができる一方で、C−プレートを、一軸性に圧縮された重合体又は鋳造する酢酸セルロースの使用によって作製することができる。
【0046】
同一出願人に譲渡された同時継続の米国特許出願第10/040,663号で議論したように、偏光補償器を、ワイヤーグリッド偏光子及びワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの両方の偏光の方向特性を高めるために、具体的に設計することができる。その出願で議論したように、厳密な結合した波の分析(RCWA)の方法論を使用する、典型的な可視の波長のワイヤーグリッド偏光子のモデル化は、角度に対する光の透過における著しい増加を示す。これらのワイヤーグリッド偏光子は、144nm(〜λ/4)のワイヤーのピッチ、0.45のワイヤーのデューティサイクル、及び130nmのワイヤーの高さで、Corningのガラス1737Fに堆積させた、アルミニウムのワイヤー構造としてモデル化された。緑色の波長帯域(550nm)において、(図6aの鉄十字パターン320、軸外の四分円に対応する)20度(F/1.5)及び45度の方位角における透過は、それが0度の極角度にあるよりも2.5倍大きい。より大きい極角度(40度)でさえ、透過(漏出光)は、それが軸上にあるよりも〜10倍大きくあり得る。コントラストが、交差した偏光子に対する透過におおよそ逆比例すると、透過した光(光の漏出)におけるこのような増加は、システムのコントラストにおける莫大な変化を引き起こし得る。
【0047】
米国特許出願第10/040,663号でさらに議論したように、模範的な偏光補償器は、交差したワイヤーグリッド偏光子の両方(図3の前偏光子230及び検光子270)に対する及びワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240に対する性能を高めるために設計された。特に、模範的な偏光補償器は、45°で配向したワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240に関して角度に対する組み合わせた透過性能を最適化するために設計された。一つのこのような補償器は、二つの特定の複屈折フィルム、+90nmのA−プレート及び+320nmのC−プレートの組み合わせとして設計された。この補償器と共に、45度の方位角におけるオフ状態の光(漏出光)の透過を、補償されてないワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターと比較すると、15°乃至30°に及ぶ大きい極角度の範囲の至る所で、〜2倍又はそれ以上だけ減少させた。それに対して、軸上の透過は、補償された及び補償されてない値が同じままだったので、影響を受けなかった(低下しなかった)。この補償器を使用することは、図6aの鉄十字パターン320をより大きな角度範囲にわたって“黒色”(高いコントラストの光の消滅)に有効に変える。
【0048】
その模範的な補償器の層をなした構造内で、A−プレートを、LCDにより近い、C−プレートよりもワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの近くに優先的に位置させる。A−プレートの光軸は、(ワイヤーに垂直な)隣接する偏光子の透過軸に平行である。この補償器を、図3の変調光学システム200における補償器260によって表し、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及び液晶空間光変調器210の間に位置させる。これは、変調光学システム200内においてこの補償器に関する唯一許容可能な場所である。
【0049】
ワイヤーグリッド偏光子用であろうとワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター用であろうと、補償器を、いくつの方法でも設計することができることが理解されるはずである。例えば、A−プレート及びC−プレートの組み合わせを交換するために、単一の二軸性フィルムを使用することができる。同様に、C−プレートがA−プレートより前に遭遇する、逆の順序で補償器を設計することができる。しかしながら、その順序を切り替えるとき、設計された複屈折の値は、同様に変化する。追加のA−プレート及び/又はC−プレート及び/又は二軸性フィルムを、先のA−プレート及びC−プレートの補償器の設計に加えることができることもまた理解される。補償器を、素子を互いに保持する光学的に調和する接着剤又はゲルと共に、二つのガラス基板の間に挟まれたそれらの複屈折フィルムで構築してもよい。その場合には、空気の表面に対する任意のガラスをARコートするべきである。
【0050】
同様に、Mi等の出願で議論されているように、図3の変調光学システム200の全体的なコントラストの性能を、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター通じて見ると、LCDの性能を高める偏光補償器を提供することによって、高めることができる。これは、米国特許第5,576,854号(Schmidt等)の先行技術の例に対する概念でも同様であり、ここで、MacNeilleのビームスプリッターとの組み合わせで働くVA LCDに関して最適化する補償器が記載されている。その特許に開示されているように、0.27λの補償器が使用され、ここで、0.25λのものは、MacNeilleプリズムに関して補償し、0.02λのものは、LCDの反対の電極基板における残余の応力複屈折に関する。このように、垂直に整列したLCDをワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターと組み合わせる、現在の状況に対して、MacNeilleタイプのプリズムに関して補償するために使用される2.25λの遅延特性は要求されない。しかしながら、A−プレートとして提供される、残余の0.02λの遅延特性(〜11nmXY)は、ワイヤーグリッドビームスプリッターを使用するときでさえ、VA LCD内の応力複屈折を補償するために、まだ有用であり得る。
【0051】
また、ディジタル映画用の変調光学システム200内のVA−LCDとの使用のための偏光補償器の設計も、先の引用した出願(Mi等)で考慮した。変調光学システム200は、普通でない明るい光学システム(おおよそ<F/3.0)にVA−LCDを置くことに注意した。その場合には、液晶の視覚依存性を補正するために、負のC−プレートを使用してもよい。この負のC−プレートは、典型的には〜160−300nmであってもよい、VA−LCDと同じ量のZ遅延特性を有するべきである。このように、この場合には、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターと組み合わせて明るいビームで使用される、反射性のVA LCDに対する好適な補償器は、負のC−プレート(例えば−233nmの遅延特性)及び回転可能な正のA−プレート(例えば、〜11nmの遅延特性)の両方を含む。
【0052】
再度、理想的な、又はほぼ理想的なVA−LCDを、オフ状態における交差した偏光子を通じて目視するとき、iso−コントラストは、図6aのものと同様の“鉄十字”パターン320を示す。このパターンは、光軸(球面のパターンの中心)に沿った及び交差した偏光子の透過軸に平行又は垂直な方向い沿った最小限の光があるが、漏出光があることを四つの四分円で予測することができることを意味する。しかしながら、交差した偏光子の間に位置する補償されてない理想的なVA−LCDに対する45°の方位角でF/2.3の照明と共にモデル化された偏光の消滅は、たった〜3.5°の極角度の外で〜1,000:1を超える。比較によって、明るい光ビームに対するコントラストを押し上げるための適切なC−プレートの補償器(−233nmの遅延特性)と共にモデル化された同じVA−LCDを、13°より大きい極角度の外で1,000:1のコントラストのレベルを有するためにモデル化した。同様の改善を、交差した偏光子を通じて目視したとき、それら自体によって縮退したiso−コントラストのベースボールパターン325を与える、顕著な残余のXY遅延特性(例えば11nm)をもつもののような、非理想的なVA−LCDに対して得ることができる。このようなLCDを、適切に設計した(例えば、−233nmのC−プレート及び11nmのA−プレートをもつ)偏光補償器と一対にするとき、コントラストを、広い角度範囲にわたって著しく高めることができる。
【0053】
偏光補償器、偏光子、及び与えられたLCDの特異性の設計した性能に依存して、高められたコントラストを、遠視野において異なる方法で示すことができる。例えば、偏光補償器は、特に四つの四分円においてより高い角度まで延びる高いコントラストの消滅をもつ“より暗い”鉄十字であるために、(図6aにおけるような)鉄十字のiso−コントラストを変えることができる。代わりに、偏光補償器は、また、コントラストが均一に暗い角度の大きい角度の掃引を覆う名目上の円形のエリアとして現われるために、iso−コントラストを変えることができる。同様に、iso−コントラストのベースボールパターンを提供する、補償されてないLCDを使用する変調光学システムは、適切に調和した偏光補償器を使用するとき、暗い鉄十字又は暗い均一な球面のiso−コントラストパターンのいずれかを提供することができる。VA−LCDに対する偏光補償器を、補償器260として、LCD210の直前に、図3の変調光学システム200に挿入することができる。
【0054】
先に引用した出願(Mi等)でも議論されたように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びLCD210に対する偏光補償器を、これらの二つの構成部品の間で同一の場所に配置し、一つの実装された補償器デバイス(補償器260)へ組み合わせることができる。さらに、正味の遅延特性が、VA−LCDの補償器及びワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの補償器に対する計算されたC−プレートの遅延特性から決定される、単一のC−プレートを含む、集積された補償器を使用することができる。正味のC−プレートの遅延特性は、入力のC−プレートの値の符号(正又は負の複屈折)に依存して、より小さい又はより大きい場合もある。先の例において、VA−LCD用のC−プレートの補償器が、−233nmの複屈折を有した一方で、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター用のC−プレートの補償器は、+320nmの遅延特性を有した。このように、これら二つのC−プレートの設計を組み合わせるとき、残留するC−プレートは、たった〜87nmの遅延特性を有する。次に、組み合わせた補償器260は、VA LCD用の11nmのA−プレート(0.02λの補償)、87nmのC−プレート、及びワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240用の90nmのA−プレートを、連続した順序で含み、11nmのA−プレートは、LCD210の最も近くに位置する。90nmのA−プレートが、サブ波長ワイヤー250に対して固定された配向を有する一方で、11nmのA−プレートが回転可能であることを必要とするので、二つのA−プレートを単純に組み合わせることはできない。補償器260の全て又は一部分を、コントラスト若しくは光の効率又はその両方を最適化するために、回転させてもよい。
【0055】
再度図4を考慮して、XYZで補償されたシステムのコントラスト450を、VA−LCD及び偏光補償器260で試験した変調光学システム200の場合に関して示す。この例において、VA−LCDは、補償されてないシステムのコントラスト300に対するデータを集めるために使用した同じもの(デバイス“A”)であったし、補償器260は、具体的に、(Zに対する)180nmのC−プレート及び(XYに対する)12nmのA−プレートからなった。(注:この補償器は、VA−LCDのみに対して模範的な補償する遅延特性を組み込み、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを補償する模範的な遅延特性を組み込まない。)補償されてないシステムのコントラスト300をXYZで補償されたシステムのコントラスト450と比較することによって理解することができるように、F/2.3における測定されたコントラストは、〜1670:1まで劇的に改善される。さらに、このデバイス“A”のVA−LCD及び補償器の組み合わせに対して、コントラストは、それが、全範囲にわたって1600:1以上のままであると、F/2.3からF/10まで劇的に改善される。
【0056】
理解することができるように、先の出願(Mi等)に提案された偏光補償器は、かなり複雑化された構造を要求する。これは、補償器260の設計が、VA−LCD、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター、又は組み合わせで二つを補正する層を配向させておいたのであろうとなかろうと、真実である。補償器の成功した作製は、要素であるフィルムの材料の特性、使用する層の数、層の優先的な配向、並びに使用するガラス及び接着剤の特性に依存する。さらに、組み立てられた補償器は、低い光のレベルで働くが、増加した熱的な負荷により、高い光のレベルで作用しなくなる場合もある。これは、ディジタル映画用のもののような、高いルーメンの投影システムに対しては問題であり得る。加えて、VA−LCDとの使用に関して記載した11nmのA−プレートの遅延特性のような、非常に小さい遅延特性を信頼して作製することもまた困難である。さらに、実際には、(−233nmのC−プレート及び11nmのA−プレートのような)先に与えられたこれらの目標の遅延特性は、単に公称であり、最適な遅延特性の値は、名目上理想的なデバイスの試行にわたってさえ、一つのデバイスから次へかなり変動する。例えば、三つのVA−LCDの小さい試料を試験したが、コントラストを最適化するために、別のデバイス(デバイス“B”)がたった〜2−3nmのXY遅延特性を要求した一方、一つのデバイス(デバイス“A”)が〜11−12nmのXY遅延特性を要求したこと、及び第三のデバイス(“C”)が>18nmのXY遅延特性を必要としたことが決定された。これらのデバイスに対する理想的なZ遅延特性は、より小さい範囲にわたってだが、同様に変動した。変調光学システム200の製造に対して、各々のデバイスのコントラストの性能を最適化するために、特定の補償器を特定のLCDと調和させることは実際的又はひどく高価でありことを立証する場合もある。
【0057】
本当に、正しいXYの偏光補償を備えたA−プレートの存在は、いくつかのLCDに対して要求されたコントラストの性能を達成する際に重大であり得る。変調光学システム200のコントラストを、たった〜200nmのZ回転を伴ったC−プレートと共に偏光補償器260を使用するが、図4に示す結果で先に使用したデバイス“A”のVA−LCDと共に測定した。この場合には、その特定のVA−LCDが、提供されなかった、〜11−12nmのXY遅延特性を要求すると、結果のコントラスト、Zのみ補償されたコントラスト455は、F/2乃至F/10のF#の範囲にわたって補償されてないシステムのコントラスト300よりも〜650:1でわずかにより良好であった。しかしながら、この結果は、180nmのC−プレート(Z)及び12nmのA−プレート(XY)を備えた模範的な補償器を使用する一方で、デバイス“A”と共に達成されたXYZが補償されたシステムのコントラスト450ほど良好ではない。比較によって、前述したZ−のみの補償器を、自然に鉄十字の挙動を有する(すなわち、XY遅延特性の補償をほとんど又は全く必要としない)VA−LCDデバイス“B”と一対にするとき、F/2.3でのコントラストは、2200:1を超えた。
【0058】
理解することができるように、LCDそれら自体において残余の遅延特性における大きな変動が、最大化されたコントラストに対する探求をさらに複雑にする一方で、偏光補償器の設計及び構築は、複雑化されたそれ自体のものである。しかしながら、ワイヤーグリッド偏光子を、数度だけ平面で回転させることができ、また変調光学システム200及び補償器260の両方の設計を潜在的に単純化する一方で、システムのコントラストの顕著な強調を潜在的に提供することが実証されてきた。実際に、先の引用した出願(Mi等)に詳述してなかった、これらの回転の調節は、与えられたLCDの性能、同伴する補償器260の特定の設計、変調光学システム200を横切る光のF#、及びLCDの動作温度に非常に依存するコントラストの強調を提供する。図5aを参照して、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240、ワイヤーグリッド偏光検光子270、及びワイヤーグリッド前偏光子230を、各々、光の効率もまた最大にする一方で、コントラストを高める主な目的と共に、数度だけ回転させることができる。具体的に、少量(角度(β))のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターの角度の回転は、いくらかのXY遅延特性を導入し、A−プレートの追加によって偏光の補償の調整を有効に可能にする。典型的には〜3°乃至5°である、使用する実際の回転は、試験の条件に依存して、15°若しくはそれ以上で、又は1°乃至2°と同じ位少なく、あり得る。コントラストを増加させるために使用するワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の最適な量の回転(β)は、LCDの温度に依存し得ると共に、LCデバイスをより温かい温度で動作させると、要求される回転は、一般的に減少する。このように、予測された動作温度で、与えられたLCDに要求される最適な補償を決定することは、重要であり得る。多くのシステムにおいて、電気光学的な応答が最適化される温度範囲での動作を保証するために、LCDの動作温度を、加熱するか又は冷却するか何れかによって、制御してもよい。一般的に、変調光学システム200のフレームの連続的な変調のコントラストを、補償されてない場合と比較すると、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の(β)回転を使用するとき、2倍又はそれ以上だけ高めることができる。
【0059】
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240のサブ波長ワイヤー250が、主として、このデバイスが偏光子として機能することを引き起こすが、この構造は、少量のXY遅延特性もまた導入する。これは、関係した光学的構造、形態の複屈折又は“マウスの目”の光学部品、の特性を考慮することによって定性的に理解され得る。一次的には、形態の複屈折の光学的構造は、ワイヤー110が金属ではなく誘電体であることを除いて、図3のワイヤーグリッド偏光子100に類似する。また、典型的な可視の波長の形態の複屈折の光学的構造は、背の高い誘電体のワイヤー(メサ)を有し、溝115の深さは、メサの幅と比較して大きい(例えば、アスペクト比>20:1)。比較によって、典型的なワイヤーグリッド偏光子は、浅いワイヤーを有し、ワイヤーの幅(w)に対するワイヤーの厚さ(t)の比は、適度な〜2:1である。
【0060】
ワイヤーグリッドデバイスを伴うと、誘電体の形態の複屈折構造は、図3のものと同様に、溝及びワイヤー(メサ)の一次元のパターンを有し得る。代わりに、対称な誘電体のサブ波長の溝及びメサのパターン又は(X及びYで異なる)非対称な誘電体のサブ波長の溝及びメサのパターンを有する、二次元の構造は、可能である。非対称な二次元の構造は、広い波長、鈍感な偏光、及び角度に鈍感な応答を備えた反射防止(AR)膜と同様に機能し得る。非対称な二次元のハ゜ターン化された構造は、偏光に敏感な反射防止の挙動を提供する。誘電体のサブ波長の光学的なマイクロ構造の一次元のパターンは、図3のものと同様に、異方性であり、反射防止特性のみならず(X及びY方向で異なる光学的な遅延特性の値をもつ)形態の複屈折を提供する。Richter等による論文“Design Considerations of Form Birefringent Micro−structures”(Applied Optics,Vol.34,No.14,pp.2421−2429,May 1995)は、光学デバイスの詳細な設計を議論している。論文は、設計を最適化するために、メサ/溝構造のピッチ(p)、幅(w)、及び高さ又は厚さ(t)のような様々なパラメータをどのように調節することができるか示す。形態の複屈折である誘電体のマイクロ構造を備えた光学部品を、設計に依存して、(ほぼ遅延特性の波までの)100−400nmの遅延特性を提供する、可視のスペクトルの波長板及び遅延器として使用することができる。形態の複屈折は、結晶で観察される、より普通の塊の複屈折とは、後者が材料内の電気的特性における異方性の変動によって引き起こされるので、明確に異なる。
【0061】
ワイヤーグリッド偏光子及び偏光ビームスプリッターが、XYの異方性を備えたサブ波長の構造を有すると、これらの構造は、デバイスの設計及び作製の副産物として、少量の形態の複屈折を導入することができる。さらに、代替の改善されたワイヤーグリッド偏光子が、金属のワイヤーが厚さtの誘電体のリブの頂上に作製されるサブ波長構造を有する、米国特許第6,122,103号に記載されている。その場合には、誘電体のリブ構造における金属のワイヤーを、より低い波長へ透過の共鳴をシフトさせるために利用し、それによって可視のスペクトルにわたってより完全にワイヤーグリッドの性能を拡張する。記載されたワイヤーグリッド偏光子は、おそらくXYの形態の複屈折、よって遅延特性を示すXY異方性の有効な媒体の構造を含む。遅延特性は、入射光の偏光において位相差Δφに変換する、直交する偏光に対する一つの偏光の遅延を導入する。位相差Δφを、Δφ=2πΔn/λのように計算することができ、ここで(Δn)は、構造によって提供される屈折率変化(Δn=n−n)(複屈折)であり、(t)は、構造の厚さである。遅延特性は、距離として表現される位相差Δφである。例えば、π/2の位相差Δφは、550nmでは〜138nmの遅延特性に等しい、四分の一波長λ/4の遅延特性を提供する。しかしながら、異方性の形態の複屈折を、ワイヤーグリッド偏光子及び偏光ビームスプリッターに存在するために、予期することができる一方で、ワイヤーグリッド偏光子の制御された回転の適用は、それらを、少量のXY遅延特性を導入すると共によってコントラストを調整する意図をもつ変調光学システム200で使用すると、先行技術によって明らかでもなく予期もされない。さらに、変調光学システム200及び補償器260の構築を単純化するための機構としてのワイヤーグリッド偏光子の回転の相互作用もまた先行技術によって予期されない。
【0062】
コントラスト又は光の効率を高めるために、ワイヤーグリッド偏光子230、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240、及びワイヤーグリッド偏光検光子270を、全て、ある程度、回転させることができるが、それは、最も有益であるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の回転である。ワイヤーグリッド構造の小さいXY遅延特性は、システムの光軸275に沿って来る光に対してそれのワイヤーに多かれ少なかれ平行又は垂直である。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを、その名目上の位置(β=0°)からいくらかの制御された角度の量(β)だけ回転させるとき、それのXY遅延特性を、LCDのXY遅延特性に対してより垂直であると共に結果としてLCDをより良好に補償するために、配向させることができる。ワイヤーグリッド偏光検光子270のみの回転(ワイヤーグリッド前偏光子230及びワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240は、両方とも静止している(回転しない))は、以下で議論する観察されたコントラストの強調の最大の部分(いくつかの場合には>95%)を提供する。
【0063】
図4を再度参照して、測定されたコントラストの三つのさらなる例は、空間光変調器210がVA−LCD(具体的にはデバイス“A”)であったと共にコントラストを調節するためにワイヤーグリッド偏光子の回転を使用した、変調光学システム200に対して与えられる。第一の例において、補償器260が、180nmの遅延特性(Z)をもつC−プレート及び12nmの遅延特性(XY)をもつA−プレートの模範的な実装であったと共にワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びワイヤーグリッド偏光検光子270が両方とも角度的に微調整された場合において、コントラストを測定した。その結果、組み合わせ、XYZ補償器及びワイヤー回転のコントラスト460は、F/2.3での〜1600:1の測定されたコントラストは、この補償器のみによって提供されたXYZで補償されたシステムのコントラスト450と基本的に等価であることを示す。しかしながら、ワイヤーの回転は、より高いF数で小さいコントラストの強調を与える。この測定された組み合わせ、XYZ補償器及びワイヤー回転のコントラスト460は、もちろん、補償されてないシステムのコントラスト300よりも大いに高い。この結果を得るために、ワイヤーグリッド偏光検光子270を、同じ方向にα〜1−3°だけ回転させた一方で、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を、β〜0.5−2°だけ回転させた。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びワイヤーグリッド偏光検光子270の両方を、記載した量(それぞれβ及びα)回転させた一方で、これらのデバイスを、まだ、図3に対して実質的に“垂直に”(“頁の中へ”)配向したそれらのサブ波長ワイヤーと共に配向させる。このデータは、基本的に、システムのコントラストをさらに高めるためにワイヤーグリッド偏光子を角度的に微調整する一方で、変調光学システム200をLCD210及び補償器260と共に構築することができることを提案する。
【0064】
図4に描いた第二のさらなる例として、補償器260が220nmの遅延特性(Z)をもつC−プレートのみを含んだと共にワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びワイヤーグリッド偏光検光子270を両方とも角度的に回転させた場合において、コントラストを測定した。組み合わせ、Z補償器及びワイヤー回転のコントラスト465として識別される、その結果は、この組み合わせに対してF/2.3で〜1100:1の測定されたコントラストが、測定された補償されてないシステムのコントラスト300及びZのみを補償したコントラスト455の両方よりも良好であるが、XYZが補償されたシステムのコントラスト450か又は組み合わせ、XYZ補償器及びワイヤー回転のコントラスト460か何れかよりも小さいことを示す。この結果を得るために、ワイヤーグリッド偏光子270を、同じ方向にα〜6−7°だけ回転させた一方で、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を、β〜3−5°だけ回転させた。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の回転は、コントラストを最大にするためにLCD(デバイス“A”)によって必要とされた〜12nmのXY遅延特性より小さかった、評価された〜6−8nmのXY遅延特性を導入した。この場合に、選択的な回転と共にワイヤーグリッド偏光子を使用する、変調光学システム200、LCD210、及び補償器260は、補償されてないコントラストよりも大きいが最適化された補償器でのコントラストよりも小さい、F/2.3で高められたコントラストを提供する。これは、関連付けられた偏光補償器の設計及び構造を単純化する(模範的な補償器は、Z−のみであった)一方で、ワイヤーグリッド偏光子の平面内の回転を、コントラストを押し上げるために、潜在的に使用することができることを意味する。
【0065】
図4に描いた第三のさらなる例として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及び検光子を両方とも角度的に回転させた一方で、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240、ワイヤーグリッド偏光検光子270、ワイヤーグリッド前偏光子230、及びLCD210(デバイス“A”)を含んだが、補償器260無しで試験された、変調光学システム200に対してコントラストを測定した。回転のみのコントラスト470として識別された、その結果は、測定された補償されてないシステム300より良好であると共にZのみ補償されたコントラスト455と同等である、F/2.3での〜700:1のコントラストを示す。より具体的には、F/2.3で、この例(デバイス“A”としてのLCD210)に対する回転のコントラストは、システムのコントラストに関する〜1,000:1の目標の仕様以下、並びに測定されたXYZが補償されたシステムのコントラスト450及び組み合わせ、XYZ補償器及びワイヤー回転のコントラスト460以下である。このように、デバイス“A”を示すための類似のLCD210に対して、ワイヤーグリッドデバイスの平面内の回転は、デバイスにおける残余の遅延特性を補償するために十分な遅延特性を提供せず、さらなる偏光補償器を必要としない。
【0066】
より具体的に、図4は、〜F/4又はそれ以下で動作すると共にXY及びZの遅延特性をよく調和させたLCD210及び補償器260の組み合わせを用いる変調光学システム200に対するコントラストが、他の手段によって提供されたコントラストよりも高いことを示す。具体的には、この例(VA−LCDデバイス“A”)に関して、XYZが補償されたシステムのコントラスト450及び組み合わせ、XYZ補償器及びワイヤー回転のコントラスト460の両方は、〜4.0又はそれ以下のF数でのワイヤーの回転のみのコントラスト470よりも両方とも著しく高い。また、実験は、交差領域であるための〜F/4乃至〜F/6の領域を示してきたが、ここで使用する特定のLCD及び特定の補償器に依存して、最も高いコントラストを、偏光補償器で、若しくはワイヤーグリッド偏光子の平面内の回転によって、又は二つの組み合わせによって、達成してもよい。交差のF/4乃至F/6の領域において、与えられたLCDによく調和する偏光補償器の使用は、一般的に最も高いコントラストを提供することになる。しかしながら、この交差のF/4乃至F/6の領域において、ワイヤーグリッド偏光子の回転によって提供されたコントラストは、生産ラインから利用可能なLCDの有意な選択に対して、偏光補償器を使用することなく、ディジタル映画の投影のような要求の厳しい用途に対するコントラストの要求を満足するのに十分に高い(>1,000:1)場合もある。F/6以上で、偏光補償器を使用するとき、ワイヤーグリッド偏光子(470)の回転に提供されたコントラストは、一般的に、得られたコントラストに調和するか又は超える。その場合には、補償器260を省略することができる共に優れたコントラストをまだ得ることができると、変調光学システム200を単純化することができる。
【0067】
図4で提供されたコントラストのプロット対F数は、具体的には、デバイス“A”として識別されたVA−LCDを伴った試験から全て得られた。変調光学システム200内で試験されたデバイス“B”及びデバイス“C”として識別された先に記載したVA−LCDを使用して、測定の等価な範囲をそろえた。これらのデバイスは、著しく異なる本質的な内部の残余のXY及びZの遅延特性を含む、デバイス“A”とはむしろ異なる挙動を示したが、デバイス“A”と共に得られた図4に示す結果は、一般的に、これらのデバイスに同様に当てはまった。特に、VA−LCDデバイス“A”及び“C”は、デバイス“C”が試験の条件の各々に対してデバイス“A”を下回った(より低いコントラスト)が、両方のデバイスが、偏光の補償無しに試験したとき、ベースボールパターンタイプのiso−コントラストを提供するように、残余のXYZ遅延特性を有する。しかしながら、図4に示すデバイス“A”と同様に、デバイス“C”は、中間の値(それぞれ、800:1及び600:1)における組み合わせ、Z補償器及びワイヤー回転のコントラスト465並びにワイヤー回転のみのコントラスト470、並びに最も低いコントラスト(〜500:1)を提供するZのみが補償されたコントラスト455及び補償されてないシステムのコントラスト300と共に、XYZが補償されたシステムのコントラスト450及び組み合わせ、XYZ補償器及びワイヤー回転のコントラスト460(〜1100:1及びより高い)の試験の場合に対してF/4以下で最も高いコントラストを提供した。同様に、F/4乃至F/6の領域は、また、デバイス“C”に対する交差領域であったが、ここで最も高いコントラストが、偏光補償器を使用することによって得られたが、しかしワイヤーグリッドの回転の手段による補償は、実際の偏光補償器を使用したいくつかの補償器の組み合わせを超えた、高いコントラストのみを提供した。最後に、F/6以上で、デバイス“C”を伴った試験の結果は、ワイヤーグリッド偏光子(470)の回転によって提供されたコントラストが、一般的に、偏光補償器を使用するとき、得られたコントラストに調和したか又は該コントラストを超えたように、デバイス“A”のものと同様であった。
【0068】
iso−コントラストでの観察された様子のような本質的な鉄十字の挙動を所有するデバイスである、VA−LCDのデバイス“B”に対する結果は、デバイス“A”及び“C”に対して著しく異なる挙動を示したと共にさらに一般的な結論は同様であった。特に、このデバイスと共に、最も高いコントラストは、両方に対するコントラストは、かなり高かった(F/2.3で1500:1以上及び残るF/3乃至F/10の範囲にわたって>2,000:1)が、XYZ補償器(180nmのZ及び12nmのXY補償器)と共にというよりもむしろZのみの補償器(220nmのZ補償器)を使用して得られた。偏光補償器又はワイヤーグリッド偏光子の回転の何れかからの支援無しで“本来の”状態におけるデバイス“B”を使用するとき、提供されたコントラストは、Zのみの補償器又はXYZ補償器を伴った先の場合よりも低かった。特に、本来の状態のコントラストにおけるF/2.3は、ディジタル映画に対する>1000:1の目標を欠いた。しかしながら、この同じデバイス“B”に対する本来のコントラストは、F/4乃至F/10の範囲にわたって>1500:1を超えた。確かに、ワイヤーグリッド偏光子の回転の手段による偏光の補償は、単純なZのみの補償器を使用するか又はデバイス“本来の”(〜F/4以上)を動作させるものと比較したとき、ベースボールパターンのiso−コントラストのデバイスに対するよりも鉄十字のiso−コントラストのデバイスに対して縮小した利点を提供した。しかしながら、VA−LCDデバイス“B”の特定の場合において、純粋な鉄十字の挙動は、このデバイスをバイアス電圧無しでさえそれのオフ状態で試験したときのみ、利用可能であった。バイアス電圧を印加してすぐに、鉄十字パターンは、デバイス“A”又は“C”の何れかと共に観察されたよりも暗いと共に高いコントラストのものにもかかわらず、ベースボールパターンにシフトした。動作において、デバイス“B”は、ワイヤーグリッド偏光子を回転させることによって補償することができる、少量の残余のXY遅延特性(〜2〜3nm)を所有する。
【0069】
一般的に、様々なVA−LCDを伴った実験は、変調光学システム200内のワイヤーグリッド偏光子の平面内での回転が、偏光の補償に対して使用することができ、それによってコントラストを押し上げる、調節可能な量のXY遅延特性に寄与することを示した。ワイヤーグリッド偏光子の制御された回転は、一般的に、試験したF/2.3乃至F/10の全領域にわたって測定されたコントラストを増加させ、おそらく偏光補償器を使用する必要性を除去する。これは、特に、F/6及びより高い明るさで動作する光学システムに対して真実である。1000:1及びより高い変調のコントラストを要求すると共にF/4以下の明るさで動作する、要求の厳しい用途に対して、最良の結果は、同伴するLCDによく調和するXY及びZ遅延特性を提供する偏光補償器を使用することによって達成される。しかしながら、この領域においてさえこのような場合には、コントラストをさらに調整するか又は最大にするために、ワイヤーグリッド偏光子の制御された回転を使用することができる。F/4乃至F/6の領域は、ワイヤーグリッド偏光子の回転が顕著なコントラストの強調を提供すると共にそれ自体によって十分である場合もあるが、偏光補償器の使用がそれ自体によってか又はワイヤーグリッドの回転と組み合わせて一般的に顕著なさらなるコントラストの強調を提供する、混合した結果を提供した。
【0070】
先に注意したように、ワイヤーグリッド偏光子の回転によって提供されたコントラストの強調は、主として、変調光学システム200(図5a参照)内における少量(β)だけのワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の平面内の回転によって得られる。ワイヤーグリッドビームスプリッターの回転は、その手段によって異方性の構造のXY遅延特性を実際に利用すると、最大の利益を提供する。回転の量が、一般的に小さい(β〜3−5°)と、偏光検光子を通じて失われる効率は、一般的には小さい。名目上はワイヤーグリッド偏光子でもある、偏光検光子を、コントラスト及びシステムの効率をさらに押し上げるために、図5aに示すように、角度(α)だけ平面内で回転させることができる。ほとんどの実験では、ワイヤーグリッド偏光検光子270を、コントラスト及び効率を調整する過程において相対的に小さい角度(α〜6−7°)だけ回転させた。ワイヤーグリッド偏光検光子270を、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240と同じ方向に回転させた。二つを同じ量(α=β)だけ回転させることができたが、一般的に、検光子の回転が大きかった(α>β)とき、最良の結果が得られた。しかしながら、ワイヤーグリッド偏光検光子270の回転によって提供された利得は、ある場合には検光子を静止した状態にしておく(回転してない)ことが知覚できる場合もあるほど十分に小さかった。上の実験で、ワイヤーグリッド偏光検光子をより大きな角度(α>8°)だけ回転させたとき、測定されたコントラスト及び光の効率の両方は、一般的に、減少し始めた。いくつかの試験の場合において、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240を、コントラストを最適化する一方で、より非常に大きい角度(β〜15°又はそれ以上)だけ回転させた。このような場合において、(ワイヤーグリッド)偏光検光子を角度(α)だけ回転させることは、より大きい利益を提供することができる。
【0071】
同様に、前偏光子もまた、コントラストを押し上げるために、回転させることができる。図5aは、ワイヤーグリッド前偏光子230を角度(δ)だけ平面内でどのように回転させることができるかを図説する。例として、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びワイヤーグリッド偏光検光子270を先に記載した名目上の最適な角度、それぞれβ〜4°及びα〜6°に維持した一方で、ワイヤーグリッド前偏光子を回転させた。ワイヤーグリッド前偏光子をδ〜4−8°だけ回転させたとき、コントラストは、小さいが有意な量(〜1100から〜1140まで)だけ増加したと共に、Zのみの補償器(図4のZのみを補償したコントラスト455)を使用する一方で、デバイス“A”と共にF/2.3で試験したとき、効率は、無視できる程度だけ(<1%)増加した。しかしながら、ワイヤーグリッド前偏光子230を、より大きい量(δ>8°)だけ回転させたとき、コントラストは、ゆっくりと増加し続けたが、変調光学システム200を通じた光の効率は、劇的に減少した。これらの偏光子の回転を、各々のそれぞれの偏光子(図5a参照)に関して平面内にあるように名目上記載するが、これらの偏光子のいずれもビームに対して傾斜角度を有することができるであろう(例えば、前偏光子及び検光子に対する非垂直入射)し、デバイスを、まだ平面内で回転させるであろうことに注意するべきである。例えば、偏光検光子の小さい傾斜を、後方反射及びゴースト像を制御するために、導入するかもしれない。
【0072】
確かに、交差した偏光子及び光学的な光変調器を使用する偏光光学システムにおいて、その一つの偏光子を、コントラスト又は光の処理量の効率を最適化するために、別のものに対して回転させてもよいことは、光学部品の分野では周知である。しかしながら、この発明では、偏光の補償の手段として異方性のサブ波長の形態の複屈折の構造によって提供された固有のXY遅延特性を利用するために、空間光変調器(LCD)又は偏光子それら自体に対して、偏光子を回転させる。この様式で偏光の補償を導入することによって、実際の偏光補償器260の設計及び製造を単純化することができるか、又はいくつかの場合には、代用して、このように両方が、変調コントラストを改善する一方で、全変調光学システムを単純化する。
【0073】
明らかに、偏光ビームスプリッターの回転によって導入される有益なXY遅延特性に対して、ビームスプリッターは、それの構造内でこの遅延特性を有さなければならない。ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、それの異方性のサブ波長のワイヤーグリッド構造と共に、少量のXY遅延特性を提供することができる。XY遅延特性又は異方性の形態の複屈折が設計パラメータとして制御されると共に最適化されるワイヤーグリッド偏光子又は偏光ビームスプリッターを開発すると共に作製することが可能である場合もある。その場合には、LCD、偏光補償器260、及び回転したワイヤーグリッド偏光子の調和をさらに最適化することができるかもしれないので、このようなワイヤーグリッドデバイスを利用した変調光学システム200の設計及び性能が、さらに改善されるか又は単純化されるであろうことが予想されるであろう。空間的に異方性の形態の二色性、形態の複屈折、又はサブ波長の構造に頼る他の偏光子は、回転を伴った有用なXY遅延特性を示す場合もあることもまた想像できる。例えば、延伸した色素/重合体を使用するPolaroid及びOptiva(米国特許第2,237,567号及び第6,049,428号参照)によって開発されたような、色素シート偏光子、並びにパターンが整列された銀の微粒子を使用するCorning Inc.からの“Polarcor”偏光子(米国特許第5,430,573号)は、両方とも、いくらかのXY遅延特性を示す場合もある。しかしながら、両方の場合において、任意のXY遅延特性は、おそらく、ワイヤーグリッド偏光子を伴ったより小さくさえある。さらに、これらの代替の偏光子は、一般に、可視のスペクトル領域において、特に光の効率に対して、ワイヤーグリッド偏光子を下回る。代わりに、ワイヤーグリッド偏光子におけるように、金属構造を使用することなく異方性の形態の複屈折のサブ波長の構造を備えた偏光子を構築することは可能である。例えば、R.Tyan等(JOSA A,Vol.14,no.7,pgs.1627−1636,July 1997)による論文“Design,fabrication,and characterization of form−birefringent multi−layer polarization beam aplitter”は、異方性の多層の誘電体のサブ波長の構造と共に構築された偏光ビームスプリッターを記載する。Tyan等の偏光ビームスプリッターが、一般的に、同等のワイヤーグリッド偏光子を下回るが、それの設計が異方性の形態の複屈折を利用すると、隣接する空間光変調器(LCD)の偏光補償のために使用することができるであろう回転と共にいくらかのXY遅延特性を導入することもまた期待することができる。
【0074】
変調光学システム200で使用される前偏光子又は偏光検光子の何れかが、ワイヤーグリッド偏光子デバイスであることは要求されない。これらの偏光子が高い可視の光の効率を有し、可視のスペクトル(〜100:1)にわたって相対的に高いコントラストを提供し、薄いシートとして作製されることは確かに有利である。例えば、MacNeilleタイプの偏光ビームスプリッターを回転させることは、除去された光の機構及び配置の両方に対して、問題である場合もある。確かに、ワイヤーグリッド偏光子は、それが、透過した偏光に対する高い効率、高いコントラスト、大きい角度の許容性を有すると、第一候補であり、高い熱の負荷の下で丈夫である。にもかかわらず、他の光学的な偏光子を潜在的に使用することができるであろう。
【0075】
同様に、目標のコントラストがまだ得られるが、他の偏光構成部品を取り除く一方で、LCD210の本質的なXY遅延特性に対する補償としてXY遅延特性を導入するために、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の回転を使用する、変調光学システム200の単純化されたバージョンを構築することもまた可能である場合もある。特に、前偏光子、偏光検光子、又はこれらの構成部品の両方を取り除くことができるかもしれないとすれば、変調光学システム200の光を操縦する効率は、改善されるであろう。先に議論したように、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240は、反射においては適度なコントラストのみだが、透過においてむしろ高いコントラストを提供する。反射したコントラストが劇的に(<50:1から>1,500:1まで)改善されない限り、投影レンズ285へ変調された画像を生ずる光290を反射するために配置される、図3の変調光学システムは、まだ、ディジタル映画の用途に関する目標のコントラストを提供するために、偏光検光子を必要とする。しかしながら、既存の商業的に入手可能なワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターが、〜1,000−1,200:1の赤色及び緑色における透過したコントラストを提供すると、前偏光子無しで構築された変調光学システム200を考慮することは、非現実的ではない。例えば、減少したワイヤーのピッチ(p〜100−120nm)を備えた可視波長のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、利用可能になるべきであり、全可視スペクトルにわたるコントラストは、前偏光子を無関係にする、2,000:1を超える場合もある。
【0076】
変調光学システム200に関する、この発明の概念を、ここでワイヤーグリッド偏光子の回転、特にワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240の回転が、XY遅延特性を導入すると共によって近隣のLCD210に対して本質的なXY遅延特性を部分的に補償するために使用されるが、図1及び3に描かれたシステムに対して具体的に記載してきた。そのシステムにおいて、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240は、LCD210及び補償器260からの光を受けると共に次に投影レンズ285へ変調された画像を生ずる光290を反射するために、配置される。LCD210に対して偏光の補償を提供するためにワイヤーグリッド偏光子の回転を利用するこれらの同じ原理を、投影レンズ285へ変調された画像を生ずる光ビーム290を透過させるためにワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240が配置される、変調光学システム200にもまた適用することができることを理解するべきである。図8に描かれるこのようなシステムは、傾斜した板を通じた撮像光の透過によって導入された収差(コマ及び非点収差)を被る一方で、この構造物は、他の点では、単純化された構築及び設計を提供する。図8の変調光学システム200の場合において、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター270が、透過において高いコントラストを提供すると、偏光検光子270無しでこのシステムを構築することが可能である場合もある。明らかに、この構成部品を取り除くことは、システムを単純化し、光の効率を高める。
【0077】
ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター240及びおそらく他のワイヤーグリッド偏光子を、単独又は偏光補償器との組み合わせの何れかで、回転させることによって変調光学システム200の偏光の性能を最適化するためのこの用途内で開発された偏光の補償の概念を、垂直に整列したLCD以外の空間光変調器を有する変調光学システムで使用することができるであろうことが理解されるはずである。例えば、空間光変調器210は、また、60°のツイストネマチックLCD、マルチドメインの垂直に整列した(MVA)LCD、PLZT変調器、又は、ある他の偏光を回転させる変調器であり得るであろう。
【0078】
さらに、LCDに対する最適な補償する遅延特性は、デバイスからデバイスへだけでなく操作上のパラメータでもまた変動し得ることに注意するべきである。例えば、デバイス“C”が、印加電圧無しに鉄十字パターンのiso−コントラストを、しかしオフ状態のバイアス電圧を印加するとわずかにベースボールパターンのiso−コントラストを示すことを先に注意した。名目上の補償する遅延特性がLCDの動作温度と共に変動することもまた観察されてきた。これは、LCDの温度を制御することだけでなく、目標のLCDの動作温度における補償器、ワイヤーグリッド偏光子の回転、又はそれらの組み合わせに源を発するのであろうとなかろうと、補償を最適化することもまた重要であることを意味し得る。
【0079】
名目上前偏光子、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター、偏光検光子用のワイヤーグリッド偏光子、LCD、及び可能な偏光補償器を含むと共に、コントラストを高めると共に偏光補償器の設計をおそらく単純化するために名目上ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及び偏光検光子の両方を回転させてもよい、この発明として記載した変調光学システム200を、ディジタル映画用の電子投影以外の用途に使用してもよいこともまた理解されるはずである。特に、前述した変調光学システムもまた、紙又はフィルムの何れかに写真画像を印刷するためのような、印刷システムに使用してもよい。その場合に、投影光学部品70は、一般的に小さい倍率(1:1乃至10:1)で動作する印刷光学部品と交換されるであろう。同様に、この概念を、先に記載した(投影又は印刷用の)単一チャネルのカラーの連続的なシステムで使用することができる。
【0080】
本発明を、その一定の好適な実施形態を特に参照して詳細に記載してきたが、変形及び変更が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって上述した及び添付した請求項に記した本発明の範囲内で実施され得ることが理解されると思われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】投影装置における光学構成部品の配置を示す概略図である。
【図2】先行技術のワイヤーグリッド偏光子の透視図である。
【図3】ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを含む変調光学システムを示す断面図である。
【図4】偏光の補償の様々な場合の下で測定したような、ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及びLCDの両方を含む、変調光学システムに関するF/#に対するコントラストの関係を示す一連のプロットである。
【図5a】偏光状態及び局所的なビームの幾何学の両方を図説する、変調光学システム内のワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及びLCDに対する入射光の幾何学を示す。
【図5b】交差した偏光子の偏光状態に対する垂直に入射する光の幾何学を図説する。
【図6a】偏光の補償無しで交差したワイヤーグリッド偏光子に対する方向特性を示す。
【図6b】偏光の補償無しで交差したワイヤーグリッド偏光子に対する方向特性を示す。
【図7a】偏光補償器の可能な軸の配向及び構築を示す。
【図7b】
偏光補償器の可能な軸の配向及び構築を示す。
【図7c】偏光補償器の可能な軸の配向及び構築を示す。
【図7d】偏光補償器の可能な軸の配向及び構築を示す。
【図7e】偏光補償器の可能な軸の配向及び構築を示す。
【図8】ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターを含む代替物の変調光学システムを示す断面図である。
【符号の説明】
10  ディジタル投影装置
15、132  光源
20  照明光学部品
40、200  変調光学システム
45、230  前偏光子
50、240  ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター
55、210  空間光変調器
60  偏光検光子
65、280  再結合プリズム
70  投影光学部品
75  ディスプレイの表面
100  ワイヤーグリッド偏光子
110  ワイヤー
115  溝
120、245  誘電体基板
130、140、150、220、290、350、355、360、370ビーム
225  コンデンサー
250  サブ波長ワイヤー
260  補償器
270  ワイヤーグリッド偏光検光子
275  光軸
285  投影レンズ
300、450、455、460、465、470  コントラスト
320  鉄十字パターン
325  ベースボールパターン
365  漏出光
400  多層の補償器
410a、410b、410c  複屈折層
420  基板

Claims (8)

  1. ディスプレイ装置であって、
    (a)光のビームを形成する光源、
    (b)前記光のビームを偏光させて光の偏光したビームを提供する前偏光子、
    (c)前記光の偏光したビームを受け、第一の偏光を有する前記光の偏光したビームを透過させ、第二の偏光を有する前記光の偏光したビームを反射させるワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター、
    (d)変調されたビームを形成するために、前記第一の偏光を有する前記光の偏光したビームを選択的に変調して画像データをコード化し、前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターへ前記変調されたビームを後方に反射する反射性の空間光変調器、並びに
    (e)前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッター及び前記反射性の空間光変調器の間に位置し、前記変調されたビームの傾斜した及びスキュー光線を状態調節する補償器、を含み、
    (f)前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、前記補償された変調されたビームを反射し、
    前記ワイヤーグリッド偏光ビームスプリッターは、平面で回転させられて前記補償された変調されたビームを補償するさらなる手段として遅延特性を導入し、前記ディスプレイ装置は、
    (g)前記補償された変調されたビームから反対の偏光状態の残余の光を取り除く偏光検光子、及び
    (h)前記補償された変調されたビームから画像を形成する画像形成光学部品、を含む、ディスプレイ装置。
  2. 前記補償器は、C−プレートフィルム、若しくはA−プレートフィルム、若しくは二軸性フィルム、又はそれらの組み合わせを含む、一つ又はそれ以上の複屈折層を含む請求項1記載の装置。
  3. 前記偏光検光子は、回転させられて前記コントラスト若しくは光の効率又はそれら両方を最適化する請求項1記載の装置。
  4. 前記前偏光子は、回転させられて前記コントラスト若しくは光の効率又はそれら両方を最適化する請求項3記載の装置。
  5. 前記補償器は、回転させられて前記コントラスト若しくは光の効率又はそれら両方を最適化する請求項4記載の装置。
  6. 前記補償器は、回転させられて前記コントラスト若しくは光の効率又はそれら両方を最適化する請求項3記載の装置。
  7. 前記偏光検光子は、平行なサブ波長のワイヤーのサブ構造を含むワイヤーグリッド偏光子である請求項1記載の装置。
  8. 前記偏光検光子は、平面で回転させられて前記コントラスト若しくは光の効率又はそれら両方を最適化する請求項7記載の装置。
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