JP2004042446A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2004042446A
JP2004042446A JP2002203037A JP2002203037A JP2004042446A JP 2004042446 A JP2004042446 A JP 2004042446A JP 2002203037 A JP2002203037 A JP 2002203037A JP 2002203037 A JP2002203037 A JP 2002203037A JP 2004042446 A JP2004042446 A JP 2004042446A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
recording
suction
ink jet
capping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002203037A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuhiro Nitta
新田 哲弘
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002203037A priority Critical patent/JP2004042446A/ja
Publication of JP2004042446A publication Critical patent/JP2004042446A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Abstract

【目的】複数の吐出口列を持つインクジェット記録装置において、簡単な構造で一括同時吸引モード、個別吸引モード及び空吸引モードなどの各吸引回復モードを容易に選択することを可能にすることで、装置の信頼性向上を図る。
【構成】複数の吐出口列を有するインクジェット記録装置において、各吐出口列ごとに対応するキャッピング手段に負圧発生手段(吸引ポンプ)及び弁手段を接続し、各弁手段の開閉を制御することにより各吐出口列の吸引又は空吸引を選択的に行う。
【選択図】                図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置に関し、詳しくは、当該インクジェット記録装置の記録手段に設けられた複数の吐出口列のインク吐出性能を維持回復するための吸引回復手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどの出力機器として用いられる記録装置は、記録情報に基づいて紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の記録媒体(被記録材)に画像(文字や記号等を含む)を記録していくように構成されている。前記記録装置は、記録方式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマル式、レーザービーム式等に分けることができる。
【0003】
記録媒体の搬送方向(紙送り方向、副走査方向)と交叉する方向に主走査しながら記録するシリアルタイプの記録装置においては、記録媒体に沿って移動するキャリッジ上に搭載した記録手段(記録ヘッド)によって画像を記録(主走査)し、1行分の記録を終了した後に所定量の紙送り(副走査としてのピッチ搬送)を行い、その後に再び停止した記録媒体に対して次の行の画像を記録(主走査)するという動作を繰り返すことにより、記録媒体全体の記録が行われる。一方、記録媒体(被記録材)の搬送方向の副走査のみで記録するラインタイプの記録装置においては、記録媒体を所定の記録位置にセットし、一括して1行分の記録を行った後、所定量の紙送り(ピッチ送り)を行い、さらに次の行の記録を一括して行うという動作を繰り返すことにより、記録媒体全体の記録が行われる。
【0004】
そのうち、インクジェット式の記録装置(インクジェット記録装置)は、記録手段(記録ヘッド)から記録媒体へインクを吐出して記録を行うものであり、記録手段のコンパクト化が容易であり、高精細な画像を高速で記録することができ、普通紙に特別の処理を必要とせずに記録することができ、ランニングコストが安く、ノンインパクト方式であるため騒音が少なく、しかも、多種類のインク(例えばカラーインク)を使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
また、インクジェット記録装置においては、記録媒体(被記録材)の材質に対する要求も様々なものがあり、近年では、これらの要求に対する開発が進み、通常の記録媒体である紙(薄紙や加工紙を含む)や樹脂薄板(OHP等)などの他に、布、皮革、不織布、さらには金属等を記録媒体として用いる記録装置も使用されるようになっている。
【0005】
インクジェット記録ヘッドの吐出口からインクを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子としては、ピエゾ素子等の電気機械変換体を用いるもの、レーザー等の電磁波を照射して発熱させ、この発熱作用によってインク滴を吐出させるもの、あるいは発熱抵抗体を有する電気熱変換体によって液体を加熱するものなどがある。その中でも、熱エネルギーを利用してインクを滴として吐出するインクジェット式の記録手段(記録ヘッド)は、吐出口を高密度に配列することができるため高解像度の記録をすることが可能である。特に、その中でも、電気熱変換体素子をエネルギー発生素子として用いる記録ヘッドは、小型化が容易であり、かつ最近の半導体分野における技術の進歩と信頼性の向上性が著しいIC技術やマイクロ加工技術の長所を十分に活用でき、高密度実装化が容易で製造コストも安価なことから、有利である。
【0006】
記録手段から記録媒体へインクを吐出して記録を行う上記インクジェット記録装置においては、微細な吐出口からインクを吐出して記録を行うことから、該吐出口に目詰まりが生じ、吐出不良(不吐出を含む)に起因して記録画像の品位が低下してしまうということがあり、そのための対策として、記録手段のインク吐出性能を維持回復するための回復系ユニットを用いることが行なわれている。この回復系ユニットとしては、一般に、記録ヘッドの吐出口をキャッピングするキャッピング手段と、キャッピング状態において前記キャッピング手段に接続されて負圧発生手段としての吸引ポンプを作動させて該キャッピング手段内部に負圧を発生させて吐出口から増粘インクや気泡等の異物を吸引排出することにより該吐出口内のインクをリフレッシュさせることでインク吐出性能を維持回復する吸引回復手段と、記録手段の吐出口面に付着したインク等を異物を拭き取り清掃(クリーニング)するワイピング手段とを備えたものが使用されている。
【0007】
また、カラー化や高画質化のために複数のインクと複数の記録ヘッド(あるいは複数の吐出口列)を有するインクジェット記録装置においては、複数の記録ヘッドのそれぞれに対応する複数のキャッピング手段が設けられている。このキャッピング手段には、該キャッピング手段の一部と記録ヘッドを搭載するキャリッジの一部とを当接させながら該記録ヘッドを主走査方向に移動させることで任意の記録ヘッドをキャッピングできるように構成したものがある。
このような構成のキャッピング手段は、他の駆動源を利用するものであり、キャッピング機構のための駆動を別に設ける必要がないため、簡単な機構で構成できるという利点がある。ただし、主走査方向に移動するための一定距離にわたる領域が必要であるため、装置幅が大きくなるという不利な点もある。一方、キャッピング駆動のための専用の駆動源を設ける構成によれば、装置幅を大きくすることなくキャリッジの任意の位置でキャッピングできるという利点がある。
【0008】
複数(複数種類)のインクとこれに対応する複数の吐出口列(又は複数の記録ヘッド)を持つインクジェット記録装置の吸引回復手段における吸引回復動作を行う対象となる吐出口列の選択(吸引選択)に関して、吸引選択を負圧発生手段の駆動方向を変えることによって行う方法が、特開平07−156419号公報に開示されている。
しかしながら、このような吸引選択の方法では、駆動方向が正方向と逆方向の2方向であるため、2列までの吐出口列であれば吸引選択は可能であるが、3列以上の吐出口列に対しては対応することができなくなる。
【0009】
また、複数(複数種類)のインクとこれに対応する複数の吐出口列から吸引回復動作の対象を選択する吸引選択を、キャリッジの位置を変えることにより行う方法が特開平08−281968号公報に開示されている。しかしながら、このような吸引選択の方法では、複数の吐出口列を同時に吸引することができないため、吸引回復処理にかなりの時間を要してしまうという技術的課題があった。
さらに、キャップの動作を制御することにより上記の吸引選択を行なう方法が特開平09−187953号公報に開示されているが、この方法では、吐出口列の数が増えるとキャップを制御するための機構が複雑になってしまうという技術的課題があった。
また、チューブポンプを用いる吸引回復手段において、各吐出口列に通じるチューブを閉じることにより吸引選択を行なう方法が特開平10−146992号公報で開示されている。しかしながら、この方法では、吐出口列が3列以上になると、チューブを閉じる機構が対応できないという技術的課題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような従来技術に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、複数の弁手段の開閉を制御することで複数の吐出口列の吸引を選択的に行うことにより、簡単な構造でそれぞれの吐出口列の吸引回復を選択することができ、各吐出口列のインク吐出性能を良好に維持することにより更に信頼性を向上させ得るインクジェット記録装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するため、吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、複数のインクを吐出する複数の吐出口列を有する記録手段と、前記記録手段を搭載し記録媒体に沿って往復移動可能な移動手段と、前記記録手段の複数の吐出口列のそれぞれをキャッピングするための複数のキャッピング手段と、前記キャッピング手段でキャッピングされた吐出口列のそれぞれに負圧を作用させる複数の負圧発生手段と、前記複数のキャッピング手段のそれぞれと大気との連通を弁の開閉により行う複数の弁手段と、を備え、前記複数の弁手段の開閉を制御することにより前記複数の吐出口列の吸引を選択的に行うことを特徴とする。
【0012】
請求項2及び3の発明は、上記請求項1の構成に加えて、前記キャッピング手段により全ての吐出口列をキャッピングするとともに前記弁手段の全てを閉じたときに前記負圧発生手段により全ての吐出口列の吸引を同時に行なう一括同時吸引モードと、任意の弁手段を閉じたときに対応する負圧発生手段により対応する吐出口列の吸引を個別に行う個別吸引モードと、前記弁手段の全てを開いたときに吐出口列の吸引を行わずにキャッピング手段からの吸引を行う空吸引モードと、を有する構成、あるいは、前記負圧発生手段は弾性チューブを押しつぶすことにより負圧を発生するチューブポンプである構成とすることにより、一層効率よく上記目的を達成するものである。
【0013】
請求項4及び5の発明は、上記請求項1の構成に加えて、記録手段の吐出口面をワイピングするためのワイピング手段と、前記移動手段を固定するロック手段と、一方向に駆動を与えられる制御カム手段とを備え、前記キャッピング手段と前記弁手段と前記ワイピング手段と前記ロック手段は前記制御カム手段によって制御される構成、あるいは、前記移動手段の移動により前記キャッピング手段と前記記録手段との当接及び離間を行ない、前記移動手段の移動により前記弁手段の開閉を制御し、前記移動手段の停止位置により前記キャッピング手段のそれぞれに対応する吐出口列の選択を行う構成とすることにより、一層効率よく上記目的を達成するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を具体的に説明する。なお、各図面を通して、同一符号は同一又は対応部分を示すものである。図1〜図16は、本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例を示すものである。図1は本発明を適用したインクジェット記録装置のキャッピング手段と負圧発生手段と弁手段とを有する吸引回復手段の構成を示す分解斜視図であり、図2は図1の吸引回復手段を使用したインクジェット記録装置の構成を示す分解斜視図であり、図3は本発明を適用したインクジェット記録装置のキャリッジと該キャリッジに搭載可能な記録ヘッド及びインクタンクの構成を示す分解斜視図である。
【0015】
図2及び図3において、キャリッジ6上には記録ヘッド8が搭載可能であり、該記録ヘッド8には、キャリッジ6上に搭載された姿勢でホームポジション(HP)における記録領域から遠い方から(図2及び図3中の右側から)、処理液Sの吐出口列、ブラックインクBkの吐出口列、カラーインクYMCの吐出口列が横並びに配されており、また、キャリッジ6上には、これらの吐出口列に対応して、処理液のインクタンク9S、ブラックインクのインクタンク9Bk、カラーインク(シアンインク)のインクタンク9C、カラーインク(マゼンタインク)のインクタンク9M、カラーインク(イエローインク)のインクタンク9Yが搭載される。なお、本明細書では、特に断らない場合は、上記処理液Sも「インク」中に含まれるものとする。
【0016】
本実施例では、処理液のインクタンク9S、イエローのインクタンク9Y、マゼンタのインクタンク9M、シアンのインクタンク9C、ブラックのインクタンク9BKの全てが独立に交換可能に構成されている。ここで、上記処理液Sは低分子成分と高分子成分のカチオン性物質を含むものであり、インク(処理液を含まない)は、アニオン性染料を含むインクなどであり、前記処理液との混合により不溶化されるものである。記録ヘッド8は、処理液の吐出口列を有する記録ヘッド部分とブラックの吐出口列を有する記録ヘッド部分と3色のカラーの3つの吐出口列を有する記録ヘッド部分の3つの記録ヘッド部分を一体化した構造をおり、そのうち、前記3色のカラーの3つの吐出口列は、一つの前記記録ヘッド部分にイエロー、マゼンタ、シアンの3つの吐出口列を縦一直線に並べて構成されている。
【0017】
前記記録ヘッド8はキャリッジ6上にコネクタ6022を介して電気的に接続される。また、記録ヘッド8には、処理液のインクタンク9S、ブラックインクのインクタンク9Bk、カラーのインクタンク9C、9M、9Yから各色(3色)のインクが供給されるインク毎のインク供給口8030、すなわち、処理液のインク供給口8030S、ブラックのインク供給口8030BK、シアンのインク供給口8030C、マゼンタのインク供給口8030M、イエローのインク供給口8030Y)の5個のインク供給口が設けられている。前記各インクは、これらのインク供給口から記録ヘッド8内へ供給され、さらに記録ヘッド内の流路を通って該記録ヘッド8の各吐出口列へ送給される。
【0018】
記録手段としての記録ヘッド8は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。また、前記記録ヘッド8は、電気熱変換体によって印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して吐出口よりインクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0019】
図25は、記録ヘッド8のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。図25において、記録紙等の記録媒体と所定の隙間(例えば、約0.2〜約2.0ミリ程度) をおいて対面する吐出口面81には、所定のピッチで複数の吐出口82が形成され、共通液室83と各吐出口82とを連通する各液路84の壁面に沿ってインク吐出用のエネルギーを発生するための電気熱変換体(発熱抵抗体など)85が配設されている。記録ヘッド8は、前記吐出口82が主走査方向(該記録ヘッド及びキャリッジ6の移動方向)と交叉する方向に並ぶような位置関係で、キャリッジ6に搭載されている。こうして、画像信号または吐出信号に基づいて対応する電気熱変換体85を駆動(通電)して、液路84内のインクを膜沸騰させ、その時に発生する圧力によって吐出口82からインクを吐出させる記録手段(記録ヘッド)が構成されている。
【0020】
図2において、略コ字状のシャーシ1の両側壁の間には、キャリッジ6を摺動自在に案内支持するガイドシャフト4及びサポートシャフト103が設置されている。これら両シャフト4、103に沿って主走査方向に往復移動するキャリッジ6の駆動力は、キャリッジモータ104から駆動ベルト10を介して与えられる。また、記録媒体の挟持搬送(紙送り)はLF(Line Feed)モータを駆動源として搬送ローラ2及びピンチローラ3により行われ、プラテン16上に記録媒体が搬送される。この時、記録ヘッド8の吐出口面はプラテン16上の記録媒体に平行に対向しており、該記録ヘッド8を記録情報に基づいて駆動する(インク吐出を行う)ことにより記録媒体上に記録が行われる。なお、キャリッジ6に搭載された記録ヘッド8の記録部は、該キャリッジ6から下方へ突出して記録媒体と対向している。記録装置の向かって左側のホームポジションには吸引回復手段を含む回復系ユニット15が配設されている。
【0021】
図1は上記回復系ユニット15の構成を示す分解斜視図であり、図1において、キャッピング手段は、記録ヘッド8の複数の吐出口列に対応して設けられ複数のキャッピング手段で構成されており、ブラックインク用キャップ112と処理液用キャップ113とカラーインク用キャップ114とを備えている。これらのキャップ112、113、114は、それぞれのキャップホルダ122、123、124によって保持(支持)されている。また、前記キャップホルダ122、123、124は、回復系ベース130に回転可能に軸支されたキャップレバー132の一端に取り付けられている。
【0022】
前記キャップレバー132は、回復系ベース130との間に装着されたキャップバネ133により付勢されている。前記キャップレバー132の一部はキャッピング制御手段である制御カムのカム面141に当接されている。これにより、制御カムが回転すると、キャップレバー132は上下方向に回動し、それに伴いキャップ112、113、114が上下方向に移動し、記録ヘッド8の吐出口面に圧接されてキャッピングしたり、該吐出口面から離間するように構成されている。前記制御カムは、回復系ベース130に回転可能に軸支されており、不図示の駆動源よりギアを介して駆動される。
【0023】
回復系ユニット15のブラックインク用キャップ112と処理液用キャップ113とカラーインク用キャップ114は、それぞれのキャップホルダ122、123、124を介して、それぞれの負圧発生手段(吸引力発生手段)から成るポンプユニット119(負圧発生手段、吸引力発生手段)の弾性チューブ(吸引チューブ)145、146、150に連通している。ポンプユニット119は、記録ヘッド8が吐出不良になった場合に、キャップユニットを記録ヘッドに接合させて該記録ヘッドの吐出口からインクを吸引する吸引回復処理などに際して、負圧を発生させるために用いられる。前記ポンプユニット119としては、弾性チューブを押しつぶして負圧を発生させるチューブポンプが使用されている。
【0024】
図4は負圧発生手段としてのポンプユニット119を構成するチューブポンプの平面断面図である。図1及び図4において、ポンプユニット119は、カラーインク用吸引チューブ145と処理液用吸引チューブ146とブラックインク用吸引チューブ150と、加圧部材支持部材としてのコロホルダ144と、加圧部材としてのコロ147と、回復系ベース130に形成された加圧ガインド130Aとから構成されている。コロホルダ144は回復系ベース130に回動可能に軸支されている。各弾性チューブ145、146、150はコロホルダ144にガイドされている。コロホルダ144が回動すると、これらの吸引チューブ145、146、150は、回復系ベース130の加圧ガイド130Aとコロホルダ144に軸支されたコロ147との間で押しつぶされる。
【0025】
こうして、各吸引チューブ145、146、150をコロ147で押しつぶしながらコロホルダ144を所定角度回動させることで、各吸引チューブ145、146、150を所定長さにわたって扱いていくことによって負圧が発生する。従って、各キャップ112、113、114を吐出口面に圧接したキャッピング状態にしておくと、各吸引チューブ145、146、150に接続(連通)された各キャップ112、113、114内に負圧が発生し、この負圧が各吐出口列に作用することになる。このように吐出口列に負圧を作用させることにより吐出口内のインクを吸引され、該吐出口内の増粘インクや気泡等もインクとともに排出され、それによって吐出口内のインクがリフレッシュされ、吐出性能の維持回復が行われる(吸引回復処理)。
【0026】
前記吸引チューブ145、146、150内に吸引された廃液(廃インク)は、それぞれ独立した経路により個別に廃液タンク401へ送られる。各インクを個別に吸引し個別に廃液タンク401へ送る理由は、キャップやポンプ内での処理液と色インクとの接触により廃液の不溶化が生じ、キャップ及びポンプ内に目詰まり等の不具合が生じないようにするためである。
また、ブラック用のキャップホルダ122、処理液用のキャップホルダ123、カラー用のキャップホルダ124のそれぞれには、ブラックインク用連通チューブ151、処理液用連通チューブ152、カラーインク用連通チューブ153が接続されており、これらの連通チューブの他端には、それぞれ、ブラックインク用連通弁154、処理液用連通弁155、カラーインク用連通弁156が接続されている。
【0027】
前記連通弁154、155、156のそれぞれには、図10に示すように、ブラックインク用連通口157、処理液用連通口158、カラーインク用連通口159が設けられており、これらの連通口157、158、159は、回復系ベース130に回動可能に軸支されたブラックインク用弁レバー171、処理液用弁レバー172、カラーインク用弁レバー173により開閉されるように構成されている。弁レバー171、172、173はそれぞれの弁レバーばね174、175、176により付勢され、これらの弁レバー171、172、173のそれぞれの一部が対応する上記連通口を開閉するための連通口開閉制御手段である制御カムの対応するカム面177、178、179に当接されている。これにより、制御カム140が回転すると、弁レバー171、172、173が回動し、それに伴い連通口157、158、159が開閉される。
【0028】
図16は、本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニット15の弁手段の構成及び該弁手段が閉じた状態を示す模式的断面図である。図16において、前記連通弁154、155、156の前記連通口157、158、159のそれぞれは、対応する弁レバー171、172、173のそれぞれを前記制御カム140で制御することにより、個別にも一括同時にも開閉制御することができる。
【0029】
図5〜図10は本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例の回復系ユニットにおける各種の動作状態を示す模式図であり、図5はキャップ退避状態を示し、図6は一括同時吸引モードの状態又は放置キャップ状態を示し、図7はブラックインク吸引モードの状態を示し、図8は図5の処理液吸引モードの状態を示し、図9はカラーインク吸引モードの状態を示し、図10は空吸引モードの状態を示す。
【0030】
図5〜図10において、記録ヘッド8がホームポジションで一定時間以上待機するときは、図6に示すように全てのキャップ112、113、114を記録ヘッド8の吐出口面に当接させて全ての吐出口列をキャッピングするとともに全ての連通弁154、155、156の連通口も弁レバー171、172、173により閉じられた放置キャップ状態にすることにより、記録ヘッド8の吐出口内のインク蒸発に起因する増粘や固着による吐出不良の発生を防止する。そして、この図6の状態は一括同時吸引モードの状態とも同じであり、この状態でチューブポンプ119を動作させることにより、全ての吐出口列から同時にインクを吸引する一括同時吸引が行われる。
【0031】
また、図5に示すように全てのキャップ112、113、114を記録ヘッド8から退避させたキャップ退避状態で、前記チューブポンプ119を動作させることにより、記録中でも空吸引(キャップ内のインクを吸引除去するための吸引動作)を行なうことが可能である。
なお、予備吐出は、キャップを退避させた状態で、それぞれのキャップ内にインクを吐出する動作で行われる。そして、このキャップ退避状態でチューブポンプ119を動作させることにより、上記予備吐出でキャップ内に溜まったインクを吸引排出する空吸引を行なうことが可能である。
さらに、図10に示すように、上記空吸引中に全てのキャップ112、113、114を閉じた状態で各連通弁154、155、156の連通口157、158、159を開き、この状態で前記チューブポンプ119を動作させることにより、キャッピング状態での空吸引も可能である。この空吸引により、インク吸引量や発生負圧を管理することができる。
【0032】
図1において、回復系ユニット15には、さらにブラックインクの吐出口部をワイピングするブラックインクブレード1119と処理液の吐出口部をワイピングする処理液ブレード117とカラーインク(3色のインク)の吐出口部をワイピングするためのカラーインクブレード118とが設けられている。
これらのブレードは、記録手段としての記録ヘッド8の吐出口面(各吐出口列が配置された面)をワイピング(拭き取り除去、クリーニング)するためのワイピング手段を構成するものである。
【0033】
前記ブラックインクブレード(第1ブレード)1119はブラックインクの吐出口例の紙搬送方向下流側に、前記処理液ブレード(第2ブレード)117は処理液の吐出口列の紙搬送方向下流側に、前記カラーインクブレード(第3ブレード)118はカラーインクの吐出口列の紙搬送方向下流側に、それぞれ別々に配設されている。これらの各ブレード1119、117、118は、記録ヘッド8の吐出口面に付着した色インクや処理液をワイピング(拭き取り除去)するためのゴムなどの弾性部材で形成されたブレードである。
【0034】
図11は本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのワイピング手段の構成を示す縦断面図である。図1及び図11において、ブレード117、118、1119は、回復系ベース130のガイド部130Gに記録ヘッド8に対し平行移動可能に取り付けられたブレードアーム142に取り付けられている。また、前記ガイド部130Gにより、各ブレード117、118、1119の記録ヘッド8に対するブレード侵入量と当接角度及び当接圧が正常に一定に管理されている。
ブレードアーム142の一部にはラックギア142Gが設けられている。このラックギア142Gは、ブレードバネ(コイルスプリング)1152により該ブレードアーム142とともに図11中の左方向に付勢された状態で、ブレードギア1153と噛み合っている。
【0035】
各ブレード(ワイピング部材)117、118、1119は、前記コイルスプリング(ワイパーバネ)1152により左向き方向に付勢された状態(コイルスプリング1152は未だ密着巻きでない)では、記録ヘッド8に当接していない状態(第1退避位置A)に位置している。
回復系ベース130には、ブレードアーム142の退避位置(第1退避位置A)を規制するためのブレードアーム退避位置規制部(ストッパ部)130Sが設けられている。
【0036】
図1及び図11において、駆動源より駆動を受けたブレードギア1153が回転することで、ブレードアーム142は回復系ベース130上を記録ヘッド8に対し平行移動する(図11中の右方向への往移動)。ブレードアーム142が吐出口列に対して十分なストロークを移動し、ワイピング部材(ブレード)117、118、1119が記録ヘッド8の反対側の非当接位置(第2退避位置B)より更に右側位置まで移動したところで、ブレードギア(駆動ギア)1153の欠歯部153Kがラックギア142Gに対向することにより駆動が切れ、ブレードアーム142(従ってワイピング部材としてのブレード117、118、1119)はブレードバネ1152のバネ力で図11中の左向きに付勢され前記第1退避位置Aに復帰する(復移動)。各ブレード117、118、1119の上記位置Aと位置Bとの間の移動により、記録ヘッド8の吐出口面の各吐出口列領域のワイピング(拭き取り清掃)が行われる。
【0037】
図12は、本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのキャップに対する記録ヘッドの位置決め手段を模式的に示す部分縦断面図であり、(a)は位置決めしていない状態を示し、(b)は位置決めしている状態を示す。
図1及び図12において、回復系ベース130には、キャッピング位置決め手段としてのCRレバー(キャリッジレバー)160が回転自在に軸支されている。このCRレバー160の一端は、CRレバーばね(キャリッジレバーばね)160SPにより制御カム140のカム部に向けて付勢されて当接している。そのため、前記制御カム140の回転により、CRレバー(キャリッジレバー)160は上下に揺動することになる。
【0038】
CRレバー160はキャリッジ6がホームポジションにきたときに上昇位置になるように制御され、このとき、図12の(b)に示すように、CRレバー160に設けられた嵌合凸部161がキャリッジ6もしくは記録ヘッド8に設けられた嵌合凹部162と嵌合し、それによって、ホームポジションにおける記録ヘッドと各キャップ112、113、114との相対位置が一定に固定され、キャッピング時における記録ヘッド8に対する該キャップの当接位置を正確に規制することができる。また、CRレバー160は、記録中には制御カム140によって図12の(a)に示すような下降位置にされ、キャリッジ6の移動を妨げないようになっている。
【0039】
図13は本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットの駆動切り替え手段を示す模式的平面図であり、図14は図13の駆動切り替え手段の模式的断面図である。次に、図13及び図14を参照して、ワイピング手段と負圧発生手段(ポンプユニット)との駆動切り替えについて説明する。図13及び図14において、アイドルギア201、202、205と太陽ギア203と切り替えアーム206は前記回復系ベース130に回動可能に軸支されている。遊星ギア204はフリクションばね207を付勢した状態で切り替えアーム206に回動可能に軸支されている。ブッシュナット208は切り替えアーム206の軸に圧入固定され、遊星ギア204の抜け止めを行なっている。
【0040】
そこで、不図示の駆動モータより駆動を受け、アイドルギア205が矢印205A方向に回転すると切り替えアーム206は矢印206A方向に回転し、遊星ギア204の回転駆動はアイドルギア201に伝達される。このアイドルギア201の回転駆動は不図示のギア列を介してポンプユニット(負圧発生手段)119に伝達される。逆に、上記駆動モータを逆方向に回転させることにより、アイドルギア205が矢印205B方向に回転すると切り替えアーム206は矢印206B方向に回転し、遊星ギア204の回転駆動はアイドルギア202へ伝達される。このアイドルギア202の回転駆動は不図示のギア列を介してキャッピング手段(キャップ112、113、114の当接離反動作)、弁手段(連通弁154、155、156の開閉動作)、ワイピング手段(ブレード117、118、1119のワイピング動作)、キャリッジ6位置決め手段(嵌合凸部161の嵌合離脱動作)の駆動機構へ伝達される。
【0041】
図15は、本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットによる各種の吸引動作のシーケンスを示すタイミングチャートである。前記制御カム140(図1)のホームポジション及び各種の吸引動作の位置出しは、それぞれの位置に設けられた不図示の電気的なセンサ(例えばフォトインタラプタなど)による位置検知によって行うことができる。
そして、前記回復系ユニット15による一括同時吸引モード、ブラックインク吸引モード(個別吸引モード)、処理液吸引モード(個別吸引モード)、カラーインク吸引モード(個別吸引モード)、空吸引モードとの関係において、前記連通弁154、155、156、前記キャップ112、113、114、前記ブレード117、118、1119、CRピン161の各動作は、図15のタイミングチャートに示すように、前記制御カム140の回転角度を制御することで行なわれる。
【0042】
以上説明した実施例によれば、吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、複数のインクを吐出する複数の吐出口列(ブラックインク、処理液、カラーインクの吐出口列)を有する記録手段8と、前記記録手段を搭載し記録媒体に沿って往復移動可能な移動手段(キャリッジ)6と、前記記録手段の複数の吐出口列のそれぞれをキャッピングするための複数のキャッピング手段(キャップ112、113、114)と、前記キャッピング手段でキャッピングされた吐出口列のそれぞれに負圧を作用させる複数の負圧発生手段(吸引チューブ145、146、150を有するポンプユニット119)と、前記複数のキャッピング手段のそれぞれと大気との連通を弁(連通弁154、155、156)の開閉により行う複数の弁手段と、を備え、前記複数の弁手段の開閉を制御することにより前記複数の吐出口列の吸引を選択的に行うように構成されている。
【0043】
具体的には、前述のインクジェット記録装置における回復系ユニット15は、前記記録ヘッド8吐出口に負圧を発生させたり吐出口が乾燥しないように保護したりするためにそれぞれの吐出口列周辺をキャッピングする複数のキャッピング手段(キャップ112、113、114)と、弾性チューブ(吸引チューブ145、146、150)を押しつぶすことによりキャッピングされた吐出口内に負圧を発生させる複数の負圧発生手段(ポンプユニット119)と、前記キャッピング手段と大気との連通を弁の開閉により行う複数の弁手段(連通弁154、155、156)と、を有し、前記弁手段の開閉を制御することにより前記吐出口列の吸引を選択することを特徴とするものである。
そして、このようなインクジェット記録装置によれば、複数の弁手段の開閉を制御することで複数の吐出口列の吸引を選択的に行うことから、簡単な構造でそれぞれの吐出口列の吸引回復を選択することができ、各吐出口列のインク吐出性能を良好に維持することにより更に信頼性を向上させ得るインクジェット記録装置が提供される。
【0044】
図17は本発明を適用したインクジェット記録装置の第2実施例の要部を示す模式的斜視図である。前述の第1実施例では、キャップ112、113、114を支持するキャップホルダ122、123、124に連通チューブ151、152、153を接続し、該連通チューブ接続した連通弁154、155、156の連通口157、158、159を制御カム140で作動される弁レバー171、172、173によって開閉制御するように構成したが、本実施例では、キャップ2112に連通口2157が設けられ、該連通口を前述の第1実施例の場合と同様の弁レバー及び制御カムにより開閉制御するように構成されている。なお、キャップホルダ2122には前述の第1実施例の場合と同様に負圧発生手段(ポンプユニット119)に通じる吸引チューブ2150が接続されている。図17に示すような構成は、複数の吐出口列のそれぞれについて個別に吸引したり空吸引したりできるように複数セットが設けられている。
【0045】
図17の第2実施例は、上記した点で前述の第1実施例と相違するが、その他の点では実質上同じ構成を有しており、それらの詳細説明は省略する。図17の第2実施例によれば、前述の第1実施例の場合と同様の効果が得られる他に、さらに部品点数を削減することができ、さらにその分コストダウン及び省スペースを図ることが可能になる。
【0046】
図18は本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットの要部構成を示す部分断面図である。前述の第1実施例では、制御カム140の回転位置によって連通弁の連通口(弁手段)157、158、159の開閉を制御したが、図18の第3実施例では、キャリッジ3006の位置の制御により連通弁3154の連通口3157の開閉を制御するように構成されている。前記連通弁3154の前記連通口3157に通じる通路の反対側にはキャップに通じる連通チューブ3151が接続されている。
【0047】
また、連通口3157の開閉を行うための弁レバー3171は、弁レバーばね3174により連通弁3154の前記連通口3157へ向けて付勢されており、通常では該連通口3157を塞ぐように構成されている。ここで、キャリッジ3006が回復系ユニット15と対向する位置に来ると、該キャリッジ3006の下端に形成された弁レバーカム3006Kによって、前記弁レバーばね3174に抗して前記弁レバー3171が押し下げられ、前記連通弁3154の連通口3157が開口される。
【0048】
この場合、図18の第3実施例においても、上記弁レバー3171の上下動によって、連通チューブ3151と連通している連通弁3154の連通口3157を開閉するように構成されている。そして、各弁レバーに対応して弁レバーカムを設けることで、キャリッジの位置により、各連通弁の開閉を制御し、記録ヘッドの各吐出口列の吸引モードを選択することができる。なお、上記弁レバー3171の動作は、前述の第1実施例の場合と同様に制御カムの回転位置によっても制御できることは明らかである。図18に示すような構成は、複数の吐出口列のそれぞれについて個別に吸引したり空吸引したりできるように複数セットが設けられている。
【0049】
図19〜図24は、図18の第3実施例における回復系ユニットによる各種の動作状態を示す模式図であり、図19はキャップ退避状態を示し、図20は一括同時吸引モードの状態又は放置キャップ状態を示し、図21はブラックインク吸引モードの状態を示し、図22は図5の処理液吸引モードの状態を示し、図23はカラーインク吸引モードの状態を示し、図24は空吸引モードの状態を示す。図18〜図24の第3実施例は、第1実施例の制御カム140の回転位置に代えて、キャリッジ3006の位置によって連通口3157の開閉を制御するものであり、その他の点では前述の第1実施例の場合と実質上同じ構成を有するものである。
従って、図18〜図24の第4実施例によっても、前述の第1実施例の場合と同様、複数の弁手段の開閉を制御することで複数の吐出口列の吸引を選択的に行うことから、簡単な構造でそれぞれの吐出口列の吸引回復を選択することができ、各吐出口列のインク吐出性能を良好に維持することにより更に信頼性を向上させ得るインクジェット記録装置が提供される。
【0050】
なお、以上の実施例では、記録手段としての記録ヘッドを主走査方向に移動させながら記録するシリアル型記録装置の場合を例に挙げて説明したが、本発明は、記録媒体の全幅または一部をカバーする長さのラインタイプの記録ヘッドを用いて副走査のみで記録するライン記録方式(ライン型記録装置)の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。
【0051】
また、本発明は、複数の吐出口列を有する記録手段を用いるインクジェット記録装置であれば、記録手段の数等に関係なく、同一又は異なる色彩の複数のインクを用いて記録するカラー記録装置、あるいは同一色彩で異なる濃度の複数のインクで記録する階調記録装置、さらには、これらを組み合わせた記録装置の場合にも、同様に適用することができ、同様の効果を達成し得るものである。さらに、本発明は、記録手段とインクタンクを一体化した交換可能なインクジェットカートリッジを用いる構成、記録手段とインクタンクを別体にし、その間をインク供給用のチューブ等で接続する構成など、記録手段とインクタンクの配置構成がどのような場合にも同様に適用することができ、同様の効果が得られるものである。
【0052】
また、本発明は、インクジェット記録装置であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を用いる記録手段を使用するものなど、種々の記録方式のものに対して広く適用できるものであるが、中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0053】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明(請求項1)によれば、吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、複数のインクを吐出する複数の吐出口列を有する記録手段と、前記記録手段を搭載し記録媒体に沿って往復移動可能な移動手段と、前記記録手段の複数の吐出口列のそれぞれをキャッピングするための複数のキャッピング手段と、前記キャッピング手段でキャッピングされた吐出口列のそれぞれに負圧を作用させる複数の負圧発生手段と、前記複数のキャッピング手段のそれぞれと大気との連通を弁の開閉により行う複数の弁手段と、を備え、前記複数の弁手段の開閉を制御することにより前記複数の吐出口列の吸引を選択的に行う構成としたので、
複数の弁手段の開閉を制御することで複数の吐出口列の吸引を選択的に行うことから、簡単な構造でそれぞれの吐出口列の吸引回復を選択することができ、各吐出口列のインク吐出性能を良好に維持することにより更に信頼性を向上させ得るインクジェット記録装置が提供される。
【0054】
請求項2及び3の発明によれば、上記請求項1の構成に加えて、前記キャッピング手段により全ての吐出口列をキャッピングするとともに前記弁手段の全てを閉じたときに前記負圧発生手段により全ての吐出口列の吸引を同時に行なう一括同時吸引モードと、任意の弁手段を閉じたときに対応する負圧発生手段により対応する吐出口列の吸引を個別に行う個別吸引モードと、前記弁手段の全てを開いたときに吐出口列の吸引を行わずにキャッピング手段からの吸引を行う空吸引モードと、を有する構成、あるいは、前記負圧発生手段は弾性チューブを押しつぶすことにより負圧を発生するチューブポンプである構成としたので、
一層効率よく、簡単な構造でそれぞれの吐出口列の吸引回復を選択することができ、各吐出口列のインク吐出性能を良好に維持することにより更に信頼性を向上させ得るインクジェット記録装置が提供される。
【0055】
請求項4及び5の発明によれば、上記請求項1の構成に加えて、記録手段の吐出口面をワイピングするためのワイピング手段と、前記移動手段を固定するロック手段と、一方向に駆動を与えられる制御カム手段とを備え、前記キャッピング手段と前記弁手段と前記ワイピング手段と前記ロック手段は前記制御カム手段によって制御される構成、あるいは、前記移動手段の移動により前記キャッピング手段と前記記録手段との当接及び離間を行ない、前記移動手段の移動により前記弁手段の開閉を制御し、前記移動手段の停止位置により前記キャッピング手段のそれぞれに対応する吐出口列の選択を行う構成としたので、
一層効率よく、簡単な構造でそれぞれの吐出口列の吸引回復を選択することができ、各吐出口列のインク吐出性能を良好に維持することにより更に信頼性を向上させ得るインクジェット記録装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の回復系ユニット(吸引回復手段)の第1実施例の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1の回復系ユニットを使用したインクジェット記録装置の構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図3】図2のインクジェット記録装置におけるキャリッジ及び該キャリッジに搭載可能な記録手段及びインクタンクの構成を模式的に示す分解斜視図である。
【図4】本発明を適用したインクジェット記録装置の回復系ユニットで使用される負圧発生手段(ポンプユニット)の構成を模式的に示す平面断面図である。
【図5】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのキャップ退避状態を示す模式図である。
【図6】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットの一括同時吸引モードの状態又は放置キャップ状態を示す模式図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのブラックインク吸引モードの状態を示す模式図である。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットの処理液吸引モードの状態を示す模式図である。
【図9】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのカラーインク吸引モードの状態を示す模式図である。
【図10】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットの空吸引モードの状態を示す模式図である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのワイピング手段の構成を示す縦断面図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットのキャップに対する記録ヘッドの位置決め手段を模式的に示す部分縦断面図であり、(a)は位置決めしている状態を示し、(b)は位置決していない状態を示す。
【図13】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットの駆動切り替え手段を示す模式的平面図である。
【図14】図13の駆動切り替え手段の模式的断面図である。
【図15】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットによる各種の吸引動作のシーケンスを示すタイミングチャートである。
【図16】本発明を適用したインクジェット記録装置の第1実施例における回復系ユニットの弁手段の構成及び該弁手段が閉じた状態を示す模式的断面図である。
【図17】本発明を適用したインクジェット記録装置の第2実施例の要部を示す模式的斜視図である。
【図18】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットの要部構成を示す模式的部分断面図である。
【図19】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットのキャップ退避状態を示す模式図である。
【図20】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットの一括同時吸引モードの状態又は放置キャップ状態を示す模式図である。
【図21】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットのブラックインク吸引モードの状態を示す模式図である。
【図22】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットの処理液吸引モードの状態を示す模式図である。
【図23】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットのカラーインク吸引モードの状態を示す模式図である。
【図24】本発明を適用したインクジェット記録装置の第3実施例における回復系ユニットの空吸引モードの状態を示す模式図である。
【図25】図3中の記録手段のインク吐出部の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【符号の説明】
1      シャーシ
2      搬送ローラ
3      ピンチローラ
4      ガイドシャフト
6      移動手段(キャリッジ)
8      記録手段(記録ヘッド)
9      インクタンク
10     駆動ベルト
16     プラテン
15     吸引回復手段(回復系ユニット)
81     吐出口面
82     吐出口
85     電気熱変換体
103    サポートシャフト
104    キャリッジモータ
112、113、114    キャップ
117、118、1119   ワイピング部材(ブレード)
119    負圧発生手段(ポンプユニット)
122、123、124    キャップホルダ
130    回復系ベース
130A   加圧ガイド
130G   ガイド部
130S   ブレード退避位置規制部(ストッパ部)
132    キャップレバー
133    キャップばね
140    制御カム
141    カム面
142    ブレードアーム
142G   ラックギア
144    加圧部材支持部材(コロホルダ)
145、146、150    弾性チューブ(吸引チューブ)
147    加圧部材(コロ)
151、152、153    連通チューブ
153K   欠歯部
154、155、156    弁手段(連通弁)
157、158、159    連通口
160    キャリッジレバー(CRレバー)
161    嵌合凸部(CRピン)
162    嵌合凹部
171、172、173    弁レバー
174、175、176    弁レバーばね
177、178、179    制御カムのカム面
201    アイドルギア
202    アイドルギア
203   太陽ギア
204   遊星ギア
205   アイドルギア
206   切り替えアーム
1152  ブレードばね
1153  ブレードギア
2112  キャップ
2122  キャップホルダ
2150  吸引チューブ
2157  連通口
3006  キャリッジ
3006K  弁レバーカム
3151   連通チューブ
3154   連通弁
3157   連通口
3171   弁レバー
3174   弁レバーばね

Claims (7)

  1. 吐出口からインクを吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録装置において、
    複数のインクを吐出する複数の吐出口列を有する記録手段と、前記記録手段を搭載し記録媒体に沿って往復移動可能な移動手段と、前記記録手段の複数の吐出口列のそれぞれをキャッピングするための複数のキャッピング手段と、前記キャッピング手段でキャッピングされた吐出口列のそれぞれに負圧を作用させる複数の負圧発生手段と、前記複数のキャッピング手段のそれぞれと大気との連通を弁の開閉により行う複数の弁手段と、を備え、前記複数の弁手段の開閉を制御することにより前記複数の吐出口列の吸引を選択的に行うことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記キャッピング手段により全ての吐出口列をキャッピングするとともに前記弁手段の全てを閉じたときに前記負圧発生手段により全ての吐出口列の吸引を同時に行なう一括同時吸引モードと、任意の弁手段を閉じたときに対応する負圧発生手段により対応する吐出口列の吸引を個別に行う個別吸引モードと、前記弁手段の全てを開いたときに吐出口列の吸引を行わずにキャッピング手段からの吸引を行う空吸引モードと、を有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記負圧発生手段は弾性チューブを押しつぶすことにより負圧を発生するチューブポンプであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 記録手段の吐出口面をワイピングするためのワイピング手段と、前記移動手段を固定するロック手段と、一方向に駆動を与えられる制御カム手段とを備え、前記キャッピング手段と前記弁手段と前記ワイピング手段と前記ロック手段は前記制御カム手段によって制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記移動手段の移動により前記キャッピング手段と前記記録手段との当接及び離間を行ない、前記移動手段の移動により前記弁手段の開閉を制御し、前記移動手段の停止位置により前記キャッピング手段のそれぞれに対応する吐出口列の選択を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録手段は、インクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する電気熱変換体を備えているインクジェット記録手段であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクジェット記録手段は前記電気熱変換体が発生する熱エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
JP2002203037A 2002-07-11 2002-07-11 インクジェット記録装置 Withdrawn JP2004042446A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002203037A JP2004042446A (ja) 2002-07-11 2002-07-11 インクジェット記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002203037A JP2004042446A (ja) 2002-07-11 2002-07-11 インクジェット記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004042446A true JP2004042446A (ja) 2004-02-12

Family

ID=31709044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002203037A Withdrawn JP2004042446A (ja) 2002-07-11 2002-07-11 インクジェット記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004042446A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010120266A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013078940A (ja) * 2011-09-22 2013-05-02 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドのメンテナンス装置、液体噴射装置およびプリンター
JP2014128957A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Brother Ind Ltd 液体吐出装置
JP2014162023A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Roland Dg Corp 洗浄液供給機構

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010120266A (ja) * 2008-11-19 2010-06-03 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013078940A (ja) * 2011-09-22 2013-05-02 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッドのメンテナンス装置、液体噴射装置およびプリンター
JP2014128957A (ja) * 2012-12-28 2014-07-10 Brother Ind Ltd 液体吐出装置
JP2014162023A (ja) * 2013-02-22 2014-09-08 Roland Dg Corp 洗浄液供給機構

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3827302B2 (ja) インクジェット記録装置
JPH06134998A (ja) インクジェット記録装置
JP2008213219A (ja) インクジェット記録装置
JP2006224435A (ja) インクジェット記録装置
JP2004082578A (ja) キャッピング機構及びインクジェット記録装置
JPH0747679A (ja) インクジェット記録装置
JP2007160549A (ja) インクジェット記録装置
JP2002036603A (ja) インクジェット記録装置
JP4890693B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2007130807A (ja) インクジェット記録装置
JP2007130806A (ja) インクジェット記録装置
JP2004042446A (ja) インクジェット記録装置
JP3865135B2 (ja) 画像形成装置
JP2002225313A (ja) インクジェット記録装置
JP2006035786A (ja) インクジェット記録装置
JPH05286145A (ja) インクジェット記録装置
JP2001071519A (ja) インクジェット記録装置
JP2000015824A (ja) インクジェット記録装置
JP4174273B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2004090529A (ja) インクジェット記録装置及び該記録装置のクリーニング機構部
JP2005111686A (ja) インクジェット記録装置
JP2001246759A (ja) インクジェット記録装置
JP2006068994A (ja) インクジェット記録装置
JPH09262975A (ja) インクジェット記録装置
JP2005111690A (ja) インクジェット記録ヘッド用キャップ及びインクジェット記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050616

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A761 Written withdrawal of application

Effective date: 20050801

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761