JP2004040933A - 車両用電力回生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、電力回生開始時に制動効果によって、回転電機の回転速度が低下しても、所定の回転速度に低下するまで回転電機が発電機として動作し続けることができる車両用の車両用電力回生装置を提供することにある。
【解決手段】本発明は、車両が走行中に受ける走行風によって回転可能なファン10と、回転電機20と、電力回生回路30と、バッテリ40と、回転電機20の回転速度を検出する回転速度検出器50と、を備えている車両用電力回生装置1に関する。
この車両用電力回生装置1において、電力回生回路30は、回転電機20の回転速度が所定速度以上になった時に、電力回生を開始すると共に、電力回生開始時における回転電機20の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用電力回生装置に係り、特に、車両に配設された回転電機で発生した電力を回生するための車両用電力回生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、電気自動車、ハイブリッド車、内燃機関自動車等の車両には、電力を回生するための車両用電力回生装置が備えられている。この車両用電力回生装置は、車両の駆動軸に連結された回転電機を利用して、車両の制動時における機械的エネルギを電力に変換し、この電力を回生してバッテリを充電するように構成されている。
【0003】
そして、上記車両では、車両用電力回生装置を用いて電力を回生してバッテリを充電することで、バッテリの消費電力に対する充電電力の電力収支の向上が図られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の車両用電力回生装置では、バッテリを充電するために、車両の駆動軸から得られる機械的エネルギが利用されており、車両が走行中に受ける走行風により得られる風力エネルギは有効活用されていなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、風力エネルギによって回転電機において発生した電力を効率良く回生することができ、車両における電力収支を向上させることができる車両用電力回生装置を提供することにある。
【0006】
また、本発明の他の目的は、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる車両用電力回生装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題は、請求項1に記載の車両用電力回生装置によれば、車両が走行中に受ける走行風によって回転可能なファンと、該ファンの走行風による回転に伴って電力を発生する回転電機と、該回転電機で発生した電力を回生する電力回生回路と、該電力回生回路によって回生された電力を蓄積するバッテリと、を備えた車両用電力回生装置であって、前記電力回生回路は、前記回転電機の回転速度が所定速度以上になった時に、電力回生を開始すると共に、電力回生開始時における前記回転電機の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されていること、により解決される。
【0008】
このように、電力回生回路が、回転電機の回転速度が所定速度以上になった時に、電力回生を開始すると共に、電力回生開始時における回転電機の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されていると、回転電機を発電機として動作させることによって回転速度が低下しても、所定の回転速度に低下するまで回転電機が発電機として動作し続けることができるので、風力エネルギによって回転電機において発生した電力を効率良く回生することができ、車両における電力収支を向上させることができる。
【0009】
また、前記課題は、請求項2に記載の車両用電力回生装置によれば、車両が走行中に受ける走行風によって回転可能なファンと、該ファンの走行風による回転に伴って電力を発生する回転電機と、該回転電機で発生した電力を回生する電力回生回路と、該電力回生回路によって回生された電力を蓄積するバッテリと、を備えた車両用電力回生装置であって、前記電力回生回路は、前記車両の走行速度に応じて、電力回生の開始と終了とを切り替えるように構成されたこと、により解決される。
【0010】
このように、電力回生回路が、車両の走行速度に応じて、電力回生の開始と終了とを切り替えるように構成されていると、車両の走行状態に応じて電力を回生するように制御することが可能になるので、風力エネルギによって回転電機において発生した電力を効率良く回生することができ、車両における電力収支を向上させることができる。
【0011】
また、回転速度を検出するための回転速度検出器を回転電機に取り付けなくて済むので、回転電機の構造を簡略化することができ、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる。
【0012】
また、請求項3に記載の車両用電力回生装置のように、請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置において、ファンが車両に配設されたラジエータを冷却させるためのラジエータ冷却用ファンで構成され、回転電機がラジエータ冷却用ファンを回転駆動させるために車両に配設されたファンモータで構成されていると、車両に既存のラジエータ冷却用ファンおよびラジエータ冷却用ファンモータを、本車両用電力回生装置のファン及び回転電機として用いることができるので、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる。
【0013】
また、請求項4に記載の車両用電力回生装置のように、請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置において、ファンが車両に配設された車両用空調装置の送風用ブロワファンで構成され、回転電機が送風用ブロワファンを回転駆動させるために車両に配設されたブロワモータで構成されていると、車両に既存の送風用ブロワファンおよびブロワモータを、本車両用電力回生装置のファン及び回転電機として用いることができるので、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
【0015】
図1乃至図4は本発明の第一実施形態を示す図で、図1は車両用電力回生装置の全体構成を示すブロック図、図2は車両用電力回生装置を車両に搭載した状態を示す説明図、図3は電力回生回路の構成をより具体的に示す回路図、図4は車両用電力回生装置の動作を示すフローチャートである。また、図5乃至図7は本発明の第二実施形態を示す図で、図5は車両用電力回生装置の全体構成を示すブロック図、図6は車両用電力回生装置を車両に搭載した状態を示す説明図、図7は電力回生回路の構成をより具体的に示す回路図である。
【0016】
(第一実施形態)
図1に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1は、ハイブリッドカーや、内燃機関自動車等の車両において、電力の回生に用いられるものであり、ファン10と、回転電機としてのファンモータ20と、電力回生回路30と、バッテリ40と、回転速度検出器50と、を有して構成されている。
【0017】
ファン10は、図2に示すように、例えば、車両600の前方に搭載されたラジエータ610を冷却するためのものであり、回転軸11と、この回転軸11に放射状に配設された複数の羽根12とから構成されている。また、ファン10は、ファンモータ20に連結され、車両が走行中に受ける走行風によって回転することができるように構成されている。
【0018】
ファンモータ20は、図3に示すように、複数相の電機子巻線21a,21bを有して構成されたステータ22と、永久磁石で構成されると共にファン10に連結されたロータ23とからなるブラシレスモータで構成され、ファン10を回転駆動させると共に、ファン10の走行風による回転に伴って電力を発生することができるように構成されている。
【0019】
電力回生回路30は、ファンモータ20を回転駆動させると共に、ファンモータ20で発生した電力をバッテリ40に回生するための電気回路で、中央制御回路部31と、切替器32と、モータ回路部33と、を有して構成されている。
【0020】
中央制御回路部31は、CPU等の演算処理回路を有して構成されたものであり、ラジエータ610の内部に配設された図示しない冷却水温度センサなど、車両600に配設された図示しない種々のセンサからの入力信号や、回転速度検出器50から出力される回転速度信号を入力して、切替器32にモータ駆動動作信号および電力回生動作信号を出力することができるようになっていると共に、切替器32を介して、後述するドライバ34にモータ駆動指令信号および電力回生指令信号を出力することができるようになっている。
【0021】
切替器32は、例えば、リレースイッチ、トランジスタや、FET(電界効果トランジスタ)、IGBT(ベース端子絶縁形バイポーラトランジスタ)等からなるスイッチで構成され、中央制御回路部31からのモータ駆動動作信号または電力回生動作信号に応じて、回路切替動作を行い、ドライバ34にモータ駆動切替信号または電力回生切替信号を出力することができるようになっている。
【0022】
モータ回路部33は、ブラシレスモータ用の半波駆動回路で構成されており、ドライバ34と、スイッチング素子35a,35bと、ダイオード36a,36bと、を有して構成されている。
【0023】
ドライバ34は、所定の入力信号に応じて電気的な処理を行うことが可能なICで構成され、切替器32からの切替信号に応じて、モータ駆動動作待機状態と電力回生動作待機状態とに切り替えることができるようになっている。
【0024】
また、ドライバ34は、モータ駆動動作待機状態にあるときに、中央制御回路部31からのモータ駆動指令信号を入力することによりモータ駆動モードになり、モータ駆動用ドライバとして動作することができるようになっており、また、電力回生動作待機状態にあるときに、中央制御回路部31からの電力回生指令信号を入力することにより電力回生モードになり、電力回生用ドライバとして動作できるようになっている。
【0025】
さらに、ドライバ34は、回転速度検出器50からのロータ位置検出信号を入力することにより、モータ駆動動作および電力回生動作に応じたスイッチング信号やチョッパ信号をスイッチング素子35a,35bのベース端子に出力することができるようになっている。
【0026】
スイッチング素子35a,35bは、トランジスタで構成されており、スイッチング素子35a,35bのコレクタ端子は陽極電源線37に、エミッタ端子は電機子巻線21a,21bに、ベース端子はドライバ34にそれぞれ接続されている。
【0027】
このように接続されることにより、スイッチング素子35a,35bは、陽極電源線37から電機子巻線21a,21bへの電流の供給、停止をそれぞれスイッチングすることができるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態では、スイッチング素子35a,35bにトランジスタが用いられているが、その他、FET(電界効果トランジスタ)、IGBT(ベース端子絶縁形バイポーラトランジスタ)が用いられても良い。
【0029】
ダイオード36a,36bは、順方向にのみ電流を流すことができる整流素子で構成され、スイッチング素子35a,35bのコレクタ端子−エミッタ端子間において、陽極電源線37から陽極電源線38への電流の流れに対して逆方向になるように並列接続されている。
【0030】
このように接続されることにより、ダイオード36a,36bは、スイッチング素子35a,35bがオフのときに、電機子巻線21a,21bから流れる電流を陽極電源線37に流すことができるようになっている。
【0031】
なお、本実施形態では、切替器32が中央制御回路部31とドライバ34の間に接続されるようになっているが、ドライバ34内部に構成された所定の電気回路の中に切替器32が組み込まれるように構成されていても良く、また、スイッチング素子35a,35bとドライバ34との間に接続されるように構成されていても良い。
【0032】
バッテリ40は、車載用の直流型蓄電池で構成され、ファンモータ20に所定の電圧を出力すると共に、電力回生回路30によって回生された電力を蓄積することができるように構成されている。また、バッテリ40は、図2に示すように、車両600のエンジン620が搭載されたエンジンルーム内に配設されている。
【0033】
回転速度検出器50は、例えば、図3に示すファンモータ20に一体に組み込まれたホール素子等で構成され、ロータ23に配設された図示しない位置検出用マグネットから発せられる磁界の変化を検出して、ロータ位置検出信号をドライバ34に出力することができるようになっている。また、回転速度検出器50からの出力信号は、図1に示すように、回転速度信号として中央制御回路部31にも出力されるようになっている。
【0034】
なお、本実施形態では、回転速度検出器50からの出力信号が、中央制御回路部31に直接出力されるようになっているが、ドライバ34にて所定の処理を施された後に、中央制御回路部31に出力されるようになっていても良い。
【0035】
そして、上記各構成により、車両用電力回生装置1は、車両600に配設された図示しない種々のセンサからの入力信号や、回転速度検出器50から出力される回転速度信号に応じて、ファンモータ20を駆動させる動作(以下、モータ駆動動作と言う)と、ファンモータ20からの電力を回生する動作(以下、電力回生動作と言う)とを切り替えて行うことができるようになっている。
【0036】
以下に、本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1のモータ駆動動作および電力回生動作について説明する。
【0037】
はじめに、車両用電力回生装置1のモータ駆動動作について説明する。
図3に示す中央制御回路部31は、ラジエータ610の内部に配設された図示しない冷却水温度センサからの検出信号を所定の間隔で入力し、冷却水の温度が規定値を上回っていると判断した場合には、切替器32にモータ駆動動作信号を出力する。
【0038】
切替器32は、中央制御回路部31から出力されたモータ駆動動作信号を入力すると、回路切替動作を行い、ドライバ34に、バッテリ40からの電流をファンモータ20に流すべくモータ駆動切替信号を出力する。
【0039】
ドライバ34は、切替器32から出力されたモータ駆動切替信号を入力すると、モータ駆動動作待機状態になり、中央制御回路部31からのモータ駆動指令信号の入力を待つ。
【0040】
そして、中央制御回路部31は、冷却水温度センサからの検出信号に基づいて、ラジエータ610を冷却すべきと判断した場合には、切替器32を介してドライバ34にモータ駆動指令信号を出力する。
【0041】
ドライバ34は、中央制御回路部31から出力されたモータ駆動指令信号を入力すると、モータ駆動モードになり、回転速度検出器50からの回転速度信号に基づいて、スイッチング素子35a,35bの各ベース端子に、所定の順序でチョッパ信号を出力する。
【0042】
このようにして、スイッチング素子35a,35bのベース端子にそれぞれ入力されたチョッパ信号が、ロータ23の位置に応じて順次切り替わると、スイッチング素子35a,35bのコレクタ−エミッタ間がオン・オフを繰返し、バッテリ40の陽極から陽極電源線37に流れた電流が、所定の順序で電機子巻線21a,21bに流れる。
【0043】
そして、電機子巻線21a,21bに所定の順序で電流が流れると、電機子巻線21a,21bのうち、電流が流れた電機子巻線とロータ23の永久磁石とが吸引、反発し、ロータ23が一定の速度で回転し、これによりファン10が回転する。
【0044】
このようにして、車両用電力回生装置1は、ファン10を回転させることにより、図2に示すラジエータ610に冷却風を吹き付けて、ラジエータ610を冷却させることができる。
【0045】
次に、車両用電力回生装置の電力回生動作について説明する。
図3に示す中央制御回路部31は、ラジエータ610の内部に配設された図示しない冷却水温度センサからの検出信号や車両の走行速度センサ等から出力される信号を所定の間隔で入力し、車両走行中において、冷却水の温度が規定値を下回っていると判断した場合には、切替器32に電力回生動作信号を出力する。
【0046】
切替器32は、中央制御回路部31から出力された電力回生動作信号を入力すると、回路切替動作を行い、ドライバ34に、バッテリ40からファンモータ20への電力供給を停止すべく電力回生切替信号を出力する。これにより、ファン10およびファンモータ20は、外力により回転可能な状態になる。
【0047】
ドライバ34は、切替器32から出力された電力回生切替信号を入力すると、電力回生動作待機状態になり、中央制御回路部31からの電力回生指令信号の入力を待つ。一方、中央制御回路部31は、切替器32を介してドライバ34に電力回生指令信号を出力することができるように待機する。
【0048】
ここで、図4に、車両用電力回生装置1の電力回生動作を表すフローチャートを示す。以下、図4を適宜参照しながら、車両用電力回生装置1の電力回生動作について説明する。
【0049】
まず、車両600が高速走行を行うと、図2に示すように、車両600の前方からエンジンルーム内に走行風が流入し、この走行風がラジエータ610を通過してファン10に吹き付けられる。
【0050】
このようにして、ファン10に走行風が吹き付けられると、ファン10がモータ駆動時における回転方向と同じ方向に回転する。そして、ファン10が走行風により回転すると、図3に示すファンモータ20のロータ23は、モータ駆動時における回転方向と同じ方向に回転する。
【0051】
このとき、回転速度検出器50は、ファンモータ20の回転速度を検出し、回転速度に応じた回転速度信号をドライバ34および中央制御回路部31にそれぞれ出力する。
【0052】
そして、中央制御回路部31は、電力回生指令信号の出力待機状態で、ファンモータ20の回転速度に応じて出力される回転速度信号を回転速度検出器50から入力し、ファンモータ20の回転速度を検出する(図4のステップS1)。
【0053】
次に、中央制御回路部31は、入力した回転速度信号をカウントして演算することにより、ファンモータ20の回転速度を把握し、この回転速度が規定値を上回っているか否かを判断する(図4のステップS2)。
【0054】
そして、中央制御回路部31は、ファンモータ20の回転速度が依然として規定値を下回ったままであると判断した場合には、ファンモータ20にて発生する電力が回生するに十分でないため、そのまま電力回生指令信号を出力せずに待機する。
【0055】
一方、中央制御回路部31は、ファンモータ20の回転速度が規定値を上回ったと判断した場合には、ファンモータ20にて発生する電力が回生するに十分であるため、切替器32を介してドライバ34に電力回生指令信号を出力する。
【0056】
ドライバ34は、中央制御回路部31から出力された電力回生指令信号を入力すると、電力回生モードになり、電力の回生を開始する(図4のステップS3)。
【0057】
そして、ドライバ34は、回転速度検出器50から出力された回転速度信号に基づいて、スイッチング素子35a,35bの各ベース端子に、所定の順序でスイッチング信号を出力する。
【0058】
このようにして、スイッチング素子35a,35bのベース端子にスイッチング信号が入力されると、スイッチング素子35a,35bは、スイッチング信号に応じて、コレクタ端子−エミッタ端子間の導通、遮断を繰返し行う。
【0059】
ここで、ファン10が走行風を受けることにより、ファンモータ20のロータ23が、駆動時における回転方向と同じ方向に回転すると、ロータ23に配設された永久磁石によってステータ22に磁界の変化が与えられ、各電機子巻線21a,21bを貫く磁束が変化する。そして、各電機子巻線21a,21bを貫く磁束が変化することにより、各電機子巻線21a,21bに、短絡電流を流しつづけようとする極性の誘導起電力が生じる。
【0060】
そして、ロータ23が回転している状態において、スイッチング素子35aのベース端子に入力されたスイッチング信号がHIGHレベルになると、スイッチング素子35aの各コレクタ−エミッタ間が導通するので、電機子巻線21a,21bに生じた誘起電圧による電流が、スイッチング素子35aおよびダイオード36bを介して電機子巻線21a,21bに順次流れた後、短絡電流として再び電機子巻線21a,21bに流れる。この短絡電流は、電機子巻線21a,21bにおいて、エネルギとして蓄積される。
【0061】
その後、スイッチング素子35aのベース端子に入力されたスイッチング信号がLOWレベルになると、電機子巻線21a,21bに流れる電流が減少するため、上記誘起電圧に、さらに電機子巻線21a,21bにおける自己誘導作用による誘起電圧が加えられて昇圧される。そして、この昇圧された回生電圧によって、電機子巻線21a,21bから流れる電流が、ダイオード36bを介して陽極電源線37に流れ、バッテリ40に回生される。
【0062】
そして、ドライバ34からのスイッチング信号を所定周波数からなるチョッパ信号としてスイッチング素子35aに出力することにより、ロータ23の位置に応じた電機子巻線21a,21bによる発電動作と、昇圧チョッパ動作が同時に行なわれることになるので、電機子巻線21a,21bにて発電される回生電圧をバッテリ40の出力電圧よりも高く維持することができ、これにより、バッテリ40を充電することができる。
【0063】
また、回生電圧の回生効率を向上させるためには、スイッチング素子35aのベース端子に出力するチョッパ信号のデューティ比(信号のHIGHレベルとLOWレベルの時間的比率)を高くしておけば良い。
【0064】
そして、本実施形態では、ファン10が外力によって回転し、ファンモータ20が発電している間においても、中央制御回路部31は、ファンモータ20の回転速度に応じて出力される回転速度信号を回転速度検出器50から入力し、ファンモータ20の回転速度を検出する(図4のステップS4)。
【0065】
ここで、上記のように、回生電圧の回生効率を向上させるためには、スイッチング素子35aのベース端子に出力するチョッパ信号のデューティ比を高くする必要があるが、このようにすると、一般的にステータ22とロータ23との間に働く制動力が強くなるため、ファンモータ20の回転数が低下する。
【0066】
従って、本実施形態では、電力回生回路30により電力回生を開始した直後に、ファンモータ20の回転速度が低下しても、直ちに電力回生が終了してしまうことのないように、電力回生回路30の電力回生開始時におけるファンモータ20の回転速度よりも遅い速度で、電力回生回路30の電力回生を終了させるようにしている。
【0067】
例を上げて具体的に説明すると、中央制御回路部31は、ファンモータ20の回転速度が1000rpm以上のときに、切替器32を介してドライバ34に電力回生指令信号を出力するようになっており、また、ファンモータ20の電力回生開始時における回転速度よりも遅い500rpm以下になったときに、ドライバ34への電力回生指令信号の出力を停止するようになっている。
【0068】
このように、中央制御回路部31は、電力回生開始時におけるファンモータ20の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了することができるので、ファンモータ20を発電機として動作させることによって回転速度が低下しても、所定の回転速度に低下するまでファンモータ20が発電機として動作し続けることができ、これにより、ファンモータ20において発生した電力を効率良く回生することができる。
【0069】
そして、中央制御回路部31は、入力した回転速度信号をカウントして演算することにより、ファンモータ20の回転速度を把握し、車両600の走行速度低下などにより、電力回生時におけるファンモータ20の回転速度が規定値を下回っているか否かを判断する(図4のステップS5)。
【0070】
そして、中央制御回路部31は、ファンモータ20の回転速度が依然として規定値を上回ったままであると判断した場合には、ファンモータ20にて発生する電力を回生するため、そのまま電力回生動作信号の出力を停止せずに、回転速度を検出し続ける。
【0071】
一方、中央制御回路部31は、ファンモータ20の回転速度が規定値を下回ったと判断した場合には、ファンモータ20にて発生する電力が回生するに十分でないため、ドライバ34への電力回生指令信号の出力を停止し、電力の回生を終了する(図4のステップS6)。
【0072】
そして、車両600の走行速度低下などにより、エンジン620の温度が上昇し、ラジエータ610を冷却する場合には、ファンモータ20を電動機として回転駆動させる必要があるので、電力回生動作を終了しモータ駆動動作に移行するか、このまま電力回生動作を継続するかの判断を行う(図4のステップS7)。
【0073】
そして、ファンモータ20を発電機として引き続き動作させる場合には、電力回生動作を継続し、ファンモータ20を電動機として回転駆動させる必要がある場合には、電力回生動作を終了する。
【0074】
このように、本実施形態の車両用電力回生装置1によれば、電力回生回路30が、ファンモータ20の回転速度が所定速度以上になった時に、電力回生を開始すると共に、電力回生開始時におけるファンモータ20の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されているので、ファンモータ20を発電機として動作させることによって回転速度が低下しても、所定の回転速度に低下するまでファンモータ20が発電機として動作し続けることができ、これにより、回転電機において発生した電力を効率良く回生することができるため、車両における電力収支を向上させることができる。
【0075】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置について説明する。
図5に示す符号101は、本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置である。本実施形態に係る車両用電力回生装置101は、ファン110、回転電機としてのブロワモータ120、電力回生回路130、バッテリ140、走行速度検出器150と、を有して構成されている。
【0076】
ファン110は、図6に示すように、例えば、車両700に搭載された車両用空調装置710において、車内に空気を送り込むためのものであり、回転軸111と、この回転軸111に放射状に配設された複数の羽根112とから構成されている。また、ファン110は、ブロワモータ120に連結され、車両が走行中に受ける走行風によって回転することができるように構成されている。
【0077】
ブロワモータ120は、図7に示すように、永久磁石からなるステータ122と、3相の電機子巻線121およびコンミテータ125からなるロータ123と、ブラシ124a,124bと、を備えた直流型回転電機で構成され、ファン110を回転駆動させると共に、ファン110の走行風による回転に伴って電力を発生することができるように構成されている。
【0078】
ブラシ124a,124bは、図示しないスプリング等でコンミテータ125に押圧当接され、これにより、バッテリ140から流れる電流がコンミテータ125を介して各電機子巻線121に流れるようになっている。
【0079】
電力回生回路130は、ブロワモータ120を回転駆動させると共に、ブロワモータ120で発生した電力をバッテリ140に回生するための電気回路で、中央制御回路部131と、切替器132と、モータ回路部133と、を有して構成されている。
【0080】
中央制御回路部131は、CPU等の演算処理回路を有して構成されたものであり、車両用空調装置710の動作信号や、走行速度検出器150から出力される走行速度信号を入力して、切替器132にモータ駆動動作信号および電力回生動作信号を出力すると共に、後述するチョップ部135をチョッパ制御させるためのチョッパ信号を出力することができるように構成されている。
【0081】
切替器132は、図7に示すように、端子132a,端子132b,共通端子132cを有して構成され、中央制御回路部131からのモータ駆動動作信号または電力回生動作信号に応じて、共通端子132cとの接続を端子132a若しくは端子132bに切り替えることができるように構成されている。なお、切替器132は、好ましくはリレースイッチが用いられるが、他にも、トランジスタや、FET(電界効果トランジスタ)、IGBT(ベース端子絶縁形バイポーラトランジスタ)が用いられても良い。
【0082】
そして、切替器132の端子132aは、陽極電源線137を介してバッテリ140の陽極端子に接続され、端子132bは、ダイオード136のアノード端子に接続されている。また、切替器132の共通端子132cは、ブロワモータ120のブラシ124aに接続され、ブラシ124bは、陰極電源線138を介してバッテリ140の陰極端子に接続されている。
【0083】
モータ回路部133は、チョップ部135と、ダイオード136と、各電源線137,138,139とからなる電気回路で構成され、ブロワモータ120で発生した電力を回生すると共に、切替器132の切替動作に応じて、ブロワモータ120への電力供給及び電力回生を行うことができるように構成されている。
【0084】
チョップ部135は、トランジスタで構成されており、中央制御回路部131からのチョッパ信号をベース端子に入力することにより、コレクタ端子−エミッタ端子間の導通、遮断を切り替えることができるように構成されている。すなわち、チョップ部135のベース端子にHIGHレベル信号が入力されると、コレクタ−エミッタ間が導通し、チョップ部135のベース端子にLOWレベル信号が入力されると、コレクタ端子−エミッタ端子間が遮断するように構成されている。
【0085】
そして、チョップ部135のベース端子は、中央制御回路部131に接続され、コレクタ端子は、ダイオード136と切替器132の端子132bとの間に接続され、エミッタ端子は、陰極電源線138に接続されている。
【0086】
なお、本実施形態では、チョップ部135にトランジスタが用いられているが、その他、FET(電界効果トランジスタ)、IGBT(ベース端子絶縁形バイポーラトランジスタ)が用いられても良い。
【0087】
ダイオード136は、順方向にのみ電流を流すことができる整流素子で構成され、そのカソード端子が電力回生用電源線139を介して陽極電源線137に接続されることにより、バッテリ140からの電流の流れに対して逆方向になるように配線接続されている。
【0088】
バッテリ140は、車載用の直流型蓄電池で構成され、ブロワモータ120に所定の電圧を出力すると共に、電力回生回路130によって回生された電力を蓄積することができるように構成されている。また、バッテリ140は、図6に示すように、車両700に形成されたエンジンルーム内の所定箇所に配設されている。
【0089】
走行速度検出器150は、車両700の駆動系に配設された車輪速度センサ等で構成され、車両700の走行速度に応じた走行速度信号を中央制御回路部131に出力することができるようになっている。
【0090】
そして、上記各構成により、車両用電力回生装置101は、車両用空調装置710の動作信号や、走行速度検出器150から出力される走行速度信号に応じて、ブロワモータ120を駆動させる動作(以下、モータ駆動動作と言う)と、ブロワモータ120からの電力を回生する動作(以下、電力回生動作と言う)とを切り替えて行うことができるようになっている。
【0091】
以下に、本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101のモータ駆動動作および電力回生動作について説明する。
【0092】
はじめに、車両用電力回生装置101のモータ駆動動作について説明する。
図7に示す中央制御回路部131は、車両用空調装置710の動作信号を入力した場合には、切替器132に、モータ駆動動作信号を出力する。
【0093】
切替器132は、中央制御回路部131から出力されたモータ駆動動作信号を入力すると、端子132aと共通端子132cとを接続するように回路切替動作を行う。
【0094】
この回路切替動作によって、端子132aと共通端子132cとが接続されると、バッテリ140の電圧が、ブロワモータ120のブラシ124a,124b間に印加され、バッテリ140の陽極端子からブラシ124aに電流が流れる。
【0095】
ブラシ124aに流れてきた電流は、コンミテータ125によって各電機子巻線121に整流され、これにより、電流が流れた電機子巻線121は磁界を発生する。そして、電機子巻線121から生ずる磁界と、ステータ122に発生する磁界との吸引、反発力によりロータ123が回転し、この回転力がファン110に伝達されてファン110が回転する。
【0096】
このようにして、車両用電力回生装置101は、ファン110を回転させることにより、図6に示す車両用空調装置710の空気吹出口711から車両700の車内に空気を送り出すことができる。
【0097】
次に、車両用電力回生装置101の電力回生動作について説明する。
図7に示す中央制御回路部131は、車両用空調装置710の動作信号が入力されていない場合には、切替器132に電力回生動作信号を出力する。
【0098】
切替器132は、中央制御回路部131から出力された電力回生動作信号を入力することにより、回路切替動作を行う。この回路切替動作によって、端子132aと共通端子132cとの接続が解除され、端子132bと共通端子132cとが接続されると、バッテリ140からブロワモータ120への電力供給が停止されてファン110が外力により回転可能な状態になる。
【0099】
そして、ファン110が外力により回転可能な状態にあるときに、中央制御回路部131は、チョップ部135にチョッパ信号を出力することができるように待機する。
【0100】
ここで、ファン110が外力により回転可能な状態にあるときに、車両700が高速走行を行うと、図6に示すように、車両700の前方からエンジンルーム内に走行風が流入し、この走行風が車両用空調装置710の外気取入口712を通過してファン110に吹き付けられる。
【0101】
このようにして、ファン110に走行風が吹き付けられると、ファン110がモータ駆動時における回転方向と同じ方向に回転する。そして、ファン110が走行風により回転すると、図7に示すブロワモータ120のロータ123は、モータ駆動時における回転方向と同じ方向に回転する。
【0102】
このとき、回転速度検出器50は、車両700の走行速度を検出し、走行速度に応じた走行速度信号を中央制御回路部131に出力する。そして、中央制御回路部31は、チョッパ信号の出力待機状態で、車両700の走行速度に応じて出力される走行速度信号を走行速度検出器150から入力し、車両700の走行速度を検出する。
【0103】
次に、中央制御回路部131は、入力した走行速度信号をカウントして演算することにより、車両700の走行速度を把握し、この走行速度が規定値を上回っているか否かを判断する。
【0104】
そして、中央制御回路部131は、車両700の走行速度が規定値を下回っている場合には、ブロワモータ120に十分な走行風が吹き付けられておらず、これにより、ブロワモータ120にて発生する電力が回生するに十分でないと判断し、そのままチョッパ信号を出力せずに待機する。
【0105】
一方、中央制御回路部131は、車両700の走行速度が規定値(例えば時速80km)を上回った場合には、ブロワモータ120に十分な走行風が吹き付けられており、これにより、ブロワモータ120にて発生する電力が回生するに十分であると判断し、チョップ部135にチョッパ信号を出力する。これにより、電力回生回路130は、電力回生モードになり、電力回生を開始する。
【0106】
そして、チョップ部135は、ベース端子にチョッパ信号が入力されると、その信号に応じて、コレクタ端子−エミッタ端子間の導通、遮断を繰返し行う。
【0107】
ここで、ファン110が走行風を受けることにより、ブロワモータ120のロータ123が、駆動時における回転方向と同じ方向に回転すると、ステータ122の永久磁石によってロータ123に磁界の変化が与えられ、各電機子巻線21a,21bを貫く磁束が変化する。そして、各電機子巻線21a,21bを貫く磁束が変化することにより、各電機子巻線21a,21bに、短絡電流を流しつづけようとする極性の誘導起電力が生じる。
【0108】
そして、ロータ123が回転している状態において、チョップ部135のベース端子に入力されたチョッパ信号がHIGHレベルになると、チョップ部135のコレクタ端子−エミッタ端子間が導通するので、ブラシ124a,124b間に生じた誘起電圧によってブラシ24aから流れ出た電流は、チョップ部135のコレクタ端子−エミッタ端子間を流れ、短絡電流としてブラシ124bに流れる。
【0109】
このブラシ124bに流れてきた短絡電流は、電機子巻線121のうち、所定の電機子巻線を介して再びブラシ124aに流れる。このように、ベース端子に入力されたチョッパ信号がHIGHレベルにあるときは、電機子巻線121のうち、所定の電機子巻線に短絡電流が流れてエネルギが蓄積される。
【0110】
その後、中央制御回路部131からチョップ部135のベース端子に入力されたチョッパ信号がLOWレベルになると、電機子巻線121に流れる電流が減少するため、上記誘起電圧に、さらに電機子巻線121における自己誘導作用による誘起電圧が加えられて昇圧される。そして、この昇圧された回生電圧によって、電機子巻線121から流れる電流が、ダイオード136を介して陽極電源線137に流れ、バッテリ140に回生される。
【0111】
そして、中央制御回路部131からのチョッパ信号を、所定周波数を伴うようにして出力することにより、ロータ123の位置に応じた電機子巻線121による発電動作と、昇圧チョッパ動作が同時に行なわれることになるので、電機子巻線121にて発電される回生電圧をバッテリ140の出力電圧よりも高く維持することができ、これにより、バッテリ140を充電することができる。
【0112】
このようにして、車両用電力回生装置101は、車両700の速度がそれほど速くないときでも、ブロワモータ120で発生した電圧を昇圧させることにより、回生電圧をバッテリ140の出力電圧よりも高く維持することができるので、バッテリ140を充電することができる。
【0113】
また、回生電圧が、バッテリ140の定格電圧を超えてしまうような場合には、チョップ部135のベース端子に出力するチョッパ信号のデューティ比を下げれば良い。このようにすれば、バッテリ140には、デューティ比に相応した平均電圧が印加されるため、回生電圧をバッテリ140の定格内に納めることが可能になる。
【0114】
そして、中央制御回路部131は、入力した走行速度信号をカウントして演算することにより、車両700の走行速度を把握し、走行速度が規定値を下回っているか否かを判断する。
【0115】
そして、中央制御回路部131は、走行速度が依然として規定値を上回ったままであると判断した場合には、ブロワモータ120にて発生する電力を回生するため、そのままチョッパ信号の出力を停止せずに、走行速度を検出し続ける。
【0116】
一方、中央制御回路部131は、ブロワモータ120の走行速度が規定値を下回ったと判断した場合には、ファン110に走行風が十分に吹き付けられておらず、ブロワモータ120にて発生する電力が回生するに十分でないため、チョップ部135へのチョッパ信号の出力を停止し、電力の回生を終了する。
【0117】
なお、車両用電力回生装置101による電力回生中に、車両用空調装置710の動作信号が中央制御回路部131に入力された場合には、車両用電力回生装置101は、電力回生を終了し、モータ駆動動作に移行する。
【0118】
このように、本実施形態の車両用電力回生装置101によれば、車両700の走行速度を走行速度検出器150を用いて検出し、これによって検出された信号に基づいて電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしているので、車両700の走行状態に応じた電力回生を行うことができる。これにより、電力回生を効率良く行うことができるので、車両700における電力収支を向上させることができる。
【0119】
なお、本発明の第二実施形態において、電力回生回路130の電力回生開始時における走行速度よりも遅い速度で、電力回生回路130の電力回生を終了させるようにしても良い。
【0120】
例を上げて具体的に説明すると、中央制御回路部131は、例えば、車両700の走行速度が80km/h以上のときに、電力回生回路130の電力回生を開始すべく、チョップ部135にチョッパ信号を出力するようにし、走行速度が70km/h以下になったときに、電力回生回路130の電力回生を終了すべく、チョップ部135へのチョッパ信号の出力を停止するようにしても良い。
【0121】
このように、中央制御回路部131は、電力回生開始時における車両700の走行速度よりも遅い速度で、電力回生を終了することができると、電力回生回路130により電力回生を開始した直後に、車両700の走行速度が低下しても、所定の走行速度に低下するまでブロワモータ120が発電機として動作し続けることができるので、ブロワモータ120において発生した電力を効率良く回生することができる。
【0122】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)図1,図2に示すように、本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1には、車両600が走行中に受ける走行風によって回転可能なファン10と、ファン10の走行風による回転に伴って電力を発生するファンモータ20と、ファンモータ20で発生した電力を回生する電力回生回路30と、電力回生回路30によって回生された電力を蓄積するバッテリ40と、が備えられているので、車両600が走行中に受ける走行風により得られる風力エネルギを用いて電力を回生することができ、車両600における電力収支を向上させることができる。
【0123】
(ロ)また、車両用電力回生装置1によれば、車両600に既存のラジエータ冷却用ファンおよびラジエータ冷却用ファンモータを、電力を回生するためのファン及び回転電機として用いることができるので、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる。
【0124】
(ハ)また、車両用電力回生装置1は、回転速度検出器50で検出された回転速度検出信号に応じて、電力回生回路30による電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしているので、ファンモータ20の回転状態に応じた電力回生を行うことができ、これにより、電力回生を効率良く行うことができる。
【0125】
(ニ)特に、車両用電力回生装置1では、中央制御回路部31が、電力回生開始時におけるファンモータ20の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了することができるので、ファンモータ20が通電されて電動機として回転駆動している状態から電源を遮断して発電機として動作させることによって回転速度が低下しても、所定の回転速度に低下するまでファンモータ20が発電機として動作し続けることができ、これにより、ファンモータ20において発生した電力を効率良く回生することができる。
【0126】
(ホ)図5,図6に示すように、本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101には、車両700が走行中に受ける走行風によって回転可能なファン110と、ファン110の走行風による回転に伴って電力を発生するブロワモータ120と、ブロワモータ120で発生した電力を回生する電力回生回路130と、電力回生回路130によって回生された電力を蓄積するバッテリ140と、が備えられているので、車両700が走行中に受ける走行風により得られる風力エネルギを用いて電力を回生することができ、車両700における電力収支を向上させることができる。
【0127】
(ヘ)また、モータ回転速度を検出するための回転速度検出器をブロワモータ120に取り付けなくて済むので、ブロワモータ120の構造を簡略化することができ、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる。
【0128】
(ト)また、車両用電力回生装置101によれば、車両700に既存の送風用ブロワファンおよびブロワモータを、電力を回生するためのファン及び回転電機として用いることができるので、部品コストを増加させることなく、電力を回生させることができる。
【0129】
(チ)また、車両用電力回生装置101は、走行速度検出器150で検出された走行速度検出信号に応じて、電力回生回路130による電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしているので、ブロワモータ120の回転状態に応じた電力回生を行うことができ、これにより、電力回生を効率良く行うことができる。
【0130】
なお、本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)図3に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1では、ファンモータ20が2相の電機子巻線21a,21bを有して構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0131】
すなわち、ファンモータ20は、2相の電機子を有して構成されたものの他にも、電機子巻線を並列に接続することにより、4相や6相などに改変することができる。このとき、モータ回路部33には、各相の電機子巻線にスイッチング素子がそれぞれ直列に接続され、このスイッチング素子を1つ以上スイッチングすることにより、電力回生するようにしても良い。
【0132】
(b)図3に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1では、モータ回路部33が半波駆動回路で構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、モータ回路部33は、半波駆動回路で構成される以外にも、全波駆動回路で構成されていても良い。
【0133】
ここで、図8に、本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置の改変例を示す。本実施形態の改変例に係る車両用電力回生装置201は、本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1のファンモータ20と電力回生回路30の代わりに、ファンモータ220と電力回生回路230をそれぞれ用いて構成されたものである。
【0134】
ファンモータ220は、U,V,Wの三相星形結線された電機子巻線221U,221V,221Wが配設されたステータ222と、永久磁石が配設されたロータ223と、を有して構成され、ロータ223の回転軸にはファン10が連結されている。
【0135】
電力回生回路230は、上アームを構成するスイッチング素子231a〜231cおよびダイオード232a〜232cと、下アームを構成するスイッチング素子231d〜231fおよびダイオード232b〜232fと、がブリッジ接続された全波駆動回路からなるモータ回路部233を有して構成されている。
【0136】
そして、上記構成からなる車両用電力回生装置201は、モータ駆動動作時には、ドライバ34から各スイッチング素子231a〜231fに所定の順序でチョッパ信号を出力することにより、ファンモータ220を駆動させてファン10を回転させることにより、図2に示すラジエータ610に冷却風を吹き付けて、ラジエータ610を冷却させることができるようになっている。
【0137】
また、電力回生動作時には、上アームのスイッチング素子231a〜231cを全てオフにした状態で、下アームのスイッチング素子231d〜231fのうち少なくとも一つ以上をスイッチングすることにより、電機子巻線221U,221V,221Wに短絡電流を流し続けようとする極性の誘起起電力が生じ、これにより、バッテリに回生電流が流れる。
【0138】
このように、本実施形態の車両用電力回生装置201においても、車両600が走行中に受ける走行風により得られる風力エネルギを用いて電力を回生することができるので、車両における電力収支を向上させることができる。
【0139】
なお、上記改変例において、モータ回路部233は、3相の電機子巻線を有して構成されていたが、2相の電機子巻線を有して構成されていても良い。
【0140】
また、上記改変例において、電力回生動作時にモータ回路部233は、上アームのスイッチング素子231a〜231cを全てオフにした状態で、下アームのスイッチング素子231d〜231fのうち少なくとも一つ以上をスイッチングしていたが、下アームのスイッチング素子231d〜231fを全てオフにした状態で、上アームのスイッチング素子231a〜231cのうち少なくとも一つ以上をスイッチングしても良い。
【0141】
(c)図1に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1では、回転速度検出器50を用いてファンモータ20の回転速度を検出し、この検出結果に応じて電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしていたが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0142】
例えば、本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1は、車輪速度センサ等の走行速度検出器を用い、この走行速度検出器の検出結果に応じて電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしても良い。
【0143】
このようにすることにより、回転速度検出器50を使用しなくても済むようにすることができるので、ファンモータ20の回転速度検出器取付部の構造を簡略化することができる。
【0144】
(d)図7に示す本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101では、電力回生回路130のチョップ部135を制御して、ブロワモータ120の電機子巻線121に短絡電流を流しエネルギを蓄積させていたが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、電力回生回路130は、電機子巻線の他にも、回生電圧を昇圧する手段を有して構成されていても良い。
【0145】
ここで、図9に、本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置の改変例を示す。本実施形態の改変例に係る車両用電力回生装置301は、本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101の電力回生回路130に昇圧用コイル134を追加して構成されたものである。
【0146】
昇圧用コイル134は、ブロワモータ120で発生した電圧を昇圧させるためのもので、所定のインダクタンスを備えたインダクタで構成されており、昇圧用コイル134の両端は、ダイオード136のアノード端子および切替器132の端子132bにそれぞれ接続されている。なお、昇圧用コイル134のインダクタンスは、それを大きくすれば、より大きな昇圧効果が得られるが、インダクタでの電圧降下を考慮して、最適な値に設定されることが望ましい。
【0147】
そして、上記構成からなる車両用電力回生装置301は、電力回生動作時には、チョップ部135をスイッチングすることにより、電機子巻線121および昇圧用コイル134に短絡電流を流し続けようとする極性の誘起起電力が生じるため、ブラシ124a,124b間に生じた誘導起電力による誘起電圧に、昇圧用コイル134の両端子間に生じた誘導起電力による誘導電圧の分だけ昇圧させた電圧が、回生電圧としてバッテリ140に印加され、この回生電圧によって、バッテリ140に回生電流が流れる
【0148】
このように、本実施形態の車両用電力回生装置301においても、車両700が走行中に受ける走行風により得られる風力エネルギを用いて電力を回生することができるので、車両における電力収支を向上させることができる。
【0149】
(e)図3に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1では、ファンモータ20にブラシレスモータが用いられていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、車両用電力回生装置1は、図7に示すようなブラシ付き直流モータを有して構成されていても良い。
【0150】
また、図7に示す本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101では、ブロワモータ120にブラシ付き直流モータが用いられていたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、車両用電力回生装置101は、図3に示すようなブラシレスモータを有して構成されていても良い。
【0151】
(f)図1に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1では、ファン10が車両600に配設されたラジエータ610を冷却させるためのラジエータ冷却用ファンで構成され、回転電機20がラジエータ冷却用ファンを回転駆動させるために車両600に配設されたファンモータで構成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0152】
例えば、ファン10は、図6に示す車両700に配設された車両用空調装置710の送風用ブロワファンで構成され、回転電機20は、送風用ブロワファンを回転駆動させるために車両700に配設されたブロワモータで構成されていても良い。
【0153】
また、図5に示す本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101では、ファン110が車両700に配設された車両用空調装置710の送風用ブロワファンで構成され、回転電機120は、送風用ブロワファンを回転駆動させるために車両700に配設されたブロワモータで構成されていたが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0154】
例えば、ファン110は、図2に示す車両600に配設されたラジエータ610を冷却させるためのラジエータ冷却用ファンで構成され、回転電機120がラジエータ冷却用ファンを回転駆動させるために車両600に配設されたファンモータで構成されていても良い。
【0155】
さらに、上記実施形態に係る車両用電力回生装置1,101において、ファン10,110は、車両の外装表面に複数配設されて、走行風によって回転するように構成されていても良い。
【0156】
このとき、複数のファン10,110に連結される回転電機は、直列配線されていることが望ましい。このように配線すると、複数の回転電機で発生する合計電圧値は、1個あたりの回転電機の発生電圧値に、直列に接続された回転電機の個数を掛け合わせた値となるので、車両が中低速で走行している場合でも、複数の回転電機で発生する合計電圧をバッテリ40,140の出力電圧よりも高く維持することができ、バッテリ40,140に電力を回生させることができる。
【0157】
(g)図3に示す本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1では、中央制御回路部31からドライバ34へ出力される電力回生指令信号の有無によって電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0158】
例えば、本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置1は、中央制御回路部31から切替器32へ出力されるモータ駆動動作信号または電力回生動作信号に応じて電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしても良い。
【0159】
また、図5に示す本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置101では、中央制御回路部131からチョップ部135へ出力されるチョッパ信号の有無によって電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0160】
例えば、本発明の第ニ実施形態に係る車両用電力回生装置101は、中央制御回路部131から切替器132へ出力されるモータ駆動動作信号または電力回生動作信号に応じて電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしても良い。また、陽極電源線137に新たな切替器を接続し、この切替器を中央制御回路部131によって切り替えることによって、電力回生回路130の電力回生の開始と終了とを切り替えるようにしても良い。
【0161】
上記各実施の形態から把握できる請求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に記載する。
【0162】
(1)前記車両用電力回生装置は、前記回転電機の回転速度を検出する回転速度検出器を備え、前記電力回生回路は、前記回転速度検出器に電気的に接続された中央制御回路部と、該中央制御回路部に電気的に接続されると共に前記回転電機に所定のモータ駆動電圧を供給するモータ回路部と、を有して構成され、前記中央制御回路部は、前記回転速度検出器から出力される回転速度検出信号に基づいて、前記モータ回路部による電力回生の開始と終了とを切り替えるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用電力回生装置。
【0163】
このように、車両用電力回生装置が、回転電機の回転速度を検出する回転速度検出器を備え、電力回生回路が、回転速度検出器に電気的に接続された中央制御回路部と、この中央制御回路部に電気的に接続されると共に回転電機に所定のモータ駆動電圧を供給するモータ回路部と、を有して構成され、中央制御回路部は、回転速度検出器から出力される回転速度検出信号に基づいて、モータ回路部による電力回生の開始と終了とを切り替えるように構成されていると、回転電機の回転速度に応じて電力を回生するように制御することが可能になるので、回転電機において発生した電力を効率良く回生することができ、車両における電力収支を向上させることができる。
【0164】
(2)前記回転電機は、ブラシレスモータで構成され、前記電力回生回路は、複数のスイッチング素子と各スイッチング素子に並列接続された複数のダイオードとからなる半波駆動回路部を有して構成され、前記複数のスイッチング素子の少なくとも1つをスイッチングすることにより電力回生を行うように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置。
【0165】
このように、回転電機がブラシレスモータで構成されると、モータ駆動動作時には、比較的少ない電力でモータ駆動制御を行うことができるので、モータ駆動効率を向上させることができる。
【0166】
また、電力回生回路が半波駆動回路部を有して構成されていると、電力を回生するだけでなく、モータの駆動制御を行うこともできるので、モータを駆動させるための駆動制御回路を不要とすることができ、これにより、部品コストの増加を防ぐことができる。さらに、半波駆動回路部を用いて、発電動作と昇圧チョッパ動作とを同時に行わせることができるので、電力回生動作の効率を向上させることができる。
【0167】
(3)前記回転電機は、ブラシレスモータで構成され、前記電力回生回路は、ブリッジ接続された複数のスイッチング素子と各スイッチング素子に並列接続された複数のダイオードとからなる全波駆動回路部を有して構成され、該全波駆動回路の上アーム側又は下アーム側の少なくとも一方に接続された複数のスイッチング素子の少なくとも1つをスイッチングすることにより電力回生を行うように構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置。
【0168】
このように、回転電機がブラシレスモータで構成されると、モータ駆動動作時には、比較的少ない電力でモータ駆動制御を行うことができるので、モータ駆動効率を向上させることができる。
【0169】
また、電力回生回路が全波駆動回路部を有して構成されていると、電力を回生するだけでなく、モータの駆動制御を行うこともできるので、モータを駆動させるための駆動制御回路を不要とすることができ、これにより、部品コストの増加を防ぐことができる。さらに、全波駆動回路部を用いて、発電動作と昇圧チョッパ動作とを同時に行わせることができるので、電力回生動作の効率を向上させることができる。
【0170】
(4)前記回転電機は、ブラシ付き直流モータで構成され、前記電力回生回路は、前記回転電機と並列に接続されると共に前記回転電機の電機子巻線に流れる短絡電流のスイッチング動作を行うチョップ部と、該チョップ部をチョッパ制御する制御回路部と、を有して構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置。
【0171】
このように構成すると、回転電機で発生した電圧を昇圧させることができるので、より大きな電力をバッテリに回生させることができる。また、車両が中低速で走行している場合でも、回転電機で発生した電圧を昇圧させることにより、回転電機で発生した電圧をバッテリの出力電圧よりも高く維持することができるので、バッテリに電力を回生させることができる。
【0172】
(5)前記回転電機は、ブラシ付き直流モータで構成され、前記電力回生回路は、前記回転電機と直列に接続されると共に前記回転電機で発生した電圧を昇圧させる昇圧用コイルと、該昇圧用コイルと並列に接続されると共に前記昇圧用コイルに流れる短絡電流のスイッチング動作を行うチョップ部と、該チョップ部をチョッパ制御する制御回路部と、を有して構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置。
【0173】
このように構成すると、回転電機で発生した電圧を昇圧させることができるので、より大きな電力をバッテリに回生させることができる。また、車両が中低速で走行している場合でも、昇圧用コイルを用いて回転電機で発生した電圧を昇圧させることにより、回転電機で発生した電圧をバッテリの出力電圧よりも高く維持することができるので、バッテリに電力を回生させることができる。
【0174】
(6)前記電力回生回路は、電力回生開始時における前記車両の走行速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の車両用電力回生装置。
【0175】
このように、電力回生回路が、電力回生開始時における車両の走行速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されていると、電力回生を開始した直後に、車両の走行速度が低下しても、所定の走行速度に低下するまで回転電機が発電機として動作し続けることができるので、回転電機において発生した電力を効率良く回生することができる。
【0176】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の車両用電力回生装置によれば、電力回生回路が、回転電機の回転速度が所定速度以上になった時に、電力回生を開始すると共に、電力回生開始時における回転電機の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されているので、回転電機を発電機として動作させることによって回転速度が低下しても、所定の回転速度に低下するまで回転電機が発電機として動作し続けることができ、これにより、回転電機において発生した電力を効率良く回生することができるため、車両における電力収支を向上させることができる。
【0177】
また、本発明のもう一つの車両用電力回生装置によれば、電力回生回路が、車両の走行速度に応じて、電力回生の開始と終了とを切り替えるように構成されているので、車両の走行状態に応じて電力を回生するように制御することができ、これにより、回転電機において発生した電力を効率良く回生することができるため、車両における電力収支を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置を車両に搭載した状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係る電力回生回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置の全体構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置を車両に搭載した状態を示す説明図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る電力回生回路の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第一実施形態に係る車両用電力回生装置の改変例を示す回路図である。
【図9】本発明の第二実施形態に係る車両用電力回生装置の改変例を示す回路図である。
【符号の説明】
1,101,201,301 車両用電力回生装置、10,110 ファン、11,111 回転軸、12,112 羽根、20,220 ファンモータ(回転電機)、21a,21b,121,221U,221V,221W 電機子巻線、22,122,222 ステータ、23,123,223 ロータ、24a,24b ブラシ、30,130,230 電力回生回路、31,131 中央制御回路部、32,132 切替器、33,133,233 モータ回路部、34ドライバ、35a,35b スイッチング素子、36a,36b,136 ダイオード、37,137 陽極電源線、38,138 陽極電源線、40,140 バッテリ、50 回転速度検出器、120 ブロワモータ(回転電機)、124a,124b ブラシ、125 コンミテータ、132a,132b,132c 端子、134 昇圧用コイル、135 チョップ部、139 電力回生用電源線、150 走行速度検出器、231a,231b,231c,231d,231e,231f スイッチング素子、232a,232b,232c,232d,232e,232f ダイオード、600,700 車両、610 ラジエータ、620 エンジン、710 車両用空調装置、711 空気吹出口、712 外気取入口

Claims (4)

  1. 車両が走行中に受ける走行風によって回転可能なファンと、
    該ファンの走行風による回転に伴って電力を発生する回転電機と、
    該回転電機で発生した電力を回生する電力回生回路と、
    該電力回生回路によって回生された電力を蓄積するバッテリと、を備えた車両用電力回生装置であって、
    前記電力回生回路は、前記回転電機の回転速度が所定速度以上になった時に、電力回生を開始すると共に、電力回生開始時における前記回転電機の回転速度よりも遅い速度で、電力回生を終了するように構成されていることを特徴とする車両用電力回生装置。
  2. 車両が走行中に受ける走行風によって回転可能なファンと、
    該ファンの走行風による回転に伴って電力を発生する回転電機と、
    該回転電機で発生した電力を回生する電力回生回路と、
    該電力回生回路によって回生された電力を蓄積するバッテリと、を備えた車両用電力回生装置であって、
    前記電力回生回路は、前記車両の走行速度に応じて、電力回生の開始と終了とを切り替えるように構成されたことを特徴とする車両用電力回生装置。
  3. 前記ファンは、前記車両に配設されたラジエータを冷却させるためのラジエータ冷却用ファンで構成され、
    前記回転電機は、前記ラジエータ冷却用ファンを回転駆動させるために前記車両に配設されたファンモータで構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置。
  4. 前記ファンは、前記車両に配設された車両用空調装置の送風用ブロワファンで構成され、
    前記回転電機は、前記送風用ブロワファンを回転駆動させるために前記車両に配設されたブロワモータで構成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用電力回生装置。
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