JP2004044418A - 車両電装品用の通電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両電装品用の通電制御装置は、浸水を検出するための浸水センサS1と、浸水センサS1によって浸水が検出されると車両エンジンスタータへのスタータ通電経路を遮断する遮断回路K1とを備える。スタータ通電経路には、給電を制御するための電源ECUからのスタータ制御信号に応じて作動し車両エンジンスタータと電源とを接続/遮断するスタータリレー24が設けられ、遮断回路K1は、浸水センサS1によって浸水が検出されると電源ECUからのスタータ制御信号に関わらず、車両エンジンスタータと電源とを遮断する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両電装品用の通電制御装置に係り、詳しくは、車両電気系の浸水時における車両電装品の信頼性を向上するための通電制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、車両に搭載される電装品には、リレーや電源ECU等の各種電気部品の作動に基づいて電力供給が行われるものがある。即ち、こうした電装品は、各種電気部品によって駆動制御されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電気部品を用いて車両エンジンスタータへの電力供給を行うようにした場合、例えば、車両内に水が浸入すると、電気部品が作動し、車両エンジンスタータが作動し、車両エンジンスタータが駆動時に大電流を消費するため、バッテリから他の電装品に対して供給される電力が低下してしまう虞がある。よって、他の電装品(例えば、パワーウインド用アクチュエータ等)が充分に機能しなくなる虞がある。
【0004】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、浸水に起因する車両電装品の信頼性を向上することができる車両電装品用の通電制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、浸水を検出するための浸水センサと、前記浸水センサによって浸水が検出されると車両エンジンスタータへのスタータ通電経路を遮断する遮断回路とを備えた車両電装品用の通電制御装置を要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両電装品用の通電制御装置において、前記スタータ通電経路には、給電を制御するための電源ECUからのスタータ制御信号に応じて作動し前記車両エンジンスタータと電源とを接続/遮断するスタータリレーが設けられ、前記遮断回路は、前記浸水センサによって浸水が検出されると前記電源ECUからの前記スタータ制御信号に関わらず、前記車両エンジンスタータと前記電源とを遮断することを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両電装品用の通電制御装置において、前記浸水センサによって浸水が検出されると浸水時に必要な必要電装品への給電を確保する給電確保回路を備えたことを要旨とする。
【0008】
以下、本発明の「作用」について説明する。
請求項1に記載の発明によれば、浸水センサにて浸水が検出されると、遮断回路にて車両エンジンスタータへのスタータ通電経路が遮断される。よって、例えば、車両内に水が浸入しても、車両エンジンスタータが駆動してしまうことが防止され、該車両エンジンスタータの駆動による電力消費が防止される。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、例えば、電源ECUを必要とするワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム等を備えた車両において、該電源ECUが例えば浸水することなどにより動作しても、該電源ECUからのスタータ制御信号に関わらず、スタータリレーが遮断状態とされる。よって、車両エンジンスタータが駆動してしまうことが防止される。
【0010】
請求項3に記載の発明によれば、浸水センサにて浸水が検出されると、例えば、浸水時に必要な必要電装品への給電が行われていない状態においても、給電確保回路にて該必要電装品への給電が確保される。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムを備えた車両に搭載される車両電装品用の通電制御装置に具体化した一実施形態を図1及び図2に基づき詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、エンジン始動・停止制御システム1は、携帯機11と、車両2に配設された車両制御装置12とを備えている。尚、本実施の形態では、車両制御装置12の一部が通電制御装置を構成している。
【0013】
携帯機11は、所有者(運転者)によって所持され、車両制御装置12と相互通信可能となっている。詳しくは、携帯機11は、車両制御装置12から出力されたリクエスト信号を受信すると、所定のIDコードを含むIDコード信号を自動的に送信する。このIDコード信号は、所定周波数(例えば300MHz)の電波として送信される。
【0014】
車両制御装置12は、送受信部13、照合制御部14、電源ECU15、ロック制御部16、エンジン制御部17、メータ制御部18及び押しボタンスイッチによって構成された始動・停止スイッチ19等を備えている。送受信部13は照合制御部14に電気的に接続され、照合制御部14は電源ECU15、ロック制御部16及びエンジン制御部17に電気的に接続されている。電源ECU15には、ロック制御部16、エンジン制御部17、メータ制御部18及び始動・停止スイッチ19が電気的に接続されている。また、照合制御部14、ロック制御部16、エンジン制御部17及びメータ制御部18は、図示しない通信ラインによって電気的に接続されている。
【0015】
送受信部13は、照合制御部14から出力されたリクエスト信号を所定周波数の電波(例えば134kHz)に変調し、その電波を車両室内に出力する。また、送受信部13は、携帯機11から送信されたIDコード信号を受信すると、そのIDコード信号をパルス信号に復調して照合制御部14に対して出力する。
【0016】
照合制御部14は、送受信部13に対してリクエスト信号を間欠的に出力する。また、照合制御部14は、送受信部13からIDコード信号が入力されると、IDコード信号に含まれるIDコードと、自身に予め設定されたIDコードとの比較(IDコード照合)を行う。その結果、それらIDコード同士が一致したときには、照合制御部14はロック制御部16に対してロック解除要求信号を出力する。そして、照合制御部14は、ロック制御部16からロック解除完了信号が入力されると、電源ECU15及びエンジン制御部17に対して始動許可信号を出力する。これに対し、照合制御部14は、各IDコード同士が一致しないときには、電源ECU15及びエンジン制御部17に対して始動禁止信号を出力する。また、照合制御部14は、エンジンが駆動中であることを示すエンジン駆動信号が電源ECU15から入力されると、送受信部13に対するリクエスト信号の出力を停止する。なお、本実施形態において、ロック解除要求信号、ロック解除完了信号、始動許可信号、始動禁止信号及びエンジン駆動信号は、所定ビット数の2値信号パターンによって構成されている。このため、照合制御部14と電源ECU15と各制御部16,17との間の通信経路に短絡や断線などの異常が生じた場合には、各部14〜17によってその旨が検知可能となっている。
【0017】
電源ECU15には、それぞれ図示しないFETなどのスイッチング素子を介して、アクセサリリレー(ACCリレー)21、第1イグニッションリレー(IG1リレー)22、及び第2イグニッションリレー(IG2リレー)23におけるコイル部L1〜L3の一端が接続されている。そして、それらコイル部L1〜L3の他端は接地されている。ACCリレー21の出力端子、詳しくは、該リレー21が有する接点CP1の一端は、カーステレオ等の電源端子に接続されている。IG1リレー22の出力端子、詳しくは、該リレー22が有する接点CP2の一端は、メータ制御部18や図示しないパワーウインド用アクチュエータ等の電源端子に接続されている。IG2リレー23の出力端子、詳しくは、該リレー23が有する接点CP3の一端は、エンジン制御部17等の電源端子に接続されている。又、各リレー21〜23における接点CP1〜CP3の他端はバッテリ(+B)に接続されている。そして、各リレー21〜23は、電源ECU15から制御信号(本実施形態ではLレベルの制御信号)が出力されたときに図示しないスイッチング素子が接続状態とされ、作動する(前記出力端子がバッテリに接続される)ようになっている。尚、本実施の形態では、IG1リレー22の出力端子に接続されるパワーウインド用アクチュエータが浸水時に必要となる必要電装品を構成している。又、本実施の形態では、ACCリレー21及びIG2リレー23の出力端子に接続される電装品、即ちカーステレオやエンジン制御部17等が浸水時に不要となる不要電装品を構成している。又、本実施の形態では、IG1リレー22が必要電装品リレーを構成し、ACCリレー21及びIG2リレー23が不要電装品リレーを構成している。又、本実施の形態では、電源ECU15からIG1リレー22に出力される制御信号が必要電装品制御信号を構成し、電源ECU15からACCリレー21及びIG2リレー23に出力される制御信号が不要電装品制御信号を構成している。
【0018】
又、電源ECU15には、スイッチング素子等を有する遮断回路K1(図2参照)を介してスタータリレー(STリレー)24におけるコイル部L4の一端が接続されている。そして、コイル部L4の他端は接地されている。STリレー24の出力端子、詳しくは、該リレー24が有する接点CP4の一端は、図示しない車両エンジンスタータ(ST)の電源端子に接続されている。又、STリレー24における接点CP4の他端はバッテリに接続されている。そして、STリレー24は、通常時において、電源ECU15からスタータ制御信号(本実施形態ではLレベルのスタータ制御信号)が出力されたときに遮断回路K1が接続状態とされ、作動する(前記出力端子がバッテリに接続される)ようになっている。尚、本実施の形態では、電源ECU15から車両エンジンスタータ間がスタータ通電経路を構成している。
【0019】
電源ECU15は、照合制御部14から始動許可信号が入力されると、エンジン始動可能状態となる。このエンジン始動可能状態において始動・停止スイッチ19が押されると、電源ECU15は、IG1リレー22、IG2リレー23及びSTリレー24に対してLレベルの制御信号及びスタータ制御信号を出力するとともに、エンジン制御部17に対して始動信号を出力する。このため、IG1リレー22、IG2リレー23及びSTリレー24が作動し、各リレー22〜24の接点CP2〜CP4が接続状態となる。よって、エンジン制御部17やメータ制御部18やパワーウインド用アクチュエータへの給電が行われる。また、車両エンジンスタータが作動する。そして、電源ECU15は、エンジン制御部17から完爆信号が入力されると、STリレー24へのLレベルのスタータ制御信号の出力を停止して(Hレベルとして)同STリレー24を遮断状態にするとともに、ACCリレー21に対して(Lレベルの)制御信号を出力する。このため、ACCリレー21が作動し、ACCリレー21の接点CP1が接続状態となる。よって、車両エンジンスタータが停止するとともに、カーステレオ等への給電が行われる。
【0020】
ロック制御部16には、ステアリングロック機構31や図示しないドアカーテシスイッチ等が接続されている。ロック制御部16は、照合制御部14からロック解除要求信号が入力されると、ステアリングロック機構31に対してロック解除を行うための駆動信号(アンロック駆動信号)を出力する。そして、ロック制御部16は、ステアリングロック機構31からロック解除を完了した旨を示すロック解除完了信号が入力されると、照合制御部14に対してそのロック解除完了信号を出力する。
【0021】
また、ロック制御部16は、電源ECU15からの制御信号やドアカーテシスイッチからの出力信号等に基づき、所定の条件を満たしたときにステアリングロック機構31に対してロックを行うための駆動信号(ロック駆動信号)を出力する。
【0022】
エンジン制御部17は、照合制御部14から始動許可信号が入力されるとともに、電源ECU15から始動信号が入力されると、燃料噴射制御や点火制御などを行う。そして、エンジン制御部17は、イグニッションパルスやオルタネータ出力などに基づいてエンジンの駆動状態を検出し、エンジンが駆動していると判断したときに電源ECU15に対して完爆信号を出力する。
【0023】
メータ制御部18は、インストルメントパネルに設けられたコンビネーションメータ類の動作を制御し、作動時には、車速情報などの車両情報信号を電源ECU15に対して出力する。
【0024】
前記遮断回路K1には浸水センサS1が電気的に接続されている。更に、浸水センサS1は、電源ECU15に電気的に接続されている。詳しくは、遮断回路K1は、図2に示すように、トランジスタ(PチャネルMOS形)Tr1と、トランジスタ(npn形)Tr2とを有している。トランジスタTr1は、そのソースがバッテリ(+B)に接続され、そのドレインが前記STリレー24におけるコイル部L4の一端に接続されている。又、トランジスタTr1は、そのゲートに電源ECU15が接続され、電源ECU15からLレベルのスタータ制御信号が入力されると、オン(接続)状態となる。トランジスタTr2は、そのコレクタがトランジスタTr1のドレインに接続され、そのエミッタが接地されている。又、トランジスタTr2は、そのベースに浸水センサS1の出力端子が接続され、浸水センサS1からHレベルの浸水検知信号が入力されると、オン(接続)状態となる。
【0025】
浸水センサS1は、リーク検出回路S1aと第1及び第2抵抗R1,R2を有する。リーク検出回路S1aは、若干離間して設けられた2つの端子を有し、その一方がバッテリ(+B)に接続され、その他方が第1及び第2抵抗R1,R2を介して接地されている。そして、浸水センサS1は、第1抵抗R1と第2抵抗R2との間が出力端子とされている。これにより、浸水センサS1は、浸水(水没)したとき(リーク検出回路S1aの端子間でリークが発生したとき)、その出力端子からHレベルの浸水検知信号を前記遮断回路K1及び電源ECU15に出力する。
【0026】
前記電源ECU15は、浸水センサS1からHレベルの浸水検知信号が入力されると、優先して(始動・停止スイッチ19が押された状態等に関わらず)、IG1リレー22にLレベルの制御信号を出力するとともに、ACCリレー21及びIG2リレー23にHレベルの制御信号を出力する。
【0027】
上記のように構成されたワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム及び通電制御装置は、以下のように動作する。
まず、携帯機11が車両室内に侵入すると、照合制御部14は携帯機11と相互通信を行い、IDコード照合を行う。そして、IDコード同士が一致すると、ステアリングロック機構31がアンロック状態(ステアリングのロックが解除された状態)とされる。
【0028】
そして、ステアリングロック機構31がアンロック状態となると、車両2(電源ECU15及びエンジン制御部17)はエンジンを始動可能な状態となる。このエンジン始動可能状態において始動・停止スイッチ19が押されると、エンジン制御部17やメータ制御部18やパワーウインド用アクチュエータ等に給電が行われるとともに、車両エンジンスタータが作動する。そして、エンジンが始動(駆動)されると、車両エンジンスタータへの給電は遮断され、カーステレオ等への給電が行われる(車両走行可能状態)。
【0029】
その後、エンジン駆動中(前記車両走行可能状態中)に始動・停止スイッチ19が押されると、エンジン制御部17への給電は遮断(停止)され、燃料噴射制御や点火制御などが停止される。よって、エンジンが停止する。尚、電源ECU15は、エンジン駆動中に始動・停止スイッチ19が押されると、メータ制御部18から出力される車速信号に基づき、車速が「0」であるか否かを判断し、その車速が「0」であると判断したことなどを条件としてエンジン制御部17に対して停止信号を出力する。
【0030】
ここで、例えば、前記車両走行可能状態において、何らかの理由で車両2内に水が浸入し、浸水センサS1にて浸水が検出されると、該浸水センサS1の出力端子からHレベルの浸水検知信号が遮断回路K1及び電源ECU15に出力される。
【0031】
すると、遮断回路K1のトランジスタTr2がオン(接続)状態とされることで、トランジスタTr1に入力されるスタータ制御信号に関わらず、STリレー24のコイル部L4に電流が流れなくなり、該STリレー24が遮断状態とされる。
【0032】
又、電源ECU15からは、IG1リレー22にLレベルの制御信号が出力されるとともに、ACCリレー21及びIG2リレー23にHレベルの制御信号が出力される。よって、メータ制御部18やパワーウインド用アクチュエータへの給電が行われる(維持される)とともに、エンジン制御部17やカーステレオ等への給電は遮断(停止)される。
【0033】
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)例えば、車両内に水が浸入し、電源ECU15が動作しても(例えば車両走行可能状態においてLレベルのスタータ制御信号が出力されても)、該電源ECU15からのスタータ制御信号に関わらず、STリレー24が遮断状態とされる。よって、車両エンジンスタータが駆動してしまうことが防止される。これにより、車両エンジンスタータの駆動による電力消費が防止される。その結果、他の電装品、例えばパワーウインド用アクチュエータ等の正常な(充分な)作動を確保することができる。
【0034】
(2)例えば、車両内に水が浸入すると、始動・停止スイッチ19が押された状態等に関わらず(例えば浸水時に必要なパワーウインド用アクチュエータへの給電が行われていない状態においても)、電源ECU15にてIG1リレー22が接続状態とされる。よって、パワーウインド用アクチュエータへの給電が行われ、浸水時に必要なパワーウインド用アクチュエータが駆動可能となる。又、電源ECU15にて制御することと、遮断回路K1と電源ECU15とに接続される浸水センサS1を共用したことにより、コストが増大しない。
【0035】
(3)例えば、車両内に水が浸入すると、始動・停止スイッチ19が押された状態等に関わらず(例えば浸水時に不要なエンジン制御部17やカーステレオへの給電が行われている状態においても)、電源ECU15にてACCリレー21及びIG2リレー23が遮断状態とされる。よって、エンジン制御部17やカーステレオ等への給電が遮断(停止)され、浸水時に不要なエンジン制御部17やカーステレオ等による電力消費が防止される。又、電源ECU15にて制御することと、遮断回路K1と電源ECU15とに接続される浸水センサS1を共用したことにより、コストが増大しない。
【0036】
上記実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、車両内に水が浸入すると、電源ECU15がIG1リレー22(詳しくは図示しないスイッチング素子)にLレベルの制御信号を出力することで、パワーウインド用アクチュエータへの給電が行われるとしたが、他の構成でパワーウインド用アクチュエータへの給電を行うようにしてもよい。
【0037】
例えば、図3に示すように、電源ECU15とIG1リレー22間に設けられるスイッチング素子を給電確保回路L1に変更してもよい。詳しくは、電源ECU15には、給電確保回路L1を介してIG1リレー22におけるコイル部L2の一端が接続されている。
【0038】
給電確保回路L1は、トランジスタ(PチャネルMOS形)Tr3と、トランジスタ(npn形)Tr4とを有している。トランジスタTr3は、そのソースがバッテリ(+B)に接続され、そのドレインがIG1リレー22におけるコイル部L2の一端に接続されている。又、トランジスタTr3は、そのゲートに電源ECU15が接続され、電源ECU15からLレベルの制御信号が入力されると、オン(接続)状態となる。トランジスタTr4は、そのコレクタがトランジスタTr3のゲートに接続され、そのエミッタが接地されている。又、トランジスタTr4は、そのベースに浸水センサS1の出力端子が接続され、浸水センサS1からHレベルの浸水検知信号が入力されると、オン(接続)状態となる。
【0039】
このようにした場合、浸水センサS1にて浸水が検出されると、浸水センサS1の出力端子からHレベルの浸水検知信号が(前記遮断回路K1及び電源ECU15に加えて)給電確保回路L1に出力される。すると、給電確保回路L1のトランジスタTr4がオン(接続)状態とされることで、電源ECU15からの制御信号(必要電装品制御信号)に関わらず、トランジスタTr3に入力される制御信号がLレベルとされ、該トランジスタTr3がオン(接続)状態とされ、IG1リレー22が接続状態とされる。よって、電源ECU15が動作しても(例えば車両走行可能状態においてHレベルの前記制御信号が出力されても)、浸水時に必要なパワーウインド用アクチュエータへの給電が確保される。
【0040】
・上記実施の形態の遮断回路K1は、浸水センサS1によって浸水が検出されると車両エンジンスタータへのスタータ通電経路を遮断するものであれば、他のものに変更してもよい。
【0041】
例えば、遮断回路K1を、図4に示す遮断回路K2に変更してもよい。遮断回路K2は、トランジスタ(PチャネルMOS形)Tr5と、トランジスタ(npn形)Tr6とを有している。トランジスタTr5は、そのソースがバッテリ(+B)に接続され、そのドレインが前記STリレー24におけるコイル部L4の一端に接続されている。又、トランジスタTr5は、そのゲートに電源ECU15が接続され、電源ECU15からLレベルのスタータ制御信号が入力されると、オン(接続)状態となる。トランジスタTr6は、そのコレクタがSTリレー24における接点CP4の一端に接続され、そのエミッタが接地されている。又、トランジスタTr6は、そのベースに浸水センサS1の出力端子が接続され、浸水センサS1からHレベルの浸水検知信号が入力されると、オン(接続)状態となる。
【0042】
このようにした場合、浸水センサS1にて浸水が検出されると、浸水センサS1の出力端子からHレベルの浸水検知信号が遮断回路K2(及び電源ECU15)に出力される。すると、遮断回路K2のトランジスタTr6がオン(接続)状態とされることで、STリレー24の接続/遮断状態に関わらず(接続状態となっても)、車両エンジンスタータへの給電が遮断される。よって、車両エンジンスタータが駆動してしまうことが防止される。
【0043】
又、例えば、遮断回路K1を、図5に示す遮断回路K3に変更してもよい。遮断回路K3は、トランジスタ(PチャネルMOS形)Tr7と、トランジスタ(NチャネルMOS形)Tr8と、トランジスタ(npn形)Tr9とを有している。トランジスタTr7は、そのソースがバッテリ(+B)に接続され、そのドレインが前記STリレー24におけるコイル部L4の一端に接続されている。又、トランジスタTr7は、そのゲートに電源ECU15が接続され、電源ECU15からLレベルのスタータ制御信号が入力されると、オン(接続)状態となる。トランジスタTr8は、そのソースが接地され、そのドレインが前記STリレー24におけるコイル部L4の他端に接続されている。又、トランジスタTr8は、そのゲートがバッテリ(+B)に接続され、通常時、オン(接続)状態となっている。トランジスタTr9は、そのコレクタがトランジスタTr8のゲートに接続され、そのエミッタが接地されている。又、トランジスタTr9は、そのベースに浸水センサS1の出力端子が接続され、浸水センサS1からHレベルの浸水検知信号が入力されると、オン(接続)状態となる。
【0044】
このようにした場合、浸水センサS1にて浸水が検出されると、浸水センサS1の出力端子からHレベルの浸水検知信号が遮断回路K3(及び電源ECU15)に出力される。すると、遮断回路K3のトランジスタTr9がオン(接続)状態とされることで、トランジスタTr8のゲート電圧がLレベルとされ、該トランジスタTr8が遮断状態となる。すると、電源ECU15からのスタータ制御信号に関わらず、STリレー24が遮断状態とされる。よって、車両エンジンスタータが駆動してしまうことが防止される。
【0045】
・上記実施の形態では、遮断回路K1と電源ECU15とに接続される浸水センサS1を共用したが、別々の浸水センサを設けて実施してもよい。
・上記実施の形態の浸水センサS1は、同様の機能を有する他のものに変更してもよい。
【0046】
・上記実施の形態では、IG1リレー22の出力端子に接続されるパワーウインド用アクチュエータが浸水時に必要となる必要電装品を構成するとしたが、浸水時に必要となる他の電装品を必要電装品として置き換えて、若しくは追加して実施してもよい。
【0047】
・上記実施の形態では、ACCリレー21及びIG2リレー23の出力端子に接続される電装品、即ちカーステレオやエンジン制御部17等が浸水時に不要となる不要電装品を構成するとしたが、浸水時に不要となる他の電装品を不要電装品として置き換えて、若しくは追加して実施してもよい。
【0048】
・上記実施の形態では、ワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システムを備えた車両において実施したが、給電を制御するための電源ECUを備える他の車両に具体化してもよい。又、電源ECUを備えていない車両に、浸水センサS1にて浸水が検出されると車両エンジンスタータへのスタータ通電経路を遮断する遮断回路K1(K2,K3)を設けて実施してもよい。
【0049】
上記実施の形態から把握できる技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項2に記載の車両電装品用の通電制御装置において、浸水時に必要な必要電装品への必要電装品通電経路には、前記電源ECUからの必要電装品制御信号に応じて作動し前記必要電装品と電源とを接続/遮断する必要電装品リレーが設けられ、前記電源ECUは、前記浸水センサによって浸水が検出されると前記必要電装品リレーを接続状態とするための前記必要電装品制御信号を出力することを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。このようにすると、請求項2に記載の発明の効果に加えて、浸水センサにて浸水が検出されると、例えば、浸水時に必要な必要電装品への給電が行われていない状態においても、電源ECUにて必要電装品リレーが接続状態とされ、該必要電装品が電源と接続される。又、電源ECUにて制御することと、遮断回路と電源ECUとに接続される浸水センサを共用できることにより、コストが増大しない。
【0050】
(ロ)請求項3に記載の車両電装品用の通電制御装置において、浸水時に必要な必要電装品への必要電装品通電経路には、給電を制御するための電源ECUからの必要電装品制御信号に応じて作動し前記必要電装品と電源とを接続/遮断する必要電装品リレーが設けられ、前記給電確保回路は、前記浸水センサによって浸水が検出されると前記電源ECUからの前記必要電装品制御信号に関わらず、前記必要電装品と前記電源とを接続することを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。このようにすると、例えば、電源ECUを必要とするワンプッシュ式エンジン始動・停止制御システム等を備えた車両において、該電源ECUが例えば浸水することなどにより動作しても、該電源ECUからの必要電装品制御信号に関わらず、必要電装品と電源とが接続状態とされる。よって、必要電装品への給電が確保される。
【0051】
(ハ)請求項2、3及び上記(イ)、(ロ)のいずれかに記載の車両電装品用の通電制御装置において、浸水時に不要な不要電装品への不要電装品通電経路には、前記電源ECUからの不要電装品制御信号に応じて作動し前記不要電装品と電源とを接続/遮断する不要電装品リレーが設けられ、前記電源ECUは、前記浸水センサによって浸水が検出されると前記不要電装品リレーを遮断状態とするための前記不要電装品制御信号を出力することを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。このようにすると、浸水センサにて浸水が検出されると、例えば、浸水時に不要な不要電装品への給電が行われている状態においても、電源ECUにて不要電装品リレーが遮断状態とされ、該不要電装品が電源と遮断される。又、電源ECUにて制御することと、遮断回路と電源ECUとに接続される浸水センサを共用できることにより、コストが増大しない。
【0052】
(ニ)請求項2、3及び上記(イ)〜(ハ)のいずれかに記載の車両電装品用の通電制御装置において、前記遮断回路は、前記浸水センサによって浸水が検出されると前記スタータリレーが接続状態となっても、前記車両エンジンスタータと前記電源とを遮断することを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。このようにすると、スタータリレーが例えば浸水することなどにより接続状態となっても、車両エンジンスタータと前記電源とが遮断される。よって、車両エンジンスタータが駆動してしまうことが防止される。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、浸水に起因する車両電装品の信頼性を向上することができる車両電装品用の通電制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のエンジン始動・停止制御システムの概略構成を示すブロック図。
【図2】本実施の形態の遮断回路及び浸水センサを示す回路図。
【図3】別例における給電確保回路を示す回路図。
【図4】別例における遮断回路を示す回路図。
【図5】別例における遮断回路を示す回路図。
【符号の説明】
21…不要電装品リレーとしてのアクセサリリレー、22…必要電装品リレーとしての第1イグニッションリレー、23…不要電装品リレーとしての第2イグニッションリレー、24…スタータリレー、K1〜K3…遮断回路、L1…給電確保回路、S1…浸水センサ。
Claims (3)
- 浸水を検出するための浸水センサと、
前記浸水センサによって浸水が検出されると車両エンジンスタータへのスタータ通電経路を遮断する遮断回路と
を備えたことを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。 - 請求項1に記載の車両電装品用の通電制御装置において、
前記スタータ通電経路には、給電を制御するための電源ECUからのスタータ制御信号に応じて作動し前記車両エンジンスタータと電源とを接続/遮断するスタータリレーが設けられ、
前記遮断回路は、前記浸水センサによって浸水が検出されると前記電源ECUからの前記スタータ制御信号に関わらず、前記車両エンジンスタータと前記電源とを遮断することを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。 - 請求項1又は2に記載の車両電装品用の通電制御装置において、
前記浸水センサによって浸水が検出されると浸水時に必要な必要電装品への給電を確保する給電確保回路を備えたことを特徴とする車両電装品用の通電制御装置。
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- 2002-07-09 JP JP2002200158A patent/JP2004044418A/ja active Pending
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